JP4773920B2 - スクリーン紗用モノフィラメント - Google Patents

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本発明は、表面が改質されたモノフィラメントに関する。さらに詳細には、スクリーン印刷用のメッシュ織物、プリント配線基盤の製造などの高度な精密性を要求されるハイメッシュでハイモジュラスのスクリーン紗を得るのに好適なモノフィラメントに関する。
モノフィラメントは衣料分野ではもちろん、産業資材の分野でも幅広く利用されてきている。特に後者の産業資材の分野での用途の例として、タイヤコード、ロープ、ネット、テグス、ターポリン、テント、スクリーン、パラグライダー、およびセールクロス用などの原糸としてのモノフィラメントがある。そして、このモノフィラメントに要求される物性も厳しくなり、ゴムとの接着性、耐疲労性、染色性、耐摩耗性、結節強力などの改善が迫られている。特に最近の電子回路分野での印刷においては集積度が高まる一方であり、スクリーン紗としての印刷緻密さのためハイメッシュ、ハイモジュラス化及び印刷性向上、特に連続印刷における寸法安定性の要求が強くなっている。
スクリーン紗用原糸を設計する上で特許文献1(特開平2−289120号公報)では、ポリエステル芯鞘型モノフィラメントの破断強度や破断伸度、10%伸長時のモジュラス、及び鞘部のポリエステルのTgを特定し、芯部で高モジュラス、高強度を取り、鞘部で製織時の筬による糸削れ防止、スカムの発生防止することが提案されている。確かに提案の方法により高強力、高モジュラススクリーン紗が得られ且つ糸削れを減少させることは可能であるが、スクリーン紗製造にあたり、織目調整や湿熱セットや紗張りの工程を経過する際、原糸は収縮し、糸の荷重曲線が収縮前と異なったものとなるため、伸び易くなるなどスクリーン紗としての寸法安定性が悪く、連続印刷性の良いものとはならない。
又スクリーン紗は製織後乳剤を表面に塗布し、それを感光、硬化させることにより、電子回路を写し取るという工程を経て印刷用に供される。乳剤を感光、硬化させる際に照射光のハレーションが発生すると印刷精度の悪化を招くため、製織後染色してハレーションの発生を軽減させている。しかしながら繊維の染色性が悪いと染料を多量に使用するとか、高温高圧染色等の特別の装置を必要としたり、そのため繊維にダメージを与えるなどの問題があった。
そのため寸法安定性に優れるスクリーン紗に適し、且つ染色性の良好な、特に低温でも染色可能なスクリーン紗用モノフィラメントの開発が求められていた。
特開平2−289120号公報
本発明はスクリーン印刷に用いられるメッシュ織物に好適なポリエステルモノフィラメントを提供する。詳しくは加工時の製織安定性、スクリーン紗としての連続印刷性能に優れ、ハイメッシュでハイモジュラスのスクリーン紗を得るのに好適な易染性に優れたスクリーン紗用モノフィラメントに提供すること。
繊維成形性ポリマーを芯成分、ポリエステルを鞘成分で構成される芯鞘型複合モノフィラメントにおいて下記A〜Iを満足する芯鞘型複合モノフィラメントとする。
A.モノフィラメントの湿熱処理前の原糸最大点強力が5.5〜8.0cN/dtex、5%伸張時の強度が3.5〜5.0cN/dtex、最大点伸度が20〜35%、湿熱収縮率が2.5〜9.0%であること。
B.モノフィラメントの湿熱処理後の原糸最大点強力が5.0〜7.5cN/dtex、15%伸張時の強度が4.0〜7.0cN/dtex、最大点伸度が20〜40%であること。
C.芯側ポリマーの固有粘度が0.70〜1.00dL/gであること。
D.鞘側ポリマーとして特定のスルホン酸ホスホニウム塩が共重合されているポリエステルであること。
E.鞘側ポリマーの固有粘度が0.50〜0.58dL/gであること。
F.鞘側ポリマーの複屈折率が140×10−3〜170×10−3であること。
G.ポリマーの芯鞘比率が30:70〜70:30であること。
H.単糸繊度が4〜24dtexであること。
I.モノフィラメントの繊維長手方向50万メートルで繊維直径に対し1.1倍以上の節糸が1個以下であること。
スクリーン紗の湿熱セット前後の原糸物性の適正化、特に湿熱セット後の原糸の最大点強度、伸度、15%伸長時の強度を特定することで連続印刷性に優れたスクリーン紗とし、更に、鞘側のポリマーとしてスルホン酸ホスホニウム塩が0.5〜2.5モル%共重合されたポリエステルで構成することで常圧濃染染色が可能にし、染色加工時に受ける加工ダメージを軽減することで従来のモノフィラメント対比、モジュラス特性に優れたモノフィラメントとし、又染色によりスクリーン紗のハレーション防止に有効なものとすることが出来る。
