JP2001342212A - エチレン重合用触媒およびエチレン重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン重合用触媒およびエチレン重合体の製造方法

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JP2001342212A
JP2001342212A JP2001096098A JP2001096098A JP2001342212A JP 2001342212 A JP2001342212 A JP 2001342212A JP 2001096098 A JP2001096098 A JP 2001096098A JP 2001096098 A JP2001096098 A JP 2001096098A JP 2001342212 A JP2001342212 A JP 2001342212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低分子量成分含有量の少ないエチレン重合体
を製造することのできるエチレン重合用触媒、および低
分子量成分含有量の少ないエチレン重合体の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 少なくともチタン原子、マグネシウム原
子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(I)、
有機アルミニウム化合物(II)、ならびに複素環式化合
物(III)を接触させて得られるエチレン重合用触媒。
該エチレン重合用触媒を用いるエチレン重合体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン重合用触
媒およびエチレン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン重合体中の低分子量成分の存在
は、エチレン重合体からなるフィルムの透明性、耐衝撃
性、ブロッキング性などにとって好ましくないので、低
分子量成分含有量の少ないエチレン重合体が望ましい。
【0003】近年、特定のマグネシウム化合物と特定の
チタン化合物とを組み合わせて得られる固体触媒成分を
使用することにより、触媒性能は向上している(特公昭
46−34092号公報、特公昭47−41676号公
報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24
361号公報等)。
【0004】また、プロピレンの重合においては、固体
触媒成分の内部ドナーとしてエステル等の酸素含有電子
供与体等を用いることにより、高結晶性プロピレンポリ
マーが得られることが開示されている(特公昭52−3
9431号公報、特公昭52−36786号公報、特公
平1−28049号公報、特公平3−43283号公報
等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の触媒
(特公昭46−34092号公報等)により得られるエ
チレン重合体は、ブロッキング性の点で満足し得るもの
ではなく、また後者の触媒(特公昭52−39431号
公報等)をエチレンとα−オレフィンとの共重合に用い
た場合には、得られるエチレン重合体はブロッキング性
の点で満足し得るものではない。特開平11−8023
4号公報、特開平11−322833号公報等にはブロ
ッキング性の指標となる低分子量成分含有量が少ないエ
チレン重合体を製造し得るエチレン重合用触媒が開示さ
れている。しかしながら、エチレン重合体におけるさら
なる品質向上のため、低分子量成分含有量のさらなる低
減が求められる。かかる状況下、本発明が解決しようと
する課題、即ち本発明の目的は、低分子量成分含有量の
少ないエチレン重合体を製造することのできるエチレン
重合用触媒、および低分子量成分含有量の少ないエチレ
ン重合体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともチ
タン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有
する固体触媒成分(I)、有機アルミニウム化合物(I
I)、ならびに複素環式化合物(III)を接触させて得ら
れるエチレン重合用触媒にかかるものである。また本発
明は、該エチレン重合用触媒を用いるエチレン重合体の
製造方法にかかるものである。以下、本発明を詳しく説
明する。
【0007】
【発明の実施の形態】[複素環式化合物]本発明で使用
する複素環式化合物(III)としては、芳香族複素環式
化合物であっても脂肪族複素環式化合物であってもよ
く、3〜8員環の複素環式化合物が好ましい。かかる複
素環式化合物の具体例としては、下記の式で表される化
合物が挙げられる。
【0008】なお、上記の式におけるXは水素原子、炭
化水素基、炭化水素オキシ基または2置換アミノ基(2
つの炭化水素基で置換されたアミノ基)であり、分子中
のそれぞれのXは互いに結合していても良い。また、こ
れらの複数の化合物が互いのXにおいて、架橋した構造
を持つ化合物であってもよい。
【0009】複素環式化合物(III)において、環系を
構成する原子としてのヘテロ原子としては、第15族元
素および第16族元素から選ばれるヘテロ原子が好まし
く、より好ましくは窒素原子、リン原子、酸素原子およ
び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子であり、さらに好ま
しくは窒素原子、リン原子、酸素原子および硫黄原子か
ら選ばれ少なくともひとつは酸素原子である。複素環式
化合物(III)としてより好ましくは、環系を構成する
原子としてのヘテロ原子が窒素原子、リン原子、酸素原
子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子であり、少な
くとも−C−O−C−結合を環系に有する複素環式化合
物であり、さらに好ましくは、環系を構成する原子とし
てのヘテロ原子として酸素原子のみを有する複素環式化
合物であり、なかでも、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラ
ン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロピラン、ヘキサメチレンオキシド、1,3−ジオキ
セパン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、
1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−
メチル−1,3−ジオキソラン、フラン、2,5−ジメ
