JP4946949B2 - サスペンションシステム - Google Patents

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Description

本発明は、サスペンションシステムに関するものである。
従来、車両においては、燃費をよくするために、例えば、トレッドゴムの損失正接を小さくすることによって、転がり抵抗を小さくしたタイヤが搭載されたものが提供されている。
ところが、転がり抵抗を小さくすると、タイヤのグリップ力がその分小さくなり、制動時における制動距離が長くなったり、旋回時に横すべりが発生しやすくなったりする。
そこで、トレッドを幅方向において分割し、中央の領域、すなわち、センタ部を、損失正接が小さい材料で、センタ部の両側の領域、すなわち、ショルダ部を、損失正接が大きい材料で形成するようにしたタイヤが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−22622号公報
しかしながら、前記従来の車両においては、車両を直進で走行させているとき、すなわち、通常走行時にセンタ部と路面とを、車両の制動時、旋回時等にショルダ部と路面とを確実に接触させることができず、制動時、旋回時等にグリップ力を十分に大きくすることができない。
そこで、車両の制動時、旋回時等に、車輪にキャンバ角を形成してショルダ部を路面に接地させてグリップ力を大きくすることが考えられる。
図2は従来のダブルウィッシュボーン式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第1の図、図3は従来のダブルウィッシュボーン式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第2の図、図4は従来のストラット式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第1の図、図5は従来のストラット式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第2の図である。
図において、11は車両の本体を表すボディ、Wは車輪、36はタイヤ、37はトレッドであり、該トレッド37は幅方向における二つの領域に分割され、トレッド37の幅方向における中心を表す中心線を区分線Ld1としたとき、該区分線Ld1より外側(ボディ11から離れる側)に、損失正接が小さい特性を有する低転がり抵抗領域38が、区分線Ld1より内側(ボディ11側)に、損失正接が大きい特性を有する高グリップ領域39が形成される。
また、図2及び3において、M1はサスペンション機構であり、該サスペンション機構M1は、ダブルウィッシュボーン式の懸架構造を有し、車輪Wの図示されないホイールを回転自在に支持するナックル51、該ナックル51の上端においてナックル51とボディ11とを連結するアッパアーム52、前記ナックル51の下端においてナックル51とボディ11とを連結するロワアーム53等を備える。
そして、前記ナックル51とアッパアーム52とがボールジョイントj1によって、ナックル51とロワアーム53とがボールジョイントj2によって、アッパアーム52とボディ11とがボールジョイントj3によって、ロワアーム53とボディ11とがボールジョイントj4によって、それぞれ互いに回動自在に連結される。
車両の通常走行時には、図2に示されるように、サスペンション機構M1におけるアッパアーム52及びロワアーム53は路面に対して平行に置かれ、ナックル51は路面に対して垂直に置かれ、車輪Wにキャンバ角は形成されない。これに対して、例えば、車両の制動時には、車両の慣性によってボディ11の前端部が車輪Wに対して下方に移動する。
それに伴って、図3に示されるように、サスペンション機構M1におけるアッパアーム52及びロワアーム53は、それぞれボールジョイントj3、j4を中心にして回動させられ、ナックル51は路面に対して傾斜させられる。その結果、車輪Wに負の値のキャンバ角(ネガティブキャンバ)が形成されるので、前記高グリップ領域39を路面に接地させることができる。
また、図4及び5において、M2はサスペンション機構であり、該サスペンション機構M2は、ストラット式の懸架構造を有し、車輪Wの図示されないホイールを回転自在に支持し、上端においてボディ11と連結され、伸縮自在に配設された伸縮部材としてのショックアブソーバ62、該ショックアブソーバ62の下端において、ショックアブソーバ62とボディ11とを連結するロワアーム61、前記ショックアブソーバ62の上端に配設されたスプリング63等を備える。そして、ショックアブソーバ62とロワアーム61とがボールジョイントj11によって、ロワアーム61とボディ11とがボールジョイントj12によって、それぞれ互いに回動自在に連結される。
車両の通常走行時には、図4に示されるように、サスペンション機構M2におけるロワアーム61は路面に対して平行に置かれ、車輪Wにキャンバ角は形成されない。これに対して、例えば、車両の制動時には、車両の慣性によってボディ11の前端部が車輪Wに対して下方に移動する。
それに伴って、図5に示されるように、サスペンション機構M2におけるロワアーム61はボールジョイントj12を中心にして回動させられる。その結果、車輪Wに負の値のキャンバ角が形成されるので、前記高グリップ領域39を路面に接地させることができる。
