JP4947932B2 - 金属のガス窒化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に窒素拡散層である窒化層を形成させ耐摩耗性や強度等を向上させる金属のガス窒化方法であって、その表面に窒素化合物層を形成させることなく窒化層を形成することができる金属のガス窒化方法に関するものである。
鋼材の耐摩耗性、耐焼付き性、疲労強度等の機械的性質を向上させるための手段として浸炭処理や窒化処理等の表面硬化処理が自動車産業を始めとした幅広い分野で利用されている。これらのうち窒化処理は、鋼の変態点よりも低い温度で処理を行うため歪の発生が比較的少ないことから、摺動部品を中心に様々な形状で精度を要求されるような部品に対しても適用されてきている。
このとき鋼材表面に形成される窒素化合物層は硬度が高く、摺動する相手の金属材との反応性が母材よりも低いため、特に耐磨耗性や耐焼付き性に優れるものの、延性が無いため高荷重や曲げ荷重、局部的な荷重等がかかる場合には割れや剥離を起こしクラックの起点となり易い。このため、特に高い疲労強度を必要とするような用途では窒素化合物層を形成させず、窒素拡散層のみを形成させることが必要な場合がある。昨今では、機械部品の小型化、高機能化が進む中でそのような要求はますます増加してきている。
また、PVD法等により硬質膜をコーティングする際に、その前処理として窒化処理を適用する手法も用いられてきている。これはコーティング膜の下地となる金属を窒化処理によって硬化し強度をあげることにより、表面から受ける荷重による下地の金属の変形を抑制し、コーティング膜の耐剥離性を向上させる効果があるためである。このとき、窒化処理によって下地となる金属の表面に上記の脆い窒素化合物層が形成されていると、コーティング膜の密着強度が著しく低下し、かえって耐磨耗性を低下させることが明らかとなっている。そこで、このような面からも窒素拡散層のみを形成させる窒化処理方法が必要となる。
このとき、生産性に優れる通常のガス窒化処理方法により、拡散層のみを得る窒化処理を実施しようとすると、NHガスの濃度およびNHガスの処理炉内への供給量を減らしたり、処理温度を極端に低下させたりし、処理炉内で分解するNH量を大幅に低下させる必要がある。ところが、窒素化合物層が形成できないほどNHの分解を抑制すると、鋼材表面に形成している酸化皮膜が十分に還元できないため、均一な窒化層を得ることが非常に困難となる。特に、材質や表面の加工状態の違いによる窒化層厚みのバラツキが発生しやすく、安定的に拡散層のみを厚く形成させることは難しい。一方、窒化処理を実施した後に、例えばN中もしくは少量のHを添加したN中で高温に加熱保持して窒素化合物層を分解させる手法もあるが、このような熱分解処理をすると、最表面から窒素が抜けていくことによって表面部に引張応力が発生して強度が低下するため、特に疲労強度を必要とする使用用途では逆効果となる場合が多い。
また、ギアやクランクシャフト等、高い面圧が負荷され疲労強度も必要とされる一部の機械部品においては、窒化処理後に機械研磨によって窒素化合物層を除去する方法も実施されている。ところが、窒化処理後の段階ではその表面に疲労強度の上昇に寄与する圧縮応力が発生しているものの、研磨により最表面は引張応力に変わってしまうため、この方法も疲労強度の低下が懸念される。そのうえ、コスト面での問題や、部品形状によっては研磨を実施できない場合もあるため、必ずしも有効な方法とは言えない。
また、窒化処理を行った後、強力なショットブラストを適用することにより、表面に形成した化合物層を物理的に除去する方法も用いられるが、適用できる被処理物の形状等が極めて限られるとともに、硬質な化合物層を完全かつ均一に除去できるショットブラスト条件の安定制御が非常に難しい。しかも、コスト上昇の要因となるうえ、部品の用途によってはブラストを適用できないことから、この方法も有効な手段とは言えない。
一方、このような問題を解決するため真空処理装置を使用し、イオンボンバード処理により表面の酸化皮膜を除去し、引き続きイオン化させた低濃度のNを鋼材に拡散させることによって拡散層のみを均一に得る窒化処理方法が開示されている。
特許第2989746号 特開2004−292934号
