JP4951822B2 - 電解液および/または電極表面被膜形成剤。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子内にアミド基を有する化合物を用いた電解液および/または電極表面被膜形成剤に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
負極にリチウム金属やその合金あるいはリチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物を備えたいわゆるリチウムイオン電池はそのエネルギー密度の高さから需要が大幅に拡大している。
【0003】
一方、リチウムイオン電池は、内部・外部ショート、外部発熱などがトリガーとなり発熱し、電池の発火、発煙などが起こることがあり、リチウムイオン電池安全性の向上のために高温での電解液の安定性の向上が求められている。
【0004】
第67回電気化学会(2000年4月4日〜6日、予稿集24頁、2B21)および第41回電池討論会(2000年11月20日〜22日、予稿集296頁、2C10)において、ジフルオロ酢酸メチルエステルがリチウム電池の熱安定性を高めることが報告された。それによると、通常、電池に用いられる電解液がリチウム金属の融点(180℃)かそれ以下で発熱を開始するのに対し、ジフルオロ酢酸メチルはリチウム金属共存下に250℃まで発熱が起こらないことが示された。また、正極活物質であるコバルト酸リチウムの共存下においてもこれらの化合物は300℃まで発熱が起こらないことが示された。この効果はジフルオロ酢酸メチルおよびジメチルジフルオロマロネートがリチウム金属やコバルト酸リチウムなどの負極および正極活物質の表面で良好な被膜を形成したためと考えられる。
【0005】
一般的に高い電池性能を得るためにはジフルオロ酢酸メチルを、通常電解液として用いられている誘電率の高いエチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカーボネート(PC)および炭酸ジメチル(DMC)などといっしょに混合して用いる必要がある。しかしながら、電解液中のジフルオロ酢酸メチルの含有量が低下すると、発熱を抑制する効果が著しく減少するという問題点が発生した。これはリチウム金属とジフルオロ酢酸メチルによって形成した保護膜がEC、GBL、PCおよびDMCなどの溶媒によって溶かされ、保護膜の一部または大部分がはがれたためであると考えられる。
【0006】
そこで、実用化されている電池に用いられているような有機溶媒系の非水電解液の共存下でも正極、負極の表面上で強固に保護膜として作用し、電池の熱安定性を高める電極表面被膜形成剤が求められている。
【0007】
本発明は、電池構成成分として、熱安定性を高める電解液および/または電極表面被膜形成剤を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、熱安定性の向上した電池の製造方法をも提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、実用化されている電池に用いられているような有機溶媒系の非水電解液の共存下でも高い電解液の熱安定性を有する電池を得るべく検討を行った結果、分子内にアミド基を有する化合物および含フッ素ポリマーが、電池の熱安定性の向上に寄与し得ることを見い出した。
【0010】
本発明は分子内にアミド基を有する化合物および含フッ素ポリマーを用いた電解液および/または電極を保護するための電極表面被膜形成剤に関するものであり、また、それらを用いた電池製造方法、特にリチウムイオン電池の製造方法に関するものである。
【0011】
すなわち、本発明は、下記の項1〜項15に関する。
【0012】
項1、式(I):
【0013】
【化7】
【0014】
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なって水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはハロアルキル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基またはハロアルコキシアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロアリール基、炭素数7〜20のアリール置換アルキル基またはハロアリール置換アルキル基、炭素数1〜15のアシル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して環を形成してもよい。)で表される部分構造を分子内に1個以上有する少なくとも1種の化合物を含む電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0015】
項2、式(II):
【0016】
【化8】
【0017】
