JP4193668B2 - ライセンスプレート照明装置 - Google Patents

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本発明は車両のライセンスプレートを照明することに利用される照明装置に関する。
自動車のライセンスプレート用の照明方式として、ライセンスプレートの上方ないし斜め上方に光源を設置し、光源から出射した光をライセンスプレートの表示面に照射させる方式が広く利用されている。光源にはバルブ(電球)が使用されているが、バルブは特に指向性を持たないため、ライセンスプレートの表示面を均一な照度の光で照明できず、これがライセンスプレートに表示された文字や数字の認識度を低下させるとともに、意匠性の低下を招いている。
一方、省電力であることや長寿命であることなどの利点を有するLED(発光ダイオード)を光源に利用することが提案されている。しかしながら現在の技術レベルでは、LED1つではバルブほどの高光束を得ることができず、LEDを使用したとしてもバルブの場合と同様、ライセンスプレートにおいてLEDに近い領域と遠い領域との間で照度ムラが生じるといった問題が依然として残る。例えば、ライセンスプレートの上方において、ライセンスプレートの上縁に沿うように一列に複数のLEDを配置した場合においては、ライセンスプレートの上部が極端に高照度で照明される一方で、ライセンスプレート下部での照度が不足する。
実開平2−54745号公報
光源としてLEDを採用した場合においてライセンスプレートの全体を照明しようと思えば、LEDの光軸がライセンスプレートの中央に交差するようにLEDの光放出方向を調整することが好ましいと考えられる。しかし、このような構成を採れば実際にはLEDに近い領域の照度が際立って高くなり、照度ムラが発生する。これに対してその光軸がライセンスプレートの中央よりも下の領域に交差するようにLEDの光放出方向を調整すれば、ライセンスプレートの照明に利用されない光が増加し、照明効果が低下する。
本発明は以上の課題に鑑みて、車両のライセンスプレート用の照明において照度の均一化及び照度の向上を図ることを目的とする。
本発明は以上の目的を達成するために、以下の構成を提供する。すなわち、
ライセンスプレートを観察者側より照明する照明装置であって、
前記ライセンスプレートの上方ないし観察者側斜め上方の位置に設置されるLED光源と、
前記LED光源の観察者側斜め下方に設置され、その平面視における面積が前記ライセンスプレートと略同一または前記ライセンスプレートより大きい反射部材であって、前記LED光源の光を受け、それを前記ライセンスプレートの中央部ないし下部に照射する光へと変換する透光性を有する反射部材と、
を備えるライセンスプレート用照明装置、である。
本発明では、ライセンスプレートが配置される車両後部を透光性を有する反射板で覆い、ライセンスプレートと反射板の間に光源を配したことによって、光源からの光と反射板による反射光とでライセンスプレートを照明することができる。反射光がライセンスプレート中央部ないし下部を照明するように反射板の反射面形状を設定することによって、ライセンスプレート中央部ないし下部は光源からの光および反射板からの反射光により照明されるため、光源から遠い領域における照度が補われる。これらの作用によって、ライセンスプレート全体に渡って照度の均一化が図られることとなり、照度ムラの少ない照明態様を達成できる。
さらに、反射板による上記作用によって従来外部へ直接放射されていた光を有効利用することができ、ライセンスプレートの照明に利用されるトータルの光量が増加し、照明効果に優れた照明態様が得られる。
また、反射板形状を車両後部形状に沿わせて形成することにより、車両後部の意匠性を向上させることができる。
以下、本発明を構成する各要素について説明する。
(光源)
本発明において、光源としてはLED、電球(バルブ)、蛍光灯、冷陰極管など
を用いることができる。中でもLEDを採用することが好ましい。LED光源は
消費電力及び発熱量が小さくかつ長寿命であることから長時間連続的に点灯させることに適した光源である。また小型であるため光源用のスペースが少なくてすみ、本発明の照明装置の小型化、薄型化が可能となる。これにより照明装置のハンドリング性も向上する。またLEDは振動、衝撃に強いことから信頼性の高い照明装置を構成できるといった利点もある。本発明において、光量やコストの面から考慮するとバルブを用いるのが望ましい。また、消費電力及び発熱量が小さくかつ長寿命である面を考慮するとLEDを用いるのが望ましい。LEDは小型であるため光源用のスペースが少なくて済み、本発明の照明装置の小型化、薄型化が可能となる。