チルフラン、またはs−トリオキサンが好ましく、特に
好ましくは、−C−O−C−O−C−結合を有する4〜
8員環の複素環式化合物である。
【0010】複素環式化合物(III)の使用量は通常、
固体触媒成分(I)中のチタン原子1モルに対し、1モ
ル〜2000モルと広範囲で選ぶことができるが、特に
5モル〜1000モルの範囲が好ましい。また、複素環
式化合物(III)の有機アルミニウム化合物(II)に対
する使用量は通常、有機アルミニウム化合物(II)のア
ルミニウム原子1モルに対し、0.001モル〜10モ
ルと広範囲で選ぶことができるが、特に0.01モル〜
5モルの範囲が好ましい。
【0011】[固体触媒成分]本発明で使用する少なく
ともチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子
を含有する固体触媒成分(I)としては、公知のあらゆ
るチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を
含有する固体触媒成分を使用することができる。
【0012】かかるチタン原子、マグネシウム原子およ
びハロゲン原子を含有する固体触媒成分としては、例え
ば、特公昭46−34092号公報、特公昭47−41
676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭
57−24361号公報、特公昭52−39431号公
報、特公昭52−36786号公報、特公平1−280
49号公報、特公平3−43283号公報、特開平4−
80044号公報、特開昭55−52309号公報、特
開昭58−21405号公報、特開昭61−18180
7号公報、特開昭63−142008号公報、特開平5
−339319号公報、特開昭54−148093号公
報、特開平4−227604号公報、特開平6−293
3号公報、特開昭64−6006号公報、特開平6−1
79720号公報、特公平7−116252号公報、特
開平8−134124号公報、特開平9−31119号
公報、特開平11−228628号公報、特開平11−
80234号公報、特開平11−322833号公報等
に記載された固体触媒成分が挙げられる。なかでも、チ
タン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子のほか
にさらに電子供与体を含有する固体触媒成分が好まし
い。
【0013】具体的には、ハロゲン化マグネシウム化合
物およびチタン化合物を接触処理する方法、ハロゲン化
マグネシウム化合物、電子供与体およびチタン化合物を
接触処理する方法、ハロゲン化マグネシウム化合物およ
びチタン化合物を電子供与性溶媒に溶解させた後、担体
物質に含浸する方法、ジアルコキシマグネシウム化合物
をハロゲン化チタン化合物および電子供与体で接触処理
する方法、マグネシウム原子、チタン原子およびハイド
ロカルビルオキシ基を含有する固体触媒成分前駆体をハ
ロゲン化能を有するハロゲン化合物および電子供与体で
接触処理する方法等で得られる固体触媒成分が挙げられ
る。
【0014】なかでも、マグネシウム原子、チタン原子
およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体触媒前
駆体(C)をハロゲン化能を有するハロゲン化合物
(A)および電子供与体(B)で接触処理する方法で得
られる固体触媒成分が好ましい。ここでいう固体触媒成
分前駆体(C)は、マグネシウム原子、チタン原子およ
びハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分であ
る。とりわけ、特開平11−80234号公報に開示さ
れた、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物()の
存在下に、一般式Ti(OR1a4-a(式中、R1は炭
素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子
を、aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表される
チタン化合物()を、有機マグネシウム化合物()
で還元して得られる固体生成物、あるいは、特公平4−
57685号公報に開示された、Si−O結合を有する
有機ケイ素化合物()および多孔質担体()の存在
下に、一般式Ti(OR1a4-a(式中、R1は炭素原
子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、
aは0<a≦4を満足する数を表わす)で表されるチタ
ン化合物()を、有機マグネシウム化合物()で還
元して得られる固体生成物が好ましい。
【0015】一般式Ti(OR1a4-aのR1の具体例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘ
キシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プ
ロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキ
ル基等が挙げられる。2種以上の異なる(OR1)基を
有するチタン化合物を用いることも可能である。これら
の基のうち炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素
原子数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素原子
数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。
【0016】Xで表わされるハロゲン原子としては、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。特に塩素
原子が好ましい結果を与える。
【0017】一般式Ti(OR1a4-aのaの値とし
ては0<a≦4を満足する数であり、好ましくは2≦a
≦4を満足する数であり、特に好ましくはa=4であ
る。
【0018】一般式Ti(OR1)a4-aで表わされるチ
タン化合物の合成方法としては公知の方法が使用でき
る。例えばTi(OR1)4とTiX4とを所定の割合で反
応させる方法、あるいはTiX4と対応するアルコール
類(例えばR1OH)等を所定量反応させる方法が使用
できる。
【0019】Si−O結合を有する有機ケイ素化合物
()として好ましくは、一般式Si(OR3)
b4 4-b、R5(R6 2SiO)cSiR7 3または(R8 2Si
O)dで表わされるものを例示し得る。ここにR3は炭素
原子数が1〜20の炭化水素基、R4、R5、R6、R7
よびR8はそれぞれ、炭素原子数が1〜20の炭化水素
