JP4947431B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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1.弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層された固体電解コンデンサ素子において、陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、およびカーボンペースト層が順次積層された陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層、およびその陽極基体の面部を覆う銀ペースト層の組成または層厚を制御した固体電解コンデンサ素子。
2.前記陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層が層厚み6μm以上であって面部を覆う銀ペースト層の層厚みが20μm以下である、前記1に記載の固体電解コンデンサ素子。
3.表面にカーボンペースト層を有する前記陽極基体上に銀ペースト層を形成するための材料を含む組成としたA液を陽極基体の辺(縁)部に塗布し、前記銀ペースト層を形成するための材料を含みカーボンペースト層に対してA液よりも濡れ性の高い液体として組成したB液を陽極基体の面部に塗布して積層構造を形成した前記1に記載の固体電解コンデンサ素子。
4.前記A液を陽極基体の辺(縁)部に塗布して乾燥させた後、陽極基体を前記B液に浸漬することによりB液を陽極基体の面部に塗布して積層構造を形成した前記3に記載の固体電解コンデンサ素子。
5.陽極基体の下辺(縁)部のみを前記A液に浸漬することにより下辺(縁)部にA液を塗布して乾燥させた後、陽極基体の面部を含めて前記B液に浸漬することによりB液を陽極基体の面部に塗布して積層構造を形成した前記4に記載の固体電解コンデンサ素子。
6.前記B液を陽極基体の面部に塗布して乾燥させた後、陽極基体を前記A液に浸漬することにより陽極基体の辺(縁)部をA液で被覆して積層構造を形成した前記3に記載の固体電解コンデンサ素子。
7.カーボンペースト層および銀ペースト層の少なくともいずれかがフッ素樹脂を含む被覆層である、積層構造を形成した前記3〜6のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子。
8.陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である前記1〜7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
9.陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である前記1〜7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
10.弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である前記1〜7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
11.表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である前記1〜7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
12.前記1〜11のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子を含む固体電解コンデンサ。
13.前記1〜11のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子を複数個積層してなる積層体を含むことを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
15.陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である前記14に記載の固体電解コンデンサ素子。
16.陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である前記14に記載の固体電解コンデンサ素子。
17.弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である前記14に記載の固体電解コンデンサ素子。
18.表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である前記14に記載の固体電解コンデンサ素子。
20.陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、およびカーボンペースト層が順次積層された陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層の厚さが10〜200μmである前記19に記載の固体電解コンデンサ素子。
21.陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である前記19に記載の固体電解コンデンサ素子。
22.陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である前記19に記載の固体電解コンデンサ素子。
23.弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である前記19に記載の固体電解コンデンサ素子。
