JP2007219103A - 電子写真用トナー、電子写真用現像剤および画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、電子写真用現像剤および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光定着方式による画像形成が良好な電子写真用トナーおよび電子写真用現像剤、並びに、画像形成方法を提供する。
【解決手段】結着樹脂、およびその光吸収領域が800から1200nmの範囲に存在する金属ナノロッドを必須構成成分として含有し、前記金属ナノロッドの材質が金または金と他金属の合金、金と他金属の混合物、白金、白金と他金属の合金、白金と他金属の混合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、その長軸径が300nm以下、アスペクト比が3〜15の範囲であり、前記トナー中に、その最大吸光値の波長が50nm以上異なる複数種の金属ナノロットが含有されている電子写真用トナー、前記電子写真トナーを用いる電子写真現像剤および前記電子写真トナーを用いる電子写真方式の画像形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は画像形成用トナーに関し、さらに詳しく述べると、光定着方式を採用した画像形成方法において好適なカラートナーおよび偽造防止等の判別に用いる不可視トナーに関する。
本発明は、また、このような画像形成用カラートナーおよび不可視トナーを使用した画像形成方法及び画像形成装置に関する。
従来、複写機、プリンタ、印刷機などで広く普及している電子写真方式による画像形成方法は、一般的には、例えば感光体ドラムなどのような光導電性絶縁体の表面に正又は負の均一な静電荷を与えることから出発する。このような一様帯電工程の後、様々な手段によって光導電性絶縁体に光像を照射することによってその絶縁体上の静電荷を部分的に消去して静電潜像を形成する。例えば、レーザ光を照射して、特定部分の表面電荷を消去することにより、画像情報に応じた静電潜像を光導電性絶縁体上に形成することができる。次いで、光導電性絶縁体上の静電荷の残った潜像部分にトナーと呼ばれる現像剤の微粉体を付着させ、潜像を可視化する。最後に、このようにして得られたトナー像を、印刷物となすため、一般的に、記録紙などの記録媒体に静電的に転写し、定着する。
一方、イオノグラフィーによる画像形成方法は、静電体皮膜を有する支持体ドラムを静電荷像担持用誘電体部材として用い、イオン(荷電粒子)発生手段によってイオンを発生させ、そのイオンによって誘電体部材表面に静電荷像を形成し、形成された静電荷像をトナーによって現像し、可視化する。最後に、得られたトナー像を、上記した電子写真方式と同様に、転写及び定着の工程に供して印刷物を得る。
上記したような画像形成方法において、定着工程は、共通な技法を使用して行われる。転写後のトナー像の定着には、加圧、加熱あるいはこれらを併用した方法によってトナーを溶融させた後に固化定着させる方法、もしくは光エネルギーを照射してトナーを溶融させた後に固化定着させる方法などがあるが、加圧や加熱による弊害のない光を利用した光定着法(フラッシュ定着法とも呼ばれる)が以下の観点から注目を集めている。
(1)非接触定着であるため、定着過程で画像のニジミ、チリなどが発生せず、解像度を劣化させない。
(2)装置電源投入後の待ち時間がなく、クイックスタートが可能である。
(3)システムダウンにより定着器内に記録紙がつまっても過剰な発熱を生じない。
(4)のり付き紙、プレプリント紙、厚さの異なる紙等、記録紙の材質や厚さに関係なく定着が可能である。
さらに詳しく説明すると、光定着法においてトナーが記録紙に定着する過程は次の通りである。
転写工程で、トナー像が感光体ドラム等から記録用紙上に転写される。この時点では、トナーは粉像のまま記録紙に付着して画像を形成しており、例えば指で擦れば画像は崩れる状態である。次いで、記録紙上のトナー粉像に、例えばキセノンフラッシュ等の閃光を照射する。すると、トナーは閃光の光エネルギーを吸収、昇温して軟化し、記録紙に密着する。閃光照射後に温度が低下すると、トナー像は固化し、定着トナー像が完成する。
ここで重要なのは、記録紙の折り曲げや、擦り等により、定着トナー像が記録紙から剥離し、画質の劣化が引き起こされること、いわゆる定着不良を防止することである。この目的で、トナーの光吸収能力を高め、定着時にトナーの溶融を促進し、トナーが充分に用紙に浸透して、強固に定着されるよう設計する必要が有る。
光定着法に一般的に用いられるキセノンフラッシュランプは、紫外から赤外まで広い領域に渡って発光分布を有し、特に発光強度が強いのは800〜1000nmの近赤外線領域であるので、定着性能が高いトナーの開発のためには、この領域の光エネルギーを効率よく吸収する技術の確立が求められている。特に、近年カラー印刷物の需要が高まっているが、カラートナーに用いられる着色剤は可視光領域の吸収はあるものの、近赤外線領域での光吸収効率は低く、光定着方式で良好な定着性が得られるカラートナーの実用化が求められている。
一方、黒色トナーにおいては、着色剤である黒色色剤が近赤外線領域をも比較的良く吸収することから、光定着システムを採用した電子写真装置として既に実用化されているものの、近年の省エネ対応への要求の高まりに対応するため、更なる吸収効率の向上が望まれている。
これらの要求に対し、赤外線吸収剤をカラートナーに添加することで定着性の向上を図ることが提案され、以下に列挙するように、関連の特許公報も多数、公開されている:例えば、特許文献1から特許文献21参照。例えば、特許文献12,15,21などには、近赤外領域に光吸収能力を有する化合物、例えばアミニウム塩、酸化インジウム系金属酸化物、酸化スズ系金属酸化物、酸化亜鉛系金属酸化物、スズ酸カドミウム、特定のアミド化合物等を赤外線吸収剤としてトナー中に含有させることでフラッシュ光吸収能力を高めることが開示されている。すなわち、これらの公開特許公報においては、赤外領域の光を吸収する材料を赤外線吸収剤としてトナーに添加することで、カラー化と光定着性を両立しようとしている。しかし、提案されている赤外線吸収剤のいずれもが、十分な定着性をもたらすことができないという問題を依然として有している。また、光定着性を満足させるためにはカラートナー中にこれらの赤外線吸収剤を多量に添加する必要があり、
(i)トナーの帯電性に悪影響を与える
(ii)トナー色相に悪影響を与える
(iii)トナーコストの上昇を招くなどの問題があり、必ずしも要求を満足できるとは限らない。
一方、画像中に付加情報を重畳して埋め込む付加データ埋め込むことにより、静止画像等のデジタル著作物の著作権保護、不正コピー防止に利用する技術分野が、近年、注目を集めている。
付加データ埋め込み技術をデジタル著作物に利用する場合、著作権IDやユーザーID等の付加データを、視覚的に目立たないように埋め込んだ画像データを流通させる。有価証券等の偽造を防止するために、様々な対策がカラー画像形成装置に盛り込まれている。 その手法の一つとして、コピーやプリントアウトに使用した画像形成装置を特定するために、画像上に目視で認識しずらい画像形成装置固有の記号を一定の変調量で画像情報に重畳させる技術がある。
この技術を用いた場合は、仮に、その画像形成装置を用いて有価証券の偽造が行われても、この偽造物の画像を、特定の波長域が抽出可能な読み取り装置により読み取って上記画像形成装置固有の記号を判読することができる。従って、この記号の判読により偽造に使われた画像形成装置を特定できるため、偽造者を追跡するための有効な手がかりが得られる。
しかしながら、上記技術においては、画像形成装置の階調特性によっては、低濃度域で画像形成装置特有の記号を重畳しても、それが画像濃度に反映されずに判読不可になったり、階調が硬調な濃度域では、重畳した画像形成装置固有の記号が目視で容易に認識されたりするという問題があった。
このような事情から、視覚的に目立たないように付加情報を埋め込む技術として、例えば、特許文献22から特許文献24に記載された技術が知られている。
これらの公報に記載された技術は、各波長領域で、分光反射特性のピークが異なる記録材料を用いて、所定のパターンを記録する手法を用いるもので、例えば、記録紙などの媒体上に、赤外線吸収性剤を含有する着色領域(通常、「不可視トナー」より形成される)と赤外線反射剤からなる着色領域(通常、「可視トナー」より形成される)とを並列又は重ねて形成し、着色領域の少なくとも一方が文字、数字、記号、模様などの画像であり、かつ上記2種の着色領域が肉眼で実質的に判別不能又は判別困難となるよう画像を記録するものである。
即ち、前記不可視トナーとは、特定な波長領域の光を用いて解読するためのトナーで、紙などの記録媒体上にトナー画像として定着した場合、該不可視トナー単独で画像形成に供せられる場合は目視で画像認識ができず、該不可視トナーが可視トナーとともに画像形成に供せられる場合は、該不可視トナー単独で目視により画像認識できても、できなくともよく、かつ、特定な波長領域の光を用いて解読することにより、目視で画像認識した際の画像情報とは異なる新たな画像情報を得る画像パターンを形成することのできるトナーを指す(例えば目視で確認できる画像情報の中に、赤外線吸収パターン等で形成された「バーコード」の様な特定の情報に変換可能な画像を埋め込む事に使用するトナー)。
不可視トナーは、不可視トナー単独で画像形成に供せられる場合、一般的に着色剤を含有しないが、肉眼で実質的に判別不能又は判別困難なレベルであれば着色剤を添加することも可能である。
また有彩色の媒体に対して描画に用いられる場合や、同色調の可視トナーと共に画像形成に供せられる場合においては、同系統の色相の着色剤を含む事により不可視性が付与されるので、意図的に着色剤を添加する場合もある。
しかしながら、従来の不可視画像を形成する技術、特に赤外光領域での分光反射特性差を活用する不可視画像を形成するトナー等の記録材料に関する技術においては、充分な材料検討がなされていなかったため、トナー中に存在する赤外光吸収剤の添加量を目視で判別不能又は判別困難な状態となる様に設定すると、赤外光照射等の手段で分光反射特性差を検知、読み取りする場合に十分な精度が得られず、一方、赤外光照射等で充分な分光反射特性差を検知できる様にトナー中に存在する赤外光吸収剤の添加量を設定すると、赤外光吸収剤が完全に無色透明な物質でない為に着色が起こり、本来、不可視であるべき画像が肉眼で判別できる様になってしまう等の諸問題が発生する場合があった。
なお、不可視トナーと光定着用カラートナーは、赤外光吸収剤を添加する目的については、前記の如く異なるものの、その構成は基本的には類似するものであるため、以下、本発明における光定着用カラートナー及び不可視トナー(以下、これらを併せて単に「トナー」という場合がある)を併せて説明する。
なお、本発明の不可視トナーには、電子写真法印刷の定着法として常用されている定着法は何れも使用でき、例えばヒートロール定着法により定着される不可視トナーや光定着される不可視トナーも含まれる。
