JP4951981B2 - インプリント用モールド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特に、線幅65nm以下のパターン形成においては、従来のArFエキシマレーザーを露光光源として用いた露光方式では解像限界に達し、パターン形成が困難となる。
このため、露光光源をエキシマレーザーから荷電粒子線にかえてパターン形成を行なう電子線リソグラフィー(Electron Beam Lithography :以下EBリソグラフィーと記述)法や、従来のエキシマレーザーを用いたリソグラフィー法でも、レンズと露光対象ウェハ間を空気よりも屈折率の高い媒体で満たし、実効的な解像度を向上させる液浸リソグラフィー法が検討されている。
また、レンズとウェハ間に充填する媒体によっては、今後さらなる高解像度を実現できる可能性もあるが、現段階では液浸リソグラフィーを適用した場合でも32nm以下のパターンについては形成可能であるか不明である。
しかし、EUVリソグラフィーでは露光光源となる極端紫外線の減衰率が非常に大きいため、パターンの縮小には、従来の光リソグラフィーのような縮小レンズを用いることが出来ず、湾曲ミラーを用いた多重反射方式によりリソグラフィーパターンを縮小する。
このため、露光装置が複雑な機構となり、装置導入コストが増大するという問題がある。
パターンのさらなる微細化は、単純に露光時間の増加だけでなく近接するパターン同士の距離も狭まることを意味する。このため、隣接するパターンの露光光の影響が大きくなり、転写パターンの形状悪化を引き起こす原因と成りやすい。
また、逆にパターン端部では、パターン中心部に比べ露光量が不足しやすく、パターンの矩形性を保つことが困難である。このため、パターン微細化によるこれらの解像度劣化を保証するための補助パターンや、近接パターンの露光光の影響を低減するための、いわゆる近接効果補正パターンが必要となる。このため、パターンの微細化により、パターンデータ自体の増加と共にこれらの補正用パターンデータも増大し、データ処理の時間及びパターン描画時間が膨大なものとなる。
ナノインプリント法では、まず、所望の凹凸パターンが形成されたモールドと呼ばれるインプリント用モールド201を対象基板211上に塗布された樹脂被膜221へ圧着させ、圧着した状態で樹脂を硬化させる(図3(a)〜(b)参照)。
一つは、UV照射等の露光により樹脂を硬化させる光インプリント方式、もう一つは加熱により樹脂を硬化させる熱インプリント方式である。
このため、モールドを構成する材料には石英等の光透過性を有する材料を用いることが必要となる。
この熱インプリント方式用のモールド材料としては、Ni、Ta、Ti、SiC等の高硬度材料が検討されている。
硬化した樹脂よりモールドを離型した際、離型したモールド側への樹脂の固着を防止し、樹脂とモールドの離型性を向上させるため、予めモールド表面に離型剤をコーティングする場合が多く、モールドを構成する材料に応じた適切な離型剤を用いることが必要となる。
(d)参照)。
このため、従来の光露光で必要であった近接効果補正パターン等の補助パターンが不要となり、パターンデータ量の増加を抑制することが可能となり、インプリント方式を用いて半導体回路パターンの形成を行なうことで、スループットの大幅な低減が可能となる。
また、装置本体も露光光が不要となるため、複雑な光学系が不要となり装置コストの低減も可能となる。
このため、樹脂の硬化を加熱により行なう熱インプリント方式では、樹脂及びモールドの熱膨張により転写パターンに位置ずれが発生することから、ナノオーダーレベルの精密な転写位置精度が必要である場合には、光インプリント方式を用いることが必要となる。
エッチング条件及び試料構成の最適化が不十分であると、試料面内で石英の加工量にバラツキが発生したり、モールド形状の垂直性が損なわれたり、エッチング面に残差が発生する結果となる等、様々な加工不良が発生するため、エッチング条件の精密な制御が必要となる。
特に、次世代リソグラフィーのターゲットとなる寸法65nm以下パターンサイズでは、マイクロローディング効果の影響が顕著になり、寸法及び加工深さを均一に制御することは非常に難しい。