ところが、上記のような窒化処理方法は、真空処理を行う必要があることから、被処理物の大きさや形状に制約があり、さらに一度に大量の品物の処理を行えないためにコストが高くなるという問題がある。この点で、被処理物の形状を問わずに一度に大量の品物の処理を行えるガス窒化処理はコストを含めた実用面で優れるものの、窒素化合物層を形成させず拡散層だけを生成するように窒化するためには、窒化性ガスであるNHの濃度および分解を抑制する必要がある。
ところが、NHの分解を抑制して処理しようとすると、NHの分解によって発生する活性なNの量が減少するだけではなく、還元作用のある活性なHの発生量も減少することから、鋼材表面に形成された酸化皮膜を十分に還元することができず、均一な窒化層の形成が極めて困難になる。そこで、窒化処理の前処理としてフッ化処理を行うことにより酸化被膜を除去して表面を活性化して窒化することが行われている。
ここで、ガス窒化処理を行う場合の処理品を炉内に配置するための治具について、従来は、窒化されづらいSUS304等に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼や、インコネル等に代表されるニッケル系耐熱合金が使用されてきている。しかしながら、窒化処理の前処理としてフッ化処理を行った場合には、上記のような難窒化材料であっても窒化反応が起こってしまい、さらに繰返し使用することで表面の劣化が進行してしまう。また、このとき窒素化合物層を形成させない窒化処理を安定的に実施するためには、単にNHの分解率を抑制するだけでなく、被処理物に合わせた適正な分解率を維持する必要があるところ、治具表面が劣化すると触媒作用が低下して適正な分解率の維持が極めて困難になるうえ、空気中の水分等の吸着により、フッ化雰囲気や窒化雰囲気に悪影響を及ぼし、適正にフッ化や窒化が行えないという問題が生じていた。
また、窒化処理の前処理としてフッ化処理を行った場合に、窒素化合物層を形成させず拡散層だけを生成させた窒化を行おうとして、単に窒化性ガスであるNHの濃度を抑制した処理を行うと、フッ化処理で表面が活性化している分、活性化した表面に対するNポテンシャルの炉内バラツキが顕著に現れてしまい、充分な拡散層を得られなかったり、反対に窒素化合物層が形成されてしまったりするという問題があり、安定した窒化層を得ることができないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、被処理物の形状を問わず、ガス窒化処理のみで窒素化合物層を形成させずに拡散層のみを安定して形成させることができる金属のガス窒化方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の金属のガス窒化方法は、フッ素源ガスを含むガス雰囲気中に被処理物を加熱保持してその表面にフッ化物膜を生成させるフッ化処理工程と、上記フッ化処理の後に、少なくともNHとHを含む窒素源ガス雰囲気中に上記被処理物を加熱保持してその表面から窒素を侵入させて窒化層を形成させる窒化処理工程とを行う金属の窒化方法であって、上記被処理物を処理炉内に配置するための治具として少なくともその表面が、上記窒素源ガスによって窒化されない非窒化性の金属材料から構成された治具を使用することを要旨とする。
すなわち、本発明のガス窒化方法は、治具として少なくともその表面がNHとHを含む窒素源ガスによって窒化されない非窒化性の金属材料から構成された治具を使用することにより、長期にわたって安定したNHの分解率を維持でき、安定生産処理を実現したものである。このように、治具として少なくともその表面が非窒化性の金属材料から構成された治具を使用することにより、窒化処理工程の前処理としてフッ化処理を行った場合でも、治具には窒化反応が起こらず、さらに繰返し使用しても表面の劣化が進行しなくなる。このため、治具表面が劣化することによる触媒作用の低下や、劣化部分への水分の吸着がほとんどなくなる。したがって、NHの分解率を抑制して被処理物に合わせた適正な分解率を維持することが可能となり、フッ化雰囲気や窒化雰囲気への悪影響を排除し、長期にわたって安定したNHの分解率を維持できる。このように、窒素化合物層を形成させない条件での安定的な窒化処理を実現し、ガス窒化処理のみで窒素化合物層を形成させずに拡散層のみを安定して形成させることができるのである。
