JP4942885B2 - 易開封性袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、易開封性袋に関し、更に詳しくは、少なくとも基材フィルムとシーラント層の熱接着性樹脂フィルムとを二液反応型接着剤または一液反応型接着剤を用いて貼り合わせてなる積層フィルムを袋状にヒートシールして形成される袋であって、少なくとも袋を引き裂いて開封する際の切り取り線を含む領域の積層フィルムを加熱処理することにより、積層フィルムのラミネート強度と共に易引き裂き性を向上させ、袋の開封を一層容易にした易開封性袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層フィルムをヒートシールして形成される各種の袋の開封を容易にするための易開封性手段としては、例えば、ノッチを設ける手段、レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける手段などがあり、これらを単独または組み合わせて袋の開封位置に設けることにより、引き裂きによる袋の開封を容易にする方法が採られている。
このような易開封性手段を設けることにより、易開封性手段を設けない場合と比較すると、明らかに袋の開封性は向上される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノッチやハーフカット線などの易開封性手段を袋に設けても、袋の積層フィルムのラミネート強度が十分でない場合は、袋を引き裂いた際、引き裂き部に積層フィルムの層間剥離(接着剥がれ)が発生し、例えば、伸び率の大きいシーラント層の熱接着性樹脂フィルムが伸びながら破断される結果、引き裂き方向にズレを生じ、所定の開封線に沿って開封できず、また、引き裂き抵抗力が増し引き裂きにくくなる問題があった。
この問題は、例えば袋が液体充填用の袋などで、積層フィルムの厚さが比較的大きい場合などに、特に発生しやすくなる。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、少なくとも基材フィルムと熱接着性樹脂フィルムとを二液反応型接着剤または一液反応型接着剤を用いて貼り合わせてなる積層フィルムを袋状にヒートシールして形成される袋であって、特に袋の開封位置に相当する部分の積層フィルムのラミネート強度を向上させることにより、易引き裂き性を向上させ、ノッチやハーフカット線などの易開封性手段による易開封性を一層確実に得られるようにした易開封性袋を生産性よく提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。即ち、請求項1に記載した発明は、少なくとも基材フィルムと熱接着性樹脂フィルムとを二液反応型接着剤または一液反応型接着剤を用いて貼り合わせてなる積層フィルムを袋状にヒートシールして形成される袋であって、該袋の開封位置に、該袋を引き裂いて開封するための易開封性手段が設けられると共に、該袋の少なくとも該易開封性手段による切り取り線を含む領域の積層フィルムが、加熱板あるいは加熱ロールを用いて加熱圧着する方法により前記積層フィルムを溶融変形させない処理条件で、処理温度60〜200℃の範囲で0.3〜5秒間の時間加える加熱処理がされ、ラミネート強度が向上するとともに易引き裂き性が向上することを特徴とする易開封性袋からなる。
【0006】
上記二液反応型接着剤または一液反応型接着剤は、熱によりその反応、硬化を促進できるものであれば何でもよいが、特にドライラミネート用に使用される二液反応型のポリウレタン系接着剤や一液反応型のイソシアネート基を末端にもつプレポリマーポリウレタン接着剤、或いは一液反応型のアクリル系接着剤は、比較的多種類のフィルムに対して接着性がよく、また、低温での反応、硬化が可能であるため生産性もよく好適に使用することができる。
また、積層フィルムを2枚以上のフィルムを貼り合わせて作製する場合は、それぞれのフィルムの貼り合わせに上記のような二液反応型接着剤または一液反応型接着剤を使用することが、加熱処理により、それぞれのラミネート強度を向上できると同時に、易引き裂き性を向上できる点で好ましい。
【0007】
また、前記易開封性手段としては、例えば、(イ)通常の袋でも多用されるノッチを設ける方法のほか、(ロ)レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、(ハ)機械的方法によって細長くて小さな傷痕群を袋の端部に形成する方法(その傷痕群を起点として、容易に引き裂きが可能となる)、(ニ)袋の積層フィルム中に易引き裂き性フィルム、例えば一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が袋の開封方向と一致するように用いることにより、容易に一定方向に引き裂いて開封できるようになる)、(ホ)カットテープなどを貼着する方法など種々の方法があり、これらの中から、一種を選択して用いてもよいが、印刷などによる開封指示線などの開封手段を含めて、二種以上を適宜組み合わせて用いることが更に好ましい。
