JP4950935B2 - スクリーン紗用モノフィラメント - Google Patents

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Description

本発明は、表面が改質されたモノフィラメントに関する。さらに詳細には、プリント配線基盤の製造などの高度な精密性且つ連続印刷性を要求されるハイメッシュでハイモジュラスのスクリーン紗を得るのに好適なモノフィラメントに関する。
モノフィラメントは衣料分野ではもちろん、産業資材の分野でも幅広く利用されてきている。特に後者の産業資材の分野での用途の例として、スクリーン印刷用メッシュ織物がある。特に最近の電子回路分野での印刷においては集積度が高まる一方であり、スクリーン紗としての印刷精密さ及び印刷性向上のため、高強度・高モジュラスでかつ、ハイメッシュといった要求がますます強くなっている。原糸についても、高強力、高モジュラスで且つより細繊度のものが要求されている。
スクリーン紗用原糸を設計する上でメッシュ織物の製織時の筬による糸削れ、スカム発生を防止することが重要で、その対策として特開平2−289120号公報では、ポリエステル芯鞘型モノフィラメントにおいて、芯部で高モジュラス、高強度を取り、鞘部のポリエステルとしてTgが35〜73℃のポリエステルを用いることにより、鞘部で製織時の筬による糸削れ、スカムの発生が防止され、ハイメッシュ、ハイモジュラスのスクリーン紗用原糸とすることが提案されている。
又スカム発生防止する対策として特開平11−241227号公報では鞘成分のIV(固有粘度)を0.60〜0.80とし、ピガット軟化温度67〜78℃の共重合ポリエステルとすることが提案されている。ある程度のソフトなポリエステルによるスカム防止効果はあるものの完全防止には至っていない。又軟化温度が低すぎるために繊維同士が融着し易いという問題があった。
又特開2003−213527号公報では芯鞘複合モノフィラメントの芯成分と鞘成分の固有粘度差を0.25以上にすることが提案され、固有粘度差が0.25以上であれば延伸倍率が低く設定できるとされている。しかしながら高強度高モジュラスモノフィラメントとするには延伸倍率を高める必要があり、ハイモジュラスハイメッシュのスクリーン紗とすることは難しいという問題や延伸倍率を低くするため熱収縮性が大きくなるという問題点があった。又粘度差が大であるため繊維軸方向に直交する断面における芯部面積と鞘部面積が変化し易く高密度スクリーン印刷精度が低化するという問題があった。
又特開2004−232182号公報では芯鞘複合モノフィラメントの鞘成分の複屈折率を0.18以下にすることが提案されている。確かに鞘成分の複屈折率を低下することにより配向度が低下するためスカム防止はある程度改善されものの、満足できるものではなかった。
更に特開2005−47020号公報では繊維軸方向に直交する断面における芯部面積と鞘部面積を芯/鞘=70/30〜90/10とし、芯成分の固有粘度を0.9〜1.3、鞘成分の固有粘度を0.45〜0.75とすることが好ましい条件として提案されている。確かに鞘成分がソフトでスカムが発生しにくいものの、完全ではなかった。
特開平2−289120号公報 特開平11−241227号公報 特開2003−213527号公報 特開2004−232182号公報 特開2005−47020号公報
本発明はスクリーン印刷用ハイメッシュハイモジュラス織物に好適なポリエステルモノフィラメントに関するものであり、特に芯鞘型ポリエステルモノフィラメントにおいて、スクリーン紗製織時の糸削れ、スカム発生が少なく、且つ繊維軸方向に直交する断面における芯/鞘面積比が安定した繊維径の均一なスクリーン紗用芯鞘型ポリエステルモノフィラメントを提供する。
本発明は上記従来技術における問題点を解消するものであり、
即ち本発明によれば、
下記A〜Fを満足することを特徴とするスクリーン紗用芯鞘型複合ポリエステルモノフィラメント。
A.鞘側ポリエステルが、第三成分をポリエステル全酸成分及び/又は全ジオール成分に対して0.5〜25モル%共重合した共重合ポリエステルであること。
B.モノフィラメントの湿熱処理後の原糸最大点強力が5.0〜7.5cN/dtex、15%伸長時の強度が4.0〜7.0cN/dtex、最大点伸度が20〜40%であること。
C.芯側ポリエステルの固有粘度が0.70〜1.00dL/gであること。
D.鞘側ポリエステルの固有粘度が0.40〜0.55dL/gであること。