24.表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である前記19に記載の固体電解コンデンサ素子。
26.水分含有量が0.3質量%以下である前記25に記載の固体電解コンデンサ素子。
27.陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である前記25または前記26に記載の固体電解コンデンサ素子。
28.陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である前記25〜27のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
29.弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である前記25〜28のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
30.表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である前記25〜29のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
32.前記A液を箔片の辺(縁)部に塗布して乾燥させた後、箔片をB液に浸漬してB液を箔片の面部に塗布する前記31に記載の積層構造の形成方法。
33.箔片の下辺(縁)部のみを前記A液に浸漬して下辺(縁)部に塗布して乾燥させた後、箔片の面部を含めてB液に浸漬してB液を箔片の面部に塗布する前記32に記載の積層構造の形成方法。
34.前記B液を箔片の面部に塗布して乾燥させた後、箔片をA液に浸漬して箔片の辺(縁)部をA液で被覆する前記31に記載の積層構造の形成方法。
35.第1の被覆層および第2の被覆層の少なくともいずれかがフッ素樹脂を含む被覆層である前記31〜34のいずれか1項に記載の積層構造の形成方法。
36.第1の被覆層がカーボンペースト層であり、第2の被覆層がカーボンペースト以外の導電ペースト層である前記31〜35のいずれか1項に記載の積層構造の形成方法。
37.表面の一部に固体電解質層を有する固体電解コンデンサ素子の固体電解質層上にカーボンペースト層および導電ペースト層を順次形成して陰極部とする固体電解コンデンサ素子の製造方法において、カーボンペースト層および導電性ペースト層の積層工程に前記36に記載の積層構造の形成方法を用いることを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
38.導電ペーストが銀ペーストである前記37に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
39.前記38に記載の方法で製造される固体電解コンデンサ素子。
40.前記39に記載の固体電解コンデンサ素子を含む固体電解コンデンサ。
41.前記39に記載の固体電解コンデンサ素子を複数個積層してなる積層体を含むことを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
43.陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である前記42に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
44.陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である前記42に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
45.弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である前記42に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
46.表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である前記42に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
48.水分含有量が0.3質量%以下である前記47に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
49.陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である前記47または前記48に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
50.陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である前記47〜49のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
51.弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である前記47〜50のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
52.表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である請求項47〜51のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
53.弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層された固体電解コンデンサ素子の積層構造を形成させる銀ペーストであって、水分含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする銀ペースト。
