JP4938824B2 - イネの品種鑑別法 - Google Patents
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Description
〔1〕 以下の工程(a)および(b)を含む、イネ品種を鑑別する方法。
(a)イネゲノムにおける以下の(1)〜(28)のいずれかに記載の塩基部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における部位の塩基種を判定する工程、
(1)配列番号:1に記載の塩基配列の593位
(2)配列番号:2に記載の塩基配列の304位
(3)配列番号:3に記載の塩基配列の450位
(4)配列番号:4に記載の塩基配列の377位
(5)配列番号:5に記載の塩基配列の163位
(6)配列番号:6に記載の塩基配列の624位
(7)配列番号:7に記載の塩基配列の534位
(8)配列番号:8に記載の塩基配列の358位
(9)配列番号:9に記載の塩基配列の475位
(10)配列番号:10に記載の塩基配列の323位
(11)配列番号:11に記載の塩基配列の612位
(12)配列番号:12に記載の塩基配列の765位
(13)配列番号:13に記載の塩基配列の571位
(14)配列番号:14に記載の塩基配列の660位
(15)配列番号:15に記載の塩基配列の223位
(16)配列番号:16に記載の塩基配列の247位
(17)配列番号:17に記載の塩基配列の163位
(18)配列番号:18に記載の塩基配列の421位
(19)配列番号:19に記載の塩基配列の178位
(20)配列番号:20に記載の塩基配列の141位
(21)配列番号:21に記載の塩基配列の480位
(22)配列番号:22に記載の塩基配列の481位
(23)配列番号:23に記載の塩基配列の131位
(24)配列番号:24に記載の塩基配列の510位
(25)配列番号:25に記載の塩基配列の248位
(26)配列番号:26に記載の塩基配列の92位
(27)配列番号:27に記載の塩基配列の743位
(28)配列番号:28に記載の塩基配列の552位
(b)上記工程(a)により判定された塩基種と品種を関連付ける工程
(1)配列番号:1に記載の塩基配列の593位の塩基がT
(2)配列番号:2に記載の塩基配列の304位の塩基がT
(3)配列番号:3に記載の塩基配列の450位の塩基がA
(4)配列番号:4に記載の塩基配列の377位の塩基がC
(5)配列番号:5に記載の塩基配列の163位の塩基がC
(6)配列番号:6に記載の塩基配列の624位の塩基がC
(7)配列番号:7に記載の塩基配列の534位の塩基がC
(8)配列番号:8に記載の塩基配列の358位の塩基がG
(9)配列番号:9に記載の塩基配列の475位の塩基がG
(10)配列番号:10に記載の塩基配列の323位の塩基がA
(11)配列番号:11に記載の塩基配列の612位の塩基がA
(12)配列番号:12に記載の塩基配列の765位の塩基がT
(13)配列番号:13に記載の塩基配列の571位の塩基がT
(14)配列番号:14に記載の塩基配列の660位の塩基がG
(15)配列番号:15に記載の塩基配列の223位の塩基がA
(16)配列番号:16に記載の塩基配列の247位の塩基がA
(17)配列番号:17に記載の塩基配列の163位の塩基がA
(18)配列番号:18に記載の塩基配列の421位の塩基がC
(19)配列番号:19に記載の塩基配列の178位の塩基がG
(20)配列番号:20に記載の塩基配列の141位の塩基がG
(21)配列番号:21に記載の塩基配列の480位の塩基がC
(22)配列番号:22に記載の塩基配列の481位の塩基がC
(23)配列番号:23に記載の塩基配列の131位の塩基がC
(24)配列番号:24に記載の塩基配列の510位の塩基がA
(25)配列番号:25に記載の塩基配列の248位の塩基がT
(26)配列番号:26に記載の塩基配列の92位の塩基がC
(27)配列番号:27に記載の塩基配列の743位の塩基がG
(28)配列番号:28に記載の塩基配列の552位の塩基がT
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)増幅したDNAの塩基配列を決定する工程
〔4〕 以下の(a)〜(d)の工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載の方法、
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)調製したDNAを制限酵素により切断する工程
(c)DNA断片をその大きさに応じて分離する工程
(d)検出されたDNA断片の大きさを対照と比較する工程
〔5〕 以下の(a)〜(e)の工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載の判定方法、
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)増幅したDNAを制限酵素により切断する工程
(d)DNA断片をその大きさに応じて分離する工程
(e)検出されたDNA断片の大きさを対照と比較する工程
〔6〕 以下の(a)〜(e)の工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載の判定方法、
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)増幅したDNAを一本鎖に解離させる工程
(d)解離させた一本鎖DNAを非変性ゲル上で分離する工程
(e)分離した一本鎖DNAのゲル上での移動度を対照と比較する工程
