JP4946604B2 - P含有鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特にPを多く含有する冷延鋼板素材を連続鋳造機で鋳造するP含有鋼の連続鋳造方法に関するものである。
近年、自動車用冷延鋼板は、自動車走行燃費の向上と強度や耐食性向上の両立のため、従来よりも薄い鋼板が使用される傾向にある。このため、P含有量が多い成分系の鋼板が一般的に製造されるようになった。
しかし、Pを多く含む場合、冷延鋼板の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造工程において、合金化ムラが発生し、その部位が線状の模様として認識され、商品価値を損なうという問題があった。
このような問題を解決する提案として、鋼板中P量に応じた研削量で鋼板表面研削を行い、合金化処理を誘導加熱方式の合金化炉で行うという提案がなされている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法のように鋼板の表面研削を行うのでは、鉄ロスによる歩留まりの低下が著しく、鋼板の製造コストを大幅に増大するとの問題がある。
そこで、その後の提案において、同様の課題を解決するものとして、合金化ムラ発生の原因を、鋳片表面のオシレーションマーク部に形成される爪部に生成するPの濃化であるとの知見に基づき、連続鋳造時に鋳型内電磁攪拌を実施し、メッキ前に行う鋼板表面研削による研削量を2μm以下にし、また鋳片溶削量を2mm以下にすることによって鉄歩留ロスを少なくした合金化亜鉛メッキ鋼板の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許第2576329号公報 特許第3728287号公報
特許文献2に示した方法においては、鋼板表面の研削量を2μm以下にして、鉄歩留ロスを少なくするとしているが、表面積が鋳片に比べて200倍以上になっためっき前の冷延鋼板の表面を2μm程度研削することは、歩留まりがよいとは言えず、工程の増加、デリバリー遅延を考えると、生産性が極端に低下する。
また、特許文献2においては、鋳片溶削を2mm以下にするとしているが、近年より厳格な品質が要求されるようになった自動車用外板材の場合、鋳片表面手入れ厚みが2〜6mm程度実施される場合もあるが、このような対策を実施しても、めっき・合金化後に、黒色の筋状欠陥(外観上0.10〜0.25mm幅、長さ50〜150mm;鋳片厚/冷延板厚み=300〜310の場合)が発生する場合があり、特許文献2の方法では十分とは言えない。
以上のように、特許文献2に開示の方法は、上述のように、歩留まりの悪さ、工程の増加、デリバリー遅延などから、生産性が極端に低下するという問題がある。
このように、Pの濃化が原因として、冷延鋼板の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造工程において、合金化ムラの発生を防止する技術として、十分なものではなかった。
そこで、発明者はこのようなPの濃化が原因として発生する合金化ムラを防止するための方法を、本願に先行する特願2007-15494において提案した。
上記の特許文献1、2や特願2007-15494において提案されているものは全てPが表層部に濃化偏析することが原因で、冷延板めっき後の合金化が遅れ、その結果、合金化ムラが発生し、その部位が黒色状の線状模様(黒筋)が発生するというものについての対策である。
しかしながら、鋳片表面手入れ厚みが2〜6mm程度なされた場合であっても、めっき・合金化後に上記のような黒筋と混在して、黒筋とは外観が全く異なる白色の筋状欠陥(0.5〜3mm幅、圧延方向長さ50〜400mm)が発生する場合があった。
このような白色の筋状欠陥について、この発生原因についての究明は行なわれておらず、また、その防止対策についても未だ何らの提案もなされていない。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板においてめっき・合金化後に生ずる筋状欠陥、特に白色の筋状欠陥を安定して防止できるP含有鋼の連続鋳造方法を提示することを目的としている。
発明者は白色の筋状欠陥の発生原因をつきとめるべく、合金化溶融亜鉛めっき処理後に白色の筋状欠陥が発生した部分(以下、単に「白筋部」という)について、めっき除去後の表面のEPMA分析を行なった。この分析から、当該部分はPの偏析比(Pmin/Po; Pmin:筋部の最低P濃度、Po:代表値)が0.70〜0.85であり、P濃度が周囲よりも低く、Pが負偏析していることがわかった。
