JP2008088583A - 薄地織物用中空ナイロン繊維およびその製造方法、薄地織物 - Google Patents

薄地織物用中空ナイロン繊維およびその製造方法、薄地織物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008088583A
JP2008088583A JP2006269180A JP2006269180A JP2008088583A JP 2008088583 A JP2008088583 A JP 2008088583A JP 2006269180 A JP2006269180 A JP 2006269180A JP 2006269180 A JP2006269180 A JP 2006269180A JP 2008088583 A JP2008088583 A JP 2008088583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nylon
hollow
woven fabric
fiber
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006269180A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaname Morioka
要 森岡
Shinji Shimizu
伸次 清水
Yumiko Sawai
由美子 澤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2006269180A priority Critical patent/JP2008088583A/ja
Publication of JP2008088583A publication Critical patent/JP2008088583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

【課題】品位の高い薄地織物用のナイロン中空繊維およびそれを安定的に製造する方法、および品位に優れた薄地織物の提供。
【解決手段】相対粘度が2.6〜4.0であるナイロンを紡糸口金から複数の糸条群として吐出し、これを冷却装置を用いて冷却風を吹き付けて冷却して溶融紡糸するに際し、その口金面から冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を20〜100mmとすることを特徴とする、単糸繊度が0.8〜2.5dtexであるナイロン中空繊維の製造方法、中空率が10〜30%の中空部を有するナイロン中空繊維であって、糸条繊度が56dtex以下、繊維糸条の長さ方向の太さ斑がウスター(1/2イナート)で1%以下であることを特徴とする薄地織物用ナイロン中空繊維およびその中空繊維を用いた薄地織物。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄地織物用ナイロン中空繊維の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、高い品位の薄地織物用のナイロン中空繊維を安定的に製造するための製造方法に関するものである。
ナイロン繊維は、機械的性質、化学的性質、肌触り、光沢性等において優れた特性を有することから一般衣料製品等の用途で広く使用されている。ナイロン繊維製の衣料製品においては風合いの良さや機能付与に対するニーズが強く、なかでも軽量感、保温性に対する要望が強い。
そこで、軽量感・保温性という観点から衣料用のナイロン製中空繊維が検討されているが、紡糸口金によって中空繊維を得る方法では、環状のスリットを設け個々のポリマーが吐出後に接着し中空となるため、口金に設ける孔数に制限ができ、1糸条/口金が一般的であるが、コストが高くなる問題が発生する。この繊維製造コストを削減するため1つの口金より複数群の糸条を紡糸する方法があるが、この場合においては糸条を冷却固化され走行する一糸条一糸条の糸条群毎に随伴気流を伴い走行するために、糸条群間の随伴気流が互いに干渉し、糸ゆれが拡大することから糸条の太さ斑(以下、U%斑と呼称する場合がある)が悪く布帛とした場合に品質にも劣る。そのため、孔配列による改善技術が一般的に知られているが、複数のスリットで断面を形成する中空糸には不向きであるといえる。
特に最近のスポーツウエア(特にダウンジャケット用基布として)の動向として、薄地化が急激に進行している。そのため、ナイロン繊維の糸条繊度も細繊度化が進行している。細繊度のナイロン中空繊維を安定して製造する方法としては、紡糸口金の吐出孔の孔径、孔長/孔径の比を最適化し、ポリマー吐出時の吐出線速度を一定の範囲に保つ方法が、特許文献1で提案されている。しかしながら、編物用途や、太繊度のナイロン中空繊維を用いたスポーツウエアでは問題ないが、薄地織物の経/緯糸に使用した際に製品品位が十分なものを得る事が出来なかった。
特開2006−9178号公報
従って、本発明は、品位の高い薄地織物用のナイロン中空繊維およびそれを安定的に製造する方法を提供することを課題とする。また、品位に優れた薄地織物の提供を課題とする。
そこで本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、以下に示す本発明に至った。