54.水分含有量が0.3質量%以下である前記53に記載の銀ペースト。
2 酸化皮膜層
3 固体電解質層
4 導電体層
4a カーボンペースト層
4b 導電ペースト層
5 マスキング層
6 陽極リード部
7 陰極リード部
8 封止樹脂
9 固体電解コンデンサ
例えば、第2の被覆層が導電ペースト層(典型的には銀ペースト層)で、第1の被覆層がカーボンペースト層である場合がこれに該当する。
なお、以下の説明では、陽極基体として好ましく使用される箔片が独立して存在する場合について説明するが、実施可能である限りにおいて、箔片は別の基板等に固定されていてもよい。
(1)第2の被覆層を形成するための材料を含む組成としたA液を箔片の辺(縁)部に塗布する工程と
(2)第2の被覆層を形成するための材料を含み第1の被覆層に対してA液よりも濡れ性の高い液体として組成したB液を箔片の面部に塗布する工程を含むことを特徴とする。
(1)と(2)はいずれを先に行なってもよいが、例えば、先に(1)を行い次いで(2)を行なう場合は、先ず、表面に第1の被覆層を有する箔片の辺(縁)部に第2の被覆層を形成するための材料を含む組成としたA液を塗布し、次いで、前記箔片の両面に第2の被覆層を形成するための材料を含み第1の被覆層に対してA液よりも濡れ性の高い液体として組成したB液を塗布する。
(弁作用金属)
本発明の固体電解コンデンサおよびその製造方法では、弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層される。本発明において固体電解コンデンサの陽極基体として用いられる弁作用金属としては、例えばアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金等がいずれも使用できる。陽極基体の形状としては、平板状の箔や板や棒状等が挙げられる。表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体は、これに積層した導電性高分子層に積層したカーボンペースト層上に銀ペーストを塗布した場合、面部と辺(縁)部とで層厚みに違いが生じ得る寸法条件を有するものを含み、アルミニウム化成箔が経済性に優れているので実用上多く用いられている。このアルミニウム化成箔は、40〜200μm厚、平板形素子単位として縦横1〜30mm程度の矩形のものが使用される。好ましくは幅2〜20mm、長さ2〜20mm、より好ましくは幅2〜5mm、長さ2〜6mmである。
次に、陰極部の誘電体皮膜層上に固体電解質を形成させるが、固体電解質層の種類には特に制限は無く、従来公知の固体電解質が使用できるが、とりわけ高導電率の導電性高分子を固体電解質として作製する固体電解コンデンサは、従来の電解液を用いた湿式電解コンデンサや二酸化マンガンを用いた固体電解コンデンサに比べて、等価直列抵抗成分が低く、大容量でかつ小形となり、高周波性能が良好なために好ましい。
本発明では、弁作用金属からなる陽極基体の表面の酸化被膜層に導電性高分子層を積層した後、カーボンペースト層を積層させる。使用するカーボンペーストは、一般に、カーボン粒子、フッ素樹脂、及び酢酸イソアミル等の溶剤から構成された組成とする。カーボンペースト層を組成する成分は特に限定されない。導電性高分子層を形成した後、所望により再化成した陽極基体を、例えば、前記組成のカーボンペーストに浸漬することによりその表面にカーボンペーストを塗布し乾燥してカーボンペースト層を積層させる。
カーボンペースト層の積層に次いで、銀ペースト層を積層させる。本発明の好ましい実施態様において積層構造を形成させる銀ペーストは、銀粒子、フッ素樹脂、及び酢酸イソアミル等の溶剤、及び0.5質量%以下好ましくは0.3質量%以下の水から構成された組成とする。塗布する銀粒子の形状に特に制限はないが、フレーク形状が好ましい。本発明は、積層構造を形成させる銀ペーストに特徴がある。すなわち、本発明の固体電解コンデンサは、陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、及びカーボンペースト層が順次積層された陽極基体を覆って積層される銀ペーストを組成する水分含有量が0.5質量%以下、特に0.3質量%以下であることを特徴とする。これら銀ペーストを組成する水分含有量は、0.5質量%以下であればよいが0.3質量%以下が好ましく、0.05質量%以下であってもよく、特に好ましくは0.02質量%〜0.3質量%である。
かくして得られる固体電解コンデンサ素子は、通常、リード端子を接続して、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂ディッピング等による外装を施すことにより、各種用途のコンデンサ製品とする。また、積層して封止することも可能である。すなわち、例えば、弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が順次積層された陽極基体を、例えば、リードフレームの上に2〜4枚積層した後、酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が形成されていない部位をリードフレームに溶接し、リード端子を接続して、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、エポキシ樹脂ディッピング等による外装を施すことにより、各種用途の積層固体電解コンデンサ製品とすることができる。
なお、以下の例において等価直列抵抗(ESR)は、ヒューレットパッカード社製LCRメータ4284Aを使用し100kHzにて測定した。
