JP2005194669A - ポリエステルモノフィラメント - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面部の削れの懸念が可及的に低減されながらも、高強力、ハイモジュラスの物性が維持された、特に高精密印刷用のスクリーン紗用として好適に使用することができるポリエステルモノフィラメントを提供すること。
【解決手段】 固有粘度が0.60〜1.10で、主たる繰り返し単位エチレンテレフタレートであるポリエステルからなり、破断強度が5.0cN/dtex以上、5%伸長時の応力が3.0〜4.0cN/dtexで、かつ下記(1)〜(2)の要件を同時に満足させたポリエステルモノフィラメント。
(1) −0.003≦Δn(0.9)−Δn(0.7)≦−0.0015
(2) −0.0015≦Δn(0.7)−Δn(0)≦0.0015
但し、Δn(r)は規格化された半径rの位置の複屈折、Δn(0)は繊維軸中心の複屈折を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面の耐摩耗性が改善されたポリエステルモノフィラメントに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、ロープ、ネット、テグス、ターポリン、テント、スクリーン、パラグライダー、セールクロス等の原糸として有用な強度およびモジュラスに優れたポリエステルモノフィラメント、特にスクリーン印刷用のメッシュ織物、就中プリント配線基盤の製造等の高度な精密性を要求されるハイメッシュでハイモジュラスのスクリーン紗を得るのに好適な、耐摩耗性に優れたポリエステルモノフィラメントに関するものである。
一般にモノフィラメントと呼ばれるただ単糸1本だけで構成されるポリエステル繊維は、衣料分野は勿論産業資材の分野でも幅広く利用されてきている。特に後者の産業資材の分野での利用例としては、タイヤコード、ロープ、ネット、テグス、ターポリン、テント、スクリーン、パラグライダー、セールクロス用等の原糸としてのモノフィラメントがある。そして、このモノフィラメントに要求される物性も近年厳しくなり、ゴムとの接着性、耐疲労性、染色性、耐摩耗性、結節強力等の改善が迫られている。
特に、ポリエステルモノフィラメントはその優れた寸法安定性の故に、昨今印刷用スクリーン紗の原糸分野では、絹等の天然繊維やステンレスなどの無機繊維にとって代わりつつある。しかし、最近のプリント配線盤等の電子機器の印刷分野においては、集積度が高まる一方であり、これに伴ってスクリーン紗の印刷精度向上のため、高強度・高モジュラスで、且つ、ハイメッシュといった要求が益々厳しくなっている。したがって、原糸についても高強力、高モジュラスで、且つより細繊度のものが要求されている。
ところで、ポリエステルモノフィラメントを高強度・高モジュラス化するためには、通常紡出糸を高い延伸倍率の下で熱延伸して、高度に配向・結晶化させればよい。しかし、この後のスクリーン紗製造の工程においては、前記の“ハイメッシュ”の要求に応えるために高密度の織物を製織することになり、その結果、原糸は特に筬との間により過酷な繰り返し摩擦を受けることになる。そのため、モノフィラメントの表面の一部が削り取られて、ヒゲ状のあるいは粉状のスカムが頻発し、生産性は勿論製品の品位まで損なわれる。しかも、高配向・高結晶化された原糸ほど、さらには細い繊維径の原糸ほど、上記の傾向は強くなり、その結果、スカムの堆積に因る織機停台を惹起し、さらにスクリーン紗の中に織り込まれたスカムは、精密印刷時に印刷欠点を招来する。
この製織におけるスカムの抑制策として、例えば特許文献1には、破断伸度30〜60%の高伸度の原糸をスクリーン紗の経糸に用いることが提案されている。しかしながら、高伸度の原糸はその裏返しとして強度およびモジュラスが低くなるため、高強度・高モジュラスのスクリーン紗の要求に相反する。
ところで、高強力・高モジュラスの原糸を得るためには、前述のとおり高倍率延伸が必要であるが、これに伴いフィラメントの表層部分の配向が中央部分の配向より高くなり、その結果、摩擦により表面の一部が削られる現象を起こしやすくなると言われている。これに対する対策として、フィラメントの表層部分の溶融物を変更することにより、高強度・高モジュラス化と製織時のスカム抑制とを両立させる方法が種々提案されている。
