JP4934898B2 - オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造するために使用される触媒の活性(触媒単位量当たり得られるオレフィン重合体の量)が十分に高ければ、得られるオレフィン重合体から触媒残渣を除去する必要がないので、オレフィン重合体の製造工程を簡略化することができ、従って、該触媒の工業的利用価値が極めて高いことは言うまでもない。
また、オレフィン重合体の製造に際して重合反応槽へのオレフィン重合体等の付着が多いことは、オレフィン重合体の製造工程における操業上の種々の障害を引き起こして操業効率を低下させる原因となるので、該付着はできる限り少ないことが望ましい。
さらに、得られるオレフィン重合体粉末の粒子性状については、操業の安定性や操業の効率の観点から、嵩密度が高く、粒度分布が狭く、流動性が良好な重合体粉末が望ましい。
【0003】
近年、オレフィン重合用触媒の分野においては、特定のマグネシウム化合物と特定のチタン化合物とを組み合わせて得られる固体触媒成分を使用することにより、重合活性は向上している(特公昭46−34092号公報、特公昭47−41676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24361号公報等)。
【0004】
また、プロピレンの重合においては、固体触媒成分の内部ドナーとしてエステル等の酸素含有電子供与体等を用いることにより、高結晶性プロピレンポリマーが高活性で得られることが開示されている(特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特公平1−28049号公報、特公平3−43283号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、得られるオレフィン重合体中の触媒残渣のさらなる低減、生産性向上のため、より高い重合活性のオレフィン重合用触媒が求められる。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、特にオレフィン重合体を高い重合活性で製造し得るオレフィン重合用固体触媒成分およびオレフィン重合用触媒、並びにオレフィン重合体の効率的な製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、双極子モーメントが0.39debye以下である媒体の存在下、マグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体触媒成分前駆体(C)と、ハロゲン化能を有するハロゲン化合物(A)と、電子供与体(B)とを接触処理することにより得られるオレフィン重合用固体触媒成分にかかるものである。さらに本発明は、オレフィン重合用固体触媒成分(I)および有機アルミニウム化合物(II)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒、並びに、該オレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法にかかるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
[オレフィン重合用固体触媒成分]
本発明で使用する双極子モーメントが0.39debye以下である媒体としては、特に限定されないが、双極子モーメントが0〜0.34debyeである媒体が好ましく、0〜0.20debyeがより好ましく、炭素原子数30以下の炭化水素がさらに好ましい。具体的にはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、ノルマルデカン等の脂肪族鎖式炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン等の脂肪族環式炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素が挙げられるが、中でも脂肪族炭化水素が好ましい。特に好ましくは炭素原子数5〜15の脂肪族炭化水素であり、最も好ましくは炭素原子数6〜12の脂肪族鎖式炭化水素である。
なお、本発明でいう双極子モーメントとは、25℃における双極子モーメントである。
【0008】
双極子モーメントが0.39debye以下である媒体は、単独で使用してもよいし、2種類以上が共存する状態で使用してもよい。
また、媒体としては双極子モーメントが0.39debye以下である媒体と共に双極子モーメントが0.39debyeよりも大きい媒体が存在してもよい。ただし、触媒性能上双極子モーメントが0.39debye以下の媒体が、全媒体中の25容量%以上であることが好ましい。より好ましくは50容量%以上、さらに好ましくは75容量%以上である。
【0009】
本発明で使用するハロゲン化能を有するハロゲン化合物(A)としては、固体触媒成分前駆体(C)のハイドロカルビルオキシ基をハロゲン原子に置換する能力を持ち得る化合物が好ましい。なかでも、第4族元素のハロゲン化合物、第13族元素のハロゲン化合物、または第14族元素のハロゲン化合物が好ましい。
第4族元素のハロゲン化合物としてはチタンのハロゲン化合物が好ましい。具体的には、ハロゲン化チタン、ハロゲン化チタンアルコキシド、ハロゲン化チタンアミド等が挙げられる。
【0010】
第13族元素または第14族元素のハロゲン化合物としては、一般式MRm-aa(式中、Mは第13族または第14族原子を、Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、mはMの原子価を表す。aは0<a≦mを満足する数を表す)で表される化合物が好ましい。
ここでいう第13族の原子としてはB、Al、Ga、In、Tlが挙げられ、BまたはAlが好ましく、Alがより好ましい。また、第14族の原子としてはC、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられ、Si、GeまたはSnが好ましく、SiまたはSnがより好ましい。
【0011】
mはMの原子価であり、例えばMがSiのときm=4である。
aは0<a≦mを満足する数を表し、MがSiのときaは好ましくは3または4である。
Xで表されるハロゲン原子としてF、Cl、Br、Iが挙げられ、Clが好ましい。
【0012】
Rの具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。好ましいRはアルキル基またはアリール基であり、特に好ましいRはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、フェニル基またはパラトリル基である。
【0013】
第13族元素のハロゲン化合物として具体的には、トリクロロボロン、メチルジクロロボロン、エチルジクロロボロン、フェニルジクロロボロン、シクロヘキシルジクロロボロン、ジメチルクロロボロン、メチルエチルクロロボロン、トリクロロアルミニウム、メチルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、フェニルジクロロアルミニウム、シクロヘキシルジクロロアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、ジエチルクロロアルミニウム、メチルエチルクロロアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ガリウムクロライド、ガリウムジクロライド、トリクロロガリウム、メチルジクロロガリウム、エチルジクロロガリウム、フェニルジクロロガリウム、シクロヘキシルジクロロガリウム、ジメチルクロロガリウム、メチルエチルクロロガリウム、インジウムクロライド、インジウムトリクロライド、メチルインジウムジクロライド、フェニルインジウムジクロライド、ジメチルインジウムクロライド、タリウムクロライド、タリウムトリクロライド、メチルタリウムジクロライド、フェニルタリウムジクロライド、ジメチルタリウムクロライド等が挙げられ、これら化合物名のクロロをフルオロ、ブロモ、またはヨードに変更した化合物も挙げられる。
【0014】
14族元素のハロゲン化合物として具体的には、テトラクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロメタン、モノクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、ノルマルブチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、パラトリルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ジクロロシラン、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、モノクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、テトラクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、メチルトリクロロゲルマン、エチルトリクロロゲルマン、フェニルトリクロロゲルマン、ジクロロゲルマン、ジメチルジクロロゲルマン、ジエチルジクロロゲルマン、ジフェニルジクロロゲルマン、モノクロロゲルマン、トリメチルクロロゲルマン、トリエチルクロロゲルマン、トリノルマルブチルクロロゲルマン、テトラクロロ錫、メチルトリクロロ錫、ノルマルブチルトリクロロ錫、ジメチルジクロロ錫、ジノルマルブチルジクロロ錫、ジイソブチルジクロロ錫、ジフェニルジクロロ錫、ジビニルジクロロ錫、メチルトリクロロ錫、フェニルトリクロロ錫、ジクロロ鉛、メチルクロロ鉛、フェニルクロロ鉛等が挙げられ、これら化合物名のクロロをフルオロ、ブロモ、またはヨードに変更した化合物も挙げられる。
