JP4827550B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池の製造方法に関し、特にキャリアのライフタイムの損失を抑制できるとともに高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域の精密なパターンニングを簡易に行なうことができる太陽電池の製造方法に関する。
近年、特に地球環境の保護の観点から、太陽光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池は次世代のエネルギ源としての期待が急激に高まっている。太陽電池の種類には、化合物半導体を用いたものや有機材料を用いたものなどの様々なものがあるが、現在、シリコン結晶を用いたものが主流となっている。そして、現在、最も多く製造および販売されている太陽電池においては、太陽光が入射する側の主面(受光面)にn電極が形成されており、受光面と反対側の主面(裏面)にp電極が形成されている。このような太陽電池の受光面に形成されているn電極は太陽光の入射により発生した電流を外部に取り出すために不可欠なものであるが、n電極の下方の部分には太陽光が入射しないためその部分には電流が発生しない。それゆえ、n電極の面積が大きくなると太陽電池の変換効率が低下してしまうという問題があった。このように、受光面側の電極による損失をシャドウロスという。
そこで、たとえば特許文献1には、太陽電池の受光面には電極を形成せず、裏面のみにn電極およびp電極を形成した裏面電極型の太陽電池が開示されている。この裏面電極型の太陽電池においては、受光面に形成された電極によって太陽光の入射が阻害されることがないため、原理的には高い変換効率を期待することができる。
図2に、従来の裏面電極型の太陽電池の模式的な断面図を示す。ここで、シリコン基板からなる半導体基板10の裏面には高濃度pドーピング領域12と高濃度nドーピング領域13とが交互に形成されている。そして、半導体基板10の受光面および裏面にはそれぞれパッシベーション膜11が形成されており、これによりキャリアの表面再結合が抑制されている。また、半導体基板10の裏面側のパッシベーション膜11の一部が除去されてコンタクトホール16、17が形成されており、コンタクトホール16、17を通して高濃度pドーピング領域12上にp電極14が、高濃度nドーピング領域13上にn電極15がそれぞれ形成されている。p電極14およびn電極15により電流を取り出すことができる。半導体基板10の受光面側のパッシベーション膜11は反射防止膜としての機能も兼ね備えている。図2からもわかるように、太陽電池の裏面にすべての電極が形成されているため、受光面において太陽光の入射が阻害されないため、原理的には太陽光を100%取り込むことができる。
この裏面電極型の太陽電池においては、高濃度pドーピング領域12と高濃度nドーピング領域13とが交互に精密にパターニングされている。この裏面電極型の太陽電池の製造プロセスを以下に説明する。
まず、半導体基板10の受光面および裏面のそれぞれにシリコン酸化膜を形成した後にシリコン窒化膜を形成してパッシベーション膜11を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術を用いて半導体基板10の裏面のパッシベーション膜11の一部を除去してコンタクトホール17を形成した後、n型ドーパントを含むガラス層をCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて半導体基板10の裏面側の全面に堆積させる。
続いて、高濃度pドーピング領域12が形成される部分に対応するガラス層の部分を除去した後、フォトリソグラフィ技術を用いてその部分のパッシベーション膜11の一部を除去してコンタクトホール16を形成し、その後、p型ドーパントを含むガラス層をCVD法を用いて半導体基板10の裏面側の全面に堆積させる。
次いで、このようにガラス層が堆積された半導体基板10を900℃に加熱することによって、半導体基板10の裏面に高濃度pドーピング領域12および高濃度nドーピング領域13が形成される。その後、半導体基板10の裏面側に堆積されているガラス層をすべて除去し、水素雰囲気下で900℃以上の高温で半導体基板10を熱処理する。これにより、半導体基板10と半導体基板10の裏面のパッシベーション膜11のシリコン酸化膜との界面が水素化処理される。そして、高濃度pドーピング領域12上および高濃度nドーピング領域13上に残留しているガラス層を除去した後に、スパッタリング法により半導体基板10の裏面側にアルミニウム膜を堆積する。このアルミニウム膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターンニングすることによってp電極14およびn電極15がそれぞれ形成される。
米国特許第4927770号明細書 特表2003−531807号公報 特表2002−539615号公報
しかしながら、裏面電極型の太陽電池は、当初、集光型の太陽電池として開発されたものであり、その製造には複雑なフォトリソグラフィ技術、高品位のドーピング技術およびパッシベーション技術が用いられていた。したがって、その製造コストが非常に高くなり、一般的に地上で用いられる住宅用の太陽電池には適していなかった。
そこで、このような裏面電極型の太陽電池の製造コストを低下するためには、太陽電池の製造プロセスを簡略化することが必要となる。そのためには、複雑なフォトリソグラフィ技術を用いることなく高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域を精密にパターンニングすることが望ましい。
現在、高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域の精密なパターンニングを簡易に行なうためにスクリーン印刷を用いた手法が開発されている。