他方、鋳造条件と白色筋状欠陥の発生との関係を調査したところ、この欠陥は、タンディッシュ溶鋼過熱度(鋳造温度-鋼の液相温度)△Ttが低い、鋳型幅Wが広い、鋳造速度が遅い、といった鋳造条件の場合に多く発生することが分かった。
そして、上記のような鋳造条件で鋳造したスラブ表層部を顕微鏡で観察したところ、図1に示すような、周囲と異なる凝固組織(異常組織)が多く観察された。この異常組織の部分についてEPMA分析を行った結果、Pの偏析比が0.57〜0.78であり、上述した白筋部と同様にPが負偏析していることが分かった。
もっとも、異常組織部のPの偏析比は0.57〜0.78であり、白筋部のそれよりも小さく、両者には偏析の度合いの違いが認められる。しかし、この異常組織部と白筋部の偏析の度合いの違いは、異常組織部の偏析比はスラブでの分析であるのに対して、白筋部はスラブが熱延・冷延を経て合金化亜鉛めっきされた製品での分析であるためであると考えられる。すなわち、白筋部は製品となるまでの間にPが熱拡散し、偏析度合いが異常組織部のそれよりも緩和されるためと考えられる。このことから、異常組織部で観察されたPの偏析は、これを製品化した状態では白筋部の偏析と同レベルになると考えられ、このことから異常組織が白色筋状欠陥の直接の原因であるとの知見を得た。
さらに、異常組織の生成原因について鋭意研究を行ない、異常組織の発生メカニズムを解明した。図2はこのメカニズムを説明する説明図であり、鋳型内湯面近傍(図3参照)を模式的に示している。図2において、1はモールドフラックス、3は凝固シェル、5はデンドライト状組織、7は溶鋼、9は溶鋼中に遊離した結晶、11は異常組織を示している。
異常組織は、図2に示すように、鋳型内凝固開始部である湯面近傍において、溶鋼7の△Tが低く、溶鋼流動が弱い状況下で、凝固界面前方の溶鋼7中に晶出した結晶9、あるいは凝固界面から凝固しているデンドライト状組織の先端部の脆弱な部分が、一旦溶鋼7中に遊離し、その後、溶鋼7の流れに乗って、成長している凝固シェル3の先端部に捕捉されたものである。
このような異常組織は、いわば凝固時の初晶であり、図4に模式的に示すFe-P擬二元状態図からわかるように、母溶鋼よりもP濃度が低い状態で凝固する。
異常組織部は、鋳片手入れによって、あるいは無手入れ鋳片でも圧延条件によっては表面に露出し、最終的に冷延板表面に露出した状態で合金化溶融亜鉛メッキされて、その部位の合金化が促進され、製品になった状態で筋状の欠陥になることがわかった。
以上のように、異常組織の生成が鋳型内凝固開始部である湯面近傍での初晶であることから、異常組織の発生個数(個/スラブ幅単位)がメニスカス部凝固開始部における流入熱量指数IQに大きく影響することを発見した。
この流入熱量指数IQを数式で表現すると以下のようになる。
総熱量Qは、流入熱量Qin(溶鋼流れにより凝固界面に供給される熱量)と流出熱量Qout(メニスカス近傍湯面からパウダーへの放熱量Qf)のバランスで決まり、パウダーが同じ場合、総熱量Qは流入熱量Qinに依存することになり、よって、総熱量Q、流入熱量Qinは次式で表現される。
Q∝Qin=hm△Tm ・・・・・・(1)
hm=CV0.8 (経験式,C:定数)とすると、
Q∝V0.8△Tm =IQ ・・・・・(2)
但し、hm: 溶鋼の熱伝達係数
V : モールド内所定位置までの溶鋼平均流速(cm/s)
△Tm:モールド内所定位置における溶鋼過熱度(℃)
なお、モールド内所定位置とは、モールド端部から幅方向1/4でかつ厚み方向
1/2の位置におけるメニスカス部から30mm深さの位置をいう。
IQがある値以上ではメニスカス部では凝固しにくくなるため、異常組織は発生しなくなる。この異常組織が急減少するIQ、すなわち臨界的な流入熱量指数(=IQcr)以上では、白筋状の欠陥が抑制できることとなる。
したがって、IQcrを予め求め、このIQcr以上の鋳造条件で鋳造すれば白筋状欠陥を抑制できるのである。
IQ計算に必要なVや△Tmは、操業条件、特に鋳造速度、鋳型断面サイズ、浸漬ノズル形状や浸漬深さ、鋳型内溶鋼流動状態条件等に影響される。ただし、操業中、定常的に△Tmを測定することは困難である。そこで、予め、一般的に実測されているタンディッシュ溶鋼過熱度△Ttと△Tmの関係を調査し、(2)式の△Tmを△Ttの関数として利用してもよい。
よって、IQは、操業管理のし易さによって、V0.8△Tm、または△Tmを△Tt及びその他操業条件(鋳造速度、鋳型断面サイズ、浸漬ノズル形状や浸漬深さ、鋳型内溶鋼流動状態条件等)との関係式で表現したもののどちらかを選択すればよい。
