JP4947273B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、モータの出力トルクには、駆動電流に応じた駆動トルク以外に、駆動電流とは無関係なコギングトルクも含まれるので、駆動電流と共に駆動トルクが0になると、コギングトルクが負荷トルクの振幅変動として運転者に伝わり、ハンドルの切り戻し時に操舵フィーリングが悪化する事態が生じ得た。
運転中にハンドルを基準角速度以下で中立点に切り戻す際に、操舵の補助に必要なモータの出力トルクが所定値以下になるアシスト不要状態が発生し得る。すると、モータの出力トルクのうち、モータへの駆動電流により発生する駆動トルクの割合が小さくなり或いは0になり、駆動電流とは無関係に発生するコギングトルクの割合が増す。これに対し、本発明の電動パワーステアリング装置は、アシスト不要状態になると、トルクセンサにて検出される負荷トルクを0に近づけるようにモータの電流指令値を決定する。これにより、その電流指令値に応じたモータの駆動トルクが、コギングトルクによる負荷トルクの振幅変動を抑え、ハンドルの切り戻し時における操舵フィーリングが向上させることが可能になる。
また、本発明では、車速が下限基準車速と上限基準車速との間の値である第1条件と、操舵角がハンドルの中立点に対して基準操舵角以内である第2条件と、ハンドルを基準角速度以下で中立点に切り戻し動作中である第3条件との全ての条件を満たした場合を、アシスト不要状態であると判断するので、車線変更時に生じるアシスト不要状態を確実に検出することができる。
運転中にハンドルを基準角速度以下で中立点に切り戻す際に、操舵の補助に必要なモータの出力トルクが所定値以下になるアシスト不要状態が発生し得る。すると、モータの出力トルクのうち、モータへの駆動電流により発生する駆動トルクの割合が小さくなり或いは0になり、駆動電流とは無関係に発生するコギングトルクの割合が増す。これに対し、本発明の電動パワーステアリング装置では、モータのコギングトルクが駆動トルクによってキャンセルされるようにモータの電流指令値を決定する。これにより、その電流指令値に応じたモータの駆動トルクが、コギングトルクによる負荷トルクの振幅変動を抑え、ハンドルの切り戻し時における操舵フィーリングが向上させることが可能になる。
また、本発明では、車速が下限基準車速と上限基準車速との間の値である第1条件と、操舵角がハンドルの中立点に対して基準操舵角以内である第2条件と、ハンドルを基準角速度以下で中立点に切り戻し動作中である第3条件との全ての条件を満たした場合を、アシスト不要状態であると判断するので、車線変更時に生じるアシスト不要状態を確実に検出することができる。
請求項3の電動パワーステアリング装置によれば、モータの回転位置と電流指令値とを対応させたコギングトルク対応マップを備え、回転位置センサにて検出したモータの回転位置に基づいて、コギングトルク対応マップから電流指令値を決定することができる。
請求項4の構成によれば、自動でコギングトルク対応マップを作成するので、電動パワーステアリング装置におけるモータや制御部分を交換するメンテナンス作業を容易に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように電動パワーステアリング装置10は、筒形ハウジング11の内部に直動シャフト12を挿通して備えている。そして、直動シャフト12の両端部がタイロッド(図示せず)を介して転舵輪13,13に連結されている。また、転舵輪13の近傍には、転舵輪13の回転に基づいて車速Vjを検出するための車速センサ14が設けられている。
本実施形態の電動パワーステアリング装置10を備えた車両を走行すると、運転状況に応じてモータ駆動制御部70がモータ20への駆動電流Imを制御する。ここで、車両を駐車場に出し入れする場合や、車両がコーナーを曲がる場合の操舵時には、上記した第1〜第3の条件(S1〜S3)の何れかを満たさないので、モータ駆動制御部70は、メインプログラムPG1(図2参照)における第1電流指令値決定処理(S4)にて電流指令値を決定する。即ち、電流指令値を、負荷トルクTjの増加に従って増加し、車速Vjの増加に従って減少する値に決定し、その電流指令値に応じた駆動電流Imをモータ20に付与する。このとき、モータ20の出力トルクのうち駆動電流Imに応じた駆動トルクが比較的大きくなるので、駆動電流Imとは無関係なコギングトルクの割合が小さくなり、コギングトルクは運転者に伝わり難い。即ち、コギングトルクによる操舵フィーリングへの悪影響は抑えられる。