特開昭60−63545号公報 特開昭60−63546号公報 特開昭60−57858号公報 特開昭60−57857号公報 特開昭58−102248号公報 特開昭58−102247号公報 特開昭60−131544号公報 特開昭60−133460号公報 特開昭61−132959号公報 国際公開第99/13382号パンフレット 特開2000−147824号公報 特開平7−191492号公報 特開2000−155439号公報 特開平6−348056号公報 特開平10−39535号公報 特開2000−35689号公報 特開平11−38666号公報 特開平11−125930号公報 特開平11−125928号公報 特開平11−125929号公報 特開平11−65167号公報 特開平6−113115号公報 特開平6−171198号公報 特開平6−122266号公報
本発明は、上述のような従来の技術の実情に鑑みなされたもので、光定着カラートナーとしての目的は、画像定着方式として光定着方式を使用できるとともに、カラートナーの定着性が良好であり、帯電安定化による長寿命化及び環境安定化が可能な画像形成用カラートナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、また、画像定着方式として光定着方式を使用でき、良好なカラートナー定着性に加えて、使用する赤外線吸収剤の影響に起因する帯電量変動が少なく、長期にわたって安定した帯電、現像特性を維持でき、かつ赤外線吸収剤による色相への影響が少ない画像形成用カラートナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することにある。
また、不可視トナーとしての目的は、画像出力媒体表面に、不可視画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、(a)赤外光照射により機械読み取り・複号化処理が長期間にわたり安定して可能で、情報が高密度に記録できる不可視画像と、(b)前記画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができる不可視画像と、(c)目視した際に光沢差により認識でき、偽造抑止効果等が発揮できる不可視画像と、を得ることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)結着樹脂、およびその光吸収領域が800から1200nmの範囲に存在する金属ナノロッドを必須構成成分として含有することを特徴とする電子写真用トナー。
(2)前記金属ナノロッドの材質が金または金と他金属の合金、金と他金属の混合物、白金、白金と他金属の合金、白金と他金属の混合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、その長軸径が300nm以下、アスペクト比が3〜15の範囲である上記(1)に記載の電子写真用トナー。
(3)前記トナー中に、その最大吸光値の波長が50nm以上異なる複数種の金属ナノロットが含有されている上記(1)または(2)に記載の電子写真用トナー。
(4)前記トナー中に含まれる金属ナノロッドの表面が、有機保護膜でコーティングされている上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
(5)前記トナー中に含まれる金属ナノロッドの添加量が0.3〜0.8重量%である不可視画像の形成に供される(1)から(4)のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
(6)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の電子写真用トナーが光定着方式を採用した画像形成方法において用いられるものであって、前記電子写真用トナーが必須構成成分として有彩色着色剤を含有する電子写真用トナー。
(7)上記(1)から(4)および(6)のいずれか1つに記載の電子写真用トナーの中に含まれる金属ナノロッドの添加量が0.4〜10.0重量%であり、フラッシュ定着法により定着を行うことを特徴とする電子写真用トナー。
(8)キャリアとトナーとを含有する電子写真用現像剤において、前記トナーが上記(1)から(4)、(6)、(7)のいずれか1つに記載の電子写真用トナーである電子写真用現像剤。
(9)静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、転写体上のトナー画像を被定着シート上に転写する工程と、前記トナー画像を光定着する工程とを有する画像形成方法において、前記現像剤として、上記(8)に記載の現像剤を用いる画像形成方法。
(10)キャリアとトナーとを含有する電子写真用現像剤において、前記トナーが上記(5)に記載の電子写真用トナーである電子写真用現像剤。
(11)静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、転写体上のトナー画像を被定着シート上に転写する工程と、前記トナー画像を光定着する工程とを有する画像形成方法において、前記現像剤として、上記(10)に記載の現像剤を用いる画像形成方法。
(12)静電荷像担持体上に静電潜像を形成する手段と、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、前記トナー画像を転写体上に転写する手段と、転写体上のトナー画像を被定着シート上に転写する手段と、前記トナー画像を光定着する手段とを有する画像形成装置において、前記現像剤が上記(8)または(10)に記載の電子写真用現像剤である画像形成装置。
以上に説明したように、本発明によれば、以下の2つの特徴、
(1)画像定着方式として光定着方式を使用できる、
(2)該トナーで形成された画像が、赤外光照射等で読取り可能となり、かつ可視画像の画質を損なうことない不可視画像を形成することができる、
を有するトナーを提供することことが可能となる。
なお、以下に更に詳細に説明すると、(1)画像定着方式として光定着方式を使用できる事に関しては、以下の利点を有する;定着工程で画像のニジミやチリなどが発生せず、画像解像度(再現性)の劣化も防止できる。また、熱源などにより加熱する必要がないことから、クイックスタートが可能である。さらに、高温熱源を必要としないことから、装置内の温度上昇を適切に回避でき、またシステムダウンにより定着器内において記録紙詰まりが生じた場合などであっても、熱源からの熱によって記録紙が発火してしまうこともない。さらに、のり付き紙、プレプリント紙、厚さの異なる紙など、記録紙の材質や厚さに関係なく定着が可能である。
また、光定着方式を使用した場合おいても、定着性が良好であり、帯電安定化による長寿命化及び環境安定化が可能な画像形成用カラートナーを提供することができる。
さらに、使用する赤外線吸収剤による帯電量変動が少なく、長期にわたって安定した帯電、現像特性を維持でき、かつ赤外線吸収剤による色相への影響が少ない画像形成用トナーも提供することができる。
さらに加えて、帯電安定化による長寿命化及び環境安定化が可能な画像形成方法を提供することができる。
また、本発明によれば、光定着方式に基づく画像定着装置を使用できるとともに、トナーの定着性が良好であり、帯電安定化による長寿命化及び環境安定化が可能な画像形成装置も提供するができる。
次に、(2)該トナーで形成された画像が、赤外光照射等で読取り可能となり、かつ可視画像の画質を損なうことない不可視画像を形成することができる事に関しては、以下の利点を有する;
画像媒体表面に、不可視画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、(a)赤外光照射により機械読み取り・複号化処理が長期間にわたり安定して可能で、情報が高密度に記録できる不可視画像と、(b)前記画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができる不可視画像と、(c)目視した際に光沢差により認識でき、偽造抑止効果等が発揮できる不可視画像と、を得ることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法、画像形成装置も提供するができる。
また、帯電安定化による長寿命化及び環境安定化が可能な不可視トナーを提供することができる。
さらに、使用する赤外線吸収剤による帯電量変動が少なく、長期にわたって安定した帯電、現像特性を維持でき、かつ赤外線吸収剤による色相への影響が少ない不可視トナーも提供することができる。
さらに加えて、帯電安定化による長寿命化及び環境安定化が可能な画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明のトナーおよび画像形成方法、画像形成装置を詳細に説明する。
本発明によるトナーは、基本的に、様々な画像形成方法及び装置のいずれにおいても現像剤として有利に使用することができる。本発明のカラートナーは、典型的には、エレクトログラフィー、エレクトロフォトグラフィー、イオノグラフィーなどを利用した各種の画像形成方法及び装置、例えば電子写真複写機、電子写真ファクシミリ、電子写真プリンタ、静電印刷機などにおいて有利に使用することができる。なお、以下においては、本発明を最も有利に実施できる電子写真プロセスを参照して本発明を説明するが、本発明は、以下に記載のような特定の電子写真プロセスにのみ限定されるものではないということを理解されたい。また、本発明で「カラートナー」といった場合、それには黒色トナーも含まれるということも理解されたい。
また、本発明のトナーを光定着トナーとして供する場合は、少なくとも定着方式の一環として、光定着方式を採用している画像形成方法及び装置において供されるものであることを理解されたい。
電子写真プロセスでは、上記したように、例えば感光体ドラムなどのような光導電性絶縁体の表面に静電荷を与え、さらにこれに光像を照射することによって静電潜像を形成する。次いで、光導電性絶縁体上の潜像部分にトナーからなる現像剤を付着させ、潜像を可視化する。その後、得られたトナー像を記録紙などの記録媒体に静電的に転写し、さらにこれを定着する。なお、光定着方式を採用する画像形成方法及び装置においては、以下において詳細に説明するように、光エネルギーを照射してトナーを溶融させた後に固化定着させる光定着法を採用する。
本発明は、その1つの面において、かかる電子写真プロセスやその他の画像形成プロセスの現像工程で現像剤として使用されるトナーにある。
まず、本発明の実施において採用される現像方法は、特に限定されるものではなく、その都度好適な現像方法を選択し、採用することができる。すなわち、本発明では、その都度、本発明のトナーに求められる必須の条件を満足させつつ、それぞれの現像方法に最適な現像剤を調製し、使用することができる。本発明において採用可能な現像方法は、したがって、この技術分野において広く使用されている二成分現像方式及び一成分現像方式、およびこれら方式より派生した1.5成分現像方式等など既存の現像方式を包含する。