臨界的な流入熱量指数(=IQcr)を求めるために、鋳造条件を種々変更して、異常組織と流入熱量指数IQの関係を調査した。表1は鋳造条件と、異常組織の個数、流入熱量指数IQを表にして示したものである。
Figure 0004946604
表1に示した異常組織個数は、鋳片における鋳造方向の90度断面の幅方向10箇所から切り出したサンプル(15mm幅)をピクリン酸腐食により凝固組織現出後、表面から4mm深さまでに観察される0.2mm幅以上の異常組織数を測定し、サンプルの総幅で除した値を異常組織個数とした。
また、Vは、鋳片表層下2mmのデンドライト傾斜角から推算した幅方向10箇所平均メニスカス流速(cm/s)で現した。△Tmは、経験的に得た下記式で与えた。
△Tm∝△Tt/L
よって、IQは次式で計算した。
IQ= V0.8(△Tt/L) ・・・(3)
但し、△Tt:タンディッシュ溶鋼過熱度(℃)
L :浸漬ノズル吐出口から1/4幅メニスカスまでの幾何学的な溶鋼移動距離
(cm)(図6における破線矢印で示した距離)であり、次式で計算できる。
L=(W/2)/cosθ+(W/2)tanθ+h+W/4
但し、θ:浸漬ノズル下向き角度
W:スラブ幅(cm)
h:浸漬ノズル浸漬深さ(cm)
なお、(2)式のIQと(3)式のIQは、計算方法が違うため、必ずしも同じ値にならない。
図5は、表1に示した異常組織と流入熱量指数IQの関係をグラフに示したものであり、縦軸が異常組織個数(個/cm)を示し、横軸が(3)式で計算される流入熱量指数IQを示している。
図5に示されるように、異常組織はIQの増加につれて減少し、粉末のモールドフラックスの場合にはIQ=1.6以上で、顆粒状のモールドフラックスの場合にはIQ=2.0以上ではほとんど観察されないことがわかる。
表1及び図5からも分かるように、異常組織発生は、モールドフラックスの形態にも影響される。これは、モールドフラックスの形態によって空隙率が変わり、この空隙率が変わることによってメニスカス近傍湯面からパウダーへの放熱量Qfが変化するためである。空隙率の増大は、熱対流を促進するため、Qfを低く抑えることができない。したがって、顆粒タイプよりも空隙率が小さい粉末タイプのフラックスの方がパウダーからの放熱量Qfを抑制する効果が高い。このため、粉末タイプのフラックスを使用することにより、流入熱量指数IQ(流入熱量Qin-流出熱量Qf)の減少が抑制され、よって、異常組織発生も抑制されることによる。
このため、図5に示されるように、モールドフラックス形態が顆粒よりも粉末を使用することにより、異常組織個数は、一層少なくなる。この場合、粉末タイプのモールドフラックス使用時のIQcrも顆粒タイプのモールドフラックス使用時の場合のそれよりも小さくなり、操業の自由度が広がる。
操業管理の利便性から、Vを、鋳型端部から幅方向1/4の位置で、かつ鋳型厚み方向1/2の位置におけるメニスカス部から30mm深さまでの溶鋼平均流速値で代用してもよい。この場合、流速は、一般的に計測されている方法と同様に、耐火性棒を浸漬し、その棒に作用する溶鋼流動により発生する流動抵抗を、予め求めた溶鋼流速と流動抵抗の関係式から、流速に換算する方法で求めればよい。
この場合、異常組織個数と流入熱量指数IQの関係は、基本的に図5と変わらず、管理指標となるIQcrが若干変化することとなるが、この場合も、事前に異常組織とIQの関係からIQcrを求めることによって、欠陥のない鋳片製造が可能となる。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成を有するものである。
(1)本発明に係るP含有鋼の連続鋳造方法は、Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、V0.8△Tmと白色の線状筋欠陥の発生との関係から白筋欠陥の発生する臨界値IQcrを求め、V0.8△Tmが該臨界値IQcr以上になる条件で連続鋳造することを特徴とするものである。
但し、V :モールド内所定位置までの溶鋼平均流速(cm/s)
△Tm:モールド内所定位置における溶鋼過熱度(℃)
なお、モールド内所定位置とは、モールド端部から幅方向1/4でかつ厚み方向
1/2の位置におけるメニスカス部から30mm深さの位置をいう。
本発明によれば、従来においては全く未知であった白筋欠陥の発生を抑制するための鋳造条件の指標が与えられ、これに基づいて鋳造することで白筋欠陥の発生を防止できる。
(2)また、本発明に係るP含有鋼の連続鋳造方法は、Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、V0.8(△Tt/L)と白色の線状筋欠陥の発生との関係から白筋欠陥の発生する臨界値IQcrを求め、V0.8(△Tt/L)が該臨界値IQcr以上になる条件で連続鋳造するものである。
