JP4941014B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある)セット、電子写真用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある)セット、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
従来より、画像中に付加情報を重畳して埋め込む付加データ埋め込み技術がある。近年、この付加データ埋め込み技術を、静止画像等のデジタル著作物の著作権保護、不正コピー防止に利用する動きが活発になってきており、その手法の一つとして、コピーやプリントアウトに使用した画像形成装置を特定するために、画像上に目視での認識が困難な画像、その意味で不可視なパターンを形成することにより、情報を埋め込む技術が知られている。そのパターンを読み取る為に赤外線吸収を利用することが行われており、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載された技術のように、電子写真方式、静電記録方式又はインクジェット記録方式により、画像出力媒体上に赤外線吸収性色素を含む着色領域と赤外線反射色素を含む着色領域とを並列又は重ねて形成し、着色領域の少なくとも一方が文字、数字、記号、模様などの画像であり、かつ上記2種の着色領域が肉眼で実質的に判別不能又は判別困難となるよう画像を記録するものである。
また、特許文献3には、通常の電子写真用トナーによる画像と、赤外線吸収材料含有トナーによる画像が、並列又は重ねて形成されて、かつ上記2種の画像領域が肉眼で実質的に判別不能又は判別困難となるよう画像を記録することが開示されている。両者の情報読み取りのコンセプトは似ているが、特許文献1等は、赤外線吸収材料と同色系の赤外線反射材料を並列または重ねて、赤外線吸収材料を判別できなくする技術であり、赤外線吸収材料で作られた像が、単独では肉眼ではっきりと認識されることになる。これに対して、特許文献3では、単独で画像が形成されても肉眼では見えにくく、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の画像と一緒になっても、その色相の変化が少ないことが特徴とされている。この為、特許文献3に示された不可視画像の形成方法は、不可視画像を埋め込む場所や、図柄に影響されない為に、偽造防止や、証券などに利用したときにはより、審美的な観点からより優れた技術と言える。
このように画像出力媒体上に不可視情報を含む画像を形成する場合、一般的に可視画像、すなわちカラー画像が主であるため、不可視画像に対しては、視認されないことに加え、同時に媒体上に供されても情報復元性に優れることが要求される。
不可視画像は機械読み取り・復号化可能な2次元パターンで形成される場合が多く、その具体例として回転角度が異なる2種の微小ラインビットマップが挙げられる。さらに、媒体上では通常カラー画像に対して最下層に位置するように供されるため、不可視画像自体を正確に再現するには画像形成の各工程において画像損失を生じさせないことが重要となる。
画像形成工程において、特に、図版、写真等を含む様々な画像パターン、及び不可視画像を媒体へ移行させる転写工程では、単一の転写条件で可視画像及び不可視画像を同時に制御するために、各々の画質再現特性への要求に伴い、カラー画像用トナー及び近赤外光吸収材料を含む不可視画像用トナーに対して異なる転写特性が求められる。
特開平6−171198号公報 特開平6−122266号公報 特開2001−265181号公報
本発明は、着色剤を含むカラートナー及び近赤外光吸収材料を含む不可視トナーについて転写条件によりにくい各々に最適な画像を形成することができ、不可視情報の復元性が高い不可視画像を形成することができる電子写真用トナーセット、電子写真用現像剤セット、画像形成方法及び画像形成装置を提供する。
発明は、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記現像されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写工程と、前記一次転写されたトナー画像を画像出力媒体に二次転写する二次転写工程と、を含み、電子写真用現像剤セットを用いて、前記像保持体の周速をC、前記中間転写体の周速をDとしたとき、その周速比が下記式(3)を満たす条件で前記一次転写を行い、前記電子写真用現像剤セットが、キャリアと、結着樹脂及び着色剤を含み、外添剤としてシリカ粒子を含むカラートナー粒子とを含むカラー画像用現像剤と、キャリアと、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、外添剤としてシリカ粒子を含む不可視トナー粒子とを含む不可視画像用現像剤と、を含有し、前記カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標をGSD 、前記不可視トナーの体積平均粒度分布指標をGSD としたとき、下記式(1)及び(2)の関係を満たし、前記カラートナー粒子及び不可視トナー粒子はそれぞれ、結着樹脂を着色剤とともに混練、粉砕し、分級することによって得られたものである画像形成方法である。
1.10≦GSD ≦1.25 (1)
0.80≦(GSD /GSD )≦0.95 (2)
0.97≦C/D≦0.99 (3)
さらに、本発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、前記一次転写されたトナー画像を画像出力媒体に二次転写する二次転写手段と、を含み、電子写真用現像剤セットを用いて、前記像保持体の周速をC、前記中間転写体の周速をDとしたとき、その周速比が下記式(3)を満たす条件で前記一次転写が行われ、前記電子写真用現像剤セットが、キャリアと、結着樹脂及び着色剤を含み、外添剤としてシリカ粒子を含むカラートナー粒子とを含むカラー画像用現像剤と、キャリアと、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、外添剤としてシリカ粒子を含む不可視トナー粒子とを含む不可視画像用現像剤と、を含有し、前記カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標をGSD 、前記不可視トナーの体積平均粒度分布指標をGSD としたとき、下記式(1)及び(2)の関係を満たし、前記カラートナー粒子及び不可視トナー粒子はそれぞれ、結着樹脂を着色剤とともに混練、粉砕し、分級することによって得られたものである画像形成装置である。
1.10≦GSD ≦1.25 (1)
0.80≦(GSD /GSD )≦0.95 (2)
0.97≦C/D≦0.99 (3)
本発明の請求項によると、転写条件によりにくい各々に最適な画像を形成することができ、不可視情報の復元性が高い不可視画像を形成することができる画像形成方法を提供することができる。
本発明の請求項によると、転写条件によりにくい各々に最適な画像を形成することができ、不可視情報の復元性が高い不可視画像を形成することができる画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<電子写真用トナーセット>
前述の通り、画像出力媒体上に不可視情報を含む画像を形成する場合、一般的に可視画像、すなわちカラー画像が主であるため、不可視画像に対しては、視認されないことに加え、同時に媒体上に供されても情報復元性に優れることが要求される。そこで、画像形成工程において、特に、図版、写真等を含む様々な画像パターン、及び不可視画像を媒体へ移行させる転写工程では、単一の転写条件で可視画像及び不可視画像を同時に制御するために、各々の画質再現特性への要求に伴い、カラー画像用トナー及び近赤外光吸収材料を含む不可視画像用トナーに対して異なる転写特性が求められる。
一般に、転写性自体の制御、向上の為には、トナー粒子自体の帯電量を低下させることが効果的である。しかしながら、ドットパターンによる不可視画像が十分に再現できるレベルをトナー帯電量の中心値とした場合、カラー画像の現像、転写時にカブリ等の不具合を生じ、同時に現像剤の寿命をも短くしてしまうことがある。
これに対して、カラートナー/不可視トナー間で帯電性に差異を持たせるように制御すれば、帯電性の異なるトナー粒子間での相互帯電等により、さらなる転写不良起因の画質欠陥を発生させる可能性が大きい。且つ、同時転写の場合、トナー粒子が受ける転写電流値は等しいことから、一方に最適な値を設定しても他方が発生するであろうトラブル、例えば不可視トナー粒子の背景カブリなどの改善は不十分であり、トナー粒子間で特性を大きく変えることは、特に高い画像再現制御性を要求される、不可視画像を含むトナーセットには不適である。
そこで、本発明者らは、カラートナー粒子、及び不可視情報を付与させる為の近赤外材料を内部に分散した不可視トナー粒子の各々の粒度分布を特定の関係を満たすように制御すれば、カラートナー及び不可視トナー間に画像形成時に不適な相互作用を発生させること無く、且つ転写条件によりにくい各々に最適な画像を形成させることができることを見出した。
本実施形態に係る電子写真用トナーセットは、結着樹脂及び着色剤を含む顕像化目的のカラートナー粒子、及び結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含む不可視トナー粒子を含有して構成される。このとき、カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標をGSD、不可視トナーの体積平均粒度分布指標をGSDとしたとき、下記式(1)及び(2)の関係を満たす。
1.10≦GSD≦1.25 (1)