ところで、キャンバ角を大きくするためには、ボディ11が車輪Wに対して下方に移動する量、すなわち、サスペンションストロークを大きくする必要がある。ところが、サスペンション機構M1、M2においては、前記サスペンションストロークを大きくするために構造を変更する必要がある。したがって、キャンバ角を十分に大きくすることができないので、車両の制動時、旋回時等に十分に大きなグリップ力を発生させることができない。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、車両の制動時、旋回時等に十分に大きなグリップ力を発生させることができるサスペンションシステムを提供することを目的とする。
そのために、本発明のサスペンションシステムにおいては、車両のボディと、該ボディに対して回転自在に配設された車輪と、前記ボディと車輪との間に配設されたサスペンション機構とを有するようになっている。
そして、前記車輪のタイヤは、トレッドが幅方向において二つの領域に区分され、該二つの領域のうちの一方の領域が、他方の領域より路面に対するグリップ力が大きくされて高グリップ領域とされる。
また、前記サスペンション機構は、前記ボディに対して上下方向に移動自在に配設された移動部材、及び該移動部材と回動自在に連結され、かつ、前記ボディ側に配設された支点と連結され、車輪のホイールを回転自在に支持するとともに、前記移動部材の上下方向の移動に伴って、前記支点に対して揺動させられるリンク部材を備える。
本発明の他のサスペンションシステムにおいては、さらに、前記移動部材はナックルである。
本発明によれば、サスペンションシステムにおいては、車両のボディと、該ボディに対して回転自在に配設された車輪と、前記ボディと車輪との間に配設されたサスペンション機構とを有するようになっている。
そして、前記車輪のタイヤは、トレッドが幅方向において二つの領域に区分され、該二つの領域のうちの一方の領域が、他方の領域より路面に対するグリップ力が大きくされて高グリップ領域とされる。
また、前記サスペンション機構は、前記ボディに対して上下方向に移動自在に配設された移動部材、及び該移動部材と回動自在に連結され、かつ、前記ボディ側に配設された支点と連結され、車輪のホイールを回転自在に支持するとともに、前記移動部材の上下方向の移動に伴って、前記支点に対して揺動させられるリンク部材を備える。
この場合、各サスペンション機構において、移動部材の上下方向の移動に伴って、リンク部材が、ボディ側に配設された支点に対して揺動させられるので、サスペンションストロークを大きくすることなく、キャンバ角を十分に大きくすることができる。したがって、車両の制動時、旋回時等に十分に大きなグリップ力を発生させることができる。
本発明の他のサスペンションシステムにおいては、さらに、前記移動部材はナックルである。
この場合、ダブルウィッシュボーン式の懸架構造においてサスペンションストロークを大きくすることなく、キャンバ角を十分に大きくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図6は本発明の第1の実施の形態における車両の概念図である。
図において、11は車両の本体を表すボディ、WLF、WRF、WLB、WRBは、該ボディ11に対して回転自在に配設された前方左側、前方右側、後方左側及び後方右側の車輪である。車輪WLF、WRFによって前輪が、車輪WLB、WRBによって後輪が構成される。
また、12は駆動源としてのエンジン、13は操舵装置としてのステアリングホイール、14は加速操作部材としてのアクセルペダル、15は減速操作部材としてのブレーキペダル、21は、前記エンジン12を駆動することによって発生させられた回転を駆動輪として機能する車輪WLB、WRBに伝達する回転伝達部材としてのプロペラシャフト、22はエンジン12から伝達された回転を差動させるディファレンシャル装置、24は該ディファレンシャル装置22によって差動させられた回転を各車輪WLB、WRBに伝達するドライブシャフトである。
そして、31〜34は、それぞれ、ボディ11と各車輪WLF、WRF、WLB、WRBとの間に配設され、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBを路面に押し付けるサスペンション機構である。なお、前記各車輪WLF、WRF、WLB、WRB、サスペンション機構31〜34等によってキャンバ角調整装置が、該キャンバ角調整装置及びボディ11によってサスペンションシステムが構成される。
本実施の形態においては、駆動源としてエンジン12が使用され、該エンジン12によって発生させられた回転が、プロペラシャフト21、ディファレンシャル装置22及びドライブシャフト24を介して各車輪WLB、WRBに伝達されるようになっているが、エンジン12と車輪WLF、WRFとを図示されないドライブシャフトを介して連結し、エンジン12の回転を各車輪WLF、WRFに伝達し、車輪WLF、WRFを駆動輪として機能させることができる。また、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBに、駆動源としての図示されないホイールモータをそれぞれ配設し、該各ホイールモータを駆動することによって各車輪WLF、WRF、WLB、WRBを直接回転させ、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBを駆動輪として機能させることもできる。
