JP4947654B2 - 誘電体膜のパターニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体膜のパターニング方法に関し、より詳しくは、シリコン基板上に成長させた誘電体膜を簡易にパターニングすることを可能にする方法に関する。本発明の誘電体膜のパターニング方法は、半導体分野、特には太陽電池に関する分野に好適に適用することができる。
酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等の誘電体膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スピンコート、熱酸化などの方法によりシリコン基板上に製膜されることによって、各種の優れた機能を示す。その例としては、不純物がシリコン基板内部へ熱拡散することを防止する「拡散防止膜」、光の干渉作用を利用して表面反射を防ぐ「反射防止膜」、シリコン基板表面を電気的に不活性化し、キャリアの表面再結合を防止する「パッシベーション膜」などを挙げることができる。かかる機能は、半導体デバイス、特に太陽電池を形成するための極めて重要な機能である。
たとえば、太陽電池に必須なPN接合を形成するためには、単結晶または多結晶のシリコン基板の導電型と反対の導電型となる不純物を、シリコン基板の表面の一部に拡散する必要がある。また、太陽電池の性能を高めるためにBSF(Back Surface Field)を形成するためには、シリコン基板の導電型と同じ導電型となる不純物を、シリコン基板の表面の一部に拡散する必要がある。このように部分的な不純物の拡散を行なうためには、シリコン基板表面の一部を覆うことで不純物のシリコン基板内部への拡散を防止する「拡散防止膜」の形成が必要となる。
また、太陽電池は光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を特徴とする。そのため、太陽電池の変換効率を高めるためには、可能な限りの量の入射光をシリコン基板内部に取り入れ、逆にシリコン基板内部へ取り込んだ光をシリコン基板外部へ放出しない機能が必要となる。たとえば、表面形状がフラットなシリコン基板表面においては、600nmの波長の入射光を30%以上反射してしまうが、厚さ約110nmの酸化シリコン膜をその上に形成するだけで「反射防止膜」として機能し、反射率を10%以下に抑えることが可能となる。その結果、太陽電池の変換効率を30%近く改善することができる。
また、太陽電池では、入射光を吸収して電子および正孔のキャリアペアを発生させ、各々のキャリアをそれぞれN型層およびP型層へ移動させて外部電極から取り出すことにより電気エネルギーを得る。しかし、キャリアが電極に到達する前に反対の導電型のキャリアと再結合してしまった場合、キャリアは消滅して電気エネルギーとして取り出すことができなくなる。このキャリアの再結合現象は、シリコン基板内部で発生することもあるが、適切な表面処理を行なっていない場合には、その大部分はシリコン基板表面で発生する。そのため、シリコン基板表面を電気的に不活性化し、基板表面でのキャリア再結合を防止する「パッシベーション膜」の形成が重要となる。たとえば、窒化シリコン膜を多結晶シリコン基板上にプラズマCVD法で製膜することにより、窒化シリコン膜中の水素が基板表面および基板内部のダングリングボンドを終端してキャリアの寿命を高め、セル特性を改善できることが知られている。
従来、これらの拡散防止膜、反射防止膜およびパッシベーション膜としての誘電体膜を量産型の地上用太陽電池に用いる場合には、誘電体膜の緻密なパターニングは必ずしも必要ではなかった。なぜなら、従来の量産型の地上用太陽電池においては、不純物の拡散を行なうのは基板の片側の全面のみであるため、誘電体膜をプラズマCVDにより片側に堆積してから、不純物の拡散を行なえば良いからである。また、誘電体膜で形成された反射防止膜およびパッシベーション膜は絶縁体膜であるため、電気的接触をとることはできない。しかし、誘電体膜を形成したシリコン基板表面上に、ガラスフリットおよび金属粒子を含んだ電極ペーストをスクリーン印刷した後に高温で焼成することにより、電極材料が絶縁体膜を貫通して電気的接触を得る現象、いわゆるファイヤースルーが可能となる。そのため、電極との接触を得るために誘電体膜を部分的に窓開けしてシリコン基板表面を露出する工程は必ずしも必要とならなかった。