本発明のナイロン中空繊維の製造方法は以下の構成を有する。すなわち、
(1)相対粘度が2.6〜4.0であるナイロンを紡糸口金から複数の糸条群として吐出し、これを冷却装置を用いて冷却風を吹き付けて冷却して溶融紡糸するに際し、その口金面から冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を20〜100mmとすることを特徴とする、単糸繊度が0.8〜2.5dtexである薄地織物用ナイロン中空繊維の製造方法。
(2)相対粘度が2.6〜4.0であるナイロンからなり、中空率が10〜30%の中空部を有するナイロン中空繊維であって、糸条繊度が56dtex以下、単糸繊度が0.8〜2.5dtex、繊維糸条の長さ方向の太さ斑がウスター(1/2イナート)で1%以下であることを特徴とする(1)記載の製造方法により得られる薄地織物用ナイロン中空繊維、
(3)(1)記載の薄地織物用ナイロン中空繊維の製造方法により得られたナイロン中空繊維または(2)記載の薄地織物用ナイロン中空繊維を経糸および/または緯糸に用いてなる薄地織物
である。
本発明によれば、優れた品位を有する薄地織物用ナイロン中空繊維を安定的に製造することができ、さらに、優れた品位を有する薄地織物用ナイロン中空繊維、及び薄地織物を提供することができる。
本発明に用いるナイロンは、ナイロン6、ナイロン66で代表され、それらを主体とする共重合体や混合物であってもよくなかでも繊維形成性、製造コスト、汎用性の点からナイロン6が好ましい。
本発明の薄地織物用ナイロン中空繊維とは、糸条繊度が56dtex以下とする。さらに好ましくは、33dtex以下である。本発明の製造方法はこのような糸条繊度を有するナイロン中空繊維を製造するのに有効に作用するものである。
本発明のナイロン中空繊維にはポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、架橋ポリエチレンオキサイド系ポリマーなどの吸湿・吸水物質や他のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の汎用熱可塑性樹脂が本発明の目的を阻害しない範囲で含有されていても良い。また、酸化チタンなどの艶消し剤やカーボンブラック等の顔料の他、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が本発明の目的を阻害しない範囲で含有されていても良い。
本発明のナイロン中空繊維には、マグネシウム化合物を0.01〜1重量%含有することが好ましい。マグネシウム化合物は溶融紡糸により繊維を製造するときに発生するモノマー、オリゴマーの生成を抑制し、口金孔周辺の汚染を防ぐ効果がある。マグネシウム化合物の含有量が0.01重量%未満の場合、モノマー、オリゴマーの生成を抑制する効果が不十分である。1重量%を超える場合、効果は同程度であるが、ポリマー中の不溶解異物として残存したマグネシウム化合物が紡糸フィルターで詰まり、濾過圧力上昇速度が速くなるので、さらに好ましい含有量は0.02〜0.08重量%である。
本発明のナイロン中空繊維に含有されるマグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなど、およびこれらの混合物が挙げられるが、酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。これらマグネシウム化合物の平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、更に好ましくは5μm以下である。平均粒子径が10μmを超えると、例えば、ナイロン繊維を製造する時、異物除去のため設置したフィルターでの濾過圧力上昇、ナイロン繊維の物性低下などの問題を引き起こす。またマグネシウム成分を含有せしめる方法としては、ナイロンペレットへマグネシウム化合物をブレンドし溶融する方法、ナイロンペレットへ高濃度のマグネシウムを含有するマスタペレットをブレンドし溶融する方法、溶融状態のナイロンへマグネシウム化合物を添加し混練する方法、ナイロンの重合前あるいは重合中の段階で原料あるいは反応系へマグネシウム化合物を添加する方法などが挙げられるが、両者が均一に混ざればいかなる方法でも良い。
本発明のナイロン中空繊維の製造方法は、ナイロンペレットをナイロンの融点の20〜80℃高い温度で溶融紡糸により製造されることが好ましい。また、中空を形成する口金孔は、例えば、中空を形成する口金孔を有する中空繊維用紡糸口金であれば特に限定しないが、図1に例示するようなスリットを有する口金孔を有する紡糸口金であることが好ましい。
図1はナイロン中空繊維を製造する際の吐出孔の形状を模式的に例示する吐出孔面図である。吐出口はスリット巾1を有する複数(例えば3つ)のスリット3がスリット内径2となるように配置されている。