例えば、特許文献2には、ポリエステルを芯部、ナイロンを鞘部に配した芯−鞘構造とすることにより、高強力でありながらスカム抑制能を改善する方法が提案されている。しかしこの場合は、ナイロン固有の高吸湿性に起因して原糸の寸法安定性が損なわれるという不利益が生じる。さらに、原糸構造が互いに相溶性のないポリエステルとナイロンからなる芯・鞘構造であるため、印刷時に繰り返し応力を受けると両重合体の接合界面で剥離が生じ易いという懸念をはらんでいる。
この剥離の問題を解決するため、特許文献3には、固有粘度が0.80のポリエステルホモポリマーを芯部、固有粘度が0.67のポリエチレングリコールを共重合したポリエステルを鞘部に配した芯・鞘構造とすることが提案されている。
これら芯・鞘構造のモノフィラメントにおいては、筬や綜絖に接触し、摩擦を受けて削られるのは外周表面部の重合体であることから、該表面部に摩擦や摩耗に対して削れにくいガラス転移点の低い共重合体を配している点に特徴がある。したがって、これらのモノフィラメントの強度やモジュラスは芯部のポリエステル層に依存することになる。
とすれば、外周表面部(鞘部)に配される重合体の厚み、すなわち横断面に占める面積比を低く設定することが力学特性上有利となる。しかし、鞘部の厚みを薄くしすぎると芯部が露出しやすくなる。また、前述のとおり、相溶性の異なるポリマーを組み合わせているため、接合界面で剥離現象が不可避的に発生しやすくなり、その結果、スカムの抑制効果が減少し且つ原糸本来の物性および機能が損なわれることとなる。
因みに、1998年現在販売されている芯・鞘構造の原糸を用いたスクリーン紗にあっては、鞘成分比率を30〜40%と高くしているのが現状である。
さらに特許文献4には、紡糸パック内のポリマー流動特性により生じる繊維断面内における固有粘度の差を利用して、その中心部の固有粘度がもっとも高く、表層部に向うにしたがって逐次固有粘度が低くなっているポリエステルモノフィラメントが提案されている。しかしながら、パック内の溶融ポリマーの流れを積極的に制御することにより、内外層に送り込まれる各固有粘度成分の比率を制御することは極めて困難である。また、何らかの工程変動時に何らかの条件変更を行って調整することも実際上困難である。さらには、パック取り付け時から徐々に変化して安定化するまでの間に生産されるモノフィラメントは市場に供することができないため、コスト的にも極めて不利である。
特開昭55−16948号公報 特開平1−132829号公報 特開平2−289120号公報 特開2001−11730号公報
本発明は、上記を背景になされたもので、その目的は、表面部の削れの懸念が可及的に低減されながらも、高強力、ハイモジュラスの物性が維持された、特に高精密印刷用のスクリーン紗用として好適に使用することができるポリエステルモノフィラメントを提供することにある。
本発明者らの研究によれば、上記課題は、「エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする、固有粘度が0.60〜1.10のポリエステルからなるモノフィラメントであって、その破断強度が5.0cN/dtex以上、5%伸長時の応力が3.0〜4.0cN/dtexで、かつ下記(1)〜(2)の要件を同時に満足することを特徴とするポリエステルモノフィラメント。
(1) −0.0030≦Δn(0.9)−Δn(0.7)≦−0.0015
(2) −0.0015≦Δn(0.7)−Δn(0)≦0.0015
但し、Δn(r)は規格化された半径rの位置の複屈折、Δn(0)は繊維軸中心の複屈折を表す。」により達成できることが見出された。
この際、モノフィラメントの繊度は5〜15dtexの範囲であることが好ましい。
本発明のポリエステルモノフィラメントは高強力、ハイモジュラスでありながら、その繊維表面の配向度が低下しているため耐摩耗性に優れ、例えば高密度のハイメッシュスクリーン紗を製織する際のスカムの発生が抑制され、極めて精密な印刷をすることが可能となる。