ところで、該各車輪WLF、WRF、WLB、WRBは、アルミニウム合金等によって形成された図示されないホイール、及び該ホイールの外周に嵌(かん)合させて配設されたタイヤ36を備える。そして、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBにおいては、タイヤ36のトレッド37が幅方向における複数の領域に、本実施の形態においては、二つの領域に分割され、トレッド37の幅方向における中心を表す中心線を区分線Ld1としたとき、該区分線Ld1より外側(ボディ11から離れる側)に、損失正接が小さい特性を有する低転がり抵抗領域38が、区分線Ld1より内側(ボディ11側)に、損失正接が大きい特性を有する高グリップ領域39が形成される。
そのために、前記低転がり抵抗領域38及び高グリップ領域39の各外周面には、溝のパターン(以下「トレッドパターン」という。)が異ならせて形成される。すなわち、低転がり抵抗領域38には、タイヤ36の円周方向において溝が連続するリブタイプのトレッドパターンが形成され、高グリップ領域39には、タイヤ36の幅方向において溝が連続するラグタイプのトレッドパターンが形成される。また、高グリップ領域39に、独立した複数のブロックを備えるブロックタイプのトレッドパターンを形成することもできる。
なお、前記損失正接は、トレッド37が変形する際のエネルギーの吸収度合いを示し、貯蔵剪(せん)断弾性率に対する損失剪断弾性率の比で表すことができる。損失正接が小さいほどエネルギーの吸収が少なくなるので、路面との摩擦によってタイヤ36に発生する転がり抵抗が小さくなり、路面を掴(つか)む力を表すグリップ力も小さくなる。また、タイヤ36に発生する摩耗が少なくなる。これに対して、損失正接が大きいほどエネルギーの吸収が多くなるので、転がり抵抗が大きくなり、グリップ力も大きくなる。また、タイヤ36に発生する摩耗が多くなる。
本実施の形態においては、区分線Ld1がトレッド37の中心線にされるようになっているが、区分線Ld1をトレッド37の幅方向における任意の位置に置き、低転がり抵抗領域38及び高グリップ領域39の各接地面積を互いに異ならせることもできる。
前記構成の車両においては、通常走行時に低転がり抵抗領域38を路面に接地させると、転がり抵抗が小さくされるので、燃費をよくすることができる。また、車両の制動時、加速時、旋回時等に高グリップ領域39を路面に接地させると、グリップ力が大きくされるので、制動距離を短くしたり、加速性を高くしたり、横すべりが発生するのを防止したりすることができる。
そのために、本実施の形態においては、前記各サスペンション機構31〜34において、車両の走行の態様に応じてタイヤ36のキャンバ角が調整されるようになっている。
次に、各サスペンション機構31〜34について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成された状態を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における通常走行時の車両の状態を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成されていない状態を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における制動時の車両の状態を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態における加速時の車両の状態を示す図である。
この場合、サスペンション機構31〜34は同じ構造を有するので、図1及び8においては、サスペンション機構31についてだけ説明する。また、説明の便宜上、車輪WLF、WRF、WLB、WRBのうちの車輪WLBは図示されていない。
図において、11はボディ、36はタイヤ、37はトレッドであり、該トレッド37は、区分線Ld1によって低転がり抵抗領域38及び高グリップ領域39に分割される。
また、31はサスペンション機構であり、該サスペンション機構31は、ダブルウィッシュボーン式の懸架構造を有し、上下方向に移動自在に配設された移動部材としてのナックル51、該ナックル51の上端においてナックル51とボディ11とを連結するアッパアーム52、前記ナックル51の下端においてナックル51とボディ11とを連結するロワアーム53、ボディ11から垂下させて配設された支点部材54、前記ナックル51と交差させて配設され、先端において、車輪WLF、WRF、WLB、WRBの図示されないホイールを回転自在に支持し、後端が支点部材54と連結されたリンク部材55等を備える。
前記支点部材54は、リンク部材55が揺動するときの揺動中心を構成するとともに、リンク部材55の支点を構成する。したがって、前記リンク部材55は前記ナックル51の上下方向の移動に伴って揺動させられる。
前記ナックル51とアッパアーム52とがボールジョイントj1によって、ナックル51とロワアーム53とがボールジョイントj2によって、アッパアーム52とボディ11とがボールジョイントj3によって、ロワアーム53とボディ11とがボールジョイントj4によって、ナックル51とリンク部材55とがボールジョイントj5によって、支点部材54とリンク部材55とがボールジョイントj6によって、それぞれ互いに回動自在に連結される。なお、ボールジョイントj1〜j6によって連結要素が構成される。
