JP4952281B2 - 燃料ポンプおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明では、チョークコイル接続部でチョークコイルと電気的に接続している電源側端子とブラシ側端子とは、一体に形成された状態から切断されて形成されている。つまり、電源側端子とブラシ側端子とが一体に形成されている切断前の状態で、電源側端子およびブラシ側端子とチョークコイルとを電気的に接続することができる。これにより、別部材の電源側端子およびブラシ側端子とチョークコイルとを電気的に接続する場合に比べ、電源側端子およびブラシ側端子とチョークコイルとの電気的接続作業が容易になり、製造工数が低減する。
請求項2に記載の発明では、一体に形成された状態から切断されて電源側端子とブラシ側端子とが形成され、電源側端子とブラシ側端子との切断面同士が向き合わせて設置されている。つまり、切断前の一体に形成されている状態で電源側端子およびブラシ側端子とチョークコイルとを電気的に接続し、その状態でモータ部の取付部材に組み付けてから電源側端子とブラシ側端子とに切断されているので、電源側端子とブラシ側端子とが別部材の場合に比べ、電源側端子およびブラシ側端子を取付部材に容易に組み付けることができる。
また、請求項4に記載の発明では、接続工程の後、かつ切断工程および組付工程の前の、電源側端子およびブラシ側端子が一体に形成されている端子母材の状態で、電源側端子およびブラシ側端子とチョークコイルとの2箇所の電気的接続箇所をモールド樹脂で覆うので、別部材の電源側端子およびブラシ側端子とチョークコイルとを電気的に接続してから、それぞれの電気的接続箇所をモールド樹脂で覆う場合に比べ、モールド作業が容易である。
(参考例)
図2に、参考例による燃料ポンプの構成を示す。燃料ポンプ10は、例えば二輪自動車または四輪自動車等に搭載された図示しない燃料タンク内に収容されるインタンク式のタービンポンプである。燃料ポンプ10は、燃料タンクから吸入した燃料を昇圧しエンジン側に供給する。
整流子54は、平らな円板状に形成されており、回転方向に設置された複数のセグメントを有している。電源側端子60から、チョークコイル70、ブラシ側端子64、ピグテール78、ブラシ76、整流子54を通り、電機子50のコイルに駆動電流が供給される。
図2に示すホルダ80およびエンドカバー90はそれぞれ絶縁性を有する樹脂で一体成形されている。例えば、ホルダ80はPPS(ポリフェニレンスルフィド)により一体成形され、エンドカバー90はPOM(ポリアセタール)により一体成形されている。リリーフ弁94は、燃料ポンプ10の吐出圧が所定圧を超えると開弁し、燃料ポンプ10の吐出圧を所定圧以下に設定する。
(1)接続工程
図1の(B)に示す端子母材100のチョークコイル接続部61、65にコイル本体74の両端をそれぞれ電気的に接続する。チョークコイル接続部61、65とコイル本体74との接続箇所はかしめにより固定される。かしめに代えて、はんだによりチョークコイル接続部61、65とコイル本体74との接続箇所を固定してもよい。
チョークコイル70と端子母材100とを電気的に接続した構造体をホルダ80に組み付ける。
(3)切断工程
チョークコイル70と端子母材100とを電気的に接続した構造体がホルダ80に組み付けられている状態で、端子母材100の結合部300を切断する。
上記製造工程において、ブラシ76とピグテール78とは、接続工程でブラシ側端子64に電気的に接続してもよいし、組付工程でホルダ80に構造体を組み付けてからブラシ側端子64に電気的に接続してもよい。
一方、参考例では、電源側端子60とブラシ側端子64とが一体に形成されている端子母材100の状態で電源側端子60およびブラシ側端子64とチョークコイル70とを電気的に接続するので、電源側端子60およびブラシ側端子64とチョークコイル70との電気的接続作業が容易であり、製造工数を低減できる。また、端子母材100とチョークコイル70とが電気的に接続している構造体をホルダ80に組み付けるので、電源側端子60とブラシ側端子64とチョークコイル70とをホルダ80に容易に組み付けることができる。
このように、チョークコイル70の有無に関わらず共通部品である端子母材100を使用できるので、燃料ポンプの製造コストが低下する。
本発明の一実施形態を図4に示す。尚、参考例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
モールド樹脂120は、コイル本体74と電源側端子60およびブラシ側端子64(図4ではモールド樹脂120に覆われ図示されていない)との2箇所の電気的接続箇所、ならびにブラシ側端子64とピグテール78との電気的接続箇所の合計3箇所の電気的接続箇所を覆うとともに、3箇所の電気的接続箇所を結合している。電源側端子60とブラシ側端子64とは、図1の(B)に示す端子母材100の結合部302を切断して形成されている。端子母材100の切断箇所が参考例と異なっているので、一実施形態の電源側端子60およびブラシ側端子64の形状は図1の(A)とは異なっている。