ところが、近年では太陽電池の高効率化を実現するために、基板の全面ではなく基板表面の一部分に不純物の拡散を行なう必要性が高まってきている。たとえば、太陽電池の受光面側の電極直下の領域に高濃度の不純物拡散を行なうことによって、シリコン基板表面の不純物拡散層と電極材料との電気的接触性を高め、それ以外の領域では低純度の不純物拡散を行ない、短波長光の感度の改善を狙う「選択エミッタ構造」が挙げられる。その他にも太陽電池の裏面側のみにP型およびN型の不純物拡散領域を交互に設ける「櫛形裏面コンタクト構造」が挙げられる。さらに、電極材料やプロセス温度の都合により誘電体膜へのファイヤースルーが使用できない場合には、拡散防止膜または反射防止膜またはパッシベーション膜である誘電体膜を部分的にパターニングする必要が生じる。
ここで、誘電体膜を部分的にパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング方法が挙げられる。しかしながら、拡散防止膜のパターニング、反射防止膜のパターニング、パッシベーション膜のパターニングを全てフォトリソグラフィ技術で行なった場合、デバイス一個当たりの製造時間が著しく増加し、製造コストが高くなるという問題があった。
そこで、酸化シリコンおよび窒化シリコンをエッチングするための、印刷可能なペースト状のエッチング媒体として、特許文献1に示されるようなエッチングペーストが開発された。エッチングペーストは、エッチング成分、溶媒、増粘剤および、その他の添加剤を含有し、スクリーン印刷やパッド印刷などの印刷技術を用いて、誘電体膜を製膜したシリコン基板表面に印刷した後に、必要に応じて熱処理を加えることにより誘電体膜をエッチングしてパターニングを形成することを可能とするものである。このエッチングペーストを利用することにより、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を短時間に低コストでパターニングすることが可能となった。
特表2003−531807号公報
しかしながら、シリコン基板表面上に製膜した誘電体膜を、エッチングペーストを用いてパターニングを行なう場合、印刷したエッチングペーストに含まれるエッチング成分の量が有限であるため、一度の印刷およびその後の熱処理でエッチングできる誘電体膜の厚さには限界がある。たとえば、APCVD(Atmosphere Pressure Chemical Vapor Deposition)で形成した酸化シリコン膜を、エッチング成分としてリン酸を含むエッチングペーストでパターニングする場合、一度の処理では250nm程度の厚さまでしかエッチングすることはできない。それ以上の厚さの酸化シリコン膜をエッチングするためには、一度エッチングした領域へ再度エッチングペーストを印刷する必要が生じる。この場合、精密なアライメント技術が必要となり、かつ、生産工程も増加するため生産コストが大きくなってしまう問題が生じる。
また、エッチング後のエッチングペーストの残渣も問題となる。上述のように、エッチングペーストは、成分として増粘剤やその他の添加剤を含有するため、印刷後に300℃程度の熱処理を加えても燃焼しきらず残渣として残り、シリコン基板表面に密着してしまう。この残渣は流水洗浄で除去することは困難であるため、残渣の除去を行なうためには、さらに複雑なプロセスが必要となり、生産コストの増加に繋がってしまう。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、その目的は、一度のエッチングペーストによる処理ではエッチングできない程度の厚さを有する誘電体膜を、エッチングペーストを用いた簡単な処理でエッチングしてパターニングを形成できるとともに、エッチングペーストの熱処理後に発生する残渣を低減もしくは完全に除去できる誘電体膜のパターニング方法を提供することである。
本発明は、シリコン基板上に、第1の誘電体膜を形成する工程と、該第1の誘電体膜上に、第2の誘電体膜を形成する工程と、エッチングペーストを用いて、第2の誘電体膜を部分的にエッチングすることにより、第1の誘電体膜を部分的に露出させる工程と、露出した第1の誘電体膜を、エッチング液を用いてエッチングする工程と、を含む誘電体膜のパターニング方法を提供する。
ここで、上記第1の誘電体膜は主に酸化シリコンからなり、上記第2の誘電体膜は主に窒化シリコンからなることが好ましい。この場合、上記エッチング液は、酸化シリコンに対するエッチング速度が、窒化シリコンに対するエッチング速度より高いエッチング液であることが好ましい。このようなエッチング液としては、フッ酸を含むエッチング液を挙げることができる。
