JP2009286349A - サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の制動時に十分に大きなグリップ力を発生させることができるようにする。
【解決手段】車両のボディ11と、複数の車輪と、サスペンション機構とを有し、各車輪のタイヤに、路面GNDに対するグリップ力が大きくされた高グリップ領域39が形成される。サスペンション機構は、車両の制動時に、車両の慣性によって前輪に、トウアウトとなるトウ角を付与し、トウ角の付与に伴って、負の値のキャンバ角を付与し、高グリップ領域39を路面GNDに接地させる構造を有する。車両の制動時に、車両の慣性によって前輪に、トウアウトとなるトウ角が付与され、トウ角の付与に伴って、負の値のキャンバ角が付与され、高グリップ領域39が路面GNDに接地させられるので、車両の制動時に十分に大きなグリップ力を発生させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンションシステムに関するものである。
従来、車両においては、燃費をよくするために、例えば、トレッドゴムの損失正接を小さくすることによって、転がり抵抗を小さくしたタイヤが搭載されたものが提供されている。
ところが、転がり抵抗を小さくすると、タイヤのグリップ力がその分小さくなり、制動時における制動距離が長くなったり、旋回時に横すべりが発生しやすくなったりする。
そこで、トレッドを幅方向において分割し、中央の領域、すなわち、センタ部を、損失正接が小さい材料で、センタ部の両側の領域、すなわち、ショルダ部を、損失正接が大きい材料で形成するようにしたタイヤが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−22622号公報
しかしながら、前記従来の車両においては、車両を直進で走行させているとき、すなわち、通常走行時にセンタ部と路面とを、車両の制動時にショルダ部と路面とを確実に接触させることができず、制動時にグリップ力を十分に大きくすることができない。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、車両の制動時に十分に大きなグリップ力を発生させることができるサスペンションシステムを提供することを目的とする。
そのために、本発明のサスペンションシステムにおいては、車両のボディと、該ボディに対して回転自在に配設された複数の車輪と、前記ボディと各車輪との間に配設されたサスペンション機構とを有し、各車輪のタイヤに、路面に対するグリップ力が大きくされた高グリップ領域が形成されるようになっている。
そして、前記サスペンション機構は、車両の制動時に、車両の慣性によって前輪に、トウアウトとなるトウ角を付与し、トウ角の付与に伴って、負の値のキャンバ角を付与し、前記高グリップ領域を路面に接地させる構造を有する。
本発明の他のサスペンションシステムにおいては、さらに、前記サスペンション機構は、前輪を回転自在に支持する支持部を有する。
そして、該支持部から斜め前側に延在させて形成されたアームとボディとの連結剛性が、前記支持部から斜め後側に延在させて形成されたアームとボディとの連結剛性より小さくされる。
本発明の更に他のサスペンションシステムにおいては、さらに、各アームとボディとを連結する各連結要素はブッシュである。
本発明の更に他のサスペンションシステムにおいては、さらに、前記支持部は、ボディ側に配設された第1の要素、前記各車輪を回転自在に支持し、第1の要素に対してキャンバ軸を揺動中心にして揺動自在に配設された第2の要素、及び第1、第2の要素間に配設され、所定の付勢力で第2の要素を付勢する付勢部材を備える。
本発明によれば、サスペンションシステムにおいては、車両のボディと、該ボディに対して回転自在に配設された複数の車輪と、前記ボディと各車輪との間に配設されたサスペンション機構とを有し、各車輪のタイヤに、路面に対するグリップ力が大きくされた高グリップ領域が形成されるようになっている。
そして、前記サスペンション機構は、車両の制動時に、車両の慣性によって前輪に、トウアウトとなるトウ角を付与し、トウ角の付与に伴って、負の値のキャンバ角を付与し、前記高グリップ領域を路面に接地させる構造を有する。
この場合、車両の制動時に、車両の慣性によって前輪に、トウアウトとなるトウ角が付与され、トウ角の付与に伴って、負の値のキャンバ角が付与され、前記高グリップ領域が路面に接地させられる。
したがって、車両の制動時に十分に大きなグリップ力を発生させることができる。