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含む近傍の塩基配列と相補的なオリゴヌクレオチドに、レポーター蛍光とクエンチャー蛍光の2つを標識したプローブを2種類合成する工程
(c)工程(a)で調製したDNAに、工程(b)で合成したプローブをハイブリダイズさせる工程
(d)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(e)レポーター蛍光の発光を検出する工程
(f)工程(e)で検出したレポーター蛍光の発光を対照と比較する工程
〔8〕 以下の(a)〜(h)の工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載の判定方法、
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含む3'側塩基配列と相補的な配列、および全く無関係な配列を合わせたプローブを合成する工程
(c)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位から5'末端側が相補的なプローブを合成する工程
(d)工程(c)で合成したプローブと工程(a)で調製したDNAとハイブリダイズさせる工程
(e)工程(d)でハイブリダイズしたDNAを一本鎖DNA切断酵素で切断し、工程(b)で合成したプローブの一部を遊離させる工程
(f)工程(e)で遊離したプローブと、検出用プローブとをハイブリダイズさせる工程
(g)工程(f)でハイブリダイズしたDNAを酵素的に切断し、その際に発生する蛍光の強度を測定する工程
(h)工程(g)で測定した蛍光の強度を対照と比較する工程
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)増幅したDNAを一本鎖に解離させる工程
(d)解離させた一本鎖DNAのうち、片鎖のみを分離する工程
(e)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位の近傍より1塩基ずつ伸長反応を行い、その際に生成されるピロリン酸を酵素的に発光させ、発光の強度を測定する工程
(f)工程(e)で測定した蛍光の強度を対照と比較する工程
〔10〕 以下の(a)〜(f)の工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載の判定方法、
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位の1塩基隣までの配列に相補的なプライマーを合成する工程
(d)蛍光ラベルしたヌクレオチド存在下で、工程(b)で増幅したDNAを鋳型とし、工程(c)で合成したプライマーを用いて一塩基伸長反応を行う工程
(e)蛍光の偏光度を測定する工程
(f)工程(e)で測定した蛍光の偏光度を対照と比較する工程
〔11〕 以下の(a)〜(f)の工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載の判定方法、
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位の1塩基隣までの配列に相補的なプライマーを合成する工程
(d)蛍光ラベルしたヌクレオチド存在下で、工程(b)で増幅したDNAを鋳型とし、工程(c)で合成したプライマーを用いて一塩基伸長反応を行う工程
(e)シーケンサーを利用して、工程(d)で反応に使われた塩基種を判定する工程
(f)工程(e)で判定された塩基種を対照と比較する工程
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)工程(b)で増幅したDNAを質量分析器にかけ、分子量を測定する工程
(d)工程(c)で測定した分子量を対照と比較する工程
〔13〕 以下の(a)〜(f)の工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載の判定方法、
(a)被検イネからDNAを調製する工程
(b)〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNAを増幅する工程
(c)ヌクレオチドプローブが固定された基板を提供する工程
(d)工程(b)のDNAと工程(c)の基板を接触させる工程
(e)該DNAと該基板に固定されたヌクレオチドプローブとのハイブリダイズの強度を検出する工程
(f)工程(e)で検出された強度を対照と比較する工程
〔14〕 以下の工程(a)および(b)をさらに含む、〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の方法、
(a)アルカリ性の水性溶媒中でイネの種子を粉砕する工程、および
(b)上記工程(a)で粉砕した種子からイネゲノムDNAを抽出する工程
〔15〕 種子が精米されている〔14〕に記載の方法、
〔16〕 イネの品種を鑑別するためのプライマー(もしくはイネ品種鑑別用試薬)であって、
(a)イネゲノムにおける〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNA領域を増幅するためのオリゴヌクレオチド、または
(b)イネゲノムにおける〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位の1塩基隣までの配列に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、
