JP4944483B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、プリプレグを用いてプリント配線板を製造する方法に関するものである。
従来より、図5に示すような工程で多層プリント配線板を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法においては、まず、図5(a)(b)に示すように、内層回路4があらかじめ形成された内層材5の表面に保護フィルム付き樹脂フィルム25の樹脂フィルム24側の面を重ね合わせた後、真空ラミネーター(図示省略)を用いて積層成形する。そうすると、樹脂フィルム24で絶縁層6が形成される。そして、図5(c)に示すように、保護フィルム26を剥離した後、露出した絶縁層6にアディティブ法を使用して外層回路7を形成すると、図5(d)に示すような多層プリント配線板を得ることができるものである。図5(d)中、17,18は内層回路4と外層回路7を電気的に接続するためにめっきが行われたスルーホール及びブラインドバイアホールである。
上記のようにして製造されるプリント配線板にあっては、樹脂フィルム24で絶縁層6を薄く形成することができ、また、アディティブ法でファインパターンを形成することができるので、小型・薄型化を図ることができるものである。
特開平5−136575号公報
しかしながら、図5に示すような工程で製造されるプリント配線板にあっては、樹脂フィルム24で絶縁層6が形成されているので、プリント配線板の剛性を十分に確保することができないという問題がある。また、外層回路7のめっきピール強度を十分に得ることができないので、アディティブ法を使用してもファインパターンの信頼性が低くなるおそれがある。さらに、樹脂フィルム24で形成される絶縁層6は厚さ方向の絶縁信頼性を十分に得ることができないという問題も生じ得る。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、剛性、めっきピール強度、絶縁信頼性のすべての面において優れたプリント配線板を容易に製造することができるプリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るプリント配線板の製造方法は、酸と酸化剤の両方又は一方を含む粗化溶液に溶解し易い成分と前記粗化溶液に溶解し難い成分である樹脂とを配合することによって調製された樹脂組成物1を、厚さ0.1mm未満の繊維状基材2に含浸させた後に乾燥させることによって、樹脂含有率が60〜90質量%のプリプレグ3を作製し、前記プリプレグ3の一方の面を、あらかじめ内層回路4が形成された内層材5の表面に重ね合わせると共に、前記プリプレグ3の他方の面に、粗面9を設けて形成された転写シート8の前記粗面9を重ね合わせて積層成形した後、前記転写シート8を除去することによって前記プリプレグ3で絶縁層6を形成すると共に前記絶縁層6の表面を粗化処理し、さらに前記絶縁層6の表面を前記粗化溶液で粗化処理した後にアディティブ法で外層回路7を形成することを特徴とするものである。
前記プリント配線板の製造方法において、繊維状基材2の両側に厚さ10μm以上の樹脂層61を形成することが好ましい
前記プリント配線板の製造方法において、繊維状基材2として、有機繊維を用いることが好ましい
前記プリント配線板の製造方法において、真空ラミネーターを用いて積層成形することが好ましい
本発明によれば、剛性、めっきピール強度、絶縁信頼性のすべての面において優れたプリント配線板を容易に製造することができるものである。すなわち、基材のない樹脂フィルムで絶縁層を形成する場合と異なり、絶縁層中の繊維状基材によってプリント配線板の剛性を高く得ることができるものである。また、粗化処理を行う際に、絶縁層の特に表層において、粗化溶液に溶解し易い成分が溶解することによって、通常よりも緻密な凹凸が形成された粗面を得ることができ、この粗面で外層回路のめっきピール強度を高く得ることができるものである。また、樹脂フィルムで絶縁層を形成する場合と異なり、絶縁層中の繊維状基材によって、厚さ方向の絶縁信頼性を高く得ることができるものである。また、上記のようにめっきピール強度を高く得ることができるので、信頼性の高いファインパターンをアディティブ法で容易に形成することができるものである。さらに、厚さ0.1mm未満の繊維状基材に60〜90質量%の樹脂含有率で樹脂組成物が含浸されているので、樹脂フィルムと同程度の厚さのプリプレグとなり、プリント配線板の小型・薄型化を図ることができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明においてプリプレグ3の材料となる樹脂組成物1は、酸と酸化剤の両方又は一方を含む粗化溶液に溶解し易い成分と上記粗化溶液に溶解し難い成分である樹脂とを配合することによって、調製することができる。
