JP4742881B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録用紙等の画像出力媒体表面に可視画像と共に、不可視画像を形成する際に、好適に用いることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
従来より、画像中に付加情報を重畳して埋め込む付加データ埋め込み技術がある。近年、この付加データ埋め込み技術を、静止画像等のデジタル著作物の著作権保護、不正コピー防止に利用する動きが活発になってきており、その手法の一つとして、コピーやプリントアウトに使用した画像形成装置を特定するために、画像上に目視で認識しずらい画像、その意味で不可視なパターンを形成することにより、情報を埋め込む技術が知られている。そのパターンを読み取る為に赤外線吸収を利用することが行われており、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載された技術のように、電子写真方式、静電記録方式又はインクジェット記録方式により、基体上に赤外線吸収性色素からなる着色領域と赤外線反射色素からなる着色領域とを並列又は重ねて形成し、着色領域の少なくとも一方が文字、数字、記号、模様などの画像であり、かつ上記2種の着色領域が肉眼で実質的に判別不能又は判別困難となるよう画像を記録するものである。
また、特許文献3には、通常のトナーによる画像と、赤外線吸収材料含有トナーによる画像が、並列又は重ねて形成されて、かつ上記2種の画像領域が肉眼で実質的に判別不能又は判別困難となるよう画像を記録することが開示されている。両者の情報読み取りのコンセプトは似ているが、特許文献1等は、赤外線吸収材料と同色系の赤外線反射材料を並列または重ねて、赤外線吸収材料のみを判別できなくする技術であり、赤外線吸収材料で作られた像が、単独では肉眼ではっきりと認識されることになる。これに対して、特許文献3号公報では、単独で画像が形成されても肉眼では見えにくく、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の画像と一緒になっても、その色相の変化が少ないことが特徴とされている。この為、特許文献3に示された不可視画像の形成方法は、不可視画像を埋め込む場所や、図柄に影響されない為に、偽造防止や、証券などに利用したときにはより、審美的な観点からより優れた技術と言える。
さらに付加データ埋め込み技術の為に、不可視な赤外線吸収材料が種々検討されており、様々な材料が開示されている。
例えば、無機系材料では、イッテルビウムなどの希土類金属(特許文献4、特許文献5)や銅リン酸結晶化ガラスを含有する赤外線吸収材料(特許文献6、特許文献7)など、有機材料としては、アミニウム化合物(特許文献8)や、クロコニウム色素(特許文献9)が挙げられ、特許文献10には、750〜1100nmに分光吸収極大波長を有し、かつ650nmにおける吸光度が、該分光吸収極大波長における吸光度の5%以下である赤外線吸収材料を含有することを特徴とする有機材料が提案されている。
一方、静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されており、特許文献11,12の各明細書等に記載されているように公知である。前記電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、感光体表面に静電潜像を形成し、現像工程において、トナーを含む静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある。)を用いて前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において、前記トナー像を紙やシート等の転写材上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用して前記トナー像を転写材上に定着し、永久画像を得る方法である。
電子写真法における現像剤の現像方法としては、数多く知られており、特許文献13に記載のカスケード現像法、特許文献14に記載の磁気ブラシ法、特許文献15に記載のタッチダウン法の他、現像剤担持体と感光体との間にバイアス電界を印加し現像を行うジャンピングブラシ現像法等が挙げられる。その中でも、キャリアとトナーとを混合してなる、所謂二成分現像剤を用いた代表的な方法として、磁気ブラシ法が挙げられる。
この磁気ブラシ法による現像原理について説明する。当該方法においては、キャリアに鋼、フェライト等の磁性を有する粒子(磁性キャリア)を用い、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を現像剤担持体に磁石で担持させ、その磁石の磁界により現像剤をブラシ状に形成させる。次いで、前記磁気ブラシが感光体上の静電潜像と接触することによって、ブラシ中のトナーが前記静電潜像の電荷量の大きさに応じて引き付けられ、現像される。
前記キャリアとしては、表面に被膜を有する被覆キャリアと、表面に被膜を有しない非被覆キャリアとに大別されるが、現像剤の寿命等を考慮した場合には、被覆キャリアの方が優れていことから、種々の被覆キャリアが開発され、実用化されている。前記被覆キャリアの特性としては、前記トナーに適当な帯電性(電荷量や電荷分布)を付与し得ること、その適切な帯電性を長期にわたって維持し得ること等が少なくとも要求される。そこで、前記トナーの帯電性を変化させず、耐衝撃性、耐摩擦性に優れ、湿度や温度等の環境変化に対して安定な各種の被覆キャリアが提案されている。
例えば、特許文献16から特許文献18には、含窒素フッ素化アルキル(メタ)アクリレートとビニル系モノマーとの共重合体や、フッ素化アルキル(メタ)アクリレートと含窒素ビニル系モノマーとの共重合体を、キャリア芯材表面に被覆することにより、比較的長寿命の被覆キャリアを得ることができる旨記載されている。また、特許文献19等にはポリアミド樹脂を、特許文献20にはメラミン樹脂を、それぞれキャリア芯材の表面に被覆し、硬化して、比較的固い被膜を有する被覆キャリアを得ることができる旨記載されている。
しかしながら、これらのキャリアの場合、前記トナー成分によるキャリア表面の汚染(インパクション)が防止しきれないと言う問題がある。キャリア表面への前記トナー成分によるインパクションを防止するためには、例えば、特許文献21等に記載されているようなシリコーン樹脂や、特許文献22に記載されているフッ素系樹脂のような、表面エネルギーの小さい樹脂を用いてキャリアの被膜を形成することも考えられている。しかし、このような被覆キャリアにおいて、前記シリコーン樹脂やフッ素系樹脂は、キャリア被覆層の表面近傍には比較的多く存在するものの、被覆層の厚さ方向にはわずかにしか存在しないので、このキャリアの場合、長期間使用すると被膜の摩耗により、樹脂の効果が徐々に失われ、逆に徐々に前記インパクションが生じてくる問題がある。また、このようなキャリアを含む現像剤を用いて、連続複写を行うと、初期的には濃度再現性や画質の優れた画像が得られるものの、数万枚複写した後では、画像濃度が低下し、階調性や粒状性が乏しくなってくる。つまり、従来からキャリア表面の汚染(インパクション)による画質劣化は免れないものであった。
従来は、このようにキャリア表面が汚染(インパクション)した現像剤は、回収・廃棄されていたが、近年、産業廃棄物による環境破壊が問題となっており、現像剤の再生に関しても課題の一つとなっている。現像剤の再生に関しては、例えば、特許文献23で回収現像剤を高温(約1000°F)で加熱再生する方法が提案されているが、この方法ではフェライト系キャリアを再生した場合、元の特性に戻らないという欠点がある。また特許文献24には、熱分解可能なトナーとの組み合わせにより、キャリア表面の被覆層を損なうことなくキャリア汚染を除去する方法が提案されているが、この方法は被覆層の材料を限定するものであり、現像剤特性が限定されてしまうという問題があった。
一方、複写機またはプリンター等の画像形成装置において、トナーとキャリアとから成る二成分系の現像剤を用いる現像装置では、現像装置内のキャリアは消費されないので、現像動作により消費されるトナーと異なり、使用時間が長くなるに従い、攪拌による表面樹脂被膜の剥がれや、表面へのトナー付着等により帯電性能が低下する。このキャリアの劣化によるコピー画質の低下を防ぐため、従来定期的に現像剤を交換して画質の低下を防いでいる。
近年需要の高いカラー対応の画像形成装置においては、複数の現像器に収納した複数色のトナーを記録媒体上に重ね合わせる方法が一般的である。このため、複数の現像器が装着された回転体を回転させ、複数色の現像器を順次感光体に対向あるいは接触させて現像するいわゆるロータリー方式のほか、リトラクト方式、タンデム方式等種々の方法が適用されている。しかしこれらのカラー画像形成装置では、像担持体周辺のスペースあるいは装置の大きさの制限上、1個当たりの現像器の大きさが制限され、スペース上、各現像器内に十分な現像剤量を確保することが困難である。そのため、現像剤の交換インターバルが短くなり、現像剤交換のためのサービスコストが増大する、あるいは、現像カートリッジ等の頻繁な交換により画像形成1枚当りの単価が上昇する等の問題点があった。
以上のような問題点を解決する技術として、従来、トリクル現像方式の技術が知られている。トリクル現像方式とは、現像剤の帯電性能の低下を防止して現像剤交換のインターバルを延ばすために、現像容器内に現像剤を徐々に補給する一方で、過剰になった(劣化したキャリアを多く含む)劣化現像剤を排出しながら現像を行う現像方式である。このトリクル現像方式では、現像容器内の劣化現像剤が少しずつ新しい現像剤に置換され、現像器内現像剤の帯電性能を一定に維持し、複写画質の低下を抑えることができる。
このトリクル現像方式では、現像器内の現像剤量を常に規定値に保持するように、現像剤の補給と排出を行う必要がある。トリクル現像方式の技術としては、例えば、特許文献25に記載の技術が知られている。この公報には、現像剤交換インターバルを延ばすため、現像剤を徐々に補給する一方で過剰になった劣化現像剤をオーバーフローさせて排出する構成にしたトリクル現像方式が提案されている。しかしながら補給されるキャリア量にもよるが補給されるキャリアが同一キャリアを使用しているため経時による外添剤汚染、キャリア被覆層などにより抵抗低下、帯電性低下がやはり起こってしまう。キャリアの供給量を増加させれば低下度合いを抑制する事になるがキャリアの大量廃棄及び現像剤交換のインターバルが極端に短くなるという不具合が出てしまう。
特許文献26には、予め現像機内にセットされているキャリアに比べ抵抗値の高いキャリアを使った補給用現像剤を使用し良好な画質維持性を獲得している。これはキャリア表面被覆樹脂磨耗による抵抗低下を抑制する目的で行われている。しかしながら抵抗値の異なるキャリアを補給して行った場合結果的に現像剤の抵抗値が高くなってしまい濃度が出にくくなる不具合が発生してしまう。さらに劣化した状態においては抵抗値の異なるキャリアが混在する状態になるため高温高湿度下では抵抗の低いキャリアが優先的に飛散してしまい画像白抜けを発生させ結果的に画像欠損を引き起こしてしまう。
また、特許文献27には、抵抗値と帯電を安定化させる目的で予め現像機内にセットされたキャリアと異なる物性のキャリアを含有させた複数種の補給用現像剤を順次供給する方法が提案されている。しかしながら複数種の補給現像剤を追加していくと例えば補給現像剤交換タイミングによる帯電量差が大きくなってしまう。補給現像剤を使いきらない状態で交換してしまうと現像機内で高帯電、低帯電の現像剤が混在してしまい高帯電による濃度不足や低帯電によるカブリが発生してしまう不具合があった。
また画像形成方法で積極的に上述した不具合を改善する為に、例えば特許文献28には、予め補給用現像剤の入れ替わりを制御する目的で補給現像剤量累積値に基づいて現像機内の現像剤を排出する機構を有する画像形成方法を提案している。しかしながらこれは高画像比率の画像を連続して出力した場合には生産性を落とすことなく良好な画像が得られるが不可視トナー用途、特に低画像比率の画像形態に対しては優位に働かない不具合がある。
不可視トナーはその用途から画像印字面積が極端に少ないことが予想される。例えばバーコードや特殊記号、ナンバリングなどが主な画像形態と推定される。画像印字面積が少ないということは現像量がカラートナーに比べ極端に少ないことを意味する。この少現像量が現像機内でチャージアップを起こし特に経時で現像性を極端に落としてしまい濃度が出ない。また不可視トナーのように重量平均分子量(Mw)が高い樹脂はキャリアコート層磨耗にも懸念がありMwを挙げられない。
以上のように不可視トナーを使用する場合の課題として、低画像面積による現像機内のチャージアップによる濃度不足及び攪拌時間が長くなることによる現像剤劣化がある。現像剤劣化回避としてトリクル方式が有効であるが極端に現像量の異なる画像形成方法に有効な方法になっていない。
静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されており、特許文献11,12の各明細書等に記載されているように公知である。前記電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、感光体表面に静電潜像を形成し、現像工程において、トナーを含む静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある。)を用いて前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において、前記トナー像を紙やシート等の転写材上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用して前記トナー像を転写材上に定着し、永久画像を得る方法である。
1980年代の後半から、電子写真の市場はデジタル化をキーワードとして小型化、高機能要求が強く、特にフルカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。この事により、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。しかし、一方、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。しかし、単にトナーの小粒径化だけでは、安定的に高画質を得る事は困難であり、現像、転写、定着特性における基礎特性の改善が更に重要となっている。
特にカラー画像では、3色、4色のカラートナーを重ね合わせ画像を形成している。それゆえにこれら何れかのトナーが現像、転写、定着の観点で初期と異なる特性、あるいは他色と異なる性能を示すと色再現の低下、あるいは粒状性悪化、色むら等の画質劣化を引き起こす事となる。安定した高品質の画像を初期同様に経時においても維持するためには各トナーの特性を如何に安定制御を行うかが重要である。
乾式現像剤は、結着樹脂中に着色剤を分散したトナーそのものを用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別することができる。いずれの場合も、複写するに際しては、感光体等に形成された静電潜像をこれらの現像剤で現像し、感光体上のトナーを転写した後、感光体上に残留するトナーをクリーニングするものである。したがって、乾式現像剤は、複写工程、特に現像工程あるいはクリーニング工程において、種々の条件を満たしていることが必要となる。即ち、トナーは現像の際にも、凝集体としてではなく粒子個々で現像に供給されるものであり、このためにはトナーが十分な流動性を持つと共に流動性あるいは電気的性質が、経時的あるいは環境(温度、湿度)によって変化しないことが必要となる。また、二成分現像剤では、キャリア表面にトナーが固着する現象、いわゆるトナーフィルミングを生じないようにする必要がある。
さらに、クリーニングに際しては、感光体表面から残留トナーが離脱しやすいこと、また、ブレード、ウェブ等のクリーニング部材と共に用いたとき、感光体を傷つけないこと等のクリーニング性が必要となる。これら諸要求を満たすべく、乾式現像剤において、シリカ等の無機微粉、脂肪酸、その金属塩およびそれらの誘導体等の有機微粉、フッ素系樹脂微粉などをトナー外添した一成分現像剤または二成分現像剤が種々提案され、流動性、耐久性あるいはクリーニング性の改善が図られている。
