JP4945136B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、トレッド部から両サイドウォール部を経て両ビード部の両ビードコア間でトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返したプライ折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスを具える空気入りタイヤ、特に建設車両や産業車両に用いられる重荷重用空気入りタイヤに関するものであり、かかるタイヤの軽量化とビード部耐久性の向上の両立を図る。
従来の空気入りタイヤは、用途や要求性能に応じてプライ折返し部の折返し高さを変えたり、プライ本体部とプライ折返し部の間の距離を変えたりしている。特にオフロードで使用される建設車両や産業車両に用いられる重荷重用空気入りタイヤにおいては、サイドウォール部にカット傷を受けることが多いため、プライ折返し部の高さが他の重荷重用タイヤよりも高く設定されている。しかし、このようにプライ折返し部の高さを高く設定したタイヤでは、重荷重時及びサイドフォース発生時にサイドウォール部が大きく撓み、プライ折返し部が圧縮され折れることによって生ずる故障やカーカスの折返し端部から生ずる亀裂による故障が発生する場合がある。
かかる故障を防止するため、従来、カーカスのプライコードを大径化したり、カーカスの折返し端部の高さを高く設定したりする改良が行われてきた。しかし、これらの手段はいずれも、タイヤ質量と製造コストの増加を伴い、かつタイヤの大型化につれて限界に達してきている。
コスト低減及び軽量化を図るとともに、ビード部耐久性を向上させるため、例えば特許文献1及び2には、ビード部の肉厚や形状を適正化することによってビード部耐久性を向上させた空気入りタイヤが記載されている。また、特許文献3には、リムフランジ上部の所定位置と、この所定位置に対応するタイヤ外面位置との間の距離が、リムのフランジ半径との関係で適正となるようにタイヤ輪郭形状を形成することで、リムフランジとの間でタイヤのビード部外面に生じるせん断歪を有効に抑制してビード部耐久性を向上させた空気入りタイヤが記載されている。
特開平11−227412号公報 特開平11−227423号公報 特開2002−240518号公報
しかし、特許文献1〜3に記載されたタイヤでは、カーカス折返し端でのコードの折れやカーカスの折返し端部から生ずる亀裂を有効に防止することはできなかった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、カーカスプライの本体部と折返し部の間のゴムの肉厚(ゲージ厚)と形状を適正化することによって、軽量化とビード部耐久性の向上を両立させた空気入りタイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明は、トレッド部から両サイドウォール部を経て両ビード部の両ビードコア間でトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返したプライ折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスを具える空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面にて、前記カーカスのプライ折返し部のタイヤ径方向外端である折返し端部とリム径ラインの間をタイヤ径方向に沿って測定した距離L1が、タイヤ赤道面上におけるカーカスプライの断面高さの0.4〜0.6倍の範囲内にあり、カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gが最小となる位置とリム径ラインの間をタイヤ径方向に沿って測定した距離が前記距離L1の1/3以下であり、カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gの最小値G min は、ビードコアに対応する領域におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の最大距離をBWとして、0.15×BW<G min <0.25×BWの範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤである。かかる構成を採用することにより、ワイヤーチェーファーやナイロンチェーファー等の付加的なビード部補強部材を使用することなく、カーカス折返し端でのコードの折れやカーカスの折返し端部から生ずる亀裂を有効に防止することができる。
なお、ここでいう「カーカスプライ本体部とプライ折返し部の間の距離」とは、カーカスプライの厚み中心位置をつないだ仮想線をカーカスラインとして、カーカスプライ本体部のカーカスラインに直交する直線上におけるプライ本体部のカーカスラインとプライ折返し部のカーカスラインとの間の距離をいうものとし、複数枚のカーカスプライが存在する場合には、タイヤ幅方向で最も外側に位置するプライ本体部と最も内側に位置するプライ折返し部の間の距離をいうものとする。また、カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離を測定する位置について言及した場合には、プライ本体部のカーカスライン上における位置を意味するものとする。さらに、「リム径ライン」とはリム径を測定する位置をいうものとし、「タイヤ赤道面上におけるカーカスプライの断面高さ」とは、タイヤ径方向で最も内側に位置するカーカスプライのカーカスラインがタイヤ赤道面と交差する点とリム径ラインの間のタイヤ径方向距離をいうものとする。