短軸方向3mm×長軸方向10mm、厚さ約100μmのアルミニウム化成箔(以下、化成箔と称する。)上にマスキング材(耐熱性樹脂)による幅1mmのマスキングを周状に形成し、陰極部と陽極部に分け、この化成箔の先端側区画部分である陰極部を電解液中通電して化成し水洗した。次いで、陰極部を、3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液1mol/Lに浸漬し、次いで、酸化剤(過硫酸アンモニウム)とドーパント(ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム)の混合水溶液に浸漬して酸化重合を行った。この含浸工程および重合工程を繰り返し、ドーパントを含む固体電解質層を化成箔の微細孔内に形成した。このドーパントを含む固体電解質層を形成した化成箔を水洗し固体電解質層を形成し熱風乾燥を行った。その上にカーボンペーストを被覆して素子材料を形成した。
陰極側が下になるように支持部材に取り付けた前記の素子材料を用意し、上記の第1組成とした銀ペースト(A液)を含む銀ペースト槽に向けて支持部材を下降させて素子材料の陰極側先端0.5mm(下縁のみ)を前記銀ペースト中に浸漬させた。次いで、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ、温風乾燥した。引き続いて、支持部材を下降させて素子材料の陰極側3.3mmを、上記の第2組成とした銀ペースト(B液)中に浸漬させた。しかる後、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ乾燥した。
実施例1と同様にして陰極側が下になるように支持部材に取り付けた前記素子材料を用意し、上記の銀ペースト(A液:第1組成)をその陰極縁部(全縁)に塗布し、乾燥後、銀ペースト(B液:第2組成)を含むペースト槽に向けて支持部材を下降させて素子材料の陰極側先端3.3mmを銀ペースト中に浸漬させた。次いで、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ乾燥させた。
実施例1と同様にして陰極側が下になるように支持部材に取り付けた前記素子材料を用意し、上記の銀ペースト(B液:第2組成)をその陰極面に塗布し、乾燥後、銀ペースト(A液:第1組成)を含むペースト槽に向けて支持部材を下降させて素子材料の陰極側先端0.5mm(下縁のみ)を銀ペースト中に浸漬させた。次いで、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ乾燥させた。
実施例1において第2組成の代わりに第1組成の銀ペーストを用いたほかは同様の処理を行ない、銀ペースト層を形成した。
実施例1において第1組成の代わりに第2組成の銀ペーストを用いたほかは同様の処理を行ない、銀ペースト層を形成した。
以上の例に示されるように、本発明の製造方法によれば、電気的特性、特にESRが改善され、積層厚みも顕著に改善されている。すなわち、本発明によれば、以上の例に示されるように、陽極基体上に銀ペーストの積層構造を形成する際、縁部の層厚みと面部の層厚みを制御することにより、低ESR(等価直列抵抗)でかつ単位体積当たりの容量を大きくした固体電解コンデンサ素子が得られる。特にESR(等価直列抵抗)が安定して低減され素子厚みの小さいコンデンサ素子を製造することができる。カーボンペースト層に対して濡れ性が異なる組成とした2種の銀ペーストを用いて辺(縁)部には濡れ性のより低い組成のものを塗布し、面部には濡れ性のより高い組成のものを塗布すれば全体として所望の層厚みが得られる。
まず、エッチングにより表面積が増大したアルミニウム箔を3mm × l0mmの短冊形に切断し、短冊形のアルミニウム箔の下半分と電極を温度が80℃、濃度が10%のアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、両者の間に3Vの電圧を10分間印可し電流を流すことによりアルミニウム箔を化成し、箔の下半分の表面に酸化アルミニウムの誘電体皮膜を形成した。
次に化成したアルミニウム箔を3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させたイソプロピルアルコールに浸漬した後乾燥する工程と、アントラキノンスルホン酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウムを溶解させた水溶液に浸漬した後乾燥する工程を繰り返すことにより、誘電体皮膜の上にポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンの導電性高分子層を付着させた。
さらに導電性高分子層を形成した箔と電極を温度が80℃、濃度が10%のアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し3Vの電圧を1分間印可し誘電体皮膜を再化成した。再化成したアルミニウム箔を、重量比率が7%のカーボン粒子、重量比率が3%のフッソ素樹脂、及び重量比率が90%の酢酸イソアミルから構成される組成のカーボンペーストに浸漬することにより、アルミニウム箔の表面にカーボンペーストを塗布した。カーボンペーストの粘度は60cpoiseであった。塗布したカーボン粒子は、粒径が10〜100nmの粒子と、粒径が0.8〜8μmの粒子から構成され、この重量比率は30:70であった。130℃の温度で10分間乾燥した後、カーボンペースト層の厚さは5μmであり、カーボンペースト層に含まれるカーボン粒子の重量比率は70%であった。