しかしながら、従来提案されている添加剤において、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機化合物は、流動性を著しく向上させるものの、硬い無機化合物微粉により感光体表面層はへこみや傷がつきやすく、傷ついた部分でトナー固着を生じやすい等の問題がある。また、近年、省資源化の目的で再生紙の利用が増えているが、一般に再生紙は、紙粉を多く発生させるという問題があり、感光体とブレード間に紙粉等が入り込み、黒筋等のクリーニング不良を誘発する。
これらの問題を解決すべく、特許文献29においては添加剤として脂肪酸金属塩を外部添加し、特許文献30,31においてはワックスを外部添加している。上記公報に開示されたものにおいては、いずれも添加剤の粒径が3〜20μmと大きく、その効果を効率良く発現させるためには、相当量の添加が必要となる。さらに付け加えれば、初期的には効果的であるものの、添加剤(滑剤)独自のフィルミングにより滑剤としての膜形成が均一ではなく、画像に白ぬけ、像ぼけ等を発生させるという問題が生じる。また、特許文献32には脂肪酸金属塩で処理した酸化チタン粒子、特許文献33には、水系中で脂肪酸化合物を加水分解しながら表面処理された酸化チタン微粒子、特許文献34には、脂肪酸金属塩で表面処理された無機化合物、特許文献35には、脂肪酸アルミニウムで表面処理して疎水化した微粒子酸化チタンが提案されている。脂肪酸金属塩を表面処理に用いることで、脂肪酸金属塩自体の粒径の大きさに由来する上記課題をある程度回避している。しかし、いずれの場合でも表面処理の均一性に言及しておらず、感光体表面の傷防止は不十分である。また一方では、特許文献36において、疎水性硬質微粉末をトナーに外添し、硬質微粉末の研磨効果により感光体を削り、トナーフィルミングを防止している。しかし、この手法はフィルミング抑制には効果的ではあるものの、感光体表面を摩耗し、著しく感光体寿命を低下させるという欠点がある。同時に、クリーニングブレードが硬質微粉末により摩耗し、著しくブレード寿命を低下させるという欠点がある。
感光体の磨耗低減にはトナー添加ではなく外部供給という観点で、例えば特許文献37に記載のようにステアリン酸亜鉛を感光体に塗布する画像形成方法や、特許文献38のようにトナー形状と滑剤の粒径範囲を規定して感光体磨耗を低減させる方法が提案されている。
しかし、外部添加による滑剤供給は初期的には有効であるが形成画像密度や経時において感光体上の滑剤量が部分的に多かったり少なかったりし不具合が発生する。多い場合にはクリーニングブレードにより感光体上に薄く被覆されてしまい高温高湿下で画像流れが発生してしまう。また少ない場合はクリーニングブレード鳴き、感光体傷など本来の目的の効果が発揮できなくなる。
特開平6−171198号公報 特開平6−122266号公報 特開2001−265181号公報 特開平9−77507号公報 特開平9−104857号公報 特開平7−53945号公報 特開2003−186238号公報 特開平7−271081号公報 特開2001−294785号公報 特開2002−146254号公報 米国特許第2297691号 米国特許第2357809号 米国特許第2618552号 米国特許第2874063号 米国特許第2895847号 特開昭61−80161号公報 特開昭61−80162号公報 特開昭61−80163号公報 特開平1−18150号公報 特開平2−79862号公報 特開昭60−186844号公報 特開昭64−13560号公報 特開昭47−12286号公報 特開平6−149132号公報 特公平2−21591号公報 特開平3−145678号公報 特開平8−234550号公報 特開2005−195705号公報 特開昭60−198556号公報 特開昭61−231562号公報 特開昭61−231563号公報 特開平4−452号公報 特開平5−66607号公報 特開平5−165250号公報 特開平10−161342号公報 特開平2−89064号公報 特開2002−287567号公報 特開2005−171107号公報
種々提案され、公報に記載された従来技術においては、以下のような課題があった。
すなわち、上記特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、赤外線に対する吸収性及び反射性を有する色素の可視光領域での吸収性について何ら規定しておらず、よって付加情報を埋め込む領域の上層に、情報を視覚的に隠蔽する遮蔽層を設けることが必要となる場合がある。すなわち、付加情報を埋め込む領域や画像が限定されるという問題が発生する場合がある。通常、その目的から情報を視覚的に隠蔽するための遮蔽層は、可視光領域の波長をすべて吸収、あるいはすべて反射する必要があり、吸収する場合は黒色に、反射する場合は白色を有する層となる。そのため、可視画像が形成された領域のどこにでも、付加情報を埋め込むことができるというわけではないという問題が生じる場合がある。さらに、白色を有する遮蔽層で付加情報を視覚的に隠蔽する場合は、可視画像が形成された層と、画像出力媒体表面との間に付加情報を埋め込む必要があり、前記遮蔽層を形成した後、新たに付加情報を追加したりすることができないという問題が生じる可能性がある。
さらに、上記特許文献1に記載の技術は、目視でベタ画像に見える可視画像が形成された領域に不可視画像からなる情報を埋め込むものである。従って、画像出力媒体表面に形成された可視画像の位置に関係なく、前記画像出力媒体表面の任意の位置に不可視画像を形成させることができないという不具合がある。
一方、上記特許文献4、特許文献5および特許文献6、特許文献7に記載された不可視画像を形成するための無機材料の近赤外光吸収材料に関する従来の技術では、可視領域の光を良く反射して、不可視の画像を得ることができるが、赤外光域の吸収が十分でなく単位面積当りのトナー量を多くする必要がある為に、通常の画像をその上に作成した場合には、下の不可視トナーの凹凸が、上の画像に影響を与えることとなる。このように、無機材料の赤外線吸収材料では、トナーとしての使用に制限を課すことになる。
また、特許文献8や特許文献9及び特許文献10に示されるような有機材料の近赤外光吸収材料は、高い赤外線吸収率のために、少量で済み、無機の材料を使用した時のような不具合や制限は生じないが、上記特許文献に記載の材料を用いたトナーでは、可視領域の吸収が大きいために”不可視"目的のトナーを着色してしまう。
さらにカラー画像は、要求される画質の観点から画像出力媒体表面より高い光沢度を有するが、特許文献11に記載の蛍光増白剤の併用添加等による着色抑制を試みても、不可視トナー粒子と画像出力媒体の光沢度差異より、本来不可視であるはずの情報が簡単に読み取れてしまうという課題がある。
また、不可視トナー固有の問題として現像剤劣化が挙げられる。本発明のトナーセットの通常の使用形態においては、カラートナー消費量に対して不可視トナーの消費量が少ない。従って不可視トナーは現像されずに現像機内での滞留が長くなるためカラートナーに比べて流動性の悪化、外添剤の埋まりこみ等による転写不良が発生し易い。本発明の不可視トナーによる画像は原則目視にて判別できないことを特徴とするが故に、画像欠陥の発見が困難であり、従って不可視トナーの現像剤は長期にわたり安定した高い転写性能を維持することが必要である。
また、現像性を安定させる為には帯電を安定させることが必須である。帯電安定性を獲得するにはトリクル現像方式が有効である。現像量が極端に違うカラートナーと不可視トナーではそれぞれトリクル比(TN/CA比:トナー/キャリアの比)を異なる比率にし、特に不可視トナーのトリクル比はカラートナーに比べ少なくする事で回避ができる。
この理由は次のように考えられる。現像性を安定させる為には現像剤の帯電性を安定させることであるが、この帯電性が変化する要因としてはキャリア劣化が主である。劣化原因も、(i)キャリアに外添剤やトナー自体が付着しキャリア表面を汚染してしまうインパクションタイプ。(ii)キャリア被覆樹脂が磨耗し帯電量を落としてしまう被覆樹脂磨耗タイプがある。通常は(i),(ii)の複合で帯電性変化が起こる。集約するとキャリアの帯電付与能力の減衰である。この帯電付与能力が減衰する前に、帯電付与能力の減衰していないキャリアを供給する事で一定の帯電量が確保される。つまりトリクル現像方式を採用すると帯電安定性は飛躍的に良くなる。
しかし、これはあくまで現像量がほぼ一定のカラートナーの場合であり、不可視トナーのような少現像量の場合には更にトリクル比を下げて使用しなければならない。通常の現像機では現像がない場合でも現像機内で現像剤の攪拌がなされており、一定の帯電量まで摩擦帯電される。しかし、現像量が極端に少ない場合は攪拌だけが行われ、トナーの入れ替えが無く、一定量以上の帯電量となる(チャージアップ現象)。このチャージアップ現象は現像性を低下させる要因であり、画像濃度が出ないというが画質欠陥に繋がる。トリクル現像方式以外でチャージアップ減少を抑制する為には、例えばTC(TC:Toner Concentration)を高くする事でチャージアップする帯電量を抑える効果が得られるが、現像機の容積や外添剤インパクションの観点から必ずしも有効な手段とはいえない。
また、一方で不可視トナーのように硬い樹脂を使用した場合、キャリアコート層の磨耗も促進されるとともに、そもそも一般的に硬い樹脂へ外添剤を、例えばヘンシェルミキサー等に代表される混合機で付けた場合、外添剤の付着強度は弱くなってしまう。その結果遊離外添剤が多くなり劣化原因(i)のインパクション量が増えてしまう結果になる。
感光体傷の発生する原因としてはトナーと感光体表面が接触するために起こる。特に現像工程やクリーニング工程では、感光体に応力を付加し現像、クリーニングを行っている。一般的にトナーは流動性を獲得する為に無機酸化物を外添剤として使用している。無機酸化物は硬度があるため感光体に接触した時点で軽微な傷(磨耗)を発生させる。つまり表面に研磨剤を添加しているトナーで、感光体を削っている状態で画像形成を行っている。
特に、不可視トナーの用途を考えた場合、画像密度が小さく且つ形成画像位置がバーコードやナンバリングのように定型な場合が多く、感光体の観点からは決まった部位にのみ不可視トナーが接触してしまう。不可視トナーはその利用目的から樹脂分子量を他カラートナーより大きくして使用するが、分子量を大きくするとトナー自体も硬くなり感光体磨耗を促進させてしまう。また、外添剤構造においても、他カラートナーに対して分子量が大きい分、外添剤の埋まりこみが少なく、いつまでも外添剤による研磨効果が持続されてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、画像出力媒体表面に、不可視画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、また、赤外光照射により機械読み取り・復号化処理が長期間にわたり安定であり、情報が高密度に記録できる不可視画像と、前記画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができる不可視画像を得ることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)潜像担体上に潜像を形成する工程と、前記潜像を静電荷現像用トナーを用いて現像する工程と、現像されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する工程と、前記被転写体上のトナー像を加熱圧着する定着工程と、を含む画像形成方法であり、前記定着工程は、電子写真用トナーセットを用いて画像出力媒体上に形成したトナー画像を、140℃乃至210℃の温度域で加熱定着させる工程を有し、前記電子写真用トナーセットは、芯材の表面を樹脂で被覆してなるキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤が収容された現像器の内部に、前記トナーと前記キャリアとを含有する補給用現像剤を適宜補給すると共に、過剰となった前記現像剤を現像器の内部から回収する現像剤回収機構を有する画像形成装置に用いられ、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含むカラートナー粒子と、結着樹脂と近赤外光吸収材料と離型剤とを含む不可視トナー粒子とからなり、不可視トナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量とカラートナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量の比が2:1から3:1であり、前記不可視トナー粒子の形状指数が110以上135以下である画像形成方法である。
(2)カラートナー粒子中に含有する脂肪酸金属塩からなる滑剤量をA、不可視トナー粒子中に含有する脂肪酸金属塩からなる滑剤量をBとしたときに、1.2×A<Bの関係があり、0.1重量%≦A≦5重量%であって、かつ該カラートナーのテトラヒドロフラン不溶分の量Fcと該不可視トナーのテトラヒドロフラン不溶分の量Fiの関係が1.5×Fc≦Fi≦10×Fcである上記(1)に記載の画像形成方法である。
(3)近赤外光吸収材料として、アミニウム塩系化合物、及びナフタロシアニン系化合物の少なくとも1種を含有する上記(1)または(2)に記載の画像形成方法である。
潜像担体上に潜像を形成する工程と、前記潜像を静電荷現像用トナーを用いて現像する工程と、現像されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する工程と、前記被転写体上のトナー像を加熱圧着する定着工程と、を含む画像形成方法であり、前記定着工程は、電子写真用現像剤を用いて画像出力媒体上に形成したトナー画像を、140℃乃至210℃の温度域で加熱定着させる工程を有し、前記電子写真用現像剤は、キャリアと、電子写真用トナーと、からなり、該電子写真用トナーが、電子写真用トナーセットであって、前記電子写真用トナーセットは、芯材の表面を樹脂で被覆してなるキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤が収容された現像器の内部に、前記トナーと前記キャリアとを含有する補給用現像剤を適宜補給すると共に、過剰となった前記現像剤を現像器の内部から回収する現像剤回収機構を有する画像形成装置に用いられ、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含むカラートナー粒子と、結着樹脂と近赤外光吸収材料と離型剤とを含む不可視トナー粒子とからなり、不可視トナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量とカラートナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量の比が2:1から3:1であり、前記不可視トナー粒子の形状指数が110以上135以下である画像形成方法である。
画像出力媒体上に画像を形成する際に前記電子写真用トナーセットを用い、且つ前記画像出力媒体上に形成されたトナー画像の最下層が近赤外光吸収材料を含む不可視トナー粒子による画像である上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
像出力媒体上に画像を形成する際に前記現像剤を用い、且つ前記画像出力媒体上に形成されたトナー画像の最下層が近赤外光吸収材料を含む不可視トナー粒子による画像である上記(4)に記載の画像形成方法である
本発明によれば、トリクル現像方式で帯電安定性を確保しつつトリクル比を変えることにより、チャージアップ現象を抑制させることが可能になる。更にトリクル現像方式を採用すれば遊離外添剤にも強くなるので、不可視トナーの樹脂選択幅(Mwの選択の幅)が広がる。
