JP4948266B2 - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置及びその制御方法に関し、更に詳しくは、電子シャッター機能とメカニカルシャッター機能とを併用して撮像動作を行う撮像装置及びその制御方法に関する。
一眼レフタイプのデジタルカメラには、メカニカルシャッターであるフォーカルプレンシャッター(以下、「メカシャッター」と称す。)と電子シャッターを併用して撮像動作を行うものがある。この種のシャッター機構では、メカシャッターにより後幕が構成され、後幕の走行に先行して、撮像素子の画素の電荷蓄積開始走査を行う電子シャッターを駆動することにより撮影が行われる。
電子シャッターを用いて撮像動作を行う場合、例えば、CMOSセンサを用いた撮像素子では、画素毎、或いは、複数画素からなる領域毎(例えば各ライン毎)に、先ず、画素の蓄積電荷量をゼロにするリセット走査を行う。その後、リセット走査を行った画素毎或いは領域毎に、それぞれ所定の時間を経過してから信号を読み出す走査を行うことで、電子シャッターによる撮像動作を実現できる。
上述した電子シャッターとメカシャッターを併用して、撮像素子の露光を制御する場合、先ず、撮像素子の電荷蓄積開始走査として、メカシャッターの走行方向に、撮像素子の複数画素から成る領域毎(例えば各ライン毎)に順次リセット走査する。そして、所定時間経過後に、メカシャッターの後幕によって撮像素子を順次遮光した後、各画素に蓄積された電荷を順次読み出す読み出し走査を行う。従って、このリセット走査の走査パターンは、メカシャッターの後幕の走行特性に合わせたものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、露光開始と終了の両方を電子シャッターで制御した第1の画像と、露光開始の走査を電子シャッターで行い露光終了をメカシャッターの後幕で行った第2の画像の差分により、露光開始の走査パターンを補正する撮像装置が提案されている。
特開平11−41523号公報 特開2006−101492号公報
一眼レフタイプのデジタルカメラは一般に撮影レンズの交換が可能であり、装着された撮影レンズにより、焦点距離や射出瞳距離(像面からレンズの射出瞳位置までの距離)は異なる。このため、上述したように電子シャッターとメカシャッターを併用して撮像を行う撮像装置を構成した場合、以下のような問題がある。電子シャッターは撮像素子面で機能するが、メカシャッターは撮像素子面から光軸方向に少し離れた位置に配置される。従って、撮影レンズの焦点距離、射出瞳位置等により、メカシャッターによる撮像面上での遮光位置は変化する。このため、特にリセット走査されてからメカシャッターにより遮光されるまでの露光時間が短い場合に、装着された撮影レンズの焦点距離、射出瞳位置等に応じて、シャッターの走行方向に露光ムラが生じてしまう。この露光ムラは、撮影者が撮影以前に知ることができないため、撮影後の確認時に気づくという問題点がある。
そのため、電子シャッターとメカシャッターとを併用する撮像装置において、レンズの種類に応じて変化するシャッター走査方向の露光ムラを軽減させるために、更なる改良が必要であった。
また、別の構成によれば、複数のレンズユニットを交換して装着が可能な本発明の撮像装置は、装着されたレンズユニットから少なくとも該レンズユニットの射出瞳距離を含むレンズ情報を取得する取得手段と、入射する光を光量に応じた電荷に変換する複数の画素から成る撮像素子と、走行することで前記撮像素子を遮光するシャッターと、前記シャッターによる前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記シャッターの走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット手段と、前記画素が前記リセット手段によりリセットされてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるように前記画素をリセットするタイミングを表す、複数の異なるレンズ情報に対応した複数の走査パターンを保持する走査パターン保持手段と、記リセット手段によりリセットされてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から遮光されるまでの時間が前記撮像素子の各画素間で等しくなるよう前記画素をリセットするタイミングを算出する算出手段と、前記取得手段により前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得した場合には、前記複数の走査パターンの内、前記取得したレンズ情報に適した走査パターンを選択し、該選択した走査パターンに基づいて前記リセット手段により前記画素をリセットするタイミングを制御し、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合には前記算出手段により算出されたタイミングに基づいて、前記リセット手段により前記画素をリセットするタイミングを制御する制御手段と、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に、前記算出手段による前記タイミングの算出を行う指示を受け付けるための操作手段と、を有し、前記制御手段は、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に撮影を禁止し、前記操作手段により受け付けた指示にしたがって行われる前記算出手段による前記タイミングの算出が完了すると前記撮影の禁止を解除する。
