JP4935688B2 - 光記録媒体及び記録膜材料 - Google Patents

光記録媒体及び記録膜材料 Download PDF

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Description

この発明は、次世代DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)と称される光記録媒体、特に相変化材料からなる2層以上の情報層を有する光記録媒体及びこの光記録媒体用の記録膜材料に関する。
次世代DVDとして、例えばブルーレイ(商標)ディスク(以下BD)と称される、記録再生レーザー波長が405nm(青色)、対物レンズの開口数NA=0.85(λ/NA≦500nm)の光学系を利用するものが提案されている。
BDなどの光ディスクドライブでは、シングルモード発振半導体レーザーを使用しており、信号再生時のレーザーノイズを低減するために、数百MHzの周波数で再生光の高周波重畳を行う。高周波重畳の条件は一般的に、周波数:300〜500MHz、Ratio:3〜8、パルス幅:200〜400psecである。
BDでは、片面に2層以上の情報層を有する書き換え型光記録媒体が提案されている。この光記録媒体では、光入射面側から最も遠い情報層(L0層)以外の情報層は、L0層への記録再生光を透過させるために、レーザー光の波長に対して半透明な半透過情報層である必要がある。このように、例えば2層光記録媒体では、光入射面側から最も遠い情報層(L0層)以外のL1層は半透過情報層であるためにL1層での反射率が低くなり、またL0層はL1層を介してレーザー光が入射・反射するためにL0層での反射率も低くなる。よって、2層光記録媒体では、1層光記録媒体と比較して反射率が低いために再生のレーザパワーを高めてピックアップへの戻り光量を確保する必要がある。
また、BDではDVDと比較して短波長のレーザー光を用い、更に高NA対物レンズを用いてスポットサイズを小さくしているために、レーザースポットにおけるエネルギー密度が非常に高い。
さらに、前述のように、2層光記録媒体のL1層は半透過情報層にする必要があるために、金属反射膜を薄くしなければならない。そのため、L1層の記録膜へ照射されたレーザー光により発した熱が反射膜で十分に放熱できず、L1層はL0層と比較して冷却速度が劣る徐冷構造となってしまう。
また、高速記録を行うために記録の線速度を高めてディスクの回転数が速くなると、ピックアップがディスクの溝であるグルーブに追従しにくくなり、サーボが不安定になる。そのため、高速記録時には再生パワーを高めてサーボを安定にする必要がある。
従って、高い再生パワー、スポットサイズの高いエネルギー密度、徐冷構造である半透過情報層、高速記録、という4つの大きな理由により、2層以上の次世代DVDの半透過情報層では、記録した信号が再生光により劣化し、再生耐久性が著しく低下してしまうという問題が生じる。
さらに、再生光には高周波重畳が行われており、そのRatio(最低パワーと最高パワーの比)が高いほど再生光のピークパワーが高くなってしまい、再生光照射部分の温度上昇が顕著となる。高パワーの再生光に加え、高Ratioの高周波重畳により、BDではDVDと比べて再生耐久性を確保することが困難である。
特に、書換え型相変化光記録媒体では、記録信号であるアモルファス(非晶質)マークが、再生時における高い再生パワーのレーザー光照射によって結晶化して記録信号が消失し易いという問題点がある。この問題点は、特に、Sbを主成分とするSb共晶系の相変化材料において顕著である。
従って従来は、BDの書換え型多層光記録媒体の、半透過情報層の記録膜材料として、Sb共晶系材料を用いることは困難であった。
更に、書換え型多層BDの半透過情報層の記録膜材料として、上記のようにSb共晶系材料を用いた場合、次のような、記録時の記録ストラテジのマージンが狭くなるという問題点がある。
Sb共晶系材料は、記録膜の結晶化速度を高めることが容易であるが、記録レーザー光によるアモルファスマーク形成時には、高い冷却速度が必要である。冷却速度が十分でないと、記録膜溶融後の冷却時に再結晶化が起こり、アモルファスマークの形成が不十分となってしまう。
これに対して、媒体構造を急冷型にするか、アモルファスマーク形成のための記録ストラテジにおけるパルス幅を狭くして、記録膜溶融後の冷却速度を高めなければならない。
しかしながら、多層BDの半透過情報層では、記録再生光を透過させるために、記録膜又は反射膜を薄くしなければならず、余熱の発散が不十分で、全反射の情報層(L0層)に比べて徐冷構造となってしまい、アモルファスマークの形成が不十分となる。
また、レーザー光の発光においては、発光の立上り・立下り時間には約1.5nsec〜3nsecの時間がかかるために、レーザーパルスにおけるパルス幅を上記発光時間よりも短い時間に設定しても発光することができないので、記録膜としては、上記よりも太いパルス幅でも記録できることが求められている。
