JP4954479B2 - 高純度電解鉄の製造方法および高純度電解コバルトの製造方法 - Google Patents

高純度電解鉄の製造方法および高純度電解コバルトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不純物の含有量を低減した高純度電解鉄の製造方法および高純度電解コバルトの製造方法に関する。
VLSI(Very Large Scale Integrated circuit ),ULSI(ultra LSI)などの半導体デバイスは、例えば、シリコン(Si)ウェハーの上に様々な金属の薄膜が設けられた構造を有している。近年では、磁気固体メモリー(Magnetic random access memory ;MRAM)の材料として鉄(Fe)を用いる検討が、また、配線材料としてコバルト(Co)を用いる検討がなされている。しかしながら、これらの金属に有害な不純物が含まれていると、半導体デバイスに誤動作あるいは劣化などを生じさせる原因となり好ましくない。例えば、銅(Cu)はシリコン中での拡散速度が大きく短絡の原因となる。また、ウラン(U)あるいはトリウム(Th)などの放射性元素は誤作動を引き起こす可能性が高い。更に、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属は特性劣化の原因となる。したがって、これらの半導体デバイスに用いられる金属は高純度であることが要求される。
また、将来における環境問題あるいは資源の枯渇問題に対処する新しいエンジニアリングの構築をめざして提案された環境半導体材料として鉄を用いたベータ型ケイ化鉄(β−FeSi2 )がある。環境半導体としてのケイ化鉄に許される不純物の含有量は、現在一般に使用されているガリウムヒ素(GaAs)あるいはカドミウムテルル(CdTe)に代表される化合物半導体と同様であり、現在のVLSIあるいはULSIと呼ばれる半導体デバイスに比較して非常に少ない。これは、微量の不純物により不要な不純物準位が形成されてしまうとすぐさま半導体特性の劣化につながるためである。このため、環境半導体に用いられる金属は、更に高純度であることが要求される
ところが、現在世界的に取引されている粗鉄あるいは粗コバルトの品位は、98%〜99.8%程度であり、例えば粗鉄には、ニッケル(Ni)、コバルトあるいはクロム(Cr)などの不純物が、また、粗コバルトには、ニッケル、鉄あるいはクロムなどの不純物が含まれている。また、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)あるいは硫黄(S)などの非金属元素の不純物も含まれている。よって、金属を半導体デバイスあるいは環境半導体の材料として利用するには、粗鉄や粗コバルトなどからこれらの不純物を分離し高純度化することが必要がある。また、鉄やコバルトなどの金属は、半導体デバイス以外にも、強磁性金属としての特性を生かし、磁気記録媒体あるいは磁気記録ヘッドなどの材料として、非常に有望視されている。したがって、これらの遷移金属の高純度化はこれらへの利用を図る上でも必須である。
金属から不純物を除去する方法は、これまでにも種々研究されてきており、例えば、溶媒抽出,イオン交換あるいは電解精製などの湿式処理による金属元素の分離、乾燥水素ガス(H2 )処理による酸素あるいは窒素などの非金属元素の除去、真空溶解、または浮遊帯熔融精製がある。
しかし、溶媒抽出では、抽出・逆抽出の制御が難しく工業的に安定に金属を精製することが難しいという問題があった。電解精製では、電解液のpH領域での制御が必要であり、ニッケルあるいは銅などの除去が困難であるという問題があった。真空溶解では、蒸気圧が高いアルカリ金属不純物およびアルカリ土類金属不純物を蒸発させ分離することは容易であるが、蒸気圧が低い高融点金属不純物および蒸気圧が低い金属不純物を蒸発させ分離するのは困難であり、また、高純度化される対象の金属自体の蒸発損失が大きくなるという問題があった。浮遊帯熔融精製では、ある程度純化した金属に適用して更に純度をあげることを目的とし、実際に大きな精製効果をあげた報告がなされているが(非特許文献1参照)、大型化することが困難なことと、決して安定して生産できる方法ではないことから、安価に大量の高純度金属を製造するのは難しいという問題があった。
これに対して、イオン交換によれば、工業的にも比較的安定して、ほぼすべての不純物金属を分離することができる(例えば特許文献1,2参照。)
特開2002−105633号公報 特開2002−105598号公報 石川幸雄(Yukio Ishikawa),三村耕司(Kouji Mimura),一色実(Minoru Isshiki),フローティング ゾーン リファイニング オブ アイアン アンダー リデュース プレッシャー ウィズ ダイナミック ハイドロゲン フロー (FloatingZone Refining of Iron under Reduced Pressure with Dynamic Hydrogen Flow) ,「マテリアルズ トランザクションズ,ジェイアイエム(Materials Transactions JIM)」,社団法人日本金属学会,2000年,第41巻,第3号,p.420-424
しかしながら、イオン交換では金属を、例えば塩酸水溶液に溶解してイオン交換樹脂に接触させるので、不純物を分離したのち、塩化物から金属に還元しなければならない。よって、その際の加熱処理の際に用いられる耐熱ガラス,磁器るつぼあるいは石英ボートなどからアルミニウム(Al)およびケイ素などの不純物が再び金属に混入してしまうという問題があった。
ところで、最近では、金属中に酸素、炭素あるいは窒素などの非金属元素、特に酸素が含まれていると、スパッタリングによる成膜の際に、パーティクルが発生し、半導体デバイスの特性を低下させるという問題が明らかになってきた。したがって、これらの非金属元素、特に酸素を金属から分離することが課題となってきている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、不純物であるアルミニウムやケイ素などの濃度を低減することができる高純度電解鉄の製造方法および高純度電解コバルトの製造方法を提供することにある。
本発明による高純度電解鉄の製造方法は、(ア)不純物を含む電解鉄を、酸素を含有するプラズマ生成ガスを供給しながら、活性酸素を含む雰囲気下でプラズマアーク熔解し、
または、(イ)不純物を含む電解鉄に、この電解鉄の酸化物を添加し、酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマアーク熔解し、または、(ウ)不純物を含む電解鉄の塊を酸素雰囲気下で加熱することにより表面を酸化させて、この電解鉄を酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマにより熔解し、不純物であるアルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムを酸化することにより、これらの不純物の濃度を低減する工程と、不純物の酸化により電解鉄の表面に形成されたスラグ層を機械的方法または化学的方法により除去する工程と、更に、不純物を含む電解鉄を、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解し、活性水素と、不純物である酸素、窒素および炭素を反応させて、これらの不純物の濃度を低減する工程とを含み、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの不純物の濃度の合計を2.202質量ppm以下、酸素の濃度を2質量ppm以下、酸素、窒素および炭素の濃度の合計を10質量ppm以下とするものである。
また、本発明による高純度電解コバルトの製造方法は、(ア)不純物を含む電解コバルトを、酸素を含有するプラズマ生成ガスを供給しながら、活性酸素を含む雰囲気下でプラズマアーク熔解し、または、(イ)不純物を含む電解コバルトに、この電解コバルトの酸化物を添加し、酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマアーク熔解し、または、(ウ)不純物を含む電解コバルトの塊を酸素雰囲気下で加熱することにより表面を酸化させて、この電解コバルトを酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマにより熔解し、不純物であるアルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムを酸化することにより、これらの不純物の濃度を低減する工程と、不純物の酸化により電解コバルトの表面に形成されたスラグ層を機械的方法または化学的方法により除去する工程と、更に、不純物を含む電解コバルトを、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解し、活性水素と、不純物である酸素、窒素および炭素を反応させて、これらの不純物の濃度を低減する工程とを含み、アルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの不純物の濃度の合計を1.741質量ppm以下、酸素の濃度を2質量ppm以下、酸素、窒素および炭素の濃度の合計を10質量ppm以下とするものである。