また、複数のレンズユニットを交換して装着が可能であって、入射する光を光量に応じた電荷に変換する複数の画素から成る撮像素子と、走行することで前記撮像素子を遮光するシャッターとを有する撮像装置の本発明の制御方法は、取得手段が、装着されたレンズユニットから少なくとも該レンズユニットの射出瞳距離を含むレンズ情報を取得する取得工程と、リセット手段が、前記シャッターの走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット工程と、前記シャッターを走行して前記画素を順次遮光する走行工程と、算出手段が、前記画素を前記リセット工程でリセットしてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から前記画素が遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるよう前記画素をリセットするタイミングを算出する算出工程と、制御手段が、前記リセット工程に先だって、前記取得工程で前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得した場合には該取得したレンズ情報に基づいて前記リセット工程で前記画素をリセットするタイミングを決定し、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合には前記算出工程で算出したタイミングに基づいて、前記リセット工程で前記画素をリセットするタイミングを決定する制御工程とを有し、前記撮像装置は、前記画素が前記リセット工程でリセットされてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるように前記画素をリセットするタイミングを表す、複数の異なるレンズ情報に対応した複数の走査パターンを保持する走査パターン保持手段と、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に、前記算出工程における前記タイミングの算出を行う指示を受け付けるための操作手段と、を更に有し、前記制御工程では、前記取得工程で前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得した場合には、前記複数の走査パターンの内、前記取得工程で取得したレンズ情報に適した走査パターンを選択することで前記タイミングを決定し、前記取得工程で前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合には、撮影を禁止し、前記操作手段により受け付けた指示にしたがって行われる前記算出手段による前記タイミングの算出が完了すると前記撮影の禁止を解除する
本発明によれば、レンズユニットを交換可能な撮像装置において、電子シャッターとメカシャッターとを併用して撮影を行う場合に、露光ムラの低減された画像を撮影することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態にかかる撮像システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる撮像システムは、撮像装置であるカメラ本体100と、カメラ本体100に装着される、交換可能なレンズユニット101とを有している。
先ず、レンズユニット101内の構成について説明する。
114は、光軸方向に移動可能な撮影レンズである。なお、図1では、撮影レンズ114を1つのレンズとして表しているが、実際にはフォーカスレンズやズームレンズ等、複数のレンズから構成されている。レンズCPU115は、レンズ駆動回路116及び絞り駆動回路117を介して、撮影レンズ114及び絞り118の駆動を制御する。レンズCPU115は、レンズユニット101側の通信接点120及びカメラ本体100側の通信接点121を介して、後述するカメラ本体100内のカメラCPU113と通信することができる。レンズCPU115は、この通信接点120及び121を介して、レンズユニット101の種類や、焦点距離、射出瞳距離、ズーム位置等をカメラCPU113に通知する。
次に、カメラ本体100の構成について説明する。
撮像装置が非撮影状態(図1に示す状態)にある場合、レンズユニット101の撮影レンズ114及び絞り118を通過した被写体光束のうちの一部の光束は、撮影光路内に位置するミラー102で反射されてファインダ光学系103に導かれる。これにより、撮影者は、ファインダ光学系103を介して被写体像を観察することができる。
