JP2008109070A - 固体電解コンデンサ素子およびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜層上に形成した固体電解質層上に導電体層を形成した固体電解コンデンサであって、薄く、均一緻密な導電体層を形成させて、ESR特性に優れた固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】微細孔を有する弁作用金属の表面に誘電体皮膜層を形成し、その誘電体皮膜層の上に固体電解質層、および導電体層を順次形成した固体電解コンデンサ素子であって、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含み前記金属ペースト層の金属種と前記金属めっき層の金属種の少なくとも一種が同一であることを特徴とする固体電解コンデンサ素子、その製造方法、およびその方法で得られた固体電解コンデンサ。
【選択図】図4

Description

本発明は、導電性重合体を固体電解質層として用いた固体電解コンデンサ素子、その製造方法、およびその方法で得られた固体電解コンデンサ、ならびに前記固体電解コンデンサ素子の製造に用いることができる基材表面の金属層形成方法に関するものである。
導電性重合体を固体電解質層として用いた従来の固体電解コンデンサは、微細孔を有する弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜層上に形成した固体電解質層上に導電体層を形成させる方法として、金属ペーストに浸漬させる方法がなされてきた。
しかし、金属ペーストに浸漬させる方法は、浸漬槽から引き上げるときの表面張力により層厚にバラツキが生じる。特に、固体電解コンデンサ素子の平面部(A)より、端部(C)、角部(B)、および上部(D)は薄くなる(図1参照)。従って、金属ペーストに浸漬して導電体層を形成させた固体電解コンデンサ素子は、等価直列抵抗(ESR)特性が悪いという欠点を有していた。また、金属ペーストは、通常、金属、バインダ、およびバインダを溶かすための揮発性溶媒とからなるが、浸漬して均一にペーストを塗布するためには、その溶媒比率を高くせざるを得ず、その結果、図2に示すように、金属ペースト層(2)では、金属粒子(3)間に隙間が生じ、緻密な導電体層を形成することが困難であった。これは等価直列抵抗(ESR)特性の低下を招き、実用化のためには膜厚を厚くせざるを得ない。従って、実用上は金属ペースト層を厚く形成させる方法がとられているが、これは小型軽量化に反していた。
従来、表面に多孔質の誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属からなる陽極基体の酸化被膜上に、固体電解質層、カーボン層、金属層を順次形成させてなる固体電解コンデンサが提案されている。従来の固体電解コンデンサに使用されている固体電解質は初期の導電率は高いものの、高温の酸素雰囲気において酸化し、その導電率が低下する欠点がある。このため陰極電極において酸素の遮断が不十分であると、固体電解コンデンサが高温に長時間さらされた場合、ESRが劣化してしまうことになる。従来の固体電解コンデンサは、金属層として、銀ペーストが用いられてきたが、銀ペースト層は、緻密に形成できず、酸素の侵入を十分に防止できない問題がある。また、実用化のためには、銀ペースト層を厚くせざるを得ず、この陽極基体を複数積層しチップ化して小型化できないという問題もあった。
しかし、コンデンサを使用する様々な用途においては、近年ますます大容量で小型軽量のコンデンサが望まれるなか、薄く、均一緻密で、さらにESR特性に優れた導電体層を形成する方法を目指して研究、提案がなされている(特許文献1〜5参照)。
金属ペーストに浸漬して導電体層を形成する方法として、特許文献1においては、導体層として、銀ペースト層を形成させた後、さらに溶融半田槽に浸漬させて半田層を形成させた固体電解コンデンサについて開示されている。特許文献2においては、コンデンサ素子を粘度の高い銀ペーストに浸漬し振動させて振動方向に引き抜いて薄く銀ペーストを塗布する方法が開示されている。しかし、金属ペーストに浸漬させる方法は、浸漬槽から引き上げるときの表面張力により、平面部より、端部、角部、および上部が薄くなり、層厚にバラツキが生じる傾向がある。
一方、特許文献3では、コンデンサ本体を複数個の単位のコンデンサ本体によって構成することによりESRの低減が試みられている。また、特許文献4においては、陰極部に第1の金属めっき層を有する固体電解コンデンサについて開示されており、さらにはんだ付け可能な第2の金属層、第3、第4の金属めっき層を有する固体コンデンサについて開示されている。金属としては、第1層は、銅、ニッケル、金、または銀、第2層は、はんだ、錫、または銀、第3層は、はんだ、または錫、第4層は、金または銀である。特許文献5においては、無電解めっきによって形成される金属層として、ニッケル、銅、金、またはこれらの合金からなる層を有する固体電解コンデンサについて開示されている。
金属めっき法には、電気めっき法(電解めっき法)や無電解めっき法(化学めっき法)があるが、導電体層を形成する場合の固体電解質層、あるいはその固体電解質層上に設けられたカーボン層は、電気抵抗が高く、電解めっきがしにくい。また、形状が平らでないため、めっきがやりにくい。また、カーボン層は、通常カーボンペーストで形成するため、カーボン以外に有機物が含まれており、導電性が低下する。そのため、基材表面に金属めっきがなされるための活性点がなく十分な導電性がなく、金属めっき性に乏しい。外部電極を用いると、外部電極ばかりに電解めっきされ、基材表面には緻密な電解めっきは為されない。
また、電解めっき法は、外部電極を誘電体皮膜が形成された弁作用金属に接触させて行うため、外部電極から引き離す際に皮膜が剥離し、漏れ電流の原因になっていた。一方、無電解めっきは、パラジウムまたは銀を予め担持させて行なうが、この担持の際に固体電解質に損傷を与えるおそれがあり、電解めっきよりもコストが高い。また、電解めっきにより金属めっきされて形成される層は、平面部より比表面積の大きい凹凸部、端部、および角部に形成しやすい傾向がある。
また、金属めっき法に関しては、例えば、特許文献5には、金属層を無電解めっきにより形成した固体電解コンデンサの製造方法が開示され、特許文献4には、金属層を電解めっき、無電解めっきにより形成した固体電解コンデンサが開示されているが、特許文献5に記載のコンデンサの製造方法は、カーボン層内に含まれる有機溶媒に溶解する樹脂が保護膜となり、活性化溶液が前記固体電解質層と反応するのを防ぐことが不可欠であり、めっき層の製造法としては、改善の余地が残されていた。特許文献4に記載のコンデンサは、電解めっき、無電解めっきでも、導電性高分子が酸化されないように、金属めっきによる緻密な被膜を形成し、コンデンサの信頼性を向上させる旨その目的が記載されてはいるものの、詳細な製造方法の記述はなく、特許文献5の記載からして、この方法だけでは、金属層として十分な品質を得ることはできない。
特開昭59−222920号公報 特開平11−121284号公報(特許3519921号公報) 特開2001−284192号公報 特開2004−087872号公報 特開2004−273987号公報
本発明の課題は、弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜層上に、固体電解質層、および導電体層が形成された固体電解コンデンサ素子であって、薄く、均一緻密な導電体層が形成され、ESR特性に優れ、諸電気特性に優れた固体電解コンデンサ素子及びその製造方法、並びに前記固体電解コンデンサ素子の製造に用いることができる基材表面の金属層形成方法を提供することにある。
本発明者らは、金属ペーストに浸漬させる方法で形成される導電体層は、平面部より、端部、角部、及び上部の層が薄くなってESRの低下を招くこと、および形成された導電体層に含まれる金属ペーストの粒子間に隙間があるためESRの低下を招き実用化のためには膜厚を厚くせざるを得ない一方、電気めっきによって金属めっきされて形成される導電体層が、平面部より比表面積の大きい凹凸部、端部、および角部に形成しやすい傾向があることに着目し鋭意研究の結果、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含み前記金属ペースト層の金属種と前記金属めっき層の金属種の少なくとも一種が同一である固体電解コンデンサ素子、特に導電体層が金属ペースト層、および金属めっき層を順次形成した導電体層を含む固体電解コンデンサ素子とするか、または特に導電体層が金属ペーストに浸漬して形成された金属ペースト層上に電気めっきされた金属めっき層を含む固体電解コンデンサ素子とすることによって、薄膜で膜厚のバラツキの少ない導電体層を形成できること、それにより形成された導電体層に含まれる金属ペーストの粒子間の隙間が緻密に埋められること、およびESR特性が向上すること、および特に導電体層がカーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層を含む導電体層とすることによって、カーボンペースト層上に析出する金属の粒径が小さく、カーボンペースト層が金属で薄く均一緻密に被覆され、ESR特性をはじめ諸電気特性に優れた固体電解コンデンサ素子が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明者らは、また、基材表面に貴金属触媒を担持させて電気めっき(電解めっき)することにより形成した基材表面の金属めっき層は、薄膜、均一、緻密に形成され、かつ酸素を効果的に遮断する金属層として優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の基材が、表面に誘電体被膜を形成させた微細孔を有する弁作用金属であり、前記弁作用金属上に、酸化被膜、固体電解質層、カーボン層を順次形成し、前記カーボン層上に貴金属触媒を付与して電気めっきすることにより形成した固体電解コンデンサは、その金属めっき層が、薄膜、均一、緻密に形成され、酸素を効果的に遮断する緻密な金属層を有し、その結果、ESRをはじめ、容量、損失係数、および漏れ電流の諸電気特性に優れている。本発明によれば、外部電極を基材に接触もしくは近傍に配置して基材表面を緻密に電解めっきすることが可能である。しかしながら、貴金属触媒が付与されず、そのため基材表面に金属めっきがなされるために充分な活性点がなく十分な導電性がない場合には、外部電極ばかりに電解めっきされ、基材表面には緻密な電解めっきは為されない。本発明によれば、外部電極ばかりに電解めっきされることなく、電解めっきすることで、基材表面に緻密な金属層を形成することができる。本発明によれば、外部電極は、陰極とする導電体を、基材表面に接触もしくは近傍に配置して電解めっきすることができるため、電解めっきされた基材を外部電極から引き離す際に、基材から誘電体被膜が剥離することがなく、漏れ電流の原因になることもない。
