JP4946997B2 - 車両用照明装置 - Google Patents
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Description
ところで、車両ドアにはカーテシランプやドア開放時の後方表示用ランプの他に、ドアポケット、ドアハンドル、ドアロック機構、ドアウィンドウ、スイッチ類など、様々な部材が設けられる。ドアポケット等は使用者の使い勝手を考慮して所望の大きさで所望の位置に設けることが好ましい。しかし、カーテシランプを備える車両では、カーテシランプの設置領域を確保するためにドアポケットの形状を調整する必要があり、ドアポケットの設計自由度が低下していた。具体的には、ドアポケットの底部に凸部を設けて、その内板側にカーテシランプを収容したりしていた。このように調整されたドアポケットによると、収納容量が低下し、使い勝手が低下していた。そこで、ドアポケットの設計自由度を高め、ドアポケットの容量を確保して使い勝手を向上するために、カーテシランプの小型化が要請されている。
そこで、本発明は、車両ドアの下縁に設けられる車両用照明装置において、見栄えが良く、意匠性の高い構成を提供することを目的の一つとする。さらに、車両ドアの下縁に設けられる車両用照明装置において、小型化を達成することを目的の一つとする。
車両ドアの下縁に設けられ、該車両ドアが開放された状態において点灯し、路面を照明する車両用照明装置であって、
LEDランプと、
下面が前記車両ドアの下縁に平行となるように配置される平板状の導光板であって、端面が前記LEDランプに対向して入射部となり、下面と対向する上面において前記入射部から離れる方向に連続的に並ぶ溝が形成され、下面が光放出面となる導光板と、
を備え、
前記溝の前記端面側の壁面における界面が、前記入射部から入射した光を全反射して前記下面方向の光を生成し、
前記溝は、前記入射部から遠いものほど深い、車両用照明装置である。
本発明の車両用照明装置を車両ドアの下縁側から観察すると、すべての溝の端面側の壁面にLEDランプが映り込むため、複数の擬似発光点として観察される。これにより、見栄えが良くなり、意匠性が向上する。また、透明体である導光板を介して、その一部で反射された光が観察されることから、特有のクリスタル感と奥行き感が生じる。従来の技術では、アウターレンズにレンズカット等を施してLEDランプが直接視認されることを防止するためには、アウターレンズとLEDランプとの間に十分な距離を設ける必要がある。これに対して、本発明の構成では、導光板に設けた溝による全反射を利用することで、上記のように複数の擬似発光点を生じ、光源が直接観察されない。従って、アウターレンズ(導光板)にレンズカット等を施す必要がない。また、LEDランプとアウターレンズ(導光板)との距離を十分に設ける必要もないため、装置を小型化できる。
車両ドアの下縁に設けられ、該車両ドアが開放された状態において点灯し、路面を照明する車両用照明装置であって、
LEDランプと、
下面が前記車両ドアの下縁に平行となるように配置される平板状の導光板であって、上面の一部が前記LEDランプに対向して入射部となり、前記入射部から入射した光を反射して前記下面に平行な光を生成する反射面を備え、前記入射部を除く上面には前記入射部から離れる方向に連続的に並ぶ溝が形成され、下面が光放出面となる導光板と、
を備え、
前記溝の前記反射面側の壁面における界面が、前記反射面が反射した光を全反射して前記下面方向の光を生成し、
前記溝は、前記入射部から遠いものほど深い、車両用照明装置である。
本発明の車両用照明装置では光源としてLEDランプを使用する。LEDランプは小型であること、駆動電力が小さいこと、発熱量が少ないこと、長寿命であることなど様々な利点を有する。LEDランプの種類は特に限定されず、表面実装(SMD)タイプ、砲弾タイプ(レンズタイプ)、チップオンボード(COB)タイプ等、種々のタイプのLEDランプを採用できる。中でもSMDタイプを採用することが好ましい。SMDタイプは小型であるため、装置の薄型化、小型化に寄与するからである。また、砲弾タイプ、COBタイプ等では、その表面が凸状に形成されて放出光が集光するため、光源の指向性が高くなりすぎる。一方、SMDタイプでは、通常、パッケージ内の反射部が白色樹脂又は白色のセラミックで形成されており、放出光が当該反射部で拡散反射されるため、光源の指向性が低い。本発明ではLEDランプの光が広範囲に照射されることが好ましいため、光源の指向性が低いことが好ましい。この観点からもSMDタイプのLEDランプを採用することが好ましい。さらにLEDランプは、SMDタイプの中でも、光放出面が平面、又は、封止樹脂の表面張力で凹む程度の凹状面であるものがさらに好ましい。指向性が一層低くなるからである。SMDタイプのLEDランプを使用する場合、上面発光型(トップビュー型)及び側面発光型(サイドビュー型)の内、トップビュー型であることが好ましい。トップビュー型のLEDランプを使用すれば、LEDランプの光を後述の導光板に好適に入射させることができるからである。
LEDランプの発光色は任意に選択できる。例えば、白、赤、アンバー、緑、青等の可視領域の発光波長を有するLEDランプを採用できる。LEDチップの光の一部を蛍光体で波長変換し、LEDチップの光と蛍光とが混合した光を放射するLEDランプを使用することもできる。蛍光体は例えばLEDランプの封止樹脂に含有させることができる。封止樹脂の表面に蛍光体を含む層を設けてもよい。
一方、導光板の上面にLEDランプを対向させて上面の一部を入射部とすることもできる。この場合はさらに、入射部から入射して光を反射して導光板の下面に略平行な方向に進行する光を生成する反射面を設ける。かかる反射面は導光板の端面を傾斜させて当該反射面として利用することができる。また、別途金属板などを使用して反射面を形成してもよい。
以上のように、いずれの場合も入射部から入射したLEDランプの光は導光板の延在方向に進行する。