0.80≦(GSD/GSD)≦0.95 (2)
式(1)中のGSDが1.25を超える場合は、不可視トナー粒子自体の十分な転写が困難になり、微粉側の転写残増加等により不可視情報の十分な復元ができなくなってしまう。また、GSDが1.10より小さい場合には、転写の際に印加される電流の影響を受け易くなる。電流値の振れ幅によっては転写不良による不可視画像の欠損などを発生させてしまう為、やはり十分な不可視情報復元性が得られない。
なお、式(1)における好ましい条件としては、1.15≦GSD≦1.25であり、さらにより好ましい条件は、1.20≦GSD≦1.25である。
上記式(2)において、不可視トナーの粒度分布とカラートナーの粒度分布の比が0.95を超える場合、両者に帯電性等の差異を設けていないために機械側の転写パラメータに対する転写挙動はほぼ等しくなる。結果として、どちらかの画像に適した転写条件しか設定できず、カラー画像の画質要求と不可視情報の復元との両立を満たすことができない。
一方で、式(2)の値が0.80より小さくなった場合、転写前の中間転写体等の転写部材上の画像中のカラー及び不可視を含むトナーの粒度分布中の特定粒径の偏りが大きくなり、カラートナー粒子の微粉及び粗粉の転写効率が低下、画質低下を発生させてしまい、また、粒径が大きく異なる粒子間での相互帯電から逆極性トナーの発生を誘発する場合がある。
なお、式(2)における好ましい条件としては、0.85≦(GSD/GSD)≦0.95であり、さらにより好ましい条件は、0.90≦(GSD/GSD)≦0.95である。
(近赤外光吸収材料)
本実施形態における不可視トナー粒子は、不可視情報を記録し、必要に応じて検出可能とする為に近赤外光吸収材料を含有している。
近赤外光吸収材料としては、無機材料系では、例えば、燐酸、シリカ、ホウ酸等の可視域の波長を透過する公知のガラス網目形成成分に、遷移金属イオンや、無機及び/又は有機化合物である色素等の材料を添加したガラスや、これを熱処理により結晶化した結晶化ガラス等の無機材料が挙げられる。これらの無機材料は可視領域の光を良く反射して、不可視の画像を得ることができるが、反面、赤外光域の吸収が十分でなく単位面積当りのトナー量を多くする必要がある場合がある。
また、有機系の近赤外光吸収材料においては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物等の有色材料、アミニウム塩系化合物、ナフタロシアニン系化合物等の無色の材料が挙げられる。前者は添加により画像を着色してしまうことから、不可視の情報記録には適さないが、後者は無機材料に比較し、赤外光域の吸収が十分に大きいことから添加量を抑えられ、結果としてカラー画像の画質を損ねないという利点がある。
以上のような理由から、本実施形態における近赤外光吸収材料としては、アミニウム塩系化合物及びナフタロシアニン系化合物の少なくとも1種を用いることが好ましい。また、該近赤外光吸収材料はトナー粒子中に分散して含有することがより好ましい実施形態である。
近赤外光吸収材料をトナー表面に外部固着或いはトナー粒子群に混合添加した場合、トナー粒子及び現像剤中で材料凝集などを発生させる可能性が有り、さらにバルクとして必要量添加してもトナー表面に外部固着或いは現像剤調整の段階で、機器への付着などで失われ、不可視画像中の近赤外光吸収材料が不足または偏在等することで情報を正確且つ安定に読み出せなくなってしまう。また、遊離した近赤外光吸収材料が画像形成装置内、特に感光体等を汚染することで現像、転写などの他工程に悪影響を与える可能性も考えられる。
特に前述のアミニウム塩系化合物及びナフタロシアニン系化合物等の有機系近赤外光吸収材料を用いる場合、無機系材料に比べ結着樹脂に対する分散性が良く、画像出力媒体上に形成された不可視画像中に均一に分散し、可視域においてより不可視性を損なうことなく、赤外域においては十分な吸収を示すことで情報が高密度に記録でき、且つトナー中への分散性が良いことから不可視画像の機械読み取り・復号化処理が長期間わたり安定に行うことが可能となった。
本実施形態において用いられるフタロシアニン系化合物としては以下の構造式(a)に例示する化合物が、ナフタロシアニン系化合物としては構造式(b)に例示する化合物が好適である。
Figure 0004941014
(構造式(a)において、Mは、金属原子又は金属酸化物を表し、R、R及びRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、シクロヘキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシルアミノアルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を表し、R、R、R及びRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基、アラルキル基又はハロゲン原子を表し、また、RとR又はRとRが組み合わさって環状基を形成していてもよく、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又は水酸基を表し、lは1以上4以下の整数であり、mは0以上5以下の整数であり、そしてnは0以上14以下の整数であり、但し、2l+m+nは16である。)
Figure 0004941014
(構造式(b)において、Metは、2個の水素原子、2価の金属原子、3価もしくは4価の置換金属原子を表し、A〜Aは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基又は置換もしくは非置換のアリールチオ基を表し、但し、AとA、AとA、AとA、AとAの各組み合わせにおいて、その両方が同時に水素原子又はハロゲン原子になることはなく、Y〜Y16は、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、置換もしくは非置換のアリールチオ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のアリールアミノ基、置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアリールアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、ニトリル基、オキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基又はモノもしくはジ置換アミノカルボニル基を表す。)
またアミニウム塩系化合物としては、以下の構造式(c)及び構造式(d)に例示する化合物が好適に用いられる。
Figure 0004941014
さらに、トナーセット、すなわちカラートナー及び不可視トナーに用いられる共通の材料について、以下に説明する。
(結着樹脂)
本実施形態のトナーセットにおけるトナー粒子に使用し得る結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、α−ポリ(α−メチルスチレン)等を主成分とするスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等を主成分とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂等が挙げられるが、電子写真用トナーとして用いる際の帯電安定性や現像耐久性の観点からスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂に用いる縮合性単量体としては、例えば、高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されている縮合性単量体成分であり、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールがある。2価のカルボンの酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、前記の縮合性単量体成分の中から任意の組み合わせで、例えば、「重縮合」(化学同人)、「高分子実験学(重縮合と重付加)」(共立出版)や「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社編)等に記載された従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は、組み合わせて用いることができる。
また紙等の画像出力媒体への付着性等の点から樹脂の分子骨格にカルボキシル基を残留させることが好ましいが、ポリエステル樹脂は製法上分子側鎖へのカルボキシル基の導入が困難であるため、樹脂分子の両末端をカルボキシル基にすることによって、一定の効果をあげることができる。したがって、樹脂の酸価はより高いほうが好ましく、具体的には5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の範囲が好ましい。より好ましくは10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である。
また前述のスチレン系樹脂及び(メタ)アクリル系樹脂、特にスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂を構成する重合性単量体としては、例えば以下のものが挙げられる。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等が挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−β−カルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