しかしながら、Sb共晶系材料では、前述のように高い冷却速度が必要なため、太いパルス幅の記録ストラテジで記録すると再結晶化が起こり、正しく記録することが困難であった。
このような問題点を解決するために、相変化記録材料にランタノイドを含むようにした特許文献1や特許文献2があるが、これらの発明では、λ/NA≦500nmの光学系における高い再生パワーでの再生耐久性を確保することは難しい。
特開2004−306595号公報 特許3899770号公報
この発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、次世代DVDとして、λ/NA≦500nmの記録条件で、半透過情報層にSb共晶系材料を用いても、高い再生パワーでの再生耐久性と記録ストラテジのマージンに優れた次世代光記録媒体及びこの光記録媒体用の記録膜材料を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意研究の結果、2層以上の情報層を有する次世代光記録媒体の半透過情報層の記録膜の材料として、Sb共晶系材料の、Sbの一部をTeで置換し、記録膜に隣接する層が少なくともCrとOを含むようにし、光記録媒体の各層の厚さを最適化すると、アモルファスマークの熱安定性が向上し、再生耐久性を高くできることを見出した。また、結晶とアモルファスとの反射率差が大きくなり、かつ、透過率が高まり、記録時の記録ストラテジのマージンを広くすることができることを見出した。
即ち、以下の実施例により上記課題を解決することができる。
(1)基板と、この基板におけるレーザービームの光入射面側に設けられた第1の情報層と、この第1の情報層よりも更に光入射面側に設けられた少なくとも1層の半透過情報層と、を有してなり、前記半透過情報層は、Sbを主成分とするSbGeInの元素及び組成比の相変化材料からなる記録膜を含んで構成されると共に、前記yが5≦y≦15、zが4≦z≦15であり、且つ、前記記録膜は、対物レンズの開口数をNA、レーザービームの波長をλとしたときλ/NA≦500nmの光学系により結晶質と非晶質との相変化を用いて書換え可能である光記録媒体であって、前記記録膜は、更に組成比aのTeが加えられ、x+y+z+a=100としたとき、4≦a≦15とされたことを特徴とする光記録媒体。
(2)前記記録膜の膜厚が3nm以上7nm以下であることを特徴とする(1)に記載の光記録媒体。
(3)前記半透過情報層は、前記記録膜のレーザービームの光入射面側と反対側に反射膜を含んで構成され、前記反射膜の膜厚が8nm以上16nm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光記録媒体。
(4)前記半透過情報層は、前記記録膜の光入射面側に接する界面層を含んで構成され、前記界面層が、少なくともCrとOを含むことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の光記録媒体。
(5)前記半透過情報層は、レーザービームの光入射面側より、放熱層、誘電体層、界面層、記録膜の順に含んで構成され、前記放熱層がAIN膜またはSiN膜からなることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の光記録媒体。
(6)前記界面層はZrO−Cr膜からなり、前記ZrO−Cr膜の膜厚が2nm以上10nm以下であることを特徴とする(5)に記載の光記録媒体。
(7)前記ZrO−Cr膜の組成比が、ZrO:Cr=B:C(mol%)としたときに、20≦B≦90かつ10≦C≦80かつB+C=100であることを特徴とする(6)に記載の光記録媒体。
(8)前記ZrOはYを含む安定化ZrOであり、該安定化ZrO中のZrOとYとの組成比を、ZrO:Y=(100−x):x(mol%)としたときに、2≦x≦10であることを特徴とする(6)または(7)に記載の光記録媒体。
)SbGeInの元素及び組成比の相変化材料からなると共に、前記yが5≦y≦15、zが4≦z≦15であり、且つ、対物レンズの開口数をNA、レーザービームの波長をλとしたときλ/NA≦500nmの光学系により結晶質と非晶質との相変化を用いて書き換え可能である記録膜を構成する光記録媒体用記録膜材料であって、更に組成比aのTeが加えられ、x+y+z+a=100としたとき、4≦a≦15とされたことを特徴とする記録膜材料。
この発明の光記録媒体においては、記録膜材料として用いられるSb共晶系材料のSbの一部をTeに置換することによって、高い再生パワーでの再生耐久性と記録ストラテジのマージンに優れた高速記録可能な半透過情報層及びこの半透過情報層を構成する記録膜材料を実現することが可能となった。