また、上記の課題に対して、不可視トナーに脂肪酸金属塩を添加すると感光体傷、磨耗が低減できると考える。その理由としては不可視トナーの分子量がカラートナーより大きいこと及び使用目的から感光体の特定部位を連続して使用することに由来する。分子量が大きくなると、通常トナーは硬くなる傾向にある。硬いトナーに脂肪酸金属塩を添加した場合、トナーへの付着力は小さくなる傾向にある。つまり遊離しやすい状態になっていると考えられる。脂肪酸金属塩は、低表面エネルギー材料であり更に延伸性がある為、トナーから遊離して転写後に感光体表面に残留した場合には、感光体に圧接するクリーニングブレード、或いは感光体にある線速度で接触するクリーニングブラシ等のクリーニング部材の機械的作用により脂肪酸金属塩が感光体表面を極薄く被覆するようになり、この被膜層が感光体表面の摩擦係数を低下させる。この被膜層と摩擦係数低下によるクリーニング部材の機械的圧力の低減により感光体表面層の摩耗量を低減することができ、感光体の摩耗寿命を改善することができる。
また、不可視トナーは特定部位に画像形成されるため多量の脂肪酸金属塩を必要としないことから、過剰供給による像流れなどの不具合はない。経時による脂肪酸金属塩の感光体上の蓄積においても、不可視トナーが硬いこと及び他カラートナーが研磨効果があるため同様に経時累積による像流れも発生しない。つまり硬いトナーと特定部位での作像で効果が出ていると考えている。
また、さらに不可視トナー粒子の形状を規定の形状指数の範囲内にすることで、クリーニング性を維持しつつ高い転写率を長期にわたり維持できるため、従って長期にわたり赤外光照射による機械読み取り・復号化処理のエラーを抑制することができるため優れている。
さらに、画像出力媒体表面に、不可視画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、また、不可視画像が、赤外光照射により機械読み取り・復号化処理が長期間にわたり安定であって、情報が高密度に記録でき、さらに、不可視画像は、前記画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができ、特に、目視の際に画像出力媒体との光沢差が無い又はほとんど無い事から不可視情報の存在が認識できず、偽造抑止効果等が発揮可能な不可視画像を得ることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤及びそれらを用いた画像形成方法を提供することができ、実用上極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[電子写真用トナーセット]
画像出力媒体上に不可視情報を含む画像を形成する場合、一般的に可視画像、すなわちカラー画像が主である。特にフルカラー画像では図版、写真等を含む場合が多く、高画質の観点から、最終画質に対しては高い光沢度を持つことが要求され、トナー材料、特に結着樹脂は、画像出力媒体表面との光沢度差であるΔグロスが大きくなるように材料設計される。
対して不可視画像は該カラー画像に情報を付加するものであって、情報の検出以外の手段では顕在化しない、すなわち目視で確認されないことが必要となる。ところが、不可視を顕像化するトナー粒子に対して同様の結着樹脂を含む材料設計を適用した場合、画像自体が着色されていなくても画像出力媒体表面との光沢度の差異から、少なくても不可視情報を記録している部位が目視で認識できてしまう。
そこで、カラー画像、特にフルカラー画像を顕像化するシステムでは、可視画像は高光沢度で再現され、不可視情報記録画像は画像出力媒体との光沢度差が小さいほうが望ましい。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、芯材の表面を樹脂で被覆してなるキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤が収容された現像器の内部に、前記トナーと前記キャリアとを含有する補給用現像剤を適宜補給すると共に、過剰となった前記現像剤を現像器の内部から回収する現像剤回収機構を有するトリクル式の画像形成装置に用いられるトナーが電子写真用トナーセットであって、電子写真用トナーセットは、カラートナー粒子、及び不可視情報を付与させる為の近赤外材料を内部に分散したトナー粒子(以後、不可視トナーと表記)からなり、かつ、不可視トナー粒子の形状指数が110以上135以下とすることにより、課題を改善できることを見出し、発明を完成するに至った。
[近赤外光吸収材料]
また、本発明の不可視トナー粒子は、上記重量平均分子量範囲の結着樹脂に加え、不可視情報を記録し、必要に応じて検出可能とする為に近赤外光吸収材料を含有している。
近赤外光吸収材料としては、 無機材料系では、例えば、燐酸、シリカ、ホウ酸等の可視域の波長を透過する公知のガラス網目形成成分に、遷移金属イオンや、無機及び/又は有機化合物からなる色素等の材料を添加したガラスや、これを熱処理により結晶化した結晶化ガラス等の無機材料が挙げられる。これらの無機材料は可視領域の光を良く反射して、不可視の画像を得ることができるが、反面、赤外光域の吸収が十分でなく単位面積当りのトナー量を多くする必要がある。
また、有機系の近赤外光吸収材料においては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物等の有色材料、アミニウム塩系化合物 、ナフタロシアニン系化合物等の無色の材料が挙げられる。前者は添加により画像を着色してしまうことから、不可視の情報記録には適さないが、後者は無機材料に比較し、赤外光域の吸収が十分に大きいことから添加量を抑えられ、結果としてカラー画像の画質を損ねないという利点がある。
以上のような理由から、本発明における近赤外光吸収材料としては、アミニウム塩系化合物 及び ナフタロシアニン系化合物の少なくとも1種を用いることが好ましい。また、該近赤外光吸収材料はトナー粒子中に分散して含有することがより好ましい実施形態である。
該材料をトナー表面に外部固着 或いは トナー粒子群に混合添加した場合、トナー粒子及び現像剤中で材料凝集などを発生させる可能性が有り、さらにバルクとして必要量添加してもトナー表面に外部固着 或いは 現像剤調整の段階で、機器への付着などで失われ、不可視画像中の近赤外光吸収材料が不足または偏在等することで情報を正確且つ安定に読み出せなくなってしまう。また、遊離した近赤外光吸収材料が機内、特に感光体等を汚染することで現像、転写などの他工程に悪影響を与える可能性も考えられる。
特に前述の有機系近赤外光吸収材料を用いる場合、無機系材料に比べ結着樹脂に対する分散性が良く、画像出力媒体上に形成された不可視画像中に均一に分散し、可視域においてより不可視性を損なうことなく、赤外域においては十分な吸収を示すことで情報が高密度に記録でき、且つトナー中への分散性が良いことから不可視画像の機械読み取り・復号化処理が長期間わたり安定に行うことが可能となった。
本発明に用いられるナフタロシアニン系化合物としては、以下の式(1)及び式(2)に例示するような化合物が好適である。
(式(1)において、Mは、金属原子又は金属酸化物を表し、R、R及びRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、シクロヘキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシルアミノアルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を表し、R、R、R及びRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基、アラルキル基又はハロゲン原子を表し、また、RとR又はRとRが組み合わさって環状基を形成していてもよく、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又は水酸基を表し、lは、1〜4の整数であり、mは、0〜5の整数であり、そしてnは、0〜14の整数であり、但し、2l+m+nは16である)
(式(2)において、Metは、2個の水素原子、2価の金属原子、3価もしくは4価の置換金属原子を表し、A〜Aは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基又は置換もしくは非置換のアリールチオ基を表し、但し、AとA、AとA、AとA、AとAの各組み合わせにおいて、その両方が同時に水素原子又はハロゲン原子になることはなく、Y〜Y16は、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、置換もしくは非置換のアリールチオ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のアリールアミノ基、置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアリールアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、ニトリル基、オキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基又はモノもしくはジ置換アミノカルボニル基を表す)
またアミニウム系化合物としては、以下の式(3)及び式(4)に例示するような化合物が好適に用いられる。
本発明における近赤外光吸収材料としては、上記に例示したような化合物が好適であるが、アミニウム塩系化合物、及びナフタロシアニン系化合物から選択される有機系材料粒子であれば、何ら限定されるものではない。
さらに本発明におけるトナーセットは、画像出力媒体上に形成したトナー画像を、140℃乃至210℃、好ましくは160℃乃至200℃の温度域で加熱定着させる工程を有する。定着温度域が上記範囲以上の場合には、主たるカラー画像の画質が維持できなくなる。すなわち降温オフセットを発生させることで、画像表面が荒れてしまい、もしくは画像自体が欠損し、画質に対する要求を満たすことが出来なくなる。また温度域を下回ると、不可視トナー粒子の定着性強度が低下してしまい、不可視画像の乱れや欠落を発生させ、不可視情報の正確な読み取りが出来なくなってしまう。
加熱定着温度を本発明の温度域に制御することで、主たる可視化画像であるカラー画像において高画質を維持しつつ、不可視情報を付与する画像の目視による視認を抑制することが可能となる。
さらに、トナーセットに用いられる共通の材について、以下に詳細に説明する。
<結着樹脂>
本発明のトナーセットにおけるトナー粒子に使用し得る結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、αポリ(α−メチルスチレン)等を主成分とするスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等を主成分とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が挙げられるが、電子写真用トナーとして用いる際の帯電安定性や現像耐久性の観点からスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂に用いる縮合性単量体としては、例えば、高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているような縮合性単量体成分であり、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールがある。2価のカルボンの酸具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、前記の縮合性単量体成分の中から任意の組合せで、例えば、「重縮合」(化学同人)、「高分子実験学(重縮合と重付加)」(共立出版)や「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社編)等に記載された従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は、組み合せて用いることができる。
また前述のように樹脂の分子骨格にカルボキシル基を残留させることが好ましいが、ポリエステル樹脂は製法上分子側鎖へのカルボキシル基の導入が困難であるため、樹脂分子の両末端をカルボキシル基にすることによって、銅化合物に対する含有量の制御に対して一定の効果をあげることができる。したがって、樹脂の酸価はより高いほうが好ましく、具体的には5〜50mgKOH/gの範囲が好ましい。より好ましくは10〜40mgKOH/gである。
また前述のスチレン系樹脂及び(メタ)アクリル系樹脂、特にスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂を構成する重合性単量体としては、以下のようなものが挙げられる。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等がある。スチレン系単量体としては、スチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−β−カルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等がある。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
前記スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂にカルボキシル基を含有させる場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を共重合させることによって得ることができる。
このようなカルボキシル基含有重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メタクリル酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸等であり、重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などが好ましく、アクリル酸がより好ましい。
本発明のトナーセットにおけるトナー粒子に用いる結着樹脂は、その重合時に連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に制限はないが、チオール成分を有する化合物を用いることができる。具体的には、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が好ましく、特に分子量分布が狭く、そのため高温時のトナーの保存性が良好になる点で好ましい。
本発明のトナーセットにおけるトナー粒子に用いる結着樹脂のうち、重合性単量体のラジカル重合により製造することができるものはラジカル重合用開始剤を用いて重合することができる。
ここで用いるラジカル重合用開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
上記の共重合体のガラス転移温度は50〜70℃であることが好ましい。
<THF不溶分の量>
本発明における『THF不溶分』とは、有機溶媒に対する結着樹脂の不溶分であり、以下のようにして測定した値である。
(THF不溶分の測定方法)
密閉できる遠心分離管に、結着樹脂0.500gを試料として精秤して投入し、さらにテトラヒドロフラン(THF)をピペットで20ml測り取り混合する。遠心分離管を密閉し、25℃の環境下でボールミルにて5時間混合溶解する。混合後の容器を回転速度10000rpmで60分間遠心分離を行う。ピペットを用いて遠心分離後の上澄み層から5ml採取し、風袋重量を測ったアルミ皿に移す。そのアルミ皿をヒーターを備えた真空乾燥機にて60℃で6時間減圧乾燥し、乾燥後重量からアルミ皿重量を引き、析出樹脂重量を求める。
THF不溶分は、以下の計算で求めた。
(数1)
THF不溶分=((析出樹脂重量)×4)−0.500)÷0.500
本実施の形態のトナーセットにおいて、カラートナーのテトラヒドロフラン不溶分の量Fcと該不可視トナーのテトラヒドロフラン不溶分の量Fiの関係が、1.5×Fc≦Fi≦10×Fcである。Fiが1.5×Fc未満の場合には、定着時の離型性が格段に落ちてしまい画像オフセットを引き起こしてしまうという不具合があり、一方、Fiが10×Fcを超える場合には、定着時に定着部材がスリップし画像あれを引き起こしたり、また溶融ムラを発生してしまうという不具合がある。