また、上記第1の誘電体膜は主に窒化シリコンからなり、前記第2の誘電体膜は主に酸化シリコンからなることも好ましい。この場合、上記エッチング液は、窒化シリコンに対するエッチング速度が、酸化シリコンに対するエッチング速度より高いエッチング液であることが好ましい。このようなエッチング液としては、リン酸を含むエッチング液を挙げることができる。
本発明によれば、一度のエッチングペーストによる処理ではエッチングできないほど厚い誘電体膜をパターニングする場合であっても、再度同じ領域にエッチングペーストを印刷することなく、簡易な方法でエッチングしパターニングを行なうことができる。また、第2の誘電体膜をエッチングペーストでエッチングした後、第1の誘電体膜上にエッチングペーストの残渣が残留し得るが、露出した第1の誘電体膜をエッチングする工程において当該残渣も同時にエッチングできるため、エッチングペースト由来の残渣を低減もしくは完全に除去することが可能である。
以下、図1を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る誘電体膜のパターニング方法の好ましい一例を示す概略工程図である。本発明においては、まず、シリコン基板101の表面上に、第1の誘電体膜102を形成する(図1(a))。第1の誘電体膜102としては、主に酸化シリコンからなる酸化シリコン膜であるか、または主に窒化シリコンからなる窒化シリコン膜であることが好ましい。酸化シリコン膜、窒化シリコン膜は、それぞれ酸化シリコン、窒化シリコンを大部分に含むことがより好ましいが、不純物を含有していてもよい。また、酸化シリコン膜は、CVD、PVD、スピンコート、熱酸化などによって形成される酸化シリコン膜であることが好ましく、窒化シリコン膜は、CVD、PVDなどによって形成される窒化シリコン膜が望ましい。
ここで、パターニングされることなる第1の誘電体膜102の厚みは、特に制限されず、本発明の方法によれば、250nmを超える、一度のエッチングペーストによる処理ではエッチングできない程度の厚さであっても、簡便な方法によりエッチングすることができる。
次に、図1(b)に示されるように、第1の誘電体膜102の表面に第2の誘電体膜103を形成する。第1の誘電体膜102が酸化シリコン膜である場合は、第2の誘電体膜103は窒化シリコン膜となり、第1の誘電体膜102が窒化シリコン膜である場合は、第2の誘電体膜103は酸化シリコン膜となる。上記と同様に、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜は、それぞれ酸化シリコン、窒化シリコンを大部分に含むことがより好ましいが、不純物を含有していてもよい。また、酸化シリコン膜は、CVD、PVD、スピンコート、熱酸化などによって形成される酸化シリコン膜であることが好ましく、窒化シリコン膜は、CVD、PVDなどによって形成される窒化シリコン膜が望ましい。
第2の誘電体膜の厚みは、一度のエッチングペーストによる処理でエッチングできる程度の厚みであることが好ましい。具体的には、500nm以下とすることが好ましく、250nm以下とすることがより好ましい。
次に、図1(c)に示されるように、所望するパターニング形状に合わせて、第2の誘電体膜103の上に、エッチングペースト104を、たとえばスクリーン印刷法などによって印刷する。ここで、エッチングペースト104としては、従来公知のものを採用することができるが、エッチング成分としてリン酸を含み、エッチング成分以外の成分として水、有機溶媒および増粘剤を含むものを好ましく用いることができる。有機溶媒としては、たとえば、エチレングリコールなどのアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル、プロピレンカーボネートなどのエステルまたはN−メチル−2−ピロリドンなどのケトンなどの少なくとも1種を用いることができる。また、上記以外の有機溶媒も用いることができるが、特に沸点が200℃程度であり、印刷時にエッチングペースト104の粘度変化が起こりにくいものを選択することが好ましい。増粘剤としては、たとえばセルロース、エチルセルロース、セルロース誘導体、ナイロン6などのポリアミド樹脂またはポリビニルピロリドンなどのビニル基が重合したポリマーなどの少なくとも1種を用いることができる。
次いで、エッチングペースト104が印刷されたシリコン基板101を加熱処理することにより、図1(d)に示すように、第2の誘電体膜103のうちエッチングペースト104が印刷された部分をエッチングして除去し、第1の誘電体膜102の表面の一部を露出させる。この際、図1(d)に示すように、エッチングペースト104由来の残渣105が、露出した第1の誘電体膜102の表面上に残るのが通常である。
