JP5065199B2 - 撮像装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置及びその制御方法に関し、更に詳しくは、電子シャッタ機能とメカニカルシャッタ機能とを併用して撮像動作を行う撮像装置及びその制御方法に関する。
一眼レフタイプのデジタルカメラには、メカニカルシャッタであるフォーカルプレンシャッタ(以下、「メカニカルシャッタ」と称す。)と電子シャッタを併用して撮像動作を行うものがある。この種のシャッタ機構では、メカニカルシャッタにより後幕が構成され、後幕の走行に先行して、撮像素子の画素の電荷蓄積開始走査を行う電子シャッタを駆動することにより撮影が行われる。
電子シャッタを用いて撮像動作を行う場合、例えば、CMOSセンサを用いた撮像素子では、画素毎、或いは、複数画素からなる領域毎(例えば各ライン毎)に、先ず、画素の蓄積電荷量をゼロにするリセット走査を行う。その後、リセット走査を行った画素毎或いは領域毎に、それぞれ所定の時間を経過してから信号を読み出す走査を行うことで、電子シャッタによる撮像動作を実現できる。
上述した電子シャッタとメカニカルシャッタを併用して、撮像素子の露光を制御する場合、先ず、撮像素子の電荷蓄積開始走査として、メカニカルシャッタの走行方向に、撮像素子の複数画素から成る領域毎(例えば各ライン毎)に順次リセット走査する。そして、所定時間経過後に、メカニカルシャッタの後幕によって撮像素子を順次遮光した後、各画素に蓄積された電荷を順次読み出す読み出し走査を行う。従って、このリセット走査の走査パターンは、メカニカルシャッタの後幕の走行特性に合わせたものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−41523号公報(段落番号0044〜0050、図1〜図3等)
しかしながら、一眼レフタイプのデジタルカメラは一般に撮影レンズの交換が可能であり、装着された撮影レンズにより、焦点距離や射出瞳距離(像面からレンズの射出瞳位置までの距離)は異なる。このため、上述したように電子シャッタとメカニカルシャッタを併用して撮像を行う撮像装置を構成した場合、以下のような問題がある。電子シャッタは撮像素子面で機能するが、メカニカルシャッタは撮像素子面から光軸方向に少し離れた位置に配置される。従って、撮影レンズの焦点距離、射出瞳位置等により、メカニカルシャッタによる撮像面上での遮光位置は変化する。このため、特にリセット走査されてからメカニカルシャッタにより遮光されるまでの露光時間が短い場合に、装着された撮影レンズの焦点距離、射出瞳位置等に応じて、シャッタの走行方向に露光ムラが生じてしまう。ここで、特にリセット走査の実行からメカニカルシャッタによる遮光までの時間が短い場合(例えば1/4000秒等の短時間露光秒時)について、図17A〜図17Cにより説明する。
図17Aは撮像画面の露光開始位置での撮影光束の状況を示す図、図17Bは撮像画面の露光中央位置での撮影光束の状況を示す図、図17Cは撮像画面の露光終了位置での撮影光束の状況を示す図である。各図において、(a)の上側に示す図は焦点より遠い側に撮像素子104の撮像面が位置する所謂「前ピン」状態を示し、下側に示す図はそのときの撮影画像のボケの見え方を示している。一方、(b)の上側に示す図は焦点より近い側に撮像素子104の撮像面が位置する所謂「後ピン」状態を示し、下側に示す図はそのときの撮影画像のボケの見え方を示す。
図17A〜図17Cにおいて、51は撮影レンズ114の光束の上側、52は撮影レンズ114の光束の下側、53は焦点、2は撮像素子104の撮像面である。3はメカニカルシャッタのメカ後幕、5はメカ後幕の先端(スリット形成部)、4は撮像素子104のリセットラインで電子先幕の先端に相当する。また、70は撮像素子104の撮像面を正面から見た様子を表す。
ここで、撮影レンズ114の絞り開口が円形であるものとする。また、露光開始時には、電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口(ここでは1/4000秒の短秒時)はメカ後幕の先端5によってけられることがない撮影光学系の状態とする。また、図17Aに示す前ピンのボケ像71及び後ピンのボケ像73は、メカ後幕の先端5によってけられることがなく、円形をしているものとする。
ところが、図17Bに示すように、撮像素子104の中央領域の露光時には、電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口(ここでは1/4000秒の短秒時)はメカ後幕の先端5によってけられる状態となる。これにより、前ピンのボケ像75はメカ後幕の先端5によって光束の下側52がけられるために、円形になるべきボケ像の下側76がカットされる。同様に、後ピンのボケ像78では、メカ後幕の先端5によって光束の下側52がけられることにより、円形になるべきボケ像の上側79がやや大きくカットされる。
また、図17Cに示すように、露光終了間際では、電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口(ここでは1/4000秒の短秒時)はメカ後幕の先端5によってけられる撮影光学系の状態となる。そのため、前ピンのボケ像81はメカ後幕の先端5によって光束の下側52がけられるために、円形になるべきボケ像81の下側82がカットされる。同様に、後ピンのボケ像84では、メカ後幕の先端5によって光束の下側52がけられることにより、円形になるべきボケ像84の上側85がやや大きくカットされる。
以上のように、
・ピントのずれたボケ像が円でなく、一部欠けてしまう。
・ピントの合った被写体より遠景側のボケ像と近景側のボケ像で欠ける方向が異なる。
・画面の位置で欠け具合が異なる。
といった現象が起こる。
例えばカメラが正位置で、シャッタの走行方向が下から上の場合、遠景側のボケ像は下が欠け、近景側のボケ像は上が欠け、画面の下側でボケ像の欠けが顕著(近景のボケ像の欠けがより顕著)であるという課題が生じていた。
いろいろなシーンを撮影して確認すると、特に木漏れ日のボケ像のような明暗のはっきりしたものでは、一部欠けた円形がはっきりと判り、撮影者の意図したような画像が得られなくなってしまう。