このスクリーン印刷を用いた手法としては、以下の(1)〜(3)の手法が挙げられる。
(1)p型ドーパントを含んだドーパントペーストおよびn型ドーパントを含んだドーパントペーストをそれぞれシリコン基板の裏面にスクリーン印刷することによって直接パターンニングする手法。
(2)シリコン基板の裏面に形成された拡散制御膜やパッシベーション膜にエッチングペーストをスクリーン印刷し、印刷されたエッチングペーストを加熱して、エッチングペーストの印刷箇所をエッチングすることによってパターンニングを行なう手法(たとえば、特許文献2参照)。
(3)シリコン基板の裏面にマスキングペーストをスクリーン印刷することによってシリコン基板の裏面に直接的に拡散マスク機能を有する膜を形成する手法(たとえば、特許文献3参照)。
しかしながら、(1)の手法においては、p型ドーパントおよび/またはn型ドーパントが印刷領域とは異なる領域に拡散されてしまうために精密なパターンニングが困難であるという問題があった。また、(2)の手法においては、エッチングペーストの印刷量および加熱温度などによってエッチングペーストの印刷形状が変化して精密なパターンニングが困難になるという問題があった。さらに、(3)の手法においては、シリコン基板の裏面に直接マスキングペーストが印刷されるために、その後の熱処理工程において、マスキングペーストから不純物がシリコン基板に拡散してキャリアのライフタイムが損なわれるという問題があった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、キャリアのライフタイムの損失を抑制できるとともに高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域の精密なパターンニングを簡易に行なうことができる太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明は、半導体基板の主面に誘電体膜を形成する工程と、誘電体膜上に酸化チタン前駆体を含むマスキングペーストを開口部を有するようにスクリーン印刷する工程と、マスキングペーストを加熱して酸化チタン膜を形成する工程と、酸化チタン膜から露出している誘電体膜の部分をエッチングして半導体基板の主面の一部を露出させる工程と、酸化チタン膜から露出している主面の一部に不純物ドーピング領域を形成する工程と、を含む、太陽電池の製造方法である。なお、本発明において、スクリーン印刷は従来から公知の方法が用いられる。
ここで、本発明の太陽電池の製造方法において、誘電体膜は、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜であり得る。
また、本発明の太陽電池の製造方法において、マスキングペーストは、少なくとも溶剤および増粘剤を含み得る。
また、本発明の太陽電池の製造方法において、マスキングペースト中における、酸化チタン前駆体の量から換算した酸化チタン濃度が、マスキングペーストの0.5質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の太陽電池の製造方法において、酸化チタン前駆体は、R’nTi(OR)4-nの一般式で表わされる化合物であってもよい。なお、この一般式において、R’はメチル、エチルまたはフェニルを示し、Rはメチル、エチル、ノルマルプロピルまたはイソプロピルを示し、nは0、1または2のいずれかの実数を示す。
また、本発明の太陽電池の製造方法において、酸化チタン前駆体は、Ti(OH)4、TiCl4、TiF4およびTiOSO4からなる群から選択された少なくとも1種であり得る。
また、本発明の太陽電池の製造方法において、マスキングペーストは、酸化チタン前駆体の安定化剤を含んでいてもよい。なお、この安定化剤は少なくとも1種のジケトン化合物であり得る。
また、本発明の太陽電池の製造方法において、誘電体膜は、フッ化水素水溶液またはリン酸水溶液によってエッチングされ得る。
また、本発明の太陽電池の製造方法において、マスキングペーストの加熱温度は500℃以上1000℃以下とすることが好ましい。また、本発明は、半導体基板の主面に第1の誘電体膜を形成する工程と、第1の誘電体膜上に酸化チタン前駆体を含む第1のマスキングペーストを第1の開口部を有するようにスクリーン印刷する工程と、第1のマスキングペーストを加熱して第1の酸化チタン膜を形成する工程と、第1の酸化チタン膜から露出している第1の誘電体膜の部分をエッチングして半導体基板の主面の一部を露出させる工程と、第1の酸化チタン膜から露出している主面の一部に第1導電型不純物ドーピング領域を形成する工程と、半導体基板の主面に第2の誘電体膜を形成する工程と、第2の誘電体膜上に酸化チタン前駆体を含む第2のマスキングペーストを第1の開口部とは異なる位置に第2の開口部を有するようにスクリーン印刷する工程と、第2のマスキングペーストを加熱して第2の酸化チタン膜を形成する工程と、第2の酸化チタン膜から露出している第2の誘電体膜の部分をエッチングして半導体基板の主面の一部を露出させる工程と、第2の酸化チタン膜から露出している主面の一部に第2導電型不純物ドーピング領域を形成する工程と、を含む、太陽電池の製造方法である。ここで、太陽電池の製造方法においては、第1の誘電体膜および第2の誘電体膜の少なくとも一方が、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜であることが好ましい。また、太陽電池の製造方法においては、第1のマスキングペーストおよび第2のマスキングペーストの少なくとも一方が、少なくとも溶剤および増粘剤を含むことが好ましい。また、太陽電池の製造方法においては、第1のマスキングペーストおよび第2のマスキングペーストの少なくとも一方における酸化チタン前駆体の量から換算した酸化チタン濃度が0.5質量%以上3質量%以下であることが好ましい。