前記スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂にカルボキシル基を含有させる場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を共重合させることによって得ることができる。
このようなカルボキシル基含有重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メタクリル酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸等であり、重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などが好ましく、アクリル酸がより好ましい。
本実施形態のトナーセットにおけるトナー粒子に用いる結着樹脂は、その重合時に連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に制限はないが、チオール成分を有する化合物を用いることができる。具体的には、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が好ましく、特に分子量分布が狭く、そのため高温時のトナーの保存性が良好になる点で好ましい。
本実施形態のトナーセットにおけるトナー粒子に用いる結着樹脂のうち、重合性単量体のラジカル重合により製造することができるものはラジカル重合用開始剤を用いて重合することができる。
ここで用いるラジカル重合用開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
上記の共重合体のガラス転移温度は50℃以上70℃以下であることが好ましい。
本実施形態のトナーセットにおけるトナー粒子には、トナーの内部に含有、分散させて使用する内部添加剤として、定着性を調整する離型剤や、帯電を調整する帯電制御剤等を含有してもよい。
(離型剤)
離型剤としては公知のものを使用することができ、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。この誘導体には、酸化物、ビニルモノマとの重合体、グラフト変性物等が含まれる。この他にも、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等が挙げられるが、これらに何ら限定されるものではない。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。なお、本実施形態におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
(着色剤)
本実施形態のトナーセットにおいて、可視画像形成用に使用するカラートナー粒子は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン色及び、レッド、ブルー、グリーン等、所望する色の公知のものを用いることができるが、近赤外光吸収材料を含有する不可視トナーとの併用を前提としていることより、近赤外光領域(770nm以上1200nm以下)における吸収率(近赤外光吸収率)が、5%以下であるカラートナー粒子を用いることが、不可視情報の読み取り精度確保の観点で好ましい。
カラートナー(可視トナー)の近赤外光領域における近赤外光吸収率が5%以上である場合には、画像出力媒体表面に、不可視画像と、カラー画像(以下、可視化画像と記載)とが形成された画像形成面を、赤外光照射により機械読み取りする場合において、可視画像も、不可視画像として誤認されてしまう場合がある。特に、画像形成面の不可視画像が形成された領域を特定せずに機械読み取りする場合や、可視画像と、画像出力媒体表面と、の間に不可視画像を形成する場合においては、不可視画像の情報のみを読み取って正確に複号化することが困難になる場合がある。
この可視トナーの近赤外光吸収率は、分光反射率測定機を用いて、可視トナーにより形成された可視画像の近赤外領域の分光反射率をVT(i)、画像出力媒体の分光反射率をM(i)と測定することにより、下式に示したように求められる。
可視トナーの近赤外光吸収率=VT(i)−M(i)
上記したような可視トナーを得るために用いる着色剤としては、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3などを代表的なものとして例示することができる。
また、必要に応じて染料を用いることもできる。該染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等が挙げられ、これらの単独、もしくは混合した状態で使用できる。
また、不可視画像の読み取り精度を高めるためには、不可視画像を形成する不可視トナーの近赤外光吸収率は、可視画像を形成する可視トナーの近赤外光吸収率よりも15%以上大きいことが好ましく、30%以上大きいことがより好ましい。
不可視画像と、可視画像と、の近赤外光吸収率差が15%よりも小さい場合には、不可視画像の近赤外吸収率と、可視画像の近赤外吸収率と、の間の吸収率域において、機械読み取りする際に不可視画像か否かを識別して読み取るために一定のコントラスト(閾値)を境界として2値化処理して、不可視画像のみを認識して読み取ることが困難となる場合がある。即ち、このような場合、可視画像が、不可視画像の読み取り、さらには、不可視画像に記録された情報を正確に復号化する際の障害となってしまう可能性がある。
なお、このような、不可視画像を形成する不可視トナーの近赤外光吸収率と、可視画像を形成する可視トナーの近赤外光吸収率と、の差(以下、単に「近赤外光吸収率差」と略す場合がある)は、分光反射率測定機を用いて、画像出力媒体表面に形成された不可視画像(ベタ画像)の分光反射率IP(i)と、画像出力媒体表面に形成された可視画像(ベタ画像)の分光反射率VP(i)とを測定することにより、下式に示したように求められる。
近赤外光吸収率差=IP(i)−VP(i)
(外添剤)
更に、不可視トナーの長期保存性、流動性、現像性、転写性をより向上させる為に、添加剤として、無機粉、樹脂粉等を用いてもよい。
(トナー粒子の製造方法)
カラートナー及び不可視トナー粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の手法を用いることができ、従来の混練粉砕法や、着色剤、離型剤等を重合性単量体とともに懸濁させ、重合性単量体を重合する懸濁重合法、樹脂、着色剤、離型剤等のトナー構成材料を有機溶媒に溶解させ、水系溶媒中に懸濁状態で分散させた後に有機溶媒を除去する溶解懸濁法、樹脂を乳化重合により作製し、着色剤、離型剤等の分散液とともにヘテロ凝集させ、その後融合、合一する乳化重合凝集法等の湿式製法などが挙げられる。
また、カラートナー及び不可視トナーの製造方法としては、混練粉砕法を用いる場合、特に熱溶融混練処理が好適に用いられ、上記内部添加剤をカラートナー及び不可視トナーの内部に添加することができる。この時の混練としては、各種の加熱混練機を用いて行うことができる。加熱混練機としては、三本ロール型、一軸スクリュー型、二軸スクリュー型、バンバリーミキサー型が挙げられる。
上記混練物の粉砕により製造する場合は、例えば、マイクロナイザー、ウルマックス、JET−O−マイザー、KTM(クリプトン)、ターボミージェット等により行うことができる。更には、その後工程として、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を用いて、機械的外力を加えることで粉砕後のトナー形状を変化させることができる。また、熱風による球形化も挙げることができる。
カラートナー及び不可視トナーについては、混練粉砕法によりトナー粒子を得た後、分級処理を施して、好ましくは分級処理を繰り返して所望の粒径、及び上記体積平均粒度分布指標GSD、GSDとそれぞれなるように、トナー粒子を製造することができる。分級処理には、エルボージェットEJ−LABO(日鉄鉱業社製)等の風力式分級機を使用することができる。
カラートナーの体積平均粒径としては、4μm以上8μm以下の範囲が好ましく、5μm以上7μm以下の範囲がより好ましい。不可視トナーの体積平均粒径としては、3μm以上12μm以下の範囲が好ましく、5μm以上10μm以下の範囲がより好ましい。体積平均粒径が3μmより小さいと、静電的付着力が重力と比べて大きくなり、粉体として挙動を制御するのが困難になる場合がある。一方、体積平均粒径が12μmより大きいと、高精細な不可視情報の記録が困難となる場合がある。
<電子写真用現像剤セット>
本実施形態に係る電子写真用現像剤セットは、キャリアと結着樹脂及び着色剤を含むカラートナー粒子とを含むカラー画像用現像剤と、キャリアと結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含む不可視トナー粒子とを含む不可視画像用現像剤と、を含有し、カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標をGSD、不可視トナーの体積平均粒度分布指標をGSDとしたとき、下記式(1)及び(2)の関係を満たす。
1.10≦GSD≦1.25 (1)
0.80≦(GSD/GSD)≦0.95 (2)
本実施形態に係るカラー画像用現像剤及び不可視画像用現像剤は、公知の手法により、キャリアと上記カラートナーとを混合処理することにより、キャリアと上記不可視トナーとを混合処理することにより、それぞれ得ることができる。また、本実施形態に係るカラー画像用現像剤及び不可視画像用現像剤において、カラートナー及び不可視トナーは非磁性であり、キャリアとして磁性を有するものを混合してなる二成分現像剤であることが好ましい。