二成分現像方式は、トナー粒子と、マグネタイト、フェライト、鉄粉、ガラスビーズ等あるいはそれらの樹脂被覆物からなるキャリア粒子とを接触させ、摩擦帯電を利用してキャリアにトナーを付着させ、さらにこのトナーを潜像部分に案内して現像を行う方法である。すなわち、この方式の場合、トナーとキャリアを組み合わせて現像剤を構成する。なお、キャリア粒子の体積平均粒径は、通常、30〜500μmであり、また、トナー粒子のキャリア粒子に対する混合比は、通常、0.5〜10重量%である。この方式で使用する現像方法には、磁気ブラシ現像法などがある。
二成分現像方式におけるキャリアの使用を省略した方法として、一成分現像方式も公知である。この方式は、キャリアを使用しないので、トナーの濃度の制御、混合、攪拌、などの機構が不要となり、しかも装置の小型化が可能となるなどの利点を有している。一成分現像方式では、一般的に、トナー層を金属製の現像ローラ上に均一な薄膜として形成し、このトナー層を潜像部分に案内して現像を行うことができる。現像ローラ上のトナー粒子への電荷の付与は、摩擦帯電あるいは静電誘導によって行うことができる。例えば、摩擦帯電に基づく一成分現像方式の場合、接触を伴うBMT方式やFEED方式では磁性トナーを使用し、しかし、同じく接触を伴うタッチダウン方式では非磁性トナーを使用する。なお、電子写真プロセス及びそれにおいて採用される現像方法は、多くの電子写真関連の刊行物が存在しているので、詳細はそれらの刊行物を参照されたい。
本発明による画像形成用トナーは、基本的に、電子写真プロセスにおいて従来より用いられているトナーと同様な組成とすることができる。すなわち、本発明のトナーは、一般的には少なくともバインダ樹脂(結着樹脂ともいう)及び着色剤を含むようにして構成される。なお、上記したように電子写真プロセスでは各種の現像方法が採用されているが、本発明のトナーは、それが使用されるべき電子写真プロセスにおいて採用されている現像方法に依存して、自体磁性を有している磁性トナーであってもよく、あるいは非磁性トナーであってもよい。
本発明のトナーにおいて、基材として使用されるバインダ樹脂は、特に限定されるものではないが、好ましくは、天然もしくは合成の高分子物質よりなる熱可塑性樹脂である。バインダ樹脂として好適な熱可塑性樹脂は、所望とする効果などに応じていろいろな分子量やその他の特性を有することができる。例えば、バインダ樹脂の分子量(重量平均分子量)は、通常、約1,000〜100,000の範囲であり、好ましくは約5,000〜50,000の範囲である。また、かかるバインダ樹脂は、通常約55〜70℃のガラス転移点を有している。
本発明の実施に好適なバインダ樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジェン樹脂などを挙げることができる。これらのバインダ樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは2種類以上の樹脂を混合又は複合して使用してもよい。また、例えばポリエステル樹脂を使用する時に、所望ならば、線状ポリエステル樹脂と、架橋成分を含むポリエステル樹脂を混合して使用してもよい。
本発明の実施に特に好適なバインダ樹脂は、画像形成方法および画像形成装置として光定着方式を採用する場合を鑑み、低臭気性などの面から、ポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂についてさらに説明すると、かかるポリエステル樹脂において用いられる酸成分は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、又はこれらの無水物等を包含し、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸である。これらの酸成分は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、フラッシュ定着の臭いが問題にならない範囲で、他の酸成分を上記酸成分に組み合わせて使用できる。他の酸成分として、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等が挙げられ、更には、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸、またはこれらの酸の無水物、低級アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸も挙げられる。また、ポリエステル樹脂に架橋を施すためには、三価以上のカルボン酸成分も同様に他の酸成分として混合使用可能である。三価以上のカルボン酸成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、その他のポリカルボン酸、及びこれらの無水物を挙げることができる。
また、このようなポリエステル樹脂は、通常、アルコール成分中の80モル%以上がビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物からなるものであり、好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%である。ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物の量が80モル%未満であると、相対的に臭いの発生原因となるモノマー使用量が多くなるため、好ましくない。ここで、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、次のような一般式で表される化合物:
Figure 2007219103
(上式において、Rは、同一もしくは異なっていてもよく、例えばエチレン基又はプロピレン基のようなアルキレン基を表し、そしてx及びyは、それぞれ、1以上の整数である)を挙げることができる。かかる化合物の例としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上述のような化合物のなかでも、特に好適な化合物は、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等である。
本発明でバインダ樹脂として使用するポリエステル樹脂において、必要に応じて、他のアルコール成分を上記のアルコール成分に組み合わせて使用してもよい。他のアルコール成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等、その他の二価のアルコールを挙げることができる。
また、他のアルコール成分として、三価以上のアルコールも好適である。かかるアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、その他の三価以上のアルコールを挙げることができる。
さらに、かかるポリエステル樹脂を合成する反応の際には、その反応を促進せしめるため、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等を有利に使用することができる。
本発明のトナーにおいて、バインダ樹脂中に分散せしめられるべき着色剤は、多くの公知な染料及び顔料を包含し、任意に選択して使用することができる。適当な着色剤としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、フェライト、マグネタイトなど(黒色トナー用)、あるいはアニリンブルー、カルコオイルブルー、ウルトラマリーンブルー、デュポンオイルレッド、アントラキノン、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハロゲン化フタロシアニン、アニライド系化合物、ベンズイミダゾロン、ハンザイエロー、ローダミン6Cレーキ、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、マラカイトグリーン、マラカイトグリーンヘキサレート、マラカイトグリーンオクサレート、オイルブラック、アゾオイルブラック、ローズベンガル、モノアゾ系染顔料、ジスアゾ系染顔料、トリスアゾ系染顔料など(カラートナー用)を挙げることができる。これらの着色剤は、単独で使用してもよく、さもなければ、所望とするトナー色を得るために混合して使用してもよい。
上記したような着色剤のトナー中の含有量は、所望とする結果に応じて広く変更することができるというものの、好ましくは、最も良好なトナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、通常、トナー100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは、0.5〜10重量部の範囲である。なお、本発明のトナーを白色紙媒体上に描画する「透明色」の不可視トナーとして使用する場合は、可視光領域における吸収率が15%以下であることが望ましく、トナーに着色剤を添加しないか、または可視光領域吸収率上記範囲を満たす様な着色剤添加量に止めることが必要である。
本発明の電子写真用トナーは、上記したように、バインダ樹脂及び着色剤に追加して、光吸収領域が800nmから1200nmの範囲に存在する金属ナノロッドを添加することが必須である。なお、該金属ナノロッド以外にも、既知赤外線吸収性化合物、例えば、無機の赤外線吸収剤の一例として、酸化イッテルビウム、燐酸イッテルビウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物など、有機の赤外線吸収剤の一例として、アミニウム塩、ジイモニウム塩、スズ酸カドミウム、メロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、ポリメチン色素、特定のアミド化合物、チオールニッケル錯体等の有機化合物などが知られており、必要に応じてこれらを併用してもよい。
ここで、金属ナノロッドとは、金や銀など貴金属類の金属材質から形成され、特定の長軸径と短軸径を持つ微細なロッド形状をした金属群を指し、その金属の表面プラズモンドバンド吸収による特定波長の光吸収能を保有する物質である。
この様な金属ナノロッドは、一般に、短軸の長さが1nm〜60nm、好ましくは2nm〜15nmであり、長軸の長さが30nm〜500nm、好ましくは50nm〜200nmのものであり、その構成材質(金属の種類)に応じて、ロッドの長軸と短軸のそれぞれに対応した2本の特徴的なプラズモン吸収バンド(表面プラズモンバンドの励起に対応するバンド)を示す。例えば、金ナノロッドの場合は、短軸方向の吸収バンドが530nm付近、長軸方向の吸収バンドが650nm〜1200nmに存在する。また、金属ナノロッドの光吸収波長は、そのナノロッドの短軸および長軸径を制御することで特定の波長域範囲において任意に制御可能である。
また、長軸が300nm以下とすることにより、これを樹脂中に分散させたものは肉眼で粒子として認識し難くなる。従って、可視光域に吸収帯がなく透明性を有する金属ナノロッド分散トナーを得ることができる。
