JP2006286043A - 情報記録媒体 - Google Patents

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保 渕岡
Makoto Miyamoto
真 宮本
Satoru Onuki
悟 大貫
Akira Inaba
章 稲葉
Kimiharu Suga
君春 菅
Mutsutomo Shirai
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Abstract


【課題】ある固定されたパターンのデータを繰り返し記録したのちに、異なるパターンのデータを記録した場合においても、良好な再生信号が得られるDVD−RWを提供する。
【解決手段】光レーザービームの照射により前記記録層に情報が記録される情報記録媒体において、基板上に少なくとも上記レーザービームが照射される側から順に、第1界面層、記録層、第2界面層が積層され、前記記録層には少なくとも以下の組成式であらわされる範囲のSbおよびTeが含有され、
SbTe 0.6≦x(x+y)≦0.8
かつ前記記録層に接した第1,第2界面層の少なくとも何れか一層にCr、TaおよびOが含有され、その膜厚が0.2nm以上8nm以下であることを特徴とする情報記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ照射による記録層の相変化によって、高速、高密度で記録、再生、書換が可能な情報記録媒体に関し、更に詳細にはDVD−RWなどの共晶系相変化記録層を使用する相変化光記録媒体に関する技術に関する。
書換え可能な情報記録媒体の一つに相変化光記録媒体がある。相変化光記録媒体は光ビームの照射により原子配列が異なる2つの状態間(アモルファス−結晶間)で可逆的に変化する記録層を備え、その記録層の2つの異なる原子配列の状態により情報が記録される。相変化光記録媒体は書換え可能な媒体の中でも記録再生装置を安価に出来るという特徴を有するため民生用途への普及が著しく、とりわけ家庭用ビデオ録画媒体として急速に普及しつつある。
こうした相変化光記録媒体の記録層材料として実用化レベルで知られている材料は、GeSbTeなどの化合物組成に代表されるGeSbTe系材料と、Sb−SbTe間の共晶組成を主成分とするAgInSbTe系材料などである。前者のGeSbTe系材料は、DVD−RAMとして実用化され、一方、後者のAgInSbTe系材料は、CD−RW、DVD−RW及びDVD+RWとして実用化されている。
さらに、AgInSbTe系材料に関しては、Sb−Te組成上の共晶組成近傍であって、空間群Fm3mに属する準安定SbTe相を有するという結晶構造上新たな特徴を有するものが、高密度記録、繰り返し特性に優れたものとして開発されている。また、前記SbTe相を基本骨格として、特性向上の必要に応じて、例えば特許文献1のように、Ag,In、Ge、Si、Sn、Cu等の添加物質を少なくとも1種添加されている。
相変化記録媒体への記録方式は、基本的に「0」と「1」の情報を結晶とアモルファスに対応させ記録を行う方式である。また、結晶とアモルファスの屈折率が異なること利用し、結晶に変化させた部分とアモルファスに変化させた部分の反射率の差が最大になるように、各層の屈折率、膜厚を設計している。この結晶化した部分とアモルファス化した部分に、レーザービームを照射し、反射光を再生することにより記録された「0」と「1」を検出できる。
所定の位置をアモルファスにする(通常、この動作を「記録」と呼ぶ)ためには、比較的高パワーのレーザービームを照射することにより、記録層の温度が記録層材料の融点以上になるように加熱し、また所定の位置を結晶にする(通常、この動作を「消去」と呼ぶ)ためには、比較的低パワーのレーザービームを照射することにより、記録層の温度が記録層材料の融点以下の結晶化温度付近になるように加熱する。このようにすることにより、アモルファス状態と結晶状態を可逆的に変化させることができる。
近年、相変化光記録媒体の記録容量が高まったために、これに見合った記録速度の高速化が要求されており、それと同時に低線速記録互換性の観点から広域線速化も要求されている。高線速記録のために、相変化記録層材料の結晶化速度を上げることが重要であり、その手法として相変化記録層材料のSb量を多くするなどの方法が知られている。