【0015】
ハロゲン化合物(A)としては、テトラクロロチタン、メチルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、またはテトラクロロ錫が重合活性の点からより好ましい。
ハロゲン化合物(A)は1種類のみを用いることも可能であるし、複数種を用いることも可能である。
【0016】
本発明においてはハロゲン化合物(A)として、少なくとも第14族元素のハロゲン化合物を含むことがさらに好ましく、特にテトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、またはパラトリルトリクロロシランを少なくとも使用することが重合活性の点から好ましい。
【0017】
本発明で使用する電子供与体(B)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体等を挙げることができる。これらの電子供与体のうち好ましくは有機酸のエステル類またはエ−テル類が用いられる。
【0018】
有機酸のエステル類としては、モノまたは多価のカルボン酸エステルが好ましく、例えば飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを挙げることができる。
【0019】
具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができる。
【0020】
エーテル類として好ましくは、ジアルキルエーテル、一般式
Figure 0004934898
(式中、R22〜R25はそれぞれ、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基であり、R22またはR23は水素原子であってもよい)で表されるジエーテル化合物を挙げることができる。
具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジノルマルブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−エチル−2−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ノルマルプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2−ノルマルプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジエトキシプロパン等を挙げることができる。
【0021】
電子供与体(B)として、中でも有機酸のエステル類が好ましく、特に好ましくは芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステルが用いられ、最も好ましくはフタル酸のジアルキルエステルが用いられる。
【0022】
本発明において使用する固体触媒成分前駆体(C)は、マグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体状物質である。好ましくは、少なくとも20wt%以上のハイドロカルビルオキシ基を含有する固体状物質である。具体的には、特開平11−80234号公報に開示された、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(▲1▼)の存在下に、一般式Ti(OR1a4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表されるチタン化合物(▲2▼)を、有機マグネシウム化合物(▲3▼)で還元して得られる固体生成物、あるいは、特公平4−57685号公報に開示された、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(▲1▼)および多孔質担体(▲4▼)の存在下に、一般式Ti(OR1a4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表されるチタン化合物(▲2▼)を、有機マグネシウム化合物(▲3▼)で還元して得られる固体生成物が好ましい。
【0023】
一般式Ti(OR1a4-aのR1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。2種以上の異なる(OR1)基を有するチタン化合物を用いることも可能である。
これらの基のうち炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。
【0024】
Xで表わされるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。特に塩素原子が好ましい結果を与える。
【0025】
一般式Ti(OR1a4-aのaの値としては0<a≦4を満足する数であり、好ましくは2≦a≦4を満足する数であり、特に好ましくはa=4である。
【0026】
一般式Ti(OR1)a4-aで表わされるチタン化合物の合成方法としては公知の方法が使用できる。例えばTi(OR1)4とTiX4とを所定の割合で反応させる方法、あるいはTiX4と対応するアルコール類(例えばR1OH)等を所定量反応させる方法が使用できる。
【0027】
Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(▲1▼)として好ましくは、一般式Si(OR3)b4 4-b、R5(R6 2SiO)cSiR7 3または(R8 2SiO)dで表わされるものを例示し得る。ここにR3は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ、炭素原子数が1〜20の炭化水素基または水素原子であり、bは0<b≦4を満足する数であり、cは1〜1000の整数であり、dは2〜1000の整数である。
【0028】
かかる有機ケイ素化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシ−ジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン等を挙げることができる。
【0029】
これらの有機ケイ素化合物のうち好ましいものは一般式Si(OR3)b4 4-bで表わされるアルコキシシラン化合物であり、その場合bは好ましくは1≦b≦4を満足する数であり、特にb=4のテトラアルコキシシラン化合物が好ましい。
【0030】
有機マグネシウム化合物(▲3▼)としては、マグネシウム−炭素の結合を有する任意の型の有機マグネシウム化合物を使用することができる。特に一般式R9MgX(式中、Mgはマグネシウム原子を、R9は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす)で表わされるグリニャール化合物または一般式R1011Mg(式中、Mgはマグネシウム原子を、R10およびR11はそれぞれ炭素原子数1〜20の炭化水素基を表わす)で表わされるジハイドロカルビルマグネシウム化合物が好適に使用される。ここでR10とR11は同一でも異なっていてもよい。R9〜R11の具体例としてはそれぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基が挙げられる。特にR9MgXで表されるグリニャール化合物をエーテル溶液で使用することが触媒性能の点から好ましい。
【0031】
上記の有機マグネシウム化合物と、炭化水素に該有機マグネシウム化合物を可溶化する有機金属との炭化水素可溶性錯体を使用することもできる。有機金属化合物の例としては、Li、Be、B、AlまたはZnの化合物が挙げられる。
【0032】
多孔質担体(▲4▼)としては、公知のものでよい。SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZrO2等に代表される多孔質無機酸化物、あるいはポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機多孔質ポリマー等を挙げることができる。これらのうち、好ましくは有機多孔質ポリマーが用いられ、中でもスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、またはアクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体が特に好ましい。
【0033】
多孔質担体は、細孔半径200〜2000Åにおける細孔容量が好ましくは0.3cc/g以上、より好ましくは0.4cc/g以上であり、かつ該範囲の細孔容量は、細孔半径35〜75000Åにおける細孔容量の好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。多孔質物質の細孔容量が小さいと触媒成分を有効に固定化することができないことがあり、好ましくない。また、多孔質担体の細孔容量が0.3cc/g以上であっても、それが200〜2000Åの細孔半径に十分存在するものでなければ触媒成分を有効に固定化することができない場合があり、好ましくない。