次にカーボンペーストを塗布したアルミニウム箔を、重量比率が54%の銀粒子、重量比率が6%のフッ素樹脂、及び重量比率が40%の酢酸イソアミルから構成される組成とした銀ペーストに浸漬することにより、アルミニウム箔の表面に銀ペーストを塗布した。銀ペーストの粘度は400cpoiseであった。塗布した銀粒子の形状はフレークであり、長軸方向の長さは1〜5μmであった。130℃の温度で10分間乾燥した後、銀ペースト層の厚さは15μmであり、銀ペースト層に含まれる銀粒子の重量比率は90%であった。
ディップ法で銀ペーストを塗布したアルミニウム箔の辺に、ディップ法で塗布した銀ペーストを刷毛により塗布した後、130℃の温度で10分間乾燥した。
刷毛による塗布は、刷毛として水性絵の具を塗る市販の絵筆(毛の長さ:約2cm)を用い、絵筆を銀ペーストに浸漬した後、容器の壁で絵筆に含まれる銀ペーストを十分切り、絵筆の先を箔の辺に斜め上から軽く接触させ、絵筆を辺と平行に移動させ、辺近傍(辺から1mm以内)に微量の銀ペーストを塗布した。
銀ペーストを塗布したアルミニウム箔を二液混合硬化型の樹脂に埋め込み、硬化後樹脂を1mm間隔で切断し、アルミニウム箔の断面を光学顕微鏡で観察することにより、アルミニウム箔の面内における銀ペースト層の厚さの分布を測定した。その結果、銀ペースト層の厚さは大部分15μmであった。また、アルミニウム箔の辺内における銀ペースト層の厚さを測定したところ、23〜38μmであった。
酸化アルミニウム層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が順次積層されたアルミニウム箔をリードフレームの上に2枚積層した後、酸化アルミニウム層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が形成されていない部位をリードフレームに溶接し、積層したアルミニウム箔をエポキシ樹脂で封止することにより、コンデンサのチップを製造した。
コンデンサをLCRメータで評価した結果、容量は120Hzのとき102.6μF、ESRは100kHzのとき7.4mΩであった。また100個のコンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下のコンデンサは100個であった。
実施例4と同様にして、ディップ法で銀ペーストを塗布したアルミニウム箔の辺に、ディップ法で塗布した銀ペーストをディスペンサーで塗布した後、130℃の温度で10分間乾燥した。ディスペンサーでの塗布は、ディスペンサーの先端を箔の辺に接触させ、辺と平行に等速度で移動させながら銀ペーストを一定の速度で吐出させることにより、ほぼ一定の厚さの銀ペーストを辺に塗布した。アルミニウム箔の面内及び辺内における銀ペースト層の厚さを測定したところ、それぞれ14〜18μm及び25〜34μmであった。
酸化アルミニウム層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が順次積層されたアルミニウム箔をリードフレームの上に2枚積層した後、酸化アルミニウム層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が形成されていない部位をリードフレームに溶接し、積層したアルミニウム箔をエポキシ樹脂で封止することにより、コンデンサのチップを製造した。
コンデンサをLCRメータで評価した結果、容量は120Hzのとき101.5μF、ESRは100kHzのとき7.4mΩであった。また100個のコンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下のコンデンサは100個であった。
まず、実施例4と同様な方法により導電性高分子層とカーボンペースト層を形成したアルミニウム箔に、実施例4と同じ銀ペーストを、刷毛として絵筆を用い、絵筆を銀ペーストに浸漬した後、銀ペーストを十分切ることなく、絵筆の腹を箔に押しつけるように塗布し、乾燥した。アルミニウム箔の面内における銀ペースト層の厚さの分布を測定した結果、銀ペースト層の厚さは8〜55μmであった。
次に実施例4と同様な方法によりコンデンサのチップを製造し、コンデンサをLCRメータで評価した結果、容量は120Hzのとき103.3μF、ESRは100kHzのとき7.7mΩであった。また100個のコンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下のコンデンサは100個であった。
まず、実施例4と同様な方法により導電性高分子層とカーボンペースト層を形成したアルミニウム箔に、実施例4と同じ銀ペーストをディップ法により塗布し、乾燥した。アルミニウム箔の面内における銀ペースト層の厚さの分布を測定した結果、銀ペースト層の厚さは25〜37μmであった。また、アルミニウム箔の辺内における銀ペースト層の厚さを測定した結果、銀ペースト層の厚さは12〜40μmであった。
次に実施例4と同様な方法によりコンデンサのチップを製造し、コンデンサをLCRメータで評価した結果、容量は120Hzのとき103.3μF、ESRは100kHzのとき25.7mΩであった。また100個のコンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下のコンデンサは100個であった。
まず、エッチングにより表面積が増大したアルミニウム箔を3mm × l0mmの短冊形に切断し、短冊形のアルミニウム箔の下半分と電極を温度が80℃、濃度が10%のアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、両者の間に3Vの電圧を10分間印可し電流を流すことによりアルミニウム箔を化成し、箔の下半分の表面に酸化アルミニウムの誘電体皮膜を形成した。