各エッチングパラメーターは複合的にエッチング結果に影響を及ぼすため、エッチング条件の最適化は特定のパラメーターのみ変更するのではなく、各パラメーターを総合的に調整することが必要となり、最適なモールド形状を得るために必要となるエッチング条件の最適化作業は膨大なものとなる。
このため、例えば縮小投影露光法のフォトマスクでは、目的のパターンが線幅45nmのパターンであれば、そのパターンの4倍体となる180nmのパターンをフォトマスク上に形成し、縮小レンズで1/4に縮小投影することで、45nmのパターンを得ることが可能であるが、インプリント法では、線幅45nmのパターンを形成するためには、モールドに形成するパターンも45nmで形成することが必要となる。
少なくとも以下の(a)〜(e)の工程により製造されることを特徴とするインプリント用モールドとしたものである。
(a)透明基板上に開口部を有するレジストパターンを形成する工程。
(b)開口部及びレジストパターン上にニッケルシード層を形成する工程。
(c)ニッケルシード層をめっき電極にして電解ニッケルめっきを行い、開口部及びレジストパターンを覆うように所定厚のニッケル層を形成する工程。
(d)レジストパターン上のニッケル層とレジストパターン上にないニッケル層の上部との両者を選択的に除去し、レジストパターンの上部を露出する工程。
(e)レジストパターンを除去する工程。
また、本発明のインプリント用モールドの製造方法によると、複雑なエッチング条件の最適化をしなくても、半導体回路パターン形成用の微細パターンを有した光インプリント用モールドを簡便かつ高スループットで製造することが可能となる。
特に、石英モールドで形成が難しいとされる45nmレベルのホールパターンを形成するための孤立ドットパターン、いわゆるピラーパターンにおいて、垂直性の高いモールドパターンを形成することが可能となる。
図1は、本発明のインプリント用モールドの一実施例を示す模式構成断面図である。
本発明のインプリント用モールド100は、モールドパターン41aが遮光材料であるNiで形成されているため、インプリント用モールド100を用いて光インプリント方式でインプリントする際、型押し後にUV照射等の露光により樹脂を硬化させる時、モールドパターンが露光光を遮光するため、インプリント用モールド100を離型した後のレジスト残膜を容易に除去することができる。
図2(a)〜(f)は、本発明のインプリント用モールドの製造方法の一実施例を工程順に示す模式構成断面図である。
まず、石英基板等からなる透明基板11上にレジスト溶液をスピンコート等により塗布し、透明基板11上にレジスト層21を形成し(図2(a)参照)、パターン露光、現像等の一連のパターニング処理を行って、開口部22を有するレジストパターン21aを形成する(図2(b)参照)。
レジスト層形成に用いられるレジスト溶液は電子線レジストが好ましい。
このNiシード層31は、このあと電解Niめっきを行うためのめっき下地導電層の役目をする。
Niシード層31の抵抗率は、特に成長初期において膜厚依存性が大きいため、電解メッキ時の膜厚分布への影響を考慮すると可能な限り厚めに形成することが望ましいが、膜厚を厚くしすぎるとスパッタ時にパターンが埋まり、パターン内に空孔が発生することもあるので、実際には形成するメッキパターンのサイズやアスペクト比、スパッタ時の試料の位置、成膜時の圧力等から最適な膜厚を決定することが必要である。
ここで、Ni層41のエッチングはイオン衝撃による物理的にエッチング、揮発性の高いカルボニル系化合物を形成し、エッチングを進行させる反応性イオンエッチング(RIE)法、電解研磨もしくは化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)等を用いることができる。
反応性イオンエッチング法では、Arイオン等で物理的にエッチングを進行させるイオンエッチング法に比べ、高いエッチングレートが得られることが期待できるが、エッチング面積やエッチングパターン密度によってエッチングレートの面内均一性やエッチングレート自体の極端な低下を招くことがあるので注意が必要である。