【0034】
有機マグネシウム化合物によるチタン化合物の還元反応の方法としては、チタン化合物(▲2▼)および有機ケイ素化合物(▲1▼)の混合物に、有機マグネシウム化合物(▲3▼)を添加する方法、または逆の方法が挙げられ、この際、多孔質担体(▲4▼)を共存させてもよい。
【0035】
チタン化合物(▲2▼)および有機ケイ素化合物(▲1▼)は適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。
【0036】
かかる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物が挙げられる。
【0037】
還元反応温度は、通常−50〜70℃、好ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35℃の温度範囲である。
適下時間は特に制限はないが、通常30分〜6時間程度である。還元反応終了後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
【0038】
有機ケイ素化合物(▲1▼)の使用量は、チタン化合物(▲2▼)中のチタン原子に対するケイ素原子の原子比で、通常Si/Ti=1〜500、好ましくは、1〜300、特に好ましくは3〜100の範囲である。
有機マグネシウム化合物(▲3▼)の使用量は、チタン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子比で通常(Ti+Si)/Mg=0.1〜10、好ましくは0.2〜5.0、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。
また、固体触媒成分においてMg/Tiのモル比の値が1〜51、好ましくは2〜31、特に好ましくは4〜26の範囲になるようにチタン化合物(▲2▼)、有機ケイ素化合物(▲1▼)、有機マグネシウム化合物(▲3▼)の使用量を決定してもよい。
【0039】
還元反応で得られる固体生成物は通常、固液分離し、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素溶媒で数回洗浄を行う。
このようにして得られた固体触媒成分前駆体(C)は三価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性もしくは極めて弱い結晶性を示す。触媒性能の点から、特に非晶性の構造が好ましい。
【0040】
本発明においては、ハロゲン化合物(A)と電子供与体(B)と固体触媒成分前駆体(C)との接触処理は、前記の双極子モーメントが0.39debye以下の媒体の存在下に実施する。かかる媒体の使用量は、特に限定されないが、過剰量の媒体の存在は触媒性能上、また生産性の観点から好ましくない。通常、固体触媒成分前駆体(C)1g当たり0.1ml〜1000mlであるが、好ましくは0.5ml〜20ml、特に好ましくは1ml〜5mlである。
【0041】
また、接触処理後は、そのまま次の処理を行うことができるが、未反応試薬を除去するため、洗浄剤により任意の回数の洗浄操作を行うのが好ましい。
洗浄剤としては、処理対象成分に対して不活性であることが好ましく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素、1,2−ジクロルエタン、モノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が使用できる。
洗浄剤の使用量は、固体触媒成分前駆体(C)1g当たり通常0.1ml〜1000mlである。好ましくは1g当たり1ml〜100mlである。
【0042】
接触処理および/または洗浄温度は通常−50〜150℃であるが、好ましくは0〜140℃であり、さらに好ましくは60〜135℃である。
接触処理時間は特に限定されないが、好ましくは0.5〜8時間であり、さらに好ましくは1〜6時間である。洗浄時間は特に限定されないが、好ましくは1〜120分であり、さらに好ましくは2〜60分である。
【0043】
固体触媒成分前駆体(C)に、ハロゲン化合物(A)と電子供与体(B)とを接触させる具体的な方法としては、特に限定されないが、(C)と(A)と(B)を同時に接触処理する方法や(C)に対して(A)、(B)を逐次的に接触処理する方法等が挙げられる。(C)と(A)と(B)を同時に接触処理する方法としては、(A)と(B)とをあらかじめ混合した混合物を(C)に投入して接触処理する方法、(A)と(B)とをあらかじめ混合した混合物に(C)を投入して接触処理する方法、(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理する方法、(C)に(A)と(B)とを同時に投入して接触処理する方法等を例示し得る。(C)に対して(A)、(B)を逐次的に接触処理する方法としては、(C)に(A)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(B)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(B)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)を投入して接触処理を行う方法等を例示し得る。好ましくは(C)と(A)と(B)とを同時に接触処理する方法である。
【0044】
また、(C)と(A)と(B)とを接触処理した後、生成した処理固体をさらに(A)および/または(B)で接触処理することも可能である。
固体触媒成分前駆体(C)にハロゲン化合物(A)と電子供与体(B)とを接触させる方法として特に好ましくは、(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(B)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(B)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行った後、さらに洗浄処理を行い、そしてその洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行う方法、あるいは、(C)に(B)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行った後、さらに洗浄処理を行い、そしてその洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行う方法である。
これらの方法で複数回使用する(A)や(B)としては、毎回同じものを使用してもよいし、異なるものを使用してもよい。
【0045】
ハロゲン化合物(A)の一度の接触処理における使用量は、固体触媒成分前駆体(C)1gに対し、通常0.1〜1000ミリモル、好ましくは0.3〜500ミリモル、特に好ましくは0.5〜300ミリモルである。
【0046】
電子供与体(B)の一度の接触処理における使用量は、固体触媒成分前駆体(C)1gに対し、通常0.1〜1000ミリモル、好ましくは0.3〜500ミリモル、特に好ましくは0.5〜300ミリモルである。
【0047】
ハロゲン化合物(A)、電子供与体(B)および固体触媒成分前駆体(C)を接触させる際のハロゲン化合物(A)に対する電子供与体(B)のモル比は、好ましくは0.01〜200、好ましくは0.1〜100である。
【0048】
本発明においては、このようにして得られる接触生成物をオレフィン重合用固体触媒成分として使用するが、かかる接触生成物に更にチタン−ハロゲン結合を有する化合物(D)を接触させて得られる接触生成物もオレフィン重合用固体触媒成分として好適である。
【0049】
本発明において使用するチタン−ハロゲン結合を有する化合物(D)としては、少なくとも1つのTi−Cl結合を有するチタン化合物が好ましい。具体的には、ハロゲン化チタン、ハロゲン化チタンアルコキシド、ハロゲン化チタンアミド等が挙げられるが、特に四塩化チタンが重合活性の点から好ましい。
【0050】
固体触媒成分前駆体(C)とハロゲン化合物(A)と電子供与体(B)とを接触させて得られる接触生成物にチタン−ハロゲン結合を有する化合物(D)を接触させる方法としては、媒体の存在下で両者を接触させるのが好ましい。この際使用される媒体としては特に限定されず、前記の双極子モーメントが0.39debye以下である媒体であっても異なっていてもよいが、処理対象成分に対して不活性であることが好ましい。
媒体の使用量は、特に限定されないが、過剰量の媒体の存在は触媒性能上、また生産性の観点から好ましくない。通常、固体触媒成分前駆体(C)1g当たり0.1ml〜1000mlであるが、好ましくは0.5ml〜20ml、特に好ましくは1ml〜5mlである。
【0051】
接触の方法としては、固体触媒成分前駆体(C)とハロゲン化合物(A)と電子供与体(B)とを接触させて得られる接触生成物にチタン−ハロゲン結合を有する化合物(D)を投入して接触させる方法、またはその逆の方法を例示し得る。