また、撮影レンズの絞込み及びピント位置、マクロレンズのフォーカス等によっても、射出瞳距離が変化し、メカニカルシャッタによる撮像面上の遮光位置が変化するものがある。さらに、防振レンズが装着された場合、そのシフト量に応じて、メカニカルシャッタによる撮像面の遮光位置が変化する。従って、これらの要因によっても、上述したようなシャッタ走査方向のボケ像の欠けが発生することになる。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、メカニカルシャッタと電子シャッタを併用したシャッタ機構において、レンズの状況、撮像素子とメカニカルシャッタの状況に起因したシャッタ走査方向のボケ像の欠けを防ぐことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、複数のレンズユニットを交換して装着が可能な撮像装置であって、装着されたレンズユニットから、少なくとも該レンズユニットの焦点距離及び射出瞳距離に関する情報を含むレンズ情報を取得する取得手段と、入射する光を光量に応じた電荷に変換して画像信号を出力する複数の画素から成る撮像素子と、前記撮像素子を遮光するための幕を有するシャッタ手段と、前記幕による前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記幕の走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット手段と、絞り値を決定する絞り決定手段と、前記レンズユニットのフォーカスレンズのフォーカス位置を決定するフォーカス位置決定手段と、前記フォーカス位置決定手段により決定された前記フォーカス位置と過焦点距離との差が所定値以上の場合、前記焦点距離、前記射出瞳距離、前記フォーカス位置、および前記絞り決定手段により決定された絞り値に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定するとともに、前記フォーカス位置と前記過焦点距離との差が所定値より小さい場合、前記絞り値および被写体輝度に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定する露光時間決定手段とを有する。
また、本発明の制御方法は、複数のレンズユニットを交換して装着が可能であって、入射する光を光量に応じた電荷に変換して画像信号を出力する複数の画素から成る撮像素子と、前記撮像素子を遮光するための幕を有するシャッタ手段とを有する撮像装置の制御方法であって、取得手段が、装着されたレンズユニットから、少なくとも該レンズユニットの焦点距離及び射出瞳距離に関する情報を含むレンズ情報を取得する取得工程と、リセット手段が、前記幕による前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記幕の走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット工程と、絞り決定手段が、絞り値を決定する絞り決定工程と、フォーカス位置決定手段が、前記レンズユニットのフォーカスレンズのフォーカス位置を決定するフォーカス位置決定工程と、露光時間決定時間が、前記フォーカス位置決定工程により決定された前記フォーカス位置と過焦点距離との差が所定値以上の場合、前記焦点距離、前記射出瞳距離、前記フォーカス位置、および前記絞り決定工程で決定された絞り値に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定するとともに、前記フォーカス位置と前記過焦点距離との差が所定値より小さい場合、前記絞り値および被写体輝度に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定する露光時間決定工程とを有する。
本発明によれば、メカニカルシャッタと電子シャッタを併用したシャッタ機構において、撮影レンズの状況に起因したシャッタ走査方向のボケ像の欠けを防ぐことができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態にかかる撮像システムの構成を示すブロック図である。本第1の実施形態にかかる撮像システムは、撮像装置であるカメラ本体100と、カメラ本体100に装着される、撮影光学系としての交換可能なレンズユニット101とを有している。
先ず、レンズユニット101内の構成について説明する。
114は、光軸方向に移動可能な撮影レンズである。なお、図1では、撮影レンズ114を1つのレンズとして表しているが、実際にはフォーカスレンズやズームレンズ等、複数のレンズから構成されている。レンズCPU115は、レンズ駆動回路116を介して撮影レンズ114の駆動を制御すると共に、絞り駆動回路117を介して絞り117aを駆動し、撮影動作時の被写体輝度に応じた絞りの制御を行う。また、ズーム駆動機構118を操作(本実施の形態では手動操作)することによりズームレンズの位置を動かすことができる。動かされたズームレンズの位置(焦点距離)はズーム位置検出回路119により検出され、レンズCPU115に送られる。レンズCPU115は、レンズユニット101側の通信接点120及びカメラ本体100側の通信接点121を介して、後述するカメラ本体100内のカメラCPU113と通信することができる。レンズCPU115は、この通信接点120及び121を介して、レンズユニット101の種類や、焦点距離、射出瞳距離、焦点位置(フォーカス位置)等に関するレンズ情報をカメラCPU113に通知する。
次に、カメラ本体100の構成について説明する。
撮像装置が非撮影状態(図1に示す状態)にある場合、レンズユニット101の撮影レンズ114及び絞り118を通過した被写体光束のうちの一部の光束は、撮影光路内に位置するミラー102で反射されてファインダ光学系103に導かれる。これにより、撮影者は、ファインダ光学系103を介して被写体像を観察することができる。
後述する不図示のレリーズ釦が押されて非撮影状態から撮影状態に移行すると、ミラー102は撮影光路から退避する。これにより、レンズユニット101からの被写体光束は、CMOSセンサやCCDなどにより構成される撮像素子104へ向かう。撮像素子104の各画素は、露光されている間、レンズユニット101により結像された被写体光学像を光量に応じて光電変換し、得られた電荷を蓄積する。撮像素子104には、パルス発生回路107から走査クロック(水平駆動パルス)や所定の制御パルスが供給される。パルス発生回路107で発生した走査クロックのうち、垂直走査用のクロックは垂直駆動変調回路108によって所定のクロック周波数に変調されて、撮像素子104に入力される。この垂直駆動変調回路108によって電子先幕としてのリセット走査の走査パターンが決定される。また、パルス発生回路107は、後述する信号処理回路109にもクロック信号を出力する。