(式中、X1およびX2は同じかまたは異なってハロゲン原子または炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表し、R1およびR2は同じかまたは異なって水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはハロアルキル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基またはハロアルコキシアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロアリール基、炭素数7〜20のアリール置換アルキル基またはハロアリール置換アルキル基、炭素数1〜15のアシル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して環を形成してもよい。)で表される部分構造を分子内に1個以上有する少なくとも1種の化合物を含む項1記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0018】
項3、式(III):
【0019】
【化9】
【0020】
(式中、X1およびX2は同じかまたは異なってハロゲン原子または炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表し、R1およびR2は同じかまたは異なって水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはハロアルキル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基またはハロアルコキシアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロアリール基、炭素数7〜20のアリール置換アルキル基またはハロアリール置換アルキル基、炭素数1〜15のアシル基を表す。また前記式(III)においてR3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から20の置換基を有しても良いアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、炭素数6から20の置換基を有しても良いアリール基、ハロアリール基、炭素数4〜20の置換基を有しても良いヘテロアリール基またはハロヘテロアリール基を表す。また、R1とR2、R1とR3、R2とR3は互いに結合して環を形成してもよい。)で表される少なくとも1種の化合物を含む項1記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0021】
項4、式(IV):
【0022】
【化10】
【0023】
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なって水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはハロアルキル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基またはハロアルコキシアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロアリール基、炭素数7〜20のアリール置換アルキル基またはハロアリール置換アルキル基、炭素数1〜15のアシル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して環を形成しても良い。Arは炭素数6〜20の置換基を有しても良いアリール基またはハロアリール基、炭素数4〜20の置換基を有しても良いヘテロアリール基またはハロヘテロアリール基を表し、nは1から4の整数を表す。)で表される少なくとも1種の化合物を含む項1記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0024】
項5、式(V):
【0025】
【化11】
【0026】
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なって水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはハロアルキル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基またはハロアルコキシアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロアリール基、炭素数7〜20のアリール置換アルキル基またはハロアリール置換アルキル基、炭素数1〜15のアシル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して環を形成しても良い。R4〜R8は同じかまたは異なって水素、フッ素、トリフルオロメチル基のいずれかである。)で表される項1記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0027】
項6、式(I)、(II)、(IIIa)、(IVa)の部分構造をその側鎖に1個以上有する含フッ素繰り返し単位を構成要素とする含フッ素ポリマーからなる項1記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0028】
【化12】
【0029】