後述する不図示のレリーズ釦が押されて非撮影状態から撮影状態に移行すると、ミラー102は撮影光路から退避する。これにより、レンズユニット101からの被写体光束は、CMOSセンサやCCDなどにより構成される撮像素子104へ向かう。撮像素子104の各画素は、露光されている間、レンズユニット101により結像された被写体光学像を光量に応じて光電変換し、得られた電荷を蓄積する。撮像素子104には、パルス発生回路107から走査クロック(水平駆動パルス)や所定の制御パルスが供給される。パルス発生回路107で発生した走査クロックのうち、垂直走査用のクロックは垂直駆動変調回路108によって所定のクロック周波数に変調されて、撮像素子104に入力される。この垂直駆動変調回路108によって電子先幕としてのリセット走査の走査パターンが決定される。また、パルス発生回路107は、後述する信号処理回路109にもクロック信号を出力する。
撮像素子104に対して物体側(レンズ側)には、メカニカルシャッターであるフォーカルプレンシャッター(以下、「メカシャッター」と呼ぶ。)105が配置されている。メカシャッター105は、複数の遮光羽根で構成された後幕(以下、「メカ後幕」と呼ぶ。)を有し、撮像素子104を遮光する。カメラCPU113は、シャッター駆動回路106を介してメカシャッター105の駆動を制御する。
信号処理回路109は、撮像素子104から読み出された信号に対して所定の処理(色処理やガンマ補正等)を施すことにより画像データを生成する。生成された画像データは、画像表示回路110を介して表示装置151に出力されて撮影画像として表示されたり、画像記録回路111に記録されたりする。スイッチユニット112は、主電源のON/OFFを制御するスイッチや、撮影条件等を設定するために操作されるスイッチや、撮影準備動作および撮影動作を開始させるために操作されるスイッチ(レリーズ釦)を含む。レリーズ釦の半押し操作(スイッチSW1のON)で撮影準備動作(測光動作や焦点調節動作等)が開始される。更に、全押し操作(スイッチSW2のON)で撮影動作(撮像素子104の露光及び電荷信号の読み出し、及び電荷信号を処理して得られた画像データの記録媒体への記録)が開始される。カメラCPU113は、スイッチユニット112の操作に応じた動作を行う。走査パターン保持部150は、後述するような電子先幕の走査パターン(リセットラインの移動タイミング)を複数種類保持する。
上記構成を有する本実施の形態における撮像装置は、通常複数の遮光羽根で構成される先幕に代えて、撮像素子104の画素を順次リセット走査する電子シャッターによる電子先幕を採用する。そして、電子先幕とメカ後幕を用いて撮像素子104の露光制御を行う構成となっている。
図2は、撮像素子104およびメカ後幕をレンズ側から光軸方向に沿って観察した様子を示す正面図であり、レリーズ釦の押下により撮影が開始された後の、電子先幕のリセット走査およびメカ後幕の走行が途中にあるときの状態を示している。矢印1は、電子先幕のリセット走査の走査方向(電子先幕の走行方向)と、メカ後幕の走行方向を示す。なお、撮影レンズ114により撮像素子104の撮像面に結像した被写体像は上下が反転する。そのため、図2のように撮像面の下側から上側に向かってリセット走査を行うことで、画像上部から画像下部へリセット走査及びメカ後幕の走行が行われることになる。
図2において、2は撮像素子104の撮像面、3はメカシャッター105のメカ後幕であり、メカ後幕3が撮像面2の一部の領域を遮光している状態が示されている。4は、撮像素子104におけるリセット走査を行っているライン(リセットライン)を示す。リセット走査はリセットライン4上の画素の蓄積電荷量をゼロにするものであり、リセットライン4は電子先幕の先端に相当する。
リセットライン4とメカ後幕3の先端部5との間のスリットによって形成される領域6は、撮像素子104において露光による電荷蓄積が行われている領域(電荷蓄積領域)である。電荷蓄積領域6は電子先幕とメカ後幕3の走行に従って、矢印1の方向へ移動していくことになる。リセットライン4が通過してから、つまり画素がリセットされてから、メカ後幕3によって遮光状態となるまでの時間が、画素の露光による電荷蓄積時間となる。このように、リセットライン4が矢印1の方向へ走行して各ラインの電荷蓄積が開始されるので、電荷蓄積の開始タイミングは撮像素子104のライン毎に異なる。図2に示す例では、撮像面2において最も下に位置するラインで電荷蓄積動作が最も早いタイミングで行われ、最も上に位置するラインで電荷蓄積動作が最も遅いタイミングで行われる。
撮像面2の下部から上部へ向かうリセットライン4の移動は、垂直駆動変調回路108により図5の(a)及び(b)を参照して後述するように制御される。このリセットライン4の移動パターンを「走査パターン」と称する。この走査パターンは、撮像素子104のライン毎にリセット走査が行われるタイミングを示したものということができる。走査パターン保持部150には、例えば、焦点距離や射出瞳距離などに応じて異なる走査パターンが複数保持されている。カメラCPU113は、装着されたレンズの焦点距離や射出瞳距離などに応じてこれらのうちの一つを選択し、選択した走査パターンに従ってリセットライン4が移動するように垂直駆動変調回路108を制御する。詳細は後述する。