【0008】
尚、上記ノッチは、一字形やV字形のノッチが多く採用されているが、その形状に制限はなく、引き裂き方向に向かって尖った部分を有する形状であれば何でもよい。
ハーフカット線についても、連続する線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状など断続的なハーフカット線であってもよい。このようなハーフカット線は、一本でもよいが、引き裂き方向を一層安定化させるため、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数のハーフカット線を、平行または中心のハーフカット線に収斂する形状などに設けることができる。
【0009】
前記のような構成を採ることにより、袋の少なくとも易開封性手段による切り取り線を含む領域の積層フィルムが、加熱処理されることにより、二液反応型接着剤または一液反応型接着剤の反応、硬化が更に進み、この部分の積層フィルムのラミネート強度が向上すると共に易引き裂き性が向上される。従って、袋を開封する際、引き裂き部に積層フィルムの層間剥離が発生することもなく、積層フィルム全体を所定の位置で一層容易に引き裂くことができ、開封性に一層優れた易開封性袋を提供することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明は、前記二液反応型接着剤が、高分子末端に水酸基を有するポリオール成分とイソシアネート基を有するポリイソシアネート成分を主成分とし、水酸基とイソシアネート基の反応でウレタン結合を形成して硬化するポリウレタン系の二液反応型接着剤であることを特徴とする請求項1記載の易開封性袋からなる。
【0011】
上記二液反応型接着剤に用いるポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオールなどを使用することができる。また、ポリイソシアネート成分としては、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)、メタン−トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェートなどのイソシアネートモノマーや、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンに付加したウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートビューレット、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートトリマーなどのイソシアネート変性体などを使用することができる。
また、上記ポリウレタン系二液反応型接着剤には、その接着強度、耐熱接着性、反応速度を一層向上させるための助剤として、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、或いは無機フィラーなどを添加することもできる。
【0012】
このようなポリウレタン系二液反応型接着剤は、多種類のプラスチックフィルムに対して接着性がよく、また、アルミニウム箔など金属箔に対しても優れた接着性を有している。更に、常温など比較的低温での反応、硬化が可能であり、また、加熱により反応、硬化を促進することができる。従って、ドライラミネート用の接着剤として好適に使用することができ、本発明の易開封性袋に用いる積層フィルムの貼り合わせ用にも好適に使用することができる。
【0013】
従って、前記のような構成を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、本発明の易開封性袋に用いる積層フィルムをドライラミネート法により生産性よく製造でき、また、袋の開封の際の切り取り線を含む領域の積層フィルムを加熱処理することにより、ラミネート強度と共に易引き裂き性を向上させることができ、引き裂き性に優れた易開封性袋を生産性よく製造することができる。
【0014】
請求項3に記載した発明は、前記袋の底部が、前後の壁面の積層フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍に切り欠き部が設けられると共に、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされ、自立性を付与した形状に形成され、且つ、前記易開封性手段および該易開封性手段による切り取り線が、袋の上部に設けられた外周をヒートシールしてなる狭い幅の注出口部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の易開封性袋からなる。
【0015】