本発明の高純度電解鉄の製造方法または高純度電解コバルトの製造方法によれば、上記手順により不純物を酸化等しているので、その不純物を電解鉄または電解コバルトから容易に分離することができる。よって、電解鉄または電解コバルトを高純度化することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の一実施の形態に係る高純度鉄および高純度鉄ターゲットは、不純物である酸素の濃度が1質量ppm以下であり、0.5質量ppm以下であればより好ましい。
また、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計は50質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下であればより好ましい。
加えて、コバルト、ニッケルおよび銅の濃度の合計は3質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下であればより好ましい。
更に、酸素、窒素および炭素の濃度の合計は50質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であればより好ましい。
特に、チタン、クロム、マンガン(Mn)、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛の濃度の合計は20質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下であればより好ましい。
ここで、不純物の濃度は、例えば、分析機器にグロー放電質量分析(Glow Discharge Mass Spectroscopy)を使用して、定量することができる。酸素,窒素あるいは水素などの非金属元素については、例えば、非分散赤外線吸収法,熱伝導度法あるいは不活性ガス中で融解したのちカラムで分離し熱伝導度を測定するなどの適当な方法で定量することができる。
この高純度鉄および高純度鉄ターゲットは、例えば、半導体デバイス,磁気記録媒体,磁気記録ヘッドあるいは環境半導体を用いたデバイスなどの材料として用いられる。なお、環境半導体とは、地球上に豊富に存在しかつ環境に優しい材料から構成される半導体物質のことであり、例えば、ケイ化鉄あるいはケイ化カルシウム(Ca2 Si)が挙げられる(環境半導体研究会ホームページ(http://kan.engjm.saitama-u.ac.jp/SKS/index2.html)参照)。
このような高純度鉄および高純度鉄ターゲットは、例えば、次のようにして製造することができる。
図1は高純度鉄および高純度鉄ターゲットの製造工程を表すものである。まず、図2に示したように、プラズマアーク熔解炉を用意し、熔解室1内にあるるつぼ3の中に不純物を含む鉄を配置し、プラズマトーチ2にプラズマガス供給源5からプラズマ生成ガスを供給しながら、電源4により、プラズマトーチ2とるつぼ3との間に直流電圧を印加して、プラズマを発生させ、不純物を含む鉄を熔解する(ステップS101)。
その際、熔解した鉄に酸素を溶け込ませる(ステップS101)。具体的には、プラズマ生成ガスに酸素を混合し、熔解室1内に活性酸素を発生させると、活性酸素は、熔解した金属に容易に溶け込み、不純物として含まれている金属元素および半金属元素の酸化物を生成する。この酸化物は、熔解している鉄の表面に浮上して濃縮し、スラグ層となり鉄と分離する。なお、酸素はプラズマ生成ガスに混合せずに、熔解室1内の雰囲気中に混入してもよい。
また、活性酸素は、不純物として含まれている炭素、窒素、硫黄、リン(P)などの非金属元素も酸化して酸化物ガスを生成する。これらの酸化物ガスは、熔解している鉄から一酸化炭素、酸化窒素、二酸化硫黄、酸化リンなどとして放出され、鉄と分離する。
このように鉄から特定の不純物を分離することができるのは、元素の種類によって、酸素に対する親和力が異なるからである。具体的に図3を参照して説明する。
図3は主な金属元素の酸化物の酸素ポテンシャルを表したものである。図中、縦軸は酸素分圧を示し、横軸は金属の温度を示す。図に表された各酸化物は、各金属元素が酸化されたときに最初に生成する酸化物、例えば、鉄であれば、最初に生成するFeOを示している。なお、更に酸素ポテンシャルを増加させると、Fe3 4 、Fe2 3 の順に生成する。また、各曲線より縦軸の正方向、即ち、酸素分圧の大きな領域は、酸化物が生成する酸素ポテンシャル領域を表し、各曲線より縦軸の負方向、即ち、酸素分圧の小さな領域は、金属が安定化する酸素ポテンシャル領域を表す。したがって、各曲線は、酸化物が生成する酸素ポテンシャル領域と、金属が安定化する酸素ポテンシャル領域との境界を表している。
図3において、例えば、鉄が安定化する酸素ポテンシャル領域であって、他の金属の酸化物が生成する酸素ポテンシャル領域に温度と酸素分圧を設定することにより、例えば、温度を2000℃、酸素分圧を0.1Paに設定することにより、鉄を酸化させずに、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタン、ジルコニウムなどの金属を酸化させることができる。これにより、酸化された不純物金属はスラグ層となり、鉄から分離するため、これらの不純物の濃度を低減することができる。なお、図3には記載されていないが、銅、マグネシウム(Mg)、マンガン、モリブデン(Mo)、ナトリウム(Na)、鉛(Pb)、タンタル(Ta)、亜鉛などの金属も酸化物とするとができ、これらの不純物濃度を低減することができる。
本実施の形態では、プラズマ生成ガスにおける酸素の分圧は、鉄の融点である1536℃以上において、0.1Pa以上10kPa以下とすることが好ましい。この場合には、鉄の酸化物が生成する酸素ポテンシャル領域も含まれることになるが、これは、この領域で生成した酸化鉄が、不純物金属の酸化物と熔解した鉄の表面で混合スラグ層を形成することにより、不純物金属の酸化物の活量を低下させ、酸化されていない不純物金属の酸化を更に促進し、鉄をより高純度化することができるからである。
なお、るつぼ3は、プラズマトーチ2との間にプラズマを生成させるために、高い導電性を有する銅るつぼを用いることが好ましい。また、るつぼ3は、鉄を熔解する際に、水などにより冷却することが好ましい。冷却することにより、るつぼ3の熔解を避けると共に、熔解した鉄の内部に温度勾配を設け、対流を生じさせるためである。これにより、不純物についても酸化が促進される。なお、活性酸素が、熔解した鉄の内部にも溶け込み移動することによっても、対流が促進される。
上述したプラズマ生成ガスは、不活性ガスを含んでいてもよい。不活性ガスとしては、例えばアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)が挙げられる。
また、熔解室1内の圧力は、例えば、鉄の融点である1536℃以上において1.33kPa以上310kPa以下の範囲内とすることが好ましい。この範囲内において、鉄以外の金属を容易に酸化することができるからである。
次に、活性酸素を含むプラズマにより不純物を含む鉄を熔解した後、鉄の表面に形成されたスラグ層を、例えば機械的方法あるいは化学的方法により除去する(ステップS102)。機械的方法としては、例えば研磨機による研磨、切削加工あるいはヤスリがけが挙げられる。化学的方法としては、例えば表面に金属光沢が生じるまで希硝酸溶液あるいは希塩酸などの酸に浸漬し溶解する方法が挙げられる。
以上の活性酸素を含む雰囲気下におけるプラズマによる熔解により、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計を好ましくは50質量ppm以下にすることができ、より好ましくは1質量ppm以下にすることができる。
また、活性酸素を溶融した鉄に溶け込ませることに代えて、次のようにして不純物を除去するようにしてもよい。まず、不純物を含む鉄にあらかじめ酸化鉄を混合しておき、この混合物を、例えば、プラズマにより熔解する。これにより熔解した鉄と溶融酸化鉄とが共存した状態となる。熔解したこの混合物は、熔解した鉄の層と、熔解した酸化鉄の層に分離する。その際、鉄よりも酸素に対する親和力の大きなアルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタン、ジルコニウムなどの金属は、酸化され酸化鉄の層に取り込まれ、混合スラグ層が形成される。なお、ここで言う酸素に対する親和力が大きな金属も、精製する金属よりも酸化物の生成する酸素ポテンシャルが低いものをいう。そののち、この混合スラグ層を、例えば、上述したように機械的方法あるいは化学的方法により除去することによって(ステップS102)、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計を好ましくは50質量ppm以下にすることができ、より好ましくは1質量ppm以下にすることができる。