(1)接続工程
図1の(B)に示す端子母材100に、図1の(A)に示すように、チョークコイル70およびピグテール78を電気的に接続し、ブラシ76とピグテール78とを電気的に接続する。
(2)モールド工程
接続工程の後、コイル本体74と電源側端子60およびブラシ側端子64との2箇所の電気的接続箇所、ならびにブラシ側端子64とピグテール78との電気的接続箇所の合計3箇所の電気的接続箇所を覆うとともに、3箇所の電気的接続箇所を結合するようにモールド樹脂120をモールドする。
モールド工程でモールド樹脂120をモールドして形成した構造体は図4において切断箇所122が埋められた状態の構造体であり、この構造体をホルダ80に組み付ける
(4)切断工程
モールド樹脂120を含み、図1の(B)に示す端子母材100の結合部302を切断箇所122で切断する。その結果、端子母材100の結合部302を切断して形成された電源側端子60の切断面とモールド樹脂120の切断面123、ならびにブラシ側端子64の切断面とモールド樹脂120の切断面124とはそれぞれ連続して同一平面上にある。そして、電源側端子60の切断面とブラシ側端子64の切断面とは向き合っている。
また、端子母材100にチョークコイル70を電気的に接続した状態で電気的接続箇所をモールド樹脂120でモールドするので、端子母材100を電源側端子60とブラシ側端子64とに切断してからモールドする場合に比べ、モールド作業が容易であり、製造工数が低減する。
一実施形態においても、参考例と同じ端子母材100を切断して電源側端子60およびブラシ側端子64を形成しているので、部品の共通化を図ることができる。
参考例では、チョークコイル70と電気的に接続している端子母材100をホルダ80に組み付けてから、端子母材100を電源側端子60とブラシ側端子64とに切断した。これに対し、チョークコイル70と電気的に接続している端子母材100を電源側端子60とブラシ側端子64とに切断してからホルダ80に組み付けてもよい。
Claims (6)
- 燃料を昇圧するポンプ部と、
回転することにより前記ポンプ部を駆動する電機子と、
前記電機子の一方の軸方向側に設置され、前記電機子に供給される駆動電流を整流する整流子と、
前記整流子と摺動するブラシと、
チョークコイルと、
前記チョークコイルの一端と電気的に接続しているチョークコイル接続部を有し、電源側と電気的に接続する電源側端子と、
前記チョークコイルの他端と電気的に接続しているチョークコイル接続部を有し、前記ブラシ側と電気的に接続し、前記電源側端子と一体に形成された状態から切断されて形成されているブラシ側端子と、
前記チョークコイルと前記電源側端子の前記チョークコイル接続部との電気的接続箇所、ならびに前記チョークコイルと前記ブラシ側端子の前記チョークコイル接続部との電気的接続箇所を覆うモールド樹脂と、を備え、
前記モールド樹脂は、前記電源側端子および前記ブラシ側端子のそれぞれの前記切断面に続き同一平面上にある切断面を有することを特徴とする燃料ポンプ。 - 前記電源側端子および前記ブラシ側端子は切断面同士を向き合わせて設置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
- 前記モールド樹脂は、2箇所の前記電気的接続箇所同士を結合していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料ポンプ。
- モータ部により駆動されるポンプ部が燃料を昇圧する燃料ポンプの製造方法において、
電源側と電気的に接続する電源側端子と、前記モータ部のブラシ側と電気的に接続するブラシ側端子とが一体に形成されている端子母材の前記電源側端子および前記ブラシ側端子とチョークコイルとを電気的に接続する接続工程と、
前記接続工程の後、前記端子母材の前記電源側端子と前記ブラシ側端子との間を切断する切断工程と、
前記接続工程の後、前記切断工程の前または後で前記電源側端子および前記ブラシ側端子を前記モータ部の取付部材に組み付ける組付工程と、
前記接続工程の後、かつ前記切断工程および前記組付工程の前に、前記電源側端子および前記ブラシ側端子のそれぞれと前記チョークコイルとの2箇所の電気的接続箇所をモールド樹脂で覆うモールド工程と、を含み、
前記組付工程において、前記モールド樹脂で前記電気的接続箇所を覆われた前記電源側端子および前記ブラシ側端子を前記モータ部の取付部材に組み付けることを特徴とする燃料ポンプの製造方法。 - 前記組付工程は前記切断工程の前に行われ、前記組付工程において、前記チョークコイルが電気的に接続されている前記端子母材を前記モータ部の取付部材に組み付けることを特徴とする請求項4に記載の燃料ポンプの製造方法。
- 前記モールド工程において、前記モールド樹脂は2箇所の前記電気的接続箇所同士を結合することを特徴とする請求項4または5に記載の燃料ポンプの製造方法。
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