また、太陽電池の製造方法において、酸化チタン前駆体は、R’ n Ti(OR) 4-n の一般式で表わされる化合物であり、一般式において、R’はメチル、エチルまたはフェニルを示し、Rはメチル、エチル、ノルマルプロピルまたはイソプロピルを示し、nは0、1または2のいずれかの実数を示すことが好ましい。また、太陽電池の製造方法において、酸化チタン前駆体は、Ti(OH) 4 、TiCl 4 、TiF 4 およびTiOSO 4 からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。また、太陽電池の製造方法において、第1のマスキングペーストおよび第2のマスキングペーストの少なくとも一方は酸化チタン前駆体の安定化剤を含み、安定化剤は少なくとも1種のジケトン化合物であることが好ましい。また、太陽電池の製造方法において、第1の誘電体膜および第2の誘電体膜の少なくとも一方は、フッ化水素水溶液またはリン酸水溶液によってエッチングされることが好ましい。また、太陽電池の製造方法において、第1のマスキングペーストおよび第2のマスキングペーストの少なくとも一方の加熱温度が500℃以上1000℃以下であることが好ましい。
本発明によれば、キャリアのライフタイムの損失を抑制できるとともに高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域の精密なパターンニングを簡易に行なうことができる太陽電池の製造方法を提供することができる。これにより、低コストで高性能な太陽電池の製造が可能となる。
以下、本発明の太陽電池の製造方法の好ましい一例について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
まず、図1(a)の模式的断面図に示すように、たとえば単結晶または多結晶のシリコン基板からなる半導体基板10の両方の主面上に、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜からなる誘電体膜20を形成する。
次に、図1(b)の模式的断面図に示すように、半導体基板10の一方の主面上に形成された誘電体膜20の表面の全面に酸化チタン前駆体を含むマスキングペースト21をスクリーン印刷し、たとえばオーブンを用いて300℃程度の温度で数十分間乾燥させる。
続いて、図1(c)の模式的断面図に示すように、半導体基板10の他方の主面上に形成された誘電体膜20の表面に酸化チタン前駆体を含むマスキングペースト21をスクリーン印刷し、たとえばオーブンを用いて300℃程度の温度で数十分間乾燥させる。ここで、マスキングペースト21は、後述する高濃度pドーピング領域の形成領域に対応する領域に開口部を設けてスクリーン印刷される。
次いで、図1(d)の模式的断面図に示すように、半導体基板10をたとえば500℃以上1000℃以下の温度でたとえば10分間以上60分間以下加熱することによってマスキングペースト21に含まれる溶剤および増粘剤などを完全に燃焼させる。これにより、マスキングペースト21に含まれる酸化チタン前駆体から酸化チタンが生成してエッチングマスクとなる酸化チタン膜22が形成される。なお、酸化チタン膜22は焼結されることによって、酸化チタン膜22を構成する酸化チタン粒子同士の結合が強化され得る。
次に、酸化チタン膜22から露出している誘電体膜20の部分をエッチングすることにより、図1(e)の模式的断面図に示すように、半導体基板10の主面の一部を露出させる。ここで、誘電体膜20が酸化シリコン膜からなる場合には、たとえば、フッ化水素の濃度が3質量%程度のフッ化水素水溶液に半導体基板10を2分間以上10分間以下浸漬させることにより、誘電体膜20をエッチングする。また、誘電体膜20が窒化シリコン膜からなる場合には、たとえば、リン酸の濃度が略95質量%で150℃以上180℃以下の温度のリン酸水溶液に半導体基板10を1時間以上2時間以下浸漬させることにより、誘電体膜20をエッチングする。なお、酸化チタン膜22に覆われている誘電体膜20はエッチングされずに残っている。
そして、図1(f)の模式的断面図に示すように、露出した半導体基板10の主面にp型ドーパント31を拡散させることによって、半導体基板10に高濃度pドーピング領域12を形成する。ここで、p型ドーパント31の拡散方法としては、たとえば気相拡散法またはイオンインプランテーション法などを用いることができる。なお、ここでは、酸化チタン膜22を形成した状態で高濃度pドーピング領域12を形成しているが、酸化チタン膜22を除去した状態で高濃度pドーピング領域12を形成することもできる。
その後、たとえば、フッ化水素の濃度が50質量%程度のフッ化水素水溶液に半導体基板10を1時間程度浸漬させることにより、半導体基板10の主面に形成された誘電体膜20および酸化チタン膜22をエッチングして除去する。
そして、図1(g)の模式的断面図に示すように、上記と同様にして、半導体基板10の両方の主面上に誘電体膜20を形成した後に、誘電体膜20の表面に酸化チタン前駆体を含むマスキングペースト21がスクリーン印刷される。ここで、マスキングペースト21は、半導体基板10の高濃度pドーピング領域12が形成されていない側の主面上の誘電体膜20にはその全面にスクリーン印刷されるが、半導体基板10の高濃度pドーピング領域12が形成されている側の主面上の誘電体膜20には後述する高濃度nドーピング領域の形成領域に対応する領域(高濃度pドーピング領域12の形成領域に対応する領域以外の領域)に開口部を設けてスクリーン印刷される。
その後、図1(h)の模式的断面図に示すように、上記と同様にして、半導体基板10を加熱することによってマスキングペースト21に含まれる酸化チタン前駆体から酸化チタン膜22を形成した後に、酸化チタン膜22から露出している誘電体膜20の部分をエッチングすることにより半導体基板10の主面の一部を露出させる。