(式(I)、(II)、(IIIa)および(IVa)において、R1およびR2は同じかまたは異なって水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはハロアルキル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基またはハロアルコキシアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロアリール基、炭素数7〜20のアリール置換アルキル基またはハロアリール置換アルキル基、炭素数1〜15のアシル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して環を形成してもよい。式(II)、(IIIa)において、X1およびX2は同じかまたは異なってハロゲン原子または炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表す。式(IIIa)においてR3'は炭素数1から20の置換基を有しても良いアルキレン基、ハロアルキレン基を表す。式(IVa)においてAr'は炭素数6〜20の置換基を有しても良いアリーレン基またはハロアリーレン基、炭素数4〜20の置換基を有しても良いヘテロアリーレン基またはハロヘテロアリーレン基を表し、nは1から4の整数を表す。)
項7、上記式(II)、(III)および(IIIa)においてX1およびX2がともにフッ素原子である項2、3または6記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0030】
項8、上記式(II)、(III)および(IIIa)においてX1、X2の一方がフッ素原子で、もう一方がトリフルオロメチル基である項2、3または6記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0031】
項9、上記式(III)で表される化合物がHCF2CON(CH3)2である項3に記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0032】
項10、上記式(III)で表される化合物がCF3CON(CH3)2である項3に記載の電解液および/または電極表面被膜形成剤。
【0033】
項11、電池作成時および/または電池使用時に、電極材料表面に保護膜として作用することを特徴とする項1〜10のいずれかに記載の電極表面被膜形成剤。
【0034】
項12、電極がリチウム金属、リチウムインターカレート化合物またはリチウム合金からなる負極である項11記載の電極表面被膜形成剤。
【0035】
項13、項1〜10のいずれかに記載の化合物の少なくとも1種を電解液に添加することを特徴とする電池製造方法。
【0036】
項14、項1〜10のいずれかに記載の化合物の少なくとも1種を用いて電池の製造前にあるいは製造過程で負極を処理することを特徴とする電池製造方法。
【0037】
項15、負極がリチウム金属、リチウムインターカレート化合物またはリチウム合金である項13または14記載の電池製造方法。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の電解液及び電極被膜形成剤は、リチウム一次電池およびリチウム二次電池等の一次電池および二次電池のいずれにも用いることができる。
【0039】
本発明の電極表面被膜剤は、下記の式(I)または(II)で表される部分構造を少なくとも1つ有する化合物、式(III)、(IV)または(V)で表される化合物、および/または式(I)、(II)、(IIIa)または(IVa)をその側鎖に有する含フッ素繰り返し単位を構成要素とする含フッ素ポリマーを含む。これらの化合物及びポリマーは、電解液及び電極被膜形成剤のいずれにも使用することができる。
【0040】
【化13】
【0041】
(式中、R1〜R8、Ar、R3'、Ar'、X1、X2及びnは前記に定義したとおりである)式(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)及び(V)の構造は、いずれも式(I)の構造が含まれるため、式(I)の構造は式(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)の構造の上位概念に相当する。また、式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)及び(V)は、いずれもアミド基を有する点で共通する。
【0042】
前記式(II)、(III)、(IIIa)において、X1、X2およびR3のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子があげられるが、高い極性効果を引き出し、低い融点および低い粘度を維持するためには、フッ素または塩素原子が好ましく、さらにはフッ素原子が特に好ましい。
【0043】
前記式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)においてR1およびR2は同じかまたは異なって水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはハロアルキル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基またはハロアルコキシアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロアリール基、炭素数7〜20のアリール置換アルキル基またはハロアリール置換アルキル基、炭素数1〜15のアシル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して環を形成してもよい。