本発明のトナーセットにおけるトナー粒子には、トナーの内部に含有・分散させて使用する内部添加剤として、定着性を調整する離型材料や、帯電を調整する帯電制御剤等を含有してもよい。
<離型材>
離型材料としては公知のものを使用することができ、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。この誘導体には、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物が含まれる。この他にも、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等が挙げられる。離型材の添加量は適時調整可能であるが好ましくは10重量部、より好ましくは8重量部以下である。
<滑剤>
本実施の形態では、感光体傷、偏磨耗を抑制するために、カラートナー粒子中に含有する滑剤量をA、不可視トナー粒子中に含有する滑剤量をBとしたときに、1.2×A<Bの関係があり、0.1重量%≦A≦5重量%であることが好ましい。そして、この場合の滑剤は、脂肪酸金属塩が望ましい。
<脂肪酸金属塩>
脂肪酸金属塩としては従来公知のものが使用でき、例えば、アルミニウムステアレート、カルシウムラウレート、カルシウムミリステート、カルシウムステアレート、ジンクラウレート、ジンクミリステート、ジンクステアレート、マグネシウムステアレート等を例示することができる。感光体磨耗の観点からはジンクステアレートがより好ましい。
また、脂肪酸金属塩の粉体粒径としては0.1〜3μmが好ましくより好ましくは0.5〜2μmである。粉体粒径が0.5μm未満の場合はクリーニングブレードをすり抜けてしまい感光体上に脂肪酸金属塩が経時で滞留しやすくなってしまい結果的に像流れを誘発してしまう。また3μmを超える場合は期待の傷、磨耗抑制効果が低いこと及び遊離した状態で現像されてしまうと白抜けなどの画質欠陥を引き起こしてしまう。
添加量については、粉体粒径とのバランスがあるが、粉体粒径が0.1〜3μmの範囲であるならばカラートナー粒子中に含有する量で0.1〜5.0重量部、より好ましくは0.3〜3.0重量部である。0.1重量部未満では粒径同様に傷、磨耗抑制効果が小さく5.0重量部を超えると像流れ発生に繋がってしまう。
<帯電制御剤>
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。なお、本発明のにおけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
<着色剤>
本発明のトナーセットにおいて、可視画像形成用に使用するカラートナー粒子は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン色及び、レッド、ブルー、グリーン等、所望する色の公知のものを用いることができるが、近赤外光吸収材料を含有する不可視トナーとの併用を前提としていることより、近赤外光領域における吸収率(近赤外光吸収率)が、5%以下であるカラートナー粒子を用いることが、不可視情報の読み取り精度確保の観点で好ましい。
可視トナーの近赤外光吸収率が5%以上である場合には、画像出力媒体表面に、不可視画像と、カラー画像(以下、可視化画像と記載)とが形成された画像形成面を、赤外光照射により機械読み取りする場合において、可視画像も、不可視画像として誤認されてしまう場合がある。特に、画像形成面の不可視画像が形成された領域を特定せずに機械読み取りする場合や、可視画像と、画像出力媒体表面と、の間に不可視画像を形成する場合においては、不可視画像の情報のみを読み取って正確に複号化することが困難になる場合がある。
この可視トナーの近赤外光吸収率は、既述した不可視トナーの場合と同様に分光反射率測定機を用いて、前記可視トナーにより形成された可視画像の近赤外域の分光反射率をVT(i)、画像出力媒体の分光反射率をM(i)と測定することにより、下式(5)に示したように求められる。
式(5): 可視トナーの近赤外光吸収率=VT(i)−M(i)
上記したような可視トナーを得るために用いる着色剤としては、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などを代表的なものとして例示することができる。
また、必要に応じて染料を用いることもできる。該染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等が挙げられ、これらの単独、もしくは混合した状態で使用できる。
また、不可視画像の読み取り精度を高めるためには、不可視画像を形成する不可視トナーの近赤外光吸収率は、可視画像を形成する可視トナーの近赤外光吸収率よりも15%以上大きいことが好ましく、30%以上大きいことがより好ましい。
不可視画像と、可視画像と、の近赤外光吸収率差が15%よりも小さい場合には、不可視画像の近赤外吸収率と、可視画像の近赤外吸収率と、の間の吸収率域において、機械読み取りする際に不可視画像か否かを識別して読み取るために一定のコントラスト(閾値)を境界として2値化処理して、不可視画像のみを認識して読み取ることが困難となる場合がある。即ち、このような場合、可視画像が、不可視画像の読み取り、さらには、不可視画像に記録された情報を正確に復号化する際の障害となってしまう可能性がある。
なお、このような、不可視画像を形成する不可視トナーの近赤外光吸収率と、可視画像を形成する可視トナーの近赤外光吸収率と、の差(以下、単に「近赤外光吸収率差」と略す場合がある)は、分光反射率測定機を用いて、画像出力媒体表面に形成された不可視画像(ベタ画像)の分光反射率IP(i)と、画像出力媒体表面に形成された可視画像(ベタ画像)の分光反射率VP(i)と測定することにより、下式(6)に示したように求められる。
式(6):近赤外光吸収率差=IP(i)−VP(i)
<外添剤>
更に、不可視トナーの長期保存性、流動性、現像性、転写性をより向上させる為に、添加剤として、無機粉、樹脂粉を用いてもよい。
<トナー粒子の製造>
カラートナー及び不可視トナー粒子の製造法は、特に限定されるものではなく、混錬粉砕法、懸濁重合法、懸濁凝集法、懸濁分散法等公知の手法を用いることができるが、上記混練物の粉砕により製造する場合は、例えば、マイクロナイザー、ウルマックス、JET−O−マイザー、KTM(クリプトン)、ターボミージェット等により行うことができる。更には、その後工程として、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を用いて、機械的外力を加えることで粉砕後のトナー形状を変化させることができる。また、熱風による変形処理も挙げることができる。さらには、分級処理を施してトナー粒度分布を調整しても良い。不可視トナーの体積平均粒径としては、3μm〜12μmの範囲が好ましく、5μm〜10μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が、3μmより小さいと、静電的付着力が重力と比べて大きくなり、粉体としてハンドリングするのが困難になる場合がある。一方、体積平均粒径が、12μmより大きいと、高精細な不可視情報の記録が困難となる場合がある。
本発明の特徴である不可視トナーの形状指数110以上135以下を満たすためには、前述したトナー製法の中で、結着樹脂と離型剤と近赤外光吸収材料を有機溶媒中に懸濁溶解分散させ、水系媒体と乳化し、溶媒除去による粒子形成を行う懸濁分散法や、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法が、トナー形状制御の自由度が高いため好適である。
<形状指数>
本発明記載のトナー粒子の形状指数とは、下記式(7)で計算された値を意味し、粒子の投影像から投影面積と投影画像最大長を求め、その投影画像最大長を直径としたときの円面積を、実際の投影面積で割り、係数100を乗じた計算値である。値の下限は真球の場合であり形状指数100となる。楕円状や棒状の形態では投影画像最大長が大きくなるため100を超える数値となる。すなわち100に近い値ほど球に近いことを示す。
(式7):形状指数=(投影画像最大長) ×n×100/(投影面積)/4
本発明における形状指数は、トナー粒子の画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、(株)ニレコ製)に取り込み、画像解析操作によりトナー投影画像最大長、投影面積を測定し、式(7)に基づいて形状指数を計算する。その操作をトナー粒子100個分繰り返した値の平均値をトナー粒子の形状指数とした。
本発明における不可視トナーの形状指数は110以上135以下であることが必要であり、好ましくは115以上125以下の範囲である。形状指数が110未満では転写残りのトナーがクリーニング部材と感光体表面の接触部に滞留したときに色筋等のクリーニング不良を発生するため好ましくない。また形状指数が135を超えると現像剤劣化が激しく、現像不良及び転写不良が起こりやすく、不可視画像の読み取り時にエラーが発生しやすいので好ましくない。
<電子写真用現像剤>
本発明の電子写真用現像剤は、キャリアと、電子写真用トナーセットと、からなる電子写真用現像剤であって、該電子写真用トナーセットが、本発明の電子写真用トナーセットであることが好ましい。本発明の電子写真用現像剤は、公知の手法により、キャリアと、本発明の電子写真用トナーと、を混合処理することにより得ることができる。た、本発明の電子写真用現像剤は、前記電子写真用トナーは非磁性であり、キャリアは磁性を有するものを混合してなる二成分現像剤であることが好ましい。
現像剤中の不可視トナー濃度(TC:Toner Concentration)は、3質量%〜15質量%の範囲が好ましく、5質量%〜12質量%の範囲がより好ましい。なお、前記不可視トナー濃度(TC)は、下式(8)で表わされる。
式(8):TC(wt%)=[現像剤に含まれる不可視トナー質量(g)/現像剤の総質量(g)]×100
[キャリア材料]
本実施の形態のキャリアは、以下の構成を有する。
<キャリア芯材>
キャリア芯材は、その電気抵抗が1×107.5〜1×109.5Ω・cmであることが好ましい。この電気抵抗が1×107.5Ω・cm未満であると、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう虞がある。一方、電気抵抗が1×109.5Ω・cmより大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等の画質に悪影響を及ぼす虞がある。芯材は、上記条件を満足すれば、特に制限はないが例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。これらの中でも芯材表面性、芯材抵抗の観点から好ましくはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が好ましい。
<キャリア被覆樹脂材料>
キャリアにおいて、被覆樹脂に少なくとも含まれるフッ素系樹脂は、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル,ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等のそれ自体の公知の樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
キャリアにおいて、被覆樹脂により被覆される被覆膜には、樹脂粒子及び/または導電性粒子が少なくとも分散されてなることが好ましい。被覆膜に樹脂粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって、維持することができる。又、被覆膜に導電性粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電性粒子が均一に分散しているため該キャリアを長期間使用して該被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。なお、被覆膜に樹脂粒子と導電性粒子とが分散されている場合、上述の効果を同時に奏する事ができる。
樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。樹脂粒子の平均粒径としては、例えば、0.1〜2μm程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1μmである。前記樹脂粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、被覆膜における樹脂粒子の分散性が非常に悪く、一方、2μmを越えると被覆膜から樹脂粒子の脱落が生じ易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が好ましい。前記カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100g程度であるカーボンブラックが製造安定性に優れて好ましい。
<キャリア製造方法>
キャリアにおいて、具体的に芯材(キャリア芯材)表面に被覆樹脂により被覆膜させる方法としては、被覆樹脂を含む被覆膜形成用液に浸漬する浸漬法、被覆膜形成用液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆膜形成用液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、本発明において、ニーダーコーター法が好ましい。被覆膜形成用液に用いる溶剤としては、被覆樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。
<補給用現像剤>
トリクル式の画像形成装置の電子写真用現像剤が収容された現像器の内部に、適宜補給するための補給用現像剤は、カラートナーのトリクル比は、TN:CAの質量比で10:1〜3:1の範囲が好ましい。より好ましくは5:1〜4:1の範囲である。質量比で10:1より小さい比率の場合トリクル効果が小さく特に帯電の低下傾向が強くなってしまう。又逆に3:1を超える場合キャリア帯電付与能力が大きくなりすぎてしまいチャージアップ現象が顕著になってしまう。
不可視トナーのトリクル比は、カラートナーのトリクル比より小さければよい。実際にはTN:CAの質量比で20:1〜4:1の範囲が好ましくより好ましくは10:1〜5:1の範囲がより好ましい。不可視トナーは使用頻度が少ないため、キャリアを多めに入れても問題なく、また、キャリア量が不可視トナー量より極めて多い場合には、キャリアの汚れの度合いが緩和される。
<画像形成方法>
(不可視画像の具体例)
次に、本発明の画像形成方法により形成される不可視画像の画像構成、不可視画像の目視による認識、および、不可視画像の機械読み取り等について具体的に説明する。不可視画像は、本発明の電子写真用トナーを用いて形成されるもので、近赤外光照射により機械読み取り可能であれば特に限定されるのではないが、文字、数字、記号、模様、絵、写真等の画像からなるのは勿論、JAN、標準ITF、Code128、Code39、NW−7等と呼ばれる公知のバーコードのような2次元パターンであってもよい。
不可視画像がバーコードのような2次元パターンからなる場合には、画像出力媒体に画像を形成した画像形成装置を特定するためのシリアル番号や、画像出力媒体表面に前記不可視画像と共に形成される可視画像の著作権認証番号等として利用できる。また、不可視画像と共に形成される可視画像が機密文書・有価証券・免許・個人IDカード等の形態をとる場合においては、これら偽造物の識別を検出することにも効果的に用いられる。
なお、上記のバーコードの例のみならず、本発明において、2次元パターンとは、従来、可視で認識可能な画像として用いられてきた公知の記録方式であれば特に限定されるものではない。例えば、微小面積セルを幾何学的に配置させた2次元パターンを形成する方法としては、QRコードと呼ばれる2次元バーコードが挙げられる。また、微小ラインビットマップを幾何学的に配置させた2次元パターンを形成する方法としては、特開平4−233683号公報に記載の技術である、回転角度が異なる複数のパターンによるコードの形成方法が挙げられる。
