JP4946998B2 - 車両用照明装置 - Google Patents
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Description
一方、特許文献1の照明装置では、足元照明と後方表示とが別の光源により行われる。そのため、それぞれの光源の設置スペースが必要となり、装置の小型化が困難である。特許文献2の照明装置では、一つの光源の光をアウターレンズを介して三方向に進行させるが、光源とアウターレンズとを接近させると各方向にバランス良く配光できない。特に、LEDランプのように指向性の高い光源では顕著となる。そのため、アウターレンズと光源を相当の距離をもって配置する必要があり、装置の小型化が困難である。
そこで、本発明は乗降者の足元照明及び後方表示の機能を併せ持ち、かつ小型である車両用照明装置を提供することを目的とする。
車両ドアの下縁に設けられ、該車両ドアが開放された状態において点灯する車両用照明装置であって、
光放出側が前記車両ドアの下縁側となるように基板に実装されるLEDランプと、
前記LEDランプの光放出側に位置し、前記LEDランプに対向する光入射面と、前記車両ドアの下面に位置する第1光放出部と、前記車両ドアの車室内側面又は側端面に位置する第2光放出部と、前記光入射面から入射した光の一部を受光し前記第2光放出部側に反射する反射部と、を有する導光体と、
を備える、車両用照明装置である。
本発明の車両用照明装置の照明態様は以下の通りである。すなわち、車両ドアが開放された状態において、LEDランプの光の一部は導光板に入射して、車両ドアの下面に位置する第1光放出部から外部放出される。この光により、開放された車両ドアの下方の地面が照明されて、乗降者の足元を照らすカーテシランプとしての機能を奏する。一方、LEDランプの光の一部は導光板に入射して、反射部に受光されて第2光放出部側に反射され、第2光放出部から外部放出される。第2光放出部は車両ドアの車室内側面又は側端面に位置するため、第2光放出部から放出された光は、ドア開放時の後方への表示用ランプとしての機能を奏する。以上のように本発明の車両用照明装置は、カーテシランプとしての機能とドア開放時の後方表示機能とを一体に集約した車両用照明装置である。そのため、別個に照明装置を設ける場合に比べて、省スペース化、部品点数の削減、取付行程の簡略化、コストの低減が実現される。
本発明の車両用照明装置では光源としてLEDランプを使用する。LEDランプは小型であること、駆動電力が小さいこと、発熱量が少ないこと、長寿命であることなど様々な利点を有する。LEDランプの種類は特に限定されず、表面実装(SMD)タイプ、砲弾タイプ(レンズタイプ)、チップオンボード(COB)タイプ等、種々のタイプのLEDランプを採用できる。中でもSMDタイプを採用することが好ましい。SMDタイプは小型であるため、装置の薄型化、小型化に寄与するからである。また、砲弾タイプ、COBタイプ等では、その表面が凸状に形成されて放出光が集光するため、光源の指向性が高くなりすぎる。一方、SMDタイプでは、通常、パッケージ内の反射部が白色樹脂又は白色のセラミックで形成されており、放出光が当該反射部で拡散反射されるため、光源の指向性が低い。本発明では前述のように、LEDランプの光の一部を第1光放出部から取り出し、LEDランプの光の他の一部を第2光放出部から取り出すため、光源は指向性が低いことが好ましい。この観点からもSMDタイプのLEDランプを採用することが好ましい。さらにLEDランプは、SMDタイプの中でも、光放出面が平面、又は、封止樹脂の表面張力で凹む程度の凹状面であることがさらに好ましい。指向性が一層低くなるからである。
LEDランプの発光色は任意に選択できる。例えば、白色、赤、アンバー、緑、青等の可視領域の発光波長を有するLEDランプを採用できる。LEDチップの光の一部を蛍光体で波長変換し、LEDチップの光と蛍光とが混合した光を放射するLEDランプを使用することもできる。蛍光体は例えばLEDランプの封止樹脂に含有させることができる。封止樹脂の表面に蛍光体を含む層を設けてもよい。
本発明の一実施態様では、レンズとLEDランプとをホルダーによりパッケージ化する。このように車両用照明装置をパッケージ化すれば車両ドアへの取り付けが容易となる。また、取り付け部の構造も簡略化できる。その結果、設置スペースを小さくすることができ、車両ドアのデザインの自由度向上に寄与する。さらに、パッケージ化することで汎用性が向上する。即ち、様々な車両に対して同一の構成で適用可能となる。これにより、コスト削減が図られる。ホルダーの構造は、レンズとLEDランプとを保持できる限り、特に限定されない。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。