LEDの発光色も特に限定されず、白、赤、橙、緑、青等の可視領域の光を発光する光源を採用できる。好ましいLEDとしては白色光を発光するものを挙げることができる。白色光を発光するLEDを採用すればライセンスプレートに表示された数字、文字、及びバックグラウンドを本来の色で観察(視認)されるように構成できるからである。一方、白色以外の色の光源を用いれば、例えばライセンスプレートを加飾するなど、ライセンスプレートの意匠を変化させたり、意匠性を高めたりすることもできる。
LEDは、ライセンスプレートの上方ないし斜め上方の位置に設置される。したがって本発明の照明装置では上方ないし斜め上方からの光によってライセンスプレートの表示面が照明される。一方、本発明ではその光軸がライセンスプレートの中央よりも下の領域に交差するようにLEDが設置され、LEDの光の中で光軸方向の光、即ち高輝度の光がライセンスプレートの中央部ないし下部の照明に利用される。このような特徴によって、ライセンスプレートにおいてLED光源に近接した領域に照射する光量が抑えられ、同時にLED光源から離れた領域の照度が増強される。さらに照射光の一部が反射板に反射され、その反射光がライセンスプレートの下部領域を照射するため、全体の照度ムラが軽減する。照明装置を車両に適用した際のLEDとライセンスプレートの位置関係や両者の距離を考慮すれば、照度バランスを一層良好にするため、その光軸がライセンスプレートの下端に近い領域に交差するようにLEDを配置することが好ましい。
LEDやバルブなどの光源は、発光による発熱を廃熱するために、車両後部外壁に近接した位置に設けられることが好ましい。特にLEDはアルミ等の高熱伝導性部材の基板にマウントし、当該基板が車両後部外壁と接することによって熱交換が促進されて素子の発熱が逃され、発光効率の低下が防止される。
(反射板)
本発明で使用される反射板はトランクリッドやバックドア、バンパ等、車両後部において、光源とライセンスプレートを覆う形で設置される。従って、光源とライセンスプレートは車両後部外壁と反射板の間に設置されることとなる。反射板はLED光源の光軸に略平行に設置され、LEDの照射光が反射板に対して斜めに入射しやすいようになっている。この反射板に入射する入射光の入射角が反射板の臨界角を超えると、入射光が反射板で反射されて反射光となり、ライセンスプレート方向へ照射される。当該反射光はライセンスプレートの中央部ないし下部に照射する光を生成する。このような作用が得られる限りにおいて反射面の形状は特に限定されない。反射光を効率的に利用するため及び反射光をバランスよく配光するために反射板を曲面形状にすることが好ましい。また、トランクリッド等の他の部材との連結を考慮して、周縁部を平面状に形成したり、周縁部に凹部を設けたりすることができる。このような高次曲面からなる観察面ではその表面において一層多方向へと外光の反射が行われ、優れた光拡散効果が奏され、後続車へのグレア防止となる。また、反射板を車両後部へシールして取付けることにより、雨水や粉塵の進入を防ぐことができる。
観察面は好ましくは、左右対称、及び/又は上下対称の形状とされる。このように構成することによって反射板自体の外観意匠性が優れることになるのは勿論のこと、左右(及び/又は上下)対称的な反射態様が得られることから光学的な観点からも好ましい意匠となる。
照明対象の大きさを考慮して照明対象の全体をカバーできる平面視面積の光放射面を有する反射板を用いることが好ましい。よりコンパクトに構成するため、その光放射面の平面視形状が照明対象と略同一ないしは若干大きい反射板を用いることがさらに好ましい。
入射する光を照明対象に照射するという反射板の作用が十分に得られ且つ強度的に問題がない限りにおいて、できるだけ薄い反射板を用いることが好ましい。例えば1mm〜15mm厚の導光板を用いて反射板を構成することができる。これよりも薄いと機械的強度が十分に得られないため好ましくない。また、これより厚いと照明対象に固定して使用する場合等では無用に設置スペースを必要として好ましくないことは勿論のこと、製造コストが上昇するため好ましくない。好ましくは2mm〜10mm厚、更に好ましくは2mm〜5mm厚の導光板を用いて反射板を構成することができる。
反射板の材質は、ライセンスプレートに照射された光が車両後方へ透過されれば特に限定されない。好ましくは透明(無色透明、有色透明を含む)な材料により反射板を構成する。また、加工が容易で耐久性に優れた材料により反射板を構成することが好ましい。反射板の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ガラス等を用いることができる。
本発明の照明装置は、ライセンスプレートが設置されるバンパー若しくはトランクリッド、バックドアパネルなどの車両ボディに直接取付けられて使用される。
以下、実施例を用いて本発明の構成をより詳細に説明する。