本発明の他のサスペンションシステムにおいては、さらに、前記支持部は、ボディ側に配設された第1の要素、前記各車輪を回転自在に支持し、第1の要素に対してキャンバ軸を揺動中心にして揺動自在に配設された第2の要素、及び第1、第2の要素間に配設され、所定の付勢力で第2の要素を付勢する付勢部材を備える。
この場合、タイヤに加わる横力及び付勢部材の付勢力に応じて、第2の要素が所定の方向に回動させられ、各車輪にキャンバ角が付与され、高グリップ領域が路面に接地させられるので、車両の制動時に十分に大きなグリップ力を発生させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における車両の概念図である。
図において、11は車両の本体を表すボディ、WLF、WRF、WLB、WRBは、ボディ11に対して回転自在に配設された前方左側、前方右側、後方左側及び後方右側の車輪である。車輪WLF、WRFによって前輪が、車輪WLB、WRBによって後輪が構成される。
また、12は駆動源としてのエンジン、13は操舵装置としてのステアリングホイール、14は加速操作部材としてのアクセルペダル、15は減速操作部材としてのブレーキペダル、21は、前記エンジン12を駆動することによって発生させられた回転を駆動輪として機能する車輪WLB、WRBに伝達する回転伝達部材としてのプロペラシャフト、22はエンジン12から伝達された回転を差動させるディファレンシャル装置、24は該ディファレンシャル装置22によって差動させられた回転を各車輪WLB、WRBに伝達するドライブシャフトである。
そして、31〜34は、それぞれ、ボディ11と各車輪WLF、WRF、WLB、WRBとの間に配設され、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBを路面に押し付けるサスペンション機構である。なお、前記各車輪WLF、WRF、サスペンション機構31、32等によってキャンバ角調整装置が、該キャンバ角調整装置及びボディ11によってサスペンションシステムが構成される。
本実施の形態においては、駆動源としてエンジン12が使用され、該エンジン12によって発生させられた回転が、プロペラシャフト21、ディファレンシャル装置22及びドライブシャフト24を介して各車輪WLB、WRBに伝達されるようになっているが、エンジン12と車輪WLF、WRFとを図示されないドライブシャフトを介して連結し、エンジン12の回転を各車輪WLF、WRFに伝達し、車輪WLF、WRFを駆動輪として機能させることができる。また、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBに、それぞれ駆動源としての図示されないホイールモータを配設し、各ホイールモータを駆動することによって各車輪WLF、WRF、WLB、WRBを直接回転させ、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBを駆動輪として機能させることもできる。
ところで、該各車輪WLF、WRF、WLB、WRBは、アルミニウム合金等によって形成された図示されないホイール、及び該ホイールの外周に嵌(かん)合させて配設されたタイヤ36を備える。そして、各車輪WLF、WRF、WLB、WRBのうちの車輪WLF、WRFにおいては、タイヤ36のトレッド37が幅方向における複数の領域に、本実施の形態においては、二つの領域に分割され、トレッド37の幅方向における中心を表す中心線を区分線Ld1としたとき、該区分線Ld1より外側(ボディ11から離れる側)に、損失正接が小さい特性を有する低転がり抵抗領域38が、区分線Ld1より内側(ボディ11側)に、損失正接が大きい特性を有する高グリップ領域39が形成される。
そのために、前記低転がり抵抗領域38及び高グリップ領域39の各外周面には、溝のパターン(以下「トレッドパターン」という。)が異ならせて形成される。すなわち、低転がり抵抗領域38には、タイヤ36の円周方向において溝が連続するリブタイプのトレッドパターンが形成され、高グリップ領域39には、タイヤ36の幅方向において溝が連続するラグタイプのトレッドパターンが形成される。また、高グリップ領域39に、独立した複数のブロックを備えるブロックタイプのトレッドパターンを形成することもできる。
なお、前記損失正接は、トレッド37が変形する際のエネルギーの吸収度合いを示し、貯蔵剪(せん)断弾性率に対する損失剪断弾性率の比で表すことができる。損失正接が小さいほどエネルギーの吸収が少なくなるので、路面との摩擦によってタイヤ36に発生する転がり抵抗が小さくなり、路面を掴む力を表すグリップ力も小さくなる。また、タイヤ36に発生する摩耗が少なくなる。これに対して、損失正接が大きいほどエネルギーの吸収が多くなるので、転がり抵抗が大きくなり、グリップ力も大きくなる。また、タイヤ36に発生する摩耗が多くなる。