精密印刷に適したハイメッシュスクリーン(200〜500メッシュ)用として24dtex以下の細繊度モノフィラメントが用いられる。紗織物用フィラメントには製織性の低下や印刷時のスクリーン紗の伸び(寸法安定性の低下)などの発生を抑えるだけの特定の強度、伸度等の物性が必要である。一般的には原糸の伸度5%時の応力(モジュラス、以下5%LASE)により性能を評価することが行われているが、本発明者は更に高度な寸法安定性を得るためにはそれだけでなく、スクリーン紗の製造工程での湿熱処理により原糸が受ける影響を考慮することが重要であることを見出した。(湿熱処理とは、通常製織されたスクリーン紗を精錬や染色等の処理時における温水、蒸気処理することを意味する)これらの知見に基づいてなされたもので、本発明のスクリーン紗用モノフィラメントは、高IVのポリエステルを芯成分、低IVのポリエステルを鞘成分とする単糸繊度が4〜24dtexの芯鞘型複合ポリエステルモノフィラメントからなり、該モノフィラメントの湿熱処理前の最大点強度を5.5〜8.0cN/dtex、5%伸張時の強度を3.5〜5.0cN/dtex、最大点伸度を20〜35%、湿熱収縮率を2.5〜9.0%とし、湿熱処理後の最大点強度を5.0〜7.5cN/dtex、15%伸張時の強度(モジュラス、以下15%LASE)を4.0〜7.0cN/dtex、最大点伸度を20〜40%とすることにより、スクリーン紗として織目調整や湿熱セットや紗張り等の工程経過後、高度に寸法安定性に優れるスクリーン紗とすることができる。最大点強度、伸度とは原糸の荷伸曲線における切断時の強度、伸度を意味する。
本発明に使用する芯側へのポリマーの種類はポリエチレン、ポリエステルなどが挙げられ、許容IVが0.7〜1.0dL/gあれば、限定せず、使用することができる。中でもポリエステルは、特に好ましい。芯部のポリマーのIVは0.7以上とすることにより高い強伸度、高モジュラスとすることができる。
又鞘成分としては、0.50〜0.58の低IVの特定のスルホン酸ホスホニウム塩を含有するポリエステルを使用する。鞘部のポリエステルのIVを0.50〜0.58とすることによりソフトであるため製織時の筬による糸削れが減少する。
本発明のモノフィラメントは通常の複合紡糸装置を用いて芯鞘型モノフィラメントとする。断面形状については安定した製糸性および高次加工性が得やすいという点や製織後の乳剤を塗布して感光させる際に発生するハレーションを防止する点、スクリーン紗の目開きの安定性などにより丸断面が好ましい。断面での芯と鞘部が相似形、或いは同心円状である必要はないが、芯部は鞘部で十分に覆われていることが必要である。好ましい芯:鞘面積比率は30:70〜70:30である。
使用するポリエステルの種類としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のような芳香族ポリエステルが挙げられ、いずれでもよい。中でもPETは溶融紡糸を行う際の操業性、コストの面でもっとも好まれる。
本発明のモノフィラメントは湿熱処理前の最大点強力が5.5〜8.0cN/dtex、5%LASEが3.5〜5.0cN/dtex、最大点伸度が20〜35%、湿熱収縮率が2.5〜9.0%に設計することが必要である。
5%LASEは高い方が好ましいが、5.0cN/dtexを超えると製織時に筬による削れが発生し、織物に織込まれ、欠点となってしまうため好ましくない。逆に3.5cN/dtex以下ではスクリーン連続印刷時の寸法安定性が悪くなり、目ズレが発生しやすくなり、印刷物の欠点となるため好ましくない。
湿熱処理後の最大点強度が5.0cN/dtex以下ではスクリーン紗強度が不足し、スクリーン連続印刷時に目ズレが発生しやすくなったり、印刷時の被印刷物との紗離れが良くない。7.5cN/dtex以上では製織時に筬による削れが発生しやすくなる。
又最大点伸度が20%未満では製織糸切れが多発するなど糸の取り扱い性が悪くなる。最大点伸度が40%以上では紗伸びが発生し易くなる。
湿熱収縮率は2.5〜9.0%の範囲が好ましく、この範囲外では湿熱処理後の15%LASEを特定の範囲内にすることができず好ましくない。(湿熱処理後の糸の15%LASEと、湿熱処理を経たスクリーン紗の寸法安定性が相関することに基づくものであり、本発明のモノフィラメントの湿熱処理後の15%LASEが4.0〜7.0cN/dtexであることが必要である)