更に、相変化光記録媒体の誘電体層にZnSなどSを含んでいる材料を用いた場合、記録層に隣接した誘電体層のSが記録層へと浸透することを防ぐために、記録層に隣接した片面、または両面に窒化物、酸化物や炭化物などの界面層を挿入する技術が提案されている。具体的には窒化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、炭化シリコンなどがある。
特開2000−43415号公報
上記従来技術に示したような極めて優れた技術を用いた1000回以上の書換えを繰り返すことが可能なDVD−RW等が商品化されている。しかしながら、近年、DVD−RWがDVDレコーダー用に使用されるケースが多くなるに連れ、1000回以上の書換えが可能なはずのDVD−RWの書換え可能回数が、数十回〜数百回程度に低下してしまう場合があることが明らかになってきた。上記現象を解析した結果、多くのDVDレコーダーがDVD−RW上のある特定の領域に、ほぼ同じパターンのデータを繰り返し記録し、その後に全く異なったパターンのデータを記録した場合に、記録されたデータの再生信号が大幅に歪んでしまうことが原因であることが明らかになった。これはDVDレコーダーがDVD−RWに記録した映像情報を管理するための情報(通常、ほぼ同じデータであることが多い)を、常に特定の領域に記録するために発生する現象であり、従来のDVD−RWの使用方法からは想定されていなかった使用方法である。
発明者らはこの問題を解決するため問題点を整理し、以下のような考察を行った。同じデータを同じ領域に記録する場合、はじめに、レーザービームを高パワーにしてアモルファスとして記録された部分は、常に高パワーのレーザービームにより溶融されることになり、この結果、アモルファスになった部分の劣化が著しく大きくなる。このように、同じパターンのデータを繰り返し記録し、常に同じ部分が劣化しただけでは大きな問題とはならない。常に同じ部分が劣化している場合、劣化部分の反射率、結晶化速度等が変化するが、この劣化パターンも再生すべきデータパターンと完全に同期しているからである。しかしながら、同じパターンのデータを繰り返し記録したのち、同じ領域に異なるパターンのデータを記録した場合に大きな問題が発生する。これは劣化した部分の反射率や結晶化速度が正常な部分と異なり、さらに、新たに記録されるデータのパターンとその前に繰り返し記録されたデータパターンが同期していないためである。
DVD−RAMの場合、このようにほぼ同じパターン(固定パターン)のデータが繰り返し記録されることを想定して、物理フォーマットが決められている。例えば、DVD−RAMでは、2kバイトごとに分割されたデータが物理的に区切られたセクタ領域に記録されるが、この際、同じデータが繰り返し記録されることを想定して、記録を繰り返すたびに、記録パターンのデータの極性を反転させる、あるいは、記録データの始端と終端の位置を数バイト程度ランダムにシフトさせている。こうすることにより、同じ部分が常に溶融されることを回避しているのである。
さらにDVD−RAMの場合、記録層材料として溶融後に再結晶化が起こりにくい、化合物系の相変化記録材料が使われているが、DVD−RWの場合、記録膜として再結晶化を引き起こしやすいがオーバーライト性能(オーバーライトによるジッター上昇を抑圧する性能)に優れた共晶系の相変化材料が使われている。このことも、上記劣化を引き起こしている要因の一つである。以下、簡単にこの理由を説明する。
DVD−RAMでは、ランドグルーブ記録方式を採用している。ランドグルーブ記録方式とはグルーブの深さはある一定の深さにすることにより、グルーブとランドの両方にデータを記録しても、隣接記録マークからの信号のもれこみ(クロストーク)を低下させることが出来るため、トラックピッチをレーザービームの6割程度に狭めることが出来る記録方式である。このようにトラックピッチが狭いため、あるトラックにデータを記録する際に、隣接トラックに記録されているデータを消去してしまう現象(クロスイレーズ)が発生する。再結晶化しやすい共晶系相変化材料のような記録層材料として使用した場合、予め再結晶化することを前提として、記録層を幅広く溶融させる必要があるため、DVD−RAMのようなランドグルーブ記録を採用している光ディスクではクロスイレーズを引き起こしてしまう。このため、DVD−RAMでは再結晶化が起きにくい化合物系相変化材料が使用されているのである。なお、DVD−RAMではトラックピッチを狭くして記録密度を高めているため、最短記録マークをDVD−RWと比較して長くすることができる。このため、化合物系相変化材料を使用することにより発生するオーバーライトによる信号劣化は許容されている。