また、本発明のガス窒化方法は、上記窒素源ガスがNHとHを含み、フッ化処理の後にNHおよびHを含むガス雰囲気で窒化処理を行い、かつその組成比を制御することによって窒素化合物層を形成させず均一な拡散層のみを形成するようにしたものである。すなわち、上記のようにガス窒化処理で拡散層のみを形成させようとした場合には特に被処理物表面に形成している酸化皮膜が大きな障害となるが、フッ化処理を行うことによってその酸化皮膜を除去することができるため、例えばNHの供給量が非常に少ない場合でもNHの分解によって発生したNをスムーズに被処理物内に侵入させることができ、容易に均一な窒化層を得ることが可能になるのである。
この場合、NHの分解量を窒素化合物層が形成できない程度に抑制する方法が重要となる。その方法として本発明では雰囲気にNHに加えてHを添加する方法を用いる。Hを添加することによってNHの分解率を抑制することができる理由は、下記の平衡反応式で示されるように、NHの分解によって活性なNが発生し、これが鋼中に侵入することによって窒化反応が進行するのであるが、この反応では、活性なNの発生と同時にHも発生することから、雰囲気中にHを添加すると、反応が右側に進みづらくなって、NHの分解が抑制されるためである。
2NH=2N+3H
上記の方法を用いる理由は、単純にNH濃度を減少させた場合には処理炉内でのバラツキが大きくなるためであり、これは十分なNHガス量を供給しない場合、処理炉内に供給されたNHが炉内全体に行き渡る前に分解を起こしてしまうことによって、炉内でガス濃度のバラツキが発生するためだと考えられる。したがって炉内に行き渡るのに十分なNHガス量を供給したうえでHガスによって分解の抑制を行うことで処理炉内のバラツキを最小限に抑えることができるのである。またこの方法はNHガスと同時にHガスを加えるだけで300〜600℃程度の通常窒化処理を行う温度範囲では十分に効果が認められるため、ガス窒化処理におけるNHガスの分解を抑制する方法として極めて有効な方法である。
また、上述したように、通常のガス窒化処理であれば窒素化合物層が形成できないほど分解率を抑制すれば、鋼材表面に形成している酸化皮膜が十分に還元できないため均一な窒化層を得ることはできないが、フッ化処理によって酸化物を除去しフッ化物を形成させた表面はNHの分解量が非常に少ない還元雰囲気であっても容易に表面を覆っているフッ化物の還元が起こり除去されることによって活性化されるため、上記の方法によって容易に窒素の侵入が起こり、均一な拡散層のみの形成が可能となるのである。
このように、フッ化処理の後にNHを主成分としてHを含む窒素源ガスを使用し、処理温度やガス組成によってNHの分解を制御した雰囲気に被処理物を加熱保持することにより、金属表面の酸化皮膜の影響を取り除くことが可能となるとともに、ガス組成の制御のみで被処理材が窒素化合物層を形成しない範囲で最も高い窒素濃度まで窒素を侵入させることも可能となる。このため、被処理物表面にムラの無い均一な窒素拡散層を安定的に形成させることが可能となる。さらに、ガス窒化をベースとした処理の利点を生かした、例えば複雑形状や大型の金型等であっても量産処理を実施することが可能である。
記ガス窒化方法において、上記治具を用いることにより、上記フッ化処理工程および窒化処理工程が繰り返し実施されたときに、被処理物に対して窒化層として窒素化合物層を形成させずに拡散層だけを安定して形成させることもできる。
上記ガス窒化方法において、上記非窒化性の金属材料をニッケルとすることもできる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のガス窒化方法は、(1)フッ素源ガスを含むガス雰囲気中に被処理物を加熱保持してその表面にフッ化物膜を生成させるフッ化処理工程と、(2)上記フッ化処理の後に、窒素源ガスを含むガス雰囲気中に上記被処理物を加熱保持してその表面から窒素を侵入させて窒化層を形成させる窒化処理工程とを行う。
そして、上記被処理物を処理炉内に配置するための治具として少なくともその表面が非窒化性の金属材料から構成された治具を使用する。また、上記窒素源ガスとして、NHとHを含み、かつ上記窒素源ガス中におけるNH/Hの容量比を0.05以上5以下としたガスを使用する。
このように、被処理物を非窒化性の金属材料で作製した治具上に配置し、フッ素源ガスを含むガス雰囲気中に上記非窒化性の金属材料で作製した治具上に配置した被処理物を加熱保持してその表面にフッ化物膜を生成させるフッ化処理工程と、NHおよびHを主成分とする窒化用ガスをそのガス比を化合物層が形成しない範囲に適正化した雰囲気中に上記非窒化性の金属材料で作製した治具上に配置した被処理物を目的とする窒化層を得るために最適な温度に加熱、保持することによって窒化処理工程を行う。