次いで、図1(i)の模式的断面図に示すように、露出した半導体基板10の主面にn型ドーパント32を拡散させることによって、半導体基板10に高濃度nドーピング領域13を形成する。ここで、n型ドーパント32の拡散方法としては、たとえば気相拡散法またはイオンインプランテーション法などを用いることができる。また、ここでは、酸化チタン膜22を形成した状態で高濃度nドーピング領域13を形成しているが、酸化チタン膜22を除去した状態で高濃度nドーピング領域13を形成することもできる。
その後、たとえば、フッ化水素の濃度が50質量%程度のフッ化水素水溶液に半導体基板10を1時間程度浸漬させることにより、半導体基板10の主面に形成された誘電体膜20および酸化チタン膜22をエッチングして除去する。
そして、半導体基板10に高濃度pドーピング領域12および高濃度nドーピング領域13を形成した後、図1(j)の模式的断面図に示すように、高濃度pドーピング領域12および高濃度nドーピング領域13が形成されていない側の半導体基板10の主面にテクスチャエッチング面18を形成し、その後、半導体基板10の両方の主面上にたとえば窒化シリコン膜からなるパッシベーション膜11を形成する。ここで、テクスチャエッチング面18は、たとえば、半導体基板10を75℃以上85℃以下の温度に保持し、界面活性剤としてイソプロピルアルコールを水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液に対して1質量%以上10質量%以下添加した、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの濃度が1質量%以上10質量%以下の水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液に10分間以上60分間以下浸漬することなどによって形成することができる。また、パッシベーション膜11は、従来から公知のPECVD(Plasma Enhancement Chemical Vapor Deposition)法などによって形成することができる。
次いで、図1(k)の模式的断面図に示すように、テクスチャエッチング面18が形成された側の半導体基板10の主面上のパッシベーション膜11の全面に酸化チタン前駆体を含むマスキングペースト21をスクリーン印刷するとともに、テクスチャエッチング面18が形成されていない側の半導体基板10の主面上のパッシベーション膜11の表面には高濃度pドーピング領域12および高濃度nドーピング領域13のそれぞれの形成領域に対応する領域の一部に開口部を設けて酸化チタン前駆体を含むマスキングペースト21をスクリーン印刷する。
そして、図1(l)の模式的断面図に示すように、たとえば上記と同様にして、半導体基板10を加熱することによってマスキングペースト21に含まれる酸化チタン前駆体から酸化チタン膜22を形成した後に、酸化チタン膜22から露出しているパッシベーション膜11の部分をエッチングすることにより高濃度pドーピング領域12の一部および高濃度nドーピング領域13の一部をそれぞれ露出させて、コンタクトホール16、17を形成する。
そして、たとえば上記と同様にして酸化チタン膜22のみを除去し、その後、図1(m)の模式的断面図に示すように、高濃度pドーピング領域12上にp電極14を形成するとともに高濃度nドーピング領域13上にn電極15を形成することによって、裏面電極型の太陽電池が得られる。
上記において、酸化チタン前駆体を含むマスキングペースト21としては、少なくとも溶剤および増粘剤を含むものを用いることができる。また、マスキングペースト21は、酸化チタン前駆体の安定化剤を含んでいてもよい。
ここで、酸化チタン前駆体としては、たとえばTPT(テトライソプロポキシチタン)のようなR’nTi(OR)4-nの一般式で表わされる化合物を用いることができる。なお、上記の一般式において、R’はメチル、エチルまたはフェニルを示し、Rはメチル、エチル、ノルマルプロピルまたはイソプロピルを示し、nは0、1または2のいずれかの実数を示している。また、酸化チタン前駆体としては、Ti(OH)4、TiCl4、TiF4およびTiOSO4からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
また、マスキングペースト21に含まれる溶剤の例として、エチレングリコール、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、セロソルブアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールアセテート、トリエチルグリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、液体ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−ブトキシエトキシプロパノール、ジプロピルグリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジアール、1,5−ペンタンジアール、ヘキシレングリコール、グリセリン、グリセリルアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリルトリアセテート、トリメチロールプロピン、1,2,6−ヘキサントリオールが挙げられ、さらに、上記の溶剤の親水性誘導体である親水性多価アルコールが挙げられる。さらにその他の例として、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、そしてジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの親水性エーテル、メチラール、ジエチルアセタール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、あるいはギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチルなどの親水性エステルが挙げられる。さらに、上記の溶剤の混合物などもマスキングペースト21に含まれる溶剤として用いることができる。