これに対して、DVD−RWの場合、DVD−ROMとの互換性を最重要視した物理フォーマットとなっているため、最短記録マーク長はDVD−ROMと同じ値(0.4ミクロン:DVD−RAMでは0.42ミクロン)にする必要がある。このため、オーバーライトによる信号劣化が許容されにくく、オーバーライト性能に優れた共晶系相変化材料を使用せざるを得ないのである。さらに、トラックピッチはDVD−ROMと同じ0.74ミクロンのグルーブ記録となっている。また、信号変調度(信号振幅を反射率で規格化した値)もDVD−ROMと同じ値(60%以上:DVD−RAMでは40%以上)にする必要がある。このため、DVD−RAMと比較して幅広のアモルファスマークを記録する必要がある。共晶系相変化材料を記録層材料として使用した場合、溶融後の再結晶化が進みやすくなるため、予め、これを前提として、記録層をさらに幅広に溶融させる必要がある。
このように、DVD−RWでは、固定パターンのデータを繰り返し記録することを想定した物理フォーマットになっていないこと、また、記録層を幅広く溶かす必要があるため、(発明者らの試算では)トラック中心における記録層の温度は、およそ1000℃に達するため、固定パターンを繰り返し記録するような過酷な使われ方をした場合、上記したような問題が発生するのである。
したがって、本発明の目的は、ある固定されたパターンのデータを繰り返し記録したのちに、同じ領域に異なるパターンのデータを記録した場合においても、良好な再生信号が得られるDVD−RWを提供することである。
本発明者らは繰り返し記録による記録媒体の反射率変化や結晶化速度変化などが生じるのは、繰り返し記録を行うことで記録層組成が変化していると考えた。この現象は保護層と記録層が隣接しているときに保護層ZnSのS成分が記録層に浸透することで起きていた。そこで一般的に記録層と保護層の間に界面層が設けられている(特開平5−217211など)。しかし上述したように界面層を設けても繰り返し記録、特に固定パターンのデータの繰り返し記録した後、更に異なるパターンのデータを記録した場合、記録特性の悪化が見られる。これは界面層が記録層に隣接している為、界面層の記録時の温度は記録層と同様におよそ1000℃に達し、従来の界面層ではこの温度に耐えられないためと考えた。そこで本発明者らは界面層材料の一つであるCrの物質特性について調べた。するとCrは物質特性でCr2-z(z<0.077)とCr欠損の不定性化合物になりうることがわかった。この物質特性は、記録時に記録層中の温度が高くなるとCr欠損による結合していない酸素が存在し、記録膜材料を酸化させていることを示している。
そこで本発明者らはこの物性を考え、Cr欠損を打ち消す材料の添加、つまり酸素欠損または窒素欠損がある酸化物、窒化物または酸化窒化物、特に遷移金属で酸素欠損または窒素欠損がある酸化物、窒化物または酸化窒化物の材料をCrに添加する方法が有効であると考えた。さらに、遷移金属の中でも、融点が高く、酸化物、窒化物が安定に存在しうる材料としてTaを選定するに至った。本発明のポイントの一つは、Crに対してTaを添加することにより、繰り返し記録時の信号劣化を抑圧せきることを明らかにした点である。
さらに、本発明者らは、本発明のCr-Ta-O系材料を界面層として使用する場合、その膜厚が厚すぎても、薄すぎても、繰り返し記録時に再生信号のジッターが劣化することを明らかにした。薄すぎる場合、繰り返し記録に伴って、記録膜中に保護層材料が拡散するのである。厚すぎる場合に、繰り返し記録時の再生信号ジッターが劣化する原因は明らかになっていないが、恐らく、Cr−Ta−O系材料の熱膨張係数が大きいため、膜厚が厚すぎる場合、熱膨張によりレーザービームが照射された部分と、それ以外の部分の間に亀裂が生じ、結果として記録膜中に保護層材料が拡散してしまうためと考えられる。詳細に検討した結果、最適膜厚は0.2nm以上8nm以下、望ましくは0.5nm以上3.0nm以下であった。さらに本発明のCr−Ta−O系界面層は、共晶系相変化材料との組合せ時に特に大きな繰り返し記録特性向上効果を発揮する。また共晶系相変化材料としては、Sb70Te30付近の組成が本発明に適している。