上記袋の底部のガセット部をヒートシールする内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンは、代表的な例として、内側が底部の中心部から両側に湾曲線状に立ち上がる形状の船底形や、一定の幅と長さの底部から両側が外側に傾斜直線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターンが挙げられるが、これらに限定されず、例えば、内側が鈍角のV字形、或いは横長に開いたU字形となるシールパターンなど、実質的に内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンであれば何でもよい。
また、前記構成の易開封性袋では、少なくともその注出口部に更にエンボスなどによる膨らみ部を設けて注出口部の開口性とその保形性を向上させることができる。
このような易開封性袋の構成は、液状の内容物を充填包装する場合に適した構成であり、特に充填された内容物をボトルなどの他の容器に移し替えて使用するような詰め替え用パウチなどに適した構成である。
【0016】
このような構成を採ることにより、前記請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、以下のような作用効果が得られる。
即ち、前記袋の底部の構成により、自立性が付与され、取扱いが容易になるほか、外観も優れたものとなり、更に、内容物を他の容器に移し替えて使用する場合も、移し替えの途中で袋を立てて置くことができるので、一層移し替え操作を楽に行うことができる。
また、袋の上部に外周をヒートシールしてなる狭い幅の注出口部が設けられ、その注出口部に前記易開封性手段が設けられると共に、その易開封性手段による切り取り線を含む領域の積層フィルムが加熱処理されて、そのラミネート強度と共に易引き裂き性が向上されているので、一層容易に所定の位置で注出口部の先端部を引き裂いて開封することができ、また、ボトルなど口径の小さい他の容器に内容物を移し替える場合でも安全に移し替えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の易開封性袋の実施の形態について追加説明する。
本発明の易開封性袋の本体の形状は、特に限定はされず、例えば、三方シール形式、四方シール形式、ピロー形式など平パウチ形式の袋のほか、スタンディングパウチなどの自立袋、ガセット袋、或いはこれらの変形袋など広範囲の形状を採ることができる。
【0018】
また、本発明の易開封性袋の積層フィルムに使用するフィルムは、基材フィルムとシーラント層の熱接着性樹脂フィルムとに大別されるが、基材フィルムとしては、例えば、包装用袋に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミド、ポリプロピレンまたはその共重合体、、ポリエチレンまたはその共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネートなどの延伸または無延伸フィルムのほか、アルミニウム箔などの金属箔、セロハン、各種の紙などを単独または複数貼り合わせて使用することができる。
【0019】
シーラント層の熱接着性樹脂フィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、そして、ポリプロピレンまたはその共重合体、或いは熱可塑性共重合ポリエステル樹脂などの無延伸フィルムを使用することができ、これらの中から充填される内容物や、充填後の加熱殺菌処理の有無など使用条件に応じて適宜選択して使用することができる。
【0020】
以上のような基材フィルムと熱接着性樹脂フィルムとを二液反応型接着剤または一液反応型接着剤を用いて貼り合わせて作製される積層フィルムのうち、特に液状の内容物を充填する場合に使用される代表的な構成例として、以下のような構成が挙げられる。
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム(シリカまたはアルミナ蒸着層)/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(7) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(9) PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0021】
上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、HDPEは高密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルムを指すものである。
【0022】