本発明の鞘側のポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくはエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルを主たる対象とし、該ポリエステルに下記式で表されるスルホン酸ホスホニウム塩を共重合したポリエステルとすることが必要である。スルホン酸ホスホニウム塩を共重合することにより低温可染性(100℃以下で染色可能)となる。
Figure 0004773920
[式中、Aは芳香族基、XおよびXは同一または異なるエステル形成官能基、nは正の整数、R、R、R、Rは水素原子、アルキル基、アリール基およびヒドロキシアルキル基より選ばれた同一または異なる基であって、R、R、R、Rの合計の分子量が60以上であるものを示す。]
かかるスルホン酸ホスホニウム塩は、一般に対応するスルホン酸とホスフィン類との反応又は対応するスルホン酸金属塩とホスホニウムハライド類との反応により容易に合成できる。スルホン酸とホスフィンより合成する場合は必ずしも単離する必要はなく、対応するスルホン酸とホスフィンを改質すべきポリエステルに添加してポリエステル反応系内で塩を生成せしめてもよい。しかしながら、スルホン酸金属塩とホスホニウムハライドより合成する場合は、生成する無機塩による悪影響、例えば過剰な副反応による軟化点の低下、重合度の上昇が不可能になる等の悪影響が発生するので無機塩を十分除去した後ポリエステルに添加しなければならない。
上記スルホン酸ホスホニウム塩の具体例としては、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸トリブチルメチルホスホニウム塩、2,6―ジカルボメトキシナフタレン―4―スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、2,6―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩等があげられる。
上記スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステルの主鎖中に共重合するには、前述したポリエステルの合成が完了する以前の任意の段階で、好ましくは第1段の反応が終了する以前の任意の段階で上記化合物を添加すればよい。この際その使用量はあまり少ないと目的とする易染性が不足する。逆にあまり多いと製糸調子が悪くなる他、ポリエステル繊維としての力学物性が低くなるので、ポリエステル繊維を構成する二官能性カルボン酸成分に対して0.5〜2.5モル%の割合で使用することが好ましい。
次に本発明の芯鞘型複合モノフィラメントを得るための具体的な製造法について説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
前記した芯成分用ポリマー、鞘成分用ポリマーを常法により複合紡糸口金を用いて、溶融紡糸し芯鞘型複合モノフィラメントとし、続いて延伸を施すことにより得られる。紡糸工程で一旦未延伸糸として巻き取り改めて延伸工程に供することもできるが、紡糸工程と直結して延伸を行うことが好ましい。
直接紡糸延伸においては、数対の加熱ロールを用い、一段又は多段で延伸することが好ましく、最終的に強度、伸度、収縮率が所定の範囲に入るように延伸倍率を定める。この延伸にはリラックス延伸等の弛緩処理を含めることができ、湿熱収縮率を所定の範囲に入るよう調整することができる。
このように製織前の原糸物性を調整し、しかる後製織工程に供し、必要に応じて精錬、染色、等の湿熱処理を経ることにより収縮し、糸は湿熱収縮後の所定の強伸度特性を有するものとなり、スクリーン紗は高度の寸法安定性を有するものと成る。
モノフィラメントの表面に生じる節は製織時において糸の切断やスカム発生の原因となり好ましくなく、出来るだけ発生を防止する必要がある。節の発生要因としてはポリマーに含有する未溶融異物やポリマー自身の劣化が挙げられる。ポリマー内の未溶融異物については、パック入り口から口金吐出口までに濾過層を形成することでその排出を抑制させたり、分散させたりすることができる。この濾過層についてはモノフィラメント直径の約20〜30%の目開き量が好ましく、20%以下にするとパック内に異常な圧力がかかり、パック内部品とパック本体の破損につながる。30%以上にすると節糸の主因となる未溶融異物が粗大粒子のまま糸に含有し、節の発生リスクが大きくなる。また、ポリマー自身の劣化についてはポリマー送液に関し、配管の曲がりを減らし、パック導入から吐出までの時間を1分以内とし、ポリマーが受ける熱量を出来る限り軽減することによって節の発生リスクを低減させることができる。