したがって、本発明の目的を達成するためには、以下に示した情報記録媒体を用いればよい。
(1)光レーザービームの照射により前記記録層に情報が記録される情報記録媒体において、基板上に少なくとも上記レーザービームが照射される側から順に、第1界面層、記録層、第2界面層が積層され、前記記録層には少なくとも以下の組成式であらわされる範囲のSbおよびTeが含有され、
SbTe 0.6≦x/(x+y)≦0.8
かつ前記記録層に接した第1,第2界面層の少なくとも何れか一層にCr、TaおよびOが含有され、その膜厚が0.2nm以上8nm以下であることを特徴とする情報記録媒体。
(2)前記記録層に少なくともAg、In、Geのいずれかが含有されていることを特徴とした(1)に記載の情報記録媒体。
また、上記共晶系相変化材料に適当な元素を添加した場合、更に本発明の効果は大きくなる。
(3)(1)記載の情報記録媒体であって、少なくとも上記界面層中のCrとTaの組成比がCrTa(0.05≦b/a≦0.7)から選択されることを特徴とする情報記録媒体。
さらに、発明者らは第1界面層に本発明の界面層材料を使用した場合に大きな効果があることを明らかにした。第2界面層に本発明の界面層を使用した場合には、記録膜組成との組合せによっては、記録膜の結晶化速度が低下してしまうという弊害が発生するからである。しかしながら、繰り返し記録時の信号劣化を抑制する効果は大きいため、第2界面層にもCr−Ta−O系界面層を使用することができる。しかし、この場合、最適Ta含有比率は、上記弊害を考慮し第1界面層に含有されるTa含有比率と比較して小さい方が良い。
(4)(1)に記載の情報記録媒体であって、第2界面層に含有されるTa含有比率と比較して、第1界面層のTa含有比率の方が大きいことを特徴とする情報記録媒体。
なお、本発明では、Cr−Ta−O系界面層の膜厚制御がきわめて重要である。以上の膜厚を実現する手段としては、予め、精度良く測定が可能な膜厚(たとえば、50nm程度)のCrTaO系材料をスパッタリング等で製膜を行い、単位時間当たりの製膜レートを求め、その製膜レートを用い、以上の膜厚に対応した時間だけ製膜すればよい。また、所望の特性が得られない場合、断面TEM(透過型電子顕微鏡)等により、正確な膜厚を測定すればよい。断面TEM等で膜厚を測定した場合、必ずしも膜厚が均一でない場合があるが、この場合には、平均的な膜厚を、Cr−Ta−O界面層の膜厚と定義しても差し支えなく、上記平均膜厚が上記範囲であれば、本発明の効果は失われない。
以上説明したように、本発明によれば、DVD−RWの記録層に、Ag−In−Ge−Sb−Te系相変化材料を用い、更に前記記録層に接した第1,第2界面層の少なくとも何れか一層にCr―Ta―O界面層を設けることで、固定パターンのデータを繰り返し記録した後、更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした場合のジッター特性が優れた相変化光記録媒体を提供することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
はじめに、本発明の実施例として検討した光記録媒体の概略断面図を図1に示す。基板1上に第1誘電体層2として(ZnS)80-(SiO20(mol%)、第1界面層3としてCrあるいはCr―Ta―Oからなる材料、記録層4としてAg−Ge−In−Sb−Teからなる材料、第2界面層5としてCrあるいはCr―Ta―Oからなる材料、第2誘電体層6として(ZnS)80-(SiO2)20(mol%)からなる材料、中間層7として(Cr)85(Cr15(at%)からなる材料を、更にその上に反射層8としてAgCa(500pm)Cu(1wt%)を順次形成した構造である。さらに、反射層8の上に紫外線硬化樹脂からなる保護層9を形成した後、0.6mm厚のダミー基板を貼り合せた構造のディスクを作製した。ここで用いたポリカーボネート基板1にはトラックピッチが0.74μm、溝深さが30nmでらせん状にグルーブが形成されている。
以下の実施例では、基本的に図1の第1、第2界面層、および記録層の、組成あるいは膜厚をパラメータとし、様々な検討を行った結果について述べている。本実施例では、これらの材料以外は変更していないが、他の材料に関して、以下のような変更を行ったとしても本発明の効果は失われない。