ここで、加熱処理における加熱温度は、400℃以下であることが好ましい。加熱温度が400℃を超える場合には、エッチングペースト104が焦げ付いて完全に除去できなくなるおそれがある。また、第2の誘電体膜103が酸化シリコン膜である場合、加熱処理における加熱温度は300℃以上であることが好ましい。加熱温度が300℃未満である場合には、エッチングが不十分となってしまう傾向にある。第2の誘電体膜103が窒化シリコン膜である場合、加熱温度は200℃以上であることが好ましい。加熱温度が200℃未満である場合には、同様にエッチングが不十分となってしまう傾向にある。
また、加熱処理における処理時間は、30秒以上180秒以下であることが好ましい。加熱処理における処理時間が30秒未満である場合には、加熱温度が高い場合でも十分にエッチングできない部分が生じるおそれがある。また、長時間の加熱を行なうと、エッチングペースト104が変性して加熱後の除去が難しくなるため、加熱処理における処理時間は180秒を超えない範囲で行なうことが好ましい。
なお、常圧CVDで製膜した酸化シリコン膜上に、エッチングペースト104を印刷した後に、300℃で加熱処理したときのエッチングレートは150nm/分程度であり、プラズマCVDで製膜した窒化シリコン膜上に、エッチングペースト3を印刷した後に、300℃で加熱処理したときのエッチングレートは240nm/分程度であった。エッチングペースト104としてエッチング成分がリン酸であるエッチングペーストを用いると、常温では反応しにくく、加熱時においてもリン酸が気化しにくいため、印刷箇所以外の箇所をオーバーエッチングしにくい傾向にあり、フォトリソグラフィ工程を利用して行なったエッチングに近い、精細かつ高アスペクト比のエッチングが可能となる。
加熱処理の方法は特に限定されず、たとえばホットプレート、ベルト炉またはオーブンを用いて加熱することにより行なうことができる。上記のようにエッチングペースト104としてエッチング成分がリン酸であるエッチングペーストを用いると、リン酸は気化しにくいことから、装置を腐食する心配が少なく、ベルト炉やオーブンの使用が可能となる。特に、ベルト炉またはオーブンによる加熱は、シリコン基板101の周縁部と中心部とで温度差が生じにくく、エッチングのばらつきを抑制することができる点で好ましい。
加熱処理後は、シリコン基板101を水中に浸し、超音波洗浄を行なった後、流水洗浄を行なうことによって、加熱処理後のエッチングペースト104由来の残渣105を除去してもよい。なお、流水洗浄に加え、RCA洗浄、硫酸と過酸化水素水の混合液による洗浄、希薄フッ化水素水溶液または界面活性剤を含む洗浄液を用いた洗浄を行なってもよい。かかる洗浄により大半の残渣は除去できるが、一部の残渣が残存することもある。
本工程において、エッチングペーストを用いてパターニングされた第2の誘電体膜103は、次工程における第1の誘電体膜102のエッチングにおけるマスクとして機能するものである。当該マスクは、たとえばフォトレジストによるパターニング方法と比較して、エッチングペーストを用いて容易に作製できる。したがって、本発明の方法によれば、シリコン基板上に部分的に誘電体膜が形成されたデバイスを製造するにあたり、製造工程および製造時間の短縮を図ることができる。
次に、シリコン基板101をエッチング液中に浸し、露出した第1の誘電体膜102、すなわち、第2の誘電体膜103がエッチングされた領域直下の第1の誘電体膜102を除去する(図1(e))。ここで、エッチング液は、第1の誘電体膜102に対するエッチング速度が、第2の誘電体膜103に対するエッチング速度よりも大きい性質を持つエッチング液であることが好ましく、当該エッチング速度の差はより大きいほど好ましい。具体的には、第1の誘電体膜102を酸化シリコン膜、第2の誘電体膜103を窒化シリコン膜とする場合、エッチング液は、フッ酸を含むことが望ましい。また、第1の誘電体膜102を窒化シリコン膜、第2の誘電体膜103を酸化シリコン膜とする場合、エッチング液はリン酸を含むことが望ましく、特には熱リン酸を含むことがより望ましい。
本工程により、第1の誘電体膜102上に残留したエッチングペースト104由来の残渣105は、第1の誘電体膜102のエッチングとともに低減または完全に除去される。本発明の方法によれば、第1の誘電体膜102に残留したエッチングペースト104の残渣105は、第1の誘電体膜102をエッチングすることにより除去されるため、超音波洗浄等の洗浄・除去操作を行なうことなく、当該残渣を容易に低減もしくは完全に除去することができる。