【0052】
チタン−ハロゲン結合を有する化合物(D)の一度の接触処理における使用量は、固体触媒成分前駆体(C)1gに対し通常0.1〜1000ミリモル、好ましくは0.3〜500ミリモル、特に好ましくは0.5〜300ミリモルである。
チタン−ハロゲン結合を有する化合物(D)は一度の処理で使用してもかまわないし、任意の複数回数の処理に分けて使用してもよい。
【0053】
また、処理後は、そのまま次の処理を行うことができるが、未反応試薬を除去するため、洗浄剤により任意の回数の洗浄操作を行うのが好ましい。
【0054】
得られた固体触媒成分は、不活性な希釈剤の存在下、スラリー状態で重合に使用してもよいし、適当な乾燥の後、流動性の粉末として重合に使用してもよい。
【0055】
[予備重合処理]
本発明のオレフィン重合用固体触媒成分(I)は、そのままオレフィンの重合(本重合)に使用することができるが、固体触媒成分に予備重合処理を行った予備重合固体触媒成分(I’)をまず製造し、それを本重合に使用してもよい。予備重合処理は、オレフィン重合用固体触媒成分(I)および有機アルミニウム化合物(II)をオレフィンと接触させて行なわれる。予備重合処理に使用されるオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテンなどがあげられる。予備重合は単独重合でも共重合のいずれでも可能である。
【0056】
高結晶性の予備重合体(予備重合処理で得られる重合体)を得る為に、公知の電子供与体や水素などを共存させてもよい。かかる電子供与体として、好ましくは、Si−OR結合(Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す)を有する有機化合物を用いることができる。
【0057】
本発明の固体触媒成分を予備重合処理する際に、該固体触媒成分をスラリー化することも好ましく、その際の溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を例示し得る。
【0058】
該スラリー濃度は、通常0.001〜0.5g固体触媒成分/ml溶媒、特に0.01〜0.3g固体触媒成分/ml溶媒が好ましい。また、有機アルミニウム化合物をAl/Ti原子比が0.1〜100、特に0.5〜50となるような割合で用いるのが好ましい。
【0059】
予備重合処理の温度は通常−30〜80℃、特に−10℃〜50℃が好ましい。予備重合体の量は固体触媒成分1g当り通常0.1〜300g、特に0.5〜50gの範囲で行うことが好ましい。
【0060】
得られた予備重合固体触媒成分(I’)は、不活性な希釈剤の存在下、スラリー状態で重合に使用してもよいし、適当な乾燥の後、流動性の粉末として重合に使用してもよい。
【0061】
[有機アルミニウム化合物]
本発明で使用する有機アルミニウム化合物(II)は分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有するものであり、その代表的なものは一般式R12 rAlY3-rやR1314Al−(O−AlR15d16で示される化合物である。ここで、R12、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ、炭素原子数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表す。rは2≦r≦3を満足する数である。dは1≦d≦30を満足する数である。
【0062】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムジクロライド、ノルマルブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジノルマルブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン、ポリメチルアルモキサン、ポリエチルアルモキサン等のアルキルアルモキサンを挙げることができる。
これら有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、またはアルキルアルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドとの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
【0063】
有機アルミニウム化合物(II)の使用量は通常、固体触媒成分中のチタン原子1モル当り1〜10000モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、特に5〜5000モルの範囲が好ましい。
有機アルミニウム化合物(II)はそのまま使用しても良いし、不活性な希釈剤との溶液として使用しても良い。
【0064】
[オレフィン重合体の製造]
本発明で使用するオレフィン重合用触媒は、オレフィン重合用固体触媒成分(I)および有機アルミニウム化合物(II)を接触させて得られる触媒、または予備重合固体触媒成分(I’)および有機アルミニウム化合物(II)を接触させて得られる触媒である。
ここでいう接触とは、触媒成分(I)または(I’)および(II)が接触し、触媒が形成されるならどのような手段によってもよく、あらかじめ溶媒で希釈してもしくは希釈せずに触媒成分(I)または(I’)および(II)を混合して接触させる方法や、別々に重合反応槽に供給して重合反応槽の中で接触させる方法等を採用できる。
【0065】
固体触媒成分および有機アルミニウム化合物を重合反応槽に供給する方法については、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素またはオレフィン等をキャリアーガスとして水分のない状態で供給することが好ましい。
【0066】
重合反応は通常の気相重合、スラリー重合等公知の方法により行うことができる。重合反応の条件は通常、得られる重合体が溶融する温度以下、好ましくは20〜100℃、特に好ましくは40〜90℃の温度範囲、常圧〜5MPaの圧力の範囲で実施するのが好ましい。得られる重合体の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加して重合することができる。また、重合法は連続式でも回分式でもいずれでも可能である。
【0067】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上記のオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法である。該オレフィン重合体としては、オレフィンの単独重合体やオレフィンと当該オレフィン以外の付加重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられ、ポリエチレン結晶構造を有するエチレン重合体の製造に好適である。該エチレン重合体としては、エチレンとα−オレフィンとの共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)が好ましい。
【0068】
ここでいうα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられ、1−ブテン、1−ヘキセン、または4−メチル−1−ペンテンが好ましい。
【0069】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における重合体および固体触媒成分等の固体(以下単に固体成分と略すことがある)の性質は下記の方法によって測定した。
【0070】
(1)エチレンとα−オレフィンとの共重合体におけるα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量は、赤外線分光光度計(パーキンエルマー社製1600シリーズ)を用い、エチレンとα−オレフィンの特性吸収より検量線を用いて求め、1000C当たりの短鎖分岐数(SCB)として表した。
【0071】
(2)フローレート(FR)は、ASTM D1238に従い190℃で測定して求めた。
【0072】
(3)溶融流動性の尺度として流出量比(FRR)を採用した。FRRは、前記フローレート(FR)の測定法において、荷重21.60kgをかけたときの流出量と荷重2.160kgをかけたときの流出量との比、すなわち、FRR=(荷重21.60kgのときの流出量)÷(荷重2.160kgのときの流出量)として表した。一般に、重合体の分子量分布が広いほどFRRの値が大きくなることが知られている。
【0073】
(4)低分子量成分含有量は、25℃の冷キシレンに可溶な分量を重量百分率(wt%)で表した値(CXS)で評価した。一般にSCBが大きいほどCXSも大きくなる。
【0074】
(5)Ti含有量は、固体成分を希硫酸で分解後、過剰の過酸化水素水を加え、410nmの特性吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型を用いて測定し、検量線により求めた。ハイドロカルビルオキシ基含有量は、固体成分を水で分解後、ガスクロマトグラフィー内部標準法を用いて対応するアルコール量を測定することで求めた。
【0075】
[実施例1]