【0044】
R1およびR2で示されるアルキル基としては、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ペンタデシル等の炭素数1〜15,好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。
【0045】
R1およびR2で示されるハロアルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の1個ないし全てがハロゲン原子で置換された基を意味し、たとえば CH2F, CHF2, CF3, CH2Cl, CHCl2, CCl3, CH2Br, CHBr2, CBr3, CH2I, CHI2, C2H4F, C2H4Cl, CF3CH2, C2F4H, C2F5, C3H6F, C3H6Cl, C3F6H, CF3CF2CH2, (CF3)2CH, C3F7, C4H8F, C4H8Cl, C3F7CH2, C4F9、CnF2n+1(n=5〜15)、CnF2nH(n=5〜15)などの炭素数1〜15,好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分枝を有するハロアルキル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、ポリクロロアルキル基、クロロフルオロアルキル基、ポリフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基等の塩素又はフッ素置換アルキル基、好ましくはフッ素置換アルキル基が例示される。
【0046】
R1およびR2で示されるアルコキシアルキル基としては、たとえばCH3OCH2, C2H5OCH2, C3H7OCH2, CH3OCH2CH2, CH3OCH2CH2CH2, CH3OCH2CH(CH3), C2H5OCH2CH2, C3H7OCH2CH2, C3H7OCH2CH2CH2などの直鎖又は分枝を有する炭素数2〜15,好ましくは炭素数2〜6のアルコキシアルキル基が挙げられる。
【0047】
R1およびR2で示されるハロアルコキシアルキル基としては、たとえばFCH2OCH2, ClCH2OCH2, CH3OCHF, CF3OCF2, CCl3CH2OCH2, CF3CH2OCH2,(CF3)2CHOCH2, CF2HCF2OCH2, CF3CH2OCH2CH2, CF3CFHCF2OCH2などの直鎖又は分枝を有する炭素数2〜15,好ましくは炭素数2〜6のハロアルコキシアルキル基が挙げられる。
【0048】
R1およびR2で示されるアリール基としては、たとえばC6H5, CH3C6H4, CH3CH2C6H4, (CH3)2C6H3などが挙げられる。
【0049】
R1およびR2で示されるハロアリール基としては、たとえばFC6H4, F2C6H3, F3C6H2, F4C6H, F5C6, ClC6H4, ClFC6H3, ClF2C6H2, Cl2C6H3, Cl2F3C6, BrC6H4, BrF2C6H2, IC6H4, F(CH3)C6H3, F(CH3)2C6H2, CF3C6H4, (CF3)2C6H3, (CF3)3C6H2, (CF3)2C6F3などが挙げられる。
【0050】
R1およびR2で示されるアリール置換アルキル基としては、たとえば C6H5CH2, C6H5CH2CH2, CH3C6H4CH2などが挙げられる。
【0051】
R1およびR2で示されるハロアリール置換アルキル基としては、たとえばFC6H4CH2, ClC6H4CH2, BrC6H4CH2, CF3C6H4CH2, FC6H4CH2CH2などが挙げられる。
【0052】
R1およびR2で示されるアシル基としては、たとえばCH3CO, CF3CO, CH3CH2CO, (CH3)2CHCO, (CH3)3CO, Ph-CO-(Phはフェニル基)などの炭素数1〜15のアルカノイル基及び芳香族アシル基が挙げられる。
【0053】
R1とR2が互いに結合して形成する環としては、5員環(ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジンなど)、6員環(ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジンなど)が例示される。
【0054】
R1とR3、あるいは、R2とR3が互いに結合して形成する環としては、R1とR3、あるいは、R2とR3が-CH2CH2-、または、-CH2CH2CH2-である5員環、または、6員環が例示される。
【0055】
前記式(III)においてR3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から20の置換基を有しても良いアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロアルコキシアルキル基、アシル基、炭素数6から20の置換基を有しても良いアリール基、ハロアリール基、炭素数4〜20の置換基を有しても良いヘテロアリール基またはハロヘテロアリール基を表す。
【0056】