第1、第2誘電体層の材料としては(ZnS)80(SiO2)20(mol%)の混合物のほか、混合比を変えたもの、あるいはSiO、Ta、Al等の酸化物、Si-N、Al-N、Ge-N等の窒化物が用いることができる。
中間層7として用いた材料は(Cr)85(Cr15(at%)のほか、Cr−CrOの組成比を変えた材料を用いても良い。中間層の役割は反射層にAg合金を用いた場合に、Agが前記上部保護層の硫黄と反応しAgS化合物の生成の抑制である。そのため光学的に影響を及ぼさない、かつAgとSの反応を抑制するため、膜厚は0.5nm以上5nmが好ましい。
反射層8として用いた材料は、AgCa(500ppm)Cu(1wt%)のほか、AgCaCuの組成比を換えたものAgを主成分とした合金を用いることが可能である。
以下に本発明の効果を確認するための実施例について詳細に説明する。
まず始めに、固定パターンのデータを繰り返し記録した後、更に異なるパターンのデータをオーバーライトした後、良好な再生信号が得られる相変化記録層材料の検討として、図1に示した構造のディスクを以下のように作製した。
直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板1を複数のスパッタ室をもち、膜厚分布の少ない再現性の高いスパッタ装置を用いて、先ず基板1上に第1誘電体層2として(ZnS)80-(SiO20(mol%)からなる材料を膜厚75nm形成した。続いて第1界面層3としてCr20Ta1466(at%)からなる材料を膜厚2nm形成し、その上に記録層4としてAg−In−Ge−Sb−Teからなる材料を膜厚15nm形成した。Ag−In−Ge−Sb−Teの形成方法として、Ag、In、Ge量を一定にしSb量とTe量の比を変えたターゲットを準備し製膜を行った。次に第2界面層5としてCr30Ta63(at%)からなる材料を膜厚2nm形成した。その上に第2誘電体層6として(ZnS)80-(SiO20(mol%)からなる材料を膜厚15nm形成した。更にその上に中間層7として(Cr)85(Cr15(at%)からなる材料を膜厚2nm形成し、その後、反射層8としてAgCa(500ppm)Cu(1wt%)の材料からなるものを160nm形成した。その反射層8の上に紫外線硬化樹脂からなる保護層9を形成した後、0.6mm厚のダミー基板を貼り合せた構造のディスクを作製した。
このディスクを初期結晶化するために、半導体レーザ(波長810nm)からレーザスポットサイズ1×50μmの楕円ビームを持つレーザ光を照射することによって、ディスク全面を初期結晶化した。
次に、記録再生特性評価を行なうための情報記録装置について説明する。この例では、情報の記録再生時に情報記録媒体に光照射するための半導体レーザ(波長650nm、開口数0.6)を搭載したディスクドライブテスタを用いて記録(1ビーム・オーバーライト)を行なった。
この例で使用した情報記録装置では8−16変調を用い、マークエッジ記録方式の記録マークを情報記録媒体に形成して情報を記録した。最短マーク長は0.40μmとした。線速7.0m/s(DVD規格2倍速相当)で固定パターンのデータを1000回繰り返し記録したのち、ジッター評価を行った。更にその記録されたデータの上に異なるパターンのデータを1回オーバーライトしたのち、ジッター特性の評価を行った。
ここで、ジッター特性の評価基準は、以下の通りである。
◎:固定パターンのデータを1000回繰り返し記録後、異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後のジッター特性:8%以下
○:固定パターンのデータを1000回繰り返し記録後、異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後のジッター特性:9%以下
×:固定パターンのデータを1000回繰り返し記録後、異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後のジッター特性:9%以上
測定位置は中周で行ったが、内周や外周で行っても評価結果は同様であった。
評価結果を表1に示す。
Figure 2006286043