撮像素子104に対して物体側(レンズ側)には、メカニカルシャッタであるフォーカルプレンシャッタ(以下、「メカニカルシャッタ」と呼ぶ。)105が配置されている。メカニカルシャッタ105は、複数の遮光羽根で構成された後幕(以下、「メカ後幕」と呼ぶ。)を有し、撮像素子104を遮光する。カメラCPU113は、シャッタ駆動回路106を介してメカニカルシャッタ105の駆動を制御する。
信号処理回路109は、撮像素子104から読み出された信号に対して二重相関サンプリング処理(CDS)やゲイン(AG)処理、及び所定の処理(色処理やガンマ補正等)を施すことにより画像データを生成する。生成された画像データは、画像表示回路110を介して表示装置151に出力されて撮影画像として表示されたり、画像記録回路111に記録されたりする。スイッチユニット112は、主電源のON/OFFを制御するスイッチや、撮影条件等を設定するために操作されるスイッチや、撮影準備動作および撮影動作を開始させるために操作されるスイッチ(レリーズ釦)を含む。レリーズ釦の半押し操作(スイッチSW1のON)で撮影準備動作(測光動作や焦点調節動作等)が開始される。更に、全押し操作(スイッチSW2のON)で撮影動作(撮像素子104の露光及び電荷信号の読み出し、及び電荷信号を処理して得られた画像データの記録媒体への記録)が開始される。カメラCPU113は、スイッチユニット112の操作に応じた動作を行う。走査パターン保持部150は、後述するような電子先幕の走査パターン(リセットラインの移動タイミング)を複数種類保持する。
上記構成を有する本実施の形態における撮像装置は、通常複数の遮光羽根で構成される先幕に代えて、撮像素子104の画素を順次リセット走査する電子シャッタによる電子先幕を採用する。そして、電子先幕とメカ後幕を用いて撮像素子104の露光制御を行う構成となっている。
図2は、撮像素子104およびメカ後幕をレンズ側から光軸方向に沿って観察した様子を示す正面図であり、レリーズ釦の押下により撮影が開始された後の、電子先幕のリセット走査およびメカ後幕の走行が途中にあるときの状態を示している。矢印1は、電子先幕のリセット走査の走査方向(電子先幕の走行方向)と、メカ後幕の走行方向を示す。なお、撮影レンズ114により撮像素子104の撮像面に結像した被写体像は上下が反転する。そのため、図2のように撮像面の下側から上側に向かってリセット走査を行うことで、画像上部から画像下部へリセット走査及びメカ後幕の走行が行われることになる。
図2において、2は撮像素子104の撮像面、3はメカニカルシャッタ105のメカ後幕であり、メカ後幕3が撮像面2の一部の領域を遮光している状態が示されている。4は、撮像素子104におけるリセット走査を行っているライン(リセットライン)を示す。リセット走査はリセットライン4上の画素の蓄積電荷量をゼロにするものであり、リセットライン4は電子先幕の先端に相当する。
リセットライン4とメカ後幕3の先端5との間のスリットによって形成される領域6は、撮像素子104において露光による電荷蓄積が行われている領域(電荷蓄積領域)である。電荷蓄積領域6は電子先幕とメカ後幕3の走行に従って、矢印1の方向へ移動していくことになる。リセットライン4が通過してから、つまり画素がリセットされてから、メカ後幕3によって遮光状態となるまでの時間が、画素の露光による電荷蓄積時間となる。このように、リセットライン4が矢印1の方向へ走行して各ラインの電荷蓄積が開始されるので、電荷蓄積の開始タイミングは撮像素子104のライン毎に異なる。図2に示す例では、撮像面2において最も下に位置するラインで電荷蓄積動作が最も早いタイミングで行われ、最も上に位置するラインで電荷蓄積動作が最も遅いタイミングで行われる。
撮像面2の下部から上部へ向かうリセットライン4の移動は、垂直駆動変調回路108により図5の(a)及び(b)を参照して後述するように制御される。このリセットライン4の移動パターンを「走査パターン」と称する。この走査パターンは、撮像素子104のライン毎にリセット走査が行われるタイミングを示したものということができる。走査パターン保持部150には、例えば、焦点距離や射出瞳距離などに応じて異なる走査パターンが複数保持されている。カメラCPU113は、装着されたレンズの焦点距離や射出瞳距離などに応じてこれらのうちの一つを選択し、選択した走査パターンに従ってリセットライン4が移動するように垂直駆動変調回路108を制御する。詳細は後述する。
図3及び図4は、撮影レンズ114、メカニカルシャッタ105及び撮像素子104のリセットラインの関係を示す光路図である。図3及び図4において、撮影レンズ114aは焦点距離が長く、射出瞳距離が長い状態での撮影レンズ114を示し、レンズ114bは焦点距離が短く、射出瞳距離が短い状態での撮影レンズ114を示している。また、7はシャッタ地板、8はシャッタ羽根押さえである。また、114a'、114b'はそれぞれ撮影レンズ114a、114bの射出瞳位置を示している。
図3は撮像素子104の露光を開始して間もない時の状態を示している。スリット幅Aは、焦点距離が長く、射出瞳距離の長い撮影レンズ114aの光束がメカ後幕3の先端5によって遮光される撮像素子104上のラインと、リセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。また、スリット幅Bは、焦点距離が短く、射出瞳距離が短い撮影レンズ114bの光束がメカ後幕3の先端5によって遮光される撮像素子104上のラインと、リセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。
図3に示すタイミングでは、スリット幅Bの方がスリット幅Aよりも広い。つまり、撮影レンズ114a及び114bに対して、電子先幕及びメカ後幕3を同じ条件で駆動した場合、撮影レンズ114bを用いた場合の露光量は撮影レンズ114aを用いた場合の露光量よりも大きくなる。従って、例えば、撮影レンズ114aを用いた場合に適正露出となるスリット幅になるようにリセット走査のタイミングを制御すると、撮影レンズ114bを用いて撮影した場合には、露光開始間もないタイミングでは露出がオーバーになってしまうことになる。