また、該金属ナノロッドのアスペクト比として、3〜15の範囲が望ましい。金属ナノロッドの金属種により吸収する波長域が異なるとはいうものの、光吸収領域が800nmから1200nmの範囲の金属ナノロッドを得るために必要なアスペクト比は概ね、3〜15の範囲の納まること、アスペクト比が大きくなりすぎると、トナー中への金属ナノロッドを添加した事により生じるトナーの電気抵抗低下の効果が強く顕れるため、トナーとしての電気的機能を保つことが難しくなること、金属ナノロッド粒子の存在がトナー色調に顕れやすくなるなどの不都合が生じ、一方、アスペクト比が3未満の場合には、長軸方向のプラズモン吸収バンドがさほど長波長とはならず、短軸方向のプラズモン吸収バントと近い値(例えば金ナノロッドの短軸方向プラズモン吸収バンドは530nm付近)を示す様になり、効果的な赤外光吸収を示さないだけでなく、可視項域の吸収を示す事から、カラートナーの『色濁り』の要因ともなりうるという不都合が生じる。
金属ナノロッドを構成する金属としては、表面プラズモン吸収バンドの大きい金属を使用することが好ましい。好適な金属は、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム及びイリジウムなどで、特に金、銀、銅、白金、これらの金属の混合物、またはこれらの金属の合金が好適である。また、金属ナノロッドを構成する金属の種類を変えることにより、ナノロッドの形状変化に因る吸収バンドの位置を制御することができる。
なお、金に代表される金属のナノ粒子(ナノメーターサイズの超微粒子)は比較的古くから知られているが、近年、電解法により金のナノロッド、すなわち、円柱形の金の超微粒子が得られることが報告され(Y. Yu他、J. Phys. Chem. B, 101,6661 (1997))、最近、その化学的な合成法も報告された(N. R. Jana他、J. Phys. Chem. B, 105, 4065 (2001) )。また、金属のナノロッドをコロイド状態で加熱すると、縦横比が小さくなることも報告されている(M. B. Mohamed他、J.Phys. Chem. B, 102, 9370 (1998))。
本発明者らは、ナノロッドに使用する金属の材質および短軸/長軸径を最適に制御することにより、可視領域では殆ど光を吸収せず、近赤外領域のみの光を吸収することが可能となることを見いだし本発明をなすに至った。
まず、フラッシュ光定着カラートナーへの適用の分野においては,その色調再現性と光定着特性の両立の観点から、吸収可視光領域に全く光吸収を持たず、かつ、850nmから1200nmの赤外光領域の光吸収を幅広く吸収する赤外光吸収剤を含有したトナーが求められていた(800nmは赤紫色と近赤外の境の波長であり、可視光領域への吸収影響を完全に避けるとの意味で850nmを下限とした吸収域を有する赤外光吸収剤がより好ましいとされている)。
また不可視トナーの分野においても、可視光領域における吸収率が、15%を超える場合は、不可視トナーを用いて形成された画像の不可視性が低下して目視にて認識されるのは勿論、本来、不可視であるべき画像が発色しているために可視画像の品質を損ねてしまうという問題が生じる。更に近赤外光領域(800nm〜1000nm)における光吸収率は、CCD等の読み取り装置による読み取り強度・復号化時の精度を確保する観点から、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、かつ、常用の画像読み取り装置であるCCDの読み取り光学感度の関係から800nm〜900nmの波長域に吸収ピーク(最大吸収率)を有することが好ましいとされている。
この様な要求性能に対して、金属ナノロッドを必須構成成分としたトナーは、既存の赤外光吸収剤を構成成分としたトナーに比して、以下の点で優れている。
金属ロッドの構成材質やロッドのアスペクト比を調節する事により、近赤外領域での吸収波長を任意に選定できる。
すなわち、従来、可視領域(800nm以下)までスソを引いていた部分の赤外光吸収剤の吸収がなくなるので、フラッシュ定着カラートナーに適用する際においても、色濁りへの影響が少なくなる。また、不可視トナーへの適用の場合でも目視での視認性を低く抑えることができる。
また、フラッシュ光の発光スペクトル(強発光部分)に対応した波長やCCDの読み取り光学感度が高くなる波長に金属ナノロットの吸収波長をあわせることが可能となる。また、フラッシュ定着カラートナーへの適用の場合、フラッシュ照射光の発光スペクトル(強発光部)毎に、その波長の吸収効率が良い金属ナノロッドを数種類選択し、これらの金属ナノロッドをブレンドして使用することで、フラッシュ光の発光スペクトルに対応した効率の良い赤外光吸収ができる。
具体的には、キセノンフラッシュは830nm付近、880〜920nm付近、950nm付近に強い発光がある。これに対応する様に、830nmに最大吸収を持つ金属ナノロッド、880〜900nmに最大吸収を持つ金属ナノロッド、950nmに最大吸収を持つ金属ナノロッドをという様に、発光スペクトルのパターンに対応した最大吸収を持つ金属ナノロッドをアスペクト比や金属種などの調整により作成し、ブレンドして用いることによって、フラッシュ照射光に対して効率よく光定着させることができる。また、金属ナノロッドの添加量を最小量に抑える事が可能となり、色調等の面およびコスト面でも有利となる。
なお、本発明者らの検討によると、該金属ナノロッドは導電性が高く、トナーに処方する添加方法や添加量によっては、トナーの電気抵抗を極端に低下せしめることがある。トナーの電気抵抗が必要以上に低くなると、摩擦帯電等の手段によってトナーに付与された帯電量がリークし、現像による画像形成の際にトナーが存在すべきでない印字背景部にトナーが付着するカブリ現象や、画像形成部に対して意図せざるトナー付着量の変動等が生じることがある。
本問題を解決する手段としては、該金属ナノロッドの表面を有機保護膜でコーティングすることで、該金属ナノロッド添加によるトナー電気抵抗に与える影響を僅少化することができるので、該金属ナノロッドの表面は有機保護膜でコーティングされている事が望ましい。また、この様な有機保護膜でのコーティング処理はトナー中における該金属ナノロッドの分散状態を良分散にさせる効果も有している。
金属ナノロッドへの有機保護膜形成方法であるが、金属ナノロッド表面に均質な保護膜を形成できる方法であるならば、コーティング樹脂液のスプレードライ、コーティング樹脂液中へ浸漬、界面活性剤などによるトリートメント処理など、既存の膜形成方法の何れを用いても良いが、本発明者らの検討によると、疎水性付与剤であるシランカップリング剤やオルガノポリシロキサンなどに代表される、有機シラン化合物によるトリートメント処理や、アルミート系カップリング剤やチタネート系カップリング剤が最も簡便で効果が高い。
疎水性付与剤としては、種々のものを使用できるが、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、有機変性シリコーンオイル、シリコーンオイル(オルガノポリシロキサン)などのシロキサン類、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤(例えば「プレンアクト」、味の素ファインテクノ株式会社製)、アルミネート系カップリング剤(例えば「プレンアクト」、味の素ファインテクノ株式会社製)、フッ素系カップリング剤などのカップリング剤などが挙げられるが、シランカップリング剤が好ましい。
上記シランカップリング剤としては、シリコーン原子骨格にメトキシ基、エトキシ基、シラノール基等の親水性の加水分解基、アルキル基、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、アミノ基、グリシジル基、メタクリロ基、メルカプト基など疎水性の有機官能基が結合した構造を有する珪素化合物である。
また、トリートメント処理に用いるシランカップリング剤量は、金属ナノロッド100重量%に対して0.05〜0.2重量%程度であることが好ましい。
なお、本発明の金属ナノロッドは、トナー中においていろいろな処方形態で使用することができる。換言すると、この金属ナノロッドは、トナー母体に外添でも内添でも効果がある。この金属ナノロッドの添加量は、広い範囲で変更することができるというものの、通常、トナー100重量部に対し、内添加の場合には、0.1〜40重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量部の範囲であり、また、外添の場合には、0.01〜10重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。内添加の場合、金属ナノロッドの添加量が適性域を下回っても、あるいは上回っても、フラッシュ定着の際の定着性や不可視画像情報の読み取り強度が低下してしまう。同様に、外添の場合でも、複合微粒子の添加量が適性域を下回っても、あるいは上回っても、定着性や読み取り強度が低下等の課題が発生してしまう。高添加量の場合において定着性の低下が発生する理由は、金属ナノロッドは光が照射された時の熱源となるだけで、それ自体は熱溶融・定着しないため、最適添加量があること、および金属ナノロッドが定着溶融時のトナー中でフィーラとして作用しトナーが増粘することで、トナーの記録媒体への浸透が妨げられるためである。
本発明によるトナーは、必須の成分、すなわち、バインダ樹脂、上記金属ナノロッドの他に、各種の常用の添加剤を任意に含有することができる。
本発明のトナーは、トナーの帯電性能を制御するために帯電制御剤を含有することができる。本発明で使用する帯電制御剤としては、トナーに帯電を付与させる能力があれば特に制限されないが、カラートナーにおいてはトナーの色相に与える影響が小さいことを考慮すると、無色、淡色のものが好ましい。好適には、4級アンモニウム塩(無色)、ニグロシン染料(黒色)、トリフェニルメタン誘導体(青色)などを正極性帯電制御剤として、また、ナフトール酸亜鉛錯体(無色)、サリチル酸亜鉛錯体(無色)、ホウ素化合物などを負極性帯電制御剤として、それぞれ用いることができる。また、これらの帯電制御剤は、通常、トナー100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲で用いられる。
本発明のトナーは、また、トナーの定着性をより高める等の目的で、ワックス類を含有することもできる。適当なワックス類として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、エステルワックス類、シリコーンワックス類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミドワックス類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。これらのワックス類は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。ワックス類としては、軟化温度が150 ℃以下のものがとりわけ好ましく、特にバインダ樹脂の溶融軟化温度より低い軟化温度を示すものが好ましい。
