JP4458958B2 - 微細パターン形成方法および微細パターン形成装置 - Google Patents
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Description
(1)原理が簡単であり、プロセスがスピーディーである、
(2)有機溶媒を使ったウェットプロセスを必要としないため環境にやさしい、
(3)フォトリソグラフィー技術において用いる極めて高価なステッパー(例えば、数 十億円程度である。)と比較して、極めて安価(例えば、1千万円〜1億円程度 である。)な装置により実施することができる、
などという点で極めて優れている。
ところで、上記したナノインプリントリソグラフィー技術は、非常に短時間で、例えば、最小寸法が6nmというnmオーダーの加工を行うことができる優れたリソグラフィー技術であるが、一方、こうしたナノインプリントリソグラフィー技術においては、アスペクト比(構造物のXY方向に対するZ方向の比、即ち、微細パターンの平面方向に対する高さ方向の比である。)が大きくなるとパターニングが非常に難しくなるという問題点があり、高アスペクト比構造を備えた微細パターンを形成することが困難であるという問題点があった。そして、この問題点は、以下の2つの要因に起因するものと考えられていた。
モールドの高アスペクト比構造化によってモールドの表面積が増大することになり、モールドとパターニング材料との接触面積が増大するため両者の間の摩擦力が大きくなる。このため、モールドをパターニング材料から引き離す際にパターニング材料がモールドへ付着するようになってしまい、せっかく形成した微細パターンを破壊してしまうものであった。
モールドをパターニング材料に押しつけた後に、パターニング材料からモールドを引き離す際に、モールドとパターニング材料とを平行に保ったまま引き離すことが困難である。このため、モールドとパターニング材料とが非平行になって引き離されてしまい、せっかく形成した微細パターンを破壊してしまうものであった。
現在、上記した第1の要因ならびに第2の要因を解決するための手法として、種々の手法が提案されている。
(a)モールド表面を改質してモールドとパターニング材料との剥離性の向上を図る、
(b)超音波振動子を装置へ組み込むことによって、超音波振動子の振動によってパタ ーニング材料からのモールドの引き抜き効果を向上させて、モールドとパターニ ング材料との剥離性の向上を図る、
などの手法が提案されている。
ここで、上記した第1の要因に関する上記(a)に示したモールド表面の改質について詳細に説明すると、一般に、モールドの材料としてはSi、SiO2、SiC、ダイヤモンドあるいはNiなどが使用されているが、nmオーダーの凹凸を持つモールドをこのままパターニング材料に押し付けた場合には、その凹凸によりモールドの表面積が非常に大きくなっているため、パターニング材料からモールドを引き離す際にパターニング材料がモールド側に付着し、パターニング材料にせっかく形成した微細パターンが破壊されて、モールドに形成された微細パターンをパターニング材料に正確に転写することができない。
次に、上記した第1の要因に関する上記(b)に示した超音波振動子を用いるパターニング材料からのモールドの引き抜き効果の向上について詳細に説明すると、モールドとパターニング材料との剥離性を向上するために超音波振動子を装置内に組み込み、パターニング材料からモールドを引き離すときに、超音波振動子によりモールドに振動を与えて引き離すことが効果的であることが各種実験結果として報告されている。この際に、一般に超音波振動子に使用される周波数は、20KHz程度である。
次に、上記した第2の要因に関するパターニング材料からモールドを引き離す際におけるモールドとパターニング材料との非平行について説明するが、ナノインプリントリソグラフィー技術には、上記したようにソフトタイプ(図2参照)とハードタイプ(図4参照)との2種類の手法があることが知られている。
また、ハードタイプによるナノインプリントリソグラフィー技術は、図4に示すように、上下方向に対向して金属製の第1ホルダー406と第2ホルダー408とを配置し、上方に位置する第1ホルダー406にモールド400を固定するとともに、第2ホルダー408にレジスト402を塗布した基板404を固定し(図4(a))、モールド400を固定した第1ホルダー406と基板404を固定した第2ホルダー408とをステッピングモーターのようなモーターなどを用いて駆動して高さと荷重を制御しながら圧接させ、モールド400をレジスト402に押し込み(図4(b))、その後にモールド400を固定した第1ホルダー406と基板404を固定した第2ホルダー408とをステッピングモーターのようなモーターなどを用いて駆動してレジスト402からモールド400を引き離すものである(図4(c))。
即ち、上記において詳細に説明したように、従来より高アスペクト比構造の達成のために種々の手法が提案され検証されているが、現在までのところ高アスペクト比構造を実現することができていないものであり、高アスペクト比構造を実現することのできる手法に対する極めて強い要望があった。
なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成されたモールドをパターニング材料に圧接して、上記パターニング材料に微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成する微細パターン形成方法において、微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成されたモールドとパターニング材料とを圧接する第1のステップと、上記圧接された上記モールドと上記パターニング材料とを圧接方向と直交する方向に相対的に移動させる第2のステップと、上記モールドと上記パターニング材料との圧接を解除して、上記パターニング材料から上記モールドを引き抜く第3のステップとを有するようにしたものである。
図5には、本発明の実施の形態の一例による微細パターン形成装置の概念構成説明図が示されている。
ここで、XYステージ12は、XY方向への駆動機構12aと、XYステージ12上に載置されたレジスト502を塗布した基板504を加熱するためのヒーター12bと、駆動機構12aとヒーター12bとの間の断熱を図る断熱剤12cとを備えている。
以上の構成において、この微細パターン形成装置10においては、XYステージ12をX方向に駆動することにより、ナノインプリント中にレジスト502を塗布された基板504とモールド500とをnmオーダーで相対的に移動するようにしている。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(5)に示すように変形することができるものである。
12 XYステージ
12a 駆動機構
12b ヒーター
12c 断熱材
14 ホルダー
14a ヒーター
16 ステッピングモーター
500 モールド
502 レジスト
504 基板
Claims (9)
- 微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成されたモールドをパターニング材料に圧接して、前記パターニング材料に微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成する微細パターン形成方法において、
微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成されたモールドとパターニング材料とを圧接する第1のステップと、
前記圧接された前記モールドと前記パターニング材料とを圧接方向と直交する方向に相対的に移動させる第2のステップと、
前記モールドと前記パターニング材料との圧接を解除して、前記パターニング材料から前記モールドを引き抜く第3のステップと
を有することを特徴とする微細パターン形成方法。 - 請求項1に記載の微細パターン形成方法において、
前記第2のステップは、前記モールドと前記パターニング材料との少なくともいずれか一方を所定の方向に移動する
ことを特徴とする微細パターン形成方法。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載の微細パターン形成方法において、
前記モールドの微細パターンを構成する微細な凹凸構造の凸部は、前記凸部を用いて前記パターニング材料に形成する所定の大きさの凹部よりも、前記移動方向において小さい形状を備えている
ことを特徴とする微細パターン形成方法。 - 請求項3に記載の微細パターン形成方法において、
前記第2のステップにおける前記移動の移動量は、前記モールドの前記凸部と前記パターニング材料に形成する前記所定の大きさの凹部との前記移動方向における差分である
ことを特徴とする微細パターン形成方法。 - 微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成されたモールドをパターニング材料に圧接して、前記パターニング材料に微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成する微細パターン形成装置において、
微細な凹凸構造を備えた微細パターンを形成されたモールドとパターニング材料とを圧接する圧接手段と、
前記圧接手段により圧接された前記モールドと前記パターニング材料とを圧接方向と直交する方向に相対的に移動する移動手段と、
前記圧接手段による前記モールドと前記パターニング材料との圧接を解除して、前記パターニング材料から前記モールドを引き抜く引き抜き手段と
を有することを特徴とする微細パターン形成装置。 - 請求項5に記載の微細パターン形成装置において、
前記移動手段は、前記モールドと前記パターニング材料との少なくともいずれか一方を所定の方向に移動する
ことを特徴とする微細パターン形成装置。 - 請求項5または6のいずれか1項に記載の微細パターン形成装置において、
前記モールドの微細パターンを構成する微細な凹凸構造の凸部は、前記凸部を用いて前記パターニング材料に形成する所定の大きさの凹部よりも、前記移動手段による移動方向において小さい形状を備えている
ことを特徴とする微細パターン形成装置。 - 請求項7に記載の微細パターン形成装置において、
前記移動手段による前記移動の移動量は、前記モールドの前記凸部と前記パターニング材料に形成する前記所定の大きさの凹部との前記移動方向における差分である
ことを特徴とする微細パターン形成装置。 - 請求項5、6、7または8のいずれか1項に記載の微細パターン形成装置において、
前記移動手段は、前記パターニング材料を載置するとともにnmオーダーで移動制御するXYステージである
ことを特徴とする微細パターン形成装置。
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