本発明の窒化処理方法が対象とする金属は、炭素鋼や合金鋼はもちろんのことステンレス鋼やニッケル基合金等、Nが固溶できる材料であれば、特に限定するものではなく、各種の金属を適用することができる。
また、本発明が対象とする治具材料は、非窒化性の材料であれば特に限定するものではなく、例えば、金属材料であれば鉄を含有しないニッケル基合金や純ニッケルをあげることができる。特に純ニッケルは強度はやや低いものの被処理物に適した様々な形状の治具を作製し易く、さらにその表面はNHが分解する際の触媒としての作用が大きい上、窒化物の形成が起こらないことを含め表面状態の変化が極めて少ないことから長期にわたって安定した触媒作用が維持できるため、最も適した材料であると考えられる。
また、上記治具材料は、少なくとも表面が非窒化性の金属材料から形成されていればよい。例えば、ニッケルめっき、ニッケルリンめっき、金めっき、白金めっき等のように、非窒化性金属のめっき層を形成することによって構成することもできる
(1)フッ化処理工程
上記フッ化処理工程は、まず被処理物をフッ素源ガスを含むガス雰囲気中に加熱保持して被処理物表面に形成している酸化物を除去しフッ化物膜を形成させる。
上記フッ化処理におけるフッ素源ガスとしては、酸化物を形成している母材成分であるFeやCrに対して酸素よりも親和力が強いハロゲン系物質であるフッ素系ガス(フッ素化合物ガスまたはフッ素ガスを含有するガス)が用いられる。このフッ素系ガスとしては、フッ素化合物、例えばNF、BF、CF、SF等のフッ素化合物ガスやFガスからなる主成分ガスを含むガスがあげられる。通常は、この主成分ガスをN等の希釈ガスで希釈してフッ素系ガスとして使用される。
これらフッ素系ガスに用いられる主成分ガスのうち、反応性、取り扱い性等の面でNFが最も優れており、実用的である。上記フッ素系ガス雰囲気下で被処理物を、例えばNFを含むN雰囲気中で200〜580℃、好ましくは200〜500℃の温度領域に10〜60分保持することでNFが分解して活性なFが発生し、被処理物表面の酸化物と置換されて酸化物よりも安定なフッ化物が形成される。このフッ化物は還元性雰囲気に曝されると容易に還元されるため、この方法によってNが侵入固溶する際に障壁となる酸化物等の無い表面が現れることになる。
したがって、フッ化処理の後に窒化処理を行うことによって、容易に均一な窒化層を得ることが可能となる。このとき、フッ素系ガス雰囲気のフッ素化合物またはフッ素の濃度は、1000〜100000ppmとするのが好ましい。
上記フッ化処理の処理温度としては、200〜580℃が好ましく、より好ましいのは200〜500℃である。
上記の方法により、フッ化処理工程において、活性化したフッ素原子により被処理物の表面に付着していた無機物や有機物の汚染物質が破壊除去されて表面が浄化されるとともに、上記フッ素原子が酸化皮膜と反応してフッ化物膜に変化し、被処理物の表面がフッ化物膜で被覆保護された状態となる。
そして、このフッ化物膜は、後工程の窒化処理により分解消失するため、被処理物の表面が活性化された状態となり、この活性化された表面に、Nが迅速に浸透、拡散して、均一で深い拡散層が形成されるのである。
このフッ化処理工程については、そのまま同一の炉を用いて窒化処理を実施することもできるし、例えば連続炉内でフッ化処理室と窒化処理室を分けて実施する方法等も可能である。
(2)窒化処理工程
上記フッ化処理工程の後、NHおよびHを主成分とする窒化用ガス雰囲気中に上記被処理物を加熱保持し、その表面から窒素を侵入させて窒素化合物層を形成させずに窒素拡散層のみを形成させる窒化処理を行う。
窒化処理の雰囲気ガスは、窒化性ガスとしてのNHおよびその分解を抑制するためのHを含む混合ガスが用いられる。上記窒化性ガスは、その他の成分としてN等の非窒化性ガスも使用することができる。
上記NHおよびHの濃度については被処理物に窒素化合物層が形成されない濃度を適用する必要があるが、その濃度は窒化処理温度や被処理物の材質および表面加工状態等によって変化するため適宜最適な濃度設定が行われる。