本発明のトナーは、さらに、外添剤を含有することができる。例えば、本発明のトナーは、流動性の向上などを目的として、白色の無機微粉末を含有することができる。適当な無機微粉末としては、例えば、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア(アナターゼ型、ルチル型)、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、表面を疎水化したシリカ微粉末、チタニア微粉末が特に好ましい。かかる無機微粉末のトナーに混合される割合は、通常、トナー100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲であり、好ましくは0.01〜2.0重量部の範囲である。また、かかる無機微粉末は、前記無機微粉末、樹脂微粉(ポリスチレン、PMMA、メラミン、グアナミン樹脂等の樹脂粒子)、などの公知の外添剤様材料と併用できる。クリーニング活剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の微粒子粉末を添加してもよい。
本発明による画像形成用トナーは、上記したようなトナー成分を出発物質として使用して、いろいろな手順に従って調製することができる。例えば、本発明のトナーは、着色剤などを分散させた樹脂塊を粉砕、分級して作製する機械的粉砕法、着色剤を取り込みながらモノマーを重合させ、微粒子を作製する重合法などの公知の手法を使用して調製することができる。
例えば、本発明のトナーを機械的粉砕法で調製する場合の一例を述べると、バインダ樹脂(結着樹脂ともいう)、着色剤、本発明の赤外線吸収性化合物、ワックス類、帯電制御剤などのトナー成分を混合した後、得られた混合物をニーダー、押し出し機などを用いて溶融混練する。さらに、溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る。さらに、外添剤を添加し、最終的なトナーを完成させる。
また、トナーを重合法で調製する場合、主に懸濁重合法と乳化重合法等が適用できる。懸濁重合法で調製する場合の一例を述べると、スチレン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのモノマー、ジビニルベンゼンなどの架橋剤、ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動剤、着色剤、帯電制御剤、本発明の赤外線吸収性化合物、ワックス類、重合開始剤などを混合してモノマー組成物を調製する。その後、リン酸三カルシウム、ポリビニルアルコール等の懸濁安定剤、界面活性剤が入った水相中に、前記モノマー組成物を投入し、ローターステータ式乳化機、高圧式乳化機、超音波式乳化機などを用いてエマルジョンを作製した後、加熱によりモノマーの重合を行う。重合終了後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外添剤を添加して最終的なトナー粒子を得る。
また、トナーを乳化重合法で調製する場合の一例を述べると、過硫酸カリウムなどの水溶性重合開始剤を溶解させた水中に、スチレン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのモノマー、必要に応じてドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加し、攪拌を行いながら加熱、重合を行い樹脂粒子を得る。その後、本発明の赤外線吸収性化合物、着色剤、帯電制御剤、ワックス類などの粉末を樹脂粒子が分散した懸濁液中に添加し、懸濁液のpH、攪拌強度、温度などを調整することにより樹脂粒子と、赤外線吸収性化合物の粉末などをヘテロ凝集させる。さらに、系を樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、ヘテロ凝集体を融着させトナー粒子を得る。その後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外添剤を添加して最終的なトナー粒子を得る。
なお、トナーの体積平均粒径としては、3μm〜12μmの範囲が好ましく、5μm〜10μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が、3μmより小さいと、静電的付着力が重力と比べて大きくなり、粉体としてハンドリングするのが困難になる場合がある。一方、体積平均粒径が、12μmより大きいと、高精細な不可視情報の記録が困難となる場合がある。
本発明は、また、本発明のトナーを使用した画像形成方法にある。本発明の画像形成方法は、前記したように、画像露光による静電潜像の形成、現像による静電潜像の可視化、可視化された画像の記録媒体への転写、及び転写された画像の定着の各工程を含むものであり、ただし、従来の方法とは異なり、静電潜像の現像工程において、本発明のトナーを含む現像剤を使用する。一例として以下にフラッシュ定着方法を用いた画像形成方法について説明する。
本発明において光定着方法を用いる画像形成方法においては、現像剤の使用により可視化された画像を記録媒体に転写した後に定着する工程において、フラッシュ光、遠赤外線、ハロゲン光などを光源として有利に使用することができる。フラッシュ光は、可視光から近赤外光までに及ぶ広い波長域の光のなかから、使用するフラッシュ定着装置の仕様に応じて適切なものを使用することができる。特に、フラッシュ光としてキセノンランプを用いて、効率よくトナーを定着することができる。また、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光1回の単位面積当りの発光エネルギーは、発光エネルギー密度で表して、1.0〜6.0J/cmの範囲であるのが好ましい。発光エネルギー密度は、1.0J/cm2より小さすぎると定着しないし、反対に6.0J/cmより大きすぎるとトナーボイドや用紙焦げの問題が発生する。なお、発光エネルギー密度: S(J/cm)は、以下の式で表される。
(数1)
S=((1/2)×C×V)/(u×l)/(n×f)
式中、ランプ本数 :n(本)
点灯周波数: f(Hz)
入力電圧: V(V)
コンデンサ容量: C(μF)
プロセス搬送速度: u(mm/s)
印字幅: l(mm)
また、フラッシュ光の発光時間は、フラッシュ光の発光エネルギー密度などに応じて広く変更することができるというものの、通常、500〜3,000μ/sの範囲であることが好ましい。フラッシュ光の発光時間が短かすぎると、フラッシュ定着率を上昇させるのに十分な程度にトナーを溶融させることができない。また、フラッシュ光の発光時間が長すぎると、記録媒体上に定着したトナーの過熱を引き起こすおそれがある。
さらに、トナーの良好な定着とともに長期安定性を得るため、フラッシュ定着にハロゲン光定着を併用することも推奨される。
さらに具体的に説明すると、本発明によるカラー画像形成方法は、上記のような相違点を除いて、基本的には従来の画像形成方法と同様にして実施することができる。好ましい一例を示すと、画像露光による静電潜像の形成は、例えば感光体ドラムなどのような光導電性絶縁体の表面に正又は負の均一な静電荷を与えた後、様々な手段によって光導電性絶縁体に光像を照射することによってその絶縁体上の静電荷を部分的に消去して静電潜像を形成することによって行うことができる。例えば、レーザ光を照射して、特定部分の表面電荷を消去することにより、画像情報に応じた静電潜像を光導電性絶縁体上に形成することができる。
次いで、形成された静電潜像を現像により可視化する。これは、光導電性絶縁体上の静電荷の残った潜像部分に本発明のトナーを含む現像剤の微粉体を付着させることによって行うことができる。
現像工程の完了後、可視化された画像を記録媒体へ転写する。これは、得られたトナー像を、一般的に、記録紙などの記録媒体に静電的に転写することによって行うことができる。
最後に、上記の転写工程で転写されたトナー像を定着により溶融させ、記録媒体に定着させる。このような一連の処理工程を経て、目的とする複製品(印刷物など)を得ることができる。
電子写真法に基づく画像形成方法は、この技術分野において広く知られているので、ここでの詳細な説明は省略する。また、電子写真法に代えてその他の画像形成法、例えばイオノグラフィなどを適用しても、満足し得る効果を得ることができる。
本発明はまた、画像形成装置にある。本発明の画像形成装置、典型的には電子写真装置もこの技術分野において広く知られているので、ここでの詳細な説明を省略する。参考までに、本発明において有利に使用することのできる電子写真装置の一例を図1に示す。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示すように、この画像形成装置10は、感光体ドラム11、帯電器12、露光器13、現像器14、感光体クリーナ15、転写部17、フラッシュ定着部18などを備えている。なお、上記の感光体ドラム11、帯電器12、露光器13、現像器14、および感光体クリーナ15は、本発明にいうトナー像形成部の一例に相当するものである。
次に、この画像形成装置10の動作について説明する。
感光体ドラム11は、矢印A方向に回転し帯電器12により表面に一様な電荷が付与される。帯電された感光体ドラム11表面に露光器13から光像が照射され感光体ドラム11上に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器14に収納されたマイクロカプセルトナーで現像されて感光体ドラム11上にトナー像Tが形成される。感光体ドラム11上のトナー像Tは、転写部17により、矢印B方向に搬送される画像記録媒体16に転写される。
画像記録媒体16上に転写されたトナー像Tは、フラッシュ定着部18に備えられたキセノンフラッシュランプ19からのフラッシュ光の照射を受ける。
上記感光体ドラム11は、潜像形成方式によっていろいろであるけれども、光導電材料である感光体、例えば、ポリシラン、フタロシアニン、フタロポリメチンなどの有機感光体、又はセレン、アモルファスシリコン等の無機感光体や、絶縁体から形成することができる。特に、アモルファスシリコン感光体が長寿命の面から好ましい。
現像剤が搬送されてきた感光体ドラム11の表面では、そのドラムの回転方向に関して後方に位置する帯電器12によりドラムの帯電が行われ、さらに、露光器13からの光像により、静電潜像が形成されている。ここで、帯電器12は、コロトロン、スコロトロンなどのコロナ放電機構やブラシ帯電器などの接触帯電機構から構成することができる。また、露光装置は、レーザ光学系、LED光学系、液晶シャッタ光学系などの各種の光学系を光源に使用して構成することができる。したがって、感光体ドラム11に搬送されてきた摩擦帯電した現像剤がそのドラムの表面の静電潜像に付着し、可視化されたトナー像が得られる。
感光体ドラム11上のトナー像Tはドラムの回転により転写部17に搬送され、ここで画像記録媒体(紙やフィルムなど)16へ転写される。転写部17は、転写に利用する力、すなわち、静電気力、機械力、粘着力などに依存して、いろいろな構成を採用することができる。例えば、静電気力に基づいたものとしては、コロナ転写装置、ロール転写装置、ベルト転写装置などを挙げることができる。