すなわち、本発明は、以下の固体電解コンデンサ素子、その製造方法、およびその方法で得られた固体電解コンデンサ、ならびに前記固体電解コンデンサ素子の製造に用いることができる基材表面の金属層形成方法に関する。
1.微細孔を有する弁作用金属の表面に誘電体皮膜層を形成し、その誘電体皮膜層の上に固体電解質層、および導電体層を順次形成した固体電解コンデンサ素子であって、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含み前記金属ペースト層の金属種と前記金属めっき層の金属種の少なくとも一種が同一であることを特徴とする固体電解コンデンサ素子。
2.前記導電体層が、カーボンペースト層、金属ペースト層、および金属めっき層を順次形成した導電体層を含む前記1に記載の固体電解コンデンサ素子。
3.前記金属ペースト層が、金属ペーストに浸漬することにより形成された金属ペースト層を含む前記1または2に記載の固体電解コンデンサ素子。
4.前記金属ペースト層上に電気めっきされた金属めっき層を含む前記1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
5.前記金属ペースト層上に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層を含む前記1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
6.前記金属ペースト層上に貴金属触媒が付与されて無電解めっきされた後電気めっきされた金属めっき層を含む前記1〜5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
7.前記貴金属触媒がパラジウムを含む前記5または6に記載の固体電解コンデンサ素子。
8.前記導電体層が、カーボンペースト層、および金属めっき層を順次形成した導電体層を含む前記1に記載の固体電解コンデンサ素子。
9.前記カーボンペースト層上に電気めっきされた金属めっき層を含む前記8に記載の固体電解コンデンサ素子。
10.前記カーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層を含む前記8または9に記載の固体電解コンデンサ素子。
11.前記カーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されて無電解めっきされた後電気めっきされた金属めっき層を含む前記8〜10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
12.前記貴金属触媒がパラジウムおよび銀から選ばれた貴金属を含む前記10または11に記載の固体電解コンデンサ素子。
13.前記貴金属触媒がパラジウムを含む前記12に記載の固体電解コンデンサ素子。
14.金属めっき層の金属種、または金属ペースト層および金属めっき層の金属種が、銀である前記1〜13のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
15.誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、およびチタンから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである前記1〜14のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
16.誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、前記金属あるいは合金、および酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である前記15に記載の固体電解コンデンサ素子。
17.弁作用金属の形状が、箔状、板状、棒状、または弁作用金属自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状である前記1〜16のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
18.前記1〜17のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子を積層してなる固体電解コンデンサ。
19.微細孔を有する弁作用金属の表面に誘電体皮膜層を形成し、その誘電体皮膜層の上に固体電解質層、および導電体層を順次形成する固体電解コンデンサ素子の製造方法であって、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含み前記金属ペースト層の金属種と前記金属めっき層の金属種の少なくとも一種を同一とした導電体層を形成することを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
20.前記導電体層に含まれる金属ペースト層が、金属ペーストに浸漬することにより形成された金属ペースト層を含む前記19に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
21.前記固体電解質層、および導電体層を順次形成する固体電解コンデンサ素子の製造方法であって、前記金属ペースト層に含まれる少なくとも1種の金属種と同一の金属種を含む金属めっき層を前記金属ペースト層上に電気めっきする前記19または20に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
22.前記固体電解質層上にカーボンペースト層、および金属ペースト層を順次積層し、前記金属ペースト層に含まれる少なくとも1種の金属種と同一の金属種を含む金属めっき層を前記金属ペースト層上に電気めっきする前記19〜21のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
23.前記金属ペースト層上に貴金属触媒を付与して電気めっきする前記21または22に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
24.前記金属ペースト層上に貴金属触媒を付与して無電解めっきした後電気めっきする前記21〜23のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
25.前記貴金属触媒がパラジウムを含む前記23または24に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
26.前記固体電解質層上にカーボンペースト層を積層し、前記カーボンペースト層上に金属めっき層を積層する前記19に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
27.前記カーボンペースト層上に金属めっき層を電気めっきする前記26に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
28.前記カーボンペースト層上に貴金属触媒を付与して電気めっきする前記27に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
29.前記カーボンペースト層上に貴金属触媒を付与して無電解めっきした後電気めっきする前記27または28に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
30.前記貴金属触媒がパラジウムおよび銀から選ばれた貴金属を含む前記28または29に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
31.前記貴金属触媒がパラジウムを含む前記30に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
32.金属めっき層の金属種、または金属ペースト層および金属めっき層の金属種が、銀である前記19〜31のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
33.誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、およびチタンから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである前記19〜32のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
34.誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、前記金属あるいは合金、および酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である前記33に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
35.弁作用金属の形状が、箔状、板状、棒状、または弁作用金属自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状である前記19〜34のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
36.前記19〜35のいずれか1項に記載の製造方法で得られた固体電解コンデンサ素子。
37.前記36に記載の固体電解コンデンサ素子を積層してなる固体電解コンデンサ。
38.基材表面に触媒を担持させた後、電解めっきすることを特徴とする基材表面の金属層形成方法。
39.陰極とする導電体を、基材表面に接触もしくは近傍に配置して電解めっきする前記38に記載の基材表面の金属層形成方法。
40.触媒がパラジウムもしくは銀を含む貴金属触媒である前記38または39に記載の基材表面の金属層形成方法。
41.基材が、表面に誘電体被膜を形成させた微細孔を有する弁作用金属である前記38〜40のいずれか1項に記載の基材表面の金属層形成方法。
42.基材が、弁作用金属上に、酸化被膜、固体電解質層、カーボン層を順次形成したものである前記38〜41のいずれか1項に記載の基材表面の金属層形成方法。
43.金属層の金属種が銀である前記38〜42のいずれか1項に記載の基材表面の金属層形成方法。
44.前記38〜43のいずれか1項に記載の方法でその表面に金属層が形成された基材。