なお、プラズマ生成ガスには、酸素を混合しなくてもよいし、熔解室1内の雰囲気中にも酸素を混入しなくてもよい。また、混合物は、プラズマにより熔解するようにしてもよいが、熔解することができれば他の方法を用いてもよい。
更にまた、不純物を含む鉄にあらかじめ酸化鉄を混合せずに、不純物を含む鉄を酸素を含む雰囲気下で加熱することにより、その表面を酸化して酸化鉄を形成したのち熔解するようにしてもよい。これにより上述のように、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計を好ましくは50質量ppm以下にすることができ、より好ましくは1質量ppm以下にすることができるからである。
続いて、スラグ層が除去された鉄を、図2に示したプラズマアーク熔解炉のるつぼ3に設置し、プラズマ生成ガスに水素を混合して、熔解室1内に活性水素を発生させる。
また、鉄はプラズマにより熔解し(ステップS103)、不純物として含まれているナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ウラン、トリウムなどの放射性元素、ケイ素、リン、クロム、マンガン、ジルコニウム、鉛、チタン、アルミニウム、亜鉛などの蒸気が発生して、活性水素と化1に示したように反応し、あるいは熔解した鉄の内部において、熔解した鉄に溶け込んだ活性水素と化1に示したように反応する。
Figure 0004954479
(式中、M1はナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ウラン、トリウムなどの放射性元素、ケイ素、リン、クロム、マンガン、ジルコニウム、鉛、チタン、アルミニウム、亜鉛などを示し、xおよびyは正の数を表す。)
これらの不純物金属は、鉄よりも蒸気圧が高いので、不純物金属と活性水素とが一時的な緩い結合を形成することにより、これら不純物金属の蒸発が促進される。これにより、これら不純物金属の濃度はより低減する。
鉄に含まれている酸素、窒素、炭素,硫黄等の非金属元素は、活性水素と化2に示したように反応する。
Figure 0004954479
(式中、zは正の数を表す。)
すなわち、酸素は活性水素と結合して水(H2 O)となり、窒素は活性水素と結合して窒素水素化物(NHz )となり、炭素は活性水素と結合してメタンあるいはエタン等の炭化水素ガス(Cb c ; bおよびcは正の数を表す)となる。ここでの結合は、上述した活性水素と不純物金属との結合よりも強固であるので、生成した水(H2 O)などは熔解した鉄の内部から鉄の外部に放出される。これにより、ステップS101の酸素による精製工程で混入してしまった酸素の濃度が低減し、更に、窒素および炭素などの他のガス性不純物の濃度も低減する。
以上の活性水素を含む雰囲気下におけるプラズマによる熔解により、酸素、窒素および炭素の濃度の合計を好ましくは50質量ppm以下にすることができ、より好ましくは10質量ppm以下にすることができる。
また、図4に示したように、酸素による精製工程の前に陰イオン交換樹脂を用いた精製工程(ステップS200)を行うようにしてもよい。このようにすれば、不純物の濃度をより低減することができると共に、酸素などによる精製工程に要する時間を短くすることができるので好ましい。
図5は陰イオン交換樹脂を用いた精製工程を表すものである。まず、不純物を含む鉄を塩酸溶液に溶解し、塩化鉄(FeCl2 あるいはFeCl3 )水溶液M2を作製する(ステップS211)。その際、塩酸濃度を0.1kmol/m3 以上6kmol/m3 以下の範囲内に調整する。
次いで、図6に示したように、この塩化鉄水溶液M2を鉄などの金属11と共に容器12に入れ、窒素ガス(N2 )あるいはアルゴンガスなどの不活性ガス13を吹き込むと共に、塩化鉄水溶液M2と金属11とを例えばスターラー14により攪拌して十分に接触させる(ステップS212)。これにより、塩化鉄水溶液M2に不純物として含まれる銅は、例えば化3に示したように反応し、2価イオンから1価イオンまたは金属銅となる。また、塩化鉄水溶液M2に含まれる鉄は、例えば化4に示したように反応し、3価イオンから2価イオンとなる。なお、化3に示した反応式は完全に右に進行せず、1価の銅イオンが少し塩化鉄水溶液に残存する。
Figure 0004954479
Figure 0004954479
ここで塩化鉄水溶液M2に不活性ガス13を吹き込むのは、塩化鉄水溶液M2に溶存している酸素を追い出すためであり、化3および化4に示した反応などは塩化鉄水溶液M2に酸素が溶存していると進行しない。この不活性ガス13の吹き込みは塩化鉄水溶液M2と金属11とを攪拌する際に同時に行ってもよく、塩化鉄水溶液M2に金属11を入れる前に行ってもよい。
金属11は粉末のように表面積の大きいものが好ましい。塩化鉄水溶液M2との接触面積を大きくすることにより、銅および鉄を十分に反応させることができるからである。金属11には鉄以外のものも用いることができるが、好ましいのは鉄である。塩化鉄水溶液M2に他の不純物が混入することを可能な限り防止するためである。
なお、ここでは塩化鉄水溶液M2の塩酸濃度を調整したのち、塩化鉄水溶液M2と金属11とを接触させて鉄を2価イオンとすると共に銅を1価イオンとするようにしたが、塩化鉄水溶液M2を金属11と接触させて鉄を2価イオンとしかつ銅を1価イオンとしたのち、塩化鉄水溶液M2の塩酸濃度を調整するようにしてもよい。
続いて、図7に示したように、陰イオン交換樹脂21を充填したカラム22を用意し、塩化鉄水溶液M2を貯蔵タンク23からカラム22に流し込み、陰イオン交換樹脂21と十分に接触させる(ステップS213)。塩化鉄水溶液M2の流速は、塩化鉄水溶液M2が陰イオン交換樹脂21と十分に接触するように、樹脂容量分を1時間かけて流す程度(1bed volume(s)/hour)あるいはそれ以上の時間をかけてゆっくりと流す程度が好ましい。ここでは、鉄を2価イオンとしかつ銅を1価イオンとしているので、1価イオンの銅は陰イオン交換樹脂21に吸着され、2価イオンの鉄は陰イオン交換樹脂21に全く吸着することなくカラム22から溶出される。この時の溶出液中における金属イオン濃度の変化(溶離曲線)を図8に示す。図8において横軸は溶出容量、縦軸は金属イオンの最大濃度で規格化した濃度である。このように、2価イオンの鉄と1価イオンの銅との溶離曲線のピークは全く重なる部分がなく、塩化鉄水溶液から銅を完全に分離できることが分かる。すなわち、回収タンク24には、銅が分離された塩化鉄水溶液M2が回収される。
なお、塩化鉄水溶液M2に亜鉛、ガリウム(Ga)、ニオブ、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、タンタル、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)、鉛およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少なくとも1種の不純物が含まれている場合には、図8に亜鉛で示したように、ステップS213によりこれらの不純物も銅と共に陰イオン交換樹脂21に吸着され、塩化鉄水溶液M2から分離される。
銅を分離したのち、塩化鉄水溶液M2にリチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、カリウム(K)、カルシウム、スカンジウム(Sc)、チタン、バナジウム(V)、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタノイド類、ハフニウム(Hf)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)およびアクチノイド類からなる群のうちの少なくとも1種の不純物が含まれている場合には、塩化鉄水溶液M2に例えば過酸化水素水を入れて酸化し、鉄を2価イオンから3価イオンとする(ステップS214)。なお、この酸化は放置していても自然に起こるので、積極的に酸化工程を行わなくてもよい。
そののち、塩化鉄水溶液M2の塩酸濃度を2kmol/m3 以上11kmol/m3 以下の範囲内に調整し、図7に示したように、塩化鉄水溶液M2を陰イオン交換樹脂21と十分に接触させる(ステップS215)。これにより、3価イオンの鉄は陰イオン交換樹脂21に吸着され、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、セシウム、バリウム、ランタノイド類、ハフニウム、フランシウム、ラジウムおよびアクチノイド類は陰イオン交換樹脂21に吸着することなく溶出される。
この時の溶出液中における金属イオン濃度の変化(溶離曲線)を図9に示す。図9は上述した不純物を代表してアルミニウム、ケイ素、リン、チタン、マンガン、コバルトおよびクロムを鉄と比較したものであり、横軸および縦軸は図8と同様である。このように、これらの不純物と3価イオンの鉄との溶離曲線のピークはほぼ重なる部分がなく、これらの不純物と鉄とをほぼ分離できることが分かる。
また、塩化鉄水溶液M2に亜鉛、ガリウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマスおよびポロニウム(Po)からなる群のうちの少なくとも1種の不純物が含まれている場合には、ステップS215においてこれらの不純物も鉄と共に陰イオン交換樹脂21に吸着される。