〔17〕 〔1〕に記載の(1)〜(28)のいずれかに記載の部位、または該部位における塩基と塩基対をなす相補鎖における塩基部位を含むDNA領域とハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有する、イネの品種を鑑別するためのオリゴヌクレオチド(もしくはイネ品種鑑別用試薬)、
〔18〕 〔16〕または〔17〕に記載のオリゴヌクレオチドを含む、イネ品種鑑別用キット、
〔19〕 さらに、アルカリ性の水性溶媒を含む、〔18〕に記載のイネ品種鑑別用キット、を提供するものである。
本発明者らは、イネ24品種のゲノム配列を解析することにより、これらのイネの品種を正確に鑑別できる多型マーカーを見出した。本発明者らによって見出された、イネゲノムにおける多型部位を含むDNA領域を配列番号:1〜28に記載する。また、各多型部位の位置を図1〜29および表8、9に記載する。
(1)配列番号:1に記載の塩基配列の593位
(2)配列番号:2に記載の塩基配列の304位
(3)配列番号:3に記載の塩基配列の450位
(4)配列番号:4に記載の塩基配列の377位
(5)配列番号:5に記載の塩基配列の163位
(6)配列番号:6に記載の塩基配列の624位
(7)配列番号:7に記載の塩基配列の534位
(8)配列番号:8に記載の塩基配列の358位
(9)配列番号:9に記載の塩基配列の475位
(10)配列番号:10に記載の塩基配列の323位
(11)配列番号:11に記載の塩基配列の612位
(12)配列番号:12に記載の塩基配列の765位
(13)配列番号:13に記載の塩基配列の571位
(14)配列番号:14に記載の塩基配列の660位
(15)配列番号:15に記載の塩基配列の223位
(16)配列番号:16に記載の塩基配列の247位
(17)配列番号:17に記載の塩基配列の163位
(18)配列番号:18に記載の塩基配列の421位
(19)配列番号:19に記載の塩基配列の178位
(20)配列番号:20に記載の塩基配列の141位
(21)配列番号:21に記載の塩基配列の480位
(22)配列番号:22に記載の塩基配列の481位
(23)配列番号:23に記載の塩基配列の131位
(24)配列番号:24に記載の塩基配列の510位
(25)配列番号:25に記載の塩基配列の248位
(26)配列番号:26に記載の塩基配列の92位
(27)配列番号:27に記載の塩基配列の743位
(28)配列番号:28に記載の塩基配列の552位
(2’)配列番号:2に記載の塩基配列の304位の塩基がT。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:2に記載の塩基配列の304位の塩基部位が、AからTへの変異である。
(3’)配列番号:3に記載の塩基配列の450位の塩基がA。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:3に記載の塩基配列の450位の塩基部位が、GからAへの変異である。
(4’)配列番号:4に記載の塩基配列の377位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:4に記載の塩基配列の377位の塩基部位が、TからCへの変異である。
(5’)配列番号:5に記載の塩基配列の163位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:5に記載の塩基配列の163位の塩基部位が、TからCへの変異である。
(6’)配列番号:6に記載の塩基配列の624位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:6に記載の塩基配列の624〜626位の塩基部位が、欠失変異である。
(7’)配列番号:7に記載の塩基配列の534位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:7に記載の塩基配列の534位の塩基部位が、AからCへの変異である。
(8’)配列番号:8に記載の塩基配列の358位の塩基がG。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:8に記載の塩基配列の358位と389位の間の塩基部位への、GTの挿入変異である。
(9’)配列番号:9に記載の塩基配列の475位の塩基がG。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:9に記載の塩基配列の475位の塩基部位が、TからGへの変異である。
(10’)配列番号:10に記載の塩基配列の323位の塩基がA。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:10に記載の塩基配列の323位の塩基部位が、GからAへの変異である。
(11’)配列番号:11に記載の塩基配列の612位の塩基がA。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:11に記載の塩基配列の612および613位の塩基部位が、CAからAGへの変異である。
(12’)配列番号:12に記載の塩基配列の765位の塩基がT。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:12に記載の塩基配列の765位の塩基部位が、GからTへの変異である。
(13’)配列番号:13に記載の塩基配列の571位の塩基がT。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:13に記載の塩基配列の571位の塩基部位が、GからTへの変異である。