E.鞘側ポリエステルの複屈折率が0.03〜0.14であること。
F.繊維軸に直交する断面の芯鞘面積比率が50:50〜95:5であること。
が提供される。
ここで第三成分がイソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の芯鞘型ポリエステルモノフィラメントの鞘側ポリエステルを特定成分を共重合した共重合ポリエステルとし、その固有粘度、芯/鞘面積比を特定とする原糸とすることにより、複屈折率を特定値とすることができ製織加工時のスカム発生を防止できるだけでなく、スクリーン紗の織目安定性や寸法安定性が向上し、連続精密印刷性能に優れたハイメッシュでハイモジュラスのスクリーン紗とすることができる。
本発明を詳細に説明する。
本発明のスクリーン紗用モノフィラメントは芯側に0.7〜1.0dL/gの高固有粘度(以下固有粘度をIVと略称する場合がある)ポリエステルを使用し、鞘側に0.40〜0.55dL/gの低IVのポリエステルを使用し通常の芯鞘複合紡糸装置を用いて芯鞘型モノフィラメントとする。
本発明の芯鞘型ポリエステルモノフィラメントの芯部に使用するポリエステルの種類としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のような芳香族ポリエステルが挙げられ、いずれでもよい。中でもPETは溶融紡糸を行う際の操業性、コストの面でももっとも好まれる。
芯部のポリエステルのIVは0.7〜1.0dL/gとすることが必要で、0.7未満であればスクリーン紗用モノフィラメントとしての糸の強度が不足し、一方1.0を超える場合は鞘部ポリエステルとの粘度差が大きくなりすぎ芯/鞘面積が適正でなくなり(芯部が多くなり)好ましくない。好ましくは0.7〜0.95dL/gである。
本発明の芯鞘型ポリエステルモノフィラメントの鞘部のポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくはエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを主たるグリコール成分としたポリエステルに、第三成分としてイソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の群から選ばれる少なくとも一種を共重合したポリエステルとすることが必要である。中でもイソフタル酸が好ましい。
上記イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の群から選ばれる少なくとも一種をポリエステルの主鎖中に共重合するには、前述したポリエステルの合成が完了する以前の任意の段階で、好ましくは第1段の反応が終了する以前の任意の段階で上記化合物を添加すればよい。
イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の群から選ばれる少なくとも一種はポリエステルのそれぞれ対応する全酸成分、全グリコール成分に対して0.5〜25モル%の割合で使用することが必要である。イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の群から選ばれる少なくとも一種が0.5モル%未満であれば固有粘度を0.45〜0.55であっても製糸時の粘度が高くなり複屈折率が高くなり又芯/鞘面積比が変動し易く又紡糸工程調子が低下する。一方25%を超える場合原糸の熱収縮率が高くなり好ましくない。好ましくは1.0〜20%であり、より好ましくは5〜15%である。
上記鞘部の共重合ポリエステルのIVは0.45〜0.55とすることが必要で、この範囲にある場合に(ソフトである故に)製織時の筬によるスカム発生、糸削れ性が防止できる。0.45未満であれば耐熱性が低下し好ましくない。0.55を超える場合は製糸時の粘度が高くなり複屈折率が高くなり好ましくない。
第三成分を共重合することの効果は、共重合することにより製糸時の粘度上昇が少なく複屈折率が低下でき且つ芯/鞘面積比が安定しスカムの発生が低下できる。又断糸や、毛羽の発生も少ない。第三成分を共重合しない場合は同じ固有粘度においても製糸時の粘度上昇が大きく複屈折率が高くなり、又芯/鞘面積比が変動し易くスカム発生やスクリーン紗にしたときの印刷精度が低下する。