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン800リットル、テトラエトキシシラン349kgおよびテトラブトキシチタン38kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)852リットルを反応器の温度を5℃に保ちながら5時間かけて滴下した。滴下終了後、8℃で1時間、更に20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン1100リットルでの洗浄を3回繰り返し、トルエンを加え、スラリー化した。スラリー50mlを採取し、溶媒を除去したところ、中には固体成分8.15gが含まれていた。
該固体触媒成分前駆体は、Ti:2.09wt%、OEt(エトキシ基):38.8wt%、OBu(ブトキシ基):2.9wt%を含有していた。
【0076】
(2)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記(1)において合成した固体触媒成分前駆体10.0gを含むスラリーを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をデカン30mlで3回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が36.6mlとなるようにデカンを加えた。これにフェニルトリクロロシラン(以下、PhTCSと略すことがある。)14.6mlを投入後、続けてジノルマルブチルフタレート(以下、DnBPと略すことがある。)6.0mlを投入し、110℃で4時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について110℃にてトルエン50mlでの洗浄を3回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン50mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.48wt%を含有していた。
【0077】
(3)重合
内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後これを真空にし、ブタン450gおよび1−ブテン300gを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.4MPa、エチレンを分圧で1.2MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム5.7mmol、前記(2)で得られた固体触媒成分19.9mgをアルゴンにより圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で3時間重合を行った。
重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、パウダー性状の良好な重合体91.2gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は4580g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:13.8、FR:0.91、FRR:25.5、CXS:5.5wt%であった。
【0078】
[比較例1]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記実施例1(1)において合成した固体触媒成分前駆体10.0gを含むスラリーを該フラスコに仕込み、固液分離した。スラリーの全体積が36.6mlとなるようにトルエンを加えた。これにPhTCS 14.6mlを投入後、続けてDnBP6.0mlを投入し、110℃で4時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について110℃にてトルエン50mlでの洗浄を3回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン50mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:1.23wt%含有していた。
【0079】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分22.1mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体69.8gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は3160g重合体/g固体触媒成分であり、触媒成分前駆体をデカン媒体の存在下で接触処理した場合と比べて低かった。この重合体について、SCB:11.2、FR:0.75、FRR:24.3、CXS:3.2wt%であった。
【0080】
[実施例2]
(1)固体触媒成分の合成
DnBPのかわりにジイソプロピルフタレート(以下、DiPPと略すことがある。)5.4mlを使用したこと以外は実施例1(2)と同様に行い、粉体性状に優れた固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:1.51wt%含有していた。
【0081】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分21.4mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体15.2gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は710g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:7.7、FR:0.85、FRR:26.8、CXS:2.5wt%であった。
【0082】
[比較例2]
(1)固体触媒成分の合成
DnBPのかわりにDiPP 5.4mlを使用したこと以外は比較例1(1)と同様に行い、粉体性状に優れた固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:1.55wt%含有していた。
【0083】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分37.2mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体13.4gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は360g重合体/g固体触媒成分であり、触媒成分前駆体をデカン媒体の存在下で接触処理した場合と比べて低かった。この重合体について、SCB:11.2、FR:0.75、FRR:24.3、CXS:3.2wt%であった。
【0084】
[実施例3]
(1)固体触媒成分の合成
DnBPのかわりにジイソブチルフタレート(以下、DiBPと略すことがある。)6.1mlを使用したこと以外は実施例1(2)と同様に行い、粉体性状に優れた固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:1.44wt%含有していた。
【0085】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分6.3mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体34.5gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は5500g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:15.8、FR:1.18、FRR:24.8、CXS:6.8wt%であった。
【0086】
[実施例4]
(1)固体触媒成分の合成
DnBPのかわりにジ(2−エチルヘキシル)フタレート(以下、DEHPと略すことがある。)9.0mlを使用したこと以外は実施例1(2)と同様に行い、粉体性状に優れた固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:1.00wt%含有していた。
【0087】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分11.1mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体110gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は9840g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:16.6、FR:0.90、FRR:23.4、CXS:5.7wt%であった。
【0088】
[実施例5]
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン670リットル、DiBP 14.5kg、テトラエトキシシラン349kgおよびテトラブトキシチタン38kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)899リットルを反応器の温度を8℃に保ちながら5時間かけて滴下した。滴下終了後、8℃で5時間、更に20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン1100リットルでの洗浄を3回繰り返し、トルエンを加え、スラリー化した。スラリー50mlを採取し、溶媒を除去したところ、中には固体成分8.21gが含まれていた。