このような2次元パターンからなる不可視画像を画像出力媒体表面に形成することにより、容量の大きい情報、例えば、音楽情報、文章アプリケーションソフトの電子ファイル等を目視では理解できない形式で画像に埋め込むことが可能となり、より硬度な機密文書あるいはデジタル/アナログ情報共有文書等の作成技術を提供できる。
図1は、本発明の画像形成方法により形成される2次元パターンからなる不可視画像形成部の、通常の画像(目視で見た場合)、赤外光照射により認識した場合の拡大図、及び、該拡大図を機械読み取りによりデジタル情報に復号変換した後のビット情報イメージとして捉えた場合の一例を示す模式図である。図1の左側に示された図は、画像出力媒体12表面を目視で見た場合について示したものであり、画像出力媒体12表面には不可視画像11が形成されている。なお、図中、不可視画像11は、実際には視認できるものではないが、説明のために便宜上ハーフトーンで表している。
また、図1の中央に示された図は、不可視画像11を赤外光照射により機械読み取りして認識した場合において、不可視画像11の微視的領域を拡大した拡大図13である。拡大図13に示される2次元パターンは、回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップで形成された場合の一例を示したものであり、具体的には、相互に異なる傾きを有する2種類の微小ライン単位14が配列し、片方が「0」、もう片方が「1」のビット情報を表している。この回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップからなる2次元パターンは、可視画像に与えるノイズが極めて低く、かつ大量の情報を高密度にデジタル化して埋め込むことができるため、好適に用いられる。なお、微小ライン単位14は、好ましくは3〜10ドット、より好ましくは4〜7ドットで1単位が形成される。1単位が、3ドットよりも小さい場合には、機械による読み取り誤りが多くなり、10ドットを超える場合には、可視画像に対しノイズとして現れるため好ましくない。
図1の右側に示された図は、微小ライン単位14が配列している拡大部分13を、機械読み取りによりデジタル情報に復号変換してビット情報イメージ15として捉えたものである。このように、不可視画像は、CCD等の読み取り装置により、拡大部分13に示されるような2次元パターンとして読み取られ、これがデジタル情報としてビット情報イメージ15に復号変換され、さらには、エンコード時の記録フォーマットに対応した方式で音声情報、文章、画像ファイル、アプリケーションソフトの電子ファイル等へデコードされる。
一方、従来、偽造防止技術に用いられてきた技術としては、画像出力媒体に、桜紙(複写機の光学読み取り時に、「禁複写」等の文字が浮き出る特殊紙)を用いる方法、あるいは、比較的淡い色で透かし文字を重ね記録する方法があったが、いずれも、前記画像出力媒体表面に形成された文書や模様、絵柄等からなる可視画像の品質を損ねるものであった。しかしながら、本発明の画像形成方法により画像出力媒体表面に形成された不可視画像が光沢性を有する場合には、該画像出力媒体表面に対して、特定の角度から目視した場合は、前記不可視画像を巨視的に認識でき、また、別の角度から目視した場合は、前記不可視画像を認識できないようにすることが可能であるため、不可視画像と共に形成される可視画像の品質を損なうことがない。
このような例について以下に説明する。
図2は、本発明の画像形成方法により、画像出力媒体表面に不可視画像と共に可視画像が形成された記録物を、該記録物の紙面のほぼ垂直方向(正面)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例であり、図3は、本発明の画像形成方法により、図2に示す記録物を、該記録物の紙面の垂直方向からずれた位置(斜め)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。
図2及び図3において、記録物21表面には、文字やグラフ等からなる可視画像と共に「Confidential」というパターン(文字)からなる不可視画像22が、画像出力媒体表面と、可視画像との間に形成されている。しかし、図2においては、記録物21の紙面に対してほぼ垂直方向(正面)より目視しているため、不可視画像22(図2においては図示せず)は認識できないことを示している。一方、図3においては、記録物21の紙面に対して垂直方向からずれた位置(斜め)より目視しているため、不可視画像として形成された領域と、該領域以外と、の光沢差が顕著となるために、不可視画像22の「Confidential」というパターン(文字)が、可視画像と共に認識できることを示している。
図2及び図3に示した例において、不可視画像22は、目視により文字として巨視的に認識できるものであるが、偽造・複写行為に対して牽制効果を発揮するためには、必ずしも文字に限定されるものではない。また、不可視画像22の微視的領域が、図1に示した微小ライン単位14のような機械読み取り可能なパターンで構成されることにより、より偽造が困難で、かつ精度の高い本物認識が可能な記録物21とすることもできる。なお、図3に示す不可視画像22は、実際には光沢感により認識されるものであるが、説明の都合上、本発明の画像形成方法により形成された記録物を提示して直接説明することができないため、光沢感を有さない黒色のパターン(文字)として描画されている。
一方、本発明の画像形成方法により不可視画像と共に形成される可視画像は、どのような画像であってもよく、また、その画像形成方法も、電子写真方式も含め、公知のいかなる画像形成方法を用いてもよいが、不可視画像を機械読み取りする際に精度よく読み取るために、前記可視画像の近赤外光吸収率が5%以下であることが好ましい。さらに、本発明の画像形成方法に用いられる画像出力媒体は、本発明の電子写真用トナーを用いて画像形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、画像出力媒体表面に直接不可視画像が形成される場合には、近赤外域の波長を吸収しないものが好ましく、また、不可視トナーがチタニア粒子等の白色顔料を添加してなるものである場合は、白色または白色度の高いものが好ましい。
上記のように、本発明の画像形成方法により、画像出力媒体表面に形成された2次元パターンからなる不可視画像は、波長700nm以上の領域、即ち肉眼で見ることができず、近赤外光領域において、特定の手段によって読み取りが可能となる。具体的な読み取り手段としては、例えば、赤外光成分を有する照明を記録用紙に照射しつつ、赤外光に感度を有するイメージセンサで記録用紙上の画像を読み取ることができる。
上記の2次元パターンからなる不可視画像は、例えば、特定の記録フォーマットを採用し、暗号鍵の付与、読み取り誤り補正(パリティ)付与等の公知技術を盛り込むことにより、機密性に優れ、かつ高精度/高密度な情報、例えば著作権、本物認識符号、データリンクアドレス、画像デジタル情報登録等をパターン化(エンコード)し、必要に応じ近赤外光領域による光学的読み取り・複合化(デコード)することができる。
(画像形成装置を用いた本発明の画像形成方法の具体例)
以下、本発明の画像形成方法を、画像形成装置を用いた実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、画像形成装置の一例として、電子写真法により、不可視画像を形成する画像形成装置と、不可視画像と共に可視画像を同時に形成する画像形成装置と、を例に挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
図4は、本発明の画像形成方法により不可視画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置100は、像担持体101、帯電器102、像書き込み装置103、現像器104、転写ロール105、クリーニングブレード106等からなる画像形成手段を備えている。
像担持体101は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体101は、矢印A方向に回転可能に設けられている。帯電器102は、像担持体101を一様に帯電するものである。像書き込み装置103は、帯電器102によって一様に帯電された像担持体101に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
現像器104は、不可視トナーを収容し、この不可視トナーを、像書き込み装置103により静電潜像が形成された像担持体101表面に供給し、現像を行い、像担持体101表面にトナー像を形成する。転写ロール105は、図示しない用紙搬送手段によって矢印B方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を像担持体101との間で挟持しつつ、像担持体101表面に形成された前記トナー像を記録用紙に転写するものである。クリーニングブレード106は、転写後に像担持体101表面に残った前記電子写真用トナーをクリーニング(除去)するものである。
次ぎに、画像形成装置100による不可視画像の形成について説明する。先ず、像担持体101が回転駆動され、帯電器102によって像担持体101の表面が一様に帯電された後、この帯電された表面に、像書き込み装置103による像光が照射されて静電潜像が形成される。その後、現像器104によって、該静電潜像が形成された像担持体101表面にトナー像が形成された後、このトナー像が転写ロール105によって記録用紙表面に転写される。このとき記録用紙に転写されずに像担持体101表面に残ったトナーは、クリーニングブレード106によりクリーニングされる。こうして記録用紙表面には、視覚的に隠蔽したい付加情報などを表わす不可視画像が形成される。
なお、画像形成装置100によって、記録用紙表面に不可視画像が形成された面に、他の画像形成装置を用いて更に文字、数字、記号、模様、絵、写真画像などの可視画像を記録してもよい。この可視画像を記録する方法は、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷等の一般的印刷手法はもちろんのこと、熱転写記録、インクジェット法、電子写真法等、公知の画像形成技術を任意に選択できる。
ここで、前記可視画像の形成に際しても電子写真法を用いる場合には、不可視/可視画像形成を一貫して実施することにより、生産性・機密管理性に優れた技術を提供できる。この場合の画像形成フローとしては、例えば、画像形成装置100の現像器104に、現像剤に含まれるトナーが不可視トナーのみ、イエロートナーのみ、マゼンタトナーのみ、シアントナーのみからなる現像剤を、各々収容した画像形成装置を併設し、順次画像出力媒体に重畳記録していく、一般的にタンデム方式と呼ばれる方法を用いることができる。
このように、図4に示す画像形成装置を用いて記録用紙表面に不可視画像を形成したのちに、さらにその上に可視画像を形成することにより、不可視画像を、可視画像と、記録用紙表面との間に埋め込む形で形成することができる。
なお、図4において、トナー像が転写ロール105によって記録用紙(画像出力媒体の一例)表面に転写される際に、140℃乃至210℃、好ましくは160℃乃至200℃の温度域で加熱定着させることが望ましい。
図5は、本発明の画像形成方法により不可視画像と共に可視画像を同時に形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置200は、像担持体201、帯電器202、像書き込み装置203、ロータリー現像装置204、一次転写ロール205、クリーニングブレード206、中間転写体207、複数(図では3つ)の支持ロール208,209,210、二次転写ロール211等を備えて構成されている。
像担持体201は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体201は図5の矢印C方向に回転可能に設けられている。帯電器202は、像担持体201を一様に帯電するものである。像書き込み装置203は、帯電器202によって一様に帯電された像担持体201に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
ロータリー現像装置204は、それぞれイエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用、不可視用のトナーを収容する5つ現像器204Y,204M,204C,204K,204Fの有するものである。本装置では、画像形成のための現像剤にトナーを用いることから、現像器204Yにはイエロー色トナー、現像器204Mにはマゼンタ色トナー、現像器204Cにはシアン色トナー、現像器4Kにはブラック色トナー、現像器204Fには不可視トナーがそれぞれ収容されることになる。このロータリー現像装置204は、上記5つの現像器204Y,204M,204C,204K,204Fが順に像担持体201と近接・対向するように回転駆動することにより、それぞれの色に対応する静電潜像にトナーを転移して可視トナー像及び不可視トナー像を形成するものである。
ここで、必要とする可視画像に応じて、ロータリー現像装置204内の現像器204F以外の現像器を部分的に除去しても良い。例えば、現像器204Y、現像器204M、現像器204C、現像器204Fといった4つの現像器からなるロータリー現像装置であってもよい。また、可視画像形成用の現像器をレッド、ブルー、グリーン等の所望する色の現像剤を収容した現像器に変換して使用しても良い。
一次転写ロール205は、像担持体201との間で中間転写体207を挟持しつつ、像担持体201表面に形成されたトナー像(可視トナー像又は不可視トナー像)をエンドレスベルト状の中間転写体207の外周面に転写(一次転写)するものである。クリーニングブレード206は、転写後に像担持体201表面に残ったトナーをクリーニング(除去)するものである。中間転写体207は、その内周面を、複数の支持ロール208,209,210によって張架され、矢印D方向及びその逆方向に周回可能に支持されている。二次転写ロール211は、図示しない用紙搬送手段によって矢印E方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を支持ロール210との間で挟持しつつ、中間転写体207外周面に転写されたトナー像を記録用紙に転写(二次転写)するものである。
画像形成装置200は、順次、像担持体201表面にトナー像を形成して中間転写体207外周面に重ねて転写するものであり、次のように動作する。すなわち、先ず、像担持体201が回転駆動され、帯電器202によって像担持体201の表面が一様に帯電された後、その像担持体201に像書き込み装置203による像光が照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロー用の現像器204Yによって現像された後、そのトナー像が一次転写ロール205によって中間転写体207外周面に転写される。このとき記録用紙に転写されずに像担持体201表面に残ったイエロー色トナーは、クリーニングブレード206によりクリーニングされる。また、イエロー色のトナー像が、外周面に形成された中間転写体207は、該外周面にイエロー色のトナー像を保持したまま、一旦矢印D方向と逆方向に周回移動し、次のマゼンタ色のトナー像が、イエロー色のトナー画像の上に積層されて転写される位置に備えられる。
以降、マゼンタ、シアン、ブラックの各色についても、上記同様に帯電器202による帯電、像書き込み装置203による像光の照射、各現像器204M,204C,204Kによるトナー像の形成、中間転写体207外周面へのトナー像の転写が順次、繰り返される。
こうして中間転写体207外周面に対する4色のトナー像の転写が終了すると、これに続いて再び、像担持体201の表面が帯電器202によって一様に帯電された後、像書き込み装置203からの像光が照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、不可視用の現像器204Fによって現像された後、そのトナー像が一次転写ロール205によって中間転写体207外周面に転写される。これにより、中間転写体207外周面には、4色のトナー像が重ね合わされたフルカラー像(可視トナー像)と不可視トナー像との両方が形成される。このフルカラーの可視トナー像及び不可視トナー像は二次転写ロール211により一括して記録用紙に転写される。これにより、記録用紙の画像形成面には、フルカラーの可視画像と不可視画像とが混在した記録画像が得られる。また、画像形成装置200を用いた本発明の画像形成方法では、前記画像形成面の可視画像と、不可視画像と、が重なる領域においては、不可視画像が、可視画像形成層と、記録用紙表面と、の間に形成される。