また、ここでいう「ビードコアに対応する領域」とは、ビードコアを通りタイヤ幅方向に平行な直線がプライ本体部のカーカスラインと交わる領域をいうものとする。したがって、前記距離BWは、ビードコアを挟んだカーカスプライ本体部とプライ折返し部の間のタイヤ幅方向距離の最大値である。
カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gは、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が距離L1の2/3倍の位置にて0.15×BW<G<0.25×BWの範囲内にあること、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が距離L1の2/3倍の位置とカーカスの折返し端部の間に漸増する部分を有すること、カーカスの折返し端部にて0.20×BW<G<0.30×BWの範囲内にあること、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が距離L1の1/3倍の位置と2/3倍の位置との間で略一定であること、がそれぞれ好ましい。なお、ここでいう「略一定」とは、製造上不可避的な変動を含むことを意味する。
カーカスの折返し端部におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gは、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が距離L1の2/3倍の位置におけるそれの1.10倍よりも大きいことが好ましい。
また、前記構成の空気入りタイヤは重荷重用空気入りタイヤであることが好ましい。
この発明によれば、カーカスプライの本体部と折返し部の間のゲージ厚と形状を適正化することによって、ワイヤーチェーファーやナイロンチェーファー等の付加的なビード部補強部材を使用することなく、カーカス折返し端でのコードの折れやカーカスの折返し端部から生ずる亀裂を有効に防止することができ、したがって軽量化と耐久性の向上を有効に両立することが可能となる。
次に、図面を参照しつつこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)のタイヤ幅方向左半断面図である。
図1に示すタイヤ1は、ビードコア2を埋設した一対のビード部3と、ビード部3からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部4と、両サイドウォール部4に跨って延在するトレッド部5を具える。タイヤ1内にはビード部3、サイドウォール部4及びトレッド部5にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカス6と、カーカス6のクラウン域外周にベルト層7が配設されている。カーカス6は、トレッド部5からサイドウォール部4を経てビード部3のビードコア2までトロイド状に延びるプライ本体部8と、このプライ本体部8から延びビードコア2の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されたプライ折返し部9とからなる。
カーカス6のプライ折返し部9は、そのタイヤ径方向外端である折返し端部10とリム径ラインRLの間をタイヤ径方向に沿って測定した距離L1が、タイヤ赤道面Eの上におけるカーカスプライ6の断面高さSHの0.4〜0.6倍の範囲内となる、すなわちL1/SH=0.4〜0.6となるように配置されている。これは、L1/SHを0.4未満と小さくすると、プライ折返し部9によるビード部2及びサイドウォール部4の補強効果が小さく、タイヤの撓み変形が大きくなる場合があるからである。また、特にオフロードで使用される重荷重用タイヤで、サイドウォール部のカット受傷が多いことから、折返し端部10の高さを高く設定することでプライ本体部8の破損を防ぐためでもある。しかし、L1/SHを0.6超と大きくすると、耐久性の向上に比して質量の増加が顕著となることから、L1/SHを0.6以下としている。
発明者によるタイヤ変形解析の結果、図2に示すように、タイヤはビード部3からサイドウォール部4にかけての荷重直下で最も撓み変形を起こし、特にビードコア2からある距離の点(以下「変曲点P」という。)までの間はカーカスラインがタイヤ幅方向内側に凸状となる外曲げ変形を呈し、この変曲点Pからタイヤ径方向外側にある部分はカーカスラインがタイヤ幅方向外側に凸状となる内曲げ変形を呈することが分かった。そして、外曲げ変形を呈する部分では、プライ折返し部9が圧縮されており、タイヤ径方向外側に向かうにつれて圧縮歪が蓄積される結果、変曲点Pの近傍でプライ折返し部9が折れるというおそれがあった。一方、内曲げ変形を呈する部分では、プライ折返し部9が引っ張られており、内曲げ変形を呈する部分での圧縮歪の蓄積を低減する。しかし、完全に圧縮歪を相殺することはできず、プライ折返し端部10にまで圧縮歪が残るため、プライ折り返し端部10が周囲のタイヤ構成ゴムを押し上げることでプライ折り返し端部10の近傍に歪が集中して、亀裂が発生するおそれがある。