NHの分解の制御は、窒素源ガス中におけるNH/Hの容量比によって行う。NH/Hの容量比は、例えば、NH10%、H20%を含む雰囲気ガスであれば、10/20=0.5である。その適正な比率は上記の理由により変化するが、NHに対するHの存在比率を0.05以上5以下とするのが好ましい。このとき、上記比率が0.05未満では、NH濃度が低過ぎるために特に炉内各所での窒化層厚さのバラツキが発生し易く安定した量産処理が実現できない可能性が高いためである。一方、上記比率が5を超える場合は、HによるNHの分解を抑制する効果が十分に得られないためである。
上記比率を適用するときにN等の非窒化性ガスも混合させることができるが、そのガスは非酸化性のガスであることが好ましい。例えば、OやCO等の酸化性のガスは、NHやHとの反応によりNHの分解を促進させるため、安定したNHの分解量の抑制を困難にさせる。したがってNHおよびH以外のガスは適用する温度範囲でNHおよびHと反応性の無いN等のガスか、CO等の還元性のガスであることが好ましい。
このとき鋼材の種類や表面の加工状態等によって窒素化合物層の形成し易さは異なるため、上記の処理温度およびガス組成はそれらを十分に考慮した上で決定することができるが、上記窒化処理工程での加熱温度は350〜600℃に設定するのが好ましい。このとき窒化処理を行う温度が350℃未満ではNHの分解が少なく分解を抑制すること自体は容易だが、硬化層の十分な厚さを確保するためには処理時間が長くなり過ぎて生産性が悪化するからである。逆に窒化処理温度が600℃を越える温度では、NHの分解速度が速くHによる抑制効果が十分に機能しないためである。
本発明の窒化方法は、例えば、図1に示すような熱処理炉によって行うことができる。
この熱処理炉は、加熱ヒーター2を備えた炉体本体1に、窒化性ガス等のプロセスガスを供給するプロセスガス供給ポート3と、炉内に導入されたプロセスガスを攪拌する攪拌ファン6および攪拌ファン用モーター5と、排ガスを排出する排ガス排出ポート4とが設けられている。
上記プロセスガス供給ポート3は、水素ガスボンベ14、アンモニアガスボンベ13、窒素ガスボンベ12、NFガスボンベ11が接続され、それぞれプロセスガスとして水素ガス、アンモニアガス、窒素ガス、NFガスを供給するようになっている。図において、7はガス供給ライン元弁、8は空圧作動弁、9は減圧弁、10はガス流量計、15は排ガス除害装置である。
上記熱処理炉を用い、例えば、つぎのようにして、NFガスと窒素ガスを供給してフッ化処理を行い、NHとHを含む窒化用ガスを供給して窒化処理を行う。
すなわち、まず、被処理物を純ニッケル材のような非窒化性材料で作製した治具を用いて炉内に配置し、昇温中の酸化を防止するため炉内雰囲気をN等で十分に置換した後、200〜580℃好ましくは200〜500℃に加熱する。炉内被処理物が均熱された時点でNF等を含むガスを炉内に導入し被処理物表面にフッ化物膜を形成させるフッ化処理を行う。
次にNFガスの供給を停止し、350〜600℃に加熱した炉内にNHとHを含む窒化ガスを導入し、上記フッ化処理を実施した被処理物に対して窒化処理を行う。
このとき、上記窒化ガスは、NH濃度が2容量%以上50容量%以下、好ましくは3容量%以上30容量%以下となるようNHの濃度調整を行ったガスを炉内に導入するのが好ましい。NH濃度が2容量%未満では、窒化層形成の炉内バラツキが大きくなるためである。また、NH濃度が50容量%を超える範囲では、例えば窒化温度が低い場合には窒素化合物層を形成させずに窒化層を形成させることが可能だが、NHの使用量に加え、NHの分解を抑制するためのHも高濃度にする必要が生じるため、Hの使用量も多くなり、結果として窒化処理に要するコストが上昇するためである。したがって、NH濃度が2容量%以上50容量%以下、好ましくは3容量%以上30容量%以下とし、そのNHの分解を抑制するためのHを適量加え適正なNH/H比率とした上で、それをN等のガスで希釈して窒化ガスとして使用することにより、できるだけコストを抑えた処理を行うことができる。
このとき、上記窒化ガスは、窒化処理中常に炉内に導入し、導入したNH量の50〜90容量%程度が炉内から排出され、残部が窒化に寄与する程度に調整するのが好ましい。炉内から排出されるNH量を多くすると、窒化に寄与するN量が不足して、窒化層形成の炉内バラツキが大きくなり、反対に、炉内から排出されるNH量を少なくすると、窒化に寄与するN量が過剰となって、窒素化合物層が形成されるおそれがあるからである。