各層の間の接着剤は、二液反応型接着剤または一液反応型接着剤であり、二液反応型接着剤としては、前記二液反応型のポリウレタン系接着剤を使用することができ、また、一液反応型接着剤としては、イソシアネート基を末端にもつプレポリマーポリウレタン接着剤、例えば、ポリエーテルポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートや、ポリエステルポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるポリエステルポリウレタンポリイソシアネート、或いは一液反応型のアクリル系接着剤などを使用することができ、それぞれドライラミネーション法により貼り合わせることができる。
【0023】
前記の積層フィルムの構成において、ONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとして特に袋に機械的強度や印刷適性を付与し、中間層に用いた一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向を袋を開封する際の引き裂き方向と一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。また、中間層に二軸延伸HDPEフィルム、二軸延伸PPフィルムを用いた場合は、積層フィルムの厚さを増し、その剛性や機械的強度を高めると共に、水蒸気バリヤー性なども向上させることができる。
そして、アルミニウム箔、シリカまたはアルミナ蒸着層、EVOHフィルムなどは、各種のガスバリヤー性を付与し、充填される内容物の保存性を高めるために積層するものである。
【0024】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明の易開封性袋の製造方法について説明する。
本発明の易開封性袋は、先にも説明したように、袋を開封する際の切り取り線を含む領域の積層フィルムを加熱処理することにより、そのラミネート強度と共に易引き裂き性を向上させて袋の引き裂きによる開封性を向上させたことを特徴とするものであり、加熱処理以外の構成は、袋本体の形式に応じて、それぞれ従来の製袋機を使用して製造することができる。
上記加熱処理は、加熱装置を製袋機とは別に用意してオフラインで行ってもよいが、製袋機のフィルム供給部などに加熱装置を組み込んで製袋とインラインで行うこともできる。
【0025】
加熱処理の方法は、特に限定はされないが、できるだけ効率的に行うことが好ましく、そのためには、例えば、加熱板や加熱ロールを用いて加熱圧着する方法を採ることが好ましい。加熱処理を積層フィルムの全面ではなく、袋を開封する際の切り取り線を含む領域のように一部の面に行う場合でも、加熱板や加熱ロールの表面をパターン状に形成することにより、容易に所望の部分を加熱処理することができる。
【0026】
加熱処理の条件は、処理速度の点から、できるだけ高温短時間で行うことが好ましく、処理温度は、60〜200℃程度の範囲で、積層フィルムを溶融変形させない限り高温で行うことが好ましい。
加熱処理の時間は、上記処理温度や積層フィルムの厚さなどにも影響されるため一定ではなく、例えば、0.3〜5秒間程度の範囲で適宜設定することが好ましい。
実際の加熱処理の例として、ONフィルム(厚さ15μm)とL・LDPEフィルム(厚さ150μm)とを二液反応型ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネート方式で通常の条件で貼り合わせたラミネート強度4.90N/15mm幅の積層フィルムを、加熱板を用いて105℃で0.6秒間加熱することにより、ラミネート強度が9.80〜10.78N/15mm幅に向上し、同時に引き裂き性を向上させることができた。
【0027】
【実施例】
以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の図面に限定されるものではない。
図1、図2は、それぞれ本発明の易開封性袋の一実施例の構成を示す正面図である。
【0028】
図1に示した易開封性袋100は、四方シール形式の袋で作製したものであり、前後の壁面の積層フィルム1、1′の下部の端縁部が底部シール部4でヒートシールされ、左右の側部の端縁部が側部シール部6、6でヒートシールされ、また、上部の端縁部の上部シール部8は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部として開口されている。そして、上部シール部8の下側に、易開封性袋100を開封するための易開封性手段として、ハーフカット線11とその両端にノッチ12、12が設けられると共に、その易開封性手段による切り取り線を含む領域の積層フィルム1、1′が加熱処理部14で加熱処理されて構成されている。
【0029】
このような構成を採ることにより、内容物の充填は、大きく開口した上部シール部8から容易に充填することができ、内容物の充填後、上部シール部8をヒートシールして密封することができる。