但し、△Tt:タンディッシュ内溶鋼過熱度(℃)
L :浸漬ノズル吐出口中心から鋳型1/4幅位置1/2厚みメニスカス部までの
幾何学的溶鋼移動距離(cm)で下記式で表現される。
L=(W/2)/cosθ+(W/2)tanθ+W/4+h
但し、W:鋳型幅(cm)
θ:浸漬ノズル吐出噴流の下向き角度(度)
h:湯面から浸漬ノズル吐出口中心までの距離(cm)
(3)また、本発明に係るP含有鋼の連続鋳造方法は、Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、粉末タイプのモールドフラックスを使用すると共に下式に示す条件で連続鋳造することを特徴とするものである。
V0.8(△Tt/L)≧1.6
但し、△Tt:タンディッシュ内溶鋼過熱度(℃)
L:浸漬ノズル吐出口中心から鋳型内所定位置までの幾何学的溶鋼移動距離(cm)
であり、下記式で表現される。
L=(W/2)/cosθ+(W/2)tanθ+W/4+h
但し、W:鋳型幅(cm)
θ:浸漬ノズル吐出噴流の下向き角度(度)
h:湯面から浸漬ノズル吐出口中心までの距離(cm)
なお、粉末タイプのモールドフラックスとは、100meshアンダーの粉末状を呈したものをいい、空隙率は5%以下である。
(4)また、本発明に係るP含有鋼の連続鋳造方法は、Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、顆粒タイプのモールドフラックスを使用すると共に下式に示す条件で連続鋳造することを特徴とするものである。
V0.8(△Tt/L)≧2.0
但し、△Tt:タンディッシュ内溶鋼過熱度(℃)
L:浸漬ノズル吐出口中心から鋳型内所定位置までの幾何学的溶鋼移動距離(cm)
であり、下記式で表現される。
L=(W/2)/cosθ+(W/2)tanθ+W/4+h
但し、W:鋳型幅(cm)
θ:浸漬ノズル吐出噴流の下向き角度(度)
h:湯面から浸漬ノズル吐出口中心までの距離(cm)
なお、顆粒タイプのモールドフラックスとは、粒形が円筒状で直径0.1〜1.0mm、長さ0.4〜4.0mm程度の顆粒状を呈したものをいい、空隙率は20〜80%である。
以上のように、本発明によれば、鋳片段階で合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化ムラの原因となる異常組織によるPの負偏析を抑制でき、冷延板表面の研削が不要となる。このため、製品歩留まり向上やデリバリーの短縮という効果が得られる。
以下、本発明を以下の実施例によってその効果を中心に説明する。
本発明の効果を確認するために、本発明で規定した条件およびそれ以外の比較例となる条件により、極低炭素鋼(C:0.0015、Si<0.05、Mn:0.40〜1.5、P:0.035〜0.10、S:0.001〜0.005、Al:0.02〜0.05wt%)のスラブ(サイズ220mm×1050〜1800mm)を、垂直曲げ型の鋼の連続鋳造機によって鋳造し、鋳片を無手入れ、あるいは4mm手入れした後、熱間圧延し、最終的に溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
鋳造等の条件は以下の通りである。
(1)鋳造条件
鋳造条件は、タンディッシュ〜鋳型間の浸漬ノズル内吹き込みArガス量を10NL/minとした。そして、浸漬深さhをh=200〜250mmの範囲で変更し、また鋳造速度を1.5〜2.2m/minの範囲で種々変更した。
(2)モールドフラックス
モールドフラックスは塩基度(CaO/SiO2)1.1、1300℃粘度0.5Poise、結晶化温度1150℃の顆粒タイプを使用した。
(3)圧延条件
鋳造後、無手入れのまま、均熱温度1150℃、均熱時間75分の後、熱間圧延を経て、冷間圧延し0.7mm厚みとし、その後、溶融亜鉛めっきを行った。
(4)めっき条件
めっき条件は、亜鉛浴温度460℃、浴中のAl濃度0.13%、付着量片面当たり50g/m2、鉄合金化度が10%になるように合金化温度を520〜580℃の範囲で調整した。
(5)欠陥検査条件
欠陥検査は、めっき・合金化後の表面を目視検査し筋状欠陥の有無を検査した。幅0.5mm以上、長さ50mm以上の筋状欠陥の個数を数え、所定個数以上の筋状欠陥がある製品を不良製品とし、ある製造チャンスにおける全製品重量に対する不良製品重量の比率で筋状欠陥発生率(=不良製品重量/製品重量×100%)を評価した。
(6)入熱量指数IQ