次に化成したアルミニウム箔を3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させたイソプロピルアルコールに浸漬した後乾燥する工程と、アントラキノンスルホン酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウムを溶解させた水溶液に浸漬した後乾燥する工程を繰り返すことにより、誘電体皮膜の上にポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンの導電性高分子層を付着させた。
さらに導電性高分子層を形成した箔と電極を温度が80℃、濃度が10%のアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し3Vの電圧を1分間印可し誘電体皮膜を再化成した。再化成したアルミニウム箔を、7質量%のカーボン粒子、3質量%のフッ素樹脂、及び90質量%の酢酸イソアミルの比率で構成される組成のカーボンペーストに浸漬することにより、アルミニウム箔の表面にカーボンペーストを塗布した。カーボンペーストの粘度は60cpoiseであった。塗布したカーボン粒子は、粒径が10〜100nmの粒子と、粒径が0.8〜8μmの粒子から構成され、この質量比は30:70であった。130℃の温度で10分間乾燥した後、カーボンペースト層の厚さは9μmであり、カーボンペースト層に含まれるカーボン粒子の比率は74質量%であった。
次に、カーボンペーストを塗布したアルミニウム箔を、55.7質量%の銀粒子、5.9質量%のフツ素樹脂、38.1質量%の酢酸イソアミル、及び0.3質量%の水の比率で構成される組成とした銀ペーストに浸漬することにより、アルミニウム箔の表面に銀ペーストを塗布した。質量の比率は、熱重量測定機(リガク社TG8129)とカールフィッシャー水分計(KEM社MKS−500)により測定した重量に基づいている。銀ペーストの粘度は400cpoiseであった。塗布した銀粒子の形状はフレークであり、長軸方向の長さは1〜5μmであった。130℃の温度で10分間乾燥した後、銀ペースト層の厚さは13μmであり、銀ペースト層に含まれる銀粒子は90質量%であった。
ディップ法で銀ペーストを塗布したアルミニウム箔の辺に、ディップ法で塗布した銀ペーストを刷毛により塗布した後、130℃の温度で10分間乾燥した。
刷毛による塗布は、刷毛として水性絵の具を塗る市販の絵筆(毛の長さ:約2cm)を用い、絵筆を銀ペーストに浸漬した後、容器の壁で絵筆に含まれる銀ペーストを十分切り、絵筆の先を箔の辺に斜め上から軽く接触させ、絵筆を辺と平行に移動させ、辺近傍(辺から1mm以内)に微量の銀ペーストを塗布した。
なお、銀ペーストは使用するまで湿度を30%以下に調整したデシケータ中に保管した。保管温度は24℃であった。また、銀ペーストを塗布したとき周囲の湿度を40%、温度を24℃に設定した。
銀ペーストを塗布したアルミニウム箔を二液混合硬化型の樹脂に埋め込み、硬化後樹脂を1mm間隔で切断し、アルミニウム箔の断面を光学顕微鏡で観察することにより、アルミニウム箔の面内における銀ペースト層の厚さの分布を測定した。その結果、銀ペースト層の厚さは大部分16μmであった。また、アルミニウム箔の辺内における銀ペースト層の厚さを測定したところ、24〜30μmであった。
酸化アルミニウム層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が順次積層されたアルミニウム箔をリードフレームの上に2枚積層した後、酸化アルミニウム層、導電性高分子層、カーボンペースト層、及び銀ペースト層が形成されていない部位をリードフレームに溶接し、積層したアルミニウム箔をエポキシ樹脂で封止することにより、固体電解コンデンサを製造した。
固体電解コンデンサ100個をLCRメータで評価した結果、120Hzにおける容量の平均値は102.6μF、100kHzにおけるESRの平均値は6.3mΩであった。また100個の固体電解コンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下の固体電解コンデンサは100個であった。
実施例6と同様にして、アルミニウム箔に形成した誘電体皮膜上に導電性高分子層、及びカーボンペースト層を順次形成した。
次に、カーボンペーストを塗布したアルミニウム箔を、55.9質量%の銀粒子、5.9質量%のフツ素樹脂、38.1質量%の酢酸イソアミル、及び0.1質量%の水の比率で構成される組成とした銀ペーストに浸漬することにより、アルミニウム箔の表面に銀ペーストを塗布した。質量の比率は、熱重量測定機(リガク社TG8129)とカールフィッシャー水分計(KEM社MKS−500)により測定した重量に基づいている。
さらに、実施例6と同様にして、アルミニウム箔の辺に銀ペーストを刷毛により塗布した後、固体電解コンデンサを製造した。
固体電解コンデンサ100個をLCRメータで評価した結果、120Hzにおける容量の平均値は103.5μF、100kHzにおけるESRの平均値は6.4mΩであった。また100個の固体電解コンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下の固体電解コンデンサは100個であった。
実施例6と同様にして、アルミニウム箔に形成した誘電体皮膜上に導電性高分子層、及びカーボンペースト層を順次形成した。
次に、カーボンペーストを塗布したアルミニウム箔を、55.7質量%の銀粒子、5.9質量%のフツ素樹脂、37.6質量%の酢酸イソアミル、及び0.8質量%の水の比率で構成される組成とした銀ペーストに浸漬することにより、アルミニウム箔の表面に銀ペーストを塗布した。質量の比率は、熱重量測定機(リガク社TG8129)とカールフィッシャー水分計(KEM社MKS−500)により測定した重量に基づいている。