R3で示される置換基を有しても良いアルキル基としては、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル, C6H5CH2, C6H5CH2CH2, CH3C6H4CH2, CH3OCH2, C2H5OCH2, C3H7OCH2, CH3OCH2CH2, CH3OCH2CH2CH2, CH3OCH2CH(CH3), C2H5OCH2CH2, C3H7OCH2CH2, C3H7OCH2CH2CH2などが挙げられる。
【0057】
R3で示される置換基を有しても良いハロアルキル基としては、たとえばCH2F, CHF2, CF3, CH2Cl, CHCl2, CCl3, CH2Br, CHBr2, CBr3, CH2I, CHI2, C2H4F, C2H4Cl, CF3CH2, C2F4H, C2F5, C3H6F, C3H6Cl, C3F6H, CF3CF2CH2, (CF3)2CH, C3F7, C4H8F, C4H8Cl, C3F7CH2, C4F9, FC6H4CH2, ClC6H4CH2, BrC6H4CH2, CF3C6H4CH2, FC6H4CH2CH2,などが挙げられる。
【0058】
R3で示される置換基を有しても良いアルコキシ基としては、たとえばメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ベンジルオキシ基などが挙げられる。
【0059】
R3で示される置換基を有しても良いアリールオキシ基としては、たとえばC6H5O, CH3OC6H4CH2O, CH3C6H4O, CH3CH2C6H4O, FC6H4O, F2C6H3O, F3C6H2O, F4C6HO, F5C6O, ClC6H4O, ClFC6H3O, ClF2C6H2O, Cl2C6H3O, Cl2F3C6O, BrC6H4O, BrF2C6H2O, IC6H4O, F(CH3)C6H3O, F(CH3)2C6H2O, CF3C6H4O, (CF3)2C6H3O, (CF3)3C6H2O, (CF3)2C6F3Oなどが挙げられる。
【0060】
R3で示される置換基を有しても良いハロアルコキシアルキル基としては、FCH2OCH2, ClCH2OCH2, CH3OCHF, CF3OCF2, CCl3CH2OCH2, CF3CH2OCH2,(CF3)2CHOCH2, CF2HCF2OCH2, CF3CH2OCH2CH2, CF3CFHCF2OCH2などが挙げられる。
【0061】
R3で示される置換基を有しても良いアシル基としては、たとえばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基、フロイル基、ニコチノイル基などが挙げられる。
【0062】
R3で示される置換基を有しても良いアリール基としては、たとえばC6H5, CH3C6H4, CH3CH2C6H4, (CH3)2C6H3, が挙げられ、ヘテロアリール基としてはチエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジルなどが挙げられる。また、ハロヘテロアリール基としては、クロロチエニル、フルオロチエニル、フルオロピリジル、ジフルオロピリジル、トリフルオロピリジルなどが挙げられる。
【0063】
R3で示される置換基を有しても良いハロアリール基としては、たとえばFC6H4, F2C6H3, F3C6H2, F4C6H, F5C6, ClC6H4, ClFC6H3, ClF2C6H2, Cl2C6H3, Cl2F3C6, BrC6H4, BrF2C6H2, IC6H4, F(CH3)C6H3, F(CH3)2C6H2, CF3C6H4, (CF3)2C6H3, (CF3)3C6H2, (CF3)2C6F3などが挙げられる。
【0064】
前記式(IIIa)においてR3'は炭素数1から20の置換基を有しても良いアルキレン基またはハロアルキレン基を表す。
【0065】
R3'で示される置換基を有しても良いアルキレン基としては、たとえばCH2, CH(CH3), C(CH3)2, CH2CH2, CH(CH3)CH2, C(CH3)2CH2, CH2OCH2, CH(CH3)CH(CH3), CH2CH2CH2, CH2C(CH3)2CH2, CH2CH2CH2CH2, CH2CH2OCH2CH2, CH2CH2CH2CH2CH2, CH2N(CH3)CH2, CH2SCH2, CH2SOCH2, CH2SO2CH2などが挙げられる。
【0066】
R3'で示される置換基を有しても良いハロアルキレン基としては、たとえばCHF, CF2. CH(CF3), CF(CF3), C(CF3)2, CHCl, CCl2, CHBr, CBr2, CHI, CI2, CH(CF3)CH2, CH2CF2CH2, CF2OCF2, CF2OCH2, CH2CF2CF2CH2, CH2CF2CF2CF2CH2, (CF2)2, (CF2)4, (CF2)6, (CF2)8, (CF2)16, (CF2)20, (CF2)50, (CF2)4O(CF2)4, CF2CF2CF(CF3), CF2N(CH3)CF2, CF2SCF2, CF2SOCF2, CF2SO2CF2などが挙げられる。
【0067】
前記式(IV)においてArは炭素数6〜20の置換基を有しても良いアリール基またはハロアリール基、炭素数4〜20のヘテロアリール基またはハロヘテロアリール基を表し、nは1から4の整数を表す。
【0068】