また、本発明のインプリント用モールドの製造方法によると、複雑なエッチング条件の最化をしなくても、半導体回路パターン形成用の微細パターンを有した光インプリント用モールドを簡便かつ高スループットで製造することが可能となる。
特に、石英モールドで形成が難しいとされる45nmレベルのピラーパターンにおいて、垂直性の高いモールドパターンを形成することが可能となる。
描画時のドーズ量は100μCとし、現像にはパドル式の現像装置を用いて現像時間を90秒とした。また、現像後の純水リンスについてもパドル式で行ない、リンス時間は90秒とした。
ここで、スパッタ条件としては、アルゴンをスパッタガスとして成膜圧力を0.5Paとし、成膜時間を1分とした。
スパッタ法によるNiシード層形成時の注意点としては、成膜圧力を低圧にしすぎると、アルゴンガスによってターゲットからはじき出されたNi原子がレジストに到達する前にAr原子との衝突によるエネルギー損失が十分になされなくなるため、高エネルギーを保持したままNi原子がレジストへ衝突することになり、レジストの変形を引き起こす可能性があるので成膜圧力を適正に設定することが必要である。
また、これと同時にNiの応力についても留意することが必要であり、成膜圧力の設定値によっては、Ni膜の応力が強い圧縮応力となる場合があり、圧縮応力の影響によってレジストパターン、特に微細パターンにおいて、皺が発生する可能性があるため、注意することが必要である。
ここで、電解Niめっきに用いためっき液の組成は、硫酸ニッケル・六水和物125g/L、塩化ニッケル15g/L、ホウ酸15g/Lの所謂ワット浴で建浴し、液のpH値は4.6であった。
また、めっき処理中は循環ポンプによりメッキ液を循環させ、めっき試料から2cmの距離を試料と平衡に攪拌棒を揺動させた状態でめっき処理を行なった。
めっき時の電流密度は1.0A/dmとした。今回のメッキ処理では直流電源を用い、一般にいわれるところのレベリング剤等は用いていないが、Niめっき層成長速度のパターン依存性を抑制するため、めっき用電源を交流とする方法や、電荷が集中するレジストパターン端部へのNi層の選択成長を抑制するために光沢剤やレベリング剤を用いる方法はレジストパターンの開口部内へ均一なNi層をめっき成長させるための有効な手段であると考えられる。
ここで、アルゴンイオンを用いたイオンエッチングでは、誘導結合型プラズマを用い、その際のプラズマ放電出力は500Wとした。
また、基板側に印加する引き込みバイアスは400Wとし、エッチング時の圧力は1.3
Paとした。
ここで、アッシング処理はバレル式のアッシャーを用い、酸素流量を500sccm、チャンバー内圧力を30Paに固定し、放電時のRFパワーは500Wとして行なった。
21……レジスト層
21a……レジストパターン
22……開口部
31……Niシード層
41……Ni層
41a……モールドパターン
100、201……インプリント用モールド
211……対象基板
221……樹脂皮膜
221a、221c……モールドパターン
221b……残存樹脂皮膜
Claims (1)
- 光インプリント用モールドであって、透明基板上に、モールドパターンが遮光材料で形成され、かつ、前記遮光材料がニッケルであり、
少なくとも以下の(a)〜(e)の工程により製造されることを特徴とするインプリント用モールド。
(a)透明基板上に開口部を有するレジストパターンを形成する工程。
(b)開口部及びレジストパターン上にニッケルシード層を形成する工程。
(c)ニッケルシード層をめっき電極にして電解ニッケルめっきを行い、開口部及びレジストパターンを覆うように所定厚のニッケル層を形成する工程。
(d)レジストパターン上のニッケル層とレジストパターン上にないニッケル層の上部との両者を選択的に除去し、レジストパターンの上部を露出する工程。
(e)レジストパターンを除去する工程。
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