粗化溶液としては、上記のように酸と酸化剤の両方又は一方を含むものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ローム・アンド・ハース社製「サーキュポジットMLB211」、「サーキュポジットMLB213」、「サーキュポジットMLB216−2」の3種類からなるものをセットで粗化溶液として用いることもできる。上記「サーキュポジットMLB211」は樹脂を膨潤させる機能を持つ溶液であり、エチレングリコール水溶液を主成分とするものである。また、上記「サーキュポジットMLB213」は樹脂とりわけ溶解し易い成分を溶解させる機能を持つ溶液であり、過マンガン酸カリウム水溶液(酸化剤)と水酸化カリウム水溶液を主成分とするものである。過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩は塩基性下において強い酸化剤として作用する。樹脂を溶解させる機能を持つ溶液として他には、過マンガン酸ナトリウム水溶液(酸化剤)と水酸化ナトリウム水溶液を主成分とするものを例示することができる。また、上記「サーキュポジットMLB216−2」は塩基性下の状態を中和するための機能を持つ溶液であり、硫酸水溶液(酸)と過酸化水素水溶液を主成分とするものである。
溶解し易い成分としては、上記のような粗化溶液に溶解し易いものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等の架橋エラストマー、ポリビニルアセタール等を用いることができる。
樹脂組成物1において溶解し難い成分である樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、リン含有エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を用いることができる。このときジシアンジアミド等の硬化剤及び2−エチル−4−メチルイミダゾール等の硬化促進剤を上記樹脂に配合して用いることができる。さらに必要に応じてジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶剤を上記樹脂に配合して用いることができる。
そして、溶解し易い成分及び溶解し難い成分(樹脂)のほか、必要に応じてその他の成分を配合することによって、樹脂組成物1をワニスとして調製することができる。ここで、樹脂組成物1全量に対して溶解し易い成分の配合量は1〜20質量%であることが好ましい。その他の成分の配合量は適宜に調整することができる。
本発明においてプリプレグ3の材料となる基材としては、厚さ0.1mm未満の繊維状基材2を用いるものである。具体的には、日東紡社製「WEA1078」(厚さ0.04mmのガラスクロス)、日東紡社製「WEA1035」(厚さ0.03mmのガラスクロス)等を用いることができる。厚さ0.1mm以上の繊維状基材2を用いると、プリント配線板の小型・薄型化が図れなくなるので実用的ではない。なお、繊維状基材2の厚さの下限は0.019mm(19μm)である。
ここで、特に繊維状基材2としては、アラミド繊維不織布等の有機繊維を用いるのが好ましい。これにより、プリプレグ3で形成される絶縁層6のXY方向(面方向)の線膨張係数を低減することができるものである。よって、後述する多層プリント配線板において、内層回路4と外層回路7との間の位置ずれの発生を防止することができるものであり、また、絶縁層6と内層材5との剥離を防止することができるものである。
そして、樹脂組成物1を繊維状基材2に含浸させた後に、これを乾燥機で加熱して乾燥させることによって、半硬化のBステージ状態にしたプリプレグ3を作製することができる。このようにして作製されるプリプレグにおいて、樹脂含有率はプリプレグ全量に対して60〜90質量%である。樹脂含有率が60質量%未満であると、絶縁信頼性が低下するものであり、逆に、樹脂含有率が90質量%を超えると、樹脂割れや樹脂ダレによる観不良が発生するものである。
また、繊維状基材2の両側には厚さ10μm以上(上限は60μm)の樹脂層61を形成するのが好ましい。ここで、樹脂層61とは、樹脂組成物1のみからなる層をいい、図2に示すように、絶縁層6のうち繊維状基材2を含まない層をいう。つまり、絶縁層6は、繊維状基材2を含む層である基材層62とその両側の樹脂層61とで形成されていることになる。そして上記のように、繊維状基材2の両側に厚さ10μm以上の樹脂層61が形成されていると、粗化溶液に溶解し易い成分が溶解してもなお樹脂層61が繊維状基材2の両側に残存することができ、これにより絶縁信頼性をさらに高く得ることができるものである。しかし、樹脂層61の厚さが10μm未満であると、このような絶縁信頼性の更なる向上効果を得ることができないおそれがある。
次に、上記のようにして作製されたプリプレグ3を用いてプリント配線板を製造する方法について説明する。