45.誘電体被膜層を有する弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、及びチタンから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである前記44に記載の基材。
46.誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、前記金属あるいは合金、および酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である前記45に記載の基材。
47.前記44〜46のいずれか1項に記載の基材を用いて製造する固体電解コンデンサ素子の製造方法。
48.前記47に記載の製造方法で得られた固体電解コンデンサ素子。
49.弁作用金属の形状が、箔状、板状、棒状、または弁作用金属自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状である前記48に記載の固体電解コンデンサ素子。
50.前記48または49に記載の固体電解コンデンサ素子を積層してなる固体電解コンデンサ。
本発明によれば、金属めっき層を、金属ペーストに浸漬することにより形成された金属ペースト層上に電気めっきして形成することにより、薄膜で膜厚のバラツキの少ない導電体層を形成できる。また、これにより形成された導電体層に含まれる金属ペーストの金属粒子間の隙間を緻密に埋めることができる。その結果として、導電性層を薄くした、低ESRの固体電解コンデンサの製造が可能となり、小型化が可能となる。金属ペースト上に金属めっき層を形成する場合は、金属ペーストの電気抵抗が小さくめっきし易いため、特に均一性に優れた皮膜ができる。また、カーボンペースト層上に貴金属触媒を付与して電気めっきした金属めっき層とする場合は、カーボンペースト層上に析出する金属の粒径が小さく、カーボンペースト層が金属で緻密に被覆される。特に銀の粒径が小さい。また、本発明によれば、図12に示されるように、外部電極を陰極とし、基材に接触もしくは近傍に配置して、基材表面を電解めっきすることができる。また、外部電極から引き離す際に、基板から被膜が剥離することがない。そのため、漏れ電流が少なくなる。
本発明の固体電解コンデンサ素子、その製造方法、およびその固体電解コンデンサ素子を使用した固体電解コンデンサ、ならびに前記固体電解コンデンサ素子の製造に用いることができる基材表面の金属層形成方法の一形態を説明する。
本発明の固体電解コンデンサ素子は、微細孔を有する弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜層上に、固体電解質層、および導電体層を順次設ける。なお、前記誘電体皮膜の形成方法は特に制限されない。
本発明の陽極基体は、表面に誘電体皮膜を有する。これは、通常、弁作用金属の多孔質成形体を化成処理すること等により形成される。弁作用金属の例としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、およびチタンから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれらの金属、合金および酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物が挙げられる。弁作用金属を使用する場合、金属の一部を、炭化、燐化、ホウ素化、窒化、硫化、水素化から選ばれる少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。また、多孔質の形態については、圧延箔のエッチング物、微粉焼結体などの多孔質成形体の形態であればいずれでもよい。
陽極基体としては、これら金属の多孔質焼結体、エッチング等で表面処理された板(リボン、箔等を含む。)等が使用できるが、弁作用金属の形状は特に限定されず、箔状、板状、棒状、あるいは弁作用金属自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状等として用いられ、好ましくは平板状、箔状のものである。これら箔状または板状の金属の一部に粉状の弁作用金属を付着させて焼結した形状としてもよい。弁作用金属表面をエッチング等で処理して、微細な細孔を有するようにしてもよい。弁作用金属を粉状にして成形体形状または成形後焼結した形状とする場合には、成形時の圧力を適当に選択することにより、成形または焼結後の内部に微小な細孔を設けることができる。
弁作用金属には引き出しリードを直接接続することが可能であるが、その接続箇所、形状等について特に制限されることはなく、一般に行なわれる方法によって接続することができる。
前記金属多孔体の表面に誘電体酸化皮膜を形成する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、アルミニウム箔を使用する場合には、ホウ酸、リン酸、アジピン酸、またはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩などを含む水溶液中で陽極酸化して酸化皮膜を形成することができる。また、タンタル粉末の焼結体を使用する場合には、リン酸水溶液中で陽極酸化して、焼結体に酸化皮膜を形成することができる。
弁作用金属箔の厚さは、使用目的によって異なるが、例えば、厚みが約40〜300μmの箔が使用される。薄型の固体電解コンデンサとするためには、例えばアルミニウム箔では、通常80〜250μmのものを使用し、固体電解コンデンサを設けた素子の最大高さを250μm以下となるようにすることが好ましい。金属箔の大きさおよび形状も用途により異なるが、平板状素子単位として幅約1〜50mm、長さ約1〜50mmの矩形のものが好ましく、より好ましくは幅約2〜15mm、長さ約2〜25mmである。
化成に用いる化成液、化成電圧等の化成条件は、製造される固体電解コンデンサに必要な容量、耐電圧等に応じて、予め実験により確認し適当な値に設定する。なお、化成処理に際しては、化成液が固体電解コンデンサの陽極となる部分に滲み上がるのを防止し、かつ後工程で形成される固体電解質(陰極部分)との絶縁を確実とするために一般的にマスキングが設けられる。
マスキング材としては一般的な耐熱性樹脂、好ましくは溶剤に可溶あるいは膨潤しうる耐熱性樹脂またはその前駆体、無機質微粉とセルロース系樹脂からなる組成物などが使用できるが、材料には制限されない。具体例としてはポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、低分子量ポリイミドおよびそれらの誘導体およびその前駆体などが挙げられ、特に低分子量ポリイミド、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂およびそれらの前駆体が好ましい。
弁作用金属表面の誘電体皮膜層上に形成する固体電解質層については、導電性重合体を含む有機半導体および無機半導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を層として、または混合物として含んでいてもよい。陰極部の誘電体皮膜層上に形成させる固体電解質層の種類は特に制限は無く、従来公知の固体電解質が使用できるが、とりわけ高導電率の導電性高分子を固体電解質として製造する固体電解コンデンサは、従来の電解液を用いた湿式電解コンデンサや二酸化マンガンを用いた固体電解コンデンサに比べて、等価直列抵抗成分が低く、大容量でかつ小形となり、高周波性能が良好なために好ましい。前記半導体以外の添加物、その形成方法等については特に制限されない。
本発明の固体電解コンデンサに用いられる固体電解質を形成する導電性重合体は限定されないが、好ましくはπ電子共役系構造を有する導電性重合体、例えばチオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が挙げられる。
導電性重合体の原料として用いられるモノマーのうち、チオフェン骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等またはそれらの誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には、市販されている化合物または公知の方法(例えば、Synthetic Metals誌,1986年,15巻,169頁)で準備できる。
また、例えば、多環状スルフィド骨格を有する化合物としては、例えば、1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用できる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができ、公知の方法、例えば特開平8−3156号公報記載の方法により準備することができる。
また、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェンまたはその誘導体、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェンまたはその誘導体等も使用できる。
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含んでいる化合物もあり、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等またはそれらの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、ピロール骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等またはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限られない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できる。
また、フラン骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等またはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は市販品または公知の方法で準備できる。
重合の手法は、電解重合でも、化学酸化重合でも、その組合せでもよい。また、誘電体皮膜上に導電性重合体でない固体電解質をまず形成し、次いで上記の重合方法で導電性重合体を形成する方法でもよい。
導電性重合体を形成する例として、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、別々に前後してまたは一緒に誘電体皮膜上に塗布して形成する方法(特開平2−15611号公報や特開平10−32145号公報)等が利用できる。