フッ化処理で表面に形成されたフッ化物はNHの分解量が非常に少ない場合であっても、その分解によって発生する活性なHによって容易に還元され表面から除去される。これによって活性な金属表面が露出する。そしてこの活性な金属表面にNHの分解によってHとともに発生するNが鋼材中へ侵入、拡散し窒化層を形成する。このときフッ化物膜が除去された活性な金属表面はNの侵入が容易になっているだけではなく、窒素化合物層も作りやすい状態になっているため、NHの分解率を十分に低下させておく必要がある。
このとき、上記フッ化処理を実施しない場合では、例えば400℃台に処理温度を低温化する、もしくはNHにHを加えるような方法でNHの分解を抑制して窒化処理を行ったとしても、NHの分解量が少ないために表面の酸化物皮膜を十分に還元できないため、窒素化合物層を形成させないほどNHの分解率を抑制した場合には均一な窒化層を形成させることは極めて難しい。
また、治具に非窒化性の材料を用いない場合には、例えばインコネル材のような難窒化性の材料を用いた場合であっても、フッ化処理を行った場合にはその表面の窒化が進行する。窒化された治具の表面はNHの分解率が変化していくうえ、面が荒れていきガスの吸着量が増加していくなどの現象が発生し、繰返し使用する場合に安定した処理が行えなくなる。このため、本発明では、非窒化性の金属材料から構成された治具を用いるのである。非窒化性の金属材料のうち、治具を作製する際の加工のし易さに加え、窒化物を形成しないだけでなく、フッ化処理を行う温度範囲でフッ化物を形成しづらい純ニッケル材を材料として使用することがより好ましい。
このように、本発明は、非窒化性の治具を使用したうえで、フッ化処理を実施し、さらにNHの分解率をHによって低く制御した状態で窒化処理を行うことによって、被処理物の表面に脆い窒素化合物層を形成させずに窒素拡散層のみを均一に形成させることが可能となるのである。
つぎに、実施例について説明する。
高速工具鋼SKH51素材を焼入れ、焼戻しし硬度HRC63に調質した材料を使用し、窒化処理後の化合物層の有無を正確に確認するためその表面をエメリー紙#2000で研磨した試料を準備し、上記試料を純ニッケル材で作製した網状の治具に載せ、図1に示す炉1内に設置し、下記の条件でフッ化処理および窒化処理を行った。
◆実施例(a)
治 具:純ニッケル製
フッ化:320℃に昇温、NFガスを炉内に導入し15分保持した。
窒 化:上記フッ化処理後、480℃に昇温、NHガスとHガスとNガスが1:2:7の比率のガス雰囲気で2hr保持した。
◆比較例(b)
治 具:純ニッケル製
フッ化:実施例(a)と同一条件
窒 化:上記フッ化処理後、480℃に昇温した後NHガスとNガスが1:9の比率のガス雰囲気で2hr保持した。
◆比較例(c)
治 具:純ニッケル製
フッ化:なし
窒 化:480℃に昇温した後、NHガスとNガスが1:9の比率のガス雰囲気で2hr保持した。
これらの試料につき、断面を5%硝酸アルコール溶液で腐食し観察した写真を図2に示す。また、化合物層厚さ、拡散層厚さ、表面硬度を測定した結果を図3に示す。
実施例(a)では、表面に窒素化合物層が形成しておらず、拡散層のみが均一に形成しており、表面硬度も1300Hv以上と非常に高い硬度が得られている。
比較例(b)ではフッ化処理の効果により均一な窒化層が得られているものの、HによるNHの分解率の制御が行われていないため、比較的窒化処理温度を低温にし、NH濃度を10%と低くしたにもかかわらず、表面に上記腐食液で腐食されない約3μmの窒素化合物層が形成されていることがわかる。
比較例(c)ではフッ化処理が行われていないため、表面には1μm程度の窒素化合物層が形成されているにも関わらず、拡散層深さにバラツキが大きく、表面硬度もかなり低いままである。
冷間工具鋼SKD11素材を焼入れ、焼戻しし硬度HRC60に調質した材料を使用し、その表面をエメリー紙#1000で研磨した試料を準備し、上記試料を図1に示す炉1内に設置し、下記の条件でフッ化処理および窒化処理を行った。
◆実施例(d)
治 具:純ニッケル材で作製した網状の治具およびアルミナで作製した板に直径5mmの穴を10mm間隔で形成させた治具。
フッ化:350℃に昇温、NFガスを炉内に導入し15分保持した。
窒 化:上記フッ化後、570℃に昇温、NHガスとHガスとNガスが1:5:4の比率のガス雰囲気で3hr保持した。
◆比較例(e)
治 具:Niを70%以上、Crを約16%含有するニッケル系の耐熱合金