この場合には、鉄を陰イオン交換樹脂21に吸着させたのち、濃度が0.1kmol/m3 以上2kmol/m3 以下の塩酸溶液を流して陰イオン交換樹脂21から鉄を溶離させ、鉄と共に陰イオン交換樹脂に吸着された亜鉛、ガリウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマスおよびポロニウムと鉄とを分離する(ステップS216)。この時の溶出液中における金属イオン濃度の変化(溶離曲線)を図9に合わせて示す。図9は上述した不純物を代表してスズを鉄と比較したものである。このように、これら不純物と3価イオンの鉄との溶離曲線のピークはほぼ重なる部分がなく、これら不純物と鉄とをほぼ分離できることが分かる。
但し、ここでは、ステップS213において既に亜鉛、ガリウム、ニオブ、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛およびビスマスは銅と共に塩化鉄水溶液M2から分離されているので、ステップS216では主としてモリブデンおよびポロニウムが鉄と分離される。
鉄を溶離したのち、得られた塩化鉄水溶液M2を、例えば耐熱ガラス上で蒸発乾固し、釉薬を塗った磁器るつぼ中で酸化して、酸化鉄とする(ステップS217)。そののち、例えば、石英ボートあるいはアルミナボート上で酸化鉄を水素雰囲気中において500K以上1800K未満の温度で加熱する(ステップS218)。但し、還元を速やかに行うには、1000K以上の温度で加熱することが好ましい。これにより、酸化鉄は化5に示したように反応し、鉄が得られる。
Figure 0004954479
以上の陰イオン交換樹脂を用いた精製工程により、コバルト、ニッケルおよび銅の濃度の合計を好ましくは3質量ppm以下にすることができ、より好ましくは1質量ppm以下にすることができる。
また、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛の濃度の合計を好ましくは20質量ppm以下にすることができ、より好ましくは1質量ppm以下にすることができる。
なお、この工程によりケイ素あるいはアルミニウムなどの不純物が混入してしまう可能性があるが、これらの不純物は上述した酸素による精製工程で低減される。
このように第1の実施の形態の高純度鉄および高純度鉄ターゲットによれば、酸素の濃度が1質量ppm以下とされるので、スパッタリングによる成膜の際にパーティクルの発生を抑制することができ、例えば、半導体デバイスの特性を向上させることができる。加えて、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計が50質量ppm以下とされるので、より半導体デバイスの特性を向上させることができる。更に、コバルト、銅およびニッケルの濃度の合計が1質量ppm以下とされるので、例えば、半導体デバイスに用いられても短絡を生じさせることがなく、更に特性を向上させることができる。また、磁気記録媒体、磁気記録ヘッドなどのデバイスなどにも用いることができ、それらの特性を向上させることができる。特に、ケイ化鉄などのような化合物半導体の材料として用いた場合、特性劣化のような微量不純物による不要な不純物準位が形成されず、優れた特性を得ることができる。
[第2の実施の形態]
本発明の一実施の形態に係る高純度コバルトおよび高純度コバルトターゲットは、不純物である酸素の濃度が1質量ppm以下であり、0.5質量ppm以下であればより好ましい。
また、アルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計は50質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下であればより好ましい。
加えて、ニッケルおよび銅の濃度の合計は50質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下であればより好ましい。
更に、酸素、窒素および炭素の濃度の合計は50質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であればより好ましい。
特に、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅および亜鉛の濃度は100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であればより好ましく、5質量ppm以下であれば更に好ましい。
このような高純度コバルトおよび高純度コバルトターゲットは、例えば、第1の実施の形態と同様にして図1に示したように、不純物を含むコバルトを熔解すると共に、酸素を溶かし込ませ、あるいはコバルトと溶融酸化コバルトとを共存させることにより製造することができる。
なお、活性酸素雰囲気下で、不純物を含むコバルトを熔解する場合には、鉄も除去される。図3に示したように、鉄の酸化物が生成する酸素ポテンシャル領域よりも、コバルトの酸化物が生成するポテンシャル領域の方が、酸素分圧の大きな領域にあるからである。
また、酸化物を添加して熔解する場合には、酸化コバルトを用いればよい。
以上の不純物を含むコバルトを熔解すると共に、酸素を溶かし込ませ、あるいはコバルトと溶融酸化コバルトとを共存させることにより、アルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計を好ましくは50質量ppm以下にすることができ、より好ましくは1質量ppm以下にすることができる。
また、活性水素を含む雰囲気下におけるプラズマによる熔解により、酸素、窒素および炭素の濃度の合計を好ましくは50質量ppm以下にすることができ、より好ましくは10質量ppm以下にすることができる。
本実施の形態では、活性酸素雰囲気下で、不純物を含むコバルトを熔解する場合には、第1の実施の形態と同様にプラズマ生成ガスにおける酸素の分圧は、コバルトの融点である1495℃以上において、0.1Pa以上102Pa以下とすることが好ましい。
また、熔解室1内の圧力は、例えば、コバルトの融点である1495℃以上において1.33以上310kPa以下の範囲内とすることが好ましい。この範囲内において、コバルト以外の金属を容易に酸化することができるからである。
また、図4に示したように、酸素による精製工程の前に陰イオン交換樹脂を用いた精製工程(ステップS200)を行うようにしてもよい。このようにすれば、不純物の濃度をより低減することができると共に、酸素などによる精製工程に要する時間を短くすることができるので好ましい。
図10は陰イオン交換樹脂を用いた精製工程を表すものである。まず、不純物を含むコバルトを塩酸溶液に溶解し、塩化コバルト(CoCl2 )水溶液M3を作製する(ステップS221)。その際、塩酸濃度を0.1kmol/m3 以上3kmol/m3 以下の範囲内に調整する。
次いで、図6に示したように、この塩化コバルト水溶液M3をコバルトなどの金属11と共に容器12に入れ、窒素ガスあるいはアルゴンガスなどの不活性ガス13を吹き込むと共に、塩化コバルト水溶液M3と金属11とを例えばスターラー14により攪拌して十分に接触させる(ステップS222)。これにより、塩化コバルト水溶液M3に不純物として含まれる銅は、例えば化6に示したように反応し、2価イオンから1価イオンとなる。
Figure 0004954479
ここで塩化コバルト水溶液M3に不活性ガス13を吹き込むのは、塩化コバルト水溶液M3に溶存している酸素を追い出すためであり、化6に示した反応などは塩化コバルト水溶液M3に酸素が溶存していると進行しない。この不活性ガス13の吹き込みは塩化コバルト水溶液M3と金属11とを攪拌する際に同時に行ってもよく、塩化コバルト水溶液M3に金属11を入れる前に行ってもよい。
金属11は粉末のように表面積の大きいものが好ましい。塩化コバルト水溶液M3との接触面積を大きくすることにより、銅を十分に反応させることができるからである。金属11にはコバルト以外のものも用いることができるが、好ましいのはコバルトである。塩化コバルト水溶液M3に他の不純物が混入することを可能な限り防止するためである。
なお、ここでは塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を調整したのち、塩化コバルト水溶液M3と金属11とを接触させて銅を1価イオンとするようにしたが、塩化コバルト水溶液M3を金属11と接触させて銅を1価イオンとしたのち、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を調整するようにしてもよい。