(14’)配列番号:14に記載の塩基配列の660位の塩基がG。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:14に記載の塩基配列の660位の塩基部位が、AからGへの変異である。
(15’)配列番号:15に記載の塩基配列の223位の塩基がA。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:15に記載の塩基配列の223位の塩基部位が、GからAへの変異である。
(16’)配列番号:16に記載の塩基配列の247位の塩基がA。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:16に記載の塩基配列の247位の塩基部位が、GからAへの変異である。
(17’)配列番号:17に記載の塩基配列の163位の塩基がA。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:17に記載の塩基配列の163位の塩基部位が、GからAへの変異である。
(18’)配列番号:18に記載の塩基配列の421位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:18に記載の塩基配列の421位の塩基部位が、AからCへの変異である。
(19’)配列番号:19に記載の塩基配列の178位の塩基がG。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:19に記載の塩基配列の178位の塩基部位が、欠失変異である。
(20’)配列番号:20に記載の塩基配列の141位の塩基がG。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:20に記載の塩基配列の141位の塩基部位が、AからGへの変異である。
(21’)配列番号:21に記載の塩基配列の480位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:21に記載の塩基配列の480位の塩基部位が、TからCへの変異である。
(22’)配列番号:22に記載の塩基配列の481位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:22に記載の塩基配列の481位の塩基部位が、TからCへの変異である。
(23’)配列番号:23に記載の塩基配列の131位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:23に記載の塩基配列の131位の塩基部位が、GからCへの変異である。
(24’)配列番号:24に記載の塩基配列の510位の塩基がA。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:24に記載の塩基配列の510位の塩基部位が、GからAへの変異である。
(25’)配列番号:25に記載の塩基配列の248位の塩基がT。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:25に記載の塩基配列の248位の塩基部位が、CからTへの変異である。
(26’)配列番号:26に記載の塩基配列の92位の塩基がC。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:26に記載の塩基配列の92位の塩基部位が、GからCへの変異である。
(27’)配列番号:27に記載の塩基配列の743位の塩基がG。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:27に記載の塩基配列の743位の塩基部位が、AからGへの変異である。
(28’)配列番号:28に記載の塩基配列の552位の塩基がT。より詳しくは、「日本晴」ゲノムにおける配列番号:28に記載の塩基配列の552位の塩基部位が、CからTへの変異である。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
Rice Genome Research Program のホームページ(http://rgp.dna.affrc.go.jp/)上で公開されているイネゲノム解析情報、およびDDBJ(http://www.ddbj.nig.ac.jp/)に登録されているイネゲノムシーケンスを利用し、イネゲノム塩基配列情報が公開されている染色体領域については、遺伝子が予測されていない領域を中心に、それ以外の領域についてはRFLPマーカープローブのシーケンス等を利用して、ゲノムDNAから800bp〜1kbpを増幅するプライマーを設計した。プライマー設計には、プライマー設計支援サイトPrimer3(http://www-genome.wi.mit.edu/cgi-bin/primer/primer3_www.cgi)を利用した。
1. プライマー部位にカッコで印をつけ、Upper primer siteには"p:"、Lower primer siteには"q:"を付け加えた。
例: actctactta a[p:gcagagcga tgaacctgca] atattgagaa
aactc [q:aatcacgccc atccttgcct]
2. SNPs部位にはカッコと識別番号をつけた。
例: cg[1a]agag[2aa]cttc[3a[4c4]cattt gggg[5c5]acac3]c
※基本的に、識別番号は始めのカッコと終わりのカッコの両方につけた。
ただし、明らかにカッコの対応がわかる場合は、終わりカッコの識別番号は省略する場合あり。
3. 貼り付けた配列の下に、解析した品種コードを書き込んだ。
品種コードの区切りには、"/"を使った。