フッ化:実施例(d)と同じ
窒 化:実施例(d)と同じ
◆比較例(f)
治 具:オーステナイト系ステンレス鋼SUS304
フッ化:実施例(d)と同じ
窒 化:実施例(d)と同じ
処理の安定性を評価するため、上記フッ化処理および窒化処理を繰返し実施し、繰り返し回数1回、5回、10回のときの窒化処理後の試料の表面硬度を測定した。その推移を図4に示す。
実施例(d)では、窒化反応が起こらない純ニッケル材およびアルミナのようなセラミックス材を治具材料としたため、窒化処理を繰り返した場合でも安定した硬度が得られており、拡散層のみが均一に形成されていることも確認された。
比較例(e)では、処理回数が増加したときに、徐々に表面硬度が低下している。
比較例(f)では、大きな硬度の低下が見られる。
10回使用後の治具の断面を調査すると上記ニッケル系の耐熱合金で約5μm、SUS304で約150μmの窒化層が形成されていることが確認された。特にSUS304では表面から約20μmの深さまで粒界割れと思われるクラックが無数に発生していることも確認された。これよりステンレス鋼はもちろんのことNiを70%以上含むニッケル系の耐熱合金であっても窒化反応が進行することがわかる。
このように、治具の表面が窒化を起こした場合には表面の触媒作用が低下しNHの分解率が低下するうえに、繰返し使用することで窒化層に割れが生じ、特に大気雰囲気に曝されたときの水蒸気等のガスの吸着量が増加していくことが処理に悪影響を及ぼすことによって、特に窒素化合物層を形成させないようにNHの分解率を高度に制御する必要がある場合には安定した硬度が得られなくなるものと考えられる。
マルエージング鋼(Fe−18Ni−9Co−5Mo−0.6Ti−0.1Al)を使用した回転曲げ試験片を作製し、850℃で固溶化処理を実施した後、480℃で2hr時効処理を実施して試料を準備し、下記の条件でフッ化処理および窒化処理を行った。
◆実施例(g)
治 具:純ニッケルで作製した治具。
フッ化:480℃に昇温しNFガスを炉内に導入し10分保持した。
窒 化:フッ化に引き続き480℃に均温したまま、フッ化後NHガスとHガスとNガスが3:2:5の比率のガス雰囲気で1hr保持した。
◆比較例(h)
治 具:純ニッケルで作製した治具。
フッ化:実施例(g)と同じ
窒 化:フッ化に引き続き480℃に均温しNHガスとNガスが3:7の比率のガス雰囲気で1hr保持した。
上記実施例(g)、比較例(h)の試験片および時効のみの試験片について、曲げ疲労試験を行った結果を図5に示す。
実施例(g)は、比較例(h)および時効のみの試験片よりも明らかに疲労強度が向上している。窒素化合物層を形成させずに拡散層のみを均一に形成させることによって特に大きな曲げ応力が負荷されるような場合の疲労強度を向上させる手段として非常に有効であることが分かる。
比較例(h)では、特に高応力側の疲労強度が低くなっている。試験片の断面観察結果から表面に化合物層が約2μm形成していることが確認されており、特に負荷される応力が高い場合には、脆弱な化合物層が曲げ応力によってクラックを発生しそのクラックが内部に進展することに起因する破断がより明確に発生してきているものと考えられる。
高速度工具鋼SKH51素材を焼入れ・焼戻し硬度HRC63に調質した。この素材から20×20×7mmの試料を切り出し、20×20mmの面をエメリー紙#2000まで研磨した試料を準備し、下記の条件でフッ化処理および窒化処理を行った。
◆実施例(i)
治 具:純ニッケル材で作製した網状の治具
フッ化:300℃に昇温しNFガスを炉内に導入し20分保持した。
窒 化:500℃に昇温し、NHガスとHガスとNガスが1:3:6の比率のガス雰囲気で3hr保持した。
◆比較例(j)
治 具:純ニッケル材で作製した網状の治具
フッ化:実施例(i)と同じ
窒 化:500℃に昇温した後、NHガスとNガスが1:9の比率のガス雰囲気で3hr保持した。
上記各試験片の20×20mmの面をバフ研磨によって鏡面研磨した後、PVD法によってTiN膜を約4μm厚さにコーティングした。
これらの試験片について、TiN膜の密着強度を評価するため、ダイヤモンド圧子の装着されたスクラッチ試験機を使用してコーティング膜が破壊されるまでの臨界荷重を測定した結果を図6に示す。
実施例(i)では、窒化処理を行わない試験片の表面を鏡面研磨した後、同様にTiNコーティングしたものの耐荷重値よりも明らかに向上している。