車両の通常走行時には、図7に示されるように、ボディ11は路面GNDに対して水平な状態に置かれる。また、図8に示されるように、サスペンション機構31において、アッパアーム52、ロワアーム53及びリンク部材55は、路面GNDに対して平行に置かれ、ナックル51は路面GNDに対して垂直に置かれ、車輪WLFにキャンバ角は形成されない。
これに対して、車両の制動時には、車両の慣性によって、図9に示されるように、ボディ11の前端部が車輪WLF、WRFに対して下方に移動させられる。それに伴って、図1に示されるように、ナックル51は所定のサスペンションストロークだけボディ11に対して上方に移動させられ、アッパアーム52、ロワアーム53及びリンク部材55は、それぞれボールジョイントj3、j4、j6を中心にして回動させられる(なお、サスペンション機構31においては、時計回りに回動させられ、サスペンション機構32においては、反時計回りに回動させられる。)。
また、リンク部材55の先端に車輪WLF、WRFが配設されるので、リンク部材55がボディ11に対して回動させられる角度だけ車輪WLF、WRFが回動させられ、車輪WLF、WRFに負の値のキャンバ角が形成される。その結果、前記高グリップ領域39を路面GNDに接地させることができるので、制動時の制動距離を短くすることができる。
なお、前記ロワアーム53はアッパアーム52より所定の寸法だけ長く設定される。したがって、所定のサスペンションストロークだけナックル51が上方に移動させられると、アッパアーム52が回動する角度はロワアーム53が回動する角度より大きくされる。したがって、ナックル51は、その分多く回動させられ、路面GNDに対して傾斜させられる。
また、車両の加速時には、車両の慣性によって、図10に示されるように、ボディ11の後端部が車輪WLB、WRBに対して下方に移動させられる。この場合、車両の制動時と同様に、ナックル51はボディ11に対して上方に移動させられ、アッパアーム52、ロワアーム53及びリンク部材55は、それぞれボールジョイントj3、j4、j6を中心にして回動させられ、リンク部材55の先端に配設された車輪WLF、WRFが、リンク部材55と同じ角度だけ回動させられる。
したがって、車輪WLB、WRBに負の値のキャンバ角が形成されるので、前記高グリップ領域39を路面GNDに接地させることができる。その結果、加速時に加速性を向上させることができる。
また、一般に、前記各車輪WLF、WRFは、キャスタ角を形成して支持されるようになっているので、例えば、運転者がステアリングホイール13(図6)を操作して、車両を左側に向けて旋回させようとすると、各車輪WLF、WRFにトウ角が形成される。それに伴って、トウ角を発生源として、車輪WLFに正の値のキャンバ角が、車輪WRFに負の値のキャンバ角が形成される。
したがって、旋回に伴って、ローリングが発生し、旋回方向と反対側の車輪WRFに大きな負荷が発生するが、車輪WRFに負の値のキャンバ角が形成されるので、トレッド37において、高グリップ領域39だけが路面GNDと接触させられる。その結果、大きいグリップ力を発生させながら車輪WRFを回転させ、車両を走行させることができる。
このように、本実施の形態においては、減速時に、各車輪において十分に大きなグリップ力を発生させることができるので、制動時の制動距離を短くすることができ、加速時に、各車輪において十分に大きなグリップ力を発生させることができるので、加速性を高くすることができ、旋回時に、旋回方向と反対側の車輪において十分に大きなグリップ力を発生させることができるので、横すべりが発生するのを防止することができる。
次に、前記構成のサスペンション機構31〜34におけるリンク構造について説明する。
図11は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のリンク構造を示す第1の図、図12は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のリンク構造を示す第2の図、図13は本発明の第1の実施の形態におけるリンク長とキャンバ角との関係図である。なお、図13において、横軸にリンク長Lを、縦軸にキャンバ角θを採ってある。また、この場合、説明を簡素化するために、アッパアーム52及びロワアーム53の長さが等しくされている。
図において、11はボディ、51はナックル、54(54’)は支点部材、55(55’)はリンク部材である。
車両の通常走行時には、図11に示されるように、アッパアーム52、ロワアーム53及びリンク部材55が路面GND(図1)に対して平行に置かれ、ナックル51が路面GNDに対して垂直に置かれ、車両の制動時及び加速時には、図12に示されるように、ナックル51がサスペンションストロークSだけ上方に移動させられ、それに伴って、アッパアーム52がボールジョイントj3を中心にして、ロワアーム53がボールジョイントj4を中心にして、リンク部材55(55’)がボールジョイントj6(j6’)を中心にして図における時計回りに回動させられる。
このとき、前記車輪WLF、WRF、WLB、WRBはリンク部材55に対して直角に配設されるので、水平方向に対するリンク部材55(55’)の傾きを表す角度θがキャンバ角になる。