本実施の形態においては、区分線Ld1がトレッド37の中心線にされるようになっているが、区分線Ld1をトレッド37の幅方向における任意の位置に置き、低転がり抵抗領域38及び高グリップ領域39の各接地面積を互いに異ならせることができる。
前記構成の車両においては、通常走行時に、低転がり抵抗領域38を路面に接地させると、転がり抵抗が小さくされるので、燃費をよくすることができる。また、車両の制動時に、高グリップ領域39を路面に接地させると、グリップ力が大きくされるので、制動距離を短くしたり、横すべりが発生するのを防止したりすることができる。
そのために、本実施の形態においては、前記各サスペンション機構31、32において、車両の走行の態様に応じてタイヤ36のキャンバ角が調整されるようになっている。
そこで、各サスペンション機構31、32について説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す平面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す側面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す斜視図である。なお、図3及び4はサスペンション機構31を示す。
図において、11はボディ、WLFは車輪、31、32はサスペンション機構、36はタイヤ、37はトレッド、38は低転がり抵抗領域、39は高グリップ領域、Ld1は区分線、GNDは路面である。
前記サスペンション機構31、32は、ダブルウィッシュボーン式の懸架構造を有し、車輪WLF、WRFのホイールw1、w2に取り付けられ、車輪WLF、WRFを回転自在に支持する支持部としてのナックルユニット51、該ナックルユニット51の上端部においてナックルユニット51とボディ11とを連結し、車輪WLFを移動自在に支持する第1のアームとしてのアッパアーム52、前記ナックルユニット51の下端部においてナックルユニット51とボディ11とを連結し、車輪WLFを移動自在に支持する第2のアームとしてのロワアーム53、前記ボディ11とロワアーム53とを連結するショックアブソーバsh1等を備える。
また、前記ナックルユニット51は、ボディ11側に、ボディ11に対して上下方向に移動自在に配設された第1の要素としてのナックルアーム55、車輪WLF、WRF側に配設され、前記ホイールw1、w2に固定されるとともに、ナックルアーム55に対してキャンバ軸56を揺動中心にして揺動自在に配設された第2の要素としてのキャンバプレート57、前記キャンバ軸56より上方における前記ナックルアーム55とキャンバプレート57との間に配設され、該キャンバプレート57をナックルアーム55から離す側に向けて(図3及び4において反時計回りに)所定の付勢力で付勢する付勢部材としてのスプリング58等を備える。
前記アッパアーム52は、「V」字状の形状を有し、ナックルユニット51側において一体にされ、ボディ11に向けて広がるように、斜め前側及び斜め後側に延在させて形成された2本のアーム部52a、52bを備える。また、前記アッパアーム52は、ナックルユニット51側において1箇所で連結要素としてのボールジョイント61によってナックルアーム55に対して揺動自在に連結され、ボディ11側において2箇所で連結要素としての筒状のブッシュ62a、62bによってボディ11に対して揺動自在に連結される。この場合、車両の走行方向において、アーム部52a及びブッシュ62aはアーム部52b及びブッシュ62bより前側に配設される。
前記ロワアーム53は、前記アッパアーム52と同様に、「V」字状の形状を有し、ナックルユニット51側において一体にされ、ボディ11に向けて、斜め前側及び斜め後側に広がるように延在させて形成された2本のアーム部53a、53bを備える。そして、前記ロワアーム53は、ナックルユニット51側において1箇所で連結要素としてのボールジョイント63によってナックルアーム55に対して揺動自在に連結され、ボディ11側において2箇所で連結要素としての筒状のブッシュ64a、64bによってボディ11に対して揺動自在に連結される。この場合、車両の走行方向において、アーム部53a及びブッシュ64aはアーム部53b及びブッシュ64bより前側に配設される。
また、前記各ブッシュ62a、62b、64a、64bは、ボディ11に固定されたビーム65(図5において、ブッシュ62a、62b側のビーム65だけが示される。)を包囲するように外嵌させられる。
なお、車両の走行方向においてボールジョイント63はボールジョイント61より前方に位置しせられ、ボールジョイント61、63を結ぶ仮想線は、ボディ11に対して所定のキャスタ角を形成するように傾斜させられる。すなわち、車輪WLFは、操舵輪として機能し、キャスタ角を付けて支持される。