Arで示される置換基を有しても良いアリール基としては、たとえばC6H5, CH3C6H4, CH3CH2C6H4, (CH3)2C6H3などが挙げられ、ヘテロアリール基としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジルなどが挙げられる。また、ハロヘテロアリール基としては、クロロチエニル、フルオロチエニル、フルオロピリジル、ジフルオロピリジル、トリフルオロピリジルなどが挙げられる。
【0069】
Arで示される置換基を有しても良いハロアリール基としては、たとえばFC6H4, F2C6H3, F3C6H2, F4C6H, F5C6, ClC6H4, ClFC6H3, ClF2C6H2, Cl2C6H3, Cl2F3C6, BrC6H4, BrF2C6H2, IC6H4, F(CH3)C6H3, F(CH3)2C6H2, CF3C6H4, (CF3)2C6H3, (CF3)3C6H2, (CF3)2C6F3などが挙げられる。
【0070】
前記式(IVa)においてAr'は炭素数6〜20の置換基を有しても良いアリーレン基またはハロアリーレン基、炭素数4〜20の置換基を有しても良いヘテロアリーレン基またはハロヘテロアリーレン基を表し、nは1から4の整数を表す。
【0071】
Ar'で示される置換基を有しても良いアリーレン基としては、たとえばC6H4, C6H3(CH3), C6H2(CH3)2, C6H(CH3)3, C6H3(C2H5), C6H2(C2H5)2, C6H3(CF3), C6H2(CF3)2, C6(CF3)4, C6H2(C2F5)2, C6H3(C4F9), C6H4C(CF3)2C6H4, C6H4C(CH3)2C6H4, C10H6, C10H5(CH3), C10H4(CH3)2, C6H4OC6H4, C6H4SC6H4, C6H4SOC6H4, C6H4SO2C6H4, C6H4N(CH3)C6H4などが挙げられ、ヘテロアリーレン基としては、C5H3N, C4H2Oなどが挙げられる。
【0072】
Ar'で示される置換基を有しても良いハロアリーレン基としては、たとえばC6H3F, C6H3Cl, C6H3Br, C6H3I, C6H2F2, C6H2Cl2, C6H2Br2, C6H2I2, C6HF3, C6HCl3, C6HBr3, C6F4, C6Cl4, C6H3(CF3), C6H2(CF3)2, C6(CF3)4, C6F2(C2F5)2, C6F3(C4F9), C6F4C(CF3)2C6F4, C6F4C(CH3)2C6F4, C10H5F, C10H5Cl, C10H5Br, C10H5I, C10H4F2, C10H4Cl2, C10H4Br2, C10H4I2, C10H3F3, C10H3Cl3, C10H2F4, C10H2Cl4, C10HF5, C10HCl5, C10F6, C10Cl6, C6H4C(CF3)2C6H4, C6F4OC6F4, C6F4SC6F4, C6F4SOC6F4, C6F4SO2C6F4, C6F4N(CH3)C6F4などが挙げられ、ハロヘテロアリーレン基としては、C5F3N, C4Cl2Oなどが挙げられる。
【0073】
前記式(V)においてR4〜R8は水素、フッ素、トリフルオロメチル基のいずれかである。
【0074】
さらに、具体的に前記式(I)〜(V)により表される化合物並びにこれらの部分構造を側鎖に有する含フッ素ポリマーとしては、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Ar、R3'、Ar'およびnが以下に示す組み合わせに係わるものが例示されるが、これらに制限されるものではない。
【0075】
本発明の電解液および/または電極表面被覆形成剤として用いられる含フッ素ポリマーの式(I)、(II)、(IIIa)、(IVa)の部分構造を有する繰り返し単位としては、以下のものが例示できる。
【0076】
【化14】
【0077】
(式中、n、mは任意の自然数を示す。)
該含フッ素ポリマーは、式(I)、(II)、(IIIa)、(IVa)の部分構造を有する繰り返し単位のみからなっていても良いが、該部分構造を有しない繰り返し単位を含んでいても良い。このような式(I)、(II)、(IIIa)、(IVa)の部分構造を有しない繰り返し単位としては、−(CF2CF2)−,−(CF2CF(CF3))−,−(CH2CH2)−,−(CH2CH(CH3))−、−(CF2O)−、−(OCF2CF(CF3))−、−(CF2CF2O)−、−(CH2CF2CF2O)−、−(CF2CF2CF2O)−などが例示される。
【0078】
以下に、本発明の一般式(I)の化合物の具体例、及び式(I)、(II)、(IIIa)、(IVa)の部分構造を有する繰り返し単位と該部分構造を有しない繰り返し単位からなる含フッ素ポリマーを例示する。
・一般式(I)の化合物
【0079】
【化15】
【0080】
・式(I)、(II)、(IIIa)、(IVa)の部分構造を有する繰り返し単位と 該部分構造を有しない繰り返し単位からなる含フッ素ポリマー
【0081】
【化16】
【0082】
(式中、a、b、c、dは任意の自然数を示す。)
本発明において前記式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)で表されるアミドの調製方法については、有機合成において用いられている一般的な方法を適宜選択することができ、たとえば、対応するカルボン酸エステルをNHR1R2(R1、R2は前記に定義されたとおりである)で表されるアミンを用いてアミド化することにより合成することができる。