図1は上記方法の一例を示すものであり、この方法においては、まず、図1(a)(b)に示すように、内層回路4があらかじめ形成された内層材5の表面にプリプレグ3の一方の面を重ね合わせると共にこのプリプレグ3の他方の面に転写シート8の粗面9を重ね合わせ、多段真空プレス(図示省略)等を用いて積層成形する。ここで、プリプレグ3の樹脂含有率は60質量%と大きいため、成形性を確保することができ、また、低圧下において成形性を確保することができるので、積層成形する場合には真空ラミネーターを用いることができる。真空ラミネーターは低圧下で連続的に積層成形するものであるため、真空ラミネーターを用いて積層成形すると、ボイドの発生を抑えることができると共に、生産性を向上させることができるものである。なお、図1では内層材5の両面にプリプレグ3を重ね合わせて積層成形しているが、内層材5の片面にのみプリプレグ3を重ね合わせて積層成形してもよい。また、プリプレグ3を重ね合わせる前に内層材5の内層回路4に黒色酸化処理(黒化処理)等の内層粗化処理を行っておくことができる。
ここで、内層材5としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記プリプレグ3を必要枚数重ね合わせて積層成形することによって積層板を製造すると共にこの積層板にアディティブ法やサブトラクティブ法で回路形成したものを用いることができる。また、市販されている銅張積層板等の積層板に回路形成したものを用いることもできる。
転写シート8としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解銅箔等の離型箔を用いることができる。この場合、離型箔のマット面が転写シート8の粗面9となる。また、図3に示すような離型フィルムを転写シート8として用いることもできる。この離型フィルムは、無機フィラー10を含む離型剤11をシート状物12に塗布することによって作製することができる。具体的には、まず、フィルム状のポリエチレンテレフタレート(PET)13を乾式の接着剤14でアルミニウム箔15に接着してシート状物12を作製する。次に、ポリプロピレン(PP)等の離型剤11に破砕シリカ等の無機フィラー10を5〜15質量%配合し、この配合物を上記シート状物12のアルミニウム箔15の表面に塗布することによって、離型フィルムを作製することができる。この場合、無機フィラー10を含む離型剤11を塗布した面が転写シート8の粗面9となる。無機フィラー10の平均粒径は、特に限定されるものではないが、1〜10μmであることが好ましい。なお、上記離型フィルムにおいて無機フィラー10を含まないものも転写シート8として用いることができるが、図3に示すように無機フィラー10を含むものを転写シート8として用いる方が好ましい。図3に示すものでは、転写シート8の表面に突出する無数の無機フィラー10によって、めっき皮膜の密着性に優れた粗面9を絶縁層6の表面に容易に形成することができるからである。
そして、図1(b)に示すように積層成形後、転写シート8を除去することによって、プリプレグ3で絶縁層6を形成すると同時に粗化処理を行うことができる(図1(c))。転写シート8として離型箔を用いる場合には、この転写シート8の除去はエッチングにより行うことができる。また、転写シート8として図3に示すような離型フィルムを用いる場合には、この転写シート8の除去は剥離により行うことができる。すなわち、この転写シート8の表面には図3に示すように離型剤11が存在するので、この離型剤11によって積層成形後における転写シート8の剥離が可能となるのである。転写シート8として離型箔と離型フィルムのうちいずれを用いる場合であっても、図1(b)に示す積層成形時に転写シート8の粗面9がプリプレグ3の表面に転写されるので、転写シート8を除去するだけで、表面が粗化された絶縁層6を得ることができるものである(図1(c))。なお、剥離による離型フィルムの除去は、エッチングによる離型箔の除去よりも簡便であるため、転写シート8としては離型箔よりも図3に示すような離型フィルムを用いるのが好ましい。また、転写シート8として離型箔と離型フィルムのうちいずれを用いる場合であっても、転写シート8による粗化処理は、絶縁層6に形成される粗面16の凹凸の深さを深くするのではなく、凹凸の量を増加させることによって絶縁層6の表面積を広く得るものであるため、粗面16の凹凸の深さを浅くすることができ、これにより厚さ方向の絶縁信頼性を高く維持することができるものである。以下においては、プリプレグ3による絶縁層6の形成と同時に行われる転写等の物理的な粗化処理のことを適宜「第一の絶縁層6の粗化処理」という。
