JP5383110B2 - インプリント装置 - Google Patents
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Description
Feng Hua、et.al.、IEEE TRANSACTIONS ON NANOTECHNOLOGY、 VOL.5、NO.3、P.301-P.308、MAY、2006
図2、図3は、比較例に係るインプリント型を用いた転写を例示するための模式工程図である。
まず、比較例に係るインプリント型を用いた転写について例示をする。
図2に例示をするインプリント型100aは、いわゆるハードモールドと呼ばれているものである。ハードモールドであるインプリント型100aは、石英、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)などの硬い材料を用いて一体に形成されている。このようなインプリント型100aを用いて、平坦度の低い基板101の主面に形成された被転写層102に転写を行う場合を例示する。
この転写の際、インプリント型100bが柔らかい材料で形成されているため、基板101の歪みに対応して撓むことができる。そのため、図3(c)に示すように転写不良のない転写を行うことができる。
図4(a)に示すように、ハードモールドの場合には形状変化がほとんど見られない。そのため、凹凸状のパターンを精度よく、また解像度よく転写することができる。
一方、図4(b)に示すように、ソフトモールドの場合には凹部の形状が変化し、また凸部の位置も図中の左側に移動している。なお、凸部の近傍に記載された破線は凸部の変形前の位置である。そのため、図4(a)に示すハードモールドの場合より解像度やパターン転写精度が低下することになる。
図1に示すように、インプリント型1には型部2、緩衝部3、基台4が設けられている。 型部2には、平板状を呈する基部2bと、基部2bの一方の主面に形成された凹凸状のパターン部2aとが設けられている。また、基部2bの凹凸状のパターン部2aが形成された主面とは反対側の主面には緩衝部3が設けられている。型部2(パターン部2a、基部2b)は、金属や無機材料などの高剛性で硬さの硬い材料で形成されている。そのような材料としては、例えば、石英、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)などを例示することができる。このような材料により形成されたパターン部2aは、図中のX方向に変形しにくくなる。また、その形状変化も生じにくくなる。そのため、形成されたパターン形状を精度よく、また解像度よく転写することができる。
ここで、基部2bを撓みやすくするためには、その厚み寸法を薄くすることが好ましい。ただし、余り薄くしすぎると破損しやすくなる。そこで、基部2bの厚み寸法が所定の範囲内に収まるようになっている。なお、基部2bの厚み寸法に関しては後述する(図7を参照)。
なお、基台4は、必ずしも必要ではなく緩衝部3を図示しないインプリント装置に装着するようにしてもよい。例えば、基台4を図示しないインプリント装置に設けるようにすることもできる。ただし、基台4を設けるようにすればインプリント型1全体としてのハンドリングや圧力印加を容易にすることができる。
図5は、シミュレーションの条件を例示するための模式図である。
図5(a)はインプリント型1の全体構成を例示するための模式図である。この場合、シミュレーションの対象とした部分は図中Aに示す部分である。すなわち、型部2の基部2b、膜状の緩衝部3の撓みの様子をシミュレーションの対象とすることにしている。
図6(b)に示すように、平坦度の低い基板に押しつける場合は、端部Dにおける印加圧力は0.6MPa、端部Eにおける印加圧力は0MPaとして印加圧力に傾斜を与えた。その結果、端部DにおけるY方向の変位量は90μmとなった。また、端部EにおけるY方向の変位量は66μmとなった。なお、X方向の変位量はほぼ0であった。これは、基部2bと緩衝部3とが基板の主面に倣うようにして押しつけられたことを示している。
図7に示すように、基部2bの厚み寸法を薄くするほどY方向の変位量を大きくすることができる。そのため、基部2bの厚み寸法を薄くするほど基板の歪みに対する許容度を向上させることができる。しかしながら、基部2bの厚み寸法を余り薄くしすぎると破損しやすくなる。一方、基部2bの厚み寸法を余り厚くしすぎるとY方向の変位量が少なくなりすぎて基板の歪みに対する許容度が少なくなるおそれがある。
この場合、基部2bの強度と基板の歪み量などを考慮して、基部2bの厚み寸法を300μm以上、500μm以下とすることが好ましい。そのようにすれば、実用上好ましい結果を得ることができる。
図8に示すように、緩衝部3の厚み寸法を厚くするほどY方向の変位量を大きくすることができる。そのため、緩衝部3の厚み寸法を厚くするほど基板の歪みに対する許容度を向上させることができる。しかしながら、緩衝部3の厚み寸法を余り厚くしすぎると平坦度が低下するおそれがある。すなわち、一般的には厚み寸法が厚く、かつ平坦度の高い膜を形成することは困難である。そのため、緩衝部3の厚み寸法を余り厚くしようとすると平坦度が低下するおそれがある。一方、緩衝部3の厚み寸法を余り薄くしすぎるとY方向の変位量が少なくなりすぎて基板の歪みに対する許容度が少なくなるおそれがある。
この場合、緩衝部3のX方向の変形量と基板の歪み量などを考慮して、緩衝部3の厚み寸法を0.6mm以上、3mm以下とすることが好ましい。そのようにすれば、実用上好ましい結果を得ることができる。