本発明のモノフィラメントを構成するポリエステルは、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするものである。ここで主たるとは、全繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上であることを意味し、テレフタル酸成分およびエチレングリコール成分以外の第3成分を20モル%以下の割合で共重合していてもよいが、後述するように、高強度、ハイモジュラスのモノフィラメントという観点から、実質的にエチレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレートが好ましい。なお、ここでいう実質的とは、該ポリエステルを製造する際に積極的に共重合成分を用いないことを意味し、例えばジエチレングリコールのように、ポリエステルの製造段階で副生され、これがポリエステル中に共重合されていても構わない。
かかるポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェノールを溶媒として温度35℃で測定)は、低すぎると高強度のモノフィラメントを得ることが困難になるだけでなく、耐疲労性も低下して長期間の利用が困難になり、逆に高すぎると製糸が困難になるので、0.60〜1.10、好ましくは0.65〜0.90、特に好ましくは0.70〜0.80の範囲とする必要がある。なお、該ポリエステル中には、必要に応じて任意の添加剤を配合してもよい。
上記ポリエステルからなる本発明のモノフィラメントは、その破断強度が5.0cN/dtex以上、好ましくは6.0cN/dtex以上である必要がある。該破断強度が5.0cN/dtex未満の場合には、モノフィラメントとしての強力が不十分となって、例えばハイメッシュのスクリーン紗を製織するのが困難になる。なお、破断強度は大きいほど好ましいが、あまりに大きくなりすぎると伸度が低下する傾向にありタフネスが低下するので、10.0cN/dtex以下、好ましくは9.0cN/dtex以下とするのが適当である。
また、応力による変形を防止し、例えばスクリーン紗として使用する場合には高度の精密印刷を可能とするため、その5%伸張時の応力は3.0〜4.0cN/dtexの範囲にある必要がある。該応力が3.0cN/dtex未満の場合には、フィラメントのモジュラスが不十分となり、例えば高強度のフィラメントからなるスクリーン紗であっても応力により容易に変形することとなり、印刷精度が低下するので好ましくない。一方、該応力が4.0cN/dtexを越えるモノフィラメントは得ることが困難であるだけでなく、このようなモノフィラメントを得るためには高倍率延伸と十分な熱セットが必要で伸度が低下する傾向にありタフネスが低下するので好ましくない。
本発明のモノフィラメントは、上記の要件に加えて、規格化された半径r(繊維中心から繊維表面までの距離をL、中心からの距離をdとすると、規格化された半径rはd/Lで表される)での位置の複屈折率をΔn(r)とすると、下記(1)および(2)を同時に満足する必要がある。すなわち、モノフィラメントの表層部の配向度を低下させることにより、例えば製織時に筬との接触で付与される剪断応力に耐えることができるようになってスカムの発生を抑制することができる。一方、表層部以外の内部の配向差を小さくすることにより、より高倍率延伸を安定にできるようにして繊維全体としての配向度を向上させ、より高強度、ハイモジュラス化が可能となる。
(1)−0.0030≦Δn(0.9)−Δn(0.7)≦−0.0015、好ましくは、−0.0025≦Δn(0.9)−Δn(0.7)≦−0.0020
(2)−0.0015≦Δn(0.7)−Δn(0)≦0.0015、好ましくは、−0.0010≦Δn(0.7)−Δn(0)≦0.0010
ここでΔn(0.9)−Δn(0.7)の値が−0.0030未満の場合には、繊維表面の複屈折率が低すぎるだけでなく、規格化された半径rの位置よりも内側でも繊維中心部の複屈折率と比較して複屈折率の低下が認められ、繊維全体としての分子配向が不十分となるため、本発明の目的とする高強度、ハイモジュラスといった特性を付与できなくなるので好ましくない。一方、−0.0015を越える場合には、繊維表面の分子配向が高すぎるため、耐摩耗性が不十分となって本発明の目的を達成することができない。