さらに、実施例6と同様にして、アルミニウム箔の辺に銀ペーストを刷毛により塗布した後、固体電解コンデンサを製造した。
固体電解コンデンサ100個をLCRメータで評価した結果、120Hzにおける容量の平均値は101.8μF、100kHzにおけるESRの平均値は8.4mΩであった。また100個の固体電解コンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下の固体電解コンデンサは100個であった。
実施例6と同様にして、アルミニウム箔に形成した誘電体皮膜上に導電性高分子層、及びカーボンペースト層を順次形成した。
次に、カーボンペーストを塗布したアルミニウム箔を、55.9質量%の銀粒子、5.9質量%のフツ素樹脂、35.1質量%の酢酸イソアミル、及び3.1質量%の水の比率で構成される組成とした銀ペーストに浸漬することにより、アルミニウム箔の表面に銀ペーストを塗布した。質量の比率は、熱重量測定機(リガク社TG8129)とカールフィッシャー水分計(KEM社MKS−500)により測定した重量に基づいている。
さらに、実施例6と同様にして、アルミニウム箔の辺に銀ペーストを刷毛により塗布した後、固体電解コンデンサを製造した。
固体電解コンデンサ100個をLCRメータで評価した結果、120Hzにおける容量の平均値は101.8μF、100kHzにおけるESRの平均値は9.0mΩであった。また100個の固体電解コンデンサに2Vを印可し漏れ電流を測定した結果、漏れ電流が5μA以下の固体電解コンデンサは100個であった。
Claims (43)
- 弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層された固体電解コンデンサ素子において、陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、およびカーボンペースト層が順次積層された陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層、およびその陽極基体の面部を覆う銀ペースト層の組成または層厚を制御した固体電解コンデンサ素子であって、前記陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層が層厚み6μm以上であって面部を覆う銀ペースト層の層厚みが20μm以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ素子。
- 弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層された固体電解コンデンサ素子において、陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、およびカーボンペースト層が順次積層された陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層、およびその陽極基体の面部を覆う銀ペースト層の組成または層厚を制御した固体電解コンデンサ素子であって、表面にカーボンペースト層を有する前記陽極基体上に銀ペースト層を形成するための材料を含む組成としたA液を陽極基体の辺(縁)部に塗布し、前記銀ペースト層を形成するための材料を含みカーボンペースト層に対してA液よりも濡れ性の高い液体として組成したB液を陽極基体の面部に塗布して積層構造を形成したことを特徴とする固体電解コンデンサ素子。
- 前記A液を陽極基体の辺(縁)部に塗布して乾燥させた後、陽極基体を前記B液に浸漬することによりB液を陽極基体の面部に塗布して積層構造を形成した請求項2に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の下辺(縁)部のみを前記A液に浸漬することにより下辺(縁)部にA液を塗布して乾燥させた後、陽極基体の面部を含めて前記B液に浸漬することによりB液を陽極基体の面部に塗布して積層構造を形成した請求項3に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 前記B液を陽極基体の面部に塗布して乾燥させた後、陽極基体を前記A液に浸漬することにより陽極基体の辺(縁)部をA液で被覆して積層構造を形成した請求項2に記載の固体電解コンデンサ素子。
- カーボンペースト層および銀ペースト層の少なくともいずれかがフッ素樹脂を含む被覆層である、積層構造を形成した請求項2に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子を含む固体電解コンデンサ。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子を複数個積層してなる積層体を含むことを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