ところで、リンク部材55におけるボールジョイントj5(j5’)、j6(j6’)間の長さをリンク長Lとすると、キャンバ角θは、
θ=tan-1(S/L)
になる。
したがって、リンク長Lを変化させることによってキャンバ角θを変化させることができるので、ナックル51から離れた位置に配設された支点部材54によってリンク部材55を支持した場合のキャンバ角θより、ナックル51に近接する位置に配設された支点部材54’によってリンク部材55’を支持した場合のキャンバ角θを大きくすることができる。
なお、この場合、ブレーキペダル15(図6)を強く踏み込んだとき(フルブレーキ時)のサスペンションストロークSを30〔mm〕としている。
そして、図13に示されるように、リンク長Lが短いほどキャンバ角θは大きくなり、リンク長Lが長いほどキャンバ角θは小さくなる。そこで、本実施の形態において、支点部材54はナックル51に近接する位置に配設され、ボールジョイントj6はボールジョイントj3、j4よりナックル51に近接する位置に配設される。
このように、本実施の形態においては、支点部材54に対して揺動自在に配設されたリンク部材55の先端に各車輪WLF、WRF、WLB、WRBが配設され、かつ、ナックル51とリンク部材55とが揺動自在に連結されるので、リンク部材55の傾きによって表される角度θをキャンバ角として形成することができる。したがって、サスペンションストロークSを大きすることなく、キャンバ角θを十分に大きくすることができるので、車両の制動時、加速時、旋回時等に十分に大きなグリップ力を発生させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図14は本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成されていない状態を示す図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成されている状態を示す図である。
図において、71はサスペンション機構であり、該サスペンション機構71は、ストラット式の懸架構造を有し、上端においてボディ11と連結され、伸縮自在に配設され、伸縮に伴って上下方向に移動させられる移動部材としてのショックアブソーバ62、該ショックアブソーバ62の下端において、ショックアブソーバ62とボディ11とを連結するロワアーム61、前記ショックアブソーバ62の上端に配設され、ショックアブソーバ62に付勢力を与える付勢部材としてのスプリング63、ボディ11から垂下させて配設された支点部材64、前記ショックアブソーバ62と交差させて配設され、先端において車輪WLBの図示されないホイールを回転自在に支持し、後端が支点部材64と連結されたリンク部材65等を備える。
ショックアブソーバ62とロワアーム61とがボールジョイントj11によって、ロワアーム61とボディ11とがボールジョイントj12によって、ショックアブソーバ62とリンク部材65とがボールジョイントj13によって、支点部材64とリンク部材65とがボールジョイントj14によって、それぞれ互いに回動自在に連結される。なお、ボールジョイントj11〜j14によって連結要素が構成される。
この場合、ショックアブソーバ62はボディ11に対して回動不能に連結されるので、車輪WLF、WRF、WLB、WRB(図6)のうちの車輪WLB、WRBに前記構成のサスペンション機構71が適用される。
車両の通常走行時には、図14に示されるように、サスペンション機構71におけるロワアーム61及びリンク部材65が路面GNDに対して平行に置かれ、車輪WLB、WRBにキャンバ角は形成されない。これに対して、車両の加速時には、車両の慣性によってボディ11の後端部が車輪WLB、WRBに対して下方に移動させられる。それに伴って、図15に示されるように、サスペンション機構71におけるロワアーム61及びリンク部材65は、それぞれボールジョイントj12、j14を中心にして、時計回りに回動させられる。その結果、車輪WLB、WRBに負の値のキャンバ角が形成されるので、前記高グリップ領域39を路面GNDに接地させることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図16は本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション機構の要部を示す図、図17は本発明の第3の実施の形態におけるナックルユニットを示す図である。
図において、73はストラット式の懸架構造を有するサスペンション機構、74は、ボディ11(図6)に対して回転自在に支持され、操舵装置としてのステアリングホイール13を操作するのに伴って回動させられる回転支持部材としてのストラットマウント、61はロワアーム、62は、上端においてストラットマウント74と連結され、伸縮自在に配設された伸縮部材としてのショックアブソーバ、75はリンク部材としてのナックルユニット、81はタイロッドである。
前記ナックルユニット75は、上端においてショックアブソーバ62に取り付けられ、下端においてロワアーム61に取り付けられた第1のナックル76、該第1のナックル76に対してキャンバ軸78を揺動軸として揺動自在に配設され、「L」字状の形状を有する第2のナックル77、及び該第2のナックル77とストラットマウント74とを連結するロッド98を備え、前記第2のナックル77によって車輪WLF、WRF(図6)のホイールが回転自在に支持される。