本実施形態は、図5及び図6に示されており、前記第1実施形態とは、第2電流指令値決定処理の構成のみが異なる。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、第1実施形態と同じ構成に関しては、同一符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態は、図7に示されており、所謂、学習機能によりコギングトルク対応マップMap1を作成する処理が備えられている点が第2実施形態と異なる。以下、第1及び2の実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、第1及び第2の実施形態と同じ構成に関しては、同一符号を付して重複した説明を省略する。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
14 車速センサ
20 モータ
22 ロータ
26 回転位置センサ
33 舵角センサ
35 ハンドル
57 トルクセンサ
70 モータ駆動制御部
Tj 負荷トルク
Vj 車速
V1 下限基準車速
V2 上限基準車速
θ1 基準操舵角
θh 操舵角
θm 回転位置
ω1 基準角速度
ωh 操舵速度
Claims (5)
- モータを駆動源として備えた電動パワーステアリング装置であって、
ハンドルの操舵に対する負荷トルクを検出するトルクセンサ、前記ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ及び車速を検出する車速センサの各検出結果を受けて、前記負荷トルクが前記操舵角の変化に対してヒステリシス状に変化するように、前記モータへの駆動電流を制御する電動パワーステアリング装置において、
前記ハンドルを基準角速度以下で前記中立点に切り戻す際に、操舵の補助に必要な前記モータの出力トルクが所定値以下になるアシスト不要状態を検出するためのアシスト不要状態検出手段と、
前記アシスト不要状態である場合に、前記トルクセンサによって検出される負荷トルクを0に近づけるように前記モータの電流指令値を決定するコギングトルク低減手段とを備え、
前記アシスト不要状態検出手段は、車速が下限基準車速と上限基準車速との間の値である第1条件と、前記操舵角が前記ハンドルの中立点に対して基準操舵角以内である第2条件と、前記ハンドルを基準角速度以下で前記中立点に切り戻し動作中である第3条件との全ての条件を満たした場合を、前記アシスト不要状態であると判断することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - モータを駆動源として備えた電動パワーステアリング装置であって、
ハンドルの操舵に対する負荷トルクを検出するトルクセンサ、前記ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ及び車速を検出する車速センサの各検出結果を受けて、前記負荷トルクが前記操舵角の変化に対してヒステリシス状に変化するように、前記モータへの駆動電流を制御する電動パワーステアリング装置において、
前記ハンドルを基準角速度以下で前記中立点に切り戻す際に、操舵の補助に必要な前記モータの出力トルクが所定値以下になるアシスト不要状態を検出するためのアシスト不要状態検出手段と、
前記アシスト不要状態である場合に、前記モータのコギングトルクが前記モータの駆動トルクによってキャンセルされるように前記モータの電流指令値を決定するコギングトルクキャンセル手段とを備え、
前記アシスト不要状態検出手段は、車速が下限基準車速と上限基準車速との間の値である第1条件と、前記操舵角が前記ハンドルの中立点に対して基準操舵角以内である第2条件と、前記ハンドルを基準角速度以下で前記中立点に切り戻し動作中である第3条件との全ての条件を満たした場合を、前記アシスト不要状態であると判断することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記モータの回転位置を検出するための回転位置センサを設け、
前記コギングトルクキャンセル手段は、前記モータの回転位置と前記電流指令値とを対応させたコギングトルク対応マップを備え、前記回転位置センサの検出結果に基づいて、前記コギングトルク対応マップから前記電流指令値を決定することを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記アシスト不要状態である場合に、前記回転位置センサ及び前記トルクセンサの検出結果に基づき、前記コギングトルク対応マップを作成するマップ自動作成手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記下限基準車速を40[km/h]、前記上限基準車速を60[km/h]、前記基準操舵角を前記中立点に対して±10°、前記基準角速度を1[rad/s]としたことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
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- 2006-05-24 JP JP2006143684A patent/JP4947273B2/ja not_active Expired - Fee Related
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