また、充填された内容物を取り出す際には、袋の上部シール部8の部分を、その下側に設けられたノッチ12を起点としてハーフカット線11に沿って引き裂くことにより、この部分、即ち、加熱処理部14の部分の積層フィルム1、1′が加熱され、そのラミネート強度と共に易引き裂き性が向上されているので、容易に且つ確実にハーフカット線11に沿って引き裂いて袋100を開封することができる。
【0030】
尚、ハーフカット線11は、袋の積層フィルム1、1′が基材フィルムとシーラント層の熱接着性樹脂フィルムとの貼り合わせで形成されている場合、基材フィルムの厚さ全体をカットすると袋の強度が弱くなりすぎて破袋を発生する恐れがあるため、通常、基材フィルムの厚さの一部を残すように設けられる。
従って、この部分を加熱処理して基材フィルムと熱接着性樹脂フィルムとのラミネート強度を向上させ、易引き裂き性を向上させることにより、ハーフカット線11に沿って引き裂いた時、引き裂き部に基材フィルムと熱接着性樹脂フィルムとの層間剥離(接着剥がれ)が発生することがなくなり、一層容易にハーフカット線11に沿って積層フィルム1、1′を引き裂くことができるようになるものである。
【0031】
図2は、本発明の易開封性袋の別の一実施例の構成を示す正面図である。
図2に示した易開封性袋200は、その底部と胴部が、通常のスタンディングパウチと同様な形式で形成されており、底部が、前後の壁面の積層フィルム1、1′の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して、底面フィルム折り返し部2まで挿入してなるガセット部5を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、この場合、半円形の底面フィルム切り欠き部3、3が設けられ、ガセット部5が、内側が底部の中心部から両側に湾曲線状に凹状となる船底形のシールパターン、即ち、底部シール部4でヒートシールして形成され、胴部が、前後の壁面の積層フィルム1、1′の両側端縁部を側部シール部6、6でヒートシールして形成されている。
【0032】
そして、易開封性袋200の上部のコーナー部(図において左側のコーナー部)には、先端部と両側部が注出口部シール部7でヒートシールされてなる狭い幅の注出口部9が設けられると共に、その両側が切り欠き部10a 、10b で切り欠かれ斜め上方に狭い幅で突出する形状に形成されている。尚、上側の切り欠き部10a は、注出口部9を開封する際、その上部を摘みやすくするため、摘み部13が設けられるように形成されている。
【0033】
また、注出口部9には、その先端部を切り取って開封する際、開封を容易にするための易開封性手段として、ハーフカット線11とその上側の端部にノッチ12が設けられ、更に、切り取り線となるハーフカット線11を含む領域の積層フィルム1、1′が加熱処理部14で予め加熱処理され、この部分の積層フィルム1、1′のラミネート強度と易引き裂き性が向上されている。
【0034】
更に、注出口部9から袋200の中心部にかけて、注出口部9の開口性とその保形性をよくし、内容物の注出を容易に行えるようにするための膨らみ部Sが、積層フィルムに設けられて構成されている。
この膨らみ部Sは、注出口部9とその近辺では、注出口部の開口性をよくするために、膨らみ部S1 のように広い幅に形成し、その先の袋の中心部寄りの部分では、折り曲げ線として作用するよう膨らみ部S2 のように狭い幅に形成することが好ましい。
【0035】
また、膨らみ部Sの膨らみ高さは、特に限定はされないが、広い幅の膨らみ部S1 の部分では1.5〜6mm程度が好ましく、狭い幅の膨らみ部S2 の部分では0.5〜2mm程度が好ましい。また、膨らみ部Sの高さ方向の断面形状は、この場合、膨らみ部S1 、S2 いずれも台形状として、圧縮に対する抵抗力を強めるように形成されている。
このような膨らみ部Sは、前後の積層フィルム1、1′のうち片側の積層フィルムのみに設けてもよいが、両側の積層フィルム1、1′に設けることが更に好ましい。
【0036】
尚、易開封性袋200の上部端縁部の上部シール部8は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールして密封する。
このような構成は、液状の内容物を密封包装するのに適しており、特に注出口部9を狭い幅で斜め上方に突出する形状に形成しているので、内容物をボトルなどの口径が比較的小さい他の容器に移し替えて使用する詰め替え用パウチとしても好適に使用できるものである。
【0037】
このような構成を採ることにより、易開封性袋200への内容物の充填は、未シールの上部シール部8の幅が広いため、この部分から容易に行うことができ、例えば、液状の内容物を充填し、上部シール部8を脱気シールして密封した易開封性袋200は、底部のガセット部5の構成により自立性が付与され、取り扱い易く、外観にも優れている。