画像記録媒体16は矢印方向に案内されていて、定着装置(図1ではフラッシュ定着部)18の下方においてトナー像の定着が行われる。画像記録媒体16上のトナー像はフラッシュ定着部18によって加熱、溶融せしめられ、さらに画像記録媒体16の内部にまで浸透して固着される。定着の完了により、定着画像Fが得られる。また、図示しないが、フラッシュ定着装置にハロゲン光定着装置を併用するなどの変更も可能である。
感光体ドラム11上のトナー像Tで上記した転写工程に関与しないまま残留したトナーは、除電器(図示せず)を経た後、クリーニング装置(図示の場合、感光体クリーナ15)15で感光体ドラム11の表面から除去される。クリーニング装置は、上記した感光体クリーナ15やブレードの他、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナなどから構成することができる。
本発明のさらなる理解のため、本発明の好ましい態様を以下に付記する。
(付記1)結着樹脂、およびその光吸収領域が800から1200nmの範囲に存在する金属ナノロッドを必須構成成分として含有することを特徴とするトナー。
(付記2)金属ナノロッドの材質が金または金と他金属の合金、金と他金属の混合物、白金、白金と他金属の合金、白金と他金属の混合物であり、その長軸径が300nm以下、アスペクト比が3〜15の範囲であることを特徴とするトナー。
(付記3)トナー中に、その最大吸光値の波長が50nm以上異なる複数種の金属ナノロットが含有されていることを特徴とするトナー。
(付記4)トナー中に含まれる金属ナノロッドの表面が、有機保護膜でコーティングされていることを特徴とするトナー。
(付記5)トナー中に含まれる金属ナノロッドの添加量が0.3〜0.8重量%であることを特徴とし、不可視画像の形成に供されるトナー。
(付記6)トナー中に金属ナノロッドを含み、該トナーが光定着方式を採用した画像形成方法において用いられるものであって、必須構成成分として有彩色着色剤を含有することを特徴とするトナーおよび該トナーを用いた画像形成方法、画像形成装置。
(付記7)トナー中に金属ナノロッドを含み、該トナーを用いた不可視トナー画像形成方法、画像形成装置。
(付記8)トナー中に含まれる金属ナノロッドの表面が、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランによりトリートメント処理することで形成された有機保護膜を有していることを特徴とするトナー。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は限定されるものではない。
まず、本実施例において、各測定は次のように行った。
−粒度及び粒度分布測定方法−
本願で扱う各粒子に関し、粒径(「粒度」ともいう。)及び粒径分布測定(「粒度分布測定」ともいう。)について述べる。
まず貴金属ナノロッドの軸長、アスペクト比の測定については、以下の方法を取った。第一に、溶剤で希釈した樹脂に該金属ナノロッドを分散させた後、脱溶媒を行うことで、該貴金属ナノロッドを包埋した樹脂ブロックを作成した。次いで該樹脂ブロックをダイヤモンドカッターを用いて薄くスライスする事により超薄切片を作成し、その切片のTEM像観察を行った。その後、得られたTEM像を画像解析および統計処理する事により該金属ナノロッドの平均短軸長、平均長軸長,アスペクト比を導いた。なお、これらの値の算出においては、貴金属ナノロッド粒子5000粒子以上の計測を行った。
次にトナーなど、測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50,000であった。
また、トナーの粒度分布は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積50%となる累積体積粒径をD50vと定義する。
本発明における体積平均粒径は該D50vであり、小径側個数平均粒度指標下GSDpは以下の式によって算出した。
式:下GSDp={(D84p)/(D16p)}0.5
−トナーの帯電量−
静電荷像現像用トナー各1.5質量部とスチレン/メチルメタクリレート樹脂で被覆されたフェライト粒子(平均粒子径35μm)30重量部とをフタ付きのガラス瓶に秤量し、高温高湿HH下(温度32℃、湿度80%)、及び、低温低湿LL下(温度15℃、湿度20%)で24時間シーズニングした後、ターブラミキサーで5分間攪拌震盪した。この両環境下のトナーの帯電量(μC/g)をブローオフ帯電量測定装置で測定した。 本発明における電子写真トナーの帯電量については、15〜25μC/gが好ましい。前記帯電量が15μC/g未満であると背景汚れ(カブリ)が発生しやすくなり、25μC/gを超えると画像濃度が低下し易くなる。
[キャリア、トナーの調製]
(1)キャリアの調製
直径60μmのマグネタイト粒子をキャリア芯材とし、その表面にアクリル樹脂(商品名:BR−85、三菱レイヨン社製)を流動床を用いてコーティングし、乾燥した。キャリア芯材に対するコーティング量は、2重量%であった。この様にしてアクリル樹脂によって被覆されたマグネタイトキャリアAを得た。
同様にして、直径40μmMn−Mgフェライト粒子をキャリア芯材とし、その表面にスチレン/ブチルメタアクリレートの共重合比が、25/75であるスチレン・ブチルメタアクリレート共重合体(質量平均分子量=120000)をトルエンに希釈し流動床を用いてコーティングし、乾燥した。この様にしてスチレン−アクリル樹脂によって被覆されたMn−MgフェライトキャリアBを得た。
(2)金属ナノロッドの調製
金属ナノロッドの調整方法としては、電解法(Y. Yu他、J. Phys. Chem. B, 101,6661 (1997))による製法、化学的合成法(N. R. Jana他、J. Phys. Chem. B, 105, 4065 (2001) )の何れの手法を用いてもよいが、ここでは電解法による金ナノロッド製法の一例を簡単に記す。
まず、金をアノード、白金をカソードとし、かつ白金電極の近くに銀板を配置して、カチオン性界面活性剤の存在下、少量のアセトンやシクロヘキサンなどを含有する水溶液を電解液として、恒温、超音波照射下に定電流電解を行う。これにより、白金極近傍ことにより金ナノロッドが白金極近傍に生成する。この電解液を遠心分離することにより金のナノロッドが得られる。この際、金ナノロッドの長さは電解の際に浸漬する銀板の面積に依存しており、その長さを80nm〜600nm程度の間で容易に制御することができ、その結果、長軸の吸収バンドピークを650nm〜1200nmの間の任意の波長に設定することが可能となる。
なお、本実施例および比較例で用いた金ナノロッドは、長軸径およそ80〜600、アスペクト比が2.0〜18のものである。
(3)ポリエステル樹脂の調製
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.0モル、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン9.0モル、テレフタル酸4.6モル、イソフタル酸4.6モル、及び5.0gのジブチル錫オキシドをガラス製の4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付けた。4つ口フラスコ中の反応混合物を、マントルヒーター中、窒素気流下で、220℃にて3時間、240℃にて3時間、さらに同温度で60mmHgの減圧にて2時間反応せしめて反応を終了した。重量平均分子量が5,000、ガラス転移温度が65℃、軟化点が110℃、そして酸価が20mgKOH/gであるポリエステル樹脂Aが得られた。
同様にして、原料モノマーとしてポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、シクロヘキサンジメタノール、1,2プロピレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸を使用し、重量平均分子量が34,000、ガラス転移温度が68℃、軟化点が125℃、そして酸価が16mgKOH/gであるポリエステル樹脂Bが得られた。
(4)トナーA〜Pの調製(フラッシュ定着トナー用途)
表1に記載のような異なる組成のフラッシュ定着用赤色カラートナーを混練・粉砕法により調製した。
具体的には、表1に記載の各原材料をヘンシェルミキサーに投入し、予備混合を行った後、エクストルーダーにより溶融混練した。次いで、得られた混合物を冷却固化した後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕した。得られた微粉末を気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が8.5μmの赤色着色微粒子とした。更に引き続いて、得られた赤色着色微粒子に、表1記載の外添剤を添加し、ヘンシェルミキサーで外添処理を行うことによりトナーA〜Pを得た。
(5)トナーQ〜Uの調製(不可視トナー用途)
トナーQ〜Uと同様にして第2表に記載のような異なる組成の不可視トナーを混練・粉砕法により調製した。
表1に記載のトナーと前記のようにして調製したキャリアを4.5重量%:95.5重量%の比で混合して現像剤を調製した。この現像剤をフラッシュ定着用に設計され、キセノン光源を定着光源に装備した高速プリンタ装置(品番PS2160、富士通社製)の改造機(前記図1)に搭載した後、記録媒体として普通紙(NIP−1500LT、小林記録紙)を使用して、発光エネルギー(光定着エネルギー)2.2J/cm及び印刷速度8,000ライン/minで線画の印字を行った。使用したキセノン光源の発光スペクトルは、図3に模式的に示す通り、700〜2000nmの波長範囲に高い発光強度を有するものであり、また、発光時間は1000μ/sであった。
次に同様にして表2に記載のトナーと前記のようにして調製したキャリアを4.5重量%:95.5重量%の比で混合して現像剤を調製した。この現像剤を画像形成装置として、富士ゼロックス社製のDocuColor1250改造機を用いた。この画像形成装置は、図2に示す画像形成装置200において、ブラック用現像器204Kを取り除いたことを除き同様の構成を有するものである。なお、イエロー用現像器204Y、マゼンタ用現像器204M、シアン用現像器204Cには、DocuColor1250に使用されているイエロー、マゼンタ、シアン現像剤を適用した。また、画像形成テストに用いた画像出力媒体としては、A4サイズ白色紙(富士ゼロックス製、P−A4紙、幅:210mm、長さ:297mm)を使用した。
図2は、本発明の画像形成方法により不可視画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置200は、像担持体201、帯電器202、像書き込み装置203、現像器204、転写ロール205、クリーニングブレード206等からなる画像形成手段を備えている。