一方、図4は撮影動作後半(露光終了間近)の状態を示している。スリット幅A'は、撮影レンズ114aの光束がメカ後幕3の先端5によって遮光される撮像素子104のラインとリセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。また、スリット幅B'は、撮影レンズ114bの光束がメカ後幕3の先端5によって遮光される撮像素子104のラインとリセットライン4とによって形成される領域の幅を示している。
図4に示されるタイミングでは、図3に示した露光開始間もない時の状態とは逆に、スリット幅B'の方がスリット幅A'よりも狭い。つまり、撮影レンズ114a及び114bに対して、電子先幕及びメカ後幕3を同じ条件で駆動した場合、撮影レンズ114aを用いた場合の露光量は撮影レンズ114bを用いた場合の露光量より大きくなる。従って、リセットライン4とメカ後幕3により構成されるスリット幅が、露光開始間もない時と同じスリット幅であったとすると、露光終了間近では、撮影レンズ114aを用いて撮影した場合に露出がオーバーになってしまう。
このように、リセットライン4とメカ後幕3により構成されるスリット幅が常に一定になるようにリセットラインの走査速度及びメカ後幕3の走行速度を調整すると、画像の上部と下部とで露光ムラ(所謂、上下方向の露光ムラ)が発生してしまうのである。
図5(a)、(b)は、シャッタ制御における電子先幕のリセット走査の走査パターンとメカ後幕の走行パターンとの関係を示す図であり、横軸は時間、縦軸は撮像素子104上の下から上への距離(位置)を表している。図5(a)において、12はメカ後幕3の走行曲線を表し、走行開始から徐々に速度が上がる状態を表している。11は電子先幕のリセットライン4の走査曲線を表す。走査曲線11と走行曲線12の時間方向の距離が撮像素子104の各ラインの露光時間を表す。図5(a)では、撮像素子104の下から上に亘って、ほぼ同じ露光時間となっている。撮影レンズ114の焦点距離と射出瞳距離が十分長いとき(例えば500mm以上のとき)は、メカ後幕3の走行曲線とほぼ同じ形状の走査曲線を用いてリセットライン4の走査を制御することで、適正な露光を得ることができる。
しかし、前述したように、撮影レンズの焦点距離が短く、射出瞳距離が短い場合には、射出瞳距離が長い撮影レンズを用いた場合に比べて、レンズを通過した光線の撮像素子104への入射角度が、光軸に対して大きな角度となる。そのため、図5(a)に示すような制御では、撮像素子104の撮像面下部(=画像の中央より上部)において露出がオーバーとなり、撮像面上部(=画像の中央より下部)において露出がアンダーとなる。そのため、撮像面下部で露光時間を短くし、撮像面上部で露光時間を長くする。このように調整するために、撮像素子104の画素がリセット走査されてから、撮像レンズを介して入射した光から画素が実際にメカ後幕3により遮光されるまでの時間が各画素間で等しくなるように、電子先幕の走査曲線を調整する。例えば、図5(b)に示すように走査曲線11を11'に示す走査曲線に補正することが必要となる。
更に、シャッタスピードが速く、電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口が狭い場合には、図17A〜図17Cを参照して上述したように、メカ後幕によるけられが生じることがある。そのため、けられが生じないようなスリット開口幅に補正する必要がある。つまり、焦点距離、射出瞳距離、絞り値に応じて、露光時間を補正する。
以上のような補正処理について、図6のフローチャートを参照して、撮像動作に沿って説明する。なお、図6に示す処理はカメラCPU113が主体となって実行される。また、本実施形態では、カメラCPU113がフォーカス位置決定手段および露光時間決定手段に対応している。
スイッチユニット112内のレリーズ釦の第1ストローク(所謂、半押し状態)が検出されると(スイッチSW1のON)、処理はステップS101からステップS102へ進む。ステップS102において、カメラCPU113は通信接点121、120を介して、装着されたレンズユニット101の種類や射出瞳距離等に関するレンズ情報をレンズCPU115から取得するように制御する。装着されたレンズユニット101がズームレンズを含む場合は、ステップS103からステップS104へ進み、レンズCPU115より焦点距離(ズーム位置情報)を取得する。なお、レンズユニット101のレンズCPU115は、射出瞳距離や、ズーム位置検出回路119で検出されたズーム位置に基づいて生成した焦点距離等に関するレンズ情報をカメラCPU113の要求に応じて通知する。
次いで、ステップS105において、不図示の測光センサからの出力とISO感度設定等の情報により、絞り値及び露光時間を演算する。ステップS108では、不図示の測距系によって被写体距離情報が取得され、撮影レンズ114のフォーカス位置を決定する。次にステップ109に進み、決定した撮影レンズのフォーカス位置と過焦点距離との差が所定値より小さく、決定した絞り値に応じたデフォルトのボケ像と決定したフォーカス位置でのボケ像の大きさの差が所定値より小さいかを判定する。
なお、デフォルトのボケ像とは、例えば、装着されたレンズユニット101のフォーカス位置が過焦点距離にある時の至近にある被写体と無限遠にある被写体のボケ像のことを指す。過焦点距離xは、
過焦点距離x=f2/Fδ(f:焦点距離、F:絞り値、δ:許容錯乱円径)
で表される。
また、ボケ像の大きさの差が所定値より小さいかを判定する際には、デフォルトのボケ像の大きさと、決定したフォーカス位置での至近にある被写体および無限遠にある被写体のボケ像の大きさとのそれぞれの差で判定する。
決定したフォーカス位置と過焦点距離との差が所定値以上の場合はステップS110に進み、決定したフォーカス位置での至近にある被写体と無限遠にある被写体のボケ像が欠けないような露光時間(シャッタ秒時Tv)を決定する。更に、ステップS110では、決定された絞り値とシャッタ秒時では露出オーバー(露出過度)となる場合にはISO感度を小さくする。その後、ステップS112へ進む。
一方、ステップS109において、決定した撮影レンズ114のフォーカス位置と過焦点距離との差が所定値より小さければステップS111に進み、被写体輝度、絞り値、ISO感度設定等に応じて露光時間(シャッタ秒時Tv)を決定する。そして、ステップS112に進む。