本発明のナイロン中空繊維の製造方法は、中空繊維用紡糸口金から複数の糸条群として紡糸する際に、口金面から糸条に対し冷却風、好ましくは交差冷却風を吹き付け冷却する。交差冷却風とは糸条に対し実質上直角方向から吹き付ける冷却風である。その際の口金面から冷却装置上端までの距離は20〜100mmとする必要があり、好ましくは45〜80mmである。20mm未満の場合、ナイロンではモノマーやオリゴマーが生成するため、それらを吸引する装置が必要となり、その装置内の吸い込み流と、糸条に併走する随伴気流、冷却風が衝突し乱流が起こることから、繊度斑が発生する。また、100mmを越える場合は、口金から吐出されたポリマーの細化が整流域から外れてしまい、細化時に起こる振動を冷却風で抑制することができず、振動が糸条に伝わり断面斑および繊度斑の発生や、パックハウジング内での紡糸口金から吐出された溶融状態の糸条走行とともに、パックハウジング内の空気も一緒に外にでるために、気圧が低下し常圧に保とうとして外気の流入いわゆるパックハウジング内への息継ぎ現象による、外気の流入により乱気流が起こることから断面斑および繊度斑が発生する。
本発明のナイロン中空繊維の製造方法は、上記冷却を施した後、給油の後、1000m/分以下の速度で一旦未延伸糸を巻き取り、巻き取った未延伸糸を延伸機に仕掛けて1.5〜4倍程度延伸する二工程により製造してもよい。また、上記冷却を施した後、給油、交絡の後、1000m/分以上の速度で紡糸引取りし、一旦巻き取ることなく引き続いて1.2〜3.0倍に延伸し、130℃〜160℃の温度で熱処理し、3000m/分以上の速度で巻取る高速直接熱延伸法で製造してもよい。また、上記冷却を施した後、給油、交絡の後、3000m/分以上の速度で紡糸引取りし、一旦巻き取ることなく実質延伸しないで3000m/分以上の速度で紡糸引取る高速製糸法で製造しPOYを得、その後、必要に応じて仮撚加工などを施すことも可能である。最近の地球環境の点より、高速直接熱延伸法、高速製糸法が、製造にかかるエネルギー削減の観点から好ましい。
本発明のナイロン中空繊維は、所望の中空形状、中空率及び高強力を保持するために、相対粘度が2.6〜4.0のナイロンポリマで形成されていることが好ましく、更に好ましくは3.1〜3.7である。相対粘度が2.6未満では、中空率10%以上のナイロン中空繊維とすることが難しくなる傾向にある。また、相対粘度が4.0を超えると溶融時のポリマー粘性が過度に高くなり製糸性が悪化する傾向にある。
本発明のナイロン中空繊維の繊維横断面における中空部の占める面積、即ち中空率は、10〜30%の範囲内であることが好ましい。中空率が10%未満では製品とした時の軽量・保温性の効果が不十分となる傾向がある。中空率が高いほど、軽量・保温性が高まるので好ましいが、あまりにも高過ぎると高次加工工程において繊維横断面の潰れが発生し易くなるので、得られる繊維製品において所望の中空率を保持しがたくなる。しかも、高過ぎる中空率では繊維製品を使用中においても繊維横断面の潰れが発生し易く、所望の特性を維持することが難しいので注意を要する。これらの点から、中空率は30%以下であることが好ましい。繊維横断面形状の潰れ易さという点や高い軽量・保温性を得るという点を総合的に考慮すると、さらに好ましくは20〜25%である。
本発明のナイロン中空繊維は単糸繊度が0.8〜2.5dtexが好ましく、更に好ましくは1〜2.3dtexである。単糸繊度が0.8dtex未満であると、糸ムラが発生するとともに製糸性が悪化し実用的な生産が難しくなる傾向にある。また、布帛としたときにも擦過による布帛表面の毛羽立ちが発生し実用的でない。また、中空繊維は通常より高粘度のポリマーを使用するためかつ断面形状の関係上曲げ剛性が高いため単糸繊度が2.5dtexを超えると布帛の粗硬感が生じる傾向にある。ソフトな触感を得るためには単糸繊度が2.5dtex以下である事が好ましい必要がある。
本発明のナイロン中空繊維は、長さ方向の太さ斑はウスター(1/2イナート)で1%以下が好ましい。ウスターが1/2イナートで1%を超えると特に薄地織物の布帛としたときのタテスジ、ヨコムラなどが目立つようになり品位が悪化する。より好ましくは0.8%以下である。
本発明のナイロン中空繊維は、中空部を有していればその形状はいかなるものでもよい。例を挙げると円形中空部や多角中空部、さらには複数の中空部を持つ田型中空部などが挙げられるが中でも中空部の形状が三角形状であることが好ましい。中空部が三角形状であることによって、延伸時および高次加工工程での中空部の潰れ、即ち中空率の低下が少なくなる。一般的に中空繊維の製造およびその高次加工工程において、中空繊維はローラ類との接糸圧やガイド類での摩擦力あるいは他の外力によって、繊維に横方向からの圧力が加わり繊維断面が楕円形や偏平形に潰れ中空率が低下する。この現象は中空率が高い中空繊維ほど起こり易い。三角形状とは、全体として三角形状であり好ましくは正三角形であるが、外側に膨らんだ曲面から形成される三角形状(所謂おむすび型)であってもよい。そのときの中空部の三角形状としては、中空部の重心から中空部の外周までの最短距離と最長距離との比で表される変形度が、1.2〜1.6の範囲内であることが好ましい。また、本発明のナイロン中空繊維の外周形状は、円状であることが好ましいが、三角形状でもよく、他の多角形状でもよい。図2は外周形状が円状であり、中空部が三角形状である繊維断面の一例を模式的に示したものであり、繊維断面には、繊維部aの中央部に三角形状の中空産bが存在することを示している。
本発明の薄地織物用布帛は、上記ナイロン中空繊維を経糸および/または緯糸に用いることが必要である。上記ナイロン中空繊維製造方法により得られたナイロン中空繊維を薄地織物に用いることにより高品位な布帛が得られるのである。