現像剤中の不可視トナー濃度(TC:Toner Concentration)は、全現像剤重量に対して3重量%以上15重量%以下の範囲が好ましく、5重量%以上12重量%以下の範囲がより好ましい。なお、不可視トナー濃度(TC)は、下式で表わされる。
TC(重量%)=[現像剤に含まれる不可視トナー重量(g)/現像剤の総重量(g)]×100
<画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成方法は、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、現像されたトナー画像を画像出力媒体に転写する転写工程と、を含む。
また、本実施形態に係る画像形成方法は、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、現像されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写工程と、一次転写されたトナー画像を画像出力媒体に二次転写する二次転写工程と、を含んでもよい。
(不可視画像の形成方法の具体例)
次に、本実施形態の画像形成方法により形成される不可視画像の画像構成、不可視画像の目視による認識、および、不可視画像の機械読み取り等について具体的に説明する。不可視画像は、上記不可視トナーを用いて形成されるもので、近赤外光照射により機械読み取り可能であれば特に限定されるのではないが、文字、数字、記号、模様、絵、写真等の画像からなるのは勿論、JAN、標準ITF、Code128、Code39、NW−7等と呼ばれる公知のバーコードのような2次元パターンであってもよい。
不可視画像がバーコードのような2次元パターンからなる場合には、画像出力媒体に画像を形成した画像形成装置を特定するためのシリアル番号や、画像出力媒体表面に前記不可視画像と共に形成される可視画像の著作権認証番号等として利用できる。また、不可視画像と共に形成される可視画像が機密文書・有価証券・免許・個人IDカード等の形態をとる場合においては、これら偽造物の識別を検出することにも効果的に用いられる。
なお、上記のバーコードの例のみならず、本実施形態において、2次元パターンとは、従来、可視で認識可能な画像として用いられてきた公知の記録方式であれば特に限定されるものではない。例えば、微小面積セルを幾何学的に配置させた2次元パターンを形成する方法としては、QRコードと呼ばれる2次元バーコードが挙げられる。また、微小ラインビットマップを幾何学的に配置させた2次元パターンを形成する方法としては、特開平4−233683号公報に記載の技術である、回転角度が異なる複数のパターンによるコードの形成方法が挙げられる。
このような2次元パターンからなる不可視画像を画像出力媒体表面に形成することにより、容量の大きい情報、例えば、音楽情報、文章アプリケーションソフトの電子ファイル等を目視では理解できない形式で画像に埋め込むことが可能となり、より硬度な機密文書あるいはデジタル/アナログ情報共有文書等の作成技術を提供できる。
図1は、本実施形態の画像形成方法により形成される2次元パターンからなる不可視画像形成部の、通常の画像(目視で見た場合)、赤外光照射により認識した場合の拡大図、及び、該拡大図を機械読み取りによりデジタル情報に復号変換した後のビット情報イメージとして捉えた場合の一例を示す模式図である。図1の左側に示された図は、画像出力媒体12表面を目視で見た場合について示したものであり、画像出力媒体12表面には不可視画像11が形成されている。なお、図中、不可視画像11は、実際には視認できるものではないが、説明のために便宜上ハーフトーンで表している。
また、図1の中央に示された図は、不可視画像11を赤外光照射により機械読み取りして認識した場合において、不可視画像11の微視的領域を拡大した拡大部分13である。拡大部分13に示される2次元パターンは、回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップで形成された場合の一例を示したものであり、具体的には、相互に異なる傾きを有する2種類の微小ライン単位14が配列し、片方が「0」、もう片方が「1」のビット情報を表している。この回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップからなる2次元パターンは、可視画像に与えるノイズが極めて低く、かつ大量の情報を高密度にデジタル化して埋め込むことができるため、好適に用いられる。なお、微小ライン単位14は、好ましくは3ドット以上10ドット以下、より好ましくは4ドット以上7ドット以下の範囲で1単位が形成される。1単位が、3ドットよりも小さい場合には、機械による読み取り誤りが多くなり、10ドットを超える場合には、可視画像に対しノイズとして現れるため好ましくない。
図1の右側に示された図は、微小ライン単位14が配列している拡大部分13を、機械読み取りによりデジタル情報に復号変換してビット情報イメージ15として捉えたものである。このように、不可視画像は、CCD(Charge Coupled Device)等の読み取り装置により、拡大部分13に示されるような2次元パターンとして読み取られ、これがデジタル情報としてビット情報イメージ15に復号変換され、さらには、エンコード時の記録フォーマットに対応した方式で音声情報、文章、画像ファイル、アプリケーションソフトの電子ファイル等へデコードされる。
一方、従来、偽造防止技術に用いられてきた技術としては、画像出力媒体に、桜紙(複写機の光学読み取り時に、「禁複写」等の文字が浮き出る特殊紙)を用いる方法、あるいは、比較的淡い色で透かし文字を重ね記録する方法があったが、いずれも、前記画像出力媒体表面に形成された文書や模様、絵柄等からなる可視画像の品質を損ねるものであった。しかしながら、本実施形態の画像形成方法により画像出力媒体表面に形成された不可視画像が光沢性を有する場合には、該画像出力媒体表面に対して、特定の角度から目視した場合は、前記不可視画像を巨視的に認識でき、また、別の角度から目視した場合は、前記不可視画像を認識できないようにすることが可能であるため、不可視画像と共に形成される可視画像の品質を損なうことがない。なおこのように、本明細書において、「不可視画像」とは目視ができない、あるいは目視が困難である画像のみならず、上記のように目視する角度等により目視ができない、あるいは目視が困難である画像をも含む。
このような例について以下に説明する。
図2は、本実施形態の画像形成方法により、画像出力媒体表面に不可視画像と共に可視画像が形成された記録物を、該記録物の紙面のほぼ垂直方向(正面)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例であり、図3は、本実施形態の画像形成方法により、図2に示す記録物を、該記録物の紙面の垂直方向からずれた位置(斜め)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。
図2及び図3において、記録物21表面には、文字やグラフ等からなる可視画像と共に「Confidential」というパターン(文字)からなる不可視画像22が、画像出力媒体表面と、可視画像との間に形成されている。しかし、図2においては、記録物21の紙面に対してほぼ垂直方向(正面)より目視しているため、不可視画像22(図2においては図示せず)は認識できないことを示している。一方、図3においては、記録物21の紙面に対して垂直方向からずれた位置(斜め)より目視しているため、不可視画像として形成された領域と、該領域以外と、の光沢差が顕著となるために、不可視画像22の「Confidential」というパターン(文字)が、可視画像と共に認識できることを示している。
図2及び図3に示した例において、不可視画像22は、目視により文字として巨視的に認識できるものであるが、偽造・複写行為に対して牽制効果を発揮するためには、必ずしも文字に限定されるものではない。また、不可視画像22の微視的領域が、図1に示した微小ライン単位14のような機械読み取り可能なパターンで構成されることにより、より偽造が困難で、かつ精度の高い本物認識が可能な記録物21とすることもできる。なお、図3に示す不可視画像22は、実際には光沢感により認識されるものであるが、説明の都合上、本実施形態の画像形成方法により形成された記録物を提示して直接説明することができないため、光沢感を有さない黒色のパターン(文字)として描画されている。
一方、本実施形態の画像形成方法により不可視画像と共に形成される可視画像は、どのような画像であってもよく、また、その画像形成方法も、電子写真方式も含め、公知のいかなる画像形成方法を用いてもよいが、不可視画像を機械読み取りする際に精度よく読み取るために、前記可視画像の近赤外光吸収率が5%以下であることが好ましい。さらに、本実施形態の画像形成方法に用いられる画像出力媒体は、本実施形態の電子写真用トナーを用いて画像形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、画像出力媒体表面に直接不可視画像が形成される場合には、近赤外域の波長を吸収しないものが好ましく、また、不可視トナーがチタニア粒子等の白色顔料を添加してなるものである場合は、白色または白色度の高いものが好ましい。
本実施形態の画像形成方法により、画像出力媒体表面に形成された2次元パターンからなる不可視画像は、波長700nm以上の領域、即ち肉眼で見ることができず、近赤外光領域において、特定の手段によって読み取りが可能となるものであってもよい。具体的な読み取り手段としては、例えば、赤外光成分を有する照明を記録用紙に照射しつつ、赤外光に感度を有するイメージセンサで記録用紙上の画像を読み取ることができる。