一般に導電性重合体には、ドーピング能のある化合物(ドーパント)が使用されるが、ドーパントはモノマー溶液と酸化剤溶液のいずれに添加しても良く、ドーパントと酸化剤が同一の化合物になっている有機スルホン酸金属塩の様なものでもよい。ドーパントとしては、好ましくはアリールスルホン酸塩系のドーパントが使用される。例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などの塩を用いることができる。このようにして製造された固体電解質の電気伝導度は、約0.1〜約200S/cmの範囲であるが、好ましくは約1〜約150S/cm、さらに好ましくは約10〜約100S/cmの範囲である。
導電体層は前記固体電解質層の上に形成する。導電体層の形成割合を高めるための前処理として再化成を行ってもよい。また、前記固体電解質層上にカーボンペースト層を形成することが望ましい。導電体層は内側(固体電解質層側)にカーボンペースト層、外側に銀ペースト等の金属ペースト層を設けてもよく、等価直列抵抗(ESR)を低く抑えるためには、導電体層を含めた陰極電極の抵抗を低減することが望ましい。一般に、カーボンペースト層内の抵抗は金属ペースト層内の抵抗よりも大きいため、陰極電極の抵抗を低減するためには、金属ペースト層に対するカーボンペースト層の割合を相対的に小さくすることが考えられる。しかし、導電体層を金属ペースト層のみから構成するときは、金属、特に銀は電界中において移動(マイグレーション)する性質があるため、カーボンペースト層を用いない場合は、マイグレーションにより陰極と陽極との間に導通経路が形成され、漏れ電流(LC)が増大するおそれがある。
カーボンペースト層を形成する場合は、弁作用金属からなる陽極基体の表面の酸化被膜層に導電性高分子層を積層した後、カーボンぺ−スト層を積層させる。カーボンぺ−スト層の成分は特に限定されない。導電性高分子層を形成した後、所望により再化成した陽極基体を、例えば、カーボンペーストに浸漬することによりその表面にカーボンぺ−ストを塗布し乾燥してカーボンぺ−スト層を積層させる。使用するカーボンぺ−ストは、一般に、カーボン粒子、フッ素樹脂、及び酢酸イソアミル等の溶剤から構成される。カーボンぺ−スト層の形成は、通常採用される自体公知のペースト層の形成方法、例えば、ディップ法、刷毛塗法、スプレー法、ロ−ラー法、スクリーン印刷法等によればよい。
このようにして形成したカーボンペースト層上に金属ペースト層を形成させることができる。金属ペーストとして銀ペースト層を用いる場合は、カーボンペースト層の積層に次いで、銀ペースト層を積層させる。本発明の好ましい実施態様において積層構造を形成させる銀ペーストは、銀粒子、フッ素樹脂、及び酢酸イソアミル等の溶剤から構成される。銀ペーストの調製に使用するこれら構成成分の混合比率は、好ましくは、銀粒子45〜65質量%、フッ素樹脂1〜10質量%、及び酢酸イソアミル等の溶剤30〜50質量%である。銀ペーストに添加する溶剤としては一般に有機系溶剤が使用されるが、使用する有機溶剤は最初から水分含有量が0.5質量%以下のものを使用するのが好ましい。有機溶剤を脱水する必要がある場合は、例えば、ゼオライト等の脱水剤を用いる方法や水を通しやすく有機溶剤を通しにくい高分子膜を利用する方法等で脱水すればよい。銀ペースト中の水分含量が、0.5質量%以下好ましくは0.3質量%以下の場合は、ESRを低減させる効果があるので好ましい。
導電体層は、前記のようにして、固体電解質層の上に形成される。導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含み前記金属ペースト層に含まれる金属種の少なくとも一種と同一の金属種を含む金属めっき層を形成してなる導電体層、特に金属ペースト層および金属めっき層を順次形成した導電体層とするか、または特に金属ペーストに浸漬して形成された金属ペースト層上に電気めっきされた金属めっき層を含む導電体層とすることによって、薄膜で膜厚のバラツキの少ない導電体層を形成できる。これにより形成された導電体層に含まれる金属ペーストの粒子間の隙間が緻密に埋められ、およびESR特性が向上する。また、基材表面に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層を含む導電体層とすることによって、基材表面に析出する金属の粒径が小さく、基材表面が金属で均一、緻密に被覆される。特にカーボンペースト層上に析出する銀の粒径が小さい。これらの結果として、導電性層が薄く、低ESRで諸電気特性に優れた固体電解コンデンサを製造することができる。小型化もできる。また、金属ペースト上に金属めっき層を形成する場合は、金属ペーストの電気抵抗が小さくめっきし易いため、特に均一性に優れた皮膜ができる。導電体層に含まれる金属ペースト層の金属種と金属めっき層の金属種の少なくとも1種が同一である導電体層は化学的安定性にも優れている。
金属ペーストに浸漬して層を形成する方法では、ペーストの表面張力により端部、角部、および上部の層が薄くなる傾向があり、一方、電気めっきによる金属めっきでは、比表面積の大きい凹凸部、端部、角部に層を形成しやすい傾向がある。本発明では、金属ペーストに浸漬することにより形成された金属ペースト層(2)の上に電気めっきで金属めっき層(4)を形成することにより導電体層の厚さが均一になり(図3参照)、さらに金属ペーストで形成した層内の金属粒子(3)間の隙間を埋めることができるため緻密な導電体層を形成することができること(図4参照)、およびこれによりESR特性が向上することが見出された。また、少なくとも、基材表面に貴金属触媒を担持させた後電解めっき(電気めっき)された金属めっき層を含む導電体層とすることによって、基材表面に金属層を形成させる方法によれば、基材表面に析出する金属の粒径が小さく、基材表面が金属で緻密に被覆されることが見出された。基材表面がカーボンペースト層上であり、これに貴金属触媒を担持させた後電解めっきして銀めっき層を形成させる場合は、カーボンペースト層上に析出する銀の粒径が特に小さいので好ましい。
金属ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミニウムペースト、ニッケルペースト、金ペースト等が好ましいが、これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は混合してもよく、または別々の層として積層してもよい。金属ペースト(導電ペースト)を適用した後は空気中に放置するか、または加熱して固化させればよい。
金属ペーストの主成分は導電粉(金属)と樹脂であるが、所望により樹脂を溶解するための溶媒や樹脂の硬化剤も用いられる。導電粉(金属)としては、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、金およびこれら金属を主成分とする合金の粉やこれらの混合物粉が使用される。導電ペースト中の導電粉の含有量は、通常40〜97質量%である。40質量%未満であると作製した導電ペーストの導電性が小さく、また97質量%を超えると金属ペーストの接着性が不良になるために好ましくない。樹脂として、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、エステル樹脂、イミドアミド樹脂、アミド樹脂、スチレン樹脂等の公知の各種樹脂が使用される。溶媒は前記の加熱固化時に飛散する。
金属めっきとしては、銀めっき、銅めっき、アルミニウムめっき、ニッケルめっき、金めっき等が挙げられるが、本発明の固体電解コンデンサ素子は、微細孔を有する弁作用金属の表面に誘電体皮膜層を形成し、その誘電体皮膜層の上に固体電解質層、および導電体層を順次形成した固体電解コンデンサ素子であって、導電体層が少なくとも前記金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および前記金属めっき層を含み前記金属ペースト層の金属種と前記金属めっき層の金属種の少なくとも一種が同一であり、前記金属ペースト層に含まれる金属種の少なくとも一種と同一の金属種を含む金属めっき層を設ける。好ましくは、金属ペースト層を実質的に単独の金属種で構成し、その上にこれと同一の金属種からなる金属めっき層を設ける。めっき方法としては、電気めっき(電解めっき)法、または無電解めっき(化学めっき)法が好ましい。本発明では、金属ペースト層表面、またはカーボンペースト層表面に、電気めっき法、または無電解めっき法で金属めっきするのが好ましい。金属ペーストに浸漬して形成した金属ペースト層表面を電気めっきすることにより、導電体層の厚さを薄く均一にすることができる。また、それにより形成された導電体層に含まれる金属ペーストの粒子間の隙間が緻密に埋められ、ESR特性が向上する。金属ペーストに浸漬して金属ペースト層を形成するためには、貯槽中の銀ぺ−ストに浸漬した後引き上げるディップ法によればよい。また、少なくとも、基材表面に貴金属触媒を担持させた後電解めっき(電気めっき)された金属めっき層を含む導電体層とすることによって、基材表面に金属層を形成させる方法によれば、基材表面に析出する金属の粒径が小さく、基材表面が金属で緻密に被覆される。例えば、導電体層がカーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層を含む導電体層とすることによって、カーボンペースト層上に析出する金属の粒径が小さく、カーボンペースト層が金属で緻密に被覆される。前記カーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されないで電気めっきされた場合は、前記貴金属触媒が付与されて電気めっきされた場合と比較して析出する金属の粒径が粗く大きい。
電気めっき(電解めっき)または無電解めっき(化学めっき)は、通常行われる自体公知の方法に準拠して実施することができる。すなわち、必要に応じて、脱脂、エッチング、洗浄等の前処理や予備めっきで表面を清浄にし、あるいは活性化後、めっき浴中で電気めっきし、または無電解めっきする。無電解めっきしたときは、その後、必要に応じて電気めっきしてもよい。例えば、銀めっきには、シアン化銀めっき浴、銅めっきには、シアン化銅めっき浴、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴、無電解銅めっき浴、ニッケルめっきには、酸性ニッケル浴、無電解ニッケルめっき浴、金めっきには、酸性またはアルカリ性金めっき浴、中性浴、シアン浴を適用することができる。これらのめっき浴には、めっきされる銀、銅、ニッケル、金などの金属成分のほか、シアン、ピロリン酸などの無機錯化剤、ギ酸、酢酸、クエン酸などの有機錯化剤、化学めっきで使用されるコハク酸、グルコン酸、トリエタノールアミンなどの錯化剤、ギ酸、ほう酸、アンモニアなどの緩衝剤、硫酸、塩酸、塩化物、炭酸塩などの電導度塩や、触媒、補助成分としてpH調整剤、酸化剤、還元剤、イオン封鎖剤、沈殿防止剤、光沢剤、物性調整剤などが添加されていてもよい。