図3及び図4は、撮影レンズ114、メカシャッター105及び撮像素子104のリセットラインの関係を示す光路図である。図3及び図4において、レンズ114aは焦点距離が長く、射出瞳距離が長い状態での撮影レンズ114を示し、レンズ114bは焦点距離が短く、射出瞳距離が短い状態での撮影レンズ114を示している。また、7はシャッター地板、8はシャッター羽根押さえである。また、114a'、114b'はそれぞれレンズ114a、114bの瞳位置(射出瞳位置)を示している。
図3は撮像素子104の露光を開始して間もない時の状態を示している。スリット幅Aは、図2で説明した電荷蓄積領域6の内、焦点距離が長く、射出瞳距離の長いレンズ114aの光束がメカ後幕3の先端部5によって遮光される撮像素子104上のラインと、リセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。また、スリット幅Bは、電荷蓄積領域6の内、焦点距離が短く、射出瞳距離が短いレンズ114bの光束がメカ後幕3の先端部5によって遮光される撮像素子104上のラインと、リセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。
図3に示すタイミングでは、スリット幅Bの方がスリット幅Aよりも広い。つまり、撮影レンズ114a及び114bに対して、電子先幕及びメカ後幕3を同じ条件で駆動した場合、撮影レンズ114bを用いた場合の露光量は撮影レンズ114aを用いた場合の露光量よりも大きくなる。従って、例えば、撮影レンズ114aを用いた場合に適正露出となるスリット幅になるようにリセット走査のタイミングを制御すると、撮影レンズ114bを用いて撮影すると、露光開始間もないタイミングでは露出がオーバーになってしまうことになる。
一方、図4は撮影動作後半(露光終了間近)の状態を示している。スリット幅A'は、撮影レンズ114aの光束がメカ後幕3の先端部5によって遮光される撮像素子104のラインとリセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。また、スリット幅B'は、撮影レンズ114bの光束がメカ後幕3の先端部5によって遮光される撮像素子104のラインとリセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。
図4に示されるタイミングでは、図3に示した露光開始間もない時の状態とは逆に、スリット幅B'の方がスリット幅A'よりも狭い。つまり、撮影レンズ114a及び114bに対して、電子先幕及びメカ後幕3を同じ条件で駆動した場合、撮影レンズ114aを用いた場合の露光量は撮影レンズ114bを用いた場合の露光量より大きくなる。従って、リセットライン4とメカ後幕3により構成されるスリット幅が、露光開始間もない時と同じスリット幅であったとすると、露光終了間近では、撮影レンズ114aを用いて撮影した場合に露出がオーバーになってしまう。
このように、リセットライン4とメカ後幕3により構成されるスリット幅が常に一定になるようにリセットラインの走査速度及びメカ後幕3の走行速度を調整すると、画像の上部と下部とで露光ムラ(所謂、上下方向の露光ムラ)が発生してしまうのである。
図5(a)、(b)は、シャッター制御における電子先幕のリセット走査の走査パターンとメカ後幕の走行パターンとの関係を示す図であり、横軸は時間、縦軸は撮像素子104上の下から上への距離(位置)を表している。図5(a)において、12はメカ後幕3の走行曲線を表し、走行開始から徐々に速度が上がる状態を表している。11は電子先幕のリセットライン4の走査曲線を表す。走査曲線11と走行曲線12の時間方向の距離が撮像素子104の各ラインの露光時間を表す。図5(a)では、撮像素子104の下から上に亘って、ほぼ同じ露光時間となっている。撮影レンズ114の焦点距離と射出瞳距離が十分長いとき(例えば500mm以上のとき)は、メカ後幕3の走行曲線とほぼ同じ形状の走査曲線を用いてリセットライン4の走査を制御することで、適正な露光を得ることができる。
しかし、前述したように、撮影レンズの焦点距離が短く、射出瞳距離が短い場合には、射出瞳距離が長い撮影レンズを用いた場合に比べて、レンズを通過した光線の撮像素子104への入射角度が、光軸に対して大きな角度となる。そのため、図5(a)に示すような制御では、撮像素子104の撮像面下部(=画像の中央より上部)において露出がオーバーとなり、撮像面上部(=画像の中央より下部)において露出がアンダーとなる。そのため、撮像面下部で露光時間を短くし、撮像面上部で露光時間を長くする。このようにすることで、撮像素子104の画素がリセット走査されてから、撮像レンズを介して入射した光から画素が実際にメカ後幕3により遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるように、電子先幕の走査曲線を調整する。例えば、図5(b)に示すように走査曲線11を11'に示す走査曲線に補正することが必要となる。
以上のような補正処理の推奨表示および撮影動作禁止表示の制御について、図6のフローチャートを参照して、撮像動作に沿って説明する。なお、図6に示す処理はカメラCPU113が主体となって実行される。