次に、第一の絶縁層6の粗化処理を行った後、さらに粗化溶液による粗化処理を行う。粗化溶液による粗化処理は、図1(c)に示す積層成形後の積層板を粗化溶液に浸漬させることによって行うことができ、また、粗化溶液の種類を変えて複数回行うことができる。粗化溶液の温度は40〜90℃、浸漬時間は1〜30分間に設定することができる。なお、既述の「サーキュポジットMLB211」、「サーキュポジットMLB213」、「サーキュポジットMLB216−2」の3種類からなるものをセットで粗化溶液として用いる場合には、まず積層成形後の積層板を「サーキュポジットMLB211」に浸漬させて樹脂を膨潤させ、次に上記積層板を「サーキュポジットMLB213」に浸漬させて樹脂を溶解させ、最後に上記積層板を「サーキュポジットMLB216−2」に浸漬させて塩基性下の状態を中和させることによって、粗化溶液による粗化処理を行うことができる。以下においては、このような粗化溶液による化学的な粗化処理のことを適宜「第二の絶縁層6の粗化処理」という。プリプレグ3で形成された絶縁層6には溶解し易い成分と溶解し難い成分とが含まれているので、第二の絶縁層6の粗化処理を行うと、絶縁層6の特に表層において、上記溶解し易い成分が粗化溶液に溶解することによって、絶縁層6の粗面16に通常よりも緻密な凹凸を形成することができるものである。このように第一の絶縁層6の粗化処理を行ったうえで、第二の絶縁層6の粗化処理を行うのが好ましいが、第一の絶縁層6の粗化処理を行わずに(つまり転写シート8を用いずに)絶縁層6を形成した後、第二の絶縁層6の粗化処理のみを行うようにしてもよい。第二の絶縁層6の粗化処理のみを行う場合であっても、絶縁層6に含まれている溶解し易い成分が粗化溶液に溶解することによって、めっきピール強度の高い粗面16を形成することができるからである。
その後、上記のように粗化処理された絶縁層6の表面にアディティブ法で外層回路7を形成することによって、図1(d)に示すような多層プリント配線板を得ることができる。
アディティブ法には、フルアディティブ法とセミアディティブ法があるが、本発明においてはいずれの方法を使用して外層回路7を形成してもよい。以下では、セミアディティブ法で外層回路7を形成する例についてもう少し具体的に説明する。まず、図4(a)(b)に示すように、スルーホール17やブラインドバイアホール18を形成するための貫通穴19や非貫通穴20を粗化処理後の絶縁層6にドリル等で形成する。次に、図4(c)に示すように無電解めっき処理を行うことによって絶縁層6の表面に無電解銅めっき等の無電解めっき21を形成した後、図4(d)に示すように外層回路7を形成しない部分にめっきレジスト22を形成する。その後、図4(e)に示すように電解めっき処理を行うことによって、めっきレジスト22が形成されていない部分に電解銅めっき等の電解めっき23を形成した後、図4(f)に示すようにめっきレジスト22を剥離する。そして、めっきレジスト22の剥離により露出した無電解めっき21をクイックエッチング法(フラッシュエッチング)で除去すると、図4(g)に示すように外層回路7が形成された多層プリント配線板を得ることができるものである。貫通穴19や非貫通穴20の内面には無電解めっき21及び電解めっき23が形成されることによって、内層回路4と外層回路7を電気的に接続するスルーホール17やブラインドバイアホール18が形成される。なお、適宜にアフターキュアーを行う。
本発明によれば、剛性、めっきピール強度、絶縁信頼性のすべての面において優れたプリント配線板を容易に製造することができるものである。すなわち、図5に示すような基材のない樹脂フィルム24で絶縁層6を形成する場合と異なり、絶縁層6中の繊維状基材2によってプリント配線板の剛性を高く得ることができるものである。また、第二の絶縁層6の粗化処理を行う際に、絶縁層6中の溶解し易い成分が粗化溶液に溶解することによって、通常よりも緻密な凹凸が形成された粗面16を得ることができ、この粗面16で外層回路7のめっきピール強度を高く得ることができるものである。また、図5に示すように樹脂フィルム24で絶縁層6を形成する場合と異なり、絶縁層6中の繊維状基材2によって、厚さ方向の絶縁信頼性を高く得ることができるものである。また、上記のようにめっきピール強度を高く得ることができるので、信頼性の高いファインパターンを図4に示すようなアディティブ法で容易に形成することができるものである。さらに、厚さ0.1mm未満の繊維状基材2に60〜90質量%の樹脂含有率で樹脂組成物1が含浸されているので、樹脂フィルム24と同程度の厚さのプリプレグ3となり、プリント配線板の小型・薄型化を図ることができるものである。なお、図1(d)に示すプリント配線板は4層板であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記4層板を内層材5として用い、図1に示すような工程を経てさらに多層化を図ることができるものである。
また、第一の絶縁層6の粗化処理を行ったうえで、第二の絶縁層6の粗化処理を行うようにすれば、積層成形時に物理的な粗化処理も同時に行われるので、工程を増やすことなく粗化処理を繰り返し行うことができ、これにより粗面16をさらに粗く形成することができ、外層回路7のめっきピール強度を一層高く得ることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(樹脂組成物の調製)