電気めっき(電解めっき)または無電解めっき(化学めっき)するときに好ましく用いられる貴金属触媒であって、被めっき基材表面(例えば金属ペースト層上やカーボンペースト層上)に付与される(担持される)貴金属触媒としては、パラジウム触媒、または銀触媒が挙げられる。パラジウム触媒は、例えば、塩化パラジウム(PdCl2)と塩化すず(SnCl2)との混合溶液として用いることができる。また、塩化すず(SnCl2)と塩酸(HCl)との混合溶液中で金属ペースト層の表面を感受性化した後、塩化パラジウム(PdCl2)と塩酸(HCl)との混合溶液に浸漬してもよい。
銀触媒を電気めっき(電解めっき)または無電解めっき(化学めっき)に用いるときは、前記と同様に、例えば、塩化すず(SnCl2)と塩酸(HCl)との混合溶液中で被めっき基材表面(例えば金属ペースト層上やカーボンペースト層上)を感受性化した後、硝酸銀(AgNO3)溶液に浸漬すればよい。
電解めっき(電気めっき)するときは、基材表面に導電性の貴金属触媒を担持させた後、陰極とする導電体を外部電極とし、図12に示されるように、これを基材表面に接触もしくは近傍に配置して電解めっきするのが好ましい。導電性の貴金属触媒を担持させることによって、めっきがしやすくなる。また、めっきのつきまわりがよくなり、均一なめっき層を形成することができる。また、外部電極よりも、基材表面、例えばカーボン層表面に選択的に電解めっきされ、外部電極から引き離す際に剥離がなくなり、漏れ電流が少なくなる。これを、弁作用金属上に、酸化被膜、固体電解質層、カーボン層を順次形成した固体電解コンデンサで説明する。カーボン層に担持させる導電性の貴金属触媒としては、パラジウム(Pd)、銀(Ag)が好ましい。例えば、Pdを触媒としてカーボン層に触媒を担持する方法は、第2錫イオン溶液に浸漬し、次にパラジウムイオン溶液に浸漬しカーボン層表面にレドックス反応を起こす方法、第2錫イオン溶液とパラジウムイオン溶液を混合した溶液に浸漬して、表面にコロイド状のパラジウム・錫、またはパラジウム・錫錯体化合物を配着させ、次に錫を除去しパラジウムを活性化する方法がある。これら液は、市販の溶液を用いることができる。触媒はコロイド状に、表面全体に担持されるのが好ましい。少量で表面の活性点、導電性を増大させることができる。
このようにして微細孔を有する弁作用金属表面に誘電体皮膜層を形成し、固体電解質層、金属ペースト層、および金属めっき層まで順次積層して固体電解コンデンサ素子が作製される。好ましい例としては、前記誘電体皮膜層上に形成した固体電解質層上にカーボンペースト層、銀ペースト層、銀めっき層を順次積層してなる固体電解コンデンサ素子等が挙げられる。また、本発明では、前記固体電解質層上に形成したカーボンペースト層上に金属めっき層を積層することもできる。好ましい例としては、前記誘電体皮膜層上に形成した固体電解質層上にカーボンペースト層、銀めっき層を順次積層してなる固体電解コンデンサ素子等が挙げられる。
このようにして得られる固体電解コンデンサ素子は、電気特性を満足すれば、コンデンサチップあたりの詰め込み容積が高められるため、厚みは薄ければ薄いほど好ましい。本発明の固体電解コンデンサ素子は、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含むが、これら金属めっき層の層厚、または金属ペーストの層厚および金属めっきの層厚が薄く、ESRが低くなるように、金属めっき条件、または金属ペーストの塗布条件および金属めっき条件を実験により決定する。なお、各層の層厚はデジタルダイヤルゲージ等の慣用の測定手段を用いて測定できる。層厚が1μm以下となる場合には、走査型電子顕微鏡による素子の断面観察によって層厚を測定することもできる。
また、形成した固体電解質上のカーボン層表面の形状、凹凸などにより、金属めっき層の層厚、または金属ペーストの層厚および金属めっきの層厚は異なる。
金属ペーストの層厚は、片面あたり、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜30μmの範囲とする。金属ペースト層の層厚が小さすぎると十分な導電性が得られない。金属ペースト層の層厚が大きすぎると単位体積当たりのコンデンサ容量が低下する。
金属ペースト層上、またはカーボンペースト層上を含め、基材表面に積層する金属めっき層の層厚は、片面あたり、通常、0.1〜20μm、好ましくは0.2〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmの範囲とする。なお、ここで、金属めっき層の層厚とは、コンデンサの平坦部(端部以外の領域)における層厚の平均値を指す(以下、同じ。)。金属めっき層の層厚が小さすぎると十分な導電性が得られず、本発明による効果も十分に発揮されない。金属ペースト層の層厚が大きすぎると単位体積当たりのコンデンサ容量が低下する。
また、金属ペースト層上に積層する金属めっき層は、金属ペースト層の層厚に対して3〜300%、好ましくは10〜100%、より好ましくは30〜90%、さらに好ましくは40〜70%の範囲とする。金属ペースト層の層厚に対して金属めっき層の層厚が小さすぎると本発明の効果が十分に得られないおそれがある。一方、金属ペースト層の層厚に対して金属めっき層の層厚が大きすぎると、導電層全体に応力が加わった場合に金属めっき層にひび割れが生じる等の破壊が生じるおそれがあり、却ってESR(等価直列抵抗)が増加したり、LC(漏れ電流)が増大する場合がある。
もっとも、これらの規定値は、金属基材の寸法、封止条件、使用条件等によって変わり得るものであり、上記に挙げた範囲外であっても、直ちに本発明の範囲から外れるものではない。
以上のような構成の本発明の固体電解コンデンサ素子は、単独でまたは適宜積層した上で、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属性の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフイルムなどにより外装して各種用途の固体電解コンデンサ製品とすることができる。
本発明においては、特に、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層として金属ペースト層と金属めっき層を組み合わせて設けることにより、電気特性に優れ、かつ封止時等の応力や使用時の熱応力への耐性に優れた樹脂封止コンデンサが得られる。このような固体電解コンデンサは、一般に行なわれる固体電解コンデンサの製造方法に従って、本発明固体電解コンデンサ素子を単独でまたは複数を積層し封口することによって得られ、その方法、外装、材質等については特に制限されない。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、以下の例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1:
アルミニウム化成箔(厚み100μm)を短軸方向3mm×長軸方向10mmに切り出し、長軸方向を5mmの部分に区切るように、両面に幅0.8mmのポリイミド溶液を周状に塗布、乾燥させ第1のマスキングを作成した。この化成箔の3mm×5mmの部分を、10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液で4Vの電圧を印加して切り口部分を化成し、誘電体酸化皮膜を形成したあと長軸方向を4mmの部分に区切るように、両面に幅0.8mmのポリイミド溶液を周状に塗布、乾燥させ第2のマスキングを作成した。
次に、このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させた2.0mol/Lのイソプロピルアルコール(IPA)溶液に5秒間含浸し、これを室温で5分間乾燥し、2−アントラキノンスルホン酸ナトリウムが0.07質量%となるように調整した1.5mol/Lの過硫酸アンモニウム水溶液に5秒間浸漬した。続いてこのアルミニウム箔を40℃の大気中で10分間放置して酸化的重合を行った。引き続き、この浸漬工程および重合工程を全体で24回となるようにして、導電性重合体の固体電解質層をアルミニウム箔の外表面に形成した。最終的に生成したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を50℃温水中で洗浄し、その後100℃で30分乾燥を行い、固体電解質層を形成した。
層厚計(Peacock社製:デジタルダイヤルゲージ DG−205,精度3μm)を用いて、アルミニウム箔を層厚計の測定部にゆっくりと挟んで厚みを測定した。1200素子の平均層厚は222μmであり、片面あたりの固体電解質層層厚は61μmであった。
次に、固体電解質層を形成した3mm×4mmの部分を、15質量%アジピン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、固体電解質層を形成していない部分の弁作用金属箔に陽極の接点を設けて3.8Vの電圧を印加し、再化成を行った。
次に、固体電解質層を形成した3mm×4mmの部分を、カーボンペーストに浸漬し、乾燥させた。層厚計で厚みを測定したところ、片面あたりのカーボンぺースト層平均層厚は16μmであった。
次に、カーボン層を形成した3mm×4mmの部分を、銀ペーストに浸漬し、乾燥させた。層厚計で厚みを測定したところ、片面あたりの銀ぺースト層平均層厚は17μmであった。
次に、金属棒を外部電極として、銀を電解めっきし、十分に水洗後乾燥した。層厚計で厚みを測定したところ、片面あたりの銀めっき層平均層厚は3μmであった。
上記アルミニウム箔を4枚積層し、陰極リード端子を接続した。また、固体電解質層の形成されていない部分には陽極リード端子を溶接により接続した。さらに、この素子をエポキシ樹脂で封止した後、125℃で定格電圧(2V)を印加して2時間エージングを行い、合計300個のコンデンサを完成させた。
これら300個のコンデンサについて、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(%で表示)、等価直列抵抗(ESR)、それに漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良率を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
実施例2:
実施例1において、銀を電解めっきする代わりに、パラジウム触媒を担持させた後、銀を無電解めっきして、十分に水洗後乾燥した。層厚計で厚みを測定したところ、片面あたりの銀めっき層の平均層厚は3μmであった。