なお、図5において、トナー像が二次転写ロール211によって記録用紙(画像出力媒体の一例)表面に転写された後に、140℃乃至210℃、好ましくは160℃乃至200℃の温度域で加熱定着させることが望ましい。
図5に示す画像形成装置200を用いた本発明の画像形成方法では、図4に示す画像形成装置100を用いた本発明の画像形成方法と同様の効果に加えて、記録用紙表面に、フルカラーの可視画像の形成と、不可視画像の形成による付加情報の埋め込みと、を同時に行うことができるという効果が得られる。
また、フルカラーの可視画像と、記録用紙表面と、の間に不可視画像を形成することにより、不可視画像が常に記録用紙表面と接した状態になる。これにより、既述した不可視画像の存在の有無による光沢差が、目視検知でき、これにより例えば、機密文書等においては偽造抑止効果等を付与することができる。
さらに、画像形成時における不可視画像の解像度と、可視画像の解像度と、を異なるものとすることにより、例えば、不可視画像の読み取り後のデータ処理として、可視画像の解像度に対応する周波数成分をカットするフィルタ処理を行うことにより、不可視画像に起因する信号(データ)と、可視画像に起因するノイズ信号と、を効率良く分離して、不可視画像の判読を容易にすることができる。ちなみに、画像形成時の解像度は、像書き込み装置203による静電潜像の書き込み周波数を制御することにより調整することができる。
現像器204Y,204M,204C,204K,204Fの内部に、各カラートナーまたは不可視トナーと前記キャリアとを含有する補給用現像剤を適宜補給する構成と、過剰となった前記現像剤を現像器の内部から回収する現像剤回収機構を有する現像器を使用した。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<粒度測定方法>
本発明における粒度測定について述べる。本発明において測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザーII型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50000であった。
<結着樹脂の分子量測定方法>
本発明の静電荷象現像用トナーセットに用いる結着樹脂において、分子量測定は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15・cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
<不可視トナーの作製に用いた近赤外光吸収材料>
不可視トナーの作製に用いた近赤外光吸収材料としては、下記の3種の内より選択して用いた。
近赤外光吸収材料(1) :本文中・式(,(2)に記載のナフタロシアニン系化合物
近赤外光吸収材料(2): 本文中・式(,(4)に記載のアミニウム系化合物
近赤外光吸収材料(3): CuO:38.1重量部、Al:5重量部、P:53.5重量部、KO:3.6重量部からなるガラスを熱処理により結晶化し、粒径が数μm程度になるまで機械的に粉砕した銅燐酸結晶化ガラス
<THF不溶分の量>
本発明における『THF不溶分』とは、有機溶媒に対する結着樹脂の不溶分であり、以下のようにして測定した値である。
(THF不溶分の測定方法)
密閉できる遠心分離管に、結着樹脂0.500gを試料として精秤して投入し、さらにテトラヒドロフラン(THF)をピペットで20ml測り取り混合する。遠心分離管を密閉し、25℃の環境下でボールミルにて5時間混合溶解する。混合後の容器を回転速度10000rpmで60分間遠心分離を行う。ピペットを用いて遠心分離後の上澄み層から5ml採取し、風袋重量を測ったアルミ皿に移す。そのアルミ皿をヒーターを備えた真空乾燥機にて60℃で6時間減圧乾燥し、乾燥後重量からアルミ皿重量を引き、析出樹脂重量を求める。
THF不溶分は、以下の計算で求めた。
THF不溶分=((析出樹脂重量)×4)−0.500)÷0.500
(i)不可視トナーの粒子の形状係数を規定したもの:
<不可視トナー粒子用結着樹脂の調整>
(結着樹脂I1)
アルコール成分
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 30mol部
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 70mol部
酸成分
テレフタル酸ジメチル ・・・ 60mol部
イソフタル酸ジメチル ・・・ 10mol部
無水トリメリット酸 ・・・ 18mol部
フマル酸 ・・・ 12mol部
以上のモル比率にて、ジブチル錫オキサイドを触媒として添加し、重合釜にて減圧、加熱混合により縮重合させ、結着樹脂I1を合成した。結着樹脂I1の重量平均分子量は38000であった。
(結着樹脂I2)
アルコール成分
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 30mol部
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 70mol部
酸成分
テレフタル酸ジメチル ・・・ 60mol部
イソフタル酸ジメチル ・・・ 10mol部
無水トリメリット酸 ・・・ 15mol部
フマル酸 ・・・ 15mol部
以上のモル比率にて、ジブチル錫オキサイドを触媒として添加し、重合釜にて減圧、加熱混合により縮重合させ、結着樹脂I2を合成した。結着樹脂I2の重量平均分子量は31000であった。
(結着樹脂I3)
アルコール成分
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 30mol部
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 70mol部
酸成分
テレフタル酸ジメチル ・・・ 60mol部
イソフタル酸ジメチル ・・・ 10mol部
無水トリメリット酸 ・・・ 10mol部
フマル酸 ・・・ 20mol部
以上のモル比率にて、ジブチル錫オキサイドを触媒として添加し、重合釜にて減圧、加熱混合により縮重合させ、結着樹脂I3を合成した。結着樹脂I3の重量平均分子量は24000であった。
(結着樹脂I4)
アルコール成分
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 30mol部
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 70mol部
酸成分
テレフタル酸ジメチル ・・・ 70mol部
イソフタル酸ジメチル ・・・ 10mol部
無水トリメリット酸 ・・・ 5mol部
フマル酸 ・・・ 25mol部
以上のモル比率にて、ジブチル錫オキサイドを触媒として添加し、重合釜にて減圧、加熱混合により縮重合させ、結着樹脂I4を合成した。結着樹脂I4の重量平均分子量は17000であった。
<カラートナー粒子用結着樹脂の調整>
(結着樹脂C1)
アルコール成分
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 30mol部
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 70mol部
酸成分
テレフタル酸ジメチル ・・・ 55mol部
イソフタル酸ジメチル ・・・ 15mol部
フマル酸 ・・・ 25mol部
無水トリメリット酸 ・・・ 5mol部
以上のモル比率にて、ジブチル錫オキサイドを触媒として添加し、重合釜にて減圧、加熱混合により縮重合させ、結着樹脂C1を合成した。結着樹脂C1の重量平均分子量は15000であった。
(結着樹脂C2)
アルコール成分
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 30mol部
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 70mol部
酸成分
テレフタル酸ジメチル ・・・ 52mol部
イソフタル酸ジメチル ・・・ 15mol部
フマル酸 ・・・ 30mol部
無水トリメリット酸 ・・・ 3mol部
以上のモル比率にて、ジブチル錫オキサイドを触媒として添加し、重合釜にて減圧、加熱混合により縮重合させ、結着樹脂C2を合成した。結着樹脂C2の重量平均分子量は11000であった。
(結着樹脂C3)
アルコール成分
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 30mol部
ビスフェノールAエチレンオキサイド ・・・ 70mol部
酸成分
テレフタル酸ジメチル ・・・ 50mol部
イソフタル酸ジメチル ・・・ 20mol部
フマル酸 ・・・ 30mol部
以上のモル比率にて、ジブチル錫オキサイドを触媒として添加し、重合釜にて減圧、加熱混合により縮重合させ、結着樹脂C3を合成した。結着樹脂C3の重量平均分子量は8500であった。
<不可視トナー粒子の製造>
実施例における不可視トナーは、以下に示す近赤外光吸収材料及び離型剤分散剤の調整工程、中間体調整工程、造粒工程、洗浄工程を経て得た。
<近赤外光吸収材料分散液の調整>
(近赤外光吸収材料分散液1)
近赤外光吸収材料(1) ・・・ 300重量部
溶媒を除去したディスパロンDA−703−50
(楠本化成株式会社製) ・・ 40重量部
酢酸エチル(試薬特級、和光純薬株式会社製) ・・・・660重量部
をサンドミル(関西ペイント株式会社製)を用いて分散し、近赤外光吸収材料分散液1を作製した。
(近赤外光吸収材料分散液2)
近赤外光吸収材料(2) ・・・ 300重量部
溶媒を除去したディスパロンDA−703−50
(楠本化成株式会社製) ・・ 40重量部
酢酸エチル(試薬特級、和光純薬株式会社製) ・・・・660重量部
をサンドミル(関西ペイント株式会社製)を用いて分散し、近赤外光吸収材料分散液2を作製した。
<離型剤分散液の調整>
離型剤 (パラフィンワックスHNP−9:日本精鑞社製) ・・・ 200重量部
酢酸エチル(試薬特級、和光純薬株式会社製) ・・・・・・ 800重量部
をDCPミル(日本アイリッヒ株式会社製)を用い10℃に冷却した状態で、湿式粉砕し、離型剤分散液1を調整した。
<乳化安定剤の調整>
カルボキシメチルセルロース ・・・・・ 6重量部
(セロゲン、第一製薬工業株式会社製)

微粒炭酸カルシウム ・・・・・・・・・ 98重量部
(ルミナス、丸尾カルシウム株式会社製)
水 ・・・・・・・・・・・・・・ 896重量部
をサンドミル(関西ペイント株式会社製)を用いて分散し、乳化安定剤1を作製した。
<不可視トナー中間体1の調整>
結着樹脂I1 ・・・・・・・ 400重量部
近赤外光吸収材料分散液1 ・・・・・・・ 720重量部
離型剤分散液1 ・・・・・・・ 120重量部
を2リットルステンレス容器に投入し、30℃に温度を調整しながら撹拌機(T.K.ホモディスパーF、特殊機化工業株式会社製)を用い毎分4000回転で10分間、均一混合し、不可視トナー中間体1を得た。
<不可視トナー中間体2の調整>
前述不可視トナー中間体1の調整で、近赤外光吸収材料分散液1を近赤外光吸収材料分散液2に変更し同等の操作を行い、不可視トナー中間体2を得た。
<不可視トナーの製造>
(不可視トナー1)
(1)造粒工程
乳化安定剤1 660gを2リットルステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、S50N−G45Mジェネレーター付属:IKAジャパン株式会社製)を用いて8000回転で分散しながら、不可視トナー中間体1を500g投入し、3分間混合した。混合時の温度は25〜30℃となるように温度調整を行った。得られた乳化液の容器をドラフト内に設置し、攪拌器(SM−101、攪拌羽FUT−100、アズワン株式会社製)で100回転/分の速度で攪拌した。攪拌しながら炭酸水素ナトリウム(試薬特級、和光純薬株式会社製)5%水溶液を滴下し、pHを8.5±0.3になるように調整した。攪拌中の液面にファンで送風しながら24時間攪拌を続け、酢酸エチルを除去し、トナースラリーを得た。
(2)洗浄工程
以降、「ろ別」とはトナースラリーを攪拌器(攪拌器SM−101、攪拌羽FUT−100、アズワン株式会社製)で毎分400回転の速度で30分間混合し、その後5Aのろ紙(ADVANTEC社製185mm)を乗せたヌッチェと吸引瓶を用いて固形分をウェットケーキとして得る作業を指す。
得たトナースラリーに2500gの水を加え混合、ろ別する操作を3回繰り返した。次にウェットケーキに水2500gを加え、混合しながらpHが2.5になるまで塩酸(試薬特級、和光純薬株式会社製)を加え、ろ別して酸処理トナーケーキを得た。
続いて酸処理ウェットケーキを水2500gを加えろ別する操作を3回繰り返した。次にウェットケーキに水2500gを加え攪拌しながら、炭酸ナトリウム(試薬特級、和光純薬株式会社製)を加えてpH9.0に調整してそのまま1時間混合した。混合中はpHが9.0±0.5となるように炭酸ナトリウムを加え調整した。その後ろ別してウェットケーキを得た後、水2500gを加えてろ別する操作を2回繰り返した。
次にウェットケーキに水2500gを加えて混合し、クエン酸(試薬特級、和光純薬株式会社製)を加えてpH5.0になるように調整した後ろ別した。ろ別後水2500gを加えて、ろ別する操作を3回繰り返した。最後のろ別前にトナースラリーを目開き20μmのステンレスメッシュを通し、粗大粉を除去してからろ別してウェットケーキを得た。得たウェットケーキをステンレス角バット(10号、404x285x95mm)に入れてほぐした後、真空乾燥器(VOS−451SD、東京理化器械株式会社製)に入れ設定温度30℃で24時間減圧乾燥し、取り出し後再びスパーテルでほぐした後再度真空乾燥器にて30℃、24時間減圧乾燥してトナー粉体を得た。
上述造粒工程と洗浄工程を5回繰り返し、得たトナー粉体を混合してエルボージェット分級(EJ−L3、株式会社マツボー製)を用いて体積平均粒径8.5±0.3μm狙いで分級操作を行い、粒径8.5μmの粒子を得た。
次に外部添加剤として、シリカ粒子(平均粒径40nm)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100重量部に対して外部添加することにより、不可視トナー1を得た。トナーの形状指数は121であった。
(不可視トナー2)
不可視トナー1の製造工程で、結着樹脂I1を結着樹脂I2に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー2を得た。トナーの形状指数は119であった。
(不可視トナー3)
不可視トナー1の製造工程で、結着樹脂I1を結着樹脂I3に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー3を得た。トナーの形状指数は119であった。
(不可視トナー4)
不可視トナー1の製造工程で、結着樹脂I1を結着樹脂I4に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー4を得た。トナーの形状指数は115であった。
(不可視トナー5)
不可視トナー1の製造工程で、不可視トナー中間体1を不可視トナー中間体2に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー5を得た。トナーの形状指数は123であった。
(不可視トナー6)
不可視トナー2の製造工程で、不可視トナー中間体1を不可視トナー中間体2に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー6を得た。トナーの形状指数は120であった。
(不可視トナー7)
不可視トナー3の製造工程で、不可視トナー中間体1を不可視トナー中間体2に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー7を得た。トナーの形状指数は120であった。