また、Δn(0.7)−Δn(0)の値が上記範囲を外れる場合には、繊維全体としての配向度を上げることができなくなり、本発明の目的とする高強度、ハイモジュラスといった特性を付与できなくなるので好ましくない。
本発明においては、モノフィラメントの伸度は大きいほどタフネスが大きくなって好ましいが、あまりに大きくなると高強度、ハイモジュラスの要件を満足させることが困難になるので、通常は40%以下、好ましくは35%以下とするのが適当である。一方、伸度が小さくなりすぎるとタフネスが不十分となり、例えば衝撃力によって切断が起こりやすくなるので10%以上、好ましくは15%以上とするのが適当である。
また、モノフィラメントの繊度は、特に高性能スクリーン紗をはじめとする細繊度原糸が要求される分野には、5〜15dtex、特に5〜10dtexの範囲が適当である。
モノフィラメントの断面形状は特に限定する必要はないが、特にスクリーン紗用としては円形であることが望ましい。変形断面の場合には、スクリーン紗に感光乳剤を付与して硬化させる際、ハレーションが起こって精度の高い印刷を行うことが困難になる場合がある。また、スクリーンの目開きも均一なものを製織することが困難になる。
以上に説明した本発明のポリエステルモノフィラメントは、例えば以下の方法により製造することができる。
まず、用いるポリエステルの固有粘度としては、溶融紡糸時に若干低下するので高めの0.70〜1.20、好ましくは0.80〜1.10のものを用い、溶融温度290〜300℃で溶融し、孔径0.2〜0.4mm、ホール数1の吐出孔を有する紡糸口金を用い、紡糸温度295〜303℃で溶融紡糸する。
口金から溶融吐出された糸条は、好ましくは口金直下から90〜150mmの間に亘って温度300〜350℃に保温された領域を通過させた後、冷却風を吹付けて固化した後、常法にしたがって油剤を付与して引取速度700〜1200m/分で引取る。吐出量は、延伸後のモノフィラメント繊度が5〜15dtexとなるように調節する。
得られた未延伸糸は、例えば、図2に示される蒸気延伸ノズルを用い、ポリエステルの融点以上、好ましくは300℃以上に加熱された蒸気を吹きつけて加熱しながら、所望の倍率で延伸することが好ましい。このように高温の水蒸気を吹付けることにより、繊維表面のポリエステルは微融解するため、延伸による分子配向の向上が起こらず、繊維表層部の配向度を低下させることができる。さらには、高温水蒸気による繊維表面の加水分解も進行するため、繊維表面のポリエステルの固有粘度を低下させることができ、これによる効果も相俟って得られるモノフィラメントの耐摩耗性がより一層向上する。なお、水蒸気の温度が高くなりすぎると、延伸時に断糸が発生しやすくなる等、延伸工程悪化の要因となるので500℃以下、特に400℃以下とするのが望ましい。
延伸後のフィラメントは、例えば加熱ローラーで熱セット処理が施され、目的とするモノフィラメントとして巻き取られる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の各評価項目は以下の測定法にしたがった。
<固有粘度>
オルトクロロフェノールを溶媒とし、温度35℃で常法にしたがって測定した。
<破断強度、破断伸度>
JIS−L1017に準拠し、サンプル長25cm、伸長速度30cm/分で測定し、サンプルが破断した時の強度と伸度を求めた。
<5%伸長時の応力(モジュラス)>
上記強度および伸度の測定において、サンプルが5%伸長したときの応力を測定した。
<複屈折率の評価>
干渉顕微鏡(カールツァイスイエナ社製 インターファコ干渉顕微鏡を用い、干渉縞法により求めた。なお、浸漬液は、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタリン、チョウジ油、フタル酸ジブチルを組合わせて所望の屈折率としたものを用いた。
得られた干渉縞の写真から、干渉縞の間隔およびそのずれから平均の屈折率を下記式より算出した。
λd/D=(n−N)t