以下の実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例中、固有粘度、湿熱処理前の強度、伸度、湿熱収縮率、湿熱処理後の強度、伸度、15%伸張時の強度、節数の数の評価、糸削れ評価、ヒステリシスの評価は、以下の定義で行った。
固有粘度:
35℃でオルトクロロフェノールにサンプルを溶解した各濃度(C)の希釈溶液を作成し、それら溶液の粘度(ηr)から下記式によってCを0に近づけることで算出した。
η=limit(ln(ηr/C))
なお、芯鞘の各成分は製糸時に使用する口金と溶融での滞留時間が同等となると共に芯と鞘のポリマーが別々に吐出できるよう設計した口金を作成し、十分に放流状態を安定させた上で、放流ポリマーをそれぞれ採取して測定した。
湿熱処理前の強度、伸度、5%LASE:
繊維の強度および伸度はJIS−L1017に準拠し、オリエンテック社製のテンシロンを用いてサンプル長25cm、伸張速度30cm/minで測定し、サンプル破断した時の強度と伸度である。
5%LASEは上記の測定時のサンプルが5%伸張した時の応力を測定した。
湿熱収縮率:
5000m採取して、かせ状態にし、高圧内130℃の湿熱雰囲気内に繊度×0.1倍(g)をかけつつ、10分間入れた。処置終了後の糸は自然乾燥を行い、糸長を再度測定した。処置後の糸長を処置前の糸長5000mで割って百分率表示として湿熱処置後の収縮率とした。
湿熱処理後の強度、伸度、15%LASE:
湿熱処理後の繊維の強度および伸度は湿熱処置後の糸をオリエンテック社製のテンシロンを用いてサンプル長25cm、伸張速度30cm/minで測定し、サンプル破断した時の強度と伸度である。15%LASEは上記の測定時のサンプルが15%伸張した時の応力を測定した。
節数の数の評価:
整経機のクリール出口に設置されているドロッパー前に隙間が糸径×1.1倍で公差±2μmとなる12本通しのスリットガイド設置した。そのスリットガイドに糸を通し、12本×8段=96本をそれぞれ糸速500m/minにて各糸長20万m整経した。その際、スリットガイドにて断糸した回数を節の数と見なし、整経中での断糸回数を測定した。検出した断糸回数を糸長10万m換算して評価を行った。
糸削れの評価:
スルーザー型織機により、織機の回転数250rpmとして織幅1インチあたり300本の経糸を用いてメッシュ織物を製織し、織りあがった反物を検反機にて目視検査を行った。この時、通常黒に見えるメッシュ模様が白色化して見える織物欠点の数を数えて評価した。織幅1.5m×織物長さ300mあたり糸削れによる欠点5個未満を○、5以上10ヶ未満を△、10ヶ以上を×と判定した。
ヒステリシス評価:
湿熱処理後の原糸に7%伸長時の荷重を初期荷重としてかけ、そこから更に1.5%連続伸長を1000回させた時の荷重(B)が30回目の荷重(A)対比、C=B/A×100により得られるCの値が98%以下となる連続荷重回数が1000回以下は×、1000回以上は○とした。
染色評価:
延伸糸を筒編みもしくは織物状とし、分散染料を用いて常法により琥珀色に染色し、100℃の常圧染色でもっとも濃染レベルを5点とし、もっとも淡染レベルを1点とし、5段階にて染色評価を行った。
[実施例1]
芯側に固有粘度0.87dL/gのポリエチレンテレフタレート、鞘側に、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を2.0モル%共重合した固有粘度0.58dL/gのポリエチレンテレフタレートを使用し、双方とも295℃の温度にて溶融した。放流開始から2時間後にサンプリングした芯側の固有粘度は0.75dL/gで、鞘側の固有粘度は0.50dL/gであった。1200m/分の紡速にて巻き取りつつ、オイリングローラーにて油剤を付着させながら、未延伸糸を得た。その後、加熱されたホットローラーにて予熱後、スリットヒーター200℃で加熱しながら3.8倍で延伸し、0.03倍のリラックス処理を施した後、巻き取り、13dtex−1filの延伸糸を得た。得られた延伸糸は強度6.0cN/dtex、伸度25%、5%LASE 3.7cN/dtex、湿熱収縮率7.0%、沸水処理後の強度は6.0cN/dtex、伸度32%、15%LASEは4.2cN/dtexであった。原糸の節糸発生個数は0個であった。この原糸をスルーザー型織機で製織した際、糸削れ発生による織物欠点は300mあたり0ヶであった。ヒステリシス評価は○であった。染色点は5点であった。仕上げ加工したスクリーン紗を連続印刷したところ、伸びが少なく寸法安定性に優れるものであった。
[比較例1]