【0083】
本発明の好ましい化合物として、N,N-ジメチルジフルオロアセトアミド、N,N-ジメチルトリフルオロアセトアミド、N,N-ジメチルパーフルオロオクタンアミド、N,N,N',N'-テトラメチルパーフルオロスベリンアミド、N,N-ジメチルベンズアミド、N,N-ジメチルペンタフルオロベンズアミドが挙げられる。これらの化合物と比較例であるジメチルジフルオロマロネートの発熱温度や発熱量をパーキンエルマー社の示差走査カロリーメーター(DSC7)を用いて測定した。結果を図1〜7に示した。
【0084】
図1〜7は比較例のジメチルジフルオロマロネートまたは本発明のアミド化合物と1M LiPF6/EC+DMC=1:1(vol%)電解液を体積比1:1とし、リチウム金属1.3 mgと混合し、DSC測定したものである。これより、ジメチルジフルオロマロネートは213℃付近で大きな発熱が見られるが、本発明の化合物はそれを上回り、たとえばN,N-ジメチルジフルオロアセトアミドの発熱は232℃となり、熱安定性の向上が見られる。これらの結果は、本発明における該化合物がリチウムイオン電池の熱安定性を一層向上させることを示している。
【0085】
このようにリチウム金属存在下で高い熱安定性が得られた理由としては、例えば、N,N-ジメチルジフルオロアセトアミドはアミド基を有することによりジメチルジフルオロマロネートのエステル基よりもさらに強固な保護膜をリチウム金属表面に作ったといえる。すなわちリチウムに作用するアミド基を有することによりエステル基よりもリチウムとの相互作用が強くなったということが考えられる。負極としてリチウムインターカレート化合物、すなわち炭素材料あるいは種々の金属酸化物を用いた場合にも、急速充電あるいは過放電により、金属リチウムが析出する場合があるので、これらを用いた電池においても本発明における該化合物は熱安定性、安全性を高める上で有効である。
【0086】
また、正極においても負極と同様に熱安定性、安全性を高める効果がジメチルジフルオロマロネートで示されており(特願2001−312293)、本化合物においても同様の効果があると考えられる。
【0087】
正極活物質としてはリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、リチウムチタン酸化物、LiNiO2のNiの一部をCoで置換したLiNi1-xCoxO2、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物または二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いることができるし、また、2種以上を併用することもできる。これら全般に効果があると考えられるが、特に、安定性の低いリチウムニッケル酸化物に対し、有効であると考えられる。
【0088】
また、これらの化合物によって電極表面に安定な保護膜が形成されることにより、充放電効率が向上し得る。また、リチウム金属のデンドライト現象も安定な保護膜により抑制され得る。
【0089】
本発明の電極表面被膜形成剤に用いられる分子内にアミド基を有する化合物は、単独で用いても良いが、通常用いられている有機溶媒系電解液に対して通常0.1〜80重量%程度、好ましくは1〜50重量%程度、より好ましくは5〜30重量%程度含まれる。
【0090】
本発明において、分子内にアミド基を有する化合物とともに非水電解液二次電池の電解液として用いられる有機溶媒系電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の鎖状カーボネート等も用いることができる。さらには、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等も用いることができるがこれらに限定されるわけではない。これらは単独で分子内にアミド基を有する化合物と混合して用いても良いし、2種類以上の有機溶媒系電解液を用いてもよい。
【0091】
これら分子内にアミド基を有する化合物を少なくとも1種含む有機溶媒系電解液は下記リチウム塩を溶解した電池の電解液および/または電極表面被膜形成剤として用いてもよいし、特に負極表面被膜形成剤として電池製造前の段階で、あるいは電池を製造する過程で、負極を処理することに用いても良い。負極の処理方法としては、分子内にアミド基を有する化合物を少なくとも1種含む有機溶媒に負極を浸す方法、あるいは、霧状にして噴霧する方法、ハケなどで負極表面に塗る方法などが例示される。処理の際には、冷却もしくは加熱を行っても良い。
【0092】
リチウムイオン(一次または二次)電池に用いる場合の好ましい電解液は、分子内にアミド基を有する化合物と有機溶媒を含む上記非水溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩から構成される。
【0093】
リチウム塩としては、LiPF6, LiPF4(CF3)2, LiPF4(C2F5)2, LiPF4(C3F7)2, LiAsF6, LiBF4, LiClO4, LiCF3SO3, LiC4F9SO3, LiN(CF3SO2)2, LiN(C2F5SO2)2, LiN(C4F9SO2)2, LiN(CF3SO2)(C4F9SO2), LiC(CF3SO2)3等を用いることができる。