表1から明らかなように、固定パターンのデータを1000回繰り返し記録した後のジッター特性と、更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後のジッター特性が両方で良好な特性を示しているのは、AgInGeSbTeとした場合、x/(x+y)が0.60から0.80の範囲である。更にx/(x+y)が0.72から0.74の組成で、より優れた特性が得られることが明らかになった。
実施例1において、固定パターンのデータを1000回繰り返し記録した後のジッター特性と、更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後のジッター特性が両方で良好な特性を示す相変化記録層材料の最適組成が明らかになった。
本実施例では、実施例1で特に繰り返し記録性能に優れた性能を示したAgInGeSb68Te25(at%)を用いた。
直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板1を複数のスパッタ室をもち、膜厚分布の少ない再現性の高いスパッタ装置を用いて、先ず基板1上に第1誘電体層2として(ZnS)80-(SiO20(mol%)からなる材料を膜厚75nm形成した。続いて第1界面層3としてCr―Ta−Oからなる材料からなる材料を膜厚2nm形成した。ここでCr―Ta−Oの形成方法としては、1つのスパッタ室内に2つのターゲットを装着し、一方をCr、もう一方に(Cr40−(Ta60(mol%)ターゲットを装着して、同時スパッタにより双方のスパッタリングパワーを変えてCr−Ta−O組成を調整した。その上に記録層4としてAgInGeSb68Te25(at%)からなる材料を膜厚15nm形成した。次に第2界面層5としてCr―Ta−Oからなる材料からなる材料を膜厚2nm形成した。Cr―Ta−Oの形成方法としては上記第1界面層と同様である。その上に第2誘電体層6として(ZnS)80-(SiO20(mol%)からなる材料を膜厚15nm形成した。更にその上に中間層7として(Cr)85(Cr15(at%)からなる材料を膜厚0.5nm形成し、その後、反射層8としてAgCa(500ppm)Cu(1wt%)の材料からなるものを120nm形成した。その反射層8の上に紫外線硬化樹脂からなる保護層9を形成した後、0.6mm厚のダミー基板を貼り合せた構造のディスクを作製した。
以降の工程については、実施例1と同様である。
次に、実施例1と同様に線速7.0m/sで固定パターンのデータを1000回繰り返し記録したのち、ジッター特性の評価を行った。更にその記録されたデータの上に異なるパターンのデータを1回オーバーライトしたのち、ジッター特性の評価を行った。測定位置は中周で行ったが、内周や外周で行っても評価結果は同様であった。
評価結果を表2に示す。また、比較例として第1、第2界面層にCrを用いた以外は全く同様に作製したディスクの評価結果も示す。総合判定の基準は実施例1と同じである。
Figure 2006286043

表2から明らかなように、第1もしくは第2界面層のどちらかをCr−Ta−Oにすることで、固定パターンのデータを1000回繰り返し記録後、更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後のジッター特性が格段に向上することが分かった。
更に固定パターンのデータを1000回繰り返し記録後、更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした場合のジッター特性が良好な第1界面層のTa含有量は、2(at%)〜14(at%)の範囲であり、更に、Ta含有量を14(at%)にすることで記録特性が得られる。一方、第2界面層の最適Ta含有量は、更に2(at%)〜14(at%)の範囲である。
また条件13,14のように第1界面層のTa含有量を14(at%)として、第2界面層のTa含有量を7(at%)、14(at%)とすることで、上記記録特性が向上していることがわかった。
以上のように、第1もしくは第2界面層のどちらかにCr−Ta−Oを用いることで、上記繰り返し記録特性を満足する相変化光記録媒体を得ることができる。更にTa量が2原子%以上14原子%以下の範囲のCr−Ta−O界面層を選択することで、繰り返し記録特性を満足する界面層を得ることができる。すなわち、以下の組成比範囲のCrとTaが存在していることが重要である。
2/37≦Ta/Cr≦14/20
また、同じ範囲の組成比をaとbを用いてあらわすと以下のようになる。
CrTa(0.05≦b/a≦0.7)