上記の2次元パターンからなる不可視画像は、例えば、特定の記録フォーマットを採用し、暗号鍵の付与、読み取り誤り補正(パリティ)付与等の公知技術を盛り込むことにより、機密性に優れ、かつ高精度/高密度な情報、例えば著作権、本物認識符号、データリンクアドレス、画像デジタル情報登録等をパターン化(エンコード)し、必要に応じ近赤外光領域による光学的読み取り・複合化(デコード)することができる。
(画像形成装置を用いた画像形成方法の具体例)
以下、本実施形態の画像形成方法を、画像形成装置を用いた実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、画像形成装置の一例として、電子写真法により、不可視画像を形成する画像形成装置と、不可視画像と共に可視画像を同時に形成する画像形成装置と、を例に挙げて説明するが、これらの例に限定されるものではない。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を画像出力媒体に転写する転写手段と、を含む。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、一次転写されたトナー画像を画像出力媒体に二次転写する二次転写手段と、を含んでもよい。
図4は、本実施形態の画像形成方法により不可視画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置100は、像保持体101、像保持体の表面を帯電する帯電手段である帯電器102、潜像形成手段である像書き込み装置103、現像手段である現像器104、転写手段である転写ロール105、像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段であるクリーニングブレード106等からなる画像形成手段を備えている。
像保持体101は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像保持体101は、矢印A方向に回転可能に設けられている。帯電器102は、像保持体101を一様に帯電するものである。像書き込み装置103は、帯電器102によって一様に帯電された像保持体101に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
現像器104は、不可視トナーを収容し、この不可視トナーを、像書き込み装置103により静電潜像が形成された像保持体101表面に供給し、現像を行い、像保持体101表面にトナー画像を形成する。転写ロール105は、図示しない用紙搬送手段によって矢印B方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を像保持体101との間で挟持しつつ、像保持体101表面に形成された前記トナー画像を記録用紙に転写するものである。クリーニングブレード106は、転写後に像保持体101表面に残った前記電子写真用トナーをクリーニング(除去)するものである。
次に、画像形成装置100による不可視画像の形成について説明する。まず、像保持体101が回転駆動され、帯電器102によって像保持体101の表面が一様に帯電された(帯電工程)後、この帯電された表面に、像書き込み装置103による像光が照射されて静電潜像が形成される(潜像形成工程)。その後、現像器104によって、該静電潜像が形成された像保持体101表面にトナー画像が形成された(現像工程)後、このトナー画像が転写ロール105によって記録用紙表面に転写される(転写工程)。このとき記録用紙に転写されずに像保持体101表面に残ったトナーは、クリーニングブレード106によりクリーニングされる(クリーニング工程)。こうして記録用紙表面には、視覚的に隠蔽したい付加情報などを表わす不可視画像が形成される。
なお、画像形成装置100によって、記録用紙表面に不可視画像が形成された面に、他の画像形成装置を用いて更に文字、数字、記号、模様、絵、写真画像などの可視画像を記録してもよい。この可視画像を記録する方法は、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷等の一般的印刷手法はもちろんのこと、熱転写記録、インクジェット法、電子写真法等、公知の画像形成技術を任意に選択できる。
ここで、前記可視画像の形成に際しても電子写真法を用いる場合には、不可視/可視画像形成を一貫して実施することにより、生産性・機密管理性に優れた技術を提供できる。この場合の画像形成フローとしては、例えば、画像形成装置100の現像器104に、現像剤に含まれるトナーが不可視トナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーをそれぞれ含む現像剤を、各々収容した画像形成装置を併設し、順次画像出力媒体に重畳記録していく、一般的にタンデム方式と呼ばれる方法を用いることができる。
このように、図4に示す画像形成装置を用いて記録用紙表面に不可視画像を形成したのちに、さらにその上に可視画像を形成することにより、不可視画像を、可視画像と、記録用紙表面との間に埋め込む形で形成することができる。
なお、図4において、トナー画像が転写ロール105によって記録用紙(画像出力媒体の一例)表面に転写される際に、転写されたトナー画像を定着する定着手段により、140℃以上210℃以下、好ましくは160℃以上200℃以下の温度域で加熱定着させる(定着工程)ことが望ましい。
図5は、本実施形態の画像形成方法により不可視画像と共に可視画像を同時に形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置200は、像保持体201、帯電手段である帯電器202、潜像形成手段である像書き込み装置203、現像手段であるロータリ現像装置204、一次転写手段である一次転写ロール205、クリーニング手段であるクリーニングブレード206、画像出力媒体に対し2色以上のトナーを同時に転写させることが可能な中間転写体207、複数(図では3つ)の支持ロール208,209,210、二次転写手段である二次転写ロール211等を備えて構成されている。
像保持体201は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像保持体201は図5の矢印C方向に回転可能に設けられている。帯電器202は、像保持体201を一様に帯電するものである。像書き込み装置203は、帯電器202によって一様に帯電された像保持体201に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
ロータリ現像装置204は、それぞれイエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用、不可視用のトナーを収容する5つ現像器204Y,204M,204C,204K,204Fを有するものである。本装置では、画像形成のための現像剤にトナーを用いることから、現像器204Yにはイエロー色トナー、現像器204Mにはマゼンタ色トナー、現像器204Cにはシアン色トナー、現像器204Kにはブラック色トナー、現像器204Fには不可視トナーがそれぞれ収容されることになる。このロータリ現像装置204は、上記5つの現像器204Y,204M,204C,204K,204Fが順に像保持体201と近接・対向するように回転駆動することにより、それぞれの色に対応する静電潜像にトナーを転移して可視トナー画像及び不可視トナー画像を形成するものである。
ここで、必要とする可視画像に応じて、ロータリ現像装置204内の現像器204F以外の現像器を部分的に除去しても良い。例えば、現像器204Y、現像器204M、現像器204C、現像器204Fといった4つの現像器からなるロータリ現像装置であってもよい。また、可視画像形成用の現像器をレッド、ブルー、グリーン等の所望する色の現像剤を収容した現像器に変換して使用しても良い。
一次転写ロール205は、像保持体201との間で中間転写体207を挟持しつつ、像保持体201表面に形成されたトナー画像(可視トナー画像又は不可視トナー画像)をエンドレスベルト状の中間転写体207の外周面に転写(一次転写)するものである。クリーニングブレード206は、転写後に像保持体201表面に残ったトナーをクリーニング(除去)するものである。中間転写体207は、その内周面を、複数の支持ロール208,209,210によって張架され、矢印D方向及びその逆方向に周回可能に支持されている。二次転写ロール211は、図示しない用紙搬送手段によって矢印E方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を支持ロール210との間で挟持しつつ、中間転写体207外周面に転写されたトナー画像を記録用紙に転写(二次転写)するものである。
画像形成装置200は、順次、像保持体201表面にトナー画像を形成して中間転写体207外周面に重ねて転写するものであり、次のように動作する。すなわち、まず、像保持体201が回転駆動され、帯電器202によって像保持体201の表面が一様に帯電された(帯電工程)後、その像保持体201に像書き込み装置203による像光が照射されて静電潜像が形成される(潜像形成工程)。この静電潜像はイエロー用の現像器204Yによって現像された(現像工程)後、そのトナー画像が一次転写ロール205によって中間転写体207外周面に転写される(一次転写工程)。このとき中間転写体207に転写されずに像保持体201表面に残ったイエロー色トナーは、クリーニングブレード206によりクリーニングされる。また、イエロー色のトナー画像が、外周面に形成された中間転写体207は、該外周面にイエロー色のトナー画像を保持したまま、一旦矢印D方向と逆方向に周回移動し、次のマゼンタ色のトナー画像が、イエロー色のトナー画像の上に積層されて転写される位置に備えられる。