最良の形態に係る光記録媒体は、基板と、この基板におけるレーザービームの光入射面側に設けられた第1の情報層(L0層)と、この第1の情報層よりも更に光入射面側に設けられた少なくとも1層の半透過情報層(L1層)と、を有してなり、前記半透過情報層は、SbGeInの元素及び組成比の記録膜材料からなる記録膜を含んで構成されている。この記録膜材料は、相変化材料であり、前記yが5≦y≦15、zが4≦z≦15であり、且つ、対物レンズの開口数をNA、レーザービームの波長をλとしたときλ/NA≦500nmの光学系により結晶質と非晶質との相変化を用いて記録膜を書換え可能とし、更に組成比aのTeが加えられ、x+y+z+a=100としたとき、4≦a≦15となるようにされている。
前記半透過情報層の構成例としては、基板上に、第1誘電体層、反射層、保護層、記録膜(層)、界面層、第2誘電体層、放熱層を順次積層したものが挙げられる。
第1誘電体層は反射層の保護及び光透過率調整のために設けられ、材料は特に限定されるものではなく、Ti、Zr、Hf、Ta、Si、Al、Mg、Y、Ce、Zn、In、Cr、Nb等から選ばれる少なくとも1種の金属を含む酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、フッ化物、あるいはこれらの複合物等が用いられる。最良の実施形態では酸化ジルコニウム(ZrO)を主成分として含む材料またはTiOによって構成され、好ましくは、ZrO2とCrとAl、またはTiOから構成される。ここでの主成分とは、全体に占めるモル比が50%以上のことである。第1誘電体層の膜厚D1は、5nm≦D1≦60nmが好ましい。5nm未満では反射層の保護が不十分であり、60nmより厚いと光透過率が好ましい範囲を外れる。また、第1誘電体層は、2つ以上の複数の誘電体層を積層しても良い。この場合、基板側には低屈折率、反射膜側には高い屈折率の誘電体材料を用いるのが好ましく、例えば、低い屈折率のものとしては、ZrO2を主成分としたもの、高屈折率のものとしては、酸化チタン(TiO2)を用いる。
反射層は、放熱と光干渉効果のために設けられ、材料として好ましくはAg合金が用いられる。情報層を半透過構造とするための反射層の厚さTrは、0nm<Tr<30nmであり、最適な反射・光透過率を得るためには、8nm≦Tr≦16nmが好ましい。反射層の厚さTrが0nmでは放熱効果が得られず、30nm以上では透過率が低下しL0層への記録が困難となってしまう。
保護層は、記録膜の保護及び反射層への放熱を行なう。保護層の材料は、少なくともCrとOを含むようにされており、好ましくは、CrとZrとOによって構成され、より好ましくは、少なくともCrとZrOから構成される。Crは結晶化速度を高め、ZrOは膜応力を低下させる。なお、Crの比率が高いと結晶化速度を高めやすくなるが、比率が高すぎると光透過率が低下してしまう。光入射面側の保護層を構成する好ましいCrの比率は10mol%以上80mol%以下であり、ZrOの比率は20mol%以上90mol%以下であり、反射層側の保護層を構成する好ましいCrの比率は5mol%以上70mol%以下であり、ZrOの比率は30mol%以上95mol%以下である。ZrOは、好ましくは希土類酸化物を数mol%含んだ安定化ZrOを用いる。希土類酸化物としては、Yが好ましく、安定化ZrO100mol%のうちのYの比率は2mol%以上10mol%以下である。記録膜(層)に接した光入射面側の保護層は反射層側の保護層よりもCrの比率が高い方が好ましい。保護層の好ましい膜厚は3nm以上10nm以下である。
記録膜(層)の好ましい膜厚Trecは、3nm≦Trec≦7nmである。膜厚Trecが3nm未満では結晶化速度が低下してしまい、アモルファスマークの消去(結晶化)が困難となってしまう。膜厚Trecが7nmより厚いと、透過率が低下しL0層への記録が困難となってしまう。また、記録膜の膜厚が厚くなると、記録時に記録膜自身に過剰な熱が蓄積され、記録特性が悪化してしまう。
これらにより、半透過情報層全体の記録波長における光透過率が30%以上80%以下となるようにされている。半透過情報層の光透過率が30%未満であると、レーザービームの光入射面から最も遠い情報層への記録が困難となり、80%を越えると半透過情報層への記録が困難となるためである。これは、半透過情報層として要求される一般的な条件である。
記録膜(層)は、少なくともSb、Ge及びInから構成される。また、Sbの一部はTeに置換されている。さらに、Mg、Al、Si、Mn、Zn、Ga、Sn、Bi等から選ばれる少なくとも1種の添加成分を含んでもよい。
界面層は、記録膜の結晶化速度及び再生耐久性の制御を行う。界面層の材料は、少なくともZrとCrとOを含むようにされており、好ましくは、ZrOとCrによって構成される。Crは結晶化速度と再生耐久性を高め、ZrOは膜の透明性を高める。Crの比率が高すぎると膜の透明性が低下し、半透過情報層の透過率が低下する。ZrOの比率が高すぎると結晶化速度、再生耐久性が低下する。界面層のZrOの好ましい比率は20mol%以上90mol%以下であり、Crの好ましい比率は10mol%以上80mol%以下である。ZrOは、好ましくは希土類酸化物を数mol%含んだ安定化ZrOを用いる。希土類酸化物としては、Yが好ましく、安定化ZrO100mol%のうちのYの比率は2mol%以上10mol%以下である。界面層の好ましい厚さは2nm以上10nm以下である。2nm未満では結晶化速度、再生耐久性が低下し、10nmより厚いと生産性が低下してしまう。