これ以外は、実施例1と同様にして300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
実施例3:
実施例1において、酸化的重合でポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の固体電解質層を形成する代わりに、以下のように電解重合でポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の固体電解質層を形成した。
アルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、20質量%p−トルエンスルホン酸鉄(III)水溶液に1分間浸漬し、室温で5分間乾燥し、10質量%3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロパノール溶液に1分間含浸し、これを室温で5分間乾燥した。本サイクルを1サイクルとして5回繰り返した。その後、蒸留水で洗浄し、40℃で5分乾燥した。
このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、15質量%アジピン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、固体電解質層を形成していない部分の弁作用金属箔に陽極の接点を設けて3.8Vの電圧を印加し、再化成を行った。
このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、別途用意した2質量%の3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーと0.1質量%のアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムが溶解した20質量%エチレングリコールと水の混合溶液が入ったSUS304製の電解槽に浸漬した。外部電極を陽極にし、電解槽を陰極にして70μA/素子で電解重合を60分行った。
電解槽から引き上げ、イソプロパノール洗浄、水洗浄、乾燥、再化成を行った。
外部電極の位置を少しずらして、本サイクルを1サイクルとして、さらに5回繰り返し、固体電解層を形成した。片面あたりの固体電解質層層厚は26μmであった。
カーボンペーストの濃度を調整して、片面あたりのカーボンぺースト層平均層厚を8μmとした。
次に、銀ペーストの濃度を調整して、片面あたりの銀ぺースト層平均層厚を11μmとした。
さらに、めっき時間を短縮して、片面あたりの銀めっき層平均層厚を2μmとした。
これ以外は、実施例1と同様にして300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
実施例4:
実施例1において、酸化的重合でポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の固体電解質層を形成する代わりに、以下のように電解重合でポリピロールの固体電解質層を形成した。
アルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、20質量%p−トルエンスルホン酸鉄(III)水溶液に1分間浸漬し、室温で5分間乾燥し、10質量%3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロパノール溶液に1分間含浸し、これを室温で5分間乾燥した。本サイクルを1サイクルとして5回繰り返した。その後、蒸留水で洗浄し、40℃で5分乾燥した。
このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、15質量%アジピン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、固体電解質層を形成していない部分の弁作用金属箔に陽極の接点を設けて3.8Vの電圧を印加し、再化成を行った。
このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、別途用意した1質量%のピロールモノマーと0.1質量%のアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムが溶解した20質量%エチレングリコールと水の混合溶液が入ったSUS304製の電解槽に浸漬した。外部電極を陽極にし、電解槽を陰極にして70μA/素子で電解重合を60分行った。
電解槽から引き上げ、イソプロパノール洗浄、水洗浄、乾燥、再化成を行った。
外部電極の位置を少しずらして、本サイクルを1サイクルとして、さらに5回繰り返し、固体電解層を形成した。片面あたりの固体電解質層層厚は22μmであった。
カーボンペーストの濃度を調整して、片面あたりのカーボンぺースト層平均層厚を7μmとした。
次に、銀ペーストの濃度を調整して、片面あたりの銀ぺースト層平均層厚を10μmとした。
さらに、めっき時間を短縮して、片面あたりの銀めっき層平均層厚を2μmとした。
これ以外は、実施例1と同様にして300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
また、実施例4について、銀めっき終了後の端部の断面SEM写真を図5および図6に示す。観察は走査型電子顕微鏡(日立社製,S-900)を用いて行なった。なお、ここでは箔を両側から冶具で挟み込んで引きちぎることによって断面を出した。切断時の剪断力のため銀ペースト層(約4μm)に乱れはあるが、銀ペーストのみでは平面に対して層厚が不足している端部においても、銀めっきをすることによって安定的かつ十分に被覆することが可能となっていることがわかる。
実施例5:
実施例1のアルミニウム化成箔の替わりに3mm×4mmで厚さが300μmの陽極リードを導出したニオブ焼結体を用い10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液で8Vの電圧を印加して化成した。
20質量%p−トルエンスルホン酸鉄(III)水溶液に1分間浸漬し、室温で5分間乾燥し、10質量%3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロパノール溶液に1分間含浸し、これを室温で5分間乾燥した。その後、蒸留水で洗浄し、40℃で5分乾燥した。さらに0.1質量%燐酸水溶液中で80℃、8Vで5分間再化成した。本サイクルを1サイクルとしてさらに7回繰り返した。
このニオブ焼結体の3mm×4mmの部分を、別途用意した4質量%の3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーと0.1質量%のアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムが溶解した20質量%エチレングリコールと水の混合溶液が入ったSUS304製の電解槽に浸漬した。外部電極を陽極にし、電解槽を陰極にして140μA/素子で電解重合を20分行った
水溶液から引き上げ水洗浄・アルコール洗浄・乾燥を行った後、0.1質量%燐酸水溶液中で80℃、8Vで15分間再化成を行い、固体電解層を形成した。片面あたりの固体電解質層層厚は28μmであった。
カーボンペーストの濃度を調整して、片面あたりのカーボンぺースト層平均層厚を7μmとした。
次に、銀ペーストの濃度を調整して、片面あたりの銀ぺースト層平均層厚を9μmとした。
さらに、めっき時間を短縮して、片面あたりの銀めっき層平均層厚を2μmとした。
これ以外は、実施例1と同様にして300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
比較例1:
片面あたりの銀ペースト平均層厚を15μmとし、銀めっきを行わなかった以外は、実施例1と同様にして300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
比較例2:
片面あたりの銀ペースト平均層厚を40μmとし、銀めっきを行わなかった以外は、実施例1と同様にして300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
比較例3:
片面あたりの銀ペースト平均層厚を15μmとし、銀めっきを行わなかった以外は、実施例5と同様にして300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
Figure 2008109070
上記表1中に示される各例の素子厚(μm)をまとめて下記表2に示す。
Figure 2008109070
比較例4:
銀めっきを行わなかった以外は、実施例4と同様にしてコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例4と同様に走査型電子顕微鏡(日立社製,S-900)を用いて端部の断面を観察した。その断面SEM写真を図7および図8に示す。
実施例6
実施例3と同様にして電解重合で形成した固体電解質層上にカーボンペーストを積層させた電解重合カーボンペースト箔(以下、単にカーボンペースト箔という。)を用意した。スターラー撹拌装置を使用したビーカースケールで、下記表3に記載した組成のめっき液約300mLをスターラー撹拌しながら、カーボンペースト箔を電気めっき(40℃、2mA/素子、10分)により銀めっきした。
Figure 2008109070
銀めっきした箔の顕微鏡写真により、箔表面に析出した銀の粒径、および箔表面に析出した銀による被覆の粗密を観測した(図9)。結果を表4に示す。
実施例7
カーボンペースト箔を、NNPアクセラA(奥野製薬工業株式会社製塩化パラジウム水溶液)(30mL/L)に10分間浸漬し乾燥(80℃、5分)してカーボンペースト箔にPdを付与した以外は、その後実施例6と同様にして銀めっきした。銀めっきした箔の顕微鏡写真により、箔表面に析出した銀の粒径、および箔表面に析出した銀による被覆の粗密を観測した(図10)。結果を表4に示す。
実施例8
カーボンペースト箔を、NNPアクセラB(奥野製薬工業株式会社製りん酸塩溶液)に30秒間浸漬後NNPアクセラA(奥野製薬工業株式会社製塩化パラジウム水溶液)(30mL/L)に3分間浸漬し乾燥(80℃、5分)してカーボンペースト箔にPdを付与した以外は、その後実施例6と同様にして銀めっきした。銀めっきした箔の顕微鏡写真により、箔表面に析出した銀の粒径、および箔表面に析出した銀による被覆の粗密を観測した(図11)。結果を表4に示す。
Figure 2008109070