次のステップS112では、レンズユニット101の焦点距離、射出瞳距離、フォーカス位置、及び絞り値に基づき、決定した露光時間に応じた電子先幕の走査曲線パターンを決定する。ここで、カメラCPU113が、垂直駆動変調回路108の設定を、例えば、図5(b)の走査曲線11'のように変更するものとする。この走査曲線11'は、焦点距離が短く、射出瞳距離が短いレンズの場合に適切なものである。走査曲線11'は、メカ後幕の走行曲線12とほぼ等しい動作を示す走査曲線11に対して、電子先幕のリセット走査の開始タイミングを遅らせ、かつ、走査終了タイミングを早めたものである。そして、決定したシャッタ秒時に応じて、走査曲線11'を横軸の時間方向へ変化させる。
ここで、ステップS112における処理を、図7及び図8を参照して更に詳細に説明する。
図7は本第1の実施形態における電子先幕(リセット走査)の走査パターン制御に関する機能構成を示すブロック図であり、図8はステップS112で行われる走査パターンの設定処理を表すフローチャートである。
カメラCPU113は、情報収集部113a、走査パターン設定部113b、垂直駆動変調回路制御部113cとして機能する。情報収集部113aは、射出瞳距離に関連する情報を収集し、これを走査パターン設定部113bに渡す(ステップS201)。即ち、情報収集部113aは、ステップS102〜S104で取得された情報や、ステップS105〜S111で設定された情報のうち、射出瞳距離の判定に用いる情報を取得する。走査パターン設定部113bは情報収集部113aが取得した情報に基づいて電子先幕の走査パターンを決定する(ステップS202〜S205)。
まず、ステップS202において、露光時間が所定時間よりも長い場合はステップS205へ進み、電子先幕の走査パターンとして、標準の走査パターンを適用すべき走査パターンとして決定する。本実施の形態では、標準の走査パターンとして、例えば、図5(a)の走査曲線11のようにメカ後幕とカーブ形状がほぼ同じもの(撮影開始から終了まで撮像素子104の各ラインにおける露光時間がほぼ同じ)を採用する。
撮影レンズの焦点距離、射出瞳距離によって発生する露出ムラは、前述したように高速秒時でシャッタのスリット幅が狭いときに、特に大きく発生する。よって、本実施の形態では、露光時間が長く(例えば1/8秒以下)、露出ムラが発生しても十分に無視できるシャッタ秒時の範囲では、電子先幕のリセット走査の走査パターンの補正を行わないようにしている。もちろん本発明はこの制御方法に限るものではなく、ステップS202、S205は省略してもよい。
一方、露光時間が所定時間以下の場合(ステップS202でNO)、ステップS203へ進む。そして、走査パターン設定部113bはステップS201で取得した情報から射出瞳距離を決定する。そして、ステップS204において、決定した射出瞳距離に基づいて採用すべき走査パターンを決定する。メカニカルシャッタ105と撮像素子104間の距離に対する、撮影レンズ114の射出瞳位置とメカニカルシャッタ105間の距離の比に応じて、採用すべき走査パターンを決定する。なお、本実施の形態ではメカニカルシャッタ105と撮像素子104の距離が固定されているため、これらを求めなくても、射出瞳距離に関する情報から走査パターンを決定することができる。
本実施の形態では、予め複数の走査パターンが走査パターン保持部150に保持されている。走査パターン設定部113bは情報収集部113aから取得した情報に基づいて決定した射出瞳距離に基づいて適用すべき走査パターンを走査パターン保持部150から選択する。例えば、走査パターン保持部150に、露出ムラを許容範囲に抑えるための走査パターンを射出瞳距離に対応付けて登録しておく。そして、走査パターン設定部113bはステップS203で決定した射出瞳距離に従って対応する走査パターンを走査パターン保持部150から読み出し、適用する走査パターンとして決定する。具体的には、例えば、射出瞳距離が短いほど撮像面下部では露光時間を短く、撮像面上部では露光時間を長く設定した走査パターンが選択される。このように、例えばシャッタ秒時が同じ場合であっても、射出瞳距離が異なれば走査パターン設定部113bが設定する走査パターンが異なる。
図6に戻って、以上のようにして電子先幕のリセット走査の走査パターンを決定した後、レリーズ釦の第2ストローク、即ち全押し状態(スイッチSW2のON)が検出されると、ステップS113からステップS114へ進み、撮影動作を実行する。まず、ステップS114において、ミラー102をアップ(撮影光路から退避)する。そして、ステップS115において、ステップS112で決定された走査パターンによる電子先幕の駆動を開始する。すなわち、垂直駆動変調回路制御部113cが、走査パターン設定部113bによって決定された走査パターンに従ってリセット走査を実行するべく、垂直駆動変調回路108を制御する。そして、ステップS116においてメカ後幕を駆動制御して、撮像素子104を順次遮光する。
例えば、レンズユニット101の撮影レンズ114が、焦点距離が短く、射出瞳距離が短いレンズの場合、図5(b)の走査曲線11'が選択され、この走査パターンに従った電子先幕の駆動(リセット走査)が実行される。また、メカ後幕については走行曲線12に従った幕走行が実行される。こうして、撮像素子104上で電荷蓄積動作が順次行われ、撮影動作が完了する。
最後に、ステップS117において、ミラー102のダウンとメカニカルシャッタ105のシャッタチャージを行い、ステップS118において撮像素子104から電荷信号を読み出して処理することにより画像を取得する。以上の処理により一連の撮像シーケンスが終了し、ステップS101に戻る。
以上のように、第1の実施形態によれば、撮影レンズの撮像素子の受光面位置でのボケ具合を左右する情報に基づいて、電子先幕の走査制御を変えて撮像素子の露光時間を決定する。これにより、撮影レンズの状況に起因したシャッタ走査方向のボケ像の欠けを無くした露光ムラのない適正画像が撮影可能となる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本第2の実施形態の撮像装置は、第1の実施形態で図1に示した撮像装置におけるカメラCPU113が、図9に示すように比較部213aと、判別部213bと、補正部213cとを備えている点が異なる。それ以外は、第1の実施形態で説明した撮像装置の構成と同様であるため、本第2の実施形態においても主要構成については図1を参照して説明する。