入熱量指数IQは、利便性を考え、前述の(3)式で計算した。
図7は、不合格率と流入熱量指数IQとの関係を示すグラフであり、縦軸が不合格率(%)、横軸が流入熱量指数IQである。
図7に示されるように、IQ=2.0以上になると不合格率がほぼ0となることがわかる。したがって、IQ=2.0以上ですることにより、筋状欠陥が効率よく防止できることがわかる。
スラブ表層下に観察される異常組織の例を示した写真である。 異常組織の発生メカニズムの概念図である。 図2を説明するための説明図である。 Fe-P擬二元状態図の模式図である。 本発明を説明するための図であって、流入熱量と異常組織の関係の一例を示すグラフである。 本発明を説明するための図であって、浸漬ノズル吐出口から1/4幅メニスカスまでの幾何学的な溶鋼移動距離Lの説明図である。 本発明の実施例の説明図であり、流入熱量指数と白筋不合格率の関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
1 モールドフラックス
3 凝固シェル
5 デンドライト状組織
7 溶鋼
9 結晶
11 異常組織

Claims (4)

  1. Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、V0.8△Tmと前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板における白色線状筋欠陥の発生との関係から前記白色筋状欠陥の発生する前記V0.8△Tmの臨界値を求め、V0.8△Tmが該臨界値以上になる条件で連続鋳造することを特徴とするP含有鋼の連続鋳造方法。
    但し、V :モールド内所定位置までの溶鋼平均流速(cm/s)
    △Tm:モールド内所定位置における溶鋼過熱度(℃)
    なお、モールド内所定位置とは、モールド端部から幅方向1/4でかつ厚み方向
    1/2の位置におけるメニスカス部から30mm深さの位置をいう。
  2. Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、V0.8(△Tt/L)と前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板における白色線状筋欠陥の発生との関係から前記白色筋状欠陥の発生する前記V0.8(△Tt/L)の臨界値を求め、V0.8(△Tt/L)が該臨界値以上になる条件で連続鋳造することを特徴とするP含有鋼の連続鋳造方法。
    但し、△Tt:タンディッシュ内溶鋼過熱度(℃)
    L:浸漬ノズル吐出口中心から鋳型内所定位置までの幾何学的溶鋼移動距離(cm)
    であり、下記式で表現される。
    L=(W/2)/cosθ+(W/2)tanθ+W/4+h
    但し、W:鋳型幅(cm)
    θ:浸漬ノズル吐出噴流の下向き角度(度)
    h:湯面から浸漬ノズル吐出口中心までの距離(cm)
  3. Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、粉末タイプのモールドフラックスを使用すると共に下式に示す条件で連続鋳造することを特徴とするP含有鋼の連続鋳造方法。
    V0.8(△Tt/L)≧1.6
    但し、△Tt:タンディッシュ内溶鋼過熱度(℃)
    L:浸漬ノズル吐出口中心から鋳型内所定位置までの幾何学的溶鋼移動距離(cm)
    であり、下記式で表現される。
    L=(W/2)/cosθ+(W/2)tanθ+W/4+h
    但し、W:鋳型幅(cm)
    θ:浸漬ノズル吐出噴流の下向き角度(度)
    h:湯面から浸漬ノズル吐出口中心までの距離(cm)
  4. Pを0.035%以上含有する鋼を連続鋳造し、最終的に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、顆粒タイプのモールドフラックスを使用すると共に下式に示す条件で連続鋳造することを特徴とするP含有鋼の連続鋳造方法。
    V0.8(△Tt/L)≧2.0
    但し、△Tt:タンディッシュ内溶鋼過熱度(℃)
    L :浸漬ノズル吐出口中心から鋳型内所定位置までの幾何学的溶鋼移動距離(cm)
    であり、下記式で表現される。
    L=(W/2)/cosθ+(W/2)tanθ+W/4+h
    但し、W:鋳型幅(cm)
    θ:浸漬ノズル吐出噴流の下向き角度(度)
    h:湯面から浸漬ノズル吐出口中心までの距離(cm)
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