そこで、この発明のタイヤ1では、カーカスプライ6の本体部8と折返し部9の間のゲージ厚と形状を適正化する、すなわちカーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離Gが最小となる位置Qとリム径ラインRLの間をタイヤ径方向に沿って測定した距離L2を距離L1の1/3以下とすることでプライ折返し部9の圧縮を低減している。より詳細には、プライ折返し部9を、曲げの中立軸であり不伸長のプライ本体部8に近づけて配設することにより、プライ折返し部9の変形を抑制して、ビードコア2の上から発生するプライ折返し部9の圧縮を低減しているのである。この結果、プライ折返し部9の折れ及びプライ折返し端部10からの亀裂の発生を有効に防止することができ、ビード部耐久性が向上するのである。
次に、距離L2を距離L1の1/3以下に設定した理由を説明する。発明者は、前記のようにプライ折返し部9をプライ本体部8に近づけて配設し、プライ折返し部9とプライ本体部の間のゲージ厚を小さくすることで、プライ折返し部9の圧縮を低減することを見出したが、単にゲージ厚を小さくしただけでは、必ずしも有効に耐久性が向上しない場合があった。そこで発明者は、さらにプライ折返し部9のカーカスライン形状の適正化についても鋭意研究を重ねた。まず、従来のカーカスライン形状を有する従来例のタイヤ、並びにカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gが図3に示すような分布を有する比較例1及び2、実施例1及び2のタイヤを試作し、それぞれのタイヤにおける折返しプライの圧縮歪、折返し端部歪、プライ間歪の変化をFEM(Finite Element Method)により解析した。その結果を図4に示す。図4において、横軸はプライ折返し端部とリム径ラインの間の距離L1に対する位置Qとリム径ラインの間の距離L2の割合であり、縦軸は従来のタイヤの歪を100としたときのそれぞれの歪を指数化した値であり、値が大きいほど歪も大きい。位置Qを比較的高い位置とした比較例1及び2のタイヤでは、従来例のタイヤよりもプライ折返し部をプライ本体部に近づけることで圧縮歪及び折返し端部歪が低減しているが、プライ間歪はむしろ増加している。しかし、位置Qをビードコアに近づけ、距離L2を小さくしていくと、プライ間歪は徐々に減少し、距離L2が距離L1の1/3以下である実施例1及び2のタイヤでは、圧縮歪及び折返し端部歪に加え、プライ間歪も従来例のタイヤより小さくなることが分かった。
この発明はこれらの知見に基づいて完成されたものであり、これによれば、ワイヤーチェーファーやナイロンチェーファー等の付加的なビード部補強部材を使用することなく、カーカス折返し端でのコードの折れやカーカスの折返し端部から生ずる亀裂を有効に防止することができ、したがって軽量化と耐久性の向上を有効に両立することが可能となる。
さらに、カーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離Gの最小値Gminは、ビードコア2に対応する領域におけるカーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の最大距離をBWとして、0.15×BW<Gmin<0.25×BWの範囲内にあることが肝要である。これは、GminがBWの0.15倍以下の場合にはプライ間ゴムのせん断歪が大きくなり、プライ間セパレーションがプライ折返し端部の亀裂及びプライ折返し部の折れよりも早期に発生し、耐久性を有効に向上させることができないからである。一方、GminがBWの0.25倍以上の場合には、プライ折返し部の圧縮歪を十分に低減することができず、やはり耐久性を有効に向上させることができないからである。
発明者は、さらに前記した変曲点Pのタイヤ径方向位置についても研究を重ね、一般にこれがプライ折返し端部10のとリム径ラインRLの間のタイヤ径方向距離L1の2/3倍の位置近傍となることを見出した。この変曲点Pよりタイヤ径方向内側の部分は外曲げ変形を呈する部分であり、プライ折返し部9が圧縮されるので、上述したような理由から、外曲げ変形を呈する部分、特に変曲点Pにおいて、カーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離Gを、0.15×BW<G<0.25×BWの範囲内とすることが好ましい。
また、カーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離Gは、リム径ラインRLからのタイヤ径方向距離が距離L1の2/3倍の位置とカーカスの折返し端部の間に漸増する部分を有することが好ましい。変曲点Pよりもタイヤ径方向外側の部分は内曲げ変形を呈する部分であり、プライ折返し部には引張り変形され、外曲げ変形を呈する部分からの圧縮の蓄積が軽減される領域である。したがって、プライ折返し部がより大きく引張り変形を受けるように、プライ折返し端部10にかけて距離Gを大きくすることが、耐久性の向上の観点から有利となる。