第2誘電体層は、光学特性の調整及び記録層から放熱層への放熱性の制御を行なう。材料は特に限定されるものではなく、Ti、Zr、Hf、Ta、Si、Al、Mg、Y、Ce、Zn、In、Cr、Nb等から選ばれる少なくとも1種の金属を含む酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、フッ化物、あるいはこれらの複合物等が用いられる。好ましくは、ZnSとSiO2の混合物によって形成される。好ましいZnSとSiO2のモル比は、50:50から95:5である。この範囲を外れると、ZnSとSiO2の混合物の屈折率が
変化し、光学特性の調整が困難となる。第3誘電体層の膜厚Dは、5nm≦D≦50nmが好ましい。5nmより薄いと記録層の保護及び光学特性の調整が困難となり、50nmより厚いと記録層から放熱層への放熱性が低下する。
放熱層は、記録層からの放熱を制御し、記録層の冷却効果を高めて正確にアモルファスマークを形成し易くするためのものである。第3誘電体層の材料よりも熱伝導率の高い材料が好ましく、AlNまたはSiNが好ましい。放熱層の好ましい膜厚は、反射率、再生耐久性により決定される。例えば2層光記録媒体では、反射率は約5%になるように設計され、好ましい反射率の範囲は3%以上7%以下である。反射率は誘電体、記録膜、反射膜などの膜厚により変化する。
ここで、光記録媒体の放熱層の厚さのみを変化させた時の反射率を光学計算により求めた結果をグラフに表したものを図4に示す。図4においては、横軸を放熱層の厚さ(nm)、縦軸を反射率(%)とし、記録膜がアモルファスのときを実線で、記録膜が結晶化しているときを破線で表す。図4における点線で囲まれたA、B、Cはそれぞれ放熱層の厚さがA:25nm〜55nm、B:75nm〜105nm、C:125nm〜155nmの範囲を表す。図4に示されるように、反射率は、光学的なエンハンス効果により、放熱層の厚さに対して正弦波の形をとる。記録膜がアモルファスの場合と結晶化している場合とでは、正弦波の位相が異なり、放射層の厚さがBの範囲では、記録膜がアモルファスの場合と結晶化している場合との反射率差が小さくなってしまう。そのため、実質的に放熱層として用いられる厚さの範囲はAとCであり、特に好ましい範囲はAである。Cでは、生産性が低下してしまうためである。放熱層の材料の観点からは、SiNは、AlNと比較して熱伝導率が低いので、厚さの範囲Aでは十分な放熱効果が得られず、再生耐久性が低下してしまうものの、放熱層の厚さを厚くすることでAlNと同様の再生耐久性を得ることができる。また、SiNは、AlNよりも高スパッタレートが得られるため、放熱層の厚さが厚くなっても生産性を大きく損なうことはない。
放熱層の膜厚が15nm未満であると、記録層からの放熱効果が小さくなり、又、放熱層の膜厚が150nm以上になると成膜に要する時間が長くなり生産性の低下を引き起こす。
なお、第1、第2誘電体層は、単層でも2層以上の複数の誘電体層から構成されてもよい。
また、前述したように、片面に2層以上の情報層を有する多層光記録媒体は、各層の反射率が低いために、記録信号を読み出すためのレーザーの再生パワーを高くする必要がある。また、高速記録を行うために記録の線速度を高めてディスクの回転数が速くなると、ピックアップがディスクの溝であるグルーブに追従しにくくなり、サーボが不安定になる。そのため、高速記録時には再生パワーを高めてサーボを安定にする必要がある。
また、光ディスクドライブの光ピックアップは、戻り光による半導体レーザーのノイズを低減するために高周波重畳を行っている。
よって、再生パワーは0.6mw以上、好ましくは0.7mw以上であり、周波数:300〜500MHz、Ratio:3〜8、パルス幅:200〜400psecの条件で高周波重畳を行う。
[実施例1]
以下図1を参照して、本発明の実施例1に係る光記録媒体10について詳細に説明する。図1において、光入射面側とは上、すなわちカバー層24側のことである。
この光記録媒体10は、基板12と、この基板12におけるレーザービームの光入射面側(図1において上側)に設けられた第1の情報層14と、この第1の情報層14よりも更に光入射面側に設けられた半透過情報層である第2の情報層(半透過情報層)16と、を有してなり、前記第2の情報層(半透過情報層)16は、記録膜18及びこの記録膜18の基盤12側に隣接して設けられた保護層20を含んで構成されている。
第1の情報層14と第2の情報層(半透過情報層)16との間にはスペーサ層22が設けられ、また、第2の情報層(半透過情報層)16の光入射面側にはカバー層24が設けられている。