続いて、図7に示したように、陰イオン交換樹脂21を充填したカラム22を用意し、塩化コバルト水溶液M3を貯蔵タンク23からカラム22に流し込み、陰イオン交換樹脂21と十分に接触させる(ステップS223)。塩化コバルト水溶液M3の流速は、塩化コバルト水溶液M3が陰イオン交換樹脂21と十分に接触するように、樹脂容量分を1時間かけて流す程度(1bed volume(s)/hour)あるいはそれ以上の時間をかけてゆっくりと流すのが好ましい。ここでは、銅を1価イオンとしているので、1価イオンの銅は陰イオン交換樹脂21に吸着され、コバルトは陰イオン交換樹脂21に全く吸着することなくカラム22から溶出される。この時の溶出液中における金属イオン濃度の変化(溶離曲線)を図11に示す。図11において横軸および縦軸は図8と同様である。このように、2価イオンのコバルトと1価イオンの銅との溶離曲線のピークは全く重なる部分がなく、塩化コバルト水溶液から銅を完全に分離できることが分かる。すなわち、回収タンク24には、銅が分離された塩化コバルト水溶液M3が回収される。
なお、塩化コバルト水溶液M3に亜鉛などの不純物が含まれている場合には、図11に示したように、ステップS223において亜鉛も銅と共に陰イオン交換樹脂21に吸着され、塩化コバルト水溶液M3から分離される。亜鉛と同様にして分離される元素には、例えば、テクネチウム,ルテニウム,パラジウム,銀,カドミウム,インジウム,スズ,レニウム,オスミウム,イリジウム,白金,金,水銀,タリウム,鉛,ビスマスおよびポロニウムがある。すなわち、塩化コバルト水溶液M3にこれらのうちの少なくとも1種の不純物が含まれている場合には、銅と共に分離される。
銅を分離したのち、塩化コバルト水溶液M3にチタン,クロム,マンガン,ニッケル,アルミニウム,アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群のうちの少なくとも1種の不純物が含まれている場合には、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を7kmol/m3 以上11kmol/m3 以下の範囲内に調整し、図7に示したように、塩化コバルト水溶液M3を陰イオン交換樹脂21と十分に接触させる(ステップS224)。これにより、コバルトは陰イオン交換樹脂21に吸着され、陰イオン交換樹脂21に吸着されないチタン,クロム,マンガン,ニッケル,アルミニウム,アルカリ金属またはアルカリ土類金属と分離される。この時の溶出液中における金属イオン濃度の変化(溶離曲線)を図12に示す。図12において横軸および縦軸は図8と同様である。
また、塩化コバルト水溶液M3に鉄,亜鉛,モリブデン,テクネチウム,ルテニウム,パラジウム,銀,カドミウム,インジウム,スズ,タングステン,レニウム,オスミウム,イリジウム,白金,金,水銀,タリウム,鉛,ビスマスおよびポロニウムからなる群のうちの少なくとも1種の不純物が含まれている場合には、ステップS224においてこれらの不純物もコバルトと共に陰イオン交換樹脂21に吸着される。この場合には、コバルトを陰イオン交換樹脂21に吸着させたのち、濃度が2.5kmol/m3 以上5kmol/m3 以下の塩酸溶液を流して陰イオン交換樹脂21からコバルトを溶離させ、コバルトと共に陰イオン交換樹脂に吸着された鉄,亜鉛,モリブデン,テクネチウム,ルテニウム,パラジウム,銀,カドミウム,インジウム,スズ,タングステン,レニウム,オスミウム,イリジウム,白金,金,水銀,タリウム,鉛,ビスマスまたはポロニウムとコバルトとを分離する(ステップS225)。
但し、ここでは、ステップS223において既に亜鉛,テクネチウム,ルテニウム,パラジウム,銀,カドミウム,インジウム,スズ,レニウム,オスミウム,イリジウム,白金,金,水銀,タリウム,鉛,ビスマスおよびポロニウムは銅と共に塩化コバルト水溶液M3から分離されているので、ステップS225では主として鉄,モリブデンおよびタングステンがコバルトと分離される。
コバルトを溶離したのち、得られた塩化コバルト水溶液M3を例えば耐熱ガラス上で蒸発乾固し、塩化コバルトあるいはその水和物とする(ステップS226)。そののち、塩化コバルトあるいはその水和物を、図13に示したような装置を用い、水素雰囲気中において623K以上873K未満(350℃以上600℃未満)の温度で加熱する(ステップS227)。これにより、塩化コバルトあるいはその水和物は化7に示したように反応し、コバルトが得られる。なお、図13に示した装置は、加熱炉31内に反応管32が設置され、反応管32には一端部から水素ガス33が供給されると共に、他端部から反応により生成した塩化水素ガスが排出されるようになっており、排出された塩化水素ガスは処理部34において吸収されるようになっている。
Figure 0004954479
その際、加熱温度を623K以上とするのは、これよりも低温では塩化コバルトを十分に反応させることができないからであり、加熱温度を873K未満とするのは、873K未満でも塩化コバルトを十分に反応させることができるので、できるだけ低温の方がコストを低減することができると共に、製造装置を簡易とできるからである。図14に加熱温度と反応速度(還元速度)との関係を示す。図14において横軸は時間、縦軸は還元率であり、反応速度は、化7に示したように、1molのコバルトが還元されると2molの塩化水素が生成することに基づき、回収した塩化水素の濃度変化から求めたものである。図14からも、623K以上873K未満で十分にコバルトを還元できることが分かる。
なお、この工程によりケイ素あるいはアルミニウムなどの不純物が混入してしまう可能性があるが、これらの不純物は上述した酸素による精製工程で低減される。
また、次のような手順で塩化コバルト水溶液M3から不純物を分離して製造するようにしてもよい。
まず、塩化コバルト水溶液M3に不活性ガスを吹き込むと共に、塩化コバルト水溶液Mを金属11と接触させて銅を1価イオンとする(ステップS222)。次いで、塩化コバルト水溶液Mの塩酸濃度を7kmol/m3 以上11kmol/m3 以下に調整し、陰イオン交換樹脂21にコバルトを吸着させてチタンなどの不純物と分離する(ステップS224)。続いて、濃度が2.5kmol/m3 以上5kmol/m3 以下の塩酸溶液により陰イオン交換樹脂21に吸着させたコバルトを溶離させ、コバルトと共に陰イオン交換樹脂21に吸着されたモリブデンなどの不純物と分離する(ステップS225)。そののち、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を0.1kmol/m3 以上3kmol/m3 以下に調整し(ステップS221)、陰イオン交換樹脂21に銅を吸着させて塩化コバルト水溶液M3から分離する(ステップS223)。
また、銅を1価イオンとしたのち(ステップS222)、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を調整して陰イオン交換樹脂21にコバルトを吸着させてチタンなどの不純物と分離し(ステップS224)、次いで、濃度が0.1kmol/m3 以上3kmol/m3 以下の塩酸溶液により陰イオン交換樹脂21に吸着させたコバルトを溶離させ、コバルトと共に陰イオン交換樹脂21に吸着された銅などの不純物と分離し、そののち、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を2.5kmol/m3 以上5kmol/m3 以下に調整して陰イオン交換樹脂21に鉄,モリブデンあるいはタングステンなどの不純物を吸着させて塩化コバルト水溶液M3から分離するようにしてもよい。
これらの場合、陰イオン交換樹脂21に吸着させたコバルトを溶離する塩酸溶液の濃度を2.5kmol/m3 以上3kmol/m3 以下に調整し、銅と共に鉄,モリブデンあるいはタングステンなどの不純物をコバルトと分離するようにしてもよい。
更に、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を調整して陰イオン交換樹脂21にコバルトを吸着させてチタンなどの不純物と分離し(ステップS224)、濃度を調整した塩酸溶液により陰イオン交換樹脂21に吸着させたコバルトを溶離させてモリブデンなどの不純物と分離したのち(ステップS225)、銅を1価イオンとし(ステップS222)、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を調整して陰イオン交換樹脂21に銅を吸着させて分離する(ステップS223)ようにしてもよい。但し、この場合、銅を1価イオンとする工程で不純物が混入される可能性があるので、上述したいずれかの手順で行う方が好ましい。
以上の陰イオン交換樹脂を用いた精製工程により、ニッケルおよび銅の濃度の合計を好ましくは50質量ppm以下にすることができ、より好ましくは1質量ppm以下にすることができる。
また、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅および亜鉛の濃度を好ましくは100質量ppm以下、より好ましくは50質量ppm以下、更に好ましくは5質量ppm以下にすることができる。
このように第2の実施の形態の高純度コバルトおよび高純度コバルトターゲットによれば、酸素の濃度が1質量ppm以下とされるので、スパッタリングによる成膜の際にパーティクルの発生を抑制することができ、例えば、半導体デバイスの特性を向上させることができる。加えて、アルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの濃度の合計を50質量ppm以下とされるので、より半導体デバイスの特性を向上させることができる。更に、銅およびニッケルの濃度の合計を50質量ppm以下とされるので、例えば、半導体デバイスに用いられても短絡を生じさせることがなく、更に特性を向上させることができる。また、磁気記録媒体、磁気記録ヘッドなどのデバイスなどにも用いることができ、それらの特性を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