本実施例では、固定パターンのデータを1000回繰り返し記録した後、更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後のジッター特性が優れた界面層膜厚の検討として、実施例1同様に記録層組成としてAgInGeSb68Te25(at%)を用いて、更に第1界面層組成にCr20Ta1466、第2界面層にCr37Ta61を用いて、相変化光記録媒体を作製した。
相変化光記録媒体の作製方法は実施例1と同様であり、第1界面層の膜厚を0nmから15.0nmまで変化させて、第2界面層の膜厚は2nmと一定にした。
次に、実施例1と同様に線速7.0m/sで固定パターンのデータを1000回繰り返し記録した後、ジッター評価を行った。更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした後、ジッター評価を行った。測定位置は中周で行ったが、内周や外周で行っても評価結果は同様であった。
評価結果を表3に示す。総合判定の基準は実施例1と同じである。
Figure 2006286043

表3から明らかなように、固定パターンのデータを繰り返し記録した場合のジッター特性は膜厚に大きく依存し、界面層が無い場合と厚すぎた場合はジッター特性が悪化する。この原因は、界面層が無い場合、保護層が記録層に隣接する為、保護層ZnSのS成分が浸透し記録膜を劣化させ、界面層の膜厚が厚すぎた場合には、恐らく、Cr−Ta−O系材料の熱膨張係数が大きいため、熱膨張によりレーザービームが照射された部分と、それ以外の部分の間に亀裂が生じ、結果として記録膜中に保護層材料が拡散してしまうためと考えられる。また、目標を満足する膜厚は0.2nm以上8nm以下であり、0.5nm以上2.5nm以下の場合、固定パターンのデータを繰り返し記録した後、更に異なるパターンのデータを1回オーバーライトした場合においても、9%以下の良好なジッターになることがわかった。
本発明の実施例に用いた光記録媒体の断面図である。
符号の説明
1 基板
2 第1誘電体層
3 第1界面層
4 記録層
5 第2界面層
6 第2誘電体層
7 中間層
8 反射層
9 保護層

Claims (5)

  1. 光レーザービームの照射により記録層に情報が記録される情報記録媒体において、基板上に少なくとも上記レーザービームが照射される側から順に、第1界面層、記録層、第2界面層が積層され、前記記録層には少なくとも以下の組成式であらわされる範囲のSbおよびTeが含有され、
    SbTe 0.6≦x/(x+y)≦0.8
    かつ前記記録層に接した第1、第2界面層の少なくとも何れか一層にCr、TaおよびOが含有され、その膜厚が0.2nm以上8nm以下であることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 前記記録層に少なくともAg、In、Geのいずれかが含有されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記記録層に少なくともAgとInとGeが含有されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  4. 前記第1、第2界面層のうち、少なくとも第1界面層中のCrとTaの組成比がCrTa(0.05≦b/a≦0.7)から選択されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  5. 請求項1に記載の情報記録媒体であって、第2界面層に含有されるTa含有比率と比較して、第1界面層のTa含有比率の方が大きいことを特徴とする情報記録媒体。

JP2005101147A 2005-03-31 2005-03-31 情報記録媒体 Withdrawn JP2006286043A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008204595A (ja) * 2007-01-23 2008-09-04 Tdk Corp 光記録媒体及び記録膜材料
JP2008269759A (ja) * 2007-03-27 2008-11-06 Tdk Corp 光記録媒体及び記録膜材料

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