導光体3は、第2光放出部34側の上側角部に凸条部35を備え、反射部32の上側に凸条部36を備える。内板102の凹部105の壁面には、凸条部35に対応する位置に溝106が設けられ、凸条部36に対応する位置に溝107が設けられており、凸条部35、36が溝106、107に嵌入して、導光体3が位置決めされる。導光体3の上面と凹部105との間には両面テープ108が設けられ、これにより導光体3が内板102に固定されている。このように、第1光放出部33と第2光放出部34が露出することにより、導光体3はアウターレンズとしての機能を有する。
一方、入射光の他の一部は導光体3内を導光して反射部32に到達する。反射部32は受光した入射光を全反射して、第2光放出部34側に光を進行させる。第2光放出部34に到達した光は、第2光放出部34で拡散されて外部へ放出される。第2光放出部34は車両ドア100の内板の側面と面一であるため、車両ドア100が開放された状態では、車両の後方に向いており、第2光放出部34から放出された拡散光は車両後方へ放出される(図2においてQで示す矢印を参照)。すなわち、車両用照明装置1は車両ドア100が開放状態であることを示す表示ランプ(以下、「ドア開放表示ランプ」ともいう)として機能することとなる。これにより、後続車等に対する安全性が増す。なお、第2光放出部34にはシボ加工が施されているため、外部から観察したときに、導光体3の内部や奥に位置するLEDランプ2等が観察されない。
このように、車両用照明装置1はカーテシランプとしての機能と、ドア開放表示ランプとしての機能とを併せ持つことにより、別個に照明装置を設ける場合に比べて、省スペース化、部品点数の削減、取付行程の簡略化、コストの低減が実現される。LEDランプ2の光軸2aは反射部32と交差している。これにより、LEDランプ2の光は反射部32に進行して第2光放出部34側へ反射される光量と、第1光放出部33側へ進行する光量とのバランスが良好となる。その結果、カーテシランプとしての機能と、ドア開放表示ランプとしての機能とがバランス良く発揮されることとなる。車両ドア100を閉じると、これに連動してLEDランプ2は消灯する。
LEDランプ2の点灯状態は車両ドア100の開閉と連動するようにしたが、これに限定されない。例えば、車両ドア100のドアハンドル操作と連動させて、車両ドアが開放される直前から点灯するようにしてもよい。また、車両ドアを閉じた後、所定時間点灯させることとしてもよい。
車両用照明装置50は車両用照明装置1と同様に車両ドア500の下縁に設けられる。図3に示すように、車両用照明装置50はホルダー510とその下面側に設けられるレンズ530を備える。さらに図4に示すように、レンズ530とホルダー510の間に基板520が挟持される。基板520は長板状の平板であって二本の電極521を備える。図5に示すように基板520の裏面側(レンズ530側)には、2個のLEDランプ2が設けられている。2個のLEDランプ2は基板520の長手方向に沿って所定の間隔で配置される。レンズ530は無色透明のポリカーボネート樹脂製であって、その内側面に4個の位置決め突起531と、2個の係止爪532を備え、レンズ530の側方に上面の一部と端面とが開放した箱状の電極保護部540が設けられている。
車両用照明装置80はホルダー510、基板520及びレンズ830を備える。レンズ830の外形は車両用照明装置50のレンズ530の外形と略同一である。レンズ830はレンズ3、530と同等の反射部836、第1放出部833、第2放出部834、入射部835を備える。さらに、レンズ830の上面832には複数(17個)の溝831が設けられている。図10にレンズ830の一部上面図を示し、図10のA−A線位置の断面図を図11Aに示し、図10のB−B線位置の断面図を図11Bに示す。溝831は平面視で格子状に配置されている。A?A線位置では隣接するB?B線位置の配置をずらしたように配置されている。即ち、溝831は互い違いに配列している。なお、図10において点線及び斜線で示す領域は、LEDランプ2の光がレンズ830に入射する領域(入射部835)を示す。図11Aに示すように、溝831の入射部835側壁面の界面は入射部31に近い側から順に界面831a、831b、831cとなっている。図11Aの界面831aの拡大図を図11Cに示す。図11Cに示すように、界面831aは、入射部835から遠いものほど、レンズ830の下面833側に近づくようにテーパーしている。