樹脂組成物1を調製するために次のような材料を用いた。
すなわち、粗化溶液に溶解し難い成分である樹脂としては、後述する方法で生成して得たリン含有エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂(東都化成社製「YDB−500」)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製「エピクロンN690」)を用いた。
リン含有エポキシ樹脂は次のようにして生成した。まず、容量300mlの三つ口フラスコに撹拌装置及び冷却管を取り付け、次にこのフラスコにジメチルホルムアミド(DMF)及びメトキシプロパノール(MP)を所定量計り取った後、さらにエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製「エピクロン850S」53質量部及び「エピクロンN690」13質量部)を加えた。その後、これをオイルバスで加熱して80℃に達したところで、下記[化1]の化合物Aで示されるリン化合物(三光化学社製)を16質量部投入し、さらに加熱して100℃に達したところで、トリフェニルホスフィンを全固形分に対して0.2質量%の割合で投入することによって、上記リン化合物とエポキシ樹脂とを反応させた。そして、所定のエポキシ当量に至ったところで、上記反応を終了させ、生成物を冷却すると、リン含有エポキシ樹脂の溶液が得られた。このようにして生成して得られたリン含有エポキシ樹脂を樹脂組成物1の調製に用いた。なお、反応の進行はJIS K 7236−1995に基づいてエポキシ当量を測定することによって確認した。「エピクロン850S」及び「エピクロンN690」のエポキシ当量はそれぞれ190及び220であった。
Figure 0004944483
また、硬化剤としてジシアンジアミド(分子量84、理論活性水素当量21)を用い、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを用い、有機溶剤としてジメチルホルムアミド(DMF)を用いた。
粗化溶液に溶解し易い成分としては、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋エラストマー(JSR社製「XER−91」:粒子径0.1μm以下)及びポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業社製「6000R」)を用いた。
そして、下記[表1]に示す配合量で各種成分を配合することによって、3種類のエポキシ樹脂組成物1をワニス1〜3として調製した。
Figure 0004944483
(プリプレグの作製)
プリプレグ3の材料となる繊維状基材2としては、厚さ0.04mmのガラスクロスである日東紡社製「WEA1078」、厚さ0.03mmのガラスクロスである日東紡社製「WEA1035」、厚さ0.04mmの有機繊維(アラミド繊維不織布)であるデュポン社製「サーマウント」(坪量30g/m)を用いた。
そして、下記[表2]に示すワニスと繊維状基材2の組み合わせで、ワニス1〜3を各繊維状基材2に含浸させた後に、これを乾燥機(非接触タイプの加熱ユニット)で170℃の温度で5分間加熱して乾燥させることによって、ワニス中の有機溶剤を除去して、半硬化のBステージ状態にしたプリプレグ3を作製した。
各プリプレグ3の樹脂含有率、繊維状基材2の両側の各樹脂層61の厚さを下記[表2]に示す。
(実施例1)
上記のようにして作製したプリプレグ3を用いて次のようにしてプリント配線板を製造した。まず、図1(a)(b)に示すように、内層回路4があらかじめ形成された内層材5の表面にプリプレグ3の一方の面を重ね合わせると共にこのプリプレグ3の他方の面に転写シート8の粗面9を重ね合わせ、真空ラミネーター(図示省略)を用いて積層成形した。
ここで、内層材5としては、松下電工社製「R−1566」を用いた。
また、転写シート8としては、電解銅箔(三井金属社製「3EC−III」、厚さ18μm)を用いた。
また、真空ラミネーターとしては、(株)名機製作所製「MVLP−500/600」を用い、熱盤温度90〜110℃、吸引時間30〜60秒、加圧時間30〜60秒、圧力0.05〜0.2MPaの条件で積層成形を行った。
そして、図1(b)に示すように積層成形後、転写シート8をエッチングにより除去することによって、第一の絶縁層6の粗化処理を行った(図1(c))。
次に、第一の絶縁層6の粗化処理を行った後、さらに第二の絶縁層6の粗化処理を行った。この粗化処理は下記(1)〜(3)の順番で行った。
(1)積層成形後の積層板をローム・アンド・ハース社製「サーキュポジットMLB211」液中に75℃で6分間浸漬させた。