図1は本発明の実施例であるライセンスプレート照明装置1(以下、「照明装置1」という)の自動車後部のトランクリッド105への取付状態を示す図である。ライセンスプレート100やLEDユニット20はトランクリッド105に設けた図示しない凹部に設けられ、その凹部を塞ぐように反射板10を配置している。
図2は照明装置1の使用状態を示す正面図である。図3は図1のA−A線位置での断面図である。照明装置1は自動車のリアライセンスプレート用の照明装置であって、自動車後部のトランクリッド105と自動車後部に設けられる凹部101に設置される。照明装置1は反射板10、LEDユニット20を備える。
照明装置1ではLEDユニット20が使用される。各LEDユニット20は3個のLED21と基板25とを有する。LED21は白色発光のチップ型LEDである。LED21は、LEDチップ22の横方向を四面によって囲繞するリフレクタ23を備える(図4を参照)。リフレクタ23の対向する面同士の傾斜角は等しく、一方で隣合う面の傾斜角は異なる。各LED21はそのリフレクタ23の傾斜角の小さい一組の面23aとリアライセンスプレート100の長手軸(横方向)とが使用時において平行となるように基板25に実装されており、その結果LED21からはリアライセンスプレート100の縦方向よりも横方向に広い光が放出される。尚、基板25にはLED20の他に保護抵抗がマウントされており、また各LED21が直列接続されるような配線パターンが形成されている。
LEDユニット20は、LEDユニット20は自動車のトランクリッド105の内部に配置され、トランクリッド105に設けられる凹部101に配置されるリアライセンスプレートを照明するように配置されている。LEDユニット20が内蔵する各LED21を結ぶ直線は、リアライセンスプレート100の上縁と略平行になっている。照明装置1の使用時において、各LED21の光軸Xが凹部101内の光源開口部103を通過して、リアライセンスプレート100の平面方向と略平行になるようにLEDユニット20が取付けられている。
反射板10はトランクリッド105の凹部101を塞ぐように取付けられ、雨水や塵等が凹部101に進入しないように取付けられている。リアライセンスプレート100は凹部101内の凹部壁102に設置される。
反射板10は、LEDユニット20から距離が離れるにつれて、すなわちリアライセンスプレート100の下部に近づくにつれて曲率が大きくなる曲面となっている。したがって、反射板10はリアライセンスプレート100の下方へ徐々に近づく曲面を有している。この形状により、反射板10に照射されるLEDユニット20の光はリアライセンスプレート100の中央部ないし下部へ向かう光へと反射される。
反射板10は光透過性材料のポリカーボネートからなり、LEDユニット20により照明されたリアライセンスプレート100を車両後方から視認できるようになっている。
次に照明装置1の照明態様について説明する。まずLEDユニット20が給電されると各LED21が点灯する。LED21から放出された照射光は光源開口部103を通過した後、リアライセンスプレート100を照明する。照射光は図5に示すように、大きく分けてリアライセンスプレート100に直接照射される光(以下、照射光Aとする)、反射板10に反射される光(以下、照射光Bとする)、反射板10で屈折されて車両後方へ放出される光(以下、照射光Cとする)に分けられる。
照射光Aはリアライセンスプレート100の上部ないし下部を照射するが、光源に近接するほど照度が高くなるため、リアライセンスプレート100の上部の照度が高く、下部の照度が低くなる。したがって、照射光Aのみではリアライセンスプレート100に照射ムラが生じる。しかし、LED21の光軸Xがリアライセンスプレート100の平面方向と略平行となっているため、光量の多い光軸X付近の光がリアライセンスプレート下方に照射され、光軸Xから離れて比較的光量の少ない光がリアライセンスプレート上方を照射するので、照射ムラの程度は抑えられている。
一方、照射光BはLED21から反射板10へ入射する入射光の入射角が反射板10の臨界角を超えている時、反射板10で反射されてリアライセンスプレート100方向に向かう光である。照射光Bは一度反射板10で反射されている光であるため、多くの光がリアライセンスプレート100の中央から下方にかけて光が到達し、照明する。したがって、照射光Aだけでは照度ムラが生じているが、リアライセンスプレート100の下方領域に照射光Bを補うことによって照射ムラが解消され、リアライセンスプレート100への照射光の均一化が図られる。
照射光CはLED21から反射板10へ入射する入射光の入射角が反射板10の臨界角に達しない時、反射板10で屈折されて車両後方へ放出される光であり、照射光Cはリアライセンスプレート100に対する照明としてはロスとなる。しかし、入射光が入射角に達しない光は、LED21の光軸から離れた光となるため、比較的光量が少なく、ロスを少なくすることができる。