距離Gが漸増に転じる位置Rのタイヤ径方向距離L3が耐久性に与える影響を評価するため、内曲げ変形を呈する部分のカーカスラインが図5に示すような形状である実施例2、4、5及び6のタイヤを試作し、それぞれのタイヤにおける折返しプライの圧縮歪、折返し端部歪、プライ間歪の変化をFEMにより解析した。その結果を図6に示す。図6において、横軸は距離L1に対する距離L3の割合であり、縦軸は各歪の大きさであり、破線で示された実施例2のタイヤの歪を基準としたときのそれぞれの歪を指数化した相対値として示してあり、値が大きいほど歪も大きい。内曲げ変形を呈する部分の距離Gを漸増させることが圧縮歪に与える影響はほとんどないが、L3/L1を2/3以上とすれば折返し端部歪及びプライ間歪を低減できることが分かる。
また、カーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離Gは、カーカス6の折返し端部10にて、0.20×BW<G<0.30×BWの範囲内にあることが好ましい。これが0.20×BW以下では、内曲げ変形を呈する部分が十分に引張り変形されず、外曲げ変形を呈する部分からの圧縮の蓄積を軽減する効果の向上が不足する場合があるからであり、0.30×BW以上では、プライ折返し端部10におけるタイヤ表皮ゴムのゲージ厚が小さくなりすぎ、外傷からのプライ折返し端部10の保護が十分でなくなり、外傷による耐久性の低下が懸念されるからである。
さらに、カーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離Gは、リム径ラインRLからのタイヤ径方向距離が距離L1の1/3倍の位置と2/3倍の位置との間で略一定であることが好ましい。前記の通り、リム径ラインRLからのタイヤ径方向距離が距離L1の1/3倍の位置と2/3倍の位置との間の領域は外曲げ変形を呈する部分であり、ゲージ厚を極力小さくして圧縮の蓄積を最小限にすることが、耐久性向上の観点から有利だからである。但し、この領域のゲージ厚が小さすぎると、プライ本体部8とプライ折返し部9の間のゴム内でせん断歪が増加することから、前述したように距離Gを0.15×BWより大きくすることがさらに好ましい。
内曲げを呈する領域のゲージ厚の相違が耐久性に与える影響を評価するため、内曲げ変形を呈する部分のカーカスラインが図7に示すような形状である実施例2、5、7及び8のタイヤを試作し、それぞれのタイヤにおける折返しプライの圧縮歪、折返し端部歪、プライ間歪の変化をFEMにより解析した。その結果を図8に示す。図8において、横軸はリム径ラインRLからのタイヤ径方向距離が距離L1の2/3倍の位置におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離G2に対する、プライ折返し端部10におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離G3の割合であり、縦軸は各歪の大きさであり、破線で示された実施例2のタイヤの歪を基準としたときのそれぞれの歪を指数化した相対値として示してあり、値が大きいほど歪も大きい。内曲げ変形を呈する部分の距離が圧縮歪に与える影響はほとんどないが、プライ折返し端部10におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離G3を大きくすると、折返し端部歪及びプライ間歪が低減し、その効果はG3/G2が110%を超えると明確に現れることが分かる。したがって、耐久性を向上させる観点から、カーカス6の折返し端部10におけるカーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離G3は、リム径ラインRLからのタイヤ径方向距離が距離L1の2/3倍の位置におけるカーカス6のプライ本体部8とプライ折返し部9の間の距離G2の1.10倍よりも大きいことが好ましい。
なお、この発明のタイヤは、高荷重負荷条件下で使用される、例えば建設車両用や産業車両用等の重荷重用空気入りタイヤに適用すると、ビード部耐久性の向上が特に顕著である。
上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
次に、前記の従来例、比較例1、実施例2、実施例5及び実施例8のタイヤの耐久性の評価を行ったので、以下に説明する。
これら供試タイヤは、タイヤサイズが55/80R63の重荷重用タイヤであり、表1に示す諸元を有する。各供試タイヤを、リム幅41インチ(1.04メートル)のリムに組み付けタイヤ車輪を構成し、クラウン部の発熱を抑えるためにトレッドゴムを約30%まで削った。このタイヤ車輪に0.588MPa(相対圧)の内圧を適用し、雰囲気温度30℃、走行速度10km/h、タイヤ負荷荷重1450kN(TRA(EDI)で規定される正規荷重の160%に相当する。)の条件下で、横力0.1Gを付与しつつ、直径7.0mのドラム試験機上を走行させ、膨れやセパレーション等のビード部の損傷を感知するまで、又は走行時間が240時間に達するまでのいずれか早い時点まで走行を継続し、この走行時間からビード部耐久性を評価した。その評価結果を表1に示す。
Figure 0004945136
また、走行試験を終了したタイヤを切断し、タイヤ断面内での亀裂の有無とその大きさを目視により評価した。その結果、従来例のタイヤではプライ折返し部に破断が生じており、比較例1のタイヤではプライ間セパレーションが発生しており、実施例2のタイヤでは比較的大きなプライ間セパレーションが発生しており、実施例5のタイヤでは比較的小さなプライ間セパレーションが発生しており、実施例8のタイヤではセパレーション及び亀裂のいずれも発生していなかった。