【0094】
上記電解質は、リチウムイオン伝導性を有する非水溶液用電解質として、およびこれをポリマーマトリックスで固定したゲル電解質として用いることができる。
【0095】
本発明のリチウムイオン電池は、上記電解液を用いることを特徴としており、その他の条件、例えばリチウムイオン電池の形状や構成要素は特に限定されず、公知の技術を用いることができる。
【0096】
例えば電池の形状としては、円筒型、角型、コイン型、フィルム状等を挙げることができる。
【0097】
負極材料としては、リチウム金属およびその合金、リチウムをドープ・脱ドープできる炭素材料や高分子材料、金属酸化物などが挙げられる。
【0098】
正極材料としては、LiCoO2, LiNiO2, LiMn2O4, LiMnO2などのリチウムと遷移金属の複合酸化物や、高分子材料などが挙げられる。
【0099】
セパレーターとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の高分子材料の多孔膜や、本発明の電解液を吸蔵して固定化する高分子材料(いわゆるゲル電解質)として用いることができる。
【0100】
集電体の材料としては、銅、アルミ、ステンレススチール、チタン、ニッケル、タングステン鋼、炭素材料などが用いられ、その形状は箔、網、不織布、パンチドメタルなどが挙げられる。
【0101】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
DSC測定はパーキンエルマー製のDSC7を用いた。また、測定用の試料は、チタン製耐圧密閉容器に1M LiPF6/EC+DMC=1:1(vol%)電解液5 ml、アミド化合物5 mlをリチウム金属1.3 mgと混合し調整した。昇温速度は5℃/minで行い、発熱反応ピーク温度を測定した。種々のアミド化合物を用いて測定した結果を図1〜7に示す。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、電池の熱安定性を向上させ得る電解液、電極表面被膜形成剤および電池製造方法が提供できる。これにより、急速充電時にも安全性が向上し、さらに負極にリチウム金属を用いる安全な電池を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物との比較例であるジメチルジフルオロマロネートの発熱温度、発熱量の測定結果を示す。
【図2】本発明の化合物であるN,N-ジメチルジフルオロアセトアミドの発熱温度、発熱量の測定結果を示す。
【図3】本発明の化合物であるN,N-ジメチルトリフルオロアセトアミドの発熱温度、発熱量の測定結果を示す。
【図4】本発明の化合物であるN,N-ジメチルパーフルオロオクタンアミドの発熱温度、発熱量の測定結果を示す。
【図5】本発明の化合物であるN,N,N',N'-テトラメチルパーフルオロスベリンアミドの発熱温度、発熱量の測定結果を示す。
【図6】本発明の化合物であるN,N-ジメチルベンズアミドの発熱温度、発熱量の測定結果を示す。
【図7】本発明の化合物であるN,N-ジメチルペンタフルオロベンズアミドの発熱温度、発熱量の測定結果を示す。
Claims (13)
- 式(III):
- 式(IV):
- 式(I)、(II)、(IIIa)、(IVa)の部分構造をその側鎖に1個以上有する含フッ素繰り返し単位を構成要素とする含フッ素ポリマーからなるリチウム二次電池用電解液および/または電極表面被膜形成剤。
- 上記式(II)、(III)および(IIIa)においてX1およびX2がともにフッ素原子である請求項1または4記載のリチウム二次電池用電解液および/または電極表面被膜形成剤。
- 上記式(II)、(III)および(IIIa)においてX1、X2の一方がフッ素原子で、もう一方がトリフルオロメチル基である請求項1または4記載のリチウム二次電池用電解液および/または電極表面被膜形成剤。
- 上記式(III)で表される化合物がHCF2CON(CH3)2である請求項1に記載のリチウム二次電池用電解液および/または電極表面被膜形成剤。
- 上記式(III)で表される化合物がCF3CON(CH3)2である請求項1に記載のリチウム二次電池用電解液および/または電極表面被膜形成剤。
- 電池作成時および/または電池使用時に、電極材料表面に保護膜として作用することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極表面被膜形成剤。
- 電極がリチウム金属、リチウムインターカレート化合物またはリチウム合金からなる負極である請求項9記載のリチウム二次電池用電極表面被膜形成剤。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の少なくとも1種を電解液に添加することを特徴とするリチウム二次電池製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の少なくとも1種を用いて電池の製造前にあるいは製造過程で負極を処理することを特徴とするリチウム二次電池製造方法。
- 負極がリチウム金属、リチウムインターカレート化合物またはリチウム合金である請求項11または12記載のリチウム二次電池製造方法。
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