実施例1においてリラックス延伸を止め、その部分で1.2倍延伸を実施し、得られた延伸糸を13dtexに合せた。得られた延伸糸は強度6.3cN/dtex、伸度19%、5%LASE 4.8cN/dtex、湿熱収縮率10.0%、沸水処理後の強度は6.1cN/dtex、伸度38%、15%LASEは3.5cN/dtexであった。原糸の節糸発生個数は0個であった。この原糸をスルーザー型織機で製織した際、糸削れ発生による織物欠点は300mあたり2ヶであり、ヒステリシス評価は×であった。染色点は5点であった。仕上げ加工したスクリーン紗を連続印刷したところ、伸びが大きく寸法安定性に問題があった。
[実施例2]
実施例1において、延伸実施時のスリットヒーター温度を200⇒230℃に変更した以外は実施例1と同様な方法で延伸糸を得た。得られた延伸糸は強度6.1cN/dtex、伸度24%、5%LASE 3.9cN/dtex、湿熱収縮率6.0%、沸水処理後の強度は6.1cN/dtex、伸度32%、15%LASEは4.3cN/dtexであった。原糸の節糸発生個数は0個であった。この原糸をスルーザー型織機で製織した際、糸削れ発生による織物欠点は300mあたり0ヶであった。ヒステリシス評価は○であった。染色点は5点であった。仕上げ加工したスクリーン紗を連続印刷したところ、伸びが少なく寸法安定性に優れるものであった。
[比較例2]
実施例1において、延伸実施時のスリットヒーター温度を200⇒150℃に変更した以外は実施例1と同様な方法で延伸糸を得た。得られた延伸糸は強度5.5cN/dtex、伸度24%、5%LASE 3.5cN/dtex、湿熱収縮率15.0%、沸水処理後の強度は5.3cN/dtex、伸度45%、15%LASEは3.0cN/dtexであった。原糸の節糸発生個数は0個であった。この原糸をスルーザー型織機で製織した際、糸削れ発生による織物欠点は300mあたり0ヶであった。ヒステリシス評価は×であった。染色点は5点であった。仕上げ加工したスクリーン紗を連続印刷したところ、伸びが大きく寸法安定性に問題があった。
実施例1〜2、比較例1〜2の結果を表1にまとめる。
Figure 0004773920
本発明は、表面が改質された芯鞘複合モノフィラメントに関し、低温染色可能で、ハイメッシュでハイモジュラスで且つ寸法安定性に優れたスクリーン紗を得るのに好適であり、製織して得られるスクリーン印刷用のメッシュ織物はプリント配線基盤の製造などの高度な精密性を要求される用途に有用である。

Claims (2)

  1. 繊維成形性ポリマーを芯成分、ポリエステルを鞘成分として構成される芯鞘型複合モノフィラメントにおいて、下記A〜Iを満足することを特徴とする易染性に優れるスクリーン紗用芯鞘型複合モノフィラメント。
    A.モノフィラメントの湿熱処理前の原糸最大点強力が5.5〜8.0cN/dtex、5%伸張時の強度が3.5〜5.0cN/dtex、最大点伸度が20〜35%、湿熱収縮率が2.5〜9.0%であること。
    B.モノフィラメントの湿熱処理後の原糸最大点強力が5.0〜7.5cN/dtex、15%伸張時の強度が4.0〜7.0cN/dtex、最大点伸度が20〜40%であること。
    C.芯側ポリマーの固有粘度が0.70〜1.00dL/gであること。
    D.鞘側ポリマーとして、下記式で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩をポリエステル繊維を構成する二官能性カルボン酸成分に対して0.5〜2.5モル%共重合されたポリエステルであること。
    Figure 0004773920
    [式中、Aは芳香族基、XおよびXは同一または異なるエステル形成官能基、nは正の整数、R、R、R、Rは水素原子、アルキル基、アリール基およびヒドロキシアルキル基より選ばれた同一または異なる基であって、R、R、R、Rの合計の分子量が60以上であるものを示す。]
    E.鞘側ポリマーの固有粘度が0.50〜0.58dL/gであること。
    F.鞘側ポリマーの複屈折率が140×10−3〜170×10−3であること。
    G.ポリマーの芯鞘比率が30:70〜70:30であること。
    H.単糸繊度が4〜24dtexであること。
    I.モノフィラメントの繊維長手方向50万メートルで繊維直径に対し1.1倍以上の節糸が1個以下であること。
  2. 湿熱処理後の原糸に7%伸張時の荷重を初期荷重としてかけ、そこから更に1.5%連続伸長を1000回させた時の荷重(B)が30回目の荷重(A)対比、C=(A−B)/A×100により得られる強力劣化(C)が0〜1%である請求項1記載のスクリーン紗用芯鞘型複合モノフィラメント。
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