比較例(j)では、非常に低い耐荷重値を示しているが、これはその表面に約5μmの窒素化合物層が形成しているために、その表面を研磨仕上げしたとしてもコーティング膜の密着性が非常に低くなっているものと考えられる。
このように、真空処理装置を用いない方法によって安定した拡散層のみを形成できることから、従来のイオン窒化炉を使用する方法では処理を行うことができなかった大型の金型などであっても、本発明の窒化処理方法を用いることでコーティング前の窒化処理を行うことが可能となる。
以上のように、本発明のガス窒化方法は、治具として少なくともその表面がNHとHを含む窒素源ガスによって窒化されない非窒化性の金属材料から構成された治具を使用することにより、長期にわたって安定したNHの分解率を維持でき、安定生産処理を実現したものである。このように、治具として少なくともその表面が非窒化性の金属材料から構成された治具を使用することにより、窒化処理工程の前処理としてフッ化処理を行った場合でも、治具には窒化反応が起こらず、さらに繰返し使用しても表面の劣化が進行しなくなる。このため、治具表面が劣化することによる触媒作用の低下や、劣化部分への水分の吸着がほとんどなくなる。したがって、NHの分解率を抑制して被処理物に合わせた適正な分解率を維持することが可能となり、フッ化雰囲気や窒化雰囲気への悪影響を排除し、長期にわたって安定したNHの分解率を維持できる。このように、窒素化合物層を形成させない条件での安定的な窒化処理を実現し、ガス窒化処理のみで窒素化合物層を形成させずに拡散層のみを安定して形成させることができるのである。
また、本発明のガス窒化方法は、上記窒素源ガスがNHとHを含み、フッ化処理の後にNHおよびHを含むガス雰囲気で窒化処理を行い、かつその組成比を制御することによって窒素化合物層を形成させず均一な拡散層のみを形成するようにしたものである。すなわち、上記のようにガス窒化処理で拡散層のみを形成させようとした場合には特に被処理物表面に形成している酸化皮膜が大きな障害となるが、フッ化処理を行うことによってその酸化皮膜を除去することができるため、例えばNHの供給量が非常に少ない場合でもNHの分解によって発生したNをスムーズに被処理物内に侵入させることができ、容易に均一な窒化層を得ることが可能になるのである。
本発明は、鋼材の窒化処理に使用することができ、特に表面に高い引張応力や曲げ応力が負荷される場合や、窒化処理後にPVD法等によるコーティング処理が実施される場合など、表面に脆い窒素化合物層を形成させないことが必要な利用分野に適用することができる。
処理炉の一例を示す断面図である。 SKH51製試験片の断面観察結果である。 SKH51製試験片の化合物層厚さ、硬化層厚さ、表面硬度測定結果である。 SKD11製試験片の表面硬度測定結果である。 マルエージング鋼製試験片の曲げ疲労強度試験結果である。 TiN膜をコーティングしたSKH製試験片のスクラッチ試験結果である。
符号の説明
1 炉体本体
2 加熱ヒーター
3 プロセスガス供給ポート
4 排ガス排出ポート
5 攪拌ファン用モーター
6 攪拌ファン
7 ガス供給ライン元弁
8 空圧作動弁
9 減圧弁
10 ガス流量計
11 NFガスボンベ
12 窒素ガスボンベ
13 アンモニアガスボンベ
14 水素ガスボンベ
15 排ガス除害装置

Claims (3)

  1. フッ素源ガスを含むガス雰囲気中に被処理物を加熱保持してその表面にフッ化物膜を生成させるフッ化処理工程と、上記フッ化処理の後に、少なくともNHとHを含む窒素源ガス雰囲気中に上記被処理物を加熱保持してその表面から窒素を侵入させて窒化層を形成させる窒化処理工程とを行う金属の窒化方法であって、上記被処理物を処理炉内に配置するための治具として少なくともその表面が、上記窒素源ガスによって窒化されない非窒化性の金属材料から構成された治具を使用することを特徴とする金属のガス窒化方法。
  2. 上記治具を用いることにより、上記フッ化処理工程および窒化処理工程が繰り返し実施されたときに、被処理物に対して窒化層として窒素化合物層を形成させずに拡散層だけを安定して形成させる請求項1記載の金属のガス窒化方法。
  3. 上記非窒化性の金属材料がニッケルである請求項1または2記載の金属のガス窒化方法。
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