図9において、比較部213aは、撮像素子104から読み出された所定画素に蓄積された電荷量、すなわち輝度レベル差を比較するための輝度分布のヒストグラムを作成する。例えば一般的な縦走りメカニカルシャッタの場合には、撮像素子104の所定縦方向に配列された画素における輝度レベルの分布のヒストグラムを作成する。
判別部213bは、比較部213aで作成されたヒストグラムの分布データに基づき、例えば標準偏差を求め、予め設定された所定基準の標準偏差と比較することによって画像処理補正を行うか否かを判別する。
補正部213cは、判別部213bで画像補正処理が必要と判断された場合には、撮像素子104から出力される画像信号に対し、作成されたヒストグラムの輝度分布が均一化するように画像処理補正をするために必要なパラメータを求める。
これらの比較部213a、判別部213b、補正部213cは、カメラCPU113で実行されるプログラムにより構成される手段であり、このプログラムは、使用者が所定の操作を行うことによって読み出されて実行される。補正部213cによって求められたパラメータはこれ以降、撮像素子104から読み出される画像データ全てに対する画像補正のパラメータとして使用され、補正処理された画像データは画像記録回路111に記録される。
次に、本発明の第2実施形態における、リセット走査の実行からメカニカルシャッタによる遮光までの時間が短い場合(例えば1/4000秒等の短時間露光秒時)の動作を、図10により説明する。
図10Aは撮像画面の露光開始位置での撮影光束の状況を示す図、図10Bは撮像画面の露光中央位置での撮影光束の状況を示す図、図10Cは撮像画面の露光終了位置での撮影光束の状況を示す図である。各図において、(a)の上側に示す図は焦点より遠い側に撮像素子104の撮像面が位置する所謂「前ピン」状態を示し、下側に示す図はそのときの撮影画像のボケの見え方を示す。一方、(b)の上側に示す図は焦点より近い側に撮像素子104の撮像面が位置する所謂「後ピン」状態を示し、下側に示す図はそのときの撮影画像のボケの見え方を示す。
図10A〜図10Cにおいて、51は撮影レンズ114の光束の上側、52は撮影レンズ114の光束の下側、53は焦点、2は撮像素子104の撮像面である。3はメカニカルシャッタのメカ後幕で、5はメカ後幕の先端(スリット形成部)。4は撮像素子104のリセットラインで電子先幕の先端に相当する。また、50は撮像素子104の撮像面であり、正面から見た様子を表す。
ここで、撮影レンズ114の絞り開口が円形であるものとする。また、露光開始時には、電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口(ここでは1/4000秒の短秒時)はメカ後幕の先端5によってけられることがない撮影光学系の状態とする。また、図10(a)に示す前ピンのボケ像55及び後ピンのボケ像57は、メカ後幕の先端5によってけられることがなく、円形をしているものとする。
撮像素子104の中央領域の露光時には、電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口が1/4000秒の短時間露光秒時のままでは、メカ後幕の先端5によって光束の下側52がけられてしまう。これにより、円形になるべき後ピンのボケ像59はその下側がカットされてしまう。従って、本第2の実施形態では、図10Bに示すように、スリット開口幅を広げて(1/4000秒の露光秒時よりも長くして)ボケ像59の欠けを防ぐ。同様に、後ピンのボケ像61では、メカ後幕の先端5によって光束の下側52がけられて円形になるべきボケ像61の上側がカットされないように、スリット開口幅を広げて(1/4000秒の露光秒時よりも長くして)ボケ像61の欠けを防ぐ。
更に、図10Cに示すように、露光終了間際では、電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口が1/4000秒の短時間露光秒時のままでは、メカ後幕の先端5によって光束の下側52がけられてしまう。これにより、円形になるべき後ピンのボケ像63の下側がカットされてしまうので、スリット開口幅を更に広げて(つまり、図10Bでの露光秒時よりも長くして)ボケ像の欠けを防ぐ。同様に、後ピンのボケ像65では、円形になるべきボケ像65の上側がカットされてしまうので、スリット開口幅を更に広げて(図10Bでの露光秒時よりも長くして)ボケ像の欠けを防ぐ。
この撮影動作で得られる画像は、均一輝度面を被写体として撮ると、図11のように画面の下側の露出が適正で、画面の上側が露出オーバーな露光ムラの生じたものとなる。
図11のような露光ムラを生じた画像を信号処理回路109により、図12に示す露出が均一で適正な画面に修正処理する。以下にその方法を説明する。
先ず、比較部213aにより作成されるヒストグラムについて、図13および図14を参照しながら説明する。図13(a)は基準被写体像を示す図、図13(b)は図13(a)の基準被写体全体に対する輝度分布を示すヒストグラム図である。図14(a)は図13(a)の基準被写体像を撮像素子104で撮像して取り込んだ画像データの一例を示す図、図14(b)は図14(a)の画像データ全体に対する輝度分布を示すヒストグラムである。ここで、各図のヒストグラムにおいては、横軸が輝度(明るさ)の度合いを表し、左寄りでは暗く、右寄りでは明るい画像となる。また、縦軸は画素数を表す。
図13(a)に示す被写体像は、コントラストがない被写体像である。これを基準被写体として撮影を行った場合、シャッタの露光ムラやジャンプ現象の発生がなければ、撮像素子104で受光される輝度の分布を表すヒストグラムを作成すると、図13(b)に示すように、一定の輝度値に分布が集中する形になる。
これに対し、同じ基準被写体像を撮影し、シャッタの露光ムラが発生した場合は、撮像素子104で撮像して取り込まれた撮影画像データは、例えば図14(a)に示すような画面の上側から下側に掛けてコントラストが一定とならない画像データとなる。この画像データに基づき、輝度の分布を表すヒストグラムを作成すると、図14(b)に示すような、輝度値の分布が分散する形になる。
従って、ユーザは図13(a)に示すような、例えば壁や白紙といったコントラストのない被写体像を適時に取り込むことで、露光ムラやジャンプ現象の補正処理に必要なパラメータを撮像装置内で演算して生成することができる。そして、この生成されたパラメータをメモリ154に記憶して、以降の撮影において使用する。
また、一般的に、縦走りフォーカルプレーンシャッタの場合、露光ムラやジャンプ現象については、図14(a)のように縦方向での輝度ムラが発生する。従って、画像データ全体のヒストグラムを作成せずに、縦方向の所定列のみの輝度情報に基づきヒストグラムを作成してもよい。