また、マスキングペースト21に含まれる増粘剤としては、たとえば、様々な品質および特性のベントナイト、様々な極性溶剤混合物用の一般に無機のレオロジー添加剤、ニトロセルロース若しくはその他のセルロース化合物、デンプン、ゼラチン、アルギン酸、高分散性非晶質ケイ酸(Aerosil(登録商標))、ポリビニルブチラール(Mowital(登録商標))、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(vivistar)、熱可塑性ポリアミド樹脂(Eurelon(登録商標))、有機ヒマシ油誘導体(Thixin R(登録商標))、ジアミド・ワックス(Thixatrol plus(登録商標))、膨潤ポリアクリル酸塩(Rheolate(登録商標))、ポリエーテル尿素−ポリウレタンまたはポリエーテル−ポリオールなどの少なくとも1種を用いることができる。
また、マスキングペースト21に含まれる酸化チタン前駆体の安定化剤としては、たとえば、アセチルアセトンまたはジフェニルジケトンなどのケトン基を2つ含有する化合物であるジケトン化合物などを用いることができる。
また、マスキングペースト21中における、酸化チタン前駆体の量から換算した酸化チタン濃度が、マスキングペースト21の0.5質量%以上3質量%以下であることが好ましい。この場合には、上記の酸化チタン濃度がマスキングペースト21の0.5質量%未満である場合には形成される酸化チタン膜22が薄くなってしまうために十分なエッチングマスク機能を発揮することができないおそれがあり、3質量%よりも多い場合には形成される酸化チタン膜22の表面がひび割れてしまうため十分なエッチングマスク機能を発揮することができず、下地の誘電体膜20またはパッシベーション膜11までがエッチングされてしまうおそれがあるためである。
本発明においては、上記の構成のマスキングペースト21を半導体基板10の主面上に形成された誘電体膜20上にスクリーン印刷し、その後マスキングペースト21を加熱することによって、誘電体膜20上に酸化チタン膜22が形成される。このように本発明においては、マスキングペースト21が半導体基板10の主面上に直接スクリーン印刷されるのではなく、誘電体膜20上にスクリーン印刷されるために、マスキングペースト21からの半導体基板10への不純物の侵入を上記の(3)の手法と比べて抑制することができる。したがって、本発明においては、上記の(3)の手法と比べて、キャリアのライフタイムの損失を抑制することができる。また、本発明においては、マスキングペースト21をスクリーン印刷することにより、高濃度pドーピング領域12の形成領域および高濃度nドーピング領域13の形成領域のそれぞれについて精密なパターンニングを簡易に行なうことができるために、低コストで高性能な太陽電池の製造が可能となる。
また、本発明において、マスキングペースト21の加熱温度は500℃以上1000℃以下であることが好ましい。マスキングペースト21の加熱温度が500℃未満である場合には形成される酸化チタン膜22が緻密な膜にならないため十分なエッチングマスク機能を発揮することができず、下地の誘電体膜20またはパッシベーション膜11までがエッチングされてしまうおそれがあり、1000℃よりも高い場合にはマスキングペースト21に含まれる不純物が誘電体膜20またはパッシベーション膜11を貫通して半導体基板10の内部に拡散され、半導体基板10のキャリアのライフタイムを低下させてしまうおそれがあるためである。
(実施例1)
まず、ガラス瓶に、酸化チタン前駆体としてTPT(テトライソプロポキシチタン)を2gおよび酸化チタン前駆体の安定化剤としてアセチルアセトンを0.7g入れ、10分間よく攪拌した。次に、攪拌後のガラス瓶に、溶剤としてブチルセロソルブを50g入れてよく攪拌した。そして、最後に、ガラス瓶に、増粘剤としてのエチルセルロースを7.0g入れて十分に攪拌して、酸化チタン前駆体を含むマスキングペーストを作製した。
また、シリコン基板の両方の主面上に、誘電体膜として厚さ200nm程度の酸化シリコン膜をAPCVD(Atmosphere Pressure Chemical Vapor Deposition;常圧化学気相成長)法により形成した。
そして、上記のマスキングペーストをシリコン基板の一方の主面上に形成された酸化シリコン膜の表面の全面にスクリーン印刷し、オーブンを用いて300℃程度の温度で20分間乾燥させた。
次いで、シリコン基板の他方の主面上に形成された酸化シリコン膜の表面に1.5mm間隔で0.75mm幅の帯状の開口部を設けるように、10μmの厚さで上記のマスキングペーストをスクリーン印刷した。そして、オーブンを用いて、300℃程度の温度で20分間乾燥させた。その後、シリコン基板を700℃で60分間加熱することによって、シリコン基板の両方の主面上のそれぞれの酸化シリコン膜上に拡散マスク機能およびエッチングマスク機能を有する酸化チタン膜を形成した。
続いて、フッ化水素の濃度が3質量%のフッ化水素水溶液中に5分間シリコン基板を浸漬させることにより、上記の開口部から露出している酸化シリコン膜の部分をエッチングにより除去してシリコン基板の主面の一部を露出させた。
そして、シリコン基板を1000℃の温度雰囲気で30分間、p型ドーパントを熱拡散法によって拡散させることにより、露出しているシリコン基板の主面に高濃度pドーピング領域を形成した。その後、フッ化水素の濃度が50質量%のフッ化水素水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬させることにより、シリコン基板の両方の主面上に形成されている酸化シリコン膜および酸化チタン膜を除去した。