像担持体201は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体201は、矢印A方向に回転可能に設けられている。帯電器202は、像担持体201を一様に帯電するものである。像書き込み装置203は、帯電器202によって一様に帯電された像担持体201に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
現像器204は、不可視トナーを収容し、この不可視トナーを、像書き込み装置203により静電潜像が形成された像担持体201表面に供給し、現像を行い、像担持体201表面にトナー像を形成する。転写ロール205は、図示しない用紙搬送手段によって矢印B方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を像担持体201との間で挟持しつつ、像担持体201表面に形成された前記トナー像を記録用紙に転写するものである。クリーニングブレード206は、転写後に像担持体201表面に残った前記電子写真用トナーをクリーニング(除去)するものである。
次ぎに、画像形成装置200による不可視画像の形成について説明する。先ず、像担持体201が回転駆動され、帯電器202によって像担持体201の表面が一様に帯電された後、この帯電された表面に、像書き込み装置203による像光が照射されて静電潜像が形成される。その後、現像器204によって、該静電潜像が形成された像担持体201表面にトナー像が形成された後、このトナー像が転写ロール205によって記録用紙表面に転写される。このとき記録用紙に転写されずに像担持体201表面に残ったトナーは、クリーニングブレード206によりクリーニングされる。こうして記録用紙表面には、視覚的に隠蔽したい付加情報などを表わす不可視画像が形成される。
なお、画像形成装置200によって、記録用紙表面に不可視画像が形成された面に、他の画像形成装置を用いて更に文字、数字、記号、模様、絵、写真画像などの可視画像を記録してもよい。この可視画像を記録する方法は、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷等の一般的印刷手法はもちろんのこと、熱転写記録、インクジェット法、電子写真法等、公知の画像形成技術を任意に選択できる。
ここで、前記可視画像の形成に際しても電子写真法を用いる場合には、不可視/可視画像形成を一貫して実施することにより、生産性・機密管理性に優れた技術を提供できる。この場合の画像形成フローとしては、例えば、画像形成装置200の現像器204に、現像剤に含まれるトナーが不可視トナーのみ、イエロートナーのみ、マゼンタトナーのみ、シアントナーのみからなる現像剤を、各々収容した画像形成装置を併設し、順次画像出力媒体に重畳記録していく、一般的にタンデム方式と呼ばれる方法を用いることができる。
なお、各々の画像形成テストには、不可視トナーから調整された現像剤を不可視用現像器204Fに供給し、また不可視画像と共に形成される可視画像用のイエロー、マゼンタおよびシアン色のトナーを含んでなる現像剤を、各々イエロー用現像器204Y、マゼンタ用現像器204Mおよびシアン用現像器204Cに供給した。なお、可視画像用の各トナーには赤外光吸収剤は含有されていない、DocuColor1250に常用されている現像剤を用いた。
上記の現像剤を用いて、画像形成装置により画像出力媒体表面に画像形成されて得られた記録物は、その画像形成面に、可視画像および不可視画像が形成され、該可視画像は、画像形成面全体に文字や絵図等により構成される文書からなるものである。一方、前記不可視画像は、微小ラインビットマップで形成される機械読み取り・復号化可能な2次元パターンからなるものとした。なお、画像テストにおいては、可視画像の品質を評価するためのリファレンスとして、上記の不可視画像及び可視画像が、画像出力媒体表面に形成された記録画像(以下、「記録画像A」と略す)の他に、記録物1と同じ可視画像のみが画像出力媒体表面に形成された記録画像(以下、「記録画像B」と略す)を同時に画像形成した。
これら得られた印刷物のそれぞれを、下記の項目:
(1)帯電量(高温高湿HH及び低温低湿LL)の比率(帯電保持性)
(2)トナーの定着性
(3)印字濃度
(4)かぶり
(5)トナー色調
に関して、また表2記載のトナーについては前記(2)のトナー定着性、(5)トナー色調の評価を割愛する代わりに、下記評価項目を追加して、
(6)不可視画像の不可視情報復元率
(7)可視画像品質
(8)不可視トナーの可視光領域における吸収率
(9)不可視トナーと可視トナーとの近赤外光吸収率差
に関して、次のような指針に従って評価を行った。
帯電保持性の評価:
上述した高温高湿HH帯電量と低温低湿LL帯電量の比率を求め、帯電保持性の評価尺度とした。帯電特性に関連する評価の尺度としては、高温高湿HH(32℃、80%RH)とLL低温低湿(15℃、20%RH)での帯電量の絶対値が15〜25μC/g、かつ、帯電保持性が80%以上であるものを優良(◎)とし、同様に帯電量の絶対値が15〜25μC/gかつ、帯電保持性が70%以上80%未満を良好(○)、帯電量の絶対値が15〜25μC/gかつ、帯電保持性が65%以上70%未満を限界域(△)、この範囲に満たないものを不可(×)と判定した。
トナーの定着率の測定:
トナー像が定着させられた普通紙上の画像印字濃度を光学濃度(ステータスA濃度)として測定した。次いで、普通紙上のトナー像上に粘着テープ(スコッチTMメンディングテープ、住友スリーエム社製)を軽く貼り付けた後、直径100mm及び厚さ20mmの鉄製円柱ブロックをテープ上を密着状態で転がし、引き続いてテープを剥離した。テープ剥離後の普通紙上の画像印字濃度(光学濃度)を再び測定した。テープ剥離の前の光学濃度を100として、テープ剥離後における光学濃度をパーセンテージで算出し、これを「トナーの定着率」(%)とした。なお、光学濃度の測定には、マクベスPCMメータを使用した。
定着性の判定:
それぞれのトナーの定着率(%)の大きさから、下記の基準に従って定着性の良否を判定した。定着率が95%以上を優良(◎)、定着率が90%以上95%未満を良好(○)、定着率が85%以上90%未満を限界域(△)、定着率85%未満を不可(×)と判定した。
印字濃度の測定:
トナー像が定着させられた普通紙上の画像印字濃度を、マクベスPCMメータを使用して当該トナーの最大吸収波長での光学濃度(ステータスA濃度)を測定した。画像印字の採取条件は、高温高湿HH(32℃、80%RH)とLL低温低湿(15℃、20%RH)の2種類とした。ともに光学濃度(ステータスA濃度)が1.1以上であるものを最良(◎)、1.0以上1.1未満を良好(○)、0.8以上1.0未満を限界域(△)、それ以下の場合を不可(×)と判定した。
かぶりの測定:
トナー像が定着させられた普通紙上のかぶり(背景部よごれ)の発生状態を目視にて確認した。かぶりの発生が認められないものを良好(○)、わずかなかぶりの発生が認められたものを限界域(△)、許容し得ない程度のかぶりの発生が認められたものを不可(×)と判定した。
トナー色調の測定:
金属ナノロッドを添加しない以外は被検トナーと同様にしてリファレンストナーを作成し、記録媒体上に同等付着量の被検トナー、リファレンストナーの両方のトナー未定着画像(インチ角ベタ)を現像により作成、該記録媒体を130℃オーブン中に10分間静置することでトナー定着画像とした後、両トナー画像の色調を分光光度計を用いて計測した。分光色度計としてはX−rite938(X−rite製)を用い、光源D50、2°(バッキング白)の条件下で測定を行い、色調に関してはリファレンス色との色差ΔEが3未満を優良(◎)、3以上5未満を良好(○)、5以上10未満を限界域(△)、10以上を不可(×)と判定した。
不可視情報復元率の評価:
記録画像Aに対してトナー像が定着させられた普通紙上の画像面のほぼ真上10cmのところに設置した近赤外の波長域の光も照射するリング状LED光源(京都電気製、LEB−3012CE)を用いて該画像面を照射した。この状態で、画像形成面のほぼ真上15cmのところに設置した、800nm以下の波長成分をカットするフィルタをレンズ部に装着した800nm〜900nmの波長域に受光感度を有するCCDカメラ(KEYENCE製、CCD TL−C2)によって、前記画像面を読み取り、一定のコントラスト(閾値)を境界として2値化処理することにより不可視画像を抽出し、これをソフトウエアで復号化処理し、著作権情報が正確に復元できるかどうかを評価した。そして、この評価は500回実施した際に、情報が正確に復元できた回数を、不可視情報復元率(%)とした。不可視情報復元率(%)が85%以上であれば良好(○)、80%以上85%未満を限界域(△)、80%未満を不可(×)と判定した。
可視画像品質の評価:
記録画像A可視画像と、記録画像Bの可視画像とを目視にて比較し、以下の判定基準により評価した。
○:記録画像A及び記録画像Bの可視画像の画質には差異が無く、実用上問題が無いレベル。
△:記録画像Bの可視画像と比較すると、記録画像Aの可視画像には若干の画質ノイズが確認され、実用上に供する限界域レベル。
×:記録画像Bの可視画像と比較すると、記録画像Aの可視画像には明確な画質ノイズが確認され、実用上問題となるレベル。
不可視トナーの可視光領域における吸収率評価:
不可視トナーのインチ角ベタ画像を形成し、このベタ画像が形成された領域と、何らの画像が形成されていない記録媒体の表面とを分光反射率測定機(日本分光社製、V−570)により測定し、可視光波長域における最大の分光反射率を下式により求めた。
(数2)
不可視トナーの可視光吸収率=IT(v)−M(v)
ここでIT(v)は不可視トナーにより形成された画像の可視光域の分光反射率を、
M(v)は記録媒体の可視光域の分光反射率を示す。
不可視トナーの可視光波長域における最大の分光反射率については、10%未満を優良(◎)、10%以上15%未満を良好(○)、15%以上〜18%未満を限界域(△)、18%以上を不可(×)と判定した。
近赤外光吸収率差の評価:
不可視トナーと可視トナーとの近赤外光吸収率差は、これらのトナーを用いて作製した不可視画像(インチ角ベタ画像)と、可視画像(インチ角ベタ画像)の分光反射率差を、分光反射率測定機(日本分光社製、V−570)を用いて波長860nmにて測定し、下式により求めた。
(数3)
近赤外光吸収率差=IP(i)−VP(i)
なお、ここで、IP(i)は不可視画像(インチ角ベタ画像)の分光反射率、VP(i)は可視画像(ベタ画像)の分光反射率VP(i)である。近赤外光吸収率差が30%以上を優良(◎)、20%以上30%未満を良好(○)、15%以上20%未満を限界域(△)、15%未満を不可(×)と判定した。
下記の表3、4は、上記のような測定及び評価の結果をまとめたものである。なお、表1,2中の矢印は、同上の意味である。
Figure 2007219103
Figure 2007219103
Figure 2007219103
Figure 2007219103
表3の結果より、以下の事が推察される。