第2の情報層(半透過情報層)16は、スペーサ層22側から、膜厚5nmのZrO2‐Cr23‐Al23(65:10:25mol%)膜からなる第1誘電体層26と、膜厚12nmのAgCu膜からなる反射層28と、膜厚4nmのZrO2‐Cr23(50:50mol%)膜からなる保護層20と、膜厚6nmのSbを主成分とするSb共晶系の相変化材料からなる記録膜18と、膜厚5nmのZrO2‐Cr23(50:50mol%)膜からなる界面層36と、膜厚13nmのZnS‐SiO2(80:20mol%)膜からなる第2誘電体層32と、膜厚45nmのAlN膜からなる放熱層34とをこの順でスパッタリングにより形成して構成されている。ここで用いているZrOは、3mol%のYを含む(ZrO:Y=97:3mol%)組成の安定化ZrOである。
また、基板12は厚さ1.1mmのポリカーボネートからなり、スペーサ層22は厚さが25μmとされ、カバー層24は、紫外線硬化型樹脂を用いてスピンコート法により75μmの厚さで形成されている。このカバー層24は、第2の情報層を初期化機により全面結晶化させた後に形成される。
上記のような条件の光記録媒体のサンプル1〜14を、記録膜18を構成する記録膜材料として表1に示す組成のスパッタリングターゲットを用いて作成した。
Figure 0004935688
ここで、x、y、z、aはそれぞれSb、Ge、In、Teの組成比を示す値であり、記録膜材料の元素及び組成比を(SbGeIn)+Teと表したときに、x+y+z+a=100を満たす。また、Te量(a)とSb量(x)の関係は次式で表すことができる。
−0.65a+80.1≦x≦−0.68a+83.0 ・・・(1)
−0.71a+78.7≦x≦−0.68a+83.0 ・・・(2)
なお、In量(z)が4.8at%の場合は、x=−0.68a+83.0 が成り立ち、In量(z)が9.7at%の場合は、x=0.71a+78.7が成り立つ。
上記不等式(2)において、Te量(a)とSb量(x)との関係を示すグラフを図2に示す。図2においては、横軸をTe量(a)、縦軸をSb量(x)としており、不等式(2)が成り立つのは、図2中の2本の直線の間に座標(a、x)が存在する場合である。例えば(a、x)=(6、76)、(8、76)、(10、74)、(12、74)が不等式(2)を満たす。
これらのサンプル1〜14について説明する。サンプル1乃至サンプル5、及びサンプル11は5≦y≦15、4≦z≦15、4≦a≦15の範囲にある。サンプル1は、zが4≦z≦15の範囲の下限に近く、サンプル4及び11はaが4≦a≦15の範囲の下限に近い。サンプル6及び7は、5≦y≦15、4≦z≦15の範囲にあるが、a<4である。サンプル7は、a=0.0、つまりTeが含まれていない。サンプル10は5≦y≦15、4≦z≦15の範囲にあるが、15<aである。サンプル8及び9は5≦y≦15、4≦a≦15の範囲にあるが、z<4である。サンプル12は5≦y≦15、4≦a≦15の範囲にあるが、15<zである。サンプル13は、4≦z≦15の範囲にあるが、15<yであり、a=0.0、つまりTeが含まれていない。サンプル14は、4≦z≦15の範囲にあるが、y<5であり、a=0.0、つまりTeが含まれていない。これらの関係を表2に示す。判定は、5≦y≦15、4≦z≦15、4≦a≦15の範囲内にある場合を○、範囲外にある場合を×とした。
Figure 0004935688
これらのサンプルを評価するために、λ=405nm、NA=0.85の光学系を用い、(1,7)RLL(Run Length Limited)信号にて、記録再生を行った。記録再生の線速度は、1倍速=4.92m/s、2倍速=9.84m/sとした。
通常、BD−REの2倍速は線速度9.84m/sで記録を行う。この2倍速でマークの消去を行うためには、媒体の線速度(結晶化速度)はある範囲内である必要がある。この範囲よりも媒体線速度が遅いとマークの消去が不可能であり、また媒体線速度が速すぎると、記録溶融後の再結晶化によりマーク形成が困難となる。よって、媒体線速度は、線速度10m/s〜18m/sである必要がある。本実施例では、この媒体線速度を求めることで線速度の評価を行なった。
より詳細には、1倍速または2倍速で8Tマークのみを記録し、線速度を変えながら消去パワー4mWでDC消去を1回行って8Tマークの消去率を求めた。この消去率が25dB以上になる最大の消去線速度をこの媒体の線速度とした。
結果を表3に示す。判定は、前述のように、線速度が10m/s〜18m/sのサンプルについては○、線速度が上記以外の範囲にある場合、もしくは記録ができなかった場合は×とした。なお、記録ができなかったサンプルについては、線速度LVの欄に「記録不可」と記載した。ここで、「記録不可」とは、結晶化速度が速すぎて、マーク形成が困難であること、すなわち、媒体線速度が速すぎるということを意味する。
Figure 0004935688
表3より、少なくとも、サンプル1乃至5、即ち、記録膜材料の組成が、5≦y≦15、4≦z≦15、4≦a≦15の範囲内にある場合には、線速度が10m/s〜18m/sの範囲内にあることがわかった。