本発明の薄地織物用布帛の製造方法は、公知の方法でおこなうことができる。撚糸工程において、撚糸、無撚糸など特に限定はしない。整経工程において、一般的にはまず経糸用の糸をクリールに並べて整経をおこないビームに巻き、つづいてビームに巻いた糸を糊付け・乾燥してタテ糸の準備をおこなう。経通し工程において、タテ糸を織機のオサに通し、製織工程において、経糸に緯糸を打ち込んで織物を仕立てる。織機はシャトル織機、エアジェットルーム織機、ウォータージェットルーム織機などの種類があるがいずれでも良い。また緯糸の打ち込み方により、平織り、ツイル、サテンなどのいくつかの織り組織があるが目的に応じていずれをも選ぶことができる。また、得られた織物はそのまま用いても良いし、精錬、染色、熱セットを施しても良い。染色は通常のポリアミド繊維の染色に使用する酸性染料を用いることができ、90℃以上の湯浴中にて60〜90分間程度処理することによりおこなわれる。また、さらにカレンダー加工、撥水性、防汚性、抗菌・制菌性、吸湿性など機能性付与加工などを施してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。評価方法は以下の通りである。
A.相対粘度
試料を秤量した後、濃硫酸(98.0%)に溶解する。その0.5重量%溶液をオストワルド粘度計にて25℃で測定する。測定は2回おこない、その平均値を求める。
B.中空率
繊維の横断面写真から、切り抜き重量法より中空部の断面積と、繊維外周内の断面積とを求め、次式により算出する。
中空率(%)=(中空部の断面積/繊維外周内の断面積)×100
単糸3本について上記方法により中空率を測定し、その平均値を求める。
C.ウスター斑(1/2イナート)
ツェルベガーウスター(株)社製USUTER TESTER MONITOR Cで測定した。測定条件は50m/分、ツイスト:S1.5、糸張力1.5、測定時間2.5分、測定モードは1/2イナートで平均偏差率(U%)を測定する。測定は3回おこない、その平均値を求める。
D.布帛品位
白色光下、検反台と熟練検査員の目の角度が45度前後となる位置より、検反台上を走行する布帛を目視によって下記の基準で判定する。
◎:布帛にスジやムラが殆ど認められない。
○:布帛にスジやムラがやや薄く認められる。
△:布帛にスジやムラがやや強く認められる。
×:布帛にスジやムラが明らかに認められる。
○以上を合格とした。
[実施例1]
相対粘度(ηr)が3.4、酸化チタンを含まないナイロン6ペレットを紡糸温度280℃で溶融紡糸し、口金面から糸条に対し交差冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を60mmとし、通常の方法で冷却し、給油、交絡した後に2500m/分のゴデローラーで引き取り、続いて1.6倍に延伸した後に155℃で熱固定し、巻取速度3500m/分で28dtex12フィラメント、繊維外周形状が円状でありかつ、中空部の形状が三角形のナイロン中空繊維(中空率21%、U%0.53)を得た。次に28dtex12フィラメントのナイロン繊維600本について整経をおこないビームに巻き、つづいてビームに巻いた糸を糊付け・乾燥してタテ糸の準備をおこなった。つづいてタテ糸をウォータージェットルーム織機(ZW303型、津田駒社製)のオサに通し、得られたナイロン中空繊維をヨコ糸に打ち込んで、経161本/inch、緯133本/inchになるようにリップ組織の平織物を仕立てた(織速度450m/min)。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表1に示した。
[実施例2]
相対粘度(ηr)が2.9とする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維(中空率11%、U%0.58)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表1に示した。
[実施例3]
相対粘度(ηr)が3.8とする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維(中空率28%、U%0.80)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表1に示した。
[実施例4]
延伸倍率を1.5、得られたナイロン中空繊維を40dtex48フィラメントとする以外は実施例1同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維(中空率14%、U%0.92)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表1に示した。
[実施例5]
ナイロン中空繊維を30dtex12フィラメントとする以外は、実施例1同様に溶融紡糸を行い得られたナイロン中空繊維(中空率25%、U%0.57)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表1に示した。
[実施例6]
口金面から糸条に対し交差冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を25mmとする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維(中空率28%、U%0.82)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表1に示した。