本発明の一実施の形態に係る高純度金属の製造方法は、不純物を含む金属を、第1あるいは第2の実施の形態で説明したように熔解すると共に、酸素を溶かし込ませ、あるいは精製の目的とする金属の溶融酸化物と共存させることにより、アルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムからなる群のうち少なくとも1種の不純物を酸化して除去するものである。
なお、活性酸素を含む雰囲気下で不純物を含む金属をプラズマにより熔解する場合には、酸素分圧は、例えば図3を参照し、精製する金属に応じて設定する。具体的には、酸素分圧を例えば精製する金属の酸化物が生成する酸素ポテンシャル領域よりも低くし、その金属よりも酸化されやすい不純物を酸化する。また、酸素分圧をそれよりも若干高くし、精製する金属と不純物金属とを共に酸化するようにしてもよい。これらの酸化物は、金属の表面にスラグ層を形成し、これにより不純物の濃度が低減される。この方法は鉄あるいはコバルトを精製する場合に限らず、酸化物が生成する酸素ポテンシャルが高い金属を精製する場合に広く用いることができ、例えば、鉄あるいはコバルトの他にも金,銀,白金,ロジウムあるいはパラジウムなどの貴金属を精製する場合に特に好ましい。
また、酸化物を添加して熔解する場合には、精製する金属の酸化物を用いればよい。
更にまた、金属の表面に形成されたスラグ層を、機械的方法あるいは化学的方法により除去したのち、第1あるいは第2の実施の形態と同様に、更に活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解するようにしてもよい。これにより、ナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、酸素、窒素、炭素,硫黄などの軽元素、ウラン、トリウムなどの放射性元素、ケイ素、リン、クロム、マンガン、ジルコニウム、鉛、チタン、アルミニウムおよび亜鉛からなる群のうち少なくとも1種の不純物が除去され、より高純度化することができるからである。特に、上述したように酸素による精製を行うと、金属中に酸素が多く残存するため、この酸素を効果的に除去することができる。
なお、活性水素を含む雰囲気下で、金属をプラズマにより熔解する方法については、上述した第1あるいは第2の実施の形態と同様にすればよい。
また、酸素による精製工程の前に陰イオン樹脂を用いた精製工程を行うようにしてもよい。このようにすれば、不純物の濃度をより低減することができると共に、活性酸素などによる精製工程に要する時間を短くすることができるので好ましい。
なお、この工程によりケイ素あるいはアルミニウムなどの不純物が混入してしまうが、これらの不純物は上述した酸素による精製工程で低減される。
このように、本実施の形態によれば、不純物を含む金属を熔解すると共に、金属中に酸素を溶け込ませ、あるいは精製の目的とする金属の溶融酸化物と共存させるようにしたので、精製する金属よりも酸素に対する親和力の大きな不純物金属を容易に金属から分離し、その濃度を低減することができる。よって容易に金属を高純度することができる。
特に、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解するようにすれば、酸素、窒素、および炭素からなる群のうち少なくとも1種の濃度を低減することができ、金属をより高純度化することができる。
また、不純物を含む金属を熔解すると共に、金属中に酸素を溶け込ませ、あるいは精製の目的とする金属の溶融酸化物と共存させる前に、金属を塩酸水溶液に熔解して塩酸の濃度を調整し、陰イオン交換樹脂と接触させるようにすれば、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群のうち少なくとも1種の不純物も分離することができると共に、他の不純物濃度もより低減することができる。
よって、例えば、半導体デバイス,磁気記録媒体,磁気記録ヘッドあるいは環境半導体を用いたデバイスなどの材料として用いることができる。
更に、本発明の実施例について具体的に図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1−1)
図2に示したような最大出力20kWの小型プラズマアーク炉を用意し、るつぼ3としての銅るつぼ内に表1に示すような純度の電解鉄50gを配置した。次いで、熔解室1の内部を真空排気したのち、アルゴン雰囲気に置換した。続いて、銅るつぼを水冷しながら、ガス供給源5からプラズマ生成ガスとしての酸素分圧が100Pa(酸素容量が0.1容量%)であるアルゴンガスを毎分5リットルの流量で、プラズマトーチ2に供給しながら、電源4により直流電圧を印加し、プラズマを発生させ、銅るつぼ内の電解鉄を熔解した。なお、このときの熔解温度は2000℃であった。
熔解を開始して数分後、熔解した電解鉄の表面に島状の薄いスラグ層が移動するのを観察することができた。このスラグ層は時間の経過と共に面積を増大させ、10分後には熔解した電解鉄の表面の約3分の2を占めた。この後、スラグ層の面積の増大は見られなくなったが、不純物の酸化をより確実にするため、更に10分間熔解を続けた。その後、熔解した鉄を冷却し、熔解室1から鉄の塊を取り出した。
取り出した鉄の塊の表面に形成されたスラグ層を研磨機により機械的に研磨して除去し、更に、2mol/lの硝酸溶液に浸漬して、表面のスラグ層を化学的に研磨し、スラグ層を完全に除去し約45gの鉄の塊を得た。
(実施例1−2)
実施例1−1で得られた鉄の塊を、実施例1−1で用いた小型プラズマアーク炉を用い、ガス供給源5からプラズマ生成ガスを水素分圧が20kPa(水素容量が20容量%)であるアルゴンガスにして、プラズマにより熔解した。なお、このときの熔解温度は2000℃であった。その後、熔解した鉄を冷却し、鉄の塊を得た。
(実施例1−3)
表1に示した電解鉄を原料とし、これを濃度2kmol/m3 の塩酸溶液に鉄濃度が0.179kmol/m3 (10g/dm3 )となるように溶解し、塩化鉄(FeCl3 )水溶液M2を作製した。次いで、図6に示したように、この塩化鉄水溶液M2に粉末状の鉄11を入れ、不活性ガスを吹き込みつつ攪拌して銅を1価イオンとすると共に、鉄を2価イオンとした。続いて、図7に示したように、塩化鉄水溶液M2を陰イオン交換樹脂21に接触させ、銅を吸着させて塩化鉄水溶液M2から分離した。
銅を分離したのち、塩化鉄水溶液M2に過酸化水素水を添加して鉄を3価イオンとした。そののち、塩化鉄水溶液M2の塩酸濃度を5kmol/m3 とし、塩化鉄水溶液M2を陰イオン交換樹脂21に接触させて鉄を吸着させ、リチウムなどの不純物と分離した。次いで、濃度1kmol/m3 の塩酸溶液により陰イオン交換樹脂21から鉄を溶離させ、モリブデンなどの不純物と分離した。
鉄を陰イオン交換樹脂21から溶離したのち、得られた塩化鉄水溶液M2を耐熱ガラス上で蒸発乾固し、釉薬を塗った磁器るつぼ中で酸化して、酸化鉄を得た。そののち、得られた酸化鉄を石英ボートに配置し水素雰囲気中において1073K(800℃)で加熱し、鉄を得た。
得られた鉄を実施例1−1と同様にして、酸素を供給しながらプラズマにより熔解し、スラグ層を除去して鉄の塊を得た。
得られた鉄の塊を実施例1−2と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解し、冷却して鉄の塊を得た。
[不純物濃度の分析]
実施例1−1〜1−3で得られた鉄について、グロー放電質量分析法により不純物の濃度の分析を行った。得られた結果を表1に示す。なお、濃度は表中の不純物濃度の合計を、1から差し引いたものである(一色実, 三村耕司, 「金属の高純度化」, 日本金属学会会報,1992年,第31巻, p.880−887参照)(以下、本実施例において同じ)。
Figure 0004954479
表1から分かるように、活性酸素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタン、ジルコニウムの濃度を低減することができた。また、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、酸素の濃度を低減させることができた。
(実施例2−1〜2−3)
電解鉄に高純度酸化鉄(Fe2 3 )を混合した混合物40gを、酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給してプラズマにより熔解した。その際、実施例2−1では、電解鉄39gと高純度酸化鉄1gとを混合した。実施例2−2では、電解鉄38gと高純度酸化鉄2gとを混合した。実施例2−3では、電解鉄37gと高純度酸化鉄3gとを混合した。また、他の熔解条件は実施例1−1と同様にした。