本発明の芯鞘型ポリエステルモノフィラメントの繊維軸に直交する断面は円形断面が好ましい。断面での芯と鞘部が相似形である必要はないが、芯部は鞘部で十分に覆われていることが必要である。好ましい芯:鞘面積比率は50:50〜95:5である。芯/鞘面積比率が50:50より低く芯部面積が少ない場合には強度が不足し好ましくない。95:5を超えて芯部面積が増加する場合鞘部によって覆われない部分が発生しスカムが発生する。
本発明の芯鞘モノフィラメントは湿熱処理前の最大点強力は5.0〜7.0cN/dtex、5%LASEが2.5〜3.7cN/dtex、最大点伸度が20〜45%、湿熱収縮率が2.5〜9.0%であることが好ましい。
5%LASEは高い方が好ましいが、3.7cN/dtexを超えると製織時に筬による削れが発生し、織物に織込まれ、欠点となってしまうため好ましくない。逆に2.5cN/dtex以下ではスクリーン紗の伸びが大きくなり好ましくない。
最大点強度が5.0cN/dtex以下ではスクリーン紗強度が不足し紗張り時に破れが発生しやすく、7.0cN/dtex以上では製織後の湿熱収縮が取れにくく、又製織時に筬による削れが発生しやすくなる。
又最大点伸度が20%未満では製織時糸切れが多発するなど糸の取り扱い性が悪くなる。最大点伸度が45%以上では紗伸びが発生し易くなる。
湿熱収縮率は2.5〜9.0%の範囲の範囲であることが好ましく、この範囲外では湿熱処理後の15%LASEを特定の範囲内にすることができず好ましくない。(湿熱処理後の糸の15%LASEと、湿熱処理を経たスクリーン紗の寸法安定性が相関することに基づくものであり、本発明の芯鞘構造モノフィラメントの湿熱処理後の15%LASEが4.0〜7.0cN/dtexであることが必要である)
かかる特性の芯鞘型ポリエステルモノフィラメントを得るための具体的な製造法について説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
前記した2種類のポリエステルを公知の芯鞘複合紡糸口金を用いて、溶融紡糸し芯鞘モノフィラメントとし、続いて延伸を施すことにより上記物性を有する原糸が得られる。紡糸工程で一旦未延伸糸として巻き取り改めて延伸工程に供することもできるが、紡糸工程と直結して延伸を行うことが好ましい。
直接紡糸延伸においては、数対の加熱ロールを用い、一段又は多段で延伸することが好ましく、最終的に強度、伸度、収縮率が所定の範囲に入るように延伸倍率を定める。この延伸にはリラックス延伸等の弛緩処理を含めることができ、湿熱収縮率を所定の範囲に入るよう調整することができる。
このように製織前の原糸物性を調整し、しかる後製織工程に供し、必要に応じて精錬、染色、等の湿熱処理を経ることにより収縮し、糸は湿熱収縮後の所定の強伸度特性を有するものとなり、スクリーン紗は高度の寸法安定性を有するものと成る。
本発明の芯鞘構造モノフィラメントの表面に生じる節は製織時において糸の切断やスカム発生の原因となり好ましくなく、出来るだけ発生を防止する必要がある。節の発生要因としてはポリマーに含有する未溶融異物やポリマー自身の劣化が挙げられる。ポリマー内の未溶融異物については、パック入り口から口金吐出口までに濾過層を形成することでその排出を抑制させたり、分散させたりすることができる。この濾過層についてはモノフィラメント直径の約10〜15%の目開き量が好ましく、10%以下にするとパック内に異常な圧力がかかり、パック内部品とパック本体の破損につながる。15%以上にすると節糸の主因となる未溶融異物が粗大粒子のまま糸に含有し、節の発生リスクが大きくなる。また、ポリマー自身の劣化についてはポリマー送液に関し、配管の曲がりを減らし、パック導入から吐出までの時間を1分以内とし、ポリマーが受ける熱量を出来る限り軽減することによって節の発生リスクを低減させることができる。
以下の実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例中、固有粘度、強度、伸度、湿熱時収縮率、湿熱処理後の強度、湿熱処理後の伸度、15%伸張時の強度、節数の数の評価、糸削れ評価、ヒステリシスの評価は、以下の定義で行った。
固有粘度:
35℃でオルトクロロフェノールにサンプルを溶解した各濃度(C)の希釈溶液を作成し、それら溶液の粘度(ηr)から下記式によってCを0に近づけることで算出した。
η=limit(ln(ηr/C))
なお、芯鞘の各成分は製糸時に使用する口金と溶融での滞留時間が同等となると共に芯と鞘のポリマーが別々に吐出できるよう設計した口金を作成し、十分に放流状態を安定させた上で、放流ポリマーをそれぞれ採取して測定した。
複屈折率