該固体触媒成分前駆体は、Ti:1.86wt%、OEt(エトキシ基):36.13wt%、OBu(ブトキシ基):3.00wt%を含有していた。
【0089】
(2)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記(1)において合成した固体触媒成分前駆体7.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をデカン35mlで2回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が40.7mlとなるようにデカンを加えた。これにPhTCS 5.1mlを投入後、続けてDiBP 3.4mlを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を4回繰り返した後、洗浄後の固体にスラリーの全体積が40.7mlとなるようにトルエンを加えた。これを70℃に昇温後、四塩化チタン 3.5mlを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン35mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.46wt%を含有していた。
【0090】
(3)重合
前記(2)で得られた固体触媒成分6.7mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体103gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は15000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:20.1、FR:1.03、FRR:25.7、CXS:10.6wt%であった。
【0091】
[比較例3]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記実施例5(1)において合成した固体触媒成分前駆体7.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。スラリーの全体積が40.7mlとなるようにトルエンを加えた。これにPhTCS 5.1mlを投入後、続けてDiBP 3.4mlを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を4回繰り返した後、洗浄後の固体にスラリーの全体積が40.7mlとなるようにトルエンを加えた。これを70℃に昇温後、四塩化チタン 3.5mlを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン35mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:0.95wt%含有していた。
【0092】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分14.7mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体137gを得た。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は9320g重合体/g固体触媒成分であり、触媒成分前駆体をデカン媒体の存在下で接触処理した場合と比べて低かった。この重合体について、SCB:17.5、FR:0.60、FRR:24.9、CXS:7.7wt%であった。
【0093】
[実施例6]
(1)固体触媒成分の合成
DiBPのかわりにDnBP 3.4mlを使用したこと以外は実施例5(2)と同様に行い、粉体性状に優れた固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:1.35wt%含有していた。
【0094】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分7.5mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体69gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は9200g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:17.8、FR:0.79、FRR:25.0、CXS:7.5wt%であった。
【0095】
[比較例4]
(1)固体触媒成分の合成
DiBPのかわりにDnBP 3.4mlを使用したこと以外は比較例3(1)と同様に行い、粉体性状に優れた固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:0.60wt%含有していた。
【0096】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分20.2mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体33gを得た。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は1630g重合体/g固体触媒成分であり、触媒成分前駆体をデカン媒体の存在下で接触処理した場合と比べて低かった。この重合体について、SCB:11.9、FR:0.55、FRR:24.5、CXS:2.9wt%であった。
【0097】
[実施例7]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記実施例1(1)において合成した固体触媒成分前駆体7.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をデカン35mlで3回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が75.6mlとなるようにデカンを加えた。これにPhTCS5.1mlを投入後、続けてDEHP 5.4mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を4回繰り返した後、洗浄後の固体にスラリーの全体積が75.6mlとなるようにトルエンを加えた。これを70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン35mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.48wt%を含有していた。
【0098】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分9.6mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体265gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は28000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:20.1、FR:1.63、FRR:26.0、CXS:10.9wt%であった。
【0099】
[比較例5]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記実施例1(1)において合成した固体触媒成分前駆体7.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。スラリーの全体積が75.6mlとなるようにトルエンを加えた。これにPhTCS 5.1mlを投入後、続けてDEHP 5.4mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を4回繰り返した後、洗浄後の固体にスラリーの全体積が75.6mlとなるようにトルエンを加えた。これを70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン35mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:1.20wt%含有していた。
【0100】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分10.9mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体198gを得た。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は18200g重合体/g固体触媒成分であり、触媒成分前駆体をデカン媒体の存在下で接触処理した場合と比べて低かった。この重合体について、SCB:17.2、FR:1.34、FRR:24.8、CXS:7.4wt%であった。
【0101】
