JP5283808B2 - エチレン重合用触媒およびエチレン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、低分子量成分含有量の少ないエチレン重合体を製造することのできるエチレン重合用触媒、および低分子量成分含有量の少ないエチレン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくともチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(I)であって、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の存在下に、一般式Ti(OR 1 ) a X 4-a (式中、R 1 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して固体触媒成分前駆体(C)を得、前記固体触媒成分前駆体(C)を、有機酸のエステル類またはエ−テル類である電子供与体(B)、およびハロゲン化能を有するハロゲン化合物(A)で接触処理して得られる前記固体触媒成分(I)、有機アルミニウム化合物(II)、ならびに酸素原子を含有する複素環式化合物(III)を接触させて得られるエチレン重合用触媒にかかるものである。
また本発明は、該エチレン重合用触媒を用いるエチレン重合体の製造方法にかかるものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用する複素環式化合物(III)としては、芳香族複素環式化合物であっても脂肪族複素環式化合物であってもよく、3〜8員環の複素環式化合物が好ましい。
かかる複素環式化合物の具体例としては、下記の式で表される化合物が挙げられる。
本発明で使用する少なくともチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(I)としては、公知のあらゆるチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分を使用することができる。
ここでいう固体触媒成分前駆体(C)は、マグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分である。とりわけ、特開平11−80234号公報に開示された、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(▲1▼)の存在下に、一般式Ti(OR1)aX4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表されるチタン化合物(▲2▼)を、有機マグネシウム化合物(▲3▼)で還元して得られる固体生成物、あるいは、特公平4−57685号公報に開示された、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(▲1▼)および多孔質担体(▲4▼)の存在下に、一般式Ti(OR1)aX4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表されるチタン化合物(▲2▼)を、有機マグネシウム化合物(▲3▼)で還元して得られる固体生成物が好ましい。
これらの基のうち炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。
適下時間は特に制限はないが、通常30分〜6時間程度である。還元反応終了後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
有機マグネシウム化合物(▲3▼)の使用量は、チタン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子比で通常(Ti+Si)/Mg=0.1〜10、好ましくは0.2〜5.0、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。
また、固体触媒成分においてMg/Tiのモル比の値が1〜51、好ましくは2〜31、特に好ましくは4〜26の範囲になるようにチタン化合物(▲2▼)、有機ケイ素化合物(▲1▼)、有機マグネシウム化合物(▲3▼)の使用量を決定してもよい。
このようにして得られた固体触媒成分前駆体(C)は三価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性もしくは極めて弱い結晶性を示す。触媒性能の点から、特に非晶性の構造が好ましい。
第4族元素のハロゲン化合物としてはチタンのハロゲン化合物が好ましい。具体的には、ハロゲン化チタン、ハロゲン化チタンアルコキシド、ハロゲン化チタンアミド等が挙げられる。
ここでいう第13族の原子としてはB、Al、Ga、In、Tlが挙げられ、BまたはAlが好ましく、Alがより好ましい。また、第14族の原子としてはC、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられ、Si、GeまたはSnが好ましく、SiまたはSnがより好ましい。
aは0<a≦mを満足する数を表し、MがSiのときaは好ましくは3または4である。
Xで表されるハロゲン原子としてF、Cl、Br、Iが挙げられ、Clが好ましい。
ハロゲン化合物(A)は1種類のみを用いることも可能であるし、複数種を用いることも可能である。
(式中、R22〜R25はそれぞれ、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基であり、R22またはR23は水素原子であってもよい)で表されるジエーテル化合物を挙げることができる。
具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジノルマルブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−エチル−2−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ノルマルプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2−ノルマルプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジエトキシプロパン等を挙げることができる。
電子供与体(B)は1種類のみを用いることも可能であるし、複数種を用いることも可能である。
媒体としては、処理対象成分に対して不活性であることが好ましく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素、1,2−ジクロルエタン、モノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が使用できる。なかでも脂肪族炭化水素が重合活性の点で好ましい。
媒体の使用量は、特に限定されないが、過剰量の媒体の存在は触媒性能上、また触媒生産性の観点から好ましくない。通常、固体触媒成分前駆体(C)1g当たり0.1ml〜1000mlであるが、好ましくは0.5ml〜20ml、特に好ましくは1ml〜5mlである。
洗浄剤としては、処理対象成分に対して不活性であることが好ましく、前記の媒体として例示したものと同様の化合物が使用できる。
洗浄剤の使用量は、固体触媒成分前駆体(C)1g当たり通常0.1ml〜1000mlである。好ましくは1g当たり1ml〜100mlである。
接触処理時間は特に限定されないが、好ましくは0.5〜8時間であり、さらに好ましくは1〜6時間である。洗浄時間は特に限定されないが、好ましくは1〜120分であり、さらに好ましくは2〜60分である。
固体触媒成分前駆体(C)にハロゲン化合物(A)と電子供与体(B)とを接触させる方法として特に好ましくは、(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(B)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(B)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行った後、さらに洗浄処理を行い、そしてその洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処理を行う方法、あるいは、(C)に(B)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行った後、さらに洗浄処理を行い、そしてその洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触処理を行う方法である。