例: nhb/ksh/kal/gla/pw1/kta
《品種コード》 上述の各イネ品種のアルファベット3文字からなる略称にて記載した。例えば、日本晴は「nhb」、コシヒカリは「ksh」等。
4. 品種情報の下に、SNPs情報を書き込んだ。
書き方は、「識別番号 品種コード:SNPs」
例:1 ksh:g
《その他の例》
5. 欠失は"-"で表した。欠失している塩基の長さに関わらず、"-"は1つとした。
例:g[5agg]ggtcat ctgttacatt atag
5kal:-
6. 欠失が同じ場所にあるが、品種によってその長さが違う場合。
例:gtttg[20a:gtat[20b:t ccattatgta ttatttcatt tgct20b]t20a]ttatg
20akal:-、20bgla:-
欠失の場所が同じなので、同じ識別番号を使った。ただし、品種による欠失の長さの違いを明確にするため、"20a:","20b:"のようにアルファベットで区別した。
7. 挿入の場合は、公開シーケンスに"-"を挿入する。"-"は1つとした。
例:tacaca[7-]gtca attttattca
7kal:aa
精米、玄米および米飯からのDNA抽出法を検討した。まず、2mlチューブ(エッペンドルフ)に精米、玄米および米飯を1粒、抽出バッファー(1M KCl、10mM Tris-HCl、1mM EDTA、0.1N NaOH)0.4ml、3mm径のジルコニア製ボールを入れてふたをし、4℃で30分静置後、Retch社製粉砕装置ミキサーミルMM300を用いて、300Hz×2分×2回粉砕し、ミルク状の液体を得た。これを10000rpm×10分遠心分離し、上澄み0.3mlを別のチューブに移した。これにイソプロパノ-ル0.3mlを加えてよく混合し、再度10000rpm×10分遠心分離した。上清を捨て、沈殿に70%エタノール1mlを加え、10000rpm×3分遠心分離した。上清を捨て、沈殿を乾燥して30μlの滅菌水に溶解した(方法5)。
「平成12年産・茨城県産「あきたこまち」100%」と表示されて市販されている精米を購入し、32粒をランダムに選び、方法5を用いて1粒ずつ別々にDNAを抽出した。あきたこまちを他の25品種と識別するのに必要十分な3マーカー(S0115、S0146、S0178)のプライマーを使用し、抽出したDNAを鋳型としてPCR反応を行った。また、PCR産物を鋳型としてアシクロプライム反応を行い、多型(SNP)を判定した。
以上の結果より、本発明が精米の品種鑑別に利用可能であることが実証された。
[実施例3]において、あきたこまち以外と判定された3粒について、「きらら397」「こしひかり」「夢つくし」「キヌヒカリ」のいずれであるかを判定するため、これら3品種を判別するのに必要十分な2マーカー(S0015、S0045)のプライマーを使用し、抽出したDNAを鋳型としてPCR反応を行なった。またPCR産物を鋳型としてアシクロプライム反応を行い、多型(SNP)を判定した。
「きらら397 30%・つがるロマン 40%・ひとめぼれ 30%」と表示された精米について、3品種が表示通りにブレンドされているかを調査した。精米から32粒をランダムに選び、方法5を用いて1粒ずつ別々にDNAを抽出した。鑑別可能な26品種のうち、「きらら397」「つがるロマン」「ひとめぼれ」をそれぞれ識別するのに必要十分な7マーカー(S0115, S0135, S0161, S0252, S0310, S0336, S0375)のプライマーを使用し、抽出したDNAを鋳型としてPCR反応を行なった。また、PCR産物を鋳型としてアシクロプライム反応を行い、多型(SNP)を判定した。
本発明により、イネの品種鑑別方法が提供された。従来の栽培特性による鑑別では、熟練した育種家の目が必要なため、容易に鑑別することが困難であり、さらに、一粒一粒の米を鑑別することは不可能であったのに対し、本発明の方法は、イネのゲノム上の多型を調べるため、微量のイネ検体で正確な品種鑑別を行うことが可能である。また、本発明の方法は、近縁品種間における品種鑑別も正確に行うことができる。
Claims (4)
- (a)配列番号:29〜84に記載のゲノミックPCR用プライマーと、
(b)配列番号:85〜112に記載の多型(SNP)検出用プライマー
からなるイネの品種を鑑別するためのプライマーセットであって、ここで、該プライマーセットの組合せが、表8および表9に記載されたプライマーの組合せであり、さらにここで、鑑別の対象となるイネ品種が日本晴、ハツシモ、むつほまれ、ゆきの精、きらら397、つがるロマン、五百万石、森のくまさん、ゆめあかり、ハナエチゼン、コシヒカリ、月の光、あきたこまち、朝の光、あいちのかおり、祭り晴、ヒノヒカリ、ひとめぼれ、まなむすめ、ふさおとめ、どんとこい、ササニシキ、アケボノ、およびゴロピカリからなる群より選択される品種である、プライマーセット。 - 請求項1に記載のプライマーセットを含む、イネ品種鑑別用キット。
- さらに、アルカリ性の水性溶媒を含む、請求項2に記載のイネ品種鑑別用キット。
- 請求項1に記載のプライマーセットを成分とするイネ品種鑑別用試薬であって、鑑別の対象となるイネ品種が日本晴、ハツシモ、むつほまれ、ゆきの精、きらら397、つがるロマン、五百万石、森のくまさん、ゆめあかり、ハナエチゼン、コシヒカリ、月の光、あきたこまち、朝の光、あいちのかおり、祭り晴、ヒノヒカリ、ひとめぼれ、まなむすめ、ふさおとめ、どんとこい、ササニシキ、アケボノ、およびゴロピカリからなる群より選択される品種であることを特徴とする試薬。
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