そして、ロワアーム61とボディ11とがボールジョイントj12によって、第2のナックル77とロッド98とがボールジョイントj21によって、ストラットマウント74とロッド98とがボールジョイントj22によって、それぞれ互いに回動自在に連結される。なお、ボールジョイントj12、j21、j22によって連結要素が構成される。この場合、ショックアブソーバ62は、ストラットマウント74を介してボディ11に対して回動自在に配設されるので、車輪WLF、WRF、WLB、WRBのうちの車輪WLF、WRFに前記構成のサスペンション機構73が適用される。
前記構成のサスペンション機構73においては、運転者がステアリングホイール13を操作すると、タイロッド81が進退させられ、それに伴ってサスペンション機構73が垂直軸を中心に回動させられ、各車輪WLF、WRFにトウ角が形成される。
車両の通常走行時には、図16に示されるように、第2のナックル77が路面GND(図1)対して垂直に置かれ、制動時及び加速時には、ショックアブソーバ62が収縮させられ、ロッド98が図において下方に移動させられる。それに伴って、第2のナックル77は、キャンバ軸78を中心にして図における時計回りに回動させられ、各車輪WLF、WRFにキャンバ角が形成される。
この場合、ボディ11に対して回転自在に支持されたストラットマウント74にショックアブソーバ62及びナックルユニット75が配設されるので、ステアリングホイール13を操作することによって各車輪WLF、WRFにトウ角を形成することができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成された状態を示す図である。 従来のダブルウィッシュボーン式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第1の図である。 従来のダブルウィッシュボーン式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第2の図である。 従来のストラット式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第1の図である。 従来のストラット式の懸架構造を有するサスペンション機構の動作を示す第2の図である。 本発明の第1の実施の形態における車両の概念図である。 本発明の第1の実施の形態における通常走行時の車両の状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成されていない状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における制動時の車両の状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における加速時の車両の状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のリンク構造を示す第1の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション機構のリンク構造を示す第2の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるリンク長とキャンバ角との関係図である。 本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成されていない状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション機構のキャンバ角が形成されている状態を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション機構の要部を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるナックルユニットを示す図である。
符号の説明
11 ボディ
31〜34、71、73、M1、M2 サスペンション機構
36 タイヤ
39 高グリップ領域
51 ナックル
55、55’、65 リンク部材
62 ショックアブソーバ
GND 路面
WLF、WRF、WLB、WRB 車輪

Claims (2)

  1. 車両のボディと、該ボディに対して回転自在に配設された車輪と、前記ボディと車輪との間に配設されたサスペンション機構とを有するサスペンションシステムにおいて、
    前記車輪のタイヤは、トレッドが幅方向において二つの領域に区分され、
    該二つの領域のうちの一方の領域が、他方の領域より路面に対するグリップ力が大きくされて高グリップ領域とされ、
    前記サスペンション機構は、前記ボディに対して上下方向に移動自在に配設された移動部材、及び該移動部材と回動自在に連結され、かつ、前記ボディ側に配設された支点と連結され、車輪のホイールを回転自在に支持するとともに、前記移動部材の上下方向の移動に伴って、前記支点に対して揺動させられるリンク部材を備えることを特徴とするサスペンションシステム。
  2. 前記移動部材はナックルである請求項1に記載のサスペンションシステム
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