これらの方法で複数回使用する(A)や(B)としては、毎回同じものを使用してもよいし、異なるものを使用してもよい。
本発明において固体触媒成分(I)は、そのまま重合(本重合)反応に使用することができるが、固体触媒成分に予備重合処理を行った予備重合固体触媒成分(I’)をまず製造し、それを本重合に使用してもよい。予備重合処理は、例えば固体触媒成分(I)および有機アルミニウム化合物(II)をオレフィンと接触させて行なわれる。予備重合処理に使用されるオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−1などがあげられる。予備重合は単独重合でも共重合のいずれでも可能である。
本発明で使用する有機アルミニウム化合物(II)は分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有するものであり、その代表的なものは一般式R12 rAlY3-rやR13R14Al−(O−AlR15)dR16で示される化合物である。ここで、R12、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ、炭素原子数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表す。rは2≦r≦3を満足する数である。dは1≦d≦30を満足する数である。
これら有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、またはアルキルアルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドとの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
有機アルミニウム化合物(II)はそのまま使用しても良いし、不活性な希釈剤との溶液として使用しても良い。
本発明のエチレン重合用触媒は,固体触媒成分(I)、有機アルミニウム化合物(II)および複素環式化合物(III)を接触させて得られる触媒である。
ここでいう接触とは、触媒成分(I)〜(III)が接触し、触媒が形成されるならどのような手段によってもよく、あらかじめ溶媒で希釈してもしくは希釈せずに触媒成分(I)〜(III)を混合して接触させる方法や、別々に重合反応槽に供給して重合反応槽の中で接触させる方法等を採用できる。
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン800リットル、テトラエトキシシラン349kgおよびテトラブトキシチタン38kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)852リットルを反応器の温度を5℃に保ちながら5時間かけて滴下した。滴下終了後、8℃で1時間、更に20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン1100リットルでの洗浄を3回繰り返し、トルエンを加え、スラリー化した。スラリー50mlを採取し、溶媒を除去したところ、中には固体成分8.15gが含まれていた。
該固体触媒成分前駆体は、Ti:2.09wt%、エトキシ基:38.8wt%、ブトキシ基:2.9wt%を含有していた。
撹拌機を備えた内容積200mlのフラスコを窒素で置換した後、上記(1)で得られた固体触媒成分前駆体21.0gを含むスラリーを該フラスコに仕込み、固液分離した。得られた固体をヘプタン100mlで3回洗浄し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が122mlとなるようにヘプタンを加えた。
撹拌機を備えた内容積400mlのオートクレーブを窒素で置換した後、これに、上記固体触媒成分前駆体のヘプタンスラリーを移送し、テトラクロロシラン(以下、SiCl4 と記すことがある。)11.0mlを投入後、続けてジ(2−エチルヘキシル)フタレート(以下、DEHPと略すことがある。)16.1mlを投入し、105℃において3時間撹拌した。オートクレーブを室温まで冷却した後、撹拌混合物を窒素置換した内容積200mlのフラスコに移送した。撹拌混合物を固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン105mlでの洗浄を3回行い、再びトルエン105mlを投入した。70℃に昇温後、四塩化チタン(以下、TiCl4 と記すことがある。)10.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン105mlでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン105mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分は、Ti:1.0wt%を含有していた。
内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後これを真空にし、ブタン400gおよび1−ブテン350gを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.4MPa、エチレンを分圧で1.2MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム5.7mmol、1,3−ジオキサン0.57mmol、前記(2)で得られた固体触媒成分13.7mgをアルゴンにより圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で3時間重合を行った。
重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、パウダー性状の良好な重合体126gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は9200g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:17.9、FR:0.52、FRR:24.1、CXS:6.0wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、ブタンの量を450gに、1−ブテンの量を300gに、固体触媒成分の量を14.2mgにそれぞれ変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体119gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は8380g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:15.7、FR:0.58、FRR:22.5、CXS:3.6wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをトリメチレンオキシド0.285mmolに変更し、固体触媒成分の量を24.3mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体90gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は3700g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:20.2、FR:0.74、FRR:23.7、CXS:7.3wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをトリメチレンオキシド0.143mmolに変更し、固体触媒成分の量を19.0mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体112gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は5890g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:18.2、FR:0.47、FRR:25.7、CXS:6.5wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを1,3−ジオキソラン0.57mmolに変更し、固体触媒成分の量を22.8mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体82gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は3600g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:19.3、FR:0.50、FRR:23.6、CXS:7.2wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをテトラヒドロピラン0.57mmolに変更し、固体触媒成分の量を12.2mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体175gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は14300g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:18.0、FR:0.92、FRR:24.4、CXS:7.3wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをヘキサメチレンオキシド0.57mmolに変更し、固体触媒成分の量を9.6mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体104gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は11000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:20.0、FR:0.60、FRR:24.3、CXS:8.1wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、ブタンの量を450gに変更し、1−ブテンの量を300gに変更し、1,3−ジオキサンを2,5−ジメチルフラン0.57mmolに変更し、固体触媒成分の量を8.8mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体110gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は13000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:18.4、FR:0.78、FRR:25.0、CXS:7.4wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン0.57mmolに変更し、固体触媒成分の量を11.1mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体37.3gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は3360g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:19.9、FR:0.46、FRR:24.4、CXS:7.0wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを1,3−ジオキセパン0.57mmolに変更し、固体触媒成分の量を11.4mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体163gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は14300g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:19.8、FR:0.95、FRR:23.5、CXS:7.9wt%であった。
(1)重合
実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを使用せず、固体触媒成分の量を9.8mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体140gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は14000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:20.9、FR:1.12、FRR:23.0、CXS:11.1wt%であり、複素環化合物を使用した場合と比べ、SCBに対するCXS量が多かった。
(1)重合
実施例1(3)において、ブタンの量を450gに変更し、1−ブテンの量を300gに変更し、1,3−ジオキサンを使用せず、固体触媒成分の量を14.3mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体245gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は17100g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:19.1、FR:1.34、FRR:24.5、CXS:9.1wt%であり、複素環化合物を使用した場合と比べ、SCBに対するCXS量が多かった。
(1)重合
実施例1(3)において、ブタンの量を480gに変更し、1−ブテンの量を270gに変更し、1,3−ジオキサンを使用せず、固体触媒成分の量を7.1mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体105gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は15000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、SCB:15.9、FR:0.69、FRR:25.5、CXS:5.4wt%であり、複素環化合物を使用した場合と比べ、SCBに対するCXS量が多かった。
また本発明によれば、粒子性状の良好なエチレン重合体を、重合反応槽への付着もほとんど無く製造する方法も提供される。エチレン重合体の製造に際して重合反応槽へのエチレン重合体等の付着が多いことは、エチレン重合体の製造工程における操業上の種々の障害を引き起こして操業効率を低下させる原因となるので、該付着はできる限り少ないことが望ましいことである。そして、得られるエチレン重合体粉末の粒子性状については、操業の安定性や操業の効率の観点から、嵩密度が高く、粒度分布が狭く、流動性が良好な重合体粉末が望ましい。
さらに本発明によれば、活性の十分高いエチレン重合用触媒および十分効率的なエチレン重合体の製造方法も提供される。
Claims (4)
- 少なくともチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(I)であって、
Si(OR 3 ) b R 4 4−b で表されるアルコキシシラン化合物(式中、R 3 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基であり、R 4 は炭素原子数1〜20の炭化水素基または水素原子であり、bは1≦b≦4を満足する数である)の存在下に、一般式Ti(OR1)aX4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して固体触媒成分前駆体(C)を得、前記固体触媒成分前駆体(C)を、有機酸のエステル類またはエ−テル類である電子供与体(B)、およびハロゲン化能を有するハロゲン化合物(A)で接触処理して得られる前記固体触媒成分(I)、
有機アルミニウム化合物(II)、ならびに−C−O−C−結合を有するヘテロ原子として酸素原子のみをもつ複素環式化合物(III)を接触させて得られるエチレン重合用触媒。
- 複素環式化合物(III)が、−C−O−C−O−C−結合を有する4〜8員環の複素環式化合物である、請求項1に記載のエチレン重合用触媒。
- 請求項1または2に記載のエチレン重合用触媒を用いるエチレン重合体の製造方法。
- エチレン重合体が、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である請求項3記載のエチレン重合体の製造方法。
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