[比較例6]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記実施例1(1)と同様に操作して得られた固体触媒成分前駆体7.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をクロロベンゼン35mlで3回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が75.6mlとなるようにクロロベンゼンを加えた。これにPhTCS 5.1mlを投入後、続けてDEHP 5.4mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を4回繰り返した後、洗浄後の固体にスラリーの全体積が75.6mlとなるようにトルエンを加えた。これを70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン35mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分はTi:0.68wt%含有していた。
【0102】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分16.2mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体110gを得た。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は6790g重合体/g固体触媒成分であり、触媒成分前駆体をデカン媒体の存在下で接触処理した場合と比べて低かった。この重合体について、SCB:15.6 、FR:0.99、FRR:24.7、CXS:5.0wt%であった。
【0103】
[実施例8]
(1)固体触媒成分前駆体の合成
撹拌機を備えた内容積500mlのフラスコを窒素で置換した後、ヘキサン270ml、DiBP 6.0ml、テトラエトキシシラン68.2mlおよびテトラブトキシチタン18.3mlを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)181.3mlをフラスコの温度を5℃に保ちながら滴下ロートからおよそ2時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で0.5時間、さらに30℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をヘキサン220mlでの洗浄を3回繰り返し、ヘキサン220mlを加え、スラリー化した。スラリー50mlを採取し、溶媒を除去したところ、中には固体成分9.06gが含まれていた。
該固体触媒成分前駆体は、Ti:3.89wt%、OEt(エトキシ基):33.0wt%、OBu(ブトキシ基):7.12wt%を含有していた。
【0104】
(2)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、前記(1)において合成した固体触媒成分前駆体7.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をデカン35mlで2回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が40.7mlとなるようにデカンを加えた。これにPhTCS 5.1mlを投入後、続けてDEHP 6.3mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を4回繰り返した後、洗浄後の固体にスラリーの全体積が40.7mlとなるようにトルエンを加えた。これを70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン35mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン35mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.57wt%を含有していた。
【0105】
(3)重合
前記(2)で得られた固体触媒成分6.1mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体178gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は29000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:17.4、FR:0.81、FRR:24.1、CXS:7.0wt%であった。
【0106】
[実施例9]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積200mlのフラスコを窒素で置換した後、実施例1(1)において合成した固体触媒成分前駆体21.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をヘプタン100mlで3回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が122mlとなるようにヘプタンを加えた。
撹拌機を備えた内容積400mlのオートクレーブを窒素で置換した後、これに、上記固体触媒成分前駆体スラリーを移送し、テトラクロロシラン11.0mlを投入後、続けてDEHP 16.1mlを投入し、105℃において3時間撹拌した。オートクレーブを室温まで冷却した後、撹拌混合物を窒素置換した内容積200mlのフラスコに移送した。撹拌混合物を固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン105mlでの洗浄を3回行い、再びトルエン105mlを投入した。70℃に昇温後、四塩化チタン10.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン105mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン105mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.0wt%を含有していた。
【0107】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分14.3mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体245gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は17100g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:19.1、FR:1.34、FRR:24.5、CXS:9.1wt%であった。
【0108】
[実施例10]
(1)予備重合固体触媒成分の合成
内容積400mlの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、これを真空にし、これにブタン120gおよびトリエチルアルミニウム4.0mmolを仕込み、40℃に昇温した。次に、水素を分圧で1.0MPaとなるように加え、実施例9(1)で得られた固体触媒成分2.99gをアルゴンにより圧入した。さらに、エチレンを分圧で0.4MPaとなるように加え、エチレンを連続的して供給しつつ全圧を一定に保ちながら40℃で3.5時間重合を行った。未反応モノマーおよび溶媒をパージした後、ヘキサン200mlでスラリーとし、窒素置換した内容積300mlのフラスコへ移送した。固液分離し、得られた固体についてヘキサン200mlでの洗浄を行い、洗浄後の固体を減圧乾燥して、予備重合固体触媒成分を得た。
固体触媒成分1g当たり9.8gの予備重合固体触媒成分を得た。
【0109】
(2)重合
前記(1)で得られた予備重合固体触媒成分100mg(固体触媒成分10.2mg相当)を用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体139gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は13600g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:16.4、FR:0.71、FRR:23.3、CXS:6.2wt%であった。
【0110】
[実施例11]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積300mlのフラスコを窒素で置換した後、実施例1(1)において合成した固体触媒成分前駆体15.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をヘキサン75mlで3回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が87.1mlとなるようにヘキサンを加えた。