表4に示される通り、カーボンペースト層上に直接電気めっきされた金属めっき層に比べて、カーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層では、カーボンペースト層上に析出する金属の粒径が小さく、カーボンペースト層は析出した金属によって緻密に被覆されている(図9〜11参照)。
実施例9
アルミニウム化成箔(厚み100μm)を短軸方向3mm×長軸方向10mmに切り出し、長軸方向を5mmの部分に区切るように、両面に幅0.8mmのポリイミド溶液を周状に塗布、乾燥させ第1のマスキングを作成した。この化成箔の3mm×5mmの部分を、10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液で4Vの電圧を印加して切り口部分を化成し、誘電体酸化皮膜を形成したあと長軸方向を4mmの部分に区切るように、両面に幅0.8mmのポリイミド溶液を周状に塗布、乾燥させ第2のマスキングを作成した。
アルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、20質量%p−トルエンスルホン酸鉄(III)水溶液に1分間浸漬し、室温で5分間乾燥し、10質量%3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロパノール溶液に1分間含浸し、これを室温で5分間乾燥した。本サイクルを1サイクルとして5回繰り返した。その後、蒸留水で洗浄し、40℃で5分間乾燥した。
このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、15質量%アジピン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、固体電解質層を形成していない部分の弁作用金属箔に陽極の接点を設けて3.8Vの電圧を印加し、再化成を行った。
このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、別途用意した2質量%の3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーと0.1質量%のアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムが溶解した20質量%エチレングリコールと水の混合溶液が入ったSUS304製の電解層に浸漬した。外部電極を陽極にし、電解層を陰極にして70μA/素子で電解重合を60分行った。
電解層から引き上げ、イソプロパノール洗浄、水洗浄、乾燥、再化成を行った。
外部電極の位置を少しずらして、本サイクルを1サイクルとして、さらに5回繰り返し、固体電解層を形成した。
層厚計(Peacock社製:デジタルダイヤルゲージ DG−205,精度3μm)を用いて、アルミニウム箔を層厚計の測定部にゆっくりと挟んで厚みを測定した。1200素子の平均層厚は152μmであり、片面あたりの固体電解質層層厚は26μmであった。
次に、固体電解質層を形成した3mm×4mmの部分を、カーボンペーストに浸漬し、乾燥させた。層厚計で厚みを測定したところ、片面あたりのカーボンぺースト層平均層厚は8μmであった。
次に、カーボンペースト層を形成した3mm×4mmの部分を、NNPアクセラB200g(奥野製薬工業株式会社製)を1Lの純水に溶解した液に3分浸漬した後、NNPアクセラA30mL(奥野製薬工業株式会社製)を1Lの純水に希釈した液に3分浸漬して、Pd触媒を付与した。表面を金めっきした銅合金棒の外部端子を陰極として、アルミニウム箔に接触させた。表面技術,45,1029(1994)のTable.1のB2に記載されている組成のめっき液中で、電流密度2mA/cm2、温度40℃、時間10分で銀めっきして、十分に水洗後乾燥した。
カーボンぺースト層へのめっき効率を次式により求めた。
Figure 2008109070
その結果、めっき効率は84%であった。
層厚計で厚みを測定したところ、片面あたりの銀めっき層平均層厚は5μmであった。
上記アルミニウム箔を4枚積層し、陰極リード端子を接続した。また、固体電解質層の形成されていない部分には陽極リード端子を溶接により接続した。さらに、この素子をエポキシ樹脂で封止した後、125℃で定格電圧(2V)を印加して2時間エージングを行い、合計300個のコンデンサを完成させた。
これら300個のコンデンサについて、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(%で表示)、等価直列抵抗(ESR)、それに漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表6にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良率を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
実施例10
カーボンペースト層を形成した3mm×4mmの部分を、MOON−500キャタリスト(奥野製薬工業株式会社製)に5分浸漬して、Ag触媒を付与した。これ以外は、実施例9と同様にして300個のコンデンサを完成させた。その結果、めっき効率は79%であった。得られたコンデンサ素子について実施例9と同様に行った特性評価の結果を表6に示す。
実施例11
アルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させた2.0mol/Lのイソプロピルアルコール(IPA)溶液に5秒間含浸し、これを室温で5分間乾燥し、2−アントラキノンスルホン酸ナトリウムが0.07質量%となるように調整した1.5mol/Lの過硫酸アンモニウム水溶液に5秒間浸漬した。続いてこのアルミニウム箔を40℃の大気中で10分間放置して酸化的重合を行った。引き続き、この浸漬工程及び重合工程を全体で24回となるようにして、導電性重合体の固体電解質層をアルミニウム箔の外表面に形成した。最終的に生成したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を50℃温水中で洗浄し、その後100℃で30分乾燥を行い、固体電解質層を形成した。
層厚計で厚みを測定したところ、片面あたりの固体電解質層層厚は61μmであった。
次に、固体電解質層を形成した3mm×4mmの部分を、15質量%アジピン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、固体電解質層を形成していない部分の弁作用金属箔に陽極の接点を設けて3.8Vの電圧を印加し、再化成を行った。
電解重合の替わりに、上記のように化学重合とした以外は、実施例9と同様にして300個のコンデンサを完成させた。その結果、めっき効率は80%であった。得られたコンデンサ素子について実施例9と同様に行った特性評価の結果を表6に示す。
比較例5
銀めっきの替わりに、銀ペースト層に浸漬し乾燥して片面あたり5μmの銀層を設けた以外は、実施例9と同じにして、300個のコンデンサを完成させた。得られたコンデンサ素子について実施例9と同様に行った特性評価の結果を表6に示す。
比較例6
カーボン層にPdを担持させない以外は、実施例9と同じにして、300個のコンデンサを完成させた。その結果、めっき効率は47%であった。得られたコンデンサ素子について実施例9と同様に行った特性評価の結果を表6に示す。これら300個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100(%))、等価直列抵抗(ESR)、それに漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表6にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良率を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
Figure 2008109070
従来の固体電解コンデンサ素子の断面模式図。 図1におけるA部分の拡大図。 本発明の固体電解コンデンサ素子の断面模式図。 図3におけるA'部分の拡大図。 実施例4において得られたコンデンサ素子の端部の断面SEM写真(250倍)。 実施例4において得られたコンデンサ素子の端部の断面SEM写真(1000倍)。 比較例4において得られたコンデンサ素子の端部の断面SEM写真(250倍)。 比較例4において得られたコンデンサ素子の端部の断面SEM写真(1000倍)。 実施例6において得られた銀めっき後の箔の顕微鏡写真(500倍) 実施例7において得られた銀めっき後の箔の顕微鏡写真(500倍) 実施例8において得られた銀めっき後の箔の顕微鏡写真(500倍) 本発明の電解めっきを示す模式図
符号の説明
A,A' 平面部
B 角部
C 端部
D 上部
1 誘電体皮膜、および固体電解質層を表面に形成した弁作用金属
2 金属ペースト層
3 金属粒子
4 金属めっき層
5 基材
6 外部端子
7 金属めっき
8 基材表面に担持された貴金属触媒

Claims (50)

  1. 微細孔を有する弁作用金属の表面に誘電体皮膜層を形成し、その誘電体皮膜層の上に固体電解質層、および導電体層を順次形成した固体電解コンデンサ素子であって、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含み前記金属ペースト層の金属種と前記金属めっき層の金属種の少なくとも一種が同一であることを特徴とする固体電解コンデンサ素子。
  2. 前記導電体層が、カーボンペースト層、金属ペースト層、および金属めっき層を順次形成した導電体層を含む請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子。
  3. 前記金属ペースト層が、金属ペーストに浸漬することにより形成された金属ペースト層を含む請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ素子。
  4. 前記金属ペースト層上に電気めっきされた金属めっき層を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  5. 前記金属ペースト層上に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  6. 前記金属ペースト層上に貴金属触媒が付与されて無電解めっきされた後電気めっきされた金属めっき層を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  7. 前記貴金属触媒がパラジウムを含む請求項5または6に記載の固体電解コンデンサ素子。