- 弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層された固体電解コンデンサ素子において、陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、およびカーボンペースト層が順次積層された陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層の厚さが10μm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、およびカーボンペースト層が順次積層された陽極基体の辺(縁)部を覆う銀ペースト層の厚さが10〜200μmである請求項13に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である請求項13に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である請求項13に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である請求項13に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である請求項13に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層された固体電解コンデンサ素子において、銀ペーストを組成する水分含有量が0.5質量%以下の銀ペーストが積層されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 水分含有量が0.3質量%以下である請求項19に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である請求項19に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である請求項19に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である請求項19に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である請求項19に記載の固体電解コンデンサ素子。
- 表面に第1の被覆層を有する箔片上に第2の被覆層を形成する積層構造の形成方法であって、第2の被覆層を形成するための材料を含むA液を箔片の辺(縁)部に塗布する工程と第2の被覆層を形成するための材料を含み第1の被覆層に対してA液よりも濡れ性の高い液体として形成したB液を箔片の面部に塗布する工程を含むことを特徴とする積層構造の形成方法。
- 前記A液を箔片の辺(縁)部に塗布して乾燥させた後、箔片をB液に浸漬してB液を箔片の面部に塗布する請求項25に記載の積層構造の形成方法。
- 箔片の下辺(縁)部のみを前記A液に浸漬して下辺(縁)部に塗布して乾燥させた後、箔片の面部を含めてB液に浸漬してB液を箔片の面部に塗布する請求項26に記載の積層構造の形成方法。
- 前記B液を箔片の面部に塗布して乾燥させた後、箔片をA液に浸漬して箔片の辺(縁)部をA液で被覆する請求項25に記載の積層構造の形成方法。
- 第1の被覆層および第2の被覆層の少なくともいずれかがフッ素樹脂を含む被覆層である請求項25〜28のいずれか1項に記載の積層構造の形成方法。
- 第1の被覆層がカーボンペースト層であり、第2の被覆層がカーボンペースト以外の導電ペースト層である請求項25〜28のいずれか1項に記載の積層構造の形成方法。
- 表面の一部に固体電解質層を有する固体電解コンデンサ素子の固体電解質層上にカーボンペースト層および導電ペースト層を順次形成して陰極部とする固体電解コンデンサ素子の製造方法において、カーボンペースト層および導電性ペースト層の積層工程に請求項30に記載の積層構造の形成方法を用いることを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 導電ペーストが銀ペーストである請求項31に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 請求項32に記載の方法で製造される固体電解コンデンサ素子。
- 請求項33に記載の固体電解コンデンサ素子を含む固体電解コンデンサ。
- 請求項33に記載の固体電解コンデンサ素子を複数個積層してなる積層体を含むことを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
- 弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層を順次積層させる固体電解コンデンサ素子の製造方法において、水分含有量が0.5質量%以下の銀ペーストを積層させることを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 水分含有量が0.3質量%以下である請求項36に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 陽極基体の形状が、平板状の箔、板、または棒状である請求項36に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層が、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層である請求項36に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金からなる群から選ばれた1種である請求項36に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 表面に酸化被膜層が積層された弁作用金属からなる陽極基体がアルミニウム化成箔である請求項36に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 弁作用金属からなる陽極基体の表面に酸化被膜層、導電性高分子層、カーボンペースト層、および銀ペースト層が順次積層された固体電解コンデンサ素子の積層構造を形成させる銀ペーストであって、水分含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする銀ペースト。
- 水分含有量が0.3質量%以下である請求項42に記載の銀ペースト。
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