(不可視トナー8)
結着樹脂I1 ・・・・ 625重量部
近赤外光吸収材料(1) ・・・・ 338重量部
離型剤 (パラフィンワックスHNP−9:日本精鑞社製) ・・・ 37重量部
上記よりなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分
級機により細粒と粗粒とを8.5μm狙いで分級し、体積平均粒径(平均粒径D50)が8.6μmの粒子を得た。次に外部添加剤としてシリカ粒子(平均粒径40nm)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100重量部に対して外部添加することにより、不可視トナー8を得た。トナーの形状指数は143であった。
(不可視トナー9)
不可視トナー8の製造工程で、結着樹脂I1を結着樹脂I2に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー9を得た。トナーの形状指数は147であった。
(不可視トナー10)
不可視トナー8の製造工程で、結着樹脂I1を結着樹脂I3に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー10を得た。トナーの形状指数は147であった。
(不可視トナー11)
不可視トナー1の製造工程中の洗浄工程において、炭酸ナトリウム(試薬特級、和光純薬株式会社製)を加えてpH9.0に調整してそのまま1時間混合する工程を、pH9.0に調整した後、58℃まで加温して温度を維持したまま3時間混合する工程に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー11を得た。トナーの形状指数は107であった。
(不可視トナー12)
不可視トナー3の製造工程中の洗浄工程において、炭酸ナトリウム(試薬特級、和光純薬株式会社製)を加えてpH9.0に調整してそのまま1時間混合する工程を、pH9.0に調整した後、58℃まで加温して温度を維持したまま3時間混合する工程に変更した以外は同じ操作を行い、不可視トナー13を得た。トナーの形状指数は107であった。
<不可視画像形成用現像剤の調整>
不可視トナー粒子8重量部及びMn−Mgフェライト粒子100重量部に共重合比が25:75であるスチレン・ブチルメタアクリレート共重合体10重量部がコーティングされたキャリア粒子100部をV型ブレンダーで混合処理する操作を、前述不可視トナー1から12のそれぞれに対して実施し、不可視画像形成用現像剤1から12を得た。
<カラートナー現像剤セットの製造>
(マゼンタトナー1及びマゼンタ現像剤1)
結着樹脂C1 86重量部
C.I.ピグメント・レッド57:1 4.0重量部
(大日精化工業(株)社製)
離型剤 (パラフィンワックスHNP−9:日本精鑞社製) 10重量部
上記よりなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分
級機により細粒と粗粒とを8.5μm狙いで分級し、体積平均粒径(平均粒径D50)が8.6μmの粒子を得た。次に外部添加剤としてシリカ粒子(平均粒径40nm)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100重量部に対して外部添加することにより、マゼンタトナー1を得た。得たマゼンタトナー8質量部及びMn−Mgフェライト粒子100質量部に共重合比が25:75であるスチレン・ブチルメタアクリレート共重合体10質量部がコーティングされたキャリア粒子100部をV型ブレンダーで混合処理する操作を行い、マゼンタ現像剤1を得た。
(シアントナー1及びシアン現像剤1)
顔料として、C.I.ピグメント・ブルー15:3(大日精化工業(株)社製)を用いた以外は、マゼンタトナー粒子1及びマゼンタ現像剤1と同様にして、8.4μmのシアントナー1及びシアン現像剤1を得た。
(イエロートナー粒子1及びイエロー現像剤1)
顔料として、C.I.ピグメント・イエロー12(大日精化工業(株)社製を用いた以外は、マゼンタトナー粒子1及びマゼンタ現像剤1と同様にして、8.3μmのイエロートナー粒子1及びイエロー
現像剤1を得た。
(ブラックトナー粒子1及びブラック現像剤1)
顔料として、カーボンブラックR330(キャボット社製)を用いた以外は、マゼンタトナー粒子1及びマゼンタ現像剤1と同様にして、8.1μmのブラックトナー粒子1及びブラック現像剤1を得た。
(カラー画像用現像剤セット1)
マゼンタ現像剤1、シアン現像剤1、イエロー現像剤1、ブラック現像剤1よりなる現像剤セットをカラー画像用現像剤セット1とした。
(カラー画像用現像剤セット2)
各々のトナー粒子に用いる結着樹脂に結着樹脂C2を用いた以外はカラー画像用現
像剤セット1と同様にして、カラー画像用現像剤セット2を調整した。
(カラー画像用現像剤セット3)
各々のトナー粒子に用いる結着樹脂に結着樹脂C3を用いた以外はカラー画像用現
像剤セット1と同様にしてカラー画像用現像剤セット3を調整した。
<実施例1>
カラー画像用現像剤セット1及び不可視画像形成用現像剤1を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例2>
カラー画像用現像剤セット1及び不可視画像形成用現像剤2を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例3>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤2を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例4>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤3を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例5>
カラー画像用現像剤セット3及び不可視画像形成用現像剤3を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例6>
カラー画像用現像剤セット1及び不可視画像形成用現像剤5を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例7>
カラー画像用現像剤セット1及び不可視画像形成用現像剤6を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例8>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤6を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例9>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤7を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<実施例10>
カラー画像用現像剤セット3及び不可視画像形成用現像剤7を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例1>
カラー画像用現像剤セット1及び不可視画像形成用現像剤4を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例2>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤4を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例3>
カラー画像用現像剤セット3及び不可視画像形成用現像剤1を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例4>
カラー画像用現像剤セット1及び不可視画像形成用現像剤8を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例5>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤9を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例6>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤10を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例7>
カラー画像用現像剤セット1及び不可視画像形成用現像剤11を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
<比較例8>
カラー画像用現像剤セット2及び不可視画像形成用現像剤12を組み合わせ、静電荷像現像用現像剤セットとした。
[画像形成装置による画像形成]
<画像形成装置>
各々の実施例および比較例に準じて作製した静電荷像現像用現像剤セットによる画像形成テストには、画像形成装置として、図5に示す富士ゼロックス社製のDocu Centre Color500改造機:富士ゼロックス(株)製を用いた。この画像形成装置は加熱定着ユニットを外してあり、現像、転写により画像出力媒体上に形成されたトナー画像を、画像出力媒体に対して溶融定着されない形態で取り出すことが可能となっている。なお、イエロー用現像器204Y、マゼンタ用現像器204M、シアン用現像器204C、ブラック用現像器204Kには、各々の色に対応した実施例および比較例に用いられるカラー画像用現像剤を充填し、不可視用現像器204Fには同じく不可視画像形成用現像剤を充填して画像形成を行った。
また、画像形成テストに用いた画像出力媒体としては、A4サイズ白色紙(富士ゼロックス社製、J紙、幅:210mm、長さ:297mm)を使用した。なお、上述したJIS規格「Z8741」に定められるところの60度鏡面光沢度測定を用い、画像出力媒体である富士ゼロックス社製のJ紙を測定したところ、Gs(60°)=5.3%であった。
<画像形成及び定着画像サンプルの作成>
上記の現像剤を用いて、画像形成装置により画像出力媒体表面に画像形成されて得られた記録物は、その画像形成面に、可視画像および不可視画像が形成され、該可視画像は、電子写真学会テストチャートNo.5−1を用いて出力された画像である。一方、前記不可視画像は、図1に示したような回転角度が異なる2種の微小ラインビットマップで形成される機械読み取り・復号化可能な2次元パターンからなるものである。開始後100枚目までの出力を初期結果、5万枚後の出力を劣化後の結果とした。
上記の画像を、Docu Centre Color500用定着器を本体から取り外し、ロール加熱温度を任意に制御できるよう改造したものを用い、Nip6.5mm下、定着速度定着速度180mm/secにて、定着温度を140℃から220℃まで10℃毎に上昇させつつ定着し、評価に供する画像サンプルを作成した。
[品質評価]
<定着性>
定着性の評価は、定着温度140℃から220℃の範囲で、低温側でのコールドオフセット、定着不良、高温側でのオフセットを評価し、カラー画像及び不可視画像共に定着可能な条件が存在することを良好とした。定着可能な範囲を持たないトナーセットは定着不良と判断し、良好を「〇」、不良を「×」と判断した。なお不良と判断されたトナーセットはその時点で以降の評価を中止した。
<クリーニング性>
クリーニング性の評価指標として、出力画像中にクリーニングブレードダメージによる縦筋の発生有無を指標とした。発生無しを良好とし「〇」、発生を不良「×」とし、不良発生時点で以降の評価を中止した。
<転写性>
転写性の評価は、現像トナー量に対する出力画像上のトナー量の割合を百分率で表す。不可視現像剤を2cm×5cmのパッチを2ヶ所有する画像で出力し、現像直後にハードストップして感光体に現像ざれた現像量を測定する。感光体上の2個所の現像部分をそれぞれテープ上に粘着性を利用し転写して、トナー付着テープ重量を測定し、テープ重量を差し引いた後に平均化することにより現像トナー量を求めた(現像量の狙いは4.0g/m〜5.0g/m)。次に出力トナー量は、定着器に入る前にハードストップをかけ、紙状の画像部を切り取り、切片の重量を測定する。切片をエアブローしてトナーを除去した後再び重量を測定し、減少分を転写トナー量とした。転写トナー量を現像トナー量で割った値の百分率を転写率とした。転写率の評価を以下の基準にて判定した。
◎:95%以上、
〇:90%以上
△:80%以上
×:80%未満
<不可視情報復元率>
不可視情報復元率の評価は、記録物1の画像形成面を、該画像形成面のほぼ真上10c
mのところに設置した近赤外の波長域の光も照射するリング状LED光源(京都電気製、
LEB−3012CE)にて照射した。この状態で、画像形成面のほぼ真上15cmのと
ころに設置した、800nm以下の波長成分をカットするフィルタをレンズ部に装着した
800nm〜900nmの波長域に受光感度を有するCCDカメラ(KEYENCE製、
CCD TL−C2)によって、前記画像形成面を読み取り、一定のコントラスト(閾値
)を境界として2値化処理することにより不可視画像を抽出し、これをソフトウエアで復
号化処理し、著作権情報が正確に復元できるかどうかを評価した。そして、この評価は5
00回実施した際に、情報が正確に復元できた回数を、不可視情報復元率(%)とした。
復元率の評価を以下の判定基準により、行った。
○:85%以上
△:60%以上
×:50%以上
××:50%未満
<不可視情報の視認性>
各温度にて定着した画像サンプルについて、紙面に対して鉛直方向(真上)から視認し、無作為に抽出された20名のモニターにより、視認性の評価を以下の判定基準に基づいて行った。
○:20名全員が不可視情報を視認できなかった。
△:不可視情報を視認でできた人数が20名中の2名以下であった。
×:不可視情報を視認でできた人数が20名中の2名以上、10名以下であった。
××:不可視情報を視認でできた人数が20名中の10名以上であった。
本発明における実施例及び比較例に対して上記評価を行った結果を表1、表2に記載する。
[トリクル方式においてカラートナーと不可視トナーのTN/CA比を変えたもの]
(結着樹脂I5)
スチレン370部、nブチルアクリレート30部、アクリル酸8部、四臭化炭素4部、ドデカンチオール24部を混合溶解したものを非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成社製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬社製)10部をイオン交換水550部に溶解したものをフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで窒素雰囲気下で温度70℃で乳化重合を行った。得られたスチレン?アクリル樹脂の重量平均分子量は45,000であった。
(結着樹脂I6)
結着樹脂I5と同様の処方を用い、重量平均分子量28,000のスチレン?アクリル樹脂を得た。
(結着樹脂I7)
結着樹脂I5と同様の処方を用い、重量平均分子量56,000のスチレン?アクリル樹脂を得た。
<不可視トナー粒子の製造>
実施例における不可視トナーは、以下の如き方法にて得られた。
(不可視トナー粒子13)
結着樹脂(I5) 55部
近赤外光吸収材料(1) 40部
離型剤(長鎖直鎖脂肪酸長鎖直鎖飽和アルコール;ベベン酸ステアリル) 5部
上記よりなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径(平均粒径D50)が8.4μmの粒子を得た。
次に外部添加剤として、シリカ粒子(体積平均粒径40nm)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100重量部に対して外部添加することにより、不可視トナー粒子13を得た。
(不可視トナー粒子14)
結着樹脂(I6)を用いた以外は不可視トナー粒子1と同様にして、8.1μmの不可視トナー粒子14を得た。
(不可視トナー粒子15)
結着樹脂(I7)を用いた以外は不可視トナー粒子1と同様にして、8.5μmの不可視トナー粒子15を得た。
(不可視トナー粒子16)