次に、本第2の実施形態における補正プログラムによる撮像装置の動作について、図15及び図16を参照しながら説明する。図15及び図16は図1の撮像装置の補正プログラムによる動作を示すフローチャートである。
ここで、補正プログラムは、上述した比較部213a、判別部213b、補正部213cを構成するものであり、スイッチユニット112の対応するスイッチがユーザにより操作されると、カメラCPU113により実行される。
上述したユーザによる所定操作に基づき、通常の撮影シーケンスからサブルーチンにより本補正プログラムが開始されると、図15に示すように、まずステップS301において、フラグや制御変数などの初期化を行い、スタンバイ状態とする。そして、ステップS302において、スイッチユニット112内のレリーズ釦が半押しされる(スイッチSW1のON)のを待つ。スイッチSW1がONされると、ステップS303で、不図示の測光センサーの出力を用いた測光演算を行い、シャッタ秒時を決定する。
次いで、ステップS304に進み、レリーズボタンの全押しによるスイッチユニット112内の、レリーズ釦が全押しされた(スイッチSW2のON)か否かを判定し、ONされていなければ、ステップS302に戻る。スイッチSW2がオンされると、ステップS305に進み、不図示のミラー駆動部内のミラー緊定マグネットのコイルに通電し、ミラー102をアップ動作させる。続いて、ステップS306で、絞り駆動回路117を通じて絞り117aを所定位置まで絞り込む。一方、ステップS307において、撮像素子104の電荷クリア動作を行い、ステップS308で、撮像素子104の電荷蓄積を開始する。
次いで、ステップS309に進み、決定された走査曲線による電子先幕の駆動を開始する。すなわち、垂直駆動変調回路制御部113cが、走査パターン設定部113bによって上述したように決定された走査パターンに従ってリセット走査を実行するべく、垂直駆動変調回路108を制御する。続いて、ステップS310で、撮像素子での露光を行い、そして、ステップS311で、メカ後幕を閉じる。これにより、撮像素子104への撮影光が遮光される。
次いで、図16に示すステップS312において、絞り117aを開放へ復帰し、続くステップS313で、ミラーダウンを行う。そして、ステップS314で、撮像素子104の電荷蓄積を終了する。次いで、ステップS315で、撮像素子104から電荷信号を読み出し、信号処理回路109を介して、カメラCPU113に入力する。そして、ステップS316において、読み出された所定画素毎の輝度情報から、輝度レベルの分布のヒストグラムを作成する。
次いで、ステップS317において、上記作成されたヒストグラムに基づき、露光ムラやジャンプ現象などに対応するための補正が必要であるか否かを判定する。ここで、輝度分布が所定の輝度範囲を超えている場合、露光ムラなどが有り、補正が必要であると判定される。この場合には、ステップS318で、撮影画像信号に対して画像処理による補正を行うための補正量のパラメータを算出し、続くステップS319で、算出されたパラメータをメモリ154に記憶し、本処理を抜ける。ここで、算出されるパラメータは、ヒストグラムの輝度分布が均一化するように画像処理補正をするために必要なパラメータである。
これに対し、輝度分布が所定範囲以内の場合には、露光ムラなどはなく、露光ムラやジャンプ現象などに対応するための補正は必要ないと判定される。この場合、上記ステップS318およびステップS319をスキップして本処理を抜ける。
上記の通り第2の実施形態によれば、画面露光終了側を露光開始側よりも露出オーバーになるよう(電子先幕のリセットライン4とメカ後幕の先端5で形成されるスリット開口を開き気味にして)電子先幕を制御し、ボケ像が欠けるのを防止する。そして、後で画像処理して露光ムラを修正するものである。
それにより、画面露光開始側でできるだけ高速なシャッタ秒時で撮影ができる。
本発明の実施の形態における撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における撮像素子及びシャッタを被写体側から見た正面図である。 本発明の実施の形態にかかる光学ユニットとシャッタの位置関係に伴う電荷蓄積領域の変化を説明する図である。 本発明の実施の形態にかかる光学ユニットとシャッタの位置関係に伴う電荷蓄積領域の変化を説明する図である。 本発明の実施の形態にかかるシャッタの動作と電荷蓄積時間との関係を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態における撮像処理のフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における電子先幕(リセット走査)の走査パターン制御に関する機能構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における走査パターンの設定処理を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるカメラCPU113の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における撮像画面の露光開始位置での撮影光束の状況を示す図である。 本発明の第2の実施形態における撮像画面の露光中央位置での撮影光束の状況を示す図である。 本発明の第2の実施形態における撮像画面の露光終了位置での撮影光束の状況を示す図である。 本発明の第2の実施形態における露光ムラを生じた画像の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態における露出修正処理後の画像の一例を示す図である。 (a)は基準被写体像を示す図、(b)は図13(a)の基準被写体全体に対する輝度分布を示すヒストグラムである。 (a)は本発明の第2の実施形態における電子先幕の制御を行って得られた基準被写体像の一例を示す図、(b)は図14(a)の基準被写体全体に対する輝度分布を示すヒストグラムである。 本発明の第2の実施形態におけるカメラの補正プログラムによる動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるカメラの補正プログラムによる動作を示すフローチャートである。 従来の撮像画面の露光開始位置での撮影光束の状況を示す図である。 従来の撮像画面の露光中央位置での撮影光束の状況を示す図である。 従来の撮像画面の露光終了位置での撮影光束の状況を示す図である。