界面831aの幅Waは約2.4mm、最深部の深さHaは約1.0mmであって、界面831aと下面833とのなす角(傾斜角)θaは約20°である。界面831aよりも入射部835から遠くに位置する界面831bは、界面831aよりも最深部が深くなっており下面833にさらに近い。また界面831bの傾斜角は約30°であって、界面831aの傾斜角θaよりも大きい。界面831bの幅は約3.2mmであって、界面831aの幅Waよりも大きい。続いて、界面831bよりも入射部835から遠くに位置する界面831cは、界面831bよりも下面833に近い。界面831cの幅は約4.0mmであり、その傾斜角が約45°であって、いずれも界面831bより大きい。このように、溝831は入射部835から遠いものほど深く形成されている。これにより、界面831a、831b、831cは入射部835から遠いものほど、下面833に近く、かつ、傾斜角が大きい。さらに、界面831a、831b、831cはいずれも以下の関係式を満たす。即ち、溝831の各界面831a〜831nと第1放出部833とのなす角をθa〜θnとし、レンズ830の屈折率をnとしたとき、
同様に、図11Bに示すB?B線位置においても、界面831d、831eは入射部835から遠いものほど、下面833に近く、かつ、傾斜角が大きい。また、界面831d、831eは上記関係式を満たすものであって、全反射面となっている。
一方、入射光の内、複数の界面831a〜831nによって反射されなかった光(dで示す光)は第2放出部834に到達する。第2放出部834に到達した光は、ドア開放表示ランプとして機能するため、後続車両等に対する安全性が向上する。
(11) 前記LEDランプと前記導光体を保持するホルダーをさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
(12) 前記ホルダーと前記導光体が前記基板を挟持してパッケージすることを特徴とする(11)に記載の車両用照明装置。
(13) 前記導光体の上面に、前記導光体の上面に垂直な垂直面と、前記導光体の上面に平行な載置面とを有する複数の突起が設けられ、
前記基板を前記導光体の上に載置した状態において、前記垂直面が前記基板の側面に接し、前記載置面が前記基板の前記LEDランプが搭載される面に接することを特徴とする、(11)又は(12)に記載の車両用照明装置。
(14) 前記導光体の上面に係止爪が設けられ、前記ホルダーに前記係止爪が係止する孔が設けられ、
前記係止爪は前記導光体の上面に垂直な垂直面と、前記導光体の上面に平行な載置面とを有し、
前記基板を前記導光体の上に載置した状態において、前記係止爪の前記垂直面が前記基板の側面に接し、前記係止爪の前記載置面が前記基板の前記LEDランプが搭載される面に接することを特徴とする、(11)〜(13)のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
1、50、80 車両用照明装置
2 LEDランプ
21、520 基板
22 ネジ
3 導光体
31 光入射面
32 反射部
33、833 第1光放出部
34、834 第2光放出部
101 ドアポケット
102 内板
104 開口部
105 凹部
106、107 溝
108 両面テープ
530、830 レンズ
Claims (5)
- 車両ドアの下縁に設けられ、該車両ドアが開放された状態において点灯する車両用照明装置であって、
光放出側が前記車両ドアの下縁側となるように基板に実装されるLEDランプと、
前記LEDランプの光放出側に位置し、前記LEDランプに対向する光入射面と、前記車両ドアの下面に位置する第1光放出部と、前記車両ドアの車室内側面又は側端面に位置する第2光放出部と、前記光入射面から入射した光の一部を受光し前記第2光放出部側に反射する反射部と、を有する導光体と、
を備える、車両用照明装置。 - 前記基板が前記車両ドアの下縁と略平行に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の車両用照明装置。
- 前記導光体の前記反射部が、前記LEDランプの光軸上に位置することを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用照明装置。
- 前記第2光放出部に光拡散処理が施されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
- 前記LEDランプがSMDタイプであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
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