基または水素原子であり、bは0<b≦4を満足する数
であり、cは1〜1000の整数であり、dは2〜10
00の整数である。
【0020】かかる有機ケイ素化合物の具体例として
は、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラ
ン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシ
ラン、テトラ−イソプロポキシシラン、ジ−イソプロポ
キシ−ジ−イソプロピルシラン、テトラプロポキシシラ
ン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシ
ジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロ
ヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチル
シラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニ
ルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジ
シロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチ
ルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニ
ルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、フェ
ニルヒドロポリシロキサン等を挙げることができる。
【0021】これらの有機ケイ素化合物のうち好ましい
ものは一般式Si(OR3)b4 4-bで表わされるアルコ
キシシラン化合物であり、その場合bは好ましくは1≦
b≦4を満足する数であり、特にb=4のテトラアルコ
キシシラン化合物が好ましい。
【0022】有機マグネシウム化合物()としては、
マグネシウム−炭素の結合を有する任意の型の有機マグ
ネシウム化合物を使用することができる。特に一般式R
9MgX(式中、Mgはマグネシウム原子を、R9は炭素
原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表
わす)で表わされるグリニャール化合物または一般式R
1011Mg(式中、Mgはマグネシウム原子を、R10
よびR11はそれぞれ炭素原子数1〜20の炭化水素基を
表わす)で表わされるジハイドロカルビルマグネシウム
化合物が好適に使用される。ここでR10とR11は同一で
も異なっていてもよい。R9〜R11の具体例としてはそ
れぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチ
ルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素原子数
1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルケニル基が挙げられる。特にR9MgXで表されるグ
リニャール化合物をエーテル溶液で使用することが触媒
性能の点から好ましい。
【0023】上記の有機マグネシウム化合物と、炭化水
素に該有機マグネシウム化合物を可溶化する有機金属と
の炭化水素可溶性錯体を使用することもできる。有機金
属化合物の例としては、Li、Be、B、AlまたはZ
nの化合物が挙げられる。
【0024】多孔質担体()としては、公知のもので
よい。SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZrO2
等に代表される多孔質無機酸化物、あるいはポリスチレ
ン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−
エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、
ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリ
ル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共
重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジ
ビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の有機多孔質ポリマー等を挙げる
ことができる。これらのうち、好ましくは有機多孔質ポ
リマーが用いられ、中でもスチレン−ジビニルベンゼン
共重合体、またはアクリロニトリル−ジビニルベンゼン
共重合体が特に好ましい。
【0025】多孔質担体は、細孔半径200〜2000
Åにおける細孔容量が好ましくは0.3cc/g以上、
より好ましくは0.4cc/g以上であり、かつ該範囲
の細孔容量は、細孔半径35〜75000Åにおける細
孔容量の好ましくは35%以上、より好ましくは40%
以上である。多孔質物質の細孔容量が小さいと触媒成分
を有効に固定化することができないことがあり、好まし
くない。また、多孔質担体の細孔容量が0.3cc/g
以上であっても、それが200〜2000Åの細孔半径
に十分存在するものでなければ触媒成分を有効に固定化
することができない場合があり、好ましくない。
【0026】有機マグネシウム化合物によるチタン化合
物の還元反応の方法としては、チタン化合物()およ
び有機ケイ素化合物()の混合物に、有機マグネシウ
ム化合物()を添加する方法、または逆の方法が挙げ
られ、この際、多孔質担体()を共存させてもよい。
【0027】チタン化合物()および有機ケイ素化合
物()は適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用する
のが好ましい。
【0028】かかる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物が挙げられ
る。
【0029】還元反応温度は、通常−50〜70℃、好
ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35
℃の温度範囲である。適下時間は特に制限はないが、通
常30分〜6時間程度である。還元反応終了後、さらに
20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
【0030】有機ケイ素化合物()の使用量は、チタ
ン化合物()中のチタン原子に対するケイ素原子の原
子比で、通常Si/Ti=1〜500、好ましくは、1
〜300、特に好ましくは3〜100の範囲である。有
機マグネシウム化合物()の使用量は、チタン原子と
ケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子比で通常(T
i+Si)/Mg=0.1〜10、好ましくは0.2〜
5.0、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。
また、固体触媒成分においてMg/Tiのモル比の値が
1〜51、好ましくは2〜31、特に好ましくは4〜2
6の範囲になるようにチタン化合物()、有機ケイ素
化合物()、有機マグネシウム化合物()の使用量
を決定してもよい。
【0031】還元反応で得られる固体生成物は通常、固
液分離し、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素溶媒
で数回洗浄を行う。このようにして得られた固体触媒成
分前駆体(C)は三価のチタン原子、マグネシウム原子
およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶
性もしくは極めて弱い結晶性を示す。触媒性能の点か
ら、特に非晶性の構造が好ましい。
【0032】ハロゲン化能を有するハロゲン化合物
(A)としては、固体触媒前駆体(C)のハイドロカル
ビルオキシ基をハロゲン原子に置換する能力を持ちうる
化合物が好ましい。なかでも、第4族元素のハロゲン化
合物、第13族元素のハロゲン化合物、または第14族
元素のハロゲン化合物が好ましい。第4族元素のハロゲ
ン化合物としてはチタンのハロゲン化合物が好ましい。
具体的には、ハロゲン化チタン、ハロゲン化チタンアル
コキシド、ハロゲン化チタンアミド等が挙げられる。
【0033】第13族元素または第14族元素のハロゲ
ン化合物としては、一般式MRm-aa(式中、Mは第1
3族または第14族原子を、Rは炭素原子数が1〜20
の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、mはMの原子価
を表す。aは0<a≦mを満足する数を表す)で表され
る化合物が好ましい。ここでいう第13族の原子として
はB、Al、Ga、In、Tlが挙げられ、BまたはA
lが好ましく、Alがより好ましい。また、第14族の
原子としてはC、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられ、
Si、GeまたはSnが好ましく、SiまたはSnがよ
り好ましい。
【0034】mはMの原子価であり、例えばMがSiの
ときm=4である。aは0<a≦mを満足する数を表
し、MがSiのときaは好ましくは3または4である。
Xで表されるハロゲン原子としてF、Cl、Br、Iが
挙げられ、Clが好ましい。
【0035】Rの具体例としては、メチル基、エチル
基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブ
チル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、クレジル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘ
キシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プ
ロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキ
ル基等が挙げられる。好ましいRはアルキル基またはア
リール基であり、特に好ましいRはメチル基、エチル
基、ノルマルプロピル基、フェニル基またはパラトリル
基である。
【0036】第13族元素のハロゲン化合物として具体
的には、トリクロロボロン、メチルジクロロボロン、エ
チルジクロロボロン、フェニルジクロロボロン、シクロ
ヘキシルジクロロボロン、ジメチルクロロボロン、メチ
ルエチルクロロボロン、トリクロロアルミニウム、メチ
ルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウ
ム、フェニルジクロロアルミニウム、シクロヘキシルジ
クロロアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、ジ
エチルクロロアルミニウム、メチルエチルクロロアルミ
ニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ガリウ
ムクロライド、ガリウムジクロライド、トリクロロガリ
ウム、メチルジクロロガリウム、エチルジクロロガリウ
ム、フェニルジクロロガリウム、シクロヘキシルジクロ
ロガリウム、ジメチルクロロガリウム、メチルエチルク
ロロガリウム、インジウムクロライド、インジウムトリ
クロライド、メチルインジウムジクロライド、フェニル
インジウムジクロライド、ジメチルインジウムクロライ
ド、タリウムクロライド、タリウムトリクロライド、メ
チルタリウムジクロライド、フェニルタリウムジクロラ
イド、ジメチルタリウムクロライド等が挙げられ、これ
ら化合物名のクロロをフルオロ、ブロモ、またはヨード
に変更した化合物も挙げられる。
【0037】14族元素のハロゲン化合物として具体的
には、テトラクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロ
ロメタン、モノクロロメタン、1,1,1−トリクロロ
エタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエ
タン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラク
ロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラ
ン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリク
ロロシラン、ノルマルブチルトリクロロシラン、フェニ
ルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、パラ
トリルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシ
ラン、ジクロロシラン、メチルジクロロシラン、エチル
ジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニル
ジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、モノク
ロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリフェニルク
ロロシラン、テトラクロロゲルマン、トリクロロゲルマ
ン、メチルトリクロロゲルマン、エチルトリクロロゲル
マン、フェニルトリクロロゲルマン、ジクロロゲルマ
ン、ジメチルジクロロゲルマン、ジエチルジクロロゲル
マン、ジフェニルジクロロゲルマン、モノクロロゲルマ
ン、トリメチルクロロゲルマン、トリエチルクロロゲル
マン、トリノルマルブチルクロロゲルマン、テトラクロ
ロ錫、メチルトリクロロ錫、ノルマルブチルトリクロロ
錫、ジメチルジクロロ錫、ジノルマルブチルジクロロ
錫、ジイソブチルジクロロ錫、ジフェニルジクロロ錫、
ジビニルジクロロ錫、メチルトリクロロ錫、フェニルト
リクロロ錫、ジクロロ鉛、メチルクロロ鉛、フェニルク
ロロ鉛等が挙げられ、これら化合物名のクロロをフルオ
ロ、ブロモ、またはヨードに変更した化合物も挙げられ
る。
【0038】ハロゲン化合物(A)としては、特にテト
ラクロロチタン、メチルジクロロアルミニウム、エチル
ジクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニル
トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルト
リクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、
またはテトラクロロ錫が重合活性の点から好ましい。ハ
ロゲン化合物(A)は1種類のみを用いることも可能で
あるし、複数種を用いることも可能である。
【0039】電子供与体(B)としては、アルコール
類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン
酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、
酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体、アンモ
ニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含
窒素電子供与体等を挙げることができる。これらの電子
供与体のうち好ましくは有機酸のエステル類またはエ−
テル類が用いられる。
【0040】有機酸のエステル類としては、モノまたは
多価のカルボン酸エステルが好ましく、例えば飽和脂肪
族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステ
ル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エス
テルを挙げることができる。
【0041】具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチ
ル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチ
ル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エ
チル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジ
ブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチ
ル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル
酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピ
ル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オ
クチル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができる。
【0042】エーテル類として好ましくは、ジアルキル
エーテル、一般式 (式中、R22〜R25はそれぞれ、炭素原子数1〜20の
アルキル基、アリール基もしくはアラルキル基であり、
22またはR23は水素原子であってもよい)で表される
ジエーテル化合物を挙げることができる。具体的には、
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、メ
チルシクロヘキシルエーテル、2,2−ジメチル−1,
3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−
ジメトキシプロパン、2,2−ジノルマルブチル−1,
3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,
3−ジメトキシプロパン、2−エチル−2−ブチル−
1,3−ジメトキシプロパン、2−ノルマルプロピル−
2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2−
ノルマルプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジエ
トキシプロパン等を挙げることができる。
【0043】電子供与体(B)として、中でも有機酸の
エステル類が好ましく、特に好ましくは芳香族ジカルボ
ン酸のジアルキルエステルが用いられ、最も好ましくは
フタル酸のジアルキルエステルが用いられる。電子供与
体(B)は1種類のみを用いることも可能であるし、複
数種を用いることも可能である。
【0044】ハロゲン化合物(A)と電子供与体(B)
とによる固体触媒成分前駆体(C)の接触処理は、スラ
リー法やボールミルなどによる機械的粉砕手段など両者
を接触させうる公知のいかなる方法によっても行なうこ
とができるが、機械的粉砕を行なうと固体触媒成分に微
粉が多量に発生して粒度分布が広くなりやすく、工業的
観点から好ましくない。よって、媒体の存在下、スラリ
ー法で両者を接触させるのが好ましい。媒体としては、
処理対象成分に対して不活性であることが好ましく、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式
炭化水素、1,2−ジクロルエタン、モノクロルベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が使用できる。なかでも脂肪
族炭化水素が重合活性の点で好ましい。媒体の使用量
は、特に限定されないが、過剰量の媒体の存在は触媒性
能上、また触媒生産性の観点から好ましくない。通常、
固体触媒成分前駆体(C)1g当たり0.1ml〜10
00mlであるが、好ましくは0.5ml〜20ml、
特に好ましくは1ml〜5mlである。
【0045】また、接触処理後は、そのまま次の処理を
行うことができるが、未反応試薬を除去するため、洗浄
剤により任意の回数の洗浄操作を行うのが好ましい。洗
浄剤としては、処理対象成分に対して不活性であること
が好ましく、前記の媒体として例示したものと同様の化