近赤外光吸収材料(2)を用いた以外を用いて以外は不可視トナー粒子13と同様にして、8.3μmの不可視トナー粒子16を得た。
(不可視トナー粒子17)
近赤外光吸収材料(3)を用いた以外を用いて以外は不可視トナー粒子13と同様にして、8.0μmの不可視トナー粒子17を得た。
<カラートナー粒子用結着樹脂の調整>
(結着樹脂C4)
イソフタル酸101部とビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物180部及びジブチル錫オキサイド5.4部をフラスコに投入し、窒素雰囲気下で温度230℃で脱水縮合反応を行った。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は14,000であった。
(結着樹脂C5)
結着樹脂C4と同様の処方を用い、重量平均分子量8,500のポリエステル樹脂を得た。
(結着樹脂C6)
結着樹脂C4と同様の処方を用い、重量平均分子量21,000のポリエステル樹脂を得た。
(結着樹脂C7)
結着樹脂C4と同様の処方を用い、重量平均分子量7,500のポリエステル樹脂を得た。
(結着樹脂C8)
結着樹脂C4と同様の処方を用い、重量平均分子量24,000のポリエステル樹脂を得た。
<カラートナー粒子の製造>
(シアントナー粒子4)
結着樹脂(C4) 65部
C.I.ピグメント・ブルー15:3 30部
離型剤(長鎖直鎖脂肪酸長鎖直鎖飽和アルコール;ベベン酸ステアリル) 5部
上記材料を用いた以外は(不可視トナー粒子13及び不可視画像形成用現像剤13)と同様にして、8.0μmのシアントナー粒子4及びマゼンタ現像剤4を得た。
(シアントナー粒子5)
トナー粒子に用いる結着樹脂に結着樹脂(C5)を用いた以外はシアントナー粒子4と同様にして8.6μmのシアントナー粒子5を得た。
(シアントナー粒子6)
トナー粒子に用いる結着樹脂に結着樹脂(C6)を用いた以外はシアントナー粒子4と同様にして8.5μmのシアントナー粒子6を得た。
(シアントナー粒子7)
トナー粒子に用いる結着樹脂に結着樹脂(C7)を用いた以外はシアントナー粒子4と同様にして8.2μmのシアントナー粒子7を得た。
(シアントナー粒子8)
トナー粒子に用いる結着樹脂に結着樹脂(C8)を用いた以外はシアントナー粒子4と同様にして8.3μmのシアントナー粒子5を得た。
(マゼンタトナー粒子4〜8)
顔料として、C.I.ピグメント・レッド57:1を用いた以外は、シアンタトナー粒
子4〜8と同様にして、それぞれ8.2μm、8.0μm、8.1μm、8.3μmのマゼンタトナー粒子4〜8を得た。
(イエロートナー粒子4〜8)
顔料として、C.I.ピグメント・イエロー12を用いた以外は、シアンタトナー粒子4〜8と同様にして、それぞれ8.1μm、8.2μm、8.1μm、8.1μmのイエロートナー粒子4〜8を得た。
(ブラックトナー粒子4〜8)
顔料として、カーボンブラックR330を用いた以外は、シアンタトナー粒子4〜8と同様にして、それぞれ8.0μm、8.5μm、8.3μm、8.2μmのブラックトナー粒子粒子4〜8を得た。
<外添剤添加>
不可視トナー粒子13〜17、カラートナー粒子4〜8にシリカ粒子(平均粒径40nm)をヘンシェルミキサーを用いてトナー粒子100部に対して1.5部添加し外添トナーを得た。
<キャリアの製造>
フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗10Ω・cm)・・100重量部
トルエン ・・・14重量部
パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60、Mw=5万) ・・・1.6重量部
カーボンブラック(VXC?72;キャボット社製) ・・0.12重量部
架橋メラミン樹脂(数平均粒子径;0.3μm) ・・・0.3重量部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
<現像機組み込み用現像剤の作製>
キャリアを94部と不可視外添トナー粒子6部またはシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各カラー外添トナー粒子6部とを5分間V型ブレンダーで混合し現像剤を作製した。不可視外添トナー13〜17、およびシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各カラー外添トナー4〜8も同様にして、不可視現像剤I−5〜I−10及びカラー現像剤セットC−4〜C−9を作製した。
<補給用現像剤の作製>
補給用現像剤を表2に示したような割合で、現像機組み込み用現像剤と同様にV型ブレンダーで混合し、不可視外添トナー13〜17、およびシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各カラー外添トナー4〜8も同様にして、各補給用現像剤を作製した。
<画像形成及び定着画像サンプルの作成>
上記の現像剤を用いて、画像形成装置により画像出力媒体表面に画像形成されて得られた記録物は、その画像形成面に、可視画像および不可視画像が形成され、該可視画像は、電子写真学会テストチャートNo.5−1を用いて出力された画像である。一方、前記不可視画像は、図1に示したような回転角度が異なる2種の微小ラインビットマップで形成される機械読み取り・復号化可能な2次元パターンからなるものである。開始後100枚目までの出力を初期結果、5万枚後の出力を劣化後の結果とした。
上記の画像を、Docu Centre Color500用定着器(富士ゼロックス社製・を本体から取り外し、ロール加熱温度を任意に制御できるよう改造したもの)を用い、Nip6.5mm下、定着速度定着速度180mm/secにて、定着温度を140℃から220℃まで10℃毎に上昇させつつ定着し、評価に供する画像サンプルを作成した。
[品質評価]
<帯電測定>
初期帯電量は現像剤をDocu Centre Color500(富士ゼロックス(株)社製)現像機中に25℃50%RH条件下で24時間放置した後、現像機を3分間空回しスリーブ上から現像剤をサンプリングしブローオフ測定機(東芝社製)によりで測定した。同様に10万枚後の帯電量は放置及び現像機空回ししないでスリーブ上からサンプリングし帯電量測定した。
<カラー画質>
目視により判定した。
○:問題なし
△:濃度が低いが実用上問題がない
×:濃度が低く実用上問題がある
××:カブリ、画像欠けなどの画質欠陥がある
なお、不可視情報復元性および不可視情報の視認性の評価については、上記同様であるため、ここでの記載は省略する。
[滑剤およびTHF不溶分量を規定したもの]
上述した不可視トナー13〜17およびシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各カラートナー粒子4〜8を用い、不可視トナー13〜17には、外添剤として酸化ケイ素(体積平均粒径40nm)を1.5重量部と脂肪酸金属塩を表5に記載の割合で不可視トナー粒子にヘンシェルミキサーを用いて添加した。また、各カラートナー粒子4〜8には、
外添剤として酸化ケイ素(体積平均粒径40nm)を1.5重量部をヘンシェルミキサーで添加し外添カラートナーC10〜C14を得た。
<キャリアの製造>
フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗10Ω・cm)・・100重量部
トルエン ・・・14重量部
パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60、Mw=5万) ・・・1.6重量部
カーボンブラック(VXC72;キャボット社製) ・・・0.12重量部
架橋メラミン樹脂(数平均粒子径;0.3μm) ・・・0.3重量部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
<現像剤の作製>
キャリアを94部と不可視外添トナー粒子I9〜I21および各カラー外添トナー粒子C10〜C14をそれぞれ6部とを5分間V型ブレンダーで混合し現像剤を作製した。不可視外添トナーI9〜I13、カラー外添トナーセットC10〜C14も同様にして不可視現像剤I−9〜I−21及びシアン現像剤C−10〜C−14を作製した。
実施例17〜24、比較例21〜29を、表6のような組み合わせで画質テストを行った。結果は表7に示す。
<画像形成及び定着画像サンプルの作成>
上記の現像剤を用いて、画像形成装置により画像出力媒体表面に画像形成されて得られた記録物は、その画像形成面に、可視画像および不可視画像が形成され、該可視画像は、電子写真学会テストチャートNo.5−1を用いて出力された画像である。一方、前記不可視画像は、図1に示したような回転角度が異なる2種の微小ラインビットマップで形成される機械読み取り・復号化可能な2次元パターンからなるものである。
上記の画像を、Docu Centre Color500用定着器(富士ゼロックス社製・を本体から取り外し、ロール加熱温度を任意に制御できるよう改造したもの)を用い、Nip6.5mm下、定着速度定着速度180mm/secにて、定着温度を140℃から220℃まで10℃毎に上昇させつつ定着し、評価に供する画像サンプルを作成した。
[品質評価]
<感光体傷測定>
A4サイズの紙(J紙:富士ゼロックス社製)をカラー画像面積20%、不可視トナー画像面積0.1%の割合で特定部位に画像形成を行い初期、50kpv,100kpv終了後に感光体を目視し傷の発生を確認した。
なお、カラー画質、不可視情報復元性および不可視情報の視認性の評価については、上記同様であるため、ここでの記載は省略する。評価結果を表6,表7に示す
本発明の電子写真用トナーは、特に電子写真法、静電記録法等の用途に有用である。
本発明の画像形成方法により形成される2次元パターンからなる不可視画像形成部の、通常の画像(目視で見た場合)、赤外光照射により認識した場合の拡大図、及び、該拡大図を機械読み取りによりデジタル情報に復号変換した後のビット情報イメージとして捉えた場合の一例を示す模式図である。 本発明の画像形成方法により、画像出力媒体表面に不可視画像と共に可視画像が形成された記録物を、該記録物の紙面のほぼ垂直方向(正面)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。 本発明の画像形成方法により、図2に示す記録物を、該記録物の紙面の垂直方向からずれた位置(斜め)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。 本発明の画像形成方法により不可視画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法により不可視画像と共に可視画像を同時に形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。
符号の説明
11 不可視画像、12 画像出力媒体、13 拡大部分、14 微小ライン単位、15 ビット情報イメージ、21 記録物、22 不可視画像、100 画像形成装置、101 像担持体、102 帯電器、103 像書き込み装置、104 現像器、105 転写ロール、106 クリーニングブレード、200 画像形成装置、201 像担持体、202 帯電器、203 像書き込み装置、204 ロータリー現像器、204Y イエロー用現像器、204M マゼンタ用現像器、204C シアン用現像器、204K ブラック用現像器、204F 不可視用現像器、205 転写ロール、206 クリーニングブレード、207 中間転写体、208,209,210 支持ロール、211 2次転写ロール。

Claims (6)

  1. 潜像担体上に潜像を形成する工程と、前記潜像を静電荷現像用トナーを用いて現像する工程と、現像されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する工程と、前記被転写体上のトナー像を加熱圧着する定着工程と、を含む画像形成方法であり、
    前記定着工程は、電子写真用トナーセットを用いて画像出力媒体上に形成したトナー画像を、140℃乃至210℃の温度域で加熱定着させる工程を有し、
    前記電子写真用トナーセットは、芯材の表面を樹脂で被覆してなるキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤が収容された現像器の内部に、前記トナーと前記キャリアとを含有する補給用現像剤を適宜補給すると共に、過剰となった前記現像剤を現像器の内部から回収する現像剤回収機構を有する画像形成装置に用いられ、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含むカラートナー粒子と、結着樹脂と近赤外光吸収材料と離型剤とを含む不可視トナー粒子とからなり、不可視トナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量とカラートナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量の比が2:1から3:1であり、前記不可視トナー粒子の形状指数が110以上135以下であることを特徴とする画像形成方法
  2. カラートナー粒子中に含有する脂肪酸金属塩からなる滑剤量をA、不可視トナー粒子中に含有する脂肪酸金属塩からなる滑剤量をBとしたときに、1.2×A<Bの関係があり、0.1重量%≦A≦5重量%であって、かつ該カラートナーのテトラヒドロフラン不溶分の量Fcと該不可視トナーのテトラヒドロフラン不溶分の量Fiの関係が1.5×Fc≦Fi≦10×Fcであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法
  3. 近赤外光吸収材料として、アミニウム塩系化合物、及びナフタロシアニン系化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法
  4. 潜像担体上に潜像を形成する工程と、前記潜像を静電荷現像用トナーを用いて現像する工程と、現像されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する工程と、前記被転写体上のトナー像を加熱圧着する定着工程と、を含む画像形成方法であり、
    前記定着工程は、電子写真用現像剤を用いて画像出力媒体上に形成したトナー画像を、140℃乃至210℃の温度域で加熱定着させる工程を有し、
    前記電子写真用現像剤は、キャリアと、電子写真用トナーと、からなり、
    電子写真用トナーが、電子写真用トナーセットであって、前記電子写真用トナーセットは、芯材の表面を樹脂で被覆してなるキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤が収容された現像器の内部に、前記トナーと前記キャリアとを含有する補給用現像剤を適宜補給すると共に、過剰となった前記現像剤を現像器の内部から回収する現像剤回収機構を有する画像形成装置に用いられ、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含むカラートナー粒子と、結着樹脂と近赤外光吸収材料と離型剤とを含む不可視トナー粒子とからなり、不可視トナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量とカラートナー粒子の結着樹脂の重量平均分子量の比が2:1から3:1であり、前記不可視トナー粒子の形状指数が110以上135以下であることを特徴とする画像形成方法
  5. 画像出力媒体上に画像を形成する際に前記電子写真用トナーセットを用い、且つ前記画像出力媒体上に形成されたトナー画像の最下層が近赤外光吸収材料を含む不可視トナー粒子による画像であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 像出力媒体上に画像を形成する際に前記現像剤を用い、且つ前記画像出力媒体上に形成されたトナー画像の最下層が近赤外光吸収材料を含む不可視トナー粒子による画像であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
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