次に、再生耐久性の評価を行なった。再生光の高周波重畳の条件は、周波数:400MHz、Ratio:6.5、パルス幅:270psecである。
まず、2倍速で信号を記録し、1倍速で再生して初期ジッタを測定した。次に、再生パワーPrを変化させながら2倍速の再生を1万回行い、最後に1倍速の再生でのジッタを測定して、ジッタ変化量を調べた。Pr=1.0mWで1万回再生した場合のジッタ劣化量を表4に示す。判定は、2倍速で再生パワーPr=0.7mWの条件で1万回再生してジッタ劣化がなければ○、ジッタ劣化が認められれば×とした。
Figure 0004935688
なお、2倍速で信号を記録した際に、媒体線速度が遅く消去ができなかったサンプルについてはジッタ劣化量の欄に「消去不可」と記載し、媒体線速度が速すぎて2倍速で信号を記録ができなかったサンプルについてはジッタ劣化量欄に「記録不可」と記載した。これらのサンプルについては、ジッタ劣化量を測定することができなかった。また、サンプル6及び7のジッタ劣化量は10%以上であったので、「>10」と記載した。
表4より、少なくとも、サンプル1乃至5、即ち、記録膜材料の組成が、5≦y≦15、4≦z≦15、4≦a≦15の範囲内にある場合には、再生耐久性が優れていることがわかった。
最後に、記録ストラテジのマルチパルス(Tmp)幅を変えて2倍速記録したときのジッタを測定した。Tmp幅が3.375nsecのときのジッタを表5に示す。判定は、ジッタが8.5%以下のものを○、8.5%よりも高いものを×とした。
Figure 0004935688
なお、記録ができなかったサンプル、又は消去ができなかったサンプルについては、ジッタを測定することができないため、ジッタの欄にそれぞれ「記録不可」、又は「消去不可」と記載した。
表5より、少なくともサンプル1乃至5、即ち、記録膜材料の組成が、5≦y≦15、4≦z≦15、4≦a≦15の範囲内にある場合には、ジッタ値が良好であることがわかった。
以上、それぞれの評価方法による判定結果をまとめた総合判定を表6に示す。総合判定は、線速度、再生耐久性、ジッタのTmpマージンすべての判定が○だったものを、○、1つでも判定が×だったものを×とした。
Figure 0004935688
表6より、サンプル1乃至5、即ち、記録膜材料の組成が、5≦y≦15、4≦z≦15、4≦a≦15の範囲内にある場合に、再生耐久性と記録ストラテジのマージンに優れた次世代光記録媒体を実現することができることがわかった。
以上より、aの値が小さいと、再生耐久性が低下してしまい、大きすぎると消去率が低下して2倍速での書き換えが行えなくなること、また、yの値が小さいと、結晶化速度が速すぎて2倍速でのマーク形成が困難となり、大きすぎると消去率が低下して2倍速での書き換えが行えなくなってしまうこと、更に、zの値が小さいとTmpマージンが悪化してしまい、大きすぎると消去率が低下して2倍速での書き換えが行えなくなってしまうことが分かった。
図2において、aの値が4≦a≦15の範囲内にある場合のTe量(a)とSb量(x)との関係を示すグラフを図3に示す。図3においては、図2と同様に横軸をTe量(a)、縦軸をSb量(x)としている。4≦a≦15の範囲は図2において、斜線で示す部分となる。
[実施例2]
実施例1のサンプル7において再生耐久性の評価を行った。再生光の高周波重畳の条件は、周波数:400MHz、Ratio:6.0、パルス幅220psecであり、実施例1の高周波重畳の条件と比較して、Ratioの幅とパルス幅が小さい。2倍速で再生パワーPr=0.7mwの条件で1万回再生を行ってもジッタ値の劣化がみられなかった。
以上より、高周波重畳のRatioの幅、パルス幅が小さいと再生劣化は起きないが、半導体レーザーへの戻り光の影響が大きくなり、レーザー発振が不安定になってしまう。
[比較例1]
実施例1のサンプル2と、実施例1のサンプル2と同一の記録膜組成であって、膜厚45nmのAlN膜からなる放熱層34が設けられずに、ZnS‐SiO2(80:20mol%)膜からなる第2誘電体層32の厚さを40nmにしたサンプル15と、膜厚45nmのAlN膜からなる放熱層34の代わりに膜厚45nmのSiN膜からなる放熱層が設けられたサンプル16とを作製した。また、実施例1のサンプル2と同一の記録膜組成であって、膜厚45nmのAlN膜からなる放熱層34の代わりに、膜厚140nmのSiNからなる放熱層が設けられたサンプルAを作製した。これらのサンプルの線速度を実施例1と同様の方法で求めたところ、サンプル15、サンプル16及びサンプルAの線速度はサンプル2と同一であった。また、再生耐久性についても実施例1と同様の方法で評価を行った。Pr=1.0mWで1万回再生した場合のジッタ劣化量を表7に示す。判定は、2倍速でPr=0.7mWの条件で1万回再生してジッタ劣化がなければ○、ジッタ劣化が認められれば×とした。なお、サンプル15は放熱層が設けられていないので、ZnS‐SiO2(80:20mol%)膜の膜厚を記載した。