(2)次に「サーキュポジットMLB213」液中に80℃で10分間浸漬させた。
(3)最後に「サーキュポジットMLB216−2」液中に40℃で5分間浸漬させた。
その後、上記のように粗化処理された絶縁層6の表面にアディティブ法で外層回路7を形成した後、170℃で120分間乾燥機でアフターキュアーを行うことによって、図1(d)に示すような4層のプリント配線板を得た。外層回路7は、無電解銅めっき処理を行った後、120℃で60分間乾燥させ、さらに電解銅めっき処理を行うことによって形成した。めっきの厚さは20±2μmとした。
上記のようにして得られたプリント配線板を絶縁信頼性、めっきピール強度、線膨張係数の評価用サンプルとして用いた。
(実施例2〜8及び比較例1〜4)
プリプレグ3を変更した以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
(絶縁信頼性)
各評価用サンプルについて、次のようにして絶縁信頼性試験を行った。まず、温度130℃/相対湿度85%の雰囲気中でプリント配線板に直流20Vを印加することによって、初期の絶縁層6の抵抗値を測定した。次に、このプリント配線板を温度130℃/相対湿度85%の雰囲気中に直流20Vを印加しながら200時間放置した後、直流20Vを印加することによって、放置後の絶縁層6の抵抗値を測定した。そして、初期の絶縁層6の抵抗値に対する放置後の絶縁層6の抵抗値の割合が50%未満のものを「×」と判定し、50%以上のものを「○」と判定することによって、絶縁信頼性を評価した。いずれの実施例及び比較例についても、n(評価用サンプル数)=3として上記試験を行った。結果を下記[表2]に示す。
(めっきピール強度)
各評価用サンプルについて、外層回路7(銅めっき幅10mm)のピール強度をJIS C6481に基づいて測定した。いずれの実施例及び比較例についても、n(評価用サンプル数)=5として上記測定を行った。結果を平均値として下記[表2]に示す。
(線膨張係数)
各評価用サンプルについて、XY方向(面方向)の線膨張係数をJIS C6481に基づいて測定した。結果を下記[表2]に示す。
Figure 0004944483
上記[表2]にみられるように、比較例1〜3のものは、めっきピール強度と絶縁信頼性の少なくともいずれかが劣っているのに対し、実施例1〜8のものは、めっきピール強度及び絶縁信頼性が共に優れていることが確認される。
さらに、繊維状基材2として有機繊維を用いた実施例4〜6のものは、実施例1〜3、7、8のものに比べて、XY方向(面方向)の線膨張係数が小さいことが確認される。
なお、比較例4のものは、実施例1〜8のものと比べても、めっきピール強度と絶縁信頼性の面では遜色がないが、プリプレグの樹脂含有率が高く外観不良となるので、実際には使用することができない。
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)〜(d)は断面図である。 プリプレグの一例を示す断面図である。 転写シートの一例を示す断面図である。 アディティブ法の一例を示すものであり、(a)〜(g)は断面図である。 従来例を示すものであり、(a)〜(d)は断面図である。
符号の説明
1 樹脂組成物
2 繊維状基材
3 プリプレグ
4 内層回路
5 内層材
6 絶縁層
7 外層回路
61 樹脂層

Claims (4)

  1. 酸と酸化剤の両方又は一方を含む粗化溶液に溶解し易い成分と前記粗化溶液に溶解し難い成分である樹脂とを配合することによって調製された樹脂組成物を、厚さ0.1mm未満の繊維状基材に含浸させた後に乾燥させることによって、樹脂含有率が60〜90質量%のプリプレグを作製し、前記プリプレグの一方の面を、あらかじめ内層回路が形成された内層材の表面に重ね合わせると共に、前記プリプレグの他方の面に、粗面を設けて形成された転写シートの前記粗面を重ね合わせて積層成形した後、前記転写シートを除去することによって前記プリプレグで絶縁層を形成すると共に前記絶縁層の表面を粗化処理し、さらに前記絶縁層の表面を前記粗化溶液で粗化処理した後にアディティブ法で外層回路を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 前記繊維状基材の両側に厚さ10μm以上の樹脂層を形成ることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法
  3. 前記繊維状基材として、有機繊維を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法
  4. 真空ラミネーターを用いて積層成形することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
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