[実施例7]
口金面から糸条に対し交差冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を95mmとする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維(中空率20%、U%0.91)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表1に示した。
[比較例1]
相対粘度(ηr)が2.5とする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維を用い(中空率9.5、U%0.68)平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果、品位は合格レベルであったが、中空率が低く、1反を持ち上げたとき、軽量感を感じられなかった。
[比較例2]
相対粘度(ηr)が4.4とする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、ナイロン中空繊維を得ようとしたが操業不調となり、ナイロン中空繊維を得ることが出来なかった。
[比較例3]
口金面から糸条に対し交差冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を18mmとする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維(中空率35%、U%1.08)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表2に示した。
[比較例4]
口金面から糸条に対し交差冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を115mmとする以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、得られたナイロン中空繊維(中空率12%、U%1.2)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表2に示した。
[比較例5]
延伸倍率を2.0および、ナイロン中空繊維を20dtex36フィラメントとする以外は、実施例1同様に溶融紡糸を行い得られたナイロン中空繊維(中空率13%、U%1.53)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表2に示した。
[比較例6]
延伸倍率を1.5および、ナイロン中空繊維を44dtex12フィラメントとする以外は、実施例1同様に溶融紡糸を行い得られたナイロン中空繊維(中空率25%、U%1.1)を用い平織物を仕立てた。得られた平織物を検反台にて品位を評価した。その結果を表2に示した。
Figure 2008088583
Figure 2008088583
図1はナイロン中空繊維を製造する際の吐出孔の形状を模式的に例示する吐出孔平面図である。 図2は外周形状が円状であり、中空部が三角形状である繊維断面の一例を模式的に示したものである。
符号の説明
1:スリット巾、 2:スリット内径、 3:スリット、 a:繊維部、 b:中空部

Claims (3)

  1. 相対粘度が2.6〜4.0であるナイロンを紡糸口金から複数の糸条群として吐出し、これを冷却装置を用いて冷却風を吹き付けて冷却して溶融紡糸するに際し、その口金面から冷却風を吹き付ける冷却装置上端までの距離を20〜100mmとすることを特徴とする、単糸繊度が0.8〜2.5dtexである薄地織物用ナイロン中空繊維の製造方法。
  2. 中空率が10〜30%の中空部を有するナイロン中空繊維であって、糸条繊度が、56dtex以下、繊維糸条の長さ方向の太さ斑がウスター(1/2イナート)で1%以下であることを特徴とする請求項1記載の製造方法により得られる薄地織物用ナイロン中空繊維。
  3. 請求項1記載の薄地織物用ナイロン中空繊維の製造方法により得られたナイロン中空繊維または請求項2記載のナイロン中空繊維を経糸および/または緯糸に用いてなる薄地織物
JP2006269180A 2006-09-29 2006-09-29 薄地織物用中空ナイロン繊維およびその製造方法、薄地織物 Pending JP2008088583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006269180A JP2008088583A (ja) 2006-09-29 2006-09-29 薄地織物用中空ナイロン繊維およびその製造方法、薄地織物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006269180A JP2008088583A (ja) 2006-09-29 2006-09-29 薄地織物用中空ナイロン繊維およびその製造方法、薄地織物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008088583A true JP2008088583A (ja) 2008-04-17