干渉顕微鏡(カールツァイスイエナ社製インターファコ干渉顕微鏡)を用い、干渉縞法により求めた。浸漬液は所望の屈折率としたものを用いた。得られた干渉縞の写真から、干渉縞の間隔及びそのずれから屈折率を下記式より算出した。
λd/D=(n−N)t
ただし、d:干渉縞のずれ、D:干渉縞の間隔、λ:測定光源波長、n:サンプルの屈折率、N:溶液の屈折率、t:サンプルの線径
この解析を、モノフィラメントの半径をA、中心軸からの距離をaとした時の規格化した半径(r=a/A)0〜0.9間で0.1間隔の10点、繊維学会編の「繊維・高分子測定法の技術」:朝倉書店発行に記載の方法に準拠して行ない、サンプルのモノフィラメント軸方向に平行方向の屈折率、及び垂直方向の屈折率を求め下記式より算出した。
複屈折率(Δn)=平行方向屈折率−垂直方向屈折率
また、r=0の複屈折率を芯成分の複屈折率の値とし、r=0.9の複屈折率を鞘成分の複屈折率の値とした。r=0は芯の複屈折率、r=0.9は鞘成分の複屈折率であることはモノフィラメント横断面で確認しており、これを前提として測定した。
原糸の強度、伸度:
原糸の強度および伸度はJIS−L1017に準拠し、オリエンテック社製のテンシロンを用いてサンプル長25cm、伸長速度30cm/minで測定し、サンプル破断した時の強度と伸度である。5%LASEは上記の測定時のサンプルが5%伸長した時の応力を測定した。
湿熱収縮性:
5000m採取して、かせ状態にし、高圧内130℃の湿熱雰囲気内に繊度×0.1倍(g)をかけつつ、10分間入れた。処置終了後の糸は自然乾燥を行い、糸長を再度測定した。処置後の糸長を処置前の糸長5000mで割って百分率表示として湿熱処置後の収縮率とした。10%以下を○とし、10%を超える場合を×とした。
湿熱処理後の強度、伸度、15%伸長応力(LASE):
湿熱処理後の繊維の強度および伸度は湿熱処置後の糸をオリエンテック社製のテンシロンを用いてサンプル長25cm、伸張速度30cm/minで測定し、サンプル破断した時の強度と伸度である。15%LASEは上記の測定時のサンプルが15%伸張した時の応力を測定した。
スカム発生、糸削れの評価:
スルーザー型織機により、織機の回転数250rpmとして織幅1インチあたり300本の経糸を用いてメッシュ織物を製織し、織りあがった反物を検反機にて目視検査を行った。この時、通常黒に見えるメッシュ模様が白色化して見える織物欠点の数を数えて評価した。
織幅1.5m×織物長さ300mあたり糸削れによる欠点5個未満を○、5以上10ヶ未満を△、10ヶ以上を×と判定した。
ヒステリシス評価(スクリーン紗寸法安定性代用特性):
湿熱処理後の原糸に7%伸長時の荷重を初期荷重としてかけ、そこから更に1.5%連続伸長を1000回させた時の荷重(B)が30回目の荷重(A)対比、C=B/A×100により得られるCの値が98%以下となる連続荷重回数が1000回以下は×、1000回以上は○とした。
[実施例1]
鞘成分共重合ポリエステルの作成:
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール66部、表1に記載した量のイソフタル酸(全酸成分に対するモル%)、酢酸、マンガン4水塩0.03部(テレフタル酸ジメチルに対して0.024モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から230℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交換反応させた。続いて得られた生成物に正リン酸の56%水溶液、0.03部(テレフタル酸ジメチルに対して0.033モル%)及び三酸化アンチモン0.04部(0.027モル%)を添加して重合缶に移した。次いで1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて230℃から280℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度280℃で0.58dL/gの固有粘度に達するまで重合した。
芯成分ポリエステル:
固有粘度0.97dL/gのポリエチレンテレフタレートを使用した。
芯鞘モノフィラメントの作成