合物が使用できる。洗浄剤の使用量は、固体触媒成分前
駆体(C)1g当たり通常0.1ml〜1000mlで
ある。好ましくは1g当たり1ml〜100mlであ
る。
【0046】接触処理および/または洗浄温度は通常−
50〜150℃であるが、好ましくは0〜140℃であ
り、さらに好ましくは60〜135℃である。接触処理
時間は特に限定されないが、好ましくは0.5〜8時間
であり、さらに好ましくは1〜6時間である。洗浄時間
は特に限定されないが、好ましくは1〜120分であ
り、さらに好ましくは2〜60分である。
【0047】固体触媒成分前駆体(C)に、ハロゲン化
合物(A)と電子供与体(B)とを接触させる具体的な
方法としては、特に限定されないが、(C)と(A)と
(B)を同時に接触処理する方法や(C)に対して
(A)、(B)を逐次的に接触処理する方法等が挙げら
れる。(C)と(A)と(B)を同時に接触処理する方
法としては、(A)と(B)とをあらかじめ混合した混
合物を(C)に投入して接触処理する方法、(A)と
(B)とをあらかじめ混合した混合物に(C)を投入し
て接触処理する方法、(C)に(A)および(B)を逐
次的に投入して接触処理する方法、(C)に(A)と
(B)とを同時に投入して接触処理する方法等を例示し
得る。(C)に対して(A)、(B)を逐次的に接触処
理する方法としては、(C)に(A)を投入して接触処
理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に
(B)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(B)
を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その
洗浄処理物に(A)を投入して接触処理を行う方法等を
例示し得る。好ましくは(C)と(A)と(B)とを同
時に接触処理する方法である。
【0048】また、(C)と(A)と(B)とを接触処
理した後、生成した処理固体をさらに(A)および/ま
たは(B)で接触処理することも可能である。固体触媒
成分前駆体(C)にハロゲン化合物(A)と電子供与体
(B)とを接触させる方法として特に好ましくは、
(C)に(A)および(B)を逐次的に投入して接触処
理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処理物に
(A)を投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)
と(B)との混合物を投入して接触処理を行った後、洗
浄処理を行い、その洗浄処理物に(A)を投入して接触
処理を行う方法、(C)に(A)および(B)を逐次的
に投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その
洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投入して接
触処理を行う方法、(C)に(A)と(B)との混合物
を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その
洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触
処理を行う方法、(C)に(A)および(B)を逐次的
に投入して接触処理を行う方法、(C)に(A)を投入
して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その洗浄処
理物に(B)を投入して接触処理を行う方法、(C)に
(B)を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行
い、その洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投
入して接触処理を行った後、さらに洗浄処理を行い、そ
してその洗浄処理物に(A)および(B)を逐次的に投
入して接触処理を行う方法、あるいは、(C)に(B)
を投入して接触処理を行った後、洗浄処理を行い、その
洗浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触
処理を行った後、さらに洗浄処理を行い、そしてその洗
浄処理物に(A)と(B)との混合物を投入して接触処
理を行う方法である。これらの方法で複数回使用する
(A)や(B)としては、毎回同じものを使用してもよ
いし、異なるものを使用してもよい。
【0049】ハロゲン化合物(A)の一度の接触処理に
おける使用量は、固体触媒成分前駆体(C)1gに対
し、通常0.1〜1000ミリモル、好ましくは0.3
〜500ミリモル、特に好ましくは0.5〜300ミリ
モルである。
【0050】電子供与体(B)の一度の接触処理におけ
る使用量は、固体触媒成分前駆体(C)1gに対し、通
常0.1〜1000ミリモル、好ましくは0.3〜50
0ミリモル、特に好ましくは0.5〜300ミリモルで
ある。
【0051】ハロゲン化合物(A)、電子供与体(B)
および固体触媒成分前駆体(C)を接触させる際のハロ
ゲン化合物(A)に対する電子供与体(B)のモル比
は、好ましくは0.01〜200、好ましくは0.1〜
100である。
【0052】得られた固体触媒成分は、不活性な希釈剤
の存在下、スラリー状態で重合に使用してもよいし、適
当な乾燥の後、流動性の粉末として重合に使用してもよ
い。
【0053】[予備重合処理]本発明において固体触媒
成分(I)は、そのまま重合(本重合)反応に使用する
ことができるが、固体触媒成分に予備重合処理を行った
予備重合固体触媒成分(I’)をまず製造し、それを本
重合に使用してもよい。予備重合処理は、例えば固体触
媒成分(I)および有機アルミニウム化合物(II)をオ
レフィンと接触させて行なわれる。予備重合処理に使用
されるオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、ブテ
ン−1などがあげられる。予備重合は単独重合でも共重
合のいずれでも可能である。
【0054】高結晶性の予備重合体(予備重合処理で得
られる重合体)を得る為に、公知の電子供与体や水素な
どを共存させてもよい。かかる電子供与体として、好ま
しくは、Si−OR結合(Rは炭素原子数1〜20の炭
化水素基を表す)を有する有機化合物を用いることがで
きる。
【0055】本発明の固体触媒成分を予備重合処理する
際に、該固体触媒成分をスラリー化することも好まし
く、その際の溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素等を例示し得る。
【0056】該スラリー濃度は、通常0.001〜0.