次いで、シリコン基板の両方の主面上に誘電体膜として厚さ200nm程度の酸化シリコン膜をAPCVD法により形成した。そして、上記のマスキングペーストをシリコン基板の高濃度pドーピング領域が形成されていない側の主面上に形成された酸化シリコン膜の表面の全面にスクリーン印刷し、オーブンを用いて300℃程度の温度で20分間乾燥させた。
続いて、シリコン基板の高濃度pドーピング領域が形成されている側の主面上に形成された酸化シリコン膜の表面に、上記の高濃度pドーピング領域の形成領域に対応する領域と重複しないように1.5mm間隔で0.75mm幅の帯状の開口部を設けるようにして10μmの厚さで上記のマスキングペーストをスクリーン印刷した。そして、オーブンを用いて、300℃程度の温度で20分間乾燥させた。その後、シリコン基板を700℃で60分間加熱することによって、シリコン基板の両方の主面上のそれぞれの酸化シリコン膜上に拡散マスク機能およびエッチングマスク機能を有する酸化チタン膜を形成した。
そして、フッ化水素の濃度が3質量%のフッ化水素水溶液中に5分間シリコン基板を浸漬させることにより、上記の開口部から露出している酸化シリコン膜をエッチングにより除去してシリコン基板の主面の一部を露出させた。
その後、シリコン基板を1000℃の温度雰囲気で30分間、n型ドーパントを熱拡散法によって拡散させることにより、露出しているシリコン基板の主面に高濃度nドーピング領域を形成した。そして、フッ化水素の濃度が50質量%のフッ化水素水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬させることにより、シリコン基板の両方の主面上に形成されている酸化シリコン膜および酸化チタン膜を除去した。
次に、シリコン基板を80℃に保持し、界面活性剤としてイソプロピルアルコールを水酸化カリウム水溶液に対して6質量%添加した水酸化カリウムの濃度が30質量%の水酸化カリウム水溶液にシリコン基板を40分間浸漬させることによって、高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域が形成されていない側のシリコン基板の主面にテクスチャエッチング面を形成した。
続いて、シリコン基板の両方の主面にPECVD法によってパッシベーション膜として窒化シリコン膜を形成した。その後、テクスチャエッチング面が形成された側のシリコン基板の主面上の窒化シリコン膜の全面に上記のマスキングペーストをスクリーン印刷するとともに、テクスチャエッチング面が形成されていない側のシリコン基板の主面上の窒化シリコン膜の表面には高濃度pドーピング領域の形成領域に対応する領域の一部および高濃度nドーピング領域の形成領域に対応する領域の一部のそれぞれに開口部を設けて上記のマスキングペーストをスクリーン印刷した。そして、オーブンを用いて、300℃程度の温度で20分間乾燥させた後、シリコン基板を700℃で60分間加熱することによって、シリコン基板の両方の主面上のそれぞれの窒化シリコン膜上に酸化チタン膜を形成した。
そして、リン酸の濃度が95質量%で170℃のリン酸水溶液中にシリコン基板を2時間浸漬することによって、上記の開口部から露出している窒化シリコン膜をエッチングしてコンタクトホールを形成し、シリコン基板の主面に形成されている高濃度pドーピング領域の一部および高濃度nドーピング領域の一部をそれぞれ露出させた。
その後、硫酸の濃度が95質量%で200℃の硫酸水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬することによって酸化チタン膜を除去した後に、高濃度pドーピング領域上にp電極を形成するとともに高濃度nドーピング領域上にn電極を形成することによって、裏面電極型の太陽電池を作製した。
(実施例2)
酸化チタン前駆体を含むマスキングペーストを以下のようにして作製したこと以外は実施例1と同様にして裏面電極型の太陽電池を作製した。
ここで、実施例2におけるマスキングペーストは、ガラス瓶に、酸化チタン前駆体としてTPT(テトライソプロポキシチタン)を2gおよび溶剤としてブチルセロソルブを50g入れよく攪拌し、その後、増粘剤としてのエチルセルロースを7.0g入れて十分に攪拌することによって作製された。
(実施例3)
まず、実施例1と同様にして酸化チタン前駆体を含むマスキングペーストを作製した。
次に、シリコン基板の両方の主面上に、拡散マスク機能を有する誘電体膜として厚さ70nm程度の窒化シリコン膜をPECVD法により形成した。
そして、上記のマスキングペーストをシリコン基板の一方の主面上に形成された窒化シリコン膜の表面の全面にスクリーン印刷し、オーブンを用いて300℃程度の温度で20分間乾燥させた。
次いで、シリコン基板の他方の主面上に形成された窒化シリコン膜の表面に1.5mm間隔で0.75mm幅の帯状の開口部を設けるように、10μmの厚さで上記のマスキングペーストをスクリーン印刷した。そして、オーブンを用いて、300℃程度の温度で20分間乾燥させた。その後、シリコン基板を700℃で60分間加熱することによって、シリコン基板の両方の主面上のそれぞれの窒化シリコン膜上にエッチングマスク機能を有する酸化チタン膜を形成した。
続いて、リン酸の濃度が95質量%で170℃のリン酸水溶液中にシリコン基板を2時間浸漬し、上記の開口部から露出している窒化シリコン膜の部分をエッチングにより除去してシリコン基板の主面の一部を露出させた。そして、硫酸の濃度が95質量%で180℃以上250℃以下の硫酸水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬させて、シリコン基板の両方の主面上の窒化シリコン膜上に形成されている酸化チタン膜をエッチングにより除去した。