熔解を開始後、熔解した電解鉄の表面に、酸化鉄と不純物の酸化物との混合スラグ層が移動するのを観察することができた。このスラグ層は、時間が経過しても一定の面積を保ち、増大したり、あるいは減少したりすることはなかった。この熔解は、不純物の酸化をより確実にするために、合計で10分間行った。その後、熔解した電解鉄を冷却し、熔解室1から鉄の塊を取り出した。
取り出した鉄の塊を2kmol/m3 以上5kmol/m3 以下の塩酸溶液に浸漬して、表面のスラグ層を化学的に研磨し、スラグ層を完全に除去し鉄の塊を得た。
(実施例2−4〜2−6)
実施例2−1〜2−3で得られた鉄の塊を、実施例1−2と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解し、冷却して鉄の塊を得た。
(実施例2−7)
実施例2−1〜2−6で用いた電解鉄を、実施例1−3と同様にして塩酸溶液に溶解して陰イオン交換樹脂に接触させたのち、加熱して鉄を得た。
得られた鉄を実施例2−2と同様にして、高純度酸化鉄を添加してプラズマにより熔解し、スラグ層を除去して鉄の塊を得た。
得られた鉄の塊を実施例2−5と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解し、冷却して鉄の塊を得た。
(比較例2−1)
プラズマによる熔解を行わなかったことを除き、他は実施例1−3と同様にして塩酸溶液に溶解して陰イオン交換樹脂に接触させたのち、加熱して鉄を得た。その際、原料の電解鉄は、実施例2−1〜2−6で用いた電解鉄とした。
[不純物濃度の分析]
実施例2−1〜2−7,および比較例2−1で得られた鉄について、実施例1−1〜1−3と同様にしてグロー放電質量分析法により不純物の濃度の分析を行った。得られた結果を表2,3に示す。
Figure 0004954479
Figure 0004954479
表2から分かるように、実施例2−1〜2−6によれば、実施例1−1,1−2と同様の結果が得られた。すなわち、不純物を含む鉄に酸化鉄を混合した混合物を熔解するようにしても、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタン、ジルコニウムの濃度を低減することができ、更に、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、酸素の濃度を低減させることができた。また、表3から分かるように、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより、コバルト、銅およびニッケルの濃度を低減することができた。更に、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させ加熱して得られた鉄と、酸化鉄とを混合した混合物を熔解することにより、アルミニウムおよびケイ素の濃度を低減することができた。
(実施例3−1)
電解鉄の塊を酸素雰囲気下で加熱することにより表面を酸化させて、酸化鉄の層が形成された鉄を得た。その際、酸素ガスの流量は、毎分0.5リットルとし、加熱は500℃で8時間行った。得られた鉄において酸素の含有量は1質量%程度であった。この鉄を酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマにより熔解し、スラグ層を除去して鉄の塊を得た。プラズマによる他の熔解条件は、実施例1−1と同様にした。
(実施例3−2)
実施例3−1で得られた鉄の塊を、実施例1−2と同様にして、水素ガスを供給しながらプラズマにより熔解し、冷却して鉄の塊を得た。
(実施例3−3)
実施例3−1,3−2で用いた電解鉄を、実施例1−3と同様にして塩酸溶液に溶解して陰イオン交換樹脂に接触させたのち、加熱して鉄を得た。
得られた鉄を実施例3−1と同様にして、表面を酸化したのち、プラズマにより熔解し、スラグ層を除去して鉄の塊を得た。
得られた鉄の塊を実施例3−2と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解し、冷却して鉄の塊を得た。
[不純物濃度の分析]
実施例3−1〜3−3で得られた鉄について、実施例1−1〜1−3と同様にしてグロー放電質量分析法により不純物の濃度の分析を行った。得られた結果を比較例2−1の結果と共に表4に示す。
Figure 0004954479
表4から分かるように、実施例3−1〜3−3によれば、実施例1−1〜1−3と同様の結果が得られた。すなわち、不純物を含む鉄の表面を酸化させたのち、熔解するようにしても、アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタン、ジルコニウムの濃度を低減することができ、更に、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、酸素の濃度を低減させることができた。また、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより、コバルト、銅およびニッケルの濃度を低減することができた。更に、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させ加熱して得られた鉄の表面を酸化させたのち、熔解することにより、アルミニウムおよびケイ素の濃度を低減することができた。
(実施例4−1)
実施例1−1において、表1に示した電解鉄を表2に示した電解コバルトに代え、実施例1−1と同様にして、酸素を供給しながらでプラズマにより熔解して、コバルトの塊を得た。
(実施例4−2)
実施例4−1で得られたコバルトの塊を、実施例1−2と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解してコバルトの塊を得た。なお、プラズマ生成ガスとしての水素分圧は20kPa(水素容量が20容量%)のものを用いた。
(実施例4−3)
表5に示した電解コバルトを原料とし、これを濃度1.5kmol/m3 の塩酸溶液にコバルト濃度が0.34kmol/m3 (20g/dm3 )となるように溶解し、塩化コバルト水溶液M3を作製した。次いで、図6に示したように、この塩化コバルト水溶液M3に粉末状のコバルト11を入れ、不活性ガスを吹き込みつつ攪拌して銅を1価イオンとした。続いて、図7に示したように、塩化コバルト水溶液M3を陰イオン交換樹脂21に接触させ、銅を吸着させて塩化コバルト水溶液M3から分離した。
銅を分離したのち、塩化コバルト水溶液M3の塩酸濃度を9kmol/m3 とし、塩化コバルト水溶液M3を陰イオン交換樹脂21に接触させてコバルトを吸着させ、チタンなどの不純物と分離した。そののち、濃度4kmol/m3 の塩酸溶液により陰イオン交換樹脂21からコバルトを溶離させ、モリブデンなどの不純物と分離した。
コバルトを陰イオン交換樹脂21から溶離したのち、得られた塩化コバルト水溶液M3を耐熱ガラス上で蒸発乾固させ、塩化コバルトあるいはその水和物を得た(ステップS226)。そののち、図13に示したように、得られた塩化コバルトあるいはその水和物を石英ボートに配置して水素雰囲気中において743Kで加熱し、コバルトを得た。
得られたコバルトを実施例4−1と同様にして、酸素を供給しながらプラズマにより熔解し、スラグ層を除去してコバルトの塊を得た。
得られた鉄の塊を実施例4−2と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解し、冷却して鉄の塊を得た。
[不純物濃度の分析]
実施例4−1〜4−3で得られた鉄について、実施例1−1〜1−3と同様にしてグロー放電質量分析法により不純物の濃度の分析を行った。得られた結果を表5に示す。
Figure 0004954479
表5から分かるように、活性酸素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、アルミニウム、カルシウム、鉄、クロム、ニオブ、ケイ素、チタン、ジルコニウムの濃度を低減することができた。また、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、酸素の濃度を低減させることができた。加えて、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより、銅およびニッケルの濃度を低減することができた。更に、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させた後に、活性酸素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、アルミニウムおよびケイ素の濃度を低減することができた。
(実施例5−1)
電解コバルト54gと高純度酸化コバルト(CoO)1gとを混合した混合物を、酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給してプラズマにより熔解した。
熔解を開始後、熔解した電解コバルトの表面に、酸化コバルトと不純物の酸化物との混合スラグ層が移動するのを観察することができた。このスラグ層は、時間が経過しても一定の面積を保ち、増大したり、あるいは減少したりすることはなかった。この熔解は、不純物の酸化をより確実にするために、合計で10分間行った。その後、熔解した電解コバルトを冷却し、熔解室1からコバルトの塊を取り出した。