以上のように照明装置1ではLED20の光の中で高光束の部分がライセンスプレートの中央部ないし下部の照明に利用される。これによって、LED20に近接していることでLED20の光が到達し易い領域となるリアライセンスプレート100の上部に照射する光量が抑えられるとともに、LED20から離隔していることで光が到達し難い領域となるリアライセンスプレート100の中央部ないし下部への積極的な照明が行なわれる。これに加えて、反射板10の作用によってリアライセンスプレート100の中央部ないし下部における照度が補われる。しかも、上述のような曲面を有する反射板10としたことから、それによって生成される光(反射光)はリアライセンスプレート100の中央部ないし下部へと良好に配光される。以上のような作用が相俟ってリアライセンスプレート100全体に亘って照度の均一化が図られることとなり、照度ムラの少ない照明態様となる。
一方、反射板10によって光の有効利用が図られる。即ち、反射板10を設けることによって光の利用率が高くなり、高照度の照明光が得られる。
また、従来のライセンスプレートでは、プレートの下部を照明するために光源に対してライセンスプレートを傾けて設置しているが、照明装置1では反射板10の作用によりリアライセンスプレート100の下部に照明光が到達することからリアライセンスプレートを光軸に対して略平行に設置することができる。これにより照明装置1全体を厚みを薄くすることができ、トランクリッド105の薄型化が可能となり、トランクの収納スペースを多く確保できるようになる。
また、縦方向よりも横方向に長いリアライセンスプレート100に対応するように、リアライセンスプレート100の横方向に広い光が各LED21から放出されることから、より少ない数のLEDによってリアライセンスプレート100全体を照明することが可能となり、同時にリアライセンスプレート100の横方向の照度ムラが軽減される。
一方、図5に示すように、反射板10の観察面11を3次曲面としたことによって、例えば後続車両のヘッドライトなどが入射した場合においても、後続車両の乗員方向へと反射される光は極めて少なくなる。従って、このような場合においてもライセンスプレート100の視認性が十分に確保され、また反射光によって後続車両の運転の妨げになることがなくなる。さらに、反射板10が高い透明性を備えることによって、照明時において或は昼間などの非照明時(LED21の消灯時)においてもライセンスプレート100上の文字、数字を良好に視認することが可能となる。
一方、反射板10の観察面11が光沢面となっていることから、反射板10自体の意匠性が優れることは勿論のこと、それによって照明されるライセンスプレートの意匠性及び視認性が極めて高いものとなる。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明はライセンスプレートの照明に利用される。本発明の適用対象は自動車に限られず、様々な車両に対してその利用が図られる。
図1は、本発明の実施例であるライセンスプレート照明装置1の使用状態を示す斜視図である。 図2は、ライセンスプレート照明装置1の正面図である。 図2のA−A線位置における断面図である。 図4は、本発明に使用されるLEDの一例を示す図である。 図5は、照射光の挙動の一例を示す図である。 図6は、後続車両からの光を拡散することを示す図である。
符号の説明
1 ライセンスプレート照明装置
10 反射板
20 LEDユニット
21 LED
100 リアライセンスプレート
101 凹部
105 トランクリッド

Claims (2)

  1. 車両後部外壁に設けられるライセンスプレートを照明する照明装置であって、
    前記ライセンスプレートの上方の位置に設置され、且つ、その光軸が前記ライセンスプレートの中央よりも下の領域に交差するよう配置されるLEDと、
    前記LEDと前記ライセンスプレートを、前記車両後部外壁との間に配置するように設置され、その平面視における面積が前記ライセンスプレートと略同一または前記ライセンスプレートより大きい反射部材とを備え、
    前記反射部材は、前記LEDと前記ライセンスプレートを、前記車両後部外壁との間でシールするよう設置され、前記光源から離れるにつれて前記ライセンスプレートに近づく曲面となっており、前記光源の光を受け、それを前記ライセンスプレートの中央部ないし下部に照射する光へと変換する透光性を有する反射部材と、
    を備えるライセンスプレート用照明装置。
  2. 前記LEDは、前記ライセンスプレートの縦方向よりも横方向に広い配光を有する、請求項1に記載のライセンスプレート用照明装置。

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