ところで、前記車輪WLF、WRFは、車両の制動時に、車両の慣性によって必ずトウアウトとなるトウ角が付与されるように支持される。そして、トウ角が付与されることによって、車輪WLF、WRFに負の値のキャンバ角(ネガティブキャンバ)が付与される。
そのために、前側のブッシュ62a、64aにおけるボディ11に対する連結剛性は、後側のブッシュ62b、64bにおけるボディ11に対する連結剛性より小さくされる。
次に、ブッシュ62a、62b、64a、64bの構造について説明する。この場合、前側のブッシュ62a、64aは互いに同じ構造を、後側のブッシュ62b、64bは互いに同じ構造を有するので、前側のブッシュ62a及び後側のブッシュ62bについて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における車輪にキャンバ角が付与された状態を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における前側のブッシュの構造を示す断面図、図7は本発明の第1の実施の形態における後側のブッシュの構造を示す断面図、図8は本発明の第1の実施の形態における車輪にトウ角が付与された状態を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における制動時の横力を説明する第1の図、図10は本発明の第1の実施の形態における制動時の横力を説明する第2の図である。
前側のブッシュ62aは、変形しにくく剛性の高い材料、例えば、金属によって形成された第1の部材としての内側スリーブ71、該内側スリーブ71と同心状に配設され、金属によって形成された第2の部材としての外側スリーブ72、及び前記内側スリーブ71と外側スリーブ72との間に配設され、変形しやすく剛性の低い材料、例えば、ゴムによって形成された第3の部材としての中間体73を備え、前記ビーム65の外側に前記内側スリーブ71が相対的に回動自在に配設され、前記外側スリーブ72に前記アーム部52aが固定される。前記ビーム65の前端に、ブッシュ62aのビーム65からの抜けを防止するためのフランジ部65aが径方向外方に向けて突出させて形成される。前記内側スリーブ71及び外側スリーブ72は剛体として、中間体73は弾性体として機能する。
また、後側のブッシュ62bは、金属によって形成された第1の部材としての内側スリーブ75、該内側スリーブ75と同心状に配設され、金属によって形成された第2の部材としての外側スリーブ76、及び前記内側スリーブ75と外側スリーブ76との間に配設され、金属によって形成された第3の部材としての中間体77を備え、前記ビーム65の外側に前記内側スリーブ75が相対的に回動自在に配設され、前記外側スリーブ75に前記アーム部52bが固定される。前記内側スリーブ75及び外側スリーブ76によって球面ベアリングが構成され、内側スリーブ75の軸方向における中央部分の外周面に、径方向外方に向けて凸面状に突出する球面部75aが形成され、中間体77の内周面に、前記球面部75aと対応する形状を有し、球面部75aを揺動自在に、かつ、回転自在に支持する支持部77aが形成される。
また、前記ビーム65の後端に、ブッシュ62bのビーム65からの抜けを防止するためのフランジ部65bが径方向外方に向けて突出させて形成される。前記内側スリーブ75、外側スリーブ76及び外側スリーブ76は剛体として機能する。
この場合、前記前側のブッシュ62aにおいては、前記内側スリーブ71及び外側スリーブ72が剛体として、中間体73が弾性体として機能するので、外力が加わると、内側スリーブ71に対して外側スリーブ72が、径方向に移動させられ、偏心させられる。これに対して、後側のブッシュ62bは、前記内側スリーブ75、外側スリーブ76及び外側スリーブ76が剛体として機能するので、外力が加わっても、内側スリーブ75に対して外側スリーブ76が、径方向に移動させられず、偏心させられることはない。
すなわち、前述されたように、前側のブッシュ62aにおけるボディ11に対する連結剛性は、後側のブッシュ62bにおけるボディ11に対する連結剛性より小さくされる。
ところで、例えば、運転者がブレーキペダル15(図2)を踏み込み、車両を制動すると、車両の慣性によって車輪WLF、WRFを前方に移動させようとするが、制動に伴って、車輪WLF、WRFの回転が抑制又は阻止され、車輪WLF、WRFには、タイヤ36が転がる方向を表すタイヤ36の向きと逆方向に転がり抵抗が発生する。