そして、充填された内容物を注出、或いはボトルなどに移し替える際には、注出口部9の先端部を、摘み部13を摘んでノッチ12を起点として、ハーフカット線11に沿って引き裂くことにより、ハーフカット線11を含む加熱処理部14の領域の積層フィルムが加熱処理され、そのラミネート強度と共に、易引き裂き性が向上されているので、容易に且つ確実にハーフカット線11に沿って引き裂くことができ、それにより注出口部9が開封されると同時に、膨らみ部S(特にS1 の部分)により注出口部9が自動的に保形性よく開口される。
【0038】
従って、内容物をボトルなどに移し替える場合でも、袋の胴部を手で支えて、注出口部9を下に向けて袋200を傾け、開封された注出口部9を、例えばボトルの口部に差し込み、その切り欠き部10a 、10b を、ボトルの口部にあてがいながら内容物の移し替えを行うことができるので、注出口部9がボトルの口部に安定した状態で固定され、内容物を外にこぼすことなく、安全且つ容易に移し替えることができる。
【0039】
また、膨らみ部Sの狭い幅の膨らみ部S2 の部分が、袋の上部から中心部を通りやや下の位置まで垂直方向に延長されているため、易開封性袋200に内容物を充填した時、狭い幅の膨らみ部S2 の部分が、折り曲げ線のように作用し、リブ効果を有すると共に、外側に折れ曲がり易くなり、袋表面の不規則なシワやカールの発生が減少し、形態安定性が向上する。
また、内容物の注出に際しては、膨らみ部S2 が外側に折れ曲がって袋200が広がるので、内容物が折れ曲がった膨らみ部S2 に沿って袋上部に一層容易に流動するようになる。そして、上部に流動した内容物は、広い幅の膨らみ部S1 で保形性よく開口された注出口部9からスムーズに注出される。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、少なくとも基材フィルムとシーラント層の熱接着性樹脂フィルムとを二液反応型接着剤または一液反応型接着剤を用いて貼り合わせてなる積層フィルムを袋状にヒートシールして形成される袋において、少なくとも袋の開封位置に相当する部分の積層フィルムを加熱処理することにより、その部分のラミネート強度を向上できると共に易引き裂き性を向上させることができ、また、この加熱処理とノッチやハーフカット線などの易開封性手段を併用することにより、易開封性手段による易引き裂き性を一層向上させることができ、一層容易に引き裂いて開封することのできる易開封性袋を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の易開封性袋の一実施例の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の易開封性袋の別の一実施例の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1、1′積層フィルム
2 底面フィルム折り返し部
3 底面フィルム切り欠き部
4 底部シール部
5 ガセット部
6 側部シール部
7 注出口部シール部
8 上部シール部
9 注出口部
10a 、10b 切り欠き部
11 ハーフカット線
12 ノッチ
13 摘み部
14 加熱処理部
S、S1 、S2 膨らみ部
100、200 易開封性袋
Claims (3)
- 少なくとも基材フィルムと熱接着性樹脂フィルムとを二液反応型接着剤または一液反応型接着剤を用いて貼り合わせてなる積層フィルムを袋状にヒートシールして形成される袋であって、該袋の開封位置に、該袋を引き裂いて開封するための易開封性手段が設けられると共に、該袋の少なくとも該易開封性手段による切り取り線を含む領域の積層フィルムが、加熱板あるいは加熱ロールを用いて加熱圧着する方法により前記積層フィルムを溶融変形させない処理条件で、処理温度60〜200℃の範囲で0.3〜5秒間の時間加える加熱処理がされ、ラミネート強度が向上するとともに易引き裂き性が向上することを特徴とする易開封性袋。
- 前記二液反応型接着剤が、高分子末端に水酸基を有するポリオール成分とイソシアネート基を有するポリイソシアネート成分を主成分とし、水酸基とイソシアネート基の反応でウレタン結合を形成して硬化するポリウレタン系の二液反応型接着剤であることを特徴とする請求項1記載の易開封性袋。
- 前記袋の底部が、前後の壁面の積層フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍に切り欠き部が設けられると共に、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされ、自立性を付与した形状に形成され、且つ、前記易開封性手段および該易開封性手段による切り取り線が、袋の上部に設けられた外周をヒートシールしてなる狭い幅の注出口部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の易開封性袋。
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