Figure 0004935688
放熱層が設けられていないサンプル15は、2倍速でPr=1.0mWの1万回再生を行うとアモルファスマークが結晶化して信号が消失してしまったため、ジッタ劣化量の欄に「信号消失」と記載した。また、サンプル15は、2倍速でPr=0.7mWの1万回再生を行ってもジッタ劣化が見られた。膜厚45nmのSiN膜からなる放熱層が設けられたサンプル16は、ジッタ劣化量が4%と大きく、再生劣化が顕著であった。これに対して、膜厚45nmのAlN膜からなる放熱層が設けられたサンプル2はジッタ劣化量が0.4%、膜厚140nmのSiN膜からなる放熱層が設けられたサンプルAはジッタ劣化量が0.6%と小さく、判定は○となった。
以上より、AlN膜からなる放熱層34の存在が再生耐久性に大きく影響することが明らかであり、半透過情報層である第2の情報層16には必要不可欠であることが分かった。また、SiN膜からなる放熱層を設ける場合には、SiN膜の膜厚を十分厚くする必要があることが分かった。
[実施例3]
実施例1のサンプル2と同一の記録膜組成であって、光記録媒体10の界面層36を構成するZrO−Cr(50:50mol%)膜の膜厚を変化させたサンプル17〜21を作製した。これらのサンプルの線速度を実施例1と同様の方法で求めた。また、再生耐久性についても、実施例1と同様に、2倍速でPr=0.7mWの条件で1万回再生して、ジッタ劣化が認められなければ○、ジッタ劣化が認められれば×とした。結果を表8に示す。
Figure 0004935688
表8に記載されているように、界面層の厚さが0nm、すなわち界面層を有しないサンプル17は、線速度が遅いために2倍速でのアモルファスマークの消去が困難であった。従って、再生耐久性を評価することはできず、再生耐久性の欄に「消去不可」と記載した。界面層の厚さが1nmのサンプル18は、結晶化速度が向上して2倍速での消去可能な線速度を確保できるが、ジッタ劣化が認められた。界面層の厚さが2nmのサンプル19、界面層の厚さが3nmのサンプル20及び界面層の厚さが10nmのサンプル21はジッタ劣化が認められなかった。従って、消去可能な線速度及び再生耐久性を両立できる界面層36の厚さは2nm以上である。また、成膜時間及び量産性の観点から、界面層36の膜厚の上限値は10nmである。
この結果より、InSbTeGeの記録膜組成だけでは、第2の情報層16の結晶化速度及び再生耐久性を2倍速記録及び2倍速再生に対応させることが困難であることが明らかとなった。
[実施例4]
実施例1のサンプル2と同一の記録膜組成であって、光記録媒体10の界面層36の厚さを5nmとし、界面層36を構成するZrO−Cr膜の組成比を変化させたサンプル22〜25を作製した。これらのサンプルの線速度を実施例1と同様の方法で求めた。線速度はいずれのサンプルも12m/s以上であり、2倍速での消去は可能であった。また、再生耐久性についても実施例1と同様に、2倍速でPr=0.7mWの条件で1万回再生して、ジッタ劣化が認められなければ○、ジッタ劣化が認められれば×とした。結果を表9に示す。
Figure 0004935688
表9に記載されているように、ZrO:Cr=100:0、すなわちZrOのみからなる界面層36を有するサンプル22では再生劣化が認められた。また、ZrO:Cr=0:100、すなわちCrのみからなる界面層36を有するサンプル25では膜欠陥が多発していたため、再生耐久性の欄に「膜欠陥大」と記載した。このサンプル25は、実用上問題があると考えられる。また、ZrO:Cr=90:10の界面層36を有するサンプル23およびZrO:Cr=20:80の界面層36を有するサンプル24は、再生劣化が認められなかった。
従って、界面層36を構成するZrO−Cr膜の好ましい組成比は、ZrO:Cr=B:C(mol%)としたときに、20≦B≦90かつ10≦C≦80かつB+C=100であることがわかった。
[実施例5]
実施例1のサンプル2と同一の記録膜組成であって、光記録媒体10の反射層28の厚さを変化させたサンプル26〜30を作製した。これらのサンプルのTmpマージン及び再生耐久性を実施例1と同様の方法で求め、判定した。結果を表10に示す。
Figure 0004935688
表10に記載されているように、反射層の厚さが6nmのサンプル26は、反射層の厚さが薄いため、透過率が高く再生耐久性は良好であったが、放熱性が低下し、Tmpマージンが×となった。反射層の厚さが20nmのサンプル30は、放熱性が高く、Tmpマージンは良好であったが、透過率が低下し、再生耐久性が×となった。また、L0層の記録特性も不良であった。反射層の厚さが8nmのサンプル27、12nmのサンプル28及び16nmのサンプル29は、Tmpマージンと再生耐久性がともに○となった。
従って、Tmpマージンと再生耐久性との両方が良好となるようにするためには、反射層の厚さを制御する必要があることがわかった。