そして、このとき、前側のブッシュ62aにおけるボディ11に対する連結剛性は、後側のブッシュ62bにおけるボディ11に対する連結剛性より小さくされるので、後側のブッシュ62bにおいては、内側スリーブ75に対して外側スリーブ76が偏心させられることがないのに対して、前側のブッシュ62aにおいては、内側スリーブ71に対して、外側スリーブ72がボディ11から離れる側に偏心させられる。
したがって、車輪WLF、WRFが開かれ、車輪WLF、WRFに、互いにトウアウトの方向に、図9に示されるようなトウ角αが付与される。
そして、車両の制動に伴って、各タイヤ36における路面GNDとの接地面に、車両の走行方向と反対側に向けてブレーキ力Fbが発生すると、該ブレーキ力Fbにおける車輪WLF、WRFの回転軸と平行な方向の分力が横力Fc
Fc=Fb・sinα
として発生する。
この場合、図10に示されるように、各タイヤ36における路面GNDとの接地面に、外側に向けて横力Fcが発生させられる。また、前記スプリング58は車輪WLF、WRFを付勢力Fsでボディ11から離れる側に向けて付勢する。
したがって、前記キャンバ軸56とスプリング58の中心との間の距離をL1とし、キャンバ軸56と路面GNDとの間の距離をL2としたとき、車輪WLFにおいては、キャンバ軸56を中心として、横力Fc及び付勢力Fsよって互いに逆方向にモーメントが発生する。この場合、各モーメントが釣り合うと、
Fs・L1=Fc・L2
になり、そのときの付勢力Fsは、
Fs=Fc・L2/L1
になる。そこで、付勢力Fsが値Fc・L2/L1より小さくなるように設定すると、図1に示されるように、横力Fcを発生源として、車輪WLF、WRFに負の値のキャンバ角が形成される。
したがって、図1に示されるように、各車輪WLF、WRFのトレッド37において、高グリップ領域39だけが路面GNDと接触させられる。したがって、十分に大きなグリップ力を発生させながら車輪WLF、WRFを停止させ、車両を停止させることができる。
このように、本実施の形態においては、制動時に、各車輪WLF、WRFにおいて、十分に大きなグリップ力を発生させることができるので、制動距離が長くなるのを防止することができる。
また、各車輪WLF、WRFにキャンバ角を付与するために、アクチュエータを配設する必要がないので、制動時に消費されるエネルギーを少なくすることができる。したがって、燃費をよくすることができる。
本実施の形態においては、ナックルユニット51における下側にキャンバ軸56が、上側にスプリング58が配設されるようになっているが、ナックルユニット51における上側にキャンバ軸56を、下側にスプリング58を配設することができる。その場合、スプリング58は負の値のキャンバ角を形成するために、キャンバプレート57をナックルアーム55に近づける側に向けて付勢する。
また、本実施の形態においては、各車輪WLF、WRFのタイヤ36のトレッド37において、区分線Ld1より外側に低転がり抵抗領域38が、区分線Ld1より内側に高グリップ領域39が形成されるようになっているが、トレッド37の幅方向において三つ以上の領域が形成される場合、各領域のうちの最も内側に高グリップ領域を形成し、負の値のキャンバ角が形成されるのに伴って、高グリップ領域を路面に接地させることができる。
なお、前記トウ角α及びキャンバ角の値は、中間体73の硬度を変化させることによって変更される。中間体73の硬度を高くすると、前側のブッシュ62aにおけるボディ11に対する連結剛性がその分大きくなり、トウ角及びキャンバ角が小さくなる。また、中間体73の硬度を低くすると、前側のブッシュ62aにおけるボディ11に対する連結剛性がその分小さくなり、トウ角及びキャンバ角が大きくなる。
なお、中間体73の硬度を一定にし、内側スリーブ71と外側スリーブ72との間における中間体73の充填(てん)度を変化させることによって、前記トウ角α及びキャンバ角の値を変更することができる。
図11は本発明の第1の実施の形態における前側のブッシュの変形例を示す斜視図である。
図において、73は、変形しやすく剛性の低い材料、例えば、ゴムによって形成された中間体であり、該中間体73は、内側スリーブ71と外側スリーブ72との間の空間において、所定の充填度で局部的に充填される。そのために、中間体73は、弧状の形状を有し、ゴムによって形成された複数の充填体82、及び該各充填体82間に形成された空隙(げき)83を備える。なお、前記充填度は、内側スリーブ71と外側スリーブ72との間の空間に占める充填体82の体積の割合いを表す。
この場合、中間体73の充填度を高くすると、前側のブッシュ62aにおけるボディ11に対する連結剛性がその分大きくなり、トウ角α及びキャンバ角が小さくなる。また、中間体73の充填度を低くすると、前側のブッシュ62aにおけるボディ11に対する連結剛性がその分小さくなり、トウ角α及びキャンバ角が大きくなる。