スイッチユニット112内の主電源SWがONになると、処理はステップS101からステップS102へ進む。ステップS102において、カメラCPU113は通信接点121、120を介して、装着されたレンズユニット101の焦点距離や射出瞳距離等のレンズ情報をレンズCPU115から取得するように制御する。装着されたレンズユニット101がカメラ本体100と通信可能であり、且つ、レンズ情報を保有している場合は、カメラCPU113は上記レンズ情報を取得してステップS104へ移る。なお、レンズユニット101のレンズCPU115は、当該レンズの焦点位置、射出瞳距離等のレンズ情報や、ズーム位置に基づいて生成したズーム位置情報をカメラCPU113の要求に応じて通知する。
一方、ステップS102において、レンズ情報を取得できなかった場合にはステップS115に進む。レンズ情報を取得できない場合としては、例えば、装着されたレンズユニットがレンズシフト量の情報を持たないシフトレンズや、マウントアダプタを介してマニュアルレンズをつけた時などがある。なお、不十分な情報しか得られない場合にもステップS115に進む。ステップS115では、表示装置151上に電子先幕の走査パターンの補正(キャリブレーション)を推奨する表示及びカメラでの撮影動作禁止を意図する表示を行う。次のステップS116ではスイッチユニット112内の電子先幕の走査パターンの補正を指示するSW(キャリブレーションSW)が押されたかを判断する。押された場合には、ステップS117において電子先幕の走査パターンの算出(キャリブレーション)を実行する。
この電子先幕の走査パターンの算出は、電子シャッターとメカシャッターを走査させたときの輝度差を比較することにより行うことができ、例えば、特許文献1に記載された技術を利用して算出することが可能である。走査パターンの算出が終了すると、ステップS118において電子先幕の走査パターンの補正を推奨する表示及びカメラでの撮影動作禁止を意図する表示を終了し、ステップS104に移る。また、ステップS116においてキャリブレーションSWがONとならない場合は、ステップS119を介してステップS116に戻り、撮影禁止表示を保持し続ける。
ステップS104では、スイッチユニット112のレリーズ釦のスイッチSW1がONされるまで待機し、スイッチSW1がONとなるとステップS105に進む。
ステップS105において、不図示の測光センサからの出力とISO感度設定等の情報により、レンズの絞りを決定する。次に、ステップS106で焦点調節制御(AF)及び露出制御(AE)を実行し、撮影レンズ114のフォーカス位置、絞り118及びISO感度設定を行う。次のステップS107では、ステップS102においてレンズ情報が取得できている場合はステップS120に移り、レンズ情報が取得できていない場合はステップS121に移る。ステップS120では、取得したレンズ情報から、焦点距離、射出瞳距離、ズーム位置、絞り値、フォーカス位置等に基づいて、走査パターン保持部150に保持された電子先幕の走査パターンの中から、走査パターンを選択する。ここで、カメラCPU113は、垂直駆動変調回路108によるリセット走査を設定を、例えば、図5(b)の走査曲線11'のように変更する。上述したように、走査曲線11'は、焦点距離が短く、射出瞳距離が短いレンズの場合に適したものである。走査曲線11'は、メカ後幕3の走行曲線12とほぼ等しい動作を示す走査曲線11に対して、電子先幕のリセット走査の開始タイミングを遅らせると共に、走査終了タイミングを早めたものである。
一方、ステップS102においてレンズ情報が取得できていないと判断した場合には(ステップS107でNO)ステップS121に進み、電子先幕の走査パターンとして、ステップS117において算出された走査パターンを選択する。
その後、ステップS108において、ステップS120またはS121で選択された電子先幕の走査曲線を、使用する走査パターンとして決定する。
ステップS109ではスイッチSW1がONの状態が持続されているかを判断し、ON状態であればステップS110に進み、OFFであればステップS10に戻る。ステップS110では、スイッチSW2がONされたかを判断し、OFFであればステップS109に戻る。一方、スイッチSW2がONであることが検出されると、ステップS111に進む。
ステップS111では、ステップS105で決定された絞りとなるように絞り118を制御し、ミラー102をアップ(撮影光路から退避)する。そして、ステップS112において、ステップS108で決定された走査パターンによる電子先幕の駆動を開始する。すなわち、カメラCPU113は、走査パターン保持部150に保持された走査パターンの中から決定された走査パターンまたはキャリブーションにより算出された走査パターンに従ってリセット走査を実行するべく、垂直駆動変調回路108を制御する。そして、ステップS113においてメカ後幕3を駆動制御して、撮像素子104を順次遮光する。
例えば、レンズユニット101の撮影レンズ114が、焦点距離が短く、射出瞳距離が短いレンズの場合、図5(b)の走査曲線11'が選択され、この走査パターンに従った電子先幕の駆動(リセット走査)が実行される。また、メカ後幕3については走行曲線12に従った幕走行が実行される。こうして、撮像素子104上で電荷蓄積動作が順次行われ、撮影動作が完了する。