そして、シリコン基板を1000℃の温度雰囲気で30分間、p型ドーパントを熱拡散法によって拡散させることにより、露出しているシリコン基板の主面に高濃度pドーピング領域を形成した。その後、リン酸の濃度が95質量%で170℃のリン酸水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬させることにより、シリコン基板の両方の主面上に形成されている窒化シリコン膜をエッチングにより除去した。
次いで、シリコン基板の両方の主面上に拡散マスク機能を有する誘電体膜として厚さ70nm程度の窒化シリコン膜をPECVD法により形成した。そして、上記のマスキングペーストをシリコン基板の高濃度pドーピング領域が形成されていない側の主面上に形成された窒化シリコン膜の表面の全面にスクリーン印刷し、オーブンを用いて300℃程度の温度で20分間乾燥させた。
続いて、シリコン基板の高濃度pドーピング領域が形成されている側の主面上に形成された窒化シリコン膜の表面に、上記の高濃度pドーピング領域の形成領域に対応する領域と重複しないように1.5mm間隔で0.75mm幅の帯状の開口部を設けるようにして10μmの厚さで上記のマスキングペーストをスクリーン印刷した。そして、オーブンを用いて、300℃程度の温度で20分間乾燥させた。その後、シリコン基板を700℃で60分間加熱することによって、シリコン基板の両方の主面上のそれぞれの窒化シリコン膜上にエッチングマスク機能を有する酸化チタン膜を形成した。
次いで、リン酸の濃度が95質量%で170℃のリン酸水溶液中にシリコン基板を2時間浸漬し、上記の開口部から露出している窒化シリコン膜の部分をエッチングにより除去してシリコン基板の主面の一部を露出させた。そして、硫酸の濃度が95質量%で180℃以上250℃以下の硫酸水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬させて、シリコン基板の両方の主面上の窒化シリコン膜上に形成されている酸化チタン膜をエッチングにより除去した。
そして、シリコン基板を1000℃の温度雰囲気で30分間、n型ドーパントを熱拡散法によって拡散させることにより、露出しているシリコン基板の主面に高濃度nドーピング領域を形成した。その後、リン酸の濃度が95質量%で170℃のリン酸水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬させることにより、シリコン基板の両方の主面上に形成されている窒化シリコン膜をエッチングにより除去した。
次に、シリコン基板を80℃に保持し、界面活性剤としてイソプロピルアルコールを水酸化カリウム水溶液に対して6質量%添加した水酸化カリウムの濃度が30質量%の水酸化カリウム水溶液にシリコン基板を40分間浸漬させることによって、高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域が形成されていない側のシリコン基板の主面にテクスチャエッチング面を形成した。
続いて、シリコン基板の両方の主面にPECVD法によってパッシベーション膜として窒化シリコン膜を形成した。その後、テクスチャエッチング面が形成された側のシリコン基板の主面上の窒化シリコン膜の全面に上記のマスキングペーストをスクリーン印刷するとともに、テクスチャエッチング面が形成されていない側のシリコン基板の主面上の窒化シリコン膜の表面には高濃度pドーピング領域が形成されている領域に対応する領域の一部および高濃度nドーピング領域が形成されている領域に対応する領域の一部にそれぞれ開口部を設けて上記のマスキングペーストをスクリーン印刷した。そして、オーブンを用いて、300℃程度の温度で20分間乾燥させた後、シリコン基板を700℃で60分間加熱することによって、シリコン基板の両方の主面上のそれぞれの窒化シリコン膜上に酸化チタン膜を形成した。
そして、リン酸の濃度が95質量%で170℃のリン酸水溶液中にシリコン基板を2時間浸漬することによって、上記の開口部から露出している窒化シリコン膜をエッチングしてコンタクトホールを形成し、シリコン基板の主面に形成されている高濃度pドーピング領域の一部および高濃度nドーピング領域の一部をそれぞれ露出させた。
その後、硫酸の濃度が95質量%で200℃の硫酸水溶液中にシリコン基板を1時間浸漬することによって酸化チタン膜を除去した後に、高濃度pドーピング領域上にp電極を形成するとともに高濃度nドーピング領域上にn電極を形成することによって、裏面電極型の太陽電池を作製した。
(実施例4)
酸化チタン前駆体を含むマスキングペーストを実施例2で作製したマスキングペーストに変更したこと以外は実施例3と同様にして裏面電極型の太陽電池を作製した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、キャリアのライフタイムの損失を抑制して高濃度pドーピング領域および高濃度nドーピング領域の精密なパターンニングを簡易に行なうことができる太陽電池の製造方法を提供することができる。これにより、低コストで高性能な太陽電池の製造が可能となる。
本発明の太陽電池の製造方法の好ましい一例を図解する模式的な断面図である。 従来の裏面電極型の太陽電池の模式的な断面図である。
符号の説明
10 半導体基板、11 パッシベーション膜、12 高濃度pドーピング領域、13 高濃度nドーピング領域、14 p電極、15 n電極、16,17 コンタクトホール、18 テクスチャエッチング面、20 誘電体膜、21 マスキングペースト、22 酸化チタン膜、31 p型ドーパント、32 n型ドーパント。

Claims (18)

  1. 半導体基板の主面に誘電体膜を形成する工程と、前記誘電体膜上に酸化チタン前駆体を含むマスキングペーストを開口部を有するようにスクリーン印刷する工程と、前記マスキングペーストを加熱して酸化チタン膜を形成する工程と、前記酸化チタン膜から露出している前記誘電体膜の部分をエッチングして前記半導体基板の主面の一部を露出させる工程と、前記酸化チタン膜から露出している前記主面の一部に不純物ドーピング領域を形成する工程と、を含む、太陽電池の製造方法。