以降、マゼンタ、シアン、ブラックの各色についても、上記同様に帯電器202による帯電、像書き込み装置203による像光の照射、各現像器204M,204C,204Kによるトナー画像の形成、中間転写体207外周面へのトナー画像の転写が順次、繰り返される。
こうして中間転写体207外周面に対する4色のトナー画像の転写が終了すると、これに続いて再び、像保持体201の表面が帯電器202によって一様に帯電された後、像書き込み装置203からの像光の照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、不可視用の現像器204Fによって現像された後、そのトナー画像が一次転写ロール205によって中間転写体207外周面に転写される。これにより、中間転写体207外周面には、4色のトナー画像が重ね合わされたフルカラー像(可視トナー画像)と不可視トナー画像との両方が形成される。このフルカラーの可視トナー画像及び不可視トナー画像は二次転写ロール211により一括して記録用紙に転写される(二次転写工程)。これにより、記録用紙の画像形成面には、フルカラーの可視画像と不可視画像とが混在した記録画像が得られる。また、画像形成装置200を用いた本実施形態の画像形成方法では、前記画像形成面の可視画像と、不可視画像と、が重なる領域においては、不可視画像が、可視画像形成層と、記録用紙表面と、の間に形成される。
なお、図5において、トナー画像が二次転写ロール211によって記録用紙(画像出力媒体の一例)表面に転写された後に、転写されたトナー画像を定着する定着手段により、140℃以上210℃以下、好ましくは160℃以上200℃以下の温度域で加熱定着させる(定着工程)ことが望ましい。定着温度域が210℃を超える場合には、主たるカラー画像の画質が維持できなくなる場合がある。すなわち降温オフセットを発生させることで、画像表面が荒れてしまい、もしくは画像自体が欠損し、画質に対する要求を満たすことが出来なくなる場合がある。また140℃未満であると、不可視トナー粒子の定着性強度が低下してしまい、不可視画像の乱れや欠落を発生させ、不可視情報の正確な読み取りが出来なくなってしまう場合がある。
加熱定着温度を上記温度域に制御することで、主たる可視化画像であるカラー画像において高画質を維持しつつ、不可視情報を付与する画像の目視による視認を抑制することが可能となる。
本実施形態に係る電子写真用トナーセット及び電子写真用現像剤セットを用いることで、画像形成装置100あるいは画像形成装置200等のような画像形成装置において、カラートナー及び不可視トナーについて転写条件によりにくい各々に最適な画像を形成することができる。
また、本実施形態における画像形成方法及び画像形成装置200において、上記電子写真用現像剤セットを用いて、像保持体201の周速をC、中間転写体207の周速をDとしたとき、その周速比が下記式(3)を満たす条件で一次転写を行うことが好ましい。
0.97≦C/D≦0.99 (3)
C/Dの値が0.99より大きい場合は、画像自体の転写性が低下してしまい、特に細線やドットの欠損や像中抜けなどを誘発させ易くなる。また0.97より小さい場合には、像保持体201と中間転写体207との周速差が大きくなりすぎることで、転写が不安定になり像乱れを誘発させ易く、不可視画像自体の転写時の変形や、その上層に来るカラー画像により不可視画像が乱されるといったトラブルが発生する。さらに当然ながら、カラー画像自体の乱れも懸念される。
図5に示す画像形成装置200を用いた本実施形態の画像形成方法では、図4に示す画像形成装置100を用いた本実施形態の画像形成方法と同様の効果に加えて、記録用紙表面に、フルカラーの可視画像の形成と、不可視画像の形成による付加情報の埋め込みと、を同時に行うことができるという効果が得られる。
また、画像出力媒体上に形成されたトナー画像の最下層が近赤外光吸収材料を含む不可視トナー粒子による画像であること、すなわち、フルカラーの可視画像と記録用紙表面との間に不可視画像を形成することにより、不可視画像が記録用紙表面と接した状態になる。これにより、既述した不可視画像の存在の有無による光沢差が、目視検知でき、これにより例えば、機密文書等においては偽造抑止効果等を付与することができる。
さらに、画像形成時における不可視画像の解像度と、可視画像の解像度と、を異なるものとすることにより、例えば、不可視画像の読み取り後のデータ処理として、可視画像の解像度に対応する周波数成分をカットするフィルタ処理を行うことにより、不可視画像に起因する信号(データ)と、可視画像に起因するノイズ信号と、を効率良く分離して、不可視画像の判読を容易にすることができる。ちなみに、画像形成時の解像度は、例えば像書き込み装置203による静電潜像の書き込み周波数を制御することにより調整することができる。
本実施形態に係る電子写真用トナーセット及び電子写真用現像剤セットによれば、画像出力媒体表面に不可視画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、不可視情報を高密度に記録でき、且つ不可視画像の赤外光照射による機械読み取り・復号化処理が長期間にわたり安定であって、さらに、不可視画像は、画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができ、特に、目視の際においては媒体との光沢差がほとんど無いことから不可視情報の存在が認識されることなく不可視情報を付与させることができる。また、偽造抑止効果等が発揮可能な不可視画像を得ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<粒度分布測定方法>
粒度分布測定について述べる。測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。測定法としては分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の5%水溶液2mL中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150mL中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、アパーチャ径として100μmアパーチャを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求めた。測定する粒子数は50000とした。
以上の結果を用い、トナー(トナー粒子)の粒度分布は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる体積平均粒径をD16と定義し、累積50%となる体積平均粒径をD50と定義する。さらに累積84%となる体積平均粒径をD84と定義する。ここで、体積平均粒径は該D50であり、体積平均粒度分布指標GSDは以下の式によって算出した。
GSD={(D84/D16)0.5
また、測定する粒子が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mLにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から体積累積分布を描き、上記と同様にしてGSDを算出した。
<不可視トナー粒子及び現像剤の製造>
実施例における不可視トナーは、以下の如き方法にて得た。
(不可視トナーの作製に用いた近赤外光吸収材料)
不可視トナーの作製に用いた近赤外光吸収材料としては、下記の3種の内より選択して用いた。
近赤外光吸収材料(1)前記構造式(b)に記載のナフタロシアニン系化合物(バナジルナフタロシアニン:構造式(b)中、Metはバナジウム(VO)、A〜Aは水素原子(H)、Y〜Y16は水素原子(H))
近赤外光吸収材料(2)前記構造式(c)に記載のアミニウム系化合物(構造式(c)中、Rはメチル基(CH)、Xは塩素(Cl))
近赤外光吸収材料(3)CuO:38.1重量部、Al:5重量部、P:53.5重量部、KO:3.6重量部を含むガラスを熱処理により結晶化し、粒径が0.05μm以上0.3μm以下程度になるまで機械的に粉砕した銅燐酸結晶化ガラス
(不可視トナー粒子用結着樹脂の調整)
スチレン 328重量部
n−ブチルアクリレート 72重量部
アクリル酸 8重量部
以上の成分を混合溶解したものにアゾビスバレロニトリル4重量部を溶解させ、次いで窒素雰囲気下、温度70℃で溶液重合を行い、スチレン−アクリル樹脂である不可視トナー用結着樹脂を得た。
(不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1の調整)
不可視トナー粒子用結着樹脂 55重量部
近赤外光吸収材料(1) 40重量部
離型剤(長鎖直鎖脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールのエステル:ベベン酸ステアリル) 5重量部
上記成分よりなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機:エルボージェットEJ−LABO(日鉄鉱業社製)により細粒と粗粒とを分級し、体積平均粒度分布指標GSDが1.20の粒子を得た。次に外部添加剤として、シリカ粒子(体積平均粒径40nm)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100重量部に対して外部添加することにより、不可視トナー粒子1を得た。該不可視トナー粒子8重量部及びMnMgフェライト粒子100重量部に共重合比が25/75であるスチレン・ブチルメタアクリレート共重合体10重量部がコーティングされたキャリア粒子100重量部をV型ブレンダーで混合処理し、不可視画像用現像剤1を得た。