次に、ストラット式の懸架構造に適用した本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図12は本発明の第2の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す斜視図である。
前記サスペンション機構31は、ストラット式の懸架構造を有し、車輪WLFのホイールw1に取り付けられ、ホイールw1とボディ11とを連結し、車輪WLFを回転自在に支持する図示されない支持部、該支持部に対して揺動自在に配設されたアーム85、前記ボディ11と支持部との間を連結するショックアブソーバsh2等を備える。
前記アーム85は、「V」字状の形状を有し、ホイールw1側において一体にされ、ボディ11に向けて広がるように延在させて形成された2本のアーム部85a、85bを備える。また、前記アーム85は、ホイールw1側において1箇所で連結要素としての図示されないボールジョイントによってボディ11に対して揺動自在に連結され、ボディ11側において、2箇所で連結要素としての筒状のブッシュ62a、62bによってボディ11に対して揺動自在に連結される。
この場合、第1の実施の形態と同様に、前記車輪WLF、WRFは、車両の制動時に、車両の慣性によって必ずトウアウトとなるトウ角が付与されるように支持される。そして、トウ角が付与されることによって、車輪WLF、WRFに負の値のキャンバ角が付与される。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の第1の実施の形態における車輪にキャンバ角が付与された状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における車両の概念図である。 本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における前側のブッシュの構造を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における後側のブッシュの構造を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における車輪にトウ角が付与された状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における制動時の横力を説明する第1の図である。 本発明の第1の実施の形態における制動時の横力を説明する第2の図である。 本発明の第1の実施の形態における前側のブッシュの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態におけるサスペンションシステムを示す斜視図である。
符号の説明
11 ボディ
31〜34 サスペンション機構
36 タイヤ
39 高グリップ領域
51 ナックルユニット
52 アッパアーム
53 ロワアーム
55 ナックルアーム
56 キャンバ軸
57 キャンバプレート
58 スプリング
62a、62b、64a、64b ブッシュ
85 アーム
GND 路面
WLF、WRF、WLB、WRB 車輪
α トウ角

Claims (4)

  1. 車両のボディと、該ボディに対して回転自在に配設された複数の車輪と、前記ボディと各車輪との間に配設されたサスペンション機構とを有し、各車輪のタイヤに、路面に対するグリップ力が大きくされた高グリップ領域が形成されたサスペンションシステムにおいて、前記サスペンション機構は、車両の制動時に、車両の慣性によって前輪に、トウアウトとなるトウ角を付与し、トウ角の付与に伴って、負の値のキャンバ角を付与し、前記高グリップ領域を路面に接地させる構造を有することを特徴とするサスペンションシステム。
  2. 前記サスペンション機構は、前輪を回転自在に支持する支持部を有するとともに、該支持部から斜め前側に延在させて形成されたアームとボディとの連結剛性が、前記支持部から斜め後側に延在させて形成されたアームとボディとの連結剛性より小さくされる請求項1に記載のサスペンションシステム。
  3. 各アームとボディとを連結する各連結要素はブッシュである請求項2に記載のサスペンションシステム。
  4. 前記支持部は、ボディ側に配設された第1の要素、前記各車輪を回転自在に支持し、第1の要素に対してキャンバ軸を揺動中心にして揺動自在に配設された第2の要素、及び第1、第2の要素間に配設され、所定の付勢力で第2の要素を付勢する付勢部材を備える請求項2に記載のサスペンションシステム。
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