最後に、第2の誘電体膜103を除去する(図1(f)参照)。第2の誘電体膜103の除去は、たとえばシリコン基板101をエッチング液に浸し、エッチングすることにより行なうことができる。第2の誘電体膜103をエッチングするためのエッチング液は、第2の誘電体膜103に対するエッチング速度が、第1の誘電体膜102に対するエッチング速度よりも大きい性質を持つエッチング液であることが好ましく、当該エッチング速度の差はより大きいほど好ましい。具体的には、第1の誘電体膜102を酸化シリコン膜、第2の誘電体膜103を窒化シリコン膜とする場合、エッチング液はリン酸を含むことが望ましく、特には熱リン酸を含むことがより望ましい。また、第1の誘電体膜102を窒化シリコン膜、第2の誘電体膜103を酸化シリコン膜とする場合、エッチング液はフッ酸を含むことが望ましい。なお、上記図1(e)の段階で、所望の領域においてシリコン基板表面が露出した状態が得られることから、第2の誘電体膜103を除去する工程は省略されてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、N−メチル−2−ピロリドン、ナイロン6およびリン酸水溶液(リン酸の濃度は85質量%である)を、N−メチル−2−ピロリドン:ナイロン6:リン酸水溶液=4:3:3の質量比で混合して十分に攪拌することによって、リン酸をエッチング成分とするエッチングペーストを作製した。このエッチングペーストの粘度は25Pa・sであった。次に、幅125mm×長さ125mm×厚さ200μmのp型のシリコン多結晶基板を用意し、シリコン基板の片面に、厚さ500nmの酸化シリコン膜を形成した。その後、当該酸化シリコン膜の上に、厚さ80nmの窒化シリコン膜を形成した。そして、上記で作製したエッチングペーストをシリコン基板上の窒化シリコン膜の一部にスクリーン印刷法により印刷した。
続いて、上記のエッチングペーストが印刷されたシリコン基板を、ベルト炉内において300℃で60秒間加熱することによって加熱処理を行ない、シリコン基板上の窒化シリコン膜のうち、エッチングペーストが印刷されている箇所をエッチングした。加熱処理後、シリコン基板を水中に浸し、超音波を印加して超音波洗浄を5分間行なった後、シリコン基板の表面を流水で5分間流して流水洗浄を行なうことによって、加熱処理後のエッチングペーストの残渣を殆ど除去し、シリコン基板上の酸化シリコン膜の一部を露出させた。
続いて、シリコン基板を10質量%の濃度のフッ酸に2分間浸すことによって、露出した箇所の酸化シリコン膜を除去し、シリコン基板の一部を露出させた。最後に、シリコン基板を85質量%の濃度の熱リン酸(温度170℃)に20分間浸すことによって、窒化シリコン膜を除去した。
<実施例2>
まず、N−メチル−2−ピロリドン、ナイロン6およびリン酸水溶液(リン酸の濃度は85質量%である)を、N−メチル−2−ピロリドン:ナイロン6:リン酸水溶液=4:3:3の質量比で混合して十分に攪拌することによって、リン酸をエッチング成分とするエッチングペーストを作製した。このエッチングペーストの粘度は25Pa・sであった。次に、幅125mm×長さ125mm×厚さ200μmのp型のシリコン多結晶基板を用意し、シリコン基板の片面に、厚さ250nmの窒化シリコン膜を形成した。その後、当該窒化シリコン膜の上に、厚さ200nmの酸化シリコン膜を形成した。そして、上記で作製したエッチングペーストをシリコン基板上の酸化シリコン膜の一部にスクリーン印刷法により印刷した。
続いて、上記のエッチングペーストが印刷されたシリコン基板をベルト炉内において300℃で60秒間加熱することによって加熱処理を行ない、シリコン基板上の酸化シリコン膜のうち、エッチングペーストが印刷されている箇所をエッチングした。加熱処理後、シリコン基板を水中に浸し、超音波を印加して超音波洗浄を5分間行なった後、シリコン基板の表面を流水で5分間流して流水洗浄を行なうことによって、加熱処理後のエッチングペーストの残渣を殆ど除去し、シリコン基板上の窒化シリコン膜の一部を露出させた。
続いて、シリコン基板を85質量%の濃度の熱リン酸(温度170℃)に60分間浸すことによって、露出した箇所の窒化シリコン膜を除去し、シリコン基板の一部を露出させた。最後にシリコン基板を10量%の濃度のフッ酸に1分間浸すことによって、酸化シリコン膜を除去した。
<比較例1>