以上の結果から、実施例2、5及び8のタイヤは、従来例及び比較例1のタイヤよりもビード部耐久性が大幅に向上していることが分かる。また、実施例2、5、8の順にビード部耐久性が高いことが分かる。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、ワイヤーチェーファーやナイロンチェーファー等の付加的なビード部補強部材を使用することなく、カーカス折返し端でのコードの折れやカーカスの折返し端部から生ずる亀裂を有効に防止し、軽量化と耐久性の向上を有効に両立した空気入りタイヤを提供することが可能となった。
この発明に従う代表的な空気入りタイヤのタイヤ幅方向左半断面図である。 荷重が負荷されたタイヤのビード部の変形状態を示す断面図である。 従来例、比較例1及び2、実施例1〜3のタイヤのゲージ厚分布を示す図である。 従来例、比較例1及び2、実施例1〜3のタイヤの圧縮歪、折返し端部歪及びプライ間歪のFEM解析の結果を示す図である。 実施例2、4〜6のタイヤのゲージ厚分布を示す図である。 実施例2、4〜6のタイヤの圧縮歪、折返し端部歪及びプライ間歪のFEM解析の結果を示す図である。 実施例2、5、7、8のタイヤのゲージ厚分布を示す図である。 実施例2、5、7、8のタイヤの圧縮歪、折返し端部歪及びプライ間歪のFEM解析の結果を示す図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 ビードコア
3 ビード部
4 サイドウォール部
5 トレッド部
6 カーカス
7 ベルト層
8 プライ本体部
9 プライ折返し部
10 プライ折返し端部
E タイヤ赤道面
RL リム径ライン

Claims (7)

  1. トレッド部から両サイドウォール部を経て両ビード部の両ビードコア間でトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返したプライ折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスを具える空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ幅方向断面にて、
    前記カーカスのプライ折返し部のタイヤ径方向外端である折返し端部とリム径ラインの間をタイヤ径方向に沿って測定した距離L1が、タイヤ赤道面上におけるカーカスプライの断面高さの0.4〜0.6倍の範囲内にあり、
    カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gが最小となる位置とリム径ラインの間をタイヤ径方向に沿って測定した距離が前記距離L1の1/3以下であり、
    前記カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gの最小値G min は、ビードコアに対応する領域におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の最大距離をBWとして、0.15×BW<G min <0.25×BWの範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gは、ビードコアに対応する領域におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の最大距離をBWとして、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が前記距離L1の2/3倍の位置にて、0.15×BW<G<0.25×BWの範囲内にある、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gは、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が前記距離L1の2/3倍の位置とカーカスの折返し端部の間に漸増する部分を有する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gは、ビードコアに対応する領域におけるカーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の最大距離をBWとして、カーカスの折返し端部にて、0.20×BW<G<0.30×BWの範囲内にある、請求項1〜のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gは、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が前記距離L1の1/3倍の位置と2/3倍の位置との間で略一定である、請求項1〜のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. カーカスの折返し端部における前記カーカスのプライ本体部とプライ折返し部の間の距離Gは、リム径ラインからのタイヤ径方向距離が前記距離L1の2/3倍の位置におけるそれの1.10倍よりも大きい、請求項1〜のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記空気入りタイヤは重荷重用空気入りタイヤである、請求項1〜のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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