Family

ID=39373023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006269180A Pending JP2008088583A (ja) 2006-09-29 2006-09-29 薄地織物用中空ナイロン繊維およびその製造方法、薄地織物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008088583A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009119801A1 (ja) 2008-03-28 2009-10-01 ナブテスコ株式会社 シール付き装置
CN102409419A (zh) * 2011-09-16 2012-04-11 义乌华鼎锦纶股份有限公司 一种轻柔多异锦纶6纤维及其制备方法
CN103276459A (zh) * 2013-04-19 2013-09-04 南通美铭锦纶有限公司 一种星三叶异形单丝的生产方法
JP2017031543A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 展頌股▲ふん▼有限公司 ナイロン66中空繊維、その製造方法及びその生産設備
CN106400143A (zh) * 2015-08-03 2017-02-15 展颂股份有限公司 尼龙66中空纤维、其制造方法及其生产设备

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009119801A1 (ja) 2008-03-28 2009-10-01 ナブテスコ株式会社 シール付き装置
CN102409419A (zh) * 2011-09-16 2012-04-11 义乌华鼎锦纶股份有限公司 一种轻柔多异锦纶6纤维及其制备方法
CN103276459A (zh) * 2013-04-19 2013-09-04 南通美铭锦纶有限公司 一种星三叶异形单丝的生产方法
JP2017031543A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 展頌股▲ふん▼有限公司 ナイロン66中空繊維、その製造方法及びその生産設備
CN106400143A (zh) * 2015-08-03 2017-02-15 展颂股份有限公司 尼龙66中空纤维、其制造方法及其生产设备
US10344401B2 (en) 2015-08-03 2019-07-09 Chain Yarn Co., Ltd. Method for manufacturing nylon 66 hollow fiber

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4079884B2 (ja) ポリエステル系複合繊維パッケージ
JP3580796B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート異型糸
JP2008088583A (ja) 薄地織物用中空ナイロン繊維およびその製造方法、薄地織物
JP5206640B2 (ja) 異形断面ポリアミドマルチフィラメント
JP4839973B2 (ja) セルロース混合エステル交絡マルチフィラメント
JP5662643B2 (ja) 耐摩耗性ポリエステル繊維及びその製造方法
JP5830726B2 (ja) 扁平断面ポリフェニレンサルファイドモノフィラメントおよび工業用織物
US11105019B2 (en) Polyamide fiber capable of high-temperature dyeing
JP6213693B2 (ja) 吸湿性、防皺性に優れた芯鞘複合断面繊維
JP3653842B2 (ja) ナイロン中空繊維、その製造方法及びその用途
WO2013129135A1 (ja) 仮撚用ポリアミド混繊複合糸
JP2006161263A (ja) ポリエステル芯鞘複合繊維およびその布帛
JP4346197B2 (ja) 溶融紡糸用口金
JP4315002B2 (ja) 高伸度ポリマーアロイ繊維およびその製造方法
JP2008208513A (ja) ポリアミドモノフィラメントの製造装置およびその製造方法
JP3874529B2 (ja) 前配向ポリエステル繊維及びそれからの加工糸
JP2004052173A (ja) 高強度ポリエステルモノフィラメント及びその製造方法
KR102584803B1 (ko) 고강력 세섬도 폴리에스테르 멀티필라멘트
JP2019026991A (ja) 黒原着ポリエステル繊維
WO2023190414A1 (ja) マルチフィラメント
JP5882435B2 (ja) 耐摩耗性ポリエステル繊維及びその製造方法
WO2022209813A1 (ja) ポリアミドマルチフィラメント
JP2006169680A (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントの製造方法およびモノフィラメント。
JP5505039B2 (ja) 織物用チーズ状パッケージ
JP3998667B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート異型糸