最後に、ステップS114において、ミラー102のダウンとメカシャッター105のシャッターチャージを行い、ステップS122において撮像素子104から電荷信号を読み出して処理することにより画像を取得する。以上の処理により一連の撮像シーケンスが終了し、ステップS104に戻る。
上記の通り本実施の形態によれば、電子先幕及びメカ後幕を用いて撮影を行う場合に、露光ムラのある撮影を警告により回避または、装着されたレンズに応じて電子先幕の走査パターンを変更することができる。これにより、各画素間で露光ムラの低減された画像を撮影することが可能となる。
また、本実施の形態においては、図6のステップS102においてレンズ情報が取得できない場合に電子先幕の走査曲線の補正を促す表示とカメラでの撮像動作を禁止する表示を併用している。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、電子先幕の走査曲線の補正を行う、またはカメラの撮像動作を禁止する、のどちらか一方の動作のみを行ってもよい。また、上記した動作に限らず、レンズ情報が取得できなかった時の撮像装置の動作として、メニュー画面などで、このまま撮影を行えば露出ムラが出ることをユーザーに報知した上で撮影を可能にするような設定ができるようにしてもよい。
また、上述した処理においては、ステップS116でキャリブレーションSWがONされない場合に、撮影を禁止するように制御したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、所定時間以上キャリブレーションSWがONされない場合に、電子先幕の走査パターンとして、図5(a)の走査パターン11を選択し、画像の上下で露光ムラが生じる可能性があることを表示装置151に警告表示するようにしても良い。
本発明の実施の形態における撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における撮像素子及びシャッターを被写体側から見た正面図である。 本発明の実施の形態にかかる光学ユニットとシャッターの位置関係に伴う電荷蓄積領域の変化を説明する図である。 本発明の実施の形態にかかる光学ユニットとシャッターの位置関係に伴う電荷蓄積領域の変化を説明する図である。 本発明の実施の形態にかかるシャッターの動作と電荷蓄積時間との関係を示す概念図である。 本発明の実施の形態にかかる撮像処理を示すフローチャートである。
符号の説明
100 カメラ本体
101 レンズユニット
102 ミラー
103 ファインダ光学系
104 撮像素子
105 メカシャッター
106 シャッター駆動回路
107 パルス発生回路
108 垂直駆動変調回路
109 信号処理回路
110 画像表示回路
111 画像記録回路
112 スイッチユニット
113 カメラCPU
114 撮影レンズ
115 レンズCPU
116 レンズ駆動回路
117 絞り駆動回路
118 絞り
120、121 通信接点
150 走査パターン保持部
151 表示装置

Claims (6)

  1. 複数のレンズユニットを交換して装着が可能な撮像装置であって、
    装着されたレンズユニットから少なくとも該レンズユニットの射出瞳距離を含むレンズ情報を取得する取得手段と、
    入射する光を光量に応じた電荷に変換する複数の画素から成る撮像素子と、
    走行することで前記撮像素子を遮光するシャッターと、
    前記シャッターによる前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記シャッターの走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット手段と、
    前記画素が前記リセット手段によりリセットされてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるように前記画素をリセットするタイミングを表す、複数の異なるレンズ情報に対応した複数の走査パターンを保持する走査パターン保持手段と、
    記リセット手段によりリセットされてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から遮光されるまでの時間が前記撮像素子の各画素間で等しくなるよう前記画素をリセットするタイミングを算出する算出手段と、
    前記取得手段により前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得した場合には、前記複数の走査パターンの内、前記取得したレンズ情報に適した走査パターンを選択し、該選択した走査パターンに基づいて前記リセット手段により前記画素をリセットするタイミングを制御し、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合には前記算出手段により算出されたタイミングに基づいて、前記リセット手段により前記画素をリセットするタイミングを制御する制御手段と