  8. 前記導電体層が、カーボンペースト層、および金属めっき層を順次形成した導電体層を含む請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子。
  9. 前記カーボンペースト層上に電気めっきされた金属めっき層を含む請求項8に記載の固体電解コンデンサ素子。
  10. 前記カーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されて電気めっきされた金属めっき層を含む請求項8または9に記載の固体電解コンデンサ素子。
  11. 前記カーボンペースト層上に貴金属触媒が付与されて無電解めっきされた後電気めっきされた金属めっき層を含む請求項8〜10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  12. 前記貴金属触媒がパラジウムおよび銀から選ばれた貴金属を含む請求項10または11に記載の固体電解コンデンサ素子。
  13. 前記貴金属触媒がパラジウムを含む請求項12に記載の固体電解コンデンサ素子。
  14. 金属めっき層の金属種、または金属ペースト層および金属めっき層の金属種が、銀である請求項1〜13のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  15. 誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、およびチタンから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである請求項1〜14のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  16. 誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、前記金属あるいは合金、および酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である請求項15に記載の固体電解コンデンサ素子。
  17. 弁作用金属の形状が、箔状、板状、棒状、または弁作用金属自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状である請求項1〜16のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子を積層してなる固体電解コンデンサ。
  19. 微細孔を有する弁作用金属の表面に誘電体皮膜層を形成し、その誘電体皮膜層の上に固体電解質層、および導電体層を順次形成する固体電解コンデンサ素子の製造方法であって、導電体層が少なくとも金属めっき層を含むか、または導電体層が金属ペースト層および金属めっき層を含み前記金属ペースト層の金属種と前記金属めっき層の金属種の少なくとも一種を同一とした導電体層を形成することを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  20. 前記導電体層に含まれる金属ペースト層が、金属ペーストに浸漬することにより形成された金属ペースト層を含む請求項19に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  21. 前記固体電解質層、および導電体層を順次形成する固体電解コンデンサ素子の製造方法であって、前記金属ペースト層に含まれる少なくとも1種の金属種と同一の金属種を含む金属めっき層を前記金属ペースト層上に電気めっきする請求項19または20に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  22. 前記固体電解質層上にカーボンペースト層、および金属ペースト層を順次積層し、前記金属ペースト層に含まれる少なくとも1種の金属種と同一の金属種を含む金属めっき層を前記金属ペースト層上に電気めっきする請求項19〜21のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  23. 前記金属ペースト層上に貴金属触媒を付与して電気めっきする請求項21または22に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  24. 前記金属ペースト層上に貴金属触媒を付与して無電解めっきした後電気めっきする請求項21〜23のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  25. 前記貴金属触媒がパラジウムを含む請求項23または24に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  26. 前記固体電解質層上にカーボンペースト層を積層し、前記カーボンペースト層上に金属めっき層を積層する請求項19に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  27. 前記カーボンペースト層上に金属めっき層を電気めっきする請求項26に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  28. 前記カーボンペースト層上に貴金属触媒を付与して電気めっきする請求項27に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  29. 前記カーボンペースト層上に貴金属触媒を付与して無電解めっきした後電気めっきする請求項27または28に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  30. 前記貴金属触媒がパラジウムおよび銀から選ばれた貴金属を含む請求項28または29に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  31. 前記貴金属触媒がパラジウムを含む請求項30に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  32. 金属めっき層の金属種、または金属ペースト層および金属めっき層の金属種が、銀である請求項19〜31のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  33. 誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、およびチタンから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである請求項19〜32のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  34. 誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、前記金属あるいは合金、および酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である請求項33に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  35. 弁作用金属の形状が、箔状、板状、棒状、または弁作用金属自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状である請求項19〜34のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  36. 請求項19〜35のいずれか1項に記載の製造方法で得られた固体電解コンデンサ素子。
  37. 請求項36に記載の固体電解コンデンサ素子を積層してなる固体電解コンデンサ。
  38. 基材表面に触媒を担持させた後、電解めっきすることを特徴とする基材表面の金属層形成方法。
  39. 陰極とする導電体を、基材表面に接触もしくは近傍に配置して電解めっきする請求項38に記載の基材表面の金属層形成方法。
  40. 触媒がパラジウムもしくは銀を含む貴金属触媒である請求項38または39に記載の基材表面の金属層形成方法。
  41. 基材が、表面に誘電体被膜を形成させた微細孔を有する弁作用金属である請求項38〜40のいずれか1項に記載の基材表面の金属層形成方法。
  42. 基材が、弁作用金属上に、酸化被膜、固体電解質層、カーボン層を順次形成したものである請求項38〜41のいずれか1項に記載の基材表面の金属層形成方法。
  43. 金属層の金属種が銀である請求項38〜42のいずれか1項に記載の基材表面の金属層形成方法。
  44. 請求項38〜43のいずれか1項に記載の方法でその表面に金属層が形成された基材。
  45. 誘電体被膜層を有する弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、及びチタンから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである請求項44に記載の基材。
  46. 誘電体皮膜層を有する弁作用金属が、前記金属あるいは合金、および酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である請求項45に記載の基材。
  47. 請求項44〜46のいずれか1項に記載の基材を用いて製造する固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  48. 請求項47に記載の製造方法で得られた固体電解コンデンサ素子。
  49. 弁作用金属の形状が、箔状、板状、棒状、または弁作用金属自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状である請求項48に記載の固体電解コンデンサ素子。
  50. 請求項48または49に記載の固体電解コンデンサ素子を積層してなる固体電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016510944A (ja) * 2013-02-19 2016-04-11 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 固体電解コンデンサー及び固体電解コンデンサーを製造する方法

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JP2017135400A (ja) * 2013-02-19 2017-08-03 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 低esrコンデンサー

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