一方、当該溝の、入射部となる端面と反対側の壁面は、下面に対して垂直であることが好ましい。迷光を再入射し、光のロスが減少するからである。
ホルダー4は車両ドア100への取り付け用の係止ヅメ45を二個と、リブ46を一個備える。車両用照明装置1を車両ドア100に取り付ける際は、まずリブ46を車両ドア100の下縁に設けられる溝(図示せず)に嵌入した後、リブ46が当接する部位を回転軸として回動させて、係止ヅメ45を車両ドア100の下縁に設けられる係止孔(図示せず)に係止する。これにより、車両用照明装置1を車両ドア100に簡便に取り付けることができる。
同様に、図5Bに示すB?B線位置においても、界面36d、36e、36fは入射部31から遠いものほど、下面33に近く、かつ、傾斜角が大きい。また、界面36d、36e、36fは上記関係式を満たすものであって、全反射面となっている。
なお、導光板3の下面33の入射部31近傍には導光板に略垂直にリブ37が立設されている。リブ37は導光板3をホルダー4に嵌合させた状態に置いてホルダー4の凹部41の壁面に当接する。これにより、防水効果が奏される。
一方、入射光の内、複数の界面36a〜36nによって反射されなかった光(dで示す光)は拡散放出面34に到達する。拡散放出面34に到達した光は、拡散放出面34に形成されたレンズカットにより拡散されて外部に放出される。この光は車両ドアが開放されていることを示す光となる。即ち、車両用照明装置1はドア開放表示ランプとしての機能も併せもつ。これにより、後続車両等に対する安全性が向上する。
車両用照明装置1はカーテシランプとしての機能と、車両ドアが開放されていることを車両の後方に表示するランプとしての機能とを併せ持つ。これにより、別個に照明装置を設ける場合に比べて、省スペース化、部品点数の削減、取付行程の簡略化、コストの低減が実現される。
車両用照明装置1は運転席側の車両ドア100に設けたが、助手席側、左右の後部座席側の車両ドアに対しても同様の構成の車両用照明装置を設けることができる。LEDランプ2の点灯状態は車両ドア100の開閉と連動するようにしたが、これに限定されない。例えば、車両ドア100のドアハンドル操作と連動させて、車両ドアが開放される直前から点灯するようにしてもよい。また、車両ドアを閉じた後、所定時間点灯させてから消灯することとしてもよい。
車両用照明装置10は車両用照明装置1と同様に車両ドア100の下縁に設けられる。図8に示すように、車両用照明装置10はLEDランプ2、導光板30、ホルダー40、固定部材50を備える。導光板30は略平板状であって、端部の上面に位置する入射部310と、上面に入射部310を除く領域に複数の溝360と、溝360の端面側の壁面の界面360a〜360nと、放出面330と、拡散放出面340を備える。複数のLEDランプ2が実装される基板21は、LEDランプ2が入射部310に対向するように導光板30の上面と略平行に配置される。導光板3の入射部310近傍の端面(符号380で示す)は上面から下面に向かって拡散放出面340方向に傾斜しており、LEDランプ2の光軸2aとの交点を有する。かかる端面380は全反射面となっており、導光板3に入射したLEDランプ2の光を積極的に受光して導光板30の延在方向(即ち、放出面330に略平行な方向)に反射する反射面380となる。なお、反射面380の外側には、車両ドア100の外板の一部が延出して延出部101が形成されている。溝360は導光板3の溝36と同様の構成である。界面360a〜360nは導光板3の界面36a〜36nと同様の構成である。放出面330は導光板3の放出面33と同様に平坦面である。拡散放出面340は導光板3の拡散放出面34と同様の構成である。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
1、10 車両用照明装置
2 LEDランプ
21 基板
3、30 導光板
31、310 入射部
36、360 溝
36a、36b、36c、36d、36e、36f、360a、360b、360c 界面
33 放出面
34、340 拡散放出面
380 反射部
4、40 ホルダー
5、50 固定部材
Claims (8)
- 車両ドアの下縁に設けられ、該車両ドアが開放された状態において点灯し、路面を照明する車両用照明装置であって、
LEDランプと、
下面が前記車両ドアの下縁に平行となるように配置される平板状の導光板であって、端面が前記LEDランプに対向して入射部となり、下面と対向する上面において前記入射部から離れる方向に連続的に並ぶ溝が形成され、下面が光放出面となる導光板と、
を備え、
前記溝の前記端面側の壁面における界面が、前記入射部から入射した光を全反射して前記下面方向の光を生成し、
前記溝は、前記入射部から遠いものほど深い、車両用照明装置。 - 前記界面と前記下面とのなす角が、前記入射部から遠いものほど大きい、請求項1に記載の車両用照明装置。
- 前記溝の連続する方向が前記入射部に垂直な方向である、請求項1又は2に記載の車両用照明装置。
- 前記溝が複数の列状に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
- 前記溝が格子状に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に車両用照明装置。
- 前記導光板が、前記入射部から入射した光のうち、前記界面により反射されなかった光を外部に拡散放射する拡散放射部を、前記入射部と対向する端部にさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
- 前記LEDランプがSMDタイプであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
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