従来の誘電体膜のパターニングは、図2を参照して、たとえば次のとおりである。なお、本比較例は、誘電体膜の厚みが、一回のエッチングペーストの処理ではエッチングできない程度に厚い場合を想定している。まず、図2(a)に示すように、シリコン基板201の表面に酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等の誘電体膜202を形成する。次に、図2(b)に示されるように、誘電体膜202上に第1エッチングペースト203を、たとえばスクリーン印刷法などによって印刷する。次いで、第1エッチングペースト203印刷後のシリコン基板201を加熱処理することにより、図2(c)に示すように誘電体膜202のうちエッチングペースト203が印刷された部分の一部をエッチングして除去する。この際、エッチングペースト203由来の残渣204がエッチング表面上に残留する。
次に、図2(d)に示されるように、誘電体膜202の部分的にエッチングを行なった箇所へ、第2エッチングペースト205を印刷する。次に、第2エッチングペースト205の加熱処理を行なった後に、シリコン基板201の洗浄を行ない、第2エッチングペースト205の除去を行なう(図2(e)参照)。以上の工程により、誘電体膜202の残りの部分を除去し、シリコン基板201の表面を部分的に露出する開口部206を設けることができる。ただし、第2エッチングペースト205の焼成後の残渣207は除去しにくいため、洗浄後もシリコン基板201の開口部206内に残留する可能性が考えられる。
<比較例2>
誘電体膜である酸化シリコン膜の厚さ100nmとし、一回のエッチングペーストによりエッチングを行なったこと以外は比較例1と同様にして、誘電体膜のパターニングを行なった。エッチングペーストには、実施例1と同じ組成のものを用い、加熱時間および加熱温度は、実施例2と同様とした。
図3は、実施例1および比較例2のパターニングの結果を示す電子顕微鏡写真である。図3(a)が実施例1のものであり、図3(b)が比較例2のものである。これらの写真から、実施例1においては、酸化膜(酸化シリコン膜)の厚さは比較例2と比べて5倍であるにもかかわらず、両者のパターニング形状は同等であることがわかる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、厚い誘電体膜のパターニング方法を簡略化することによって、高い変換効率を示す選択エミッタ構造太陽電池や櫛形裏面コンタクト構造太陽電池を低コストで製造する方法を提供することができる。
本発明に係る誘電体膜のパターニング方法の好ましい一例を示す概略工程図である。 従来の誘電体膜のパターニング方法の一例を示す概略工程図である。 実施例1および比較例2のパターニングの結果を示す光学顕微鏡写真である。
符号の説明
101 シリコン基板、102 第1の誘電体膜、103 第2の誘電体膜、104 エッチングペースト、105 残渣。

Claims (7)

  1. シリコン基板上に、第1の誘電体膜を形成する工程と、
    前記第1の誘電体膜上に、第2の誘電体膜を形成する工程と、
    エッチングペーストを用いて、前記第2の誘電体膜を部分的にエッチングすることにより、前記第1の誘電体膜を部分的に露出させる工程と、
    前記露出した第1の誘電体膜を、エッチング液を用いてエッチングする工程と、
    を含む誘電体膜のパターニング方法。
  2. 前記第1の誘電体膜は主に酸化シリコンからなり、前記第2の誘電体膜は主に窒化シリコンからなる請求項1に記載の誘電体膜のパターニング方法。
  3. 前記エッチング液は、酸化シリコンに対するエッチング速度が、窒化シリコンに対するエッチング速度より高いエッチング液である請求項2に記載の誘電体膜のパターニング方法。
  4. 前記エッチング液は、フッ酸を含む請求項3に記載の誘電体膜のパターニング方法。
  5. 前記第1の誘電体膜は主に窒化シリコンからなり、前記第2の誘電体膜は主に酸化シリコンからなる請求項1に記載の誘電体膜のパターニング方法。
  6. 前記エッチング液は、窒化シリコンに対するエッチング速度が、酸化シリコンに対するエッチング速度より高いエッチング液である請求項5に記載の誘電体膜のパターニング方法。
  7. 前記エッチング液は、リン酸を含む請求項6に記載の誘電体膜のパターニング方法。
JP2007253612A 2007-09-28 2007-09-28 誘電体膜のパターニング方法 Expired - Fee Related JP4947654B2 (ja)

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