    前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に、前記算出手段による前記タイミングの算出を行う指示を受け付けるための操作手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に撮影を禁止し、前記操作手段により受け付けた指示にしたがって行われる前記算出手段による前記タイミングの算出が完了すると前記撮影の禁止を解除することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記制御手段は、撮影を禁止してから所定時間以上前記操作手段が前記タイミングの算出を行う指示を受け付けない場合には撮影の禁止を解除し、前記複数の走査パターンの内、所定の走査パターンを選択し、該選択した走査パターンに基づいて前記リセット手段により前記画素をリセットするタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に撮影を禁止することを示す表示を行い、前記操作手段により受け付けた指示にしたがって行われる前記算出手段による前記タイミングの算出が完了すると、前記撮影を禁止することを示す表示を終了する表示手段を更に有することを特徴とする請求項またはに記載の撮像装置。
  4. 前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に前記算出手段により前記タイミングの算出を行うことを推奨する表示を行い、前記操作手段により前記タイミングの算出を行う指示を受け付けると、前記タイミングの算出を行うことを推奨する表示を終了する表示手段を更に有することを特徴とする請求項またはに記載の撮像装置。
  5. 焦点距離が短く、射出瞳距離が短い場合の前記走査パターンは、撮像面の中央より上部の撮像面における露光時間が、該撮像面の中央より下部の撮像面における露光時間よりも長くなるように前記リセット手段により前記画素をリセットする走査パターンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 複数のレンズユニットを交換して装着が可能であって、入射する光を光量に応じた電荷に変換する複数の画素から成る撮像素子と、走行することで前記撮像素子を遮光するシャッターとを有する撮像装置の制御方法であって、
    取得手段が、装着されたレンズユニットから少なくとも該レンズユニットの射出瞳距離を含むレンズ情報を取得する取得工程と、
    リセット手段が、前記シャッターの走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット工程と、
    前記シャッターを走行して前記画素を順次遮光する走行工程と、
    算出手段が、前記画素を前記リセット工程でリセットしてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から前記画素が遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるよう前記画素をリセットするタイミングを算出する算出工程と、
    制御手段が、前記リセット工程に先だって、前記取得工程で前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得した場合には該取得したレンズ情報に基づいて前記リセット工程で前記画素をリセットするタイミングを決定し、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合には前記算出工程で算出したタイミングに基づいて、前記リセット工程で前記画素をリセットするタイミングを決定する制御工程とを有し、
    前記撮像装置は、前記画素が前記リセット工程でリセットされてから前記シャッターの走行により前記レンズユニットを介して入射する光から遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるように前記画素をリセットするタイミングを表す、複数の異なるレンズ情報に対応した複数の走査パターンを保持する走査パターン保持手段と、前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合に、前記算出工程における前記タイミングの算出を行う指示を受け付けるための操作手段と、を更に有し、
    前記制御工程では、前記取得工程で前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得した場合には、前記複数の走査パターンの内、前記取得工程で取得したレンズ情報に適した走査パターンを選択することで前記タイミングを決定し、前記取得工程で前記装着されたレンズユニットからレンズ情報を取得できなかった場合には、撮影を禁止し、前記操作手段により受け付けた指示にしたがって行われる前記算出手段による前記タイミングの算出が完了すると前記撮影の禁止を解除することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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