まず(1)帯電特性と(4)かぶりの評価結果序列には相関があり、概して帯電特性で優良な評価結果となった実施例4,5,8,9ではかぶりでも優良な結果が得られていることが判る。これら特性に優れているのは実施例4,5,8,9、比較例1,5、次いで良好な順に比較例2、実施例2,10さらに実施例3,6、比較例6、次いで実施例1、7と続き、最後に比較例3,4となる。
なお、金属ナノロッドを添加していない比較例1が優良な評価結果を示し、金属ナノロッドを添加したトナーの評価結果がそれより劣ることから、金属ナノロッドの添加は(1)帯電特性と(4)かぶりに対しては好ましくない作用を及ぼしているものと推察される。本発明者らは、金属ナノロッド添加が及ぼすトナーの電気抵抗低下が両特性に好ましからざる作用を及ぼしているものと推定している。これは、添加による電気抵抗低減の作用がより強く発揮される、金属ナノロッドの添加量が多い場合、アスペクト比が高い場合ほど両特性の性能劣化の度合いが高い事からも推察される。
ここで着目すべきは、金属ナノロッド表面をγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランによりトリートメント処理することで(1)帯電特性と(4)かぶりの両特性が改善していることである。これは、このトリートメント処理により形成された有機保護膜の効果により金属ナノロッド表面の導電性が多少低減した事やトナー中の金属ナノロッドの分散性が向上した事により、金属ナノロッド添加によって生じるトナー電気抵抗低下の影響が緩和したためと本発明者らは推察している。
次に(2)定着性の評価結果に関しては、キセノンフラッシュ光の発光波長パターンにおいて強発光する波長域と一致する金属ナノロッドを2種組み合わせて添加した実験例5が最も優れた結果を示した。実施例5に使用したアスペクト比4.5の金属ナノロッドの最大吸収波長は大凡850nm、アスペクト比5.0の金属ナノロッドの最大吸収波長は大凡920nmであり、これらを共存したトナーはフラッシュ光の強発光波長域の光を効率よく吸収できていることが判る。なお、比較例2と比較例3,4でやや定着性が劣るのは、添加した金属ナノロッドの最大吸収波長が比較例2ではやや短波長側に、比較例3ではやや長波長側にズレており、このため実施例1〜5に比べフラッシュ光の強発光波長域の光の吸収効率がやや低くなったためによるものと本発明者らは推測している。なお実施例8と比較例5の対比より、トナーの赤外光吸収材として金属ナノロッドを単独使用する処方においては、実用的な定着性を維持するための最低処方量はおよそ0.4重量%であることが判る。
(5)トナー色調に関しては、比較例1に示す金属ナノロッド無添加のリファレンストナーが最も優れるのはいうまでも無いことであるが、それ以外の実施例および比較例においては、比較例2〜3がやや悪い結果であったことを除き、添加量10重量部とかなりな量の金属ナノロッドを処方した実施例10においても、実用に耐え得る色調を示すなど、適切な軸長とアスペクト比を有する金属ナノロッドを用いると、広範囲な領域で目標色調を達成できること、特に、短軸長が20nm以下、長軸長が100nm以下の金属ナノロッドを0.5重量部以下の添加量で使用している実施例2,8は優れた色調を示す事が判る。本発明者らは、比較例3で用いた金属ナノロッドの様にやや粒子が大きい(長軸径が長い)金属ナノロッドを用いると色調への影響が顕れる恐れが生じるものの、実施例1〜5や比較例2に用いた程度の大きさの金属ナノロッドを使用する場合、金属ナノロッド添加による色調への影響は比較的軽微に納まる事を示しているものと判断している。
(3)印字濃度に関しては、帯電量がやや低いトナーで印字濃度がやや高くなる影響が見られたものの、何れも許容範囲内の性能を示していた。
また表4の結果より、以下の事が推察される。
(1)帯電特性、(3)印字濃度、(4)かぶりに関しては、表3に示した結果から推察した結果と同様、以下のことが判る。
金属ナノロッド添加量が多いなど、金属ナノロッドの添加によりトナーの電気抵抗が大きく低減する実験例においては、帯電特性、かぶりなどの性能劣化の度合いが高い。
印字濃度に関しては、帯電量がやや低いトナーで印字濃度がやや高くなる影響が見られたものの、何れも許容範囲内の性能を示す。
次に(6)不可視情報復元率と(9)近赤外光吸収率差に関しては、金属ナノロッド添加量0.1重量%である比較例7では満足する性能が得られにくいものの、金属ナノロッド添加量が0.3重量%である実施例11においては不可視トナーとしての実用許容領域となっていることが判る。
一方、(7)可視画像品質や(8)可視領域吸収率に関しては、金属ナノロッドの添加量が0.3重量%の実施例11から添加量が0.8重量%の実施例12までの間、不可視トナーとしての実用許容領域となっていることが判る。
よってこれらの相反する諸特性を両立する金属ナノロッド添加量は、0.3重量%から0.8重量%であることが好適であることが判る。
なお、ここでは金属ナノロッドとして金ナノロッドを使用した事例を述べたが、前記の他の金属を使用したナノロッドにおいても、その金属固有の表面プラズモンバンド値に応じた適切なアスペクト比を有するナノロッドを選択使用することで、前記例示の金ナノロッドの場合と同様な効果を得ることができる。
本発明のカラートナーおよび不可視トナーは、いろいろな画像形成方式、例えばエレクトログラフィー、エレクトロフォトグラフィー、イオノグラフィーなどを利用した各種の画像形成装置、例えば電子写真複写機、電子写真ファクシミリ、電子写真プリンタ、静電印刷機などにおいて現像剤として有利に使用することができる。
本発明のトナー(以下、「トナー」と略す場合がある)は近赤外線領域に強い発光を有する光源を用いて、光を照射することにより、光定着を行う画像形成方法に供せられる場合には、上記の金属ナノロッド(および併用の赤外線吸収剤)が赤外線を効率的に吸収するため、フラッシュ定着方式を採用する画像形成装置において良好な定着性を得ることができる。
また、本発明のトナーは、可視光領域での吸収を小さくすることが可能、かつ、CCD等の読み取り装置の読み取り精度を確保しやすい近赤外光領域(800nm〜1000nm)における光吸収率が高いことから、不可視トナーとしての読み取り強度・復号化時の精度が高く、不可視トナーとしても有用である。
なお、本発明のトナーは、勿論、ヒートロール等の加熱部材を用いて、加熱することにより定着を行う場合にも利用でき、また、着色剤を添加したトナーとした場合には、通常の着色した画像の形成にも利用できる。
本発明の光定着方式の画像形成装置の構成例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法により不可視画像と共に可視画像を同時に形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。 フラッシュ定着光の発光スペクトルの例を示す図である。
符号の説明
10 画像形成装置、11 感光体ドラム、12 帯電部、13 露光器、14 現像器、15 感光体クリーナ、16 画像記録媒体、17 転写部、18 フラッシュ定着部、19 キセノンフラッシュランプ、F 定着画像、T トナー像、200 画像形成装置、201 像担持体、202 帯電器、203 像書き込み装置、204 ロータリー現像器、204Y イエロー用現像器、204M マゼンタ用現像器、204C シアン用現像器、204K ブラック用現像器、205 転写ロール、206 クリーニングブレード、207 中間転写体、208,209,210 支持ロール、211 2次転写ロール。

Claims (12)

  1. 結着樹脂、およびその光吸収領域が800から1200nmの範囲に存在する金属ナノロッドを含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記金属ナノロッドの材質が金または金と他金属の合金、金と他金属の混合物、白金、白金と他金属の合金、白金と他金属の混合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、その長軸径が300nm以下、アスペクト比が3〜15の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記トナー中に、その最大吸光値の波長が50nm以上異なる複数種の金属ナノロットが含有されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記トナー中に含まれる金属ナノロッドの表面が、有機保護膜でコーティングされていることを特徴とする請求項1から請求項3項のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記トナー中に含まれる金属ナノロッドの添加量が0.4〜10.0重量%であり、フラッシュ定着法により定着を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  6. 前記トナー中に含まれる金属ナノロッドの添加量が0.3〜0.8重量%である不可視画像の形成に供される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子写真用トナーが光定着方式を採用した画像形成方法において用いられるものであって、前記電子写真用トナーが必須構成成分として有彩色着色剤を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  8. 前記トナー中に含まれる金属ナノロッドの添加量が0.4〜10.0重量%であり、フラッシュ定着法により定着を行うことを特徴とする請求項1から請求項4、請求項6のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  9. キャリアとトナーとを含有する電子写真用現像剤において、
    前記トナーが請求項1から請求項4、請求項6、請求項8のいずれか1項に記載の電子写真用トナーであることを特徴とする電子写真用現像剤。
  10. 静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、転写体上のトナー画像を被定着シート上に転写する工程と、前記トナー画像を光定着する工程とを有する画像形成方法において、
    前記現像剤として、請求項7に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  11. キャリアとトナーとを含有する電子写真用現像剤において、
    前記トナーが請求項5に記載の電子写真用トナーであることを特徴とする電子写真用現像剤。
  12. 静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、転写体上のトナー画像を被定着シート上に転写する工程と、前記トナー画像を光定着する工程とを有する画像形成方法において、
    前記現像剤として、請求項9に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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