5g固体触媒成分/ml溶媒、特に0.01〜0.3g
固体触媒成分/ml溶媒が好ましい。また、有機アルミ
ニウム化合物をAl/Ti原子比が0.1〜100、特
に0.5〜50となるような割合で用いるのが好まし
い。
【0057】予備重合処理の温度は通常−30〜80
℃、特に−10℃〜50℃が好ましい。予備重合体の量
は固体触媒成分1g当り通常0.1〜300g、特に
0.5〜50gの範囲で行うことが好ましい。
【0058】得られた予備重合固体触媒成分(I’)
は、不活性な希釈剤の存在下、スラリー状態で重合に使
用してもよいし、適当な乾燥の後、流動性の粉末として
重合に使用してもよい。
【0059】[有機アルミニウム化合物]本発明で使用
する有機アルミニウム化合物(II)は分子内に少なくと
も1個のAl−炭素結合を有するものであり、その代表
的なものは一般式R12 rAlY3-rやR1314Al−(O
−AlR15d16で示される化合物である。ここで、
1 2、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ、炭素原
子数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水
素原子またはアルコキシ基を表す。rは2≦r≦3を満
足する数である。dは1≦d≦30を満足する数であ
る。
【0060】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムハイドライド、ジノルマルブチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、エチルア
ルミニウムジクロライド、ノルマルブチルアルミニウム
ジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド等
のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニ
ウムクロライド、ジノルマルブチルアルミニウムクロラ
イド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアル
キルアルミニウムハライド、トリアルキルアルミニウム
とジアルキルアルミニウムハライドの混合物、テトラエ
チルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン、ポ
リメチルアルモキサン、ポリエチルアルモキサン等のア
ルキルアルモキサンを挙げることができる。これら有機
アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウ
ムハライドとの混合物、またはアルキルアルモキサンが
好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリ−n
−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリヘキシルアルミニウム、トリエチルアルミニウムと
ジエチルアルミニウムクロリドとの混合物、またはテト
ラエチルジアルモキサンが好ましい。
【0061】有機アルミニウム化合物(II)の使用量は
通常、固体触媒成分中のチタン原子1モル当り1〜10
000モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、特に
5〜5000モルの範囲が好ましい。有機アルミニウム
化合物(II)はそのまま使用しても良いし、不活性な希
釈剤との溶液として使用しても良い。
【0062】[エチレン重合体の製造]本発明のエチレ
ン重合用触媒は、固体触媒成分(I)、有機アルミニウ
ム化合物(II)および複素環式化合物(III)を接触さ
せて得られる触媒である。ここでいう接触とは、触媒成
分(I)〜(III)が接触し、触媒が形成されるならど
のような手段によってもよく、あらかじめ溶媒で希釈し
てもしくは希釈せずに触媒成分(I)〜(III)を混合
して接触させる方法や、別々に重合反応槽に供給して重
合反応槽の中で接触させる方法等を採用できる。
【0063】固体触媒成分(I)、有機アルミニウム化
合物(II)および複素環式化合物(III)を重合反応槽
に供給する方法については、窒素、アルゴン等の不活性
ガス、水素またはオレフィン等をキャリアーガスとして
水分のない状態で供給することが好ましい。(I)、
(II)および(III)は個別に供給してもよいし、あら
かじめ2つ以上を接触させて供給してもよい。
【0064】重合反応は通常の気相重合、スラリー重合
等公知の方法により行うことができる。重合反応の条件
は通常、得られる重合体が溶融する温度以下、好ましく
は130℃以下、より好ましくは20〜110℃、特に
好ましくは40〜100℃の温度範囲、常圧〜5MPa
の圧力の範囲で実施するのが好ましい。得られる重合体
の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤と
して添加して重合することができる。また、重合法は連
続式でも回分式でもいずれでも可能である。
【0065】本発明のエチレン重合体の製造方法は、上
記のエチレン重合用触媒を用いるエチレン重合体の製造
方法である。該エチレン重合体としては、エチレンの単
独重合体やエチレンとエチレン以外の付加重合可能なモ
ノマーとの共重合体等が挙げられ、ポリエチレン結晶構
造を有するエチレン重合体の製造に好適である。該エチ
レン重合体としては、エチレンとα−オレフィンとの共
重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)が好ましい。
【0066】ここでいうα−オレフィンとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンな
どが挙げられ、1−ブテン、1−ヘキセン、または4−
メチル−1−ペンテンが好ましい。
【0067】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例によって限定されるものではな
い。実施例における重合体および固体触媒成分等の固体
(以下単に固体成分と略すことがある)の性質は下記の
方法によって測定した。
【0068】(1)エチレンとα−オレフィンとの共重
合体におけるα−オレフィンから誘導される繰り返し単
位の含有量は、赤外線分光光度計(パーキンエルマー社
製1600シリーズ)を用い、エチレンとα−オレフィ
ンの特性吸収より検量線を用いて求め、1000C当た
りの短鎖分岐数(SCB)として表した。
【0069】(2)フローレート(FR)は、ASTM
D1238に従い190℃で測定して求めた。
【0070】(3)溶融流動性の尺度として流出量比
(FRR)を採用した。FRRは、前記フローレート
(FR)の測定法において、荷重21.60kgをかけ
たときの流出量と荷重2.160kgをかけたときの流
出量との比、すなわち、FRR=(荷重21.60kg
のときの流出量)÷(荷重2.160kgのときの流出
量)として表した。一般に、重合体の分子量分布が広い
ほどFRRの値が大きくなることが知られている。
【0071】(4)低分子量成分含有量は、25℃の冷
キシレンに可溶な分量を重量百分率(wt%)で表した
値(CXS)で評価した。一般にSCBが大きいほどC
XSも大きくなる。
【0072】(5)Ti含有量は、固体成分を希硫酸で
分解後、過剰の過酸化水素水を加え、410nmの特性
吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型を
用いて測定し、検量線により求めた。アルコキシ基含有
量は、固体成分を水で分解後、ガスクロマトグラフィー
内部標準法を用いて対応するアルコール量を測定するこ
とで求めた。
【0073】[実施例1] (1)固体触媒成分前駆体の合成 窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン800
リットル、テトラエトキシシラン349kgおよびテト
ラブトキシチタン38kgを投入し、撹拌した。次に、
前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブ
チルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)852
リットルを反応器の温度を5℃に保ちながら5時間かけ
て滴下した。滴下終了後、8℃で1時間、更に20℃で
1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン1
100リットルでの洗浄を3回繰り返し、トルエンを加
え、スラリー化した。スラリー50mlを採取し、溶媒
を除去したところ、中には固体成分8.15gが含まれ
ていた。該固体触媒成分前駆体は、 Ti:2.09w
t%、エトキシ基:38.8wt%、ブトキシ基:2.