取り出したコバルトの塊を2kmol/m3 以上5kmol/m3 以下の塩酸溶液に浸漬して、表面のスラグ層を化学的に研磨し、スラグ層を完全に除去しコバルトの塊を得た。
(実施例5−2)
実施例5−1で得られたコバルトの塊を、実施例1−2と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解し、冷却してコバルトの塊を得た。なお、プラズマ生成ガスとしての水素分圧は20kPa(水素容量が20容量%)のものを用いた。
(実施例5−3)
実施例5−1で用いた電解コバルトを、実施例4−3と同様にして塩酸溶液に溶解して陰イオン交換樹脂に接触させたのち、加熱してコバルトを得た。
得られたコバルトを実施例5−1と同様にして、高純度酸化コバルトを添加してプラズマにより熔解し、スラグ層を除去してコバルトの塊を得た。
得られたコバルトの塊を実施例5−2と同様にして、水素を供給しながらプラズマにより熔解し、冷却してコバルトの塊を得た。
[不純物濃度の分析]
実施例5−1〜5−3で得られたコバルトについて、実施例1−1〜1−3と同様にしてグロー放電質量分析法により不純物の濃度の分析を行った。得られた結果を表6に示す。
Figure 0004954479
表6から分かるように、実施例5−1〜5−3によれば、実施例4−1〜4−3と同様の結果が得られた。すなわち、不純物を含むコバルトに酸化コバルトを混合した混合物を熔解するようにしても、アルミニウム、カルシウム、鉄、クロム、ニオブ、ケイ素、チタン、ジルコニウムの濃度を低減することができ、更に、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解することにより、酸素の濃度を低減させることができた。また、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより、銅およびニッケルの濃度を低減することができた。更に、塩化物水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させ加熱して得られたコバルトと、酸化コバルトとを混合した混合物を熔解することにより、アルミニウムおよびケイ素の濃度を低減することができた。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施例ではプラズマアーク熔解炉を用いるようにしたが、アーク熔解炉を用いてもよい。
本発明の高純度鉄および高純度鉄ターゲットならびに高純度コバルトおよび高純度コバルトターゲットは、導体デバイス,磁気記録媒体,磁気記録ヘッドあるいは環境半導体を用いたデバイスなどの材料として用いることができる。
本発明の一実施の形態に係る高純度鉄および高純度鉄ターゲット、高純度コバルトおよび高純度コバルトターゲットの製造工程を説明するための図である。 プラズマアーク熔解炉の一例を表す図である。 主な金属元素の酸化物の酸素ポテンシャルを表す図である。 本発明の一実施の形態に係る高純度鉄および高純度鉄ターゲットの他の製造工程を説明するための図である。 図4のステップS200の製造工程を表す流れ図である。 図5に示した一製造工程を説明するための図である。 図5に示した他の一製造工程を説明するための図である。 陰イオン交換樹脂の溶出液中における金属イオン濃度の変化を表す第1の特性図である。 陰イオン交換樹脂の溶出液中における金属イオン濃度の変化を表す第2の特性図である。 本発明の一実施の形態に係る高純度コバルトおよび高純度コバルトターゲットの他の製造工程を説明するための図である。 陰イオン交換樹脂の溶出液中における金属イオン濃度の変化を表す第3の特性図である。 陰イオン交換樹脂の溶出液中における金属イオン濃度の変化を表す第4の特性図である。 図10に示した一製造工程を説明するための図である。 塩化コバルトの加熱温度と反応速度との関係を表す特定図である。
符号の説明
1…熔解室、2…プラズマトーチ、3…るつぼ、4…電源、5…ガス供給源、11…金属、12…容器、13…不活性ガス、14…スターラー、21…陰イオン交換樹脂、22…カラム、23…貯蔵タンク、24…回収タンク、31…加熱炉、32…反応管、33…水素ガス、34…処理部。

Claims (8)

  1. (ア)不純物を含む電解鉄を、酸素を含有するプラズマ生成ガスを供給しながら、活性酸素を含む雰囲気下でプラズマアーク熔解し、
    または、(イ)不純物を含む電解鉄に、この電解鉄の酸化物を添加し、酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマアーク熔解し、
    または、(ウ)不純物を含む電解鉄の塊を酸素雰囲気下で加熱することにより表面を酸化させて、この電解鉄を酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマにより熔解し、
    不純物であるアルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムを酸化することにより、これらの不純物の濃度を低減する工程と、
    前記不純物の酸化により前記電解鉄の表面に形成されたスラグ層を機械的方法または化学的方法により除去する工程と、
    更に、前記不純物を含む電解鉄を、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解し、活性水素と、不純物である酸素、窒素および炭素を反応させて、これらの不純物の濃度を低減する工程とを含み、
    アルミニウム、カルシウム、クロム、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの不純物の濃度の合計を2.202質量ppm以下、酸素の濃度を2質量ppm以下、酸素、窒素および炭素の濃度の合計を10質量ppm以下とする、
    高純度電解鉄の製造方法。
  2. 酸素を0.1Pa以上10kPa以下の分圧で含有するプラズマ生成ガスを供給しながら前記不純物を含む電解鉄を熔解する、
    請求項記載の高純度電解鉄の製造方法。
  3. 1.33kPa以上310kPa以下の気圧下で前記不純物を含む電解鉄を熔解する、
    請求項記載の高純度電解鉄の製造方法。
  4. 酸素による精製工程の前に、
    前記不純物を含む電解鉄を、塩酸水溶液に溶解して電解鉄の塩化物水溶液を作製し、
    前記塩化物水溶液の塩酸の濃度を調整したのち、陰イオン交換樹脂と接触させ、
    コバルト、ニッケルおよび銅の濃度の合計を3質量ppm以下に低減する工程を含む、
    請求項1記載の高純度電解鉄の製造方法。
  5. (ア)不純物を含む電解コバルトを、酸素を含有するプラズマ生成ガスを供給しながら、活性酸素を含む雰囲気下でプラズマアーク熔解し、
    または、(イ)不純物を含む電解コバルトに、この電解コバルトの酸化物を添加し、酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマアーク熔解し、
    または、(ウ)不純物を含む電解コバルトの塊を酸素雰囲気下で加熱することにより表面を酸化させて、この電解コバルトを酸素ガスを供給せずにアルゴンガスのみを供給して、プラズマにより熔解し、
    不純物であるアルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムを酸化することにより、これらの不純物の濃度を低減する工程と、
    前記不純物の酸化により前記電解コバルトの表面に形成されたスラグ層を機械的方法または化学的方法により除去する工程と、
    更に、前記不純物を含む電解コバルトを、活性水素を含む雰囲気下でプラズマにより熔解し、活性水素と、不純物である酸素、窒素および炭素を反応させて、これらの不純物の濃度を低減する工程とを含み、
    アルミニウム、カルシウム、クロム、鉄、ニオブ、ケイ素、チタンおよびジルコニウムの不純物の濃度の合計を1.741質量ppm以下、酸素の濃度を2質量ppm以下、酸素、窒素および炭素の濃度の合計を10質量ppm以下とする、
    高純度電解コバルトの製造方法。
  6. 酸素を0.1Pa以上10kPa以下の分圧で含有するプラズマ生成ガスを供給しながら前記不純物を含む電解コバルトを熔解する、
    請求項5記載の高純度電解コバルトの製造方法。
  7. 1.33kPa以上310kPa以下の気圧下で前記不純物を含む電解コバルトを熔解する、
    請求項5記載の高純度電解コバルトの製造方法。
  8. 酸素による精製工程の前に、
    前記不純物を含む電解コバルトを、塩酸水溶液に溶解して電解コバルトの塩化物水溶液を作製し、
    前記塩化物水溶液の塩酸の濃度を調整したのち、陰イオン交換樹脂と接触させ、
    ニッケルおよび銅の濃度の合計を1質量ppm以下に低減する工程を含む、
    請求項5記載の高純度電解コバルトの製造方法。
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