以上より、本発明では、レーザー波長λ=405nm、対物レンズNA=0.85を用いた光学系において高い再生パワーと、高周波重畳の高いRatioと広いパルス幅を持った再生光照射における再生耐久性を高めることが可能となる。
なお、上記実施例においては、記録膜18に接する光入射面側の界面層36の厚さ及び記録膜18の光入射面側の界面層36を構成するZrO−Cr膜の組成比をそれぞれ変化させたサンプルを作製したが、記録膜18の両側に界面層36を設け、片側の界面層36のみについて、厚さ及び界面層36を構成するZrO−Cr膜の組成比を変化させるようにしてもよいし、両側の界面層36を変化させるようにしてもよい。
また、本発明の実施例に係る光記録媒体は、記録膜18の基盤12側のみに界面層36を備えるようにしてもよい。
上記実施例は、情報層が2層の光記録媒体及びこれに用いる光記録媒体用記録膜材料についてのものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、情報層が3層以上の光記録媒体及びこれに用いる光記録媒体用記録膜材料についても適用されるものである。
本発明の実施例に係る光記録媒体を模式的に示す断面図 本発明の実施例に係る光記録媒体に適用される半透過情報層のTe量(a)とSb量(x)との関係を示すグラフ 4≦a≦15の範囲で本発明の実施例に係る光記録媒体の半透過情報層のTe量(a)とSb量(x)との関係を示すグラフ 光記録媒体の放熱層の厚さのみを変化させた時の反射率の変化を示すグラフ
符号の説明
10…光記録媒体
12…基板
14…第1の情報層
16…第2の情報層(半透過情報層)
18…記録膜
20…保護層
22…スペーサ層
24…カバー層
26…第1誘電体層
28…反射層
32…第2誘電体層
34…放熱層
36…界面層

Claims (9)

  1. 基板と、この基板におけるレーザービームの光入射面側に設けられた第1の情報層と、この第1の情報層よりも更に光入射面側に設けられた少なくとも1層の半透過情報層と、を有してなり、前記半透過情報層は、Sbを主成分とするSbGeInの元素及び組成比の相変化材料からなる記録膜を含んで構成されると共に、前記yが5≦y≦15、zが4≦z≦15であり、且つ、前記記録膜は、対物レンズの開口数をNA、レーザービームの波長をλとしたときλ/NA≦500nmの光学系により結晶質と非晶質との相変化を用いて書換え可能である光記録媒体であって、
    前記記録膜は、更に組成比aのTeが加えられ、x+y+z+a=100としたとき、4≦a≦15とされたことを特徴とする光記録媒体。
  2. 請求項1において、
    前記記録膜の膜厚が3nm以上7nm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  3. 請求項1又は2において、
    前記半透過情報層は、前記記録膜のレーザービームの光入射面側と反対側に反射膜を含んで構成され、前記反射膜の膜厚が8nm以上16nm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記半透過情報層は、前記記録膜の光入射面側に接する界面層を含んで構成され、前記界面層が、少なくともCrとOを含むことを特徴とする光記録媒体。
  5. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記半透過情報層は、レーザービームの光入射面側より、放熱層、誘電体層、界面層、記録膜の順に含んで構成され、前記放熱層がAIN膜またはSiN膜からなることを特徴とする光記録媒体。
  6. 請求項5において、
    前記界面層はZrO−Cr膜からなり、前記ZrO−Cr膜の膜厚が2nm以上10nm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  7. 請求項6において、
    前記ZrO−Cr膜の組成比が、ZrO:Cr=B:C(mol%)としたときに、
    20≦B≦90かつ10≦C≦80かつB+C=100
    であることを特徴とする光記録媒体。
  8. 請求項6または7において、
    前記ZrOはYを含む安定化ZrOであり、該安定化ZrO中のZrOとYとの組成比を、ZrO:Y=(100−x):x(mol%)としたときに、
    2≦x≦10
    であることを特徴とする光記録媒体。
  9. SbGeInの元素及び組成比の相変化材料からなると共に、前記yが5≦y≦15、zが4≦z≦15であり、且つ、対物レンズの開口数をNA、レーザービームの波長をλとしたときλ/NA≦500nmの光学系により結晶質と非晶質との相変化を用いて書き換え可能である記録膜を構成する光記録媒体用記録膜材料であって、
    更に組成比aのTeが加えられ、x+y+z+a=100としたとき、4≦a≦15とされたことを特徴とする記録膜材料。
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