製糸化は以下の通り行った。上記の乾燥ポリマーを紡糸設備にて各々常法で溶融し、ギヤポンプを経て2成分複合紡糸ヘッドに供給した。芯と鞘ポリマーの繊維軸方向に直交する断面の面積比率が表1記載の値となるように設定した。同時に供給された芯部と鞘部の溶融ポリマーは、ノズル孔径0.25mmの円形複合紡糸孔を1個有する紡糸口金から、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与しつつ、1200m/分の紡速にて巻き取りつつ、オイリングローラーにて油剤を付着させながら、未延伸糸を得た。その後、加熱されたホットローラーにて予熱後、スリットヒーター200℃で加熱しながら3.8倍で延伸し、0.03倍のリラックス処理を施した後、巻き取り、13dtex−1filの延伸糸を得た。得られた延伸糸は強度6.1cN/dtex、伸度25%、5%LASE 4.0cN/dtex、湿熱収縮率7.0%、沸水処理後の強度は6.0cN/dtex、伸度32%、15%LASEは4.5cN/dtexであった。表1に得られた原糸物性を示す。
原糸の節糸発生個数は0個であった。この原糸をスルーザー型織機で製織した際、糸削れ発生による織物欠点は300mあたり0ヶであった。ヒステリシス評価は○であった。仕上げ加工したスクリーン紗を連続印刷したところ、伸びが少なく寸法安定性に優れるものであった。
[実施例2]
実施例1で芯/鞘面積比を90/10とした以外は同様に行った。
[実施例3]
実施例1で芯/鞘面積比を55/45とした以外は同様に行った。
[実施例4]
実施例1で鞘成分ポリエステルとして、ビスフェノールAエチレンオキサイド2.0モル付加物を全グリコール成分に対して5モル%共重合したものとした以外は同様に行った。
[実施例5]
実施例1でイソフタル酸の共重合モル数を5モル%とした以外は同様に行った。
[実施例6]
実施例1でイソフタル酸の共重合モル数を20モル%とした以外は同様に行った。
[比較例1]
実施例1において鞘成分ポリエステルとして、イソフタル酸を使用しないものとした以外は同様に行った。
[比較例2]
実施例2において鞘成分ポリエステルとして、イソフタル酸を使用しないものとした以外は同様に行った。
[比較例3]
実施例3において鞘成分ポリエステルとして、イソフタル酸を使用しないものとした以外は同様に行った。
[比較例4]
実施例1において芯/鞘面積比を40/60とした以外は同様に行った。
[比較例5]
実施例1において芯/鞘面積比を97/3とした以外は同様に行った。
[比較例6]
実施例1においてイソフタル酸の共重合モル数を30モル%とした以外は同様に行った。
[比較例7]
実施例1においてイソフタル酸の共重合モル数を0.3モル%とした以外は同様に行った。
Figure 0004950935
本発明は、表面が改質されたモノフィラメントに関するものであり、本発明の芯鞘モノフィラメントは特にスクリーン印刷用のメッシュ織物、プリント配線基盤の製造などの高度な精密性を要求されるハイメッシュでハイモジュラスのスクリーン紗を得るのに好適である。

Claims (3)

  1. 下記A〜Fを満足することを特徴とするスクリーン紗用芯鞘型複合ポリエステルモノフィラメント。
    A.鞘側ポリエステルが、第三成分をポリエステル全酸成分及び/又は全ジオール成分に対して0.5〜25モル%共重合した共重合ポリエステルであること。
    B.モノフィラメントの湿熱処理後の原糸最大点強力が5.0〜7.5cN/dtex、15%伸長時の強度が4.0〜7.0cN/dtex、最大点伸度が20〜40%であること。
    C.芯側ポリエステルの固有粘度が0.70〜1.00dL/gであること。
    D.鞘側ポリエステルの固有粘度が0.40〜0.55dL/gであること。
    E.鞘側ポリエステルの複屈折率が0.03〜0.14であること。
    F.繊維軸に直交する断面の芯鞘面積比率が50:50〜95:5であること。
  2. 第三成分がイソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の群から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載のスクリーン紗用芯鞘型複合ポリエステルモノフィラメント。
  3. 湿熱処理後の原糸に7%伸張時の荷重を初期荷重としてかけ、そこから更に1.5%連続伸長を1000回させた時の荷重(B)が30回目の荷重(A)対比、C=(A−B)/A×100により得られる強力劣化(C)が0〜1%である請求項1〜2いずれかに記載のスクリーン紗用芯鞘型複合ポリエステルモノフィラメント。
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