撹拌機を備えた内容積400mlのオートクレーブを窒素で置換した後、これに、上記固体触媒成分前駆体スラリーを移送し、テトラクロロシラン7.7mlを投入後、続けてDEHP 11.5mlを投入し、105℃において2時間撹拌した。オートクレーブを室温まで冷却した後、撹拌混合物を窒素置換した内容積300mlのフラスコに移送した。撹拌混合物を固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン75mlでの洗浄を3回行い、洗浄後の固体にスラリーの全体積が87.1mlとなるようにトルエンを加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン7.5mlを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン75mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン75mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.23wt%を含有していた。
【0111】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分5.53mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体123.3gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は22300g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:17.1、FR:0.79、FRR:23.6、CXS:6.9wt%であった。
【0112】
参考例1
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積300mlのフラスコを窒素で置換した後、実施例1(1)において合成した固体触媒成分前駆体15.0gを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をヘキサンとトルエンとの混合溶媒(体積比:1/1)75mlで3回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が87.1mlとなるようにヘキサンとトルエンとの混合溶媒(体積比:1/1)を加えた。
撹拌機を備えた内容積400mlのオートクレーブを窒素で置換した後、これに、上記固体触媒成分前駆体スラリーを移送し、テトラクロロシラン7.7mlを投入後、続けてDEHP 11.5mlを投入し、105℃において2時間撹拌した。オートクレーブを室温まで冷却した後、撹拌混合物を窒素置換した内容積300mlのフラスコに移送した。撹拌混合物を固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン75mlでの洗浄を3回行い、洗浄後の固体にスラリーの全体積が87.1mlとなるようにヘキサンとトルエンの混合溶媒(体積比:1/1)を加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン7.5mlを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン75mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン75mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.05wt%を含有していた。
【0113】
(2)重合
前記(1)で得られた固体触媒成分4.95mgを用いて実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体94.5gを得た。オートクレーブの内壁および攪拌機には重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は19100g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:16.9、FR:1.02、FRR:24.3、CXS:6.4wt%であった。
【0114】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、オレフィン重合体を高い重合活性で製造し得るオレフィン重合用固体触媒成分およびオレフィン重合用触媒、並びにオレフィン重合体の効率的な製造方法が提供される。また本発明によれば、満足し得る粒子性状を有し低分子量成分含有量の少ないオレフィン重合体を高重合活性で製造し得る、粒子性状の良好なオレフィン重合用固体触媒成分およびオレフィン重合用触媒、並びに満足し得る粒子性状を有し低分子量成分含有量の少ないオレフィン重合体の効率的な製造方法をも提供され、本発明の産業上の利用価値は頗る大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の理解を助けるためのフローチャート図である。本フローチャート図は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明は、何らこれに限定されるものではない。

Claims (8)

  1. 一般式Si(OR 3 ) b 4 4-b (式中、R 3 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基であり、R 4 は、炭素原子数が1〜20の炭化水素基または水素原子であり、bは1≦b≦4を満足する数である。)で表されるアルコキシシラン化合物の存在下に、一般式Ti(OR1a4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表す)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる3価のチタン原子を含有する固体触媒成分前駆体(C)と、
    一般式MR m-a a (式中、MはSi原子を、Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、mは4を表す。aは0<a≦mを満足する数を表す)で表されるハロゲン化合物(A)と、
    フタル酸のジアルキルエステルである電子供与体(B)とを、
    ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、およびノルマルデカンから選択される脂肪族鎖式炭化水素である媒体の存在下
    接触処理することにより得られることを特徴とするオレフィン重合用固体触媒成分。
  2. 一般式Si(OR 3 ) b 4 4-b (式中、R 3 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基であり、R 4 は、炭素原子数が1〜20の炭化水素基または水素原子であり、bは1≦b≦4を満足する数である。)で表されるアルコキシシラン化合物の存在下に、一般式Ti(OR1a4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表す)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる3価のチタン原子を含有する固体触媒成分前駆体(C)と、
    一般式MR m-a a (式中、MはSi原子を、Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、mは4を表す。aは0<a≦mを満足する数を表す)で表されるハロゲン化合物(A)と、
    フタル酸のジアルキルエステルである電子供与体(B)とを、
    ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、およびノルマルデカンから選択される脂肪族鎖式炭化水素である媒体の存在下
    接触処理して得られる接触生成物に、さらにハロゲン化チタンまたはハロゲン化チタンアルコキシドである化合物(D)を接触させて得られることを特徴とするオレフィン重合用固体触媒成分。
  3. 化合物(D)が、四塩化チタンであることを特徴とする請求項2記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  4. 固体触媒成分前駆体(C)が、少なくとも20wt%以上のハイドロカルビルオキシ基を含有する固体状物質であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分(I)および有機アルミニウム化合物(II)を接触させて得られることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分(I)、有機アルミニウム化合物(II)およびオレフィンを接触させて得られる予備重合固体触媒成分(I’)、並びに有機アルミニウム化合物(II)を接触させて得られることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  7. 請求項5または6記載のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  8. オレフィン重合体が、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項7記載のオレフィン重合体の製造方法。
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