(不可視トナー粒子2及び不可視画像用現像剤2の調整)
不可視トナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.12に調整した以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、不可視トナー粒子2及び不可視画像用現像剤2を得た。
(不可視トナー粒子3及び不可視画像用現像剤3の調整)
不可視トナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.25に調整した以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、不可視トナー粒子3及び不可視画像用現像剤3を得た。
(不可視トナー粒子4及び不可視画像用現像剤4の調整)
不可視トナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.31に調整した以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、不可視トナー粒子4及び不可視画像用現像剤4を得た。
(不可視トナー粒子5及び不可視画像用現像剤5の調整)
不可視トナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.17に調整した以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、不可視トナー粒子5及び不可視画像用現像剤5を得た。
(不可視トナー粒子6及び不可視画像用現像剤6の調整)
不可視トナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.09に調整した以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、不可視トナー粒子6及び不可視画像用現像剤6を得た。
(不可視トナー粒子7及び不可視画像用現像剤7の調整)
不可視トナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.26に調整した以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、不可視トナー粒子7及び不可視画像用現像剤7を得た。
(不可視トナー粒子8及び不可視画像用現像剤8の調整)
近赤外光吸収材料(2)を用いた以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、体積平均粒度分布指標GSDが1.20の不可視トナー粒子8及び不可視画像用現像剤8を得た。
(不可視トナー粒子9及び不可視画像用現像剤9の調整)
近赤外光吸収材料(3)を用いた以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、粒度分布GSDが1.20の不可視トナー粒子9及び不可視画像用現像剤9を得た。
<カラートナー粒子及び現像剤の製造>
実施例におけるカラートナーは、以下の如き方法にて得た。
(カラートナー粒子用結着樹脂の調整)
イソフタル酸 101重量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 180重量部
ジブチル錫オキサイド 5.4重量部
以上の成分をフラスコに投入し、窒素雰囲気下、温度230℃で脱水縮合反応を行い、ポリエステル樹脂であるカラートナー粒子用結着樹脂を得た。
(カラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1の調整)
カラートナー粒子用結着樹脂 65重量部
C.I.ピグメントブルー15:3(大日本インキ化学社製) 30重量部
離型剤(長鎖直鎖脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールのエステル:ベベン酸ステアリル) 5重量部
上記材料を用いた以外は不可視トナー粒子1及び不可視画像用現像剤1と同様にして、体積平均粒度分布指標GSDが1.33であるカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1を得た。
(カラートナー粒子2及びカラー画像用現像剤2の調整)
カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.47に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子2及びカラー画像用現像剤2を得た。
(カラートナー粒子3及びカラー画像用現像剤3の調整)
カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.24に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子3及びカラー画像用現像剤3を得た。
(カラートナー粒子4及びカラー画像用現像剤4の調整)
カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.29に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子4及びカラー画像用現像剤4を得た。
(カラートナー粒子5及びカラー画像用現像剤5の調整)
カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.39に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子5及びカラー画像用現像剤5を得た。
(カラートナー粒子6及びカラー画像用現像剤6の調整)
カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.56に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子6及びカラー画像用現像剤6を得た。
(カラートナー粒子7及びカラー画像用現像剤7の調整)
着色剤としてC.I.ピグメントイエロー12を用い、カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.32に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子7及びカラー画像用現像剤7を得た。
(カラートナー粒子8及びカラー画像用現像剤8の調整)
着色剤としてC.I.ピグメントレッド122(大日精化社製)を用い、カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.30に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子8及びカラー画像用現像剤8を得た。
(カラートナー粒子9及びカラー画像用現像剤9の調整)
着色剤としてカーボンブラック(リーガル330、キャボット社製)10重量部を用い、カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標GSDを分級によって1.31に調整した以外はカラートナー粒子1及びカラー画像用現像剤1と同様にして、カラートナー粒子9及びカラー画像用現像剤9を得た。
<実施例1>
カラー画像用現像剤1及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いて、以下のように画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
(画像形成装置による画像形成)
作製した電子写真用現像剤セットによる画像形成テストには、画像形成装置として、富士ゼロックス社製のDocuCentre−II C3300改造機を用いた。この画像形成装置は中間転写体を有しており、該中間転写体に当接する位置にある感光体の周速Cを109mm/secになるよう調整した。また、中間転写体の周速Dを111mm/secに調整した。すなわち、C/D=0.98とした。なお、不可視画像用現像剤はブラック用現像器に充填し、またカラー画像用現像剤はシアン用現像器に充填して画像形成を行った。また、画像形成テストに用いた画像出力媒体としては、A4サイズ白色紙(富士ゼロックス社製、J紙(V507)幅:210mm、長さ:297mm)を使用した。
(画像形成及び画像サンプルの作成)
上記の現像剤を用いて、画像形成装置により画像出力媒体表面に画像形成して得られた記録物は、その画像形成面に可視画像および不可視画像が同時或いは任意に形成され、該可視化画像は4cm×4cmのソリッド画像が連なるものとし、一方、不可視画像は、図1に示したような回転角度が異なる2種の微小ラインビットマップで形成される機械読み取り・復号化可能な2次元パターンからなるものとした。
(品質評価)
[不可視画像の転写効率]
不可視画像の転写効率の評価は、中間転写体上に現像された不可視トナーの重量と画像出力媒体に転写された不可視トナーの重量の比によって求めた。不可視画像のみを現像させ、中間転写体上の不可視トナー画像を、テープ表面の粘着性を利用して転写し、その重量(W1)を測定した。次に、同様の不可視トナー画像を画像出力媒体表面に転写させ、その転写画像の重量(W2)を測定した。これらより、下記式により転写効率を求め、転写性を評価した。評価を行った結果を表1に記載する。
転写効率(%)=(W2/W1)×100
転写性(転写効率)の評価基準は以下の通りとした。
◎:転写効率が95%以上
○:転写効率が90%以上95%未満
△:転写効率が85%以上90%未満
×:転写効率が85%未満
[不可視情報復元率]