符号の説明
100 カメラ本体
101 レンズユニット
102 ミラー
103 ファインダ光学系
104 撮像素子
105 フォーカルプレンシャッタ
106 シャッタ駆動回路
107 パルス発生回路
108 垂直駆動変調回路
109 信号処理回路
110 画像表示回路
111 画像記録回路
112 スイッチユニット
113 カメラCPU
113a 情報収集部
113b 走査パターン設定部
113c 垂直駆動変調回路制御部
114 撮影レンズ
115 レンズCPU
116 レンズ駆動回路
117 絞り駆動回路
117a 絞り
118 ズーム駆動機構
119 ズーム位置検出回路
120、121 通信接点
150 走査パターン保持部
151 表示装置
213a 比較部
213b 判別部
213c 補正部

Claims (8)

  1. 複数のレンズユニットを交換して装着が可能な撮像装置であって、
    装着されたレンズユニットから、少なくとも該レンズユニットの焦点距離及び射出瞳距離に関する情報を含むレンズ情報を取得する取得手段と、
    入射する光を光量に応じた電荷に変換して画像信号を出力する複数の画素から成る撮像素子と、
    前記撮像素子を遮光するための幕を有するシャッタ手段と、
    前記幕による前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記幕の走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット手段と、
    絞り値を決定する絞り決定手段と、
    前記レンズユニットのフォーカスレンズのフォーカス位置を決定するフォーカス位置決定手段と、
    前記フォーカス位置決定手段により決定された前記フォーカス位置と過焦点距離との差が所定値以上の場合、前記焦点距離、前記射出瞳距離、前記フォーカス位置、および前記絞り決定手段により決定された絞り値に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定するとともに、前記フォーカス位置と前記過焦点距離との差が所定値より小さい場合、前記絞り値および被写体輝度に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定する露光時間決定手段
    有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記露光時間決定手段により決定された露光時間は、前記レンズユニットのフォーカスレンズが前記フォーカス位置にある場合に、至近にある被写体と無限遠にある被写体のボケ像が前記幕よって欠けない露光時間であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記フォーカス位置と前記過焦点距離との差が所定値以上の場合、前記絞り値および前記露光時間決定手段により決定された露光時間に基づいて、露出過度とならないようにISO感度を設定するISO感度設定手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記射出瞳距離、および前記露光時間に基づいて、前記リセット手段によるリセット走査を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記制御手段は、前記露光時間が所定時間以下の場合、前記撮像素子の露光時間が、前記撮像素子の露光開始位置よりも露光終了位置において長くなるように前記リセット走査を制御することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  6. 前記リセット手段によるリセット走査の走査パターンを複数保持する保持手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記射出瞳距離に基づいて、前記保持手段により保持された複数の走査パターンから適用する走査パターンを選択し、前記選択された走査パターンにしたがって前記リセット走査を制御することを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置。
  7. 前記リセット走査により生じる前記撮像素子の露光開始位置と露光終了位置との露光時間の差に伴う露光ムラを補正するように、前記撮像素子から出力された画像信号を補正する補正手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 複数のレンズユニットを交換して装着が可能であって、入射する光を光量に応じた電荷に変換して画像信号を出力する複数の画素から成る撮像素子と、前記撮像素子を遮光するための幕を有するシャッタ手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
    取得手段が、装着されたレンズユニットから、少なくとも該レンズユニットの焦点距離及び射出瞳距離に関する情報を含むレンズ情報を取得する取得工程と、
    リセット手段が、前記幕による前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記幕の走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットするリセット工程と、
    絞り決定手段が、絞り値を決定する絞り決定工程と、
    フォーカス位置決定手段が、前記レンズユニットのフォーカスレンズのフォーカス位置を決定するフォーカス位置決定工程と、
    露光時間決定時間が、前記フォーカス位置決定工程により決定された前記フォーカス位置と過焦点距離との差が所定値以上の場合、前記焦点距離、前記射出瞳距離、前記フォーカス位置、および前記絞り決定工程で決定された絞り値に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定するとともに、前記フォーカス位置と前記過焦点距離との差が所定値より小さい場合、前記絞り値および被写体輝度に基づいて前記撮像素子の露光時間を決定する露光時間決定工程
    有することを特徴とする制御方法。
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