図9に示すように、インプリント型10には型部2、緩衝部13、基台4が設けられている。また、型部2には、平板状を呈する基部2bと、基部2bの一方の主面に形成された凹凸状のパターン部2aが設けられている。また、基部2bの凹凸状のパターン部2aが形成された主面とは反対側の主面には緩衝部13が設けられている。
図10(a)は、図5(b)に例示をしたもののようにシミュレーションの対象とした部分を例示するための模式図である。
ここで、基部2bと基台4とは石英で形成され、緩衝部13はポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)で形成されたものとした。また、基部2bの幅寸法を6mmとし、基部2bの厚み寸法を500μm、緩衝部13の厚み寸法を1mmとした。また、緩衝部13の配設数を3、断面形状を円形、直径寸法を1mm、配設ピッチを2mmとした。また、基部2bのヤング率を73GPa、緩衝部13のヤング率を5MPaとした。また、平均印加圧力は0.3MPaとした。
図11に示すように、基部2bの厚み寸法が500μm以下の場合には、緩衝部の形態の違いによる影響が大きくなることがわかる。そして、図中のIに示すように緩衝部13の形態を柱状とすれば、図中のHに示す膜状の緩衝部3と比べてY方向の変位量を大きくすることができる。
図12は、本実施の形態に係るインプリント装置について例示をするための模式図である。
図12に示すように、インプリント装置50には、本実施の形態に係るインプリント型、保持手段51、押圧手段52、載置台53が設けられている。
保持手段51は、本実施の形態に係るインプリント型(図12に例示をしたものはインプリント型1)を保持する機能を有する。インプリント型の保持としては基台4を機械的に保持するものを例示することができる。
図示しない搬送装置により被転写層102が形成された基板103が搬入され、載置台53の上面に載置される。載置された基板103は載置台53に設けられた図示しない保持手段により保持され、載置台53により所定の位置に移動される。また、載置台53と対向する保持手段51には本実施の形態に係るインプリント型が保持され、押圧手段52により保持手段51を下降させることでインプリント型のパターン部2aを被転写層102へ機械的に押し付ける。
図13は、本実施の形態に係るインプリント型の製造方法について例示をするための模式工程図である。
まず、図13(a)に示すように、電子ビームリソグラフィー法や機械加工などを用いて、金属または無機材料を含む平板状部材20の一方の主面にパターン部2aを形成する。
なお、図13(a)、(b)においてはパターン部2aの形成後に所定の厚み寸法を有する基部2bを形成するようにしているが、金属または無機材料を含む平板状部材20を所定の厚み寸法に加工し、それを治具に貼り付けて平板状部材20の一方の主面にパターン部2aを形成するとともに基部2bを形成し、これを治具から外すようにしてもよい。
次に、図13(d)に示すように、基台4の一方の主面に液状の有機材料を塗布し、これを硬化させることで緩衝部3を形成する。有機材料としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)、メタクリル酸メチル樹脂(Polymethylmethacrylate:PMMA)などを例示することができる。また、硬化させる方法としては加熱によるものを例示することができる。例えば、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)の場合には加熱温度を70℃〜120℃程度とすることができる。また、二液混合硬化タイプのポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)の場合には、所定の割合で混合させることで硬化させることができる。
なお、接着剤を用いずに緩衝部3(緩衝部13)の主面をドライエッチングプロセスなどにより荒すことで表面エネルギーを高め、この表面エネルギーを利用して緩衝部3(緩衝部13)と基部2bとを接合させてもよい。
本実施の形態に係る構造体の製造方法においては、本実施の形態に係るインプリント型、インプリント装置を用いて構造体の表面に凹凸状のパターンを形成する。
凹凸状のパターンを有する構造体としては、例えば、半導体装置や発光ダイオードなどの電子デバイス、ディスクリートトラック型パタンド媒体などのような磁気記録媒体などを例示することができる。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、前述したインプリント型、インプリント装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (1)
- インプリント型と、
前記インプリント型を保持する保持手段と、
前記保持手段を昇降させる押圧手段と、
前記保持手段と対向して設けられ、被転写層が設けられた基板を載置する載置台と、
を備え、
前記インプリント型は、
金属及び無機材料の少なくともいずれかを含む基部と、
前記基部の第1の主面上に設けられ、金属及び無機材料の少なくともいずれかを含むパターン部と、
前記基部の前記第1の主面とは反対の第2の主面上に設けられ、有機材料を含み、膜状を呈する緩衝部と、
前記緩衝部の前記基部とは反対側に設けられ、前記緩衝部を支持する基台と、
を有し、
前記基部の厚み寸法は、300μm以上、500μm以下であり、
前記緩衝部の厚み寸法は、0.6mm以上、3mm以下であり、
前記緩衝部が圧縮され前記基部が基板の主面に均等に押しつけられて前記基部と、前記緩衝部と、が撓むことで被転写層が設けられた基板の主面の形状に前記パターン部が倣うことを特徴とするインプリント装置。
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