不可視情報復元率の評価は、前述の可視化画像及び不可視画像が同時に出力された記録物の画像形成面を、該画像形成面のほぼ真上10cmのところに設置した近赤外の波長域の光も照射するリング状LED光源(京都電気製、LEB−3012CE)にて照射した。この状態で、画像形成面のほぼ真上15cmのところに設置した、800nm以下の波長成分をカットするフィルタをレンズ部に装着した800nm以上900nm以下の波長域に受光感度を有するCCDカメラ(KEYENCE製、CCD TL−C2)によって、前記画像形成面を読み取り、一定のコントラスト(閾値)を境界として2値化処理することにより不可視画像を抽出し、これをソフトウエアで復号化処理し、著作権情報が正確に復元できるかどうかを評価した。そして、この評価は500回実施した際に、情報が正確に復元できた回数を、不可視情報復元率(%)として表1に示した。なお、不可視情報復元率(%)が85%以上であれば、実用上問題無いレベルとした。
<実施例2>
カラー画像用現像剤2及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
カラー画像用現像剤4及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
カラー画像用現像剤3及び不可視画像用現像剤2を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例5>
カラー画像用現像剤5及び不可視画像用現像剤3を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例6>
中間転写体の周速Dを112mm/secに調整し、C/D=0.97とした以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例7>
中間転写体の周速Dを110mm/secに調整し、C/D=0.99とした以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例8>
カラー画像用現像剤1及び不可視画像用現像剤8を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例9>
カラー画像用現像剤1及び不可視画像用現像剤9を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例10>
カラー画像用現像剤7及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例11>
カラー画像用現像剤8及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例12>
カラー画像用現像剤9及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例13>
カラー画像用現像剤4及び不可視画像用現像剤5を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例14>
カラー画像用現像剤5及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例15>
中間転写体の周速Dを109mm/secに調整し、C/D=1.00とした以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例16>
中間転写体の周速Dを115mm/secに調整し、C/D=0.95とした以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
カラー画像用現像剤3及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例2>
カラー画像用現像剤6及び不可視画像用現像剤1を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例3>
カラー画像用現像剤2及び不可視画像用現像剤4を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例4>
カラー画像用現像剤3及び不可視画像用現像剤6を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例5>
カラー画像用現像剤2及び不可視画像用現像剤7を組み合わせた電子写真用現像剤セットを用いた以外は実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004941014
Figure 0004941014
このように、実施例1〜16の電子写真用現像剤セットを用いることにより、カラートナー及び不可視トナーについて転写条件によりにくい各々に最適な画像を形成することができ、かつ、不可視情報復元率が高い不可視画像を形成することができた。
本発明の実施形態に係る画像形成方法により形成される2次元パターンからなる不可視画像形成部の、通常の画像(目視で見た場合)、赤外光照射により認識した場合の拡大図、及び、該拡大図を機械読み取りによりデジタル情報に復号変換した後のビット情報イメージとして捉えた場合の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る画像形成方法により、画像出力媒体表面に不可視画像と共に可視画像が形成された記録物を、該記録物の紙面のほぼ垂直方向(正面)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。 本発明の実施形態に係る画像形成方法により、図2に示す記録物を、該記録物の紙面の垂直方向からずれた位置(斜め)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の他の構成例を示す概略図である。
符号の説明
11 不可視画像、12 画像出力媒体、13 拡大部分、14 微小ライン単位、15 ビット情報イメージ、21 記録物、22 不可視画像、100 画像形成装置、101 像保持体、102 帯電器、103 像書き込み装置、104 現像器、105 転写ロール、106 クリーニングブレード、200 画像形成装置、201 像保持体、202 帯電器、203 像書き込み装置、204 ロータリ現像器、204Y イエロー用現像器、204M マゼンタ用現像器、204C シアン用現像器、204K ブラック用現像器、204F 不可視用現像器、205 一次転写ロール、206 クリーニングブレード、207 中間転写体、208,209,210 支持ロール、211 二次転写ロール。

Claims (2)

  1. 像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記現像されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写工程と、前記一次転写されたトナー画像を画像出力媒体に二次転写する二次転写工程と、を含み、
    子写真用現像剤セットを用いて、前記像保持体の周速をC、前記中間転写体の周速をDとしたとき、その周速比が下記式(3)を満たす条件で前記一次転写を行い、
    前記電子写真用現像剤セットが、
    キャリアと、結着樹脂及び着色剤を含み、外添剤としてシリカ粒子を含むカラートナー粒子とを含むカラー画像用現像剤と、
    キャリアと、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、外添剤としてシリカ粒子を含む不可視トナー粒子とを含む不可視画像用現像剤と、
    を含有し、
    前記カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標をGSD 、前記不可視トナーの体積平均粒度分布指標をGSD としたとき、下記式(1)及び(2)の関係を満たし、
    前記カラートナー粒子及び不可視トナー粒子はそれぞれ、結着樹脂を着色剤とともに混練、粉砕し、分級することによって得られたものであることを特徴とする画像形成方法。
    1.10≦GSD ≦1.25 (1)
    0.80≦(GSD /GSD )≦0.95 (2)
    0.97≦C/D≦0.99 (3)
  2. 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、前記一次転写されたトナー画像を画像出力媒体に二次転写する二次転写手段と、を含み、
    子写真用現像剤セットを用いて、前記像保持体の周速をC、前記中間転写体の周速をDとしたとき、その周速比が下記式(3)を満たす条件で前記一次転写が行われ
    前記電子写真用現像剤セットが、
    キャリアと、結着樹脂及び着色剤を含み、外添剤としてシリカ粒子を含むカラートナー粒子とを含むカラー画像用現像剤と、
    キャリアと、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、外添剤としてシリカ粒子を含む不可視トナー粒子とを含む不可視画像用現像剤と、
    を含有し、
    前記カラートナー粒子の体積平均粒度分布指標をGSD 、前記不可視トナーの体積平均粒度分布指標をGSD としたとき、下記式(1)及び(2)の関係を満たし、
    前記カラートナー粒子及び不可視トナー粒子はそれぞれ、結着樹脂を着色剤とともに混練、粉砕し、分級することによって得られたものであることを特徴とする画像形成装置。
    1.10≦GSD ≦1.25 (1)
    0.80≦(GSD /GSD )≦0.95 (2)
    0.97≦C/D≦0.99 (3)
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