ただし、d:干渉縞のずれ、D:干渉縞の間隔、λ:測定光源波長、n:サンプルの屈折率、N:溶液の屈折率、t:サンプルの線径
この解析を、繊維の半径をA、中心軸からの距離をaとした時の規格化した半径(r=a/A)0〜0.9間で0.1間隔の10点、繊維学会編の「繊維・高分子測定法の技術」:朝倉書店発行に記載の方法に準拠して行ない、サンプルの繊維軸方向に平行方向の屈折率、及び垂直方向の屈折率を求め下記式より算出した。
Δn(r)=平行方向屈折率(r)−垂直方向屈折率(r)
<スカムの評価>
スルザー型織機を用い、織機の回転数を250rpmとしてメッシュ織物を製織する。筬の汚れ具合いを観察しつつ、継続して製織を行うことが不能と判断されるときに製織を中断し、筬の洗浄を行った。その時の製織長さを筬洗浄周期(m)とした。この、洗浄周期が長いほど、スカムの発生が少ないことを示し、一般的に200m以上の周期が必要である。
[実施例1]
固有粘度が0.90のポリエチレンテレフタレートを常法にしたがって乾燥した後、丸断面の吐出孔を有する紡糸口金から溶融紡糸温度300℃、吐出速度4.0g/分の割合で吐出した。該吐出糸条を、雰囲気温度300℃に保持された保温領域を通過させた後、冷却固化して1000m/分の速度で引取った。
得られた未延伸糸は、図1に示す延伸機を用いて4.0倍に延伸し、1000m/分の速度で巻き取った。この際、加熱装置4としては、図2に示される蒸気延伸ノズルを使用し、蒸気としては245kPaの蒸気を電気加熱装置で450℃に加熱し、蒸気ノズル噴出し直前の温度が300℃となるように調整した。
得られたポリエステルモノフィラメントの固有粘度は0.70、繊度は10dtex、破断強度は5.3cN/dtex、破断伸度は30%、5%伸張時の応力は3.1cN/dtexであった。また、規格化された半径rでの複屈折率は図3に示すとおりであり、Δn(0.9)−Δn(0.7)は−0.0020、Δn(0.7)−Δn(0)は−0.0005であった。
得られたモノフィラメントのスカム発生状況は、筬洗浄周期が約260mと良好なものであり、耐摩耗性に優れていた。
[比較例1]
実施例1において、延伸機の加熱装置として蒸気延伸ノズルに変えて通常の加熱ローラーを用いる以外は実施例1と同様にした。
得られたモノフィラメントの特性は、複屈折率の分布以外は実施例1と同様であったが、Δn(0.9)−Δn(0.7)は−0.0004、Δn(0.7)−Δn(0)は−0.00059あった。
得られたモノフィラメントのスカム発生状況は、筬洗浄周期が約50mと短く、耐摩耗性に劣っていた。
本発明のポリエステルモノフィラメントは、高強度でハイモジュラスでありながら耐摩耗性に優れているため、ロープ、ネット、テグス、ターポリン、テント、スクリーン、パラグライダーなど、これらの特性が要求される用途分野に使用することができる。特に、ハイメッシュスクリーン紗用としては、製織工程でのスカム発生が抑制され、また、高張力下での紗張りが可能なので印刷精度が極めて高いといった特徴を有する。
本発明のポリエステルモノフィラメントを製造する際に使用する延伸機の1態様を示す。 本発明のポリエステルモノフィラメントを製造する際に使用する蒸気延伸ノズルの1態様を示す。 実施例で得られたポリエステルモノフィラメントの複屈折率分布の1態様を示す。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする、固有粘度が0.60〜1.10のポリエステルからなるモノフィラメントであって、その破断強度が5.0cN/dtex以上、5%伸長時の応力が3.0〜4.0cN/dtexで、かつ下記(1)〜(2)の要件を同時に満足することを特徴とするポリエステルモノフィラメント。
    (1) −0.0030≦Δn(0.9)−Δn(0.7)≦−0.0015
    (2) −0.0015≦Δn(0.7)−Δn(0)≦0.0015
    但し、Δn(r)は規格化された半径rの位置の複屈折、Δn(0)は繊維軸中心の複屈折を表す。
  2. 繊度が5〜15dtexである請求項1記載のポリエステルモノフィラメント。
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