  2. 前記誘電体膜は、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記マスキングペーストは、少なくとも溶剤および増粘剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記マスキングペースト中における、前記酸化チタン前駆体の量から換算した酸化チタン濃度が、前記マスキングペーストの0.5質量%以上3質量%以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記酸化チタン前駆体は、R’nTi(OR)4-nの一般式で表わされる化合物であり、前記一般式において、R’はメチル、エチルまたはフェニルを示し、Rはメチル、エチル、ノルマルプロピルまたはイソプロピルを示し、nは0、1または2のいずれかの実数を示すことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記酸化チタン前駆体は、Ti(OH)4、TiCl4、TiF4およびTiOSO4からなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記マスキングペーストは前記酸化チタン前駆体の安定化剤を含み、前記安定化剤は少なくとも1種のジケトン化合物であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記誘電体膜は、フッ化水素水溶液またはリン酸水溶液によってエッチングされることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  9. 記マスキングペーストの加熱温度が500℃以上1000℃以下であることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  10. 半導体基板の主面に第1の誘電体膜を形成する工程と、前記第1の誘電体膜上に酸化チタン前駆体を含む第1のマスキングペーストを第1の開口部を有するようにスクリーン印刷する工程と、前記第1のマスキングペーストを加熱して第1の酸化チタン膜を形成する工程と、前記第1の酸化チタン膜から露出している前記第1の誘電体膜の部分をエッチングして前記半導体基板の前記主面の一部を露出させる工程と、前記第1の酸化チタン膜から露出している前記主面の一部に第1導電型不純物ドーピング領域を形成する工程と、前記半導体基板の前記主面に第2の誘電体膜を形成する工程と、前記第2の誘電体膜上に酸化チタン前駆体を含む第2のマスキングペーストを前記第1の開口部とは異なる位置に第2の開口部を有するようにスクリーン印刷する工程と、前記第2のマスキングペーストを加熱して第2の酸化チタン膜を形成する工程と、前記第2の酸化チタン膜から露出している前記第2の誘電体膜の部分をエッチングして前記半導体基板の前記主面の一部を露出させる工程と、前記第2の酸化チタン膜から露出している前記主面の一部に第2導電型不純物ドーピング領域を形成する工程と、を含む、太陽電池の製造方法。
  11. 前記第1の誘電体膜および前記第2の誘電体膜の少なくとも一方が、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜であることを特徴とする、請求項10に記載の太陽電池の製造方法。
  12. 前記第1のマスキングペーストおよび前記第2のマスキングペーストの少なくとも一方が、少なくとも溶剤および増粘剤を含むことを特徴とする、請求項10または11に記載の太陽電池の製造方法。
  13. 前記第1のマスキングペーストおよび前記第2のマスキングペーストの少なくとも一方における前記酸化チタン前駆体の量から換算した酸化チタン濃度が0.5質量%以上3質量%以下であることを特徴とする、請求項10から12のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  14. 前記酸化チタン前駆体は、R’ n Ti(OR) 4-n の一般式で表わされる化合物であり、前記一般式において、R’はメチル、エチルまたはフェニルを示し、Rはメチル、エチル、ノルマルプロピルまたはイソプロピルを示し、nは0、1または2のいずれかの実数を示すことを特徴とする、請求項10から13のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  15. 前記酸化チタン前駆体は、Ti(OH) 4 、TiCl 4 、TiF 4 およびTiOSO 4 からなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項10から13のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  16. 前記第1のマスキングペーストおよび前記第2のマスキングペーストの少なくとも一方は前記酸化チタン前駆体の安定化剤を含み、前記安定化剤は少なくとも1種のジケトン化合物であることを特徴とする、請求項10から15のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  17. 前記第1の誘電体膜および前記第2の誘電体膜の少なくとも一方は、フッ化水素水溶液またはリン酸水溶液によってエッチングされることを特徴とする、請求項10から16のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  18. 前記第1のマスキングペーストおよび前記第2のマスキングペーストの少なくとも一方の加熱温度が500℃以上1000℃以下であることを特徴とする、請求項10から17のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
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