9wt%を含有していた。
【0074】(2)固体触媒成分の合成 撹拌機を備えた内容積200mlのフラスコを窒素で置
換した後、上記(1)で得られた固体触媒成分前駆体2
1.0gを含むスラリーを該フラスコに仕込み、固液分
離した。得られた固体をヘプタン100mlで3回洗浄
し、洗浄後の固体にスラリーの全体積が122mlとな
るようにヘプタンを加えた。撹拌機を備えた内容積40
0mlのオートクレーブを窒素で置換した後、これに、
上記固体触媒成分前駆体のヘプタンスラリーを移送し、
テトラクロロシラン(以下、SiCl4 と記すことがあ
る。)11.0mlを投入後、続けてジ(2−エチルヘ
キシル)フタレート(以下、DEHPと略すことがあ
る。)16.1mlを投入し、105℃において3時間
撹拌した。オートクレーブを室温まで冷却した後、撹拌
混合物を窒素置換した内容積200mlのフラスコに移
送した。撹拌混合物を固液分離し、得られた固体につい
て105℃にてトルエン105mlでの洗浄を3回行
い、再びトルエン105mlを投入した。70℃に昇温
後、四塩化チタン(以下、TiCl4 と記すことがあ
る。)10.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌し
た。次いで、固液分離し、得られた固体について105
℃にてトルエン105mlでの洗浄を6回繰り返した
後、さらに室温にてヘキサン105mlでの洗浄を2回
繰り返し、洗浄後の固体を減圧乾燥して、固体触媒成分
を得た。該固体触媒成分は、Ti:1.0wt%を含有
していた。
【0075】(3)重合 内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾
燥した後これを真空にし、ブタン400gおよび1−ブ
テン350gを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素
を分圧で0.4MPa、エチレンを分圧で1.2MPa
となるように加えた。トリエチルアルミニウム5.7m
mol、1,3−ジオキサン0.57mmol、前記
(2)で得られた固体触媒成分13.7mgをアルゴン
により圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続
して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で3時間
重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパー
ジし、パウダー性状の良好な重合体126gを得た。オ
ートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとん
ど付着していなかった。触媒単位量当たりの重合体の生
成量(重合活性)は9200g重合体/g固体触媒成分
であった。この重合体について、SCB:17.9、F
R:0.52、FRR:24.1、CXS:6.0wt
%であった。
【0076】[実施例2] (1)重合 実施例1(3)において、ブタンの量を450gに、1
−ブテンの量を300gに、固体触媒成分の量を14.
2mgにそれぞれ変更した以外は実施例1(3)と同様
に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体119g
を得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合
体はほとんど付着していなかった。触媒単位量当たりの
重合体の生成量(重合活性)は8380g重合体/g固
体触媒成分であった。この重合体について、SCB:1
5.7、FR:0.58、FRR:22.5、CXS:
3.6wt%であった。
【0077】[実施例3] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをトリメ
チレンオキシド0.285mmolに変更し、固体触媒
成分の量を24.3mgに変更した以外は実施例1
(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重
合体90gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機
には、重合体はほとんど付着していなかった。触媒単位
量当たりの重合体の生成量(重合活性)は3700g重
合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、
SCB:20.2、FR:0.74、FRR:23.
7、CXS:7.3wt%であった。
【0078】[実施例4] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをトリメ
チレンオキシド0.143mmolに変更し、固体触媒
成分の量を19.0mgに変更した以外は実施例1
(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重
合体112gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌
機には、重合体はほとんど付着していなかった。触媒単
位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は5890g
重合体/g固体触媒成分であった。この重合体につい
て、SCB:18.2、FR:0.47、FRR:2
5.7、CXS:6.5wt%であった。
【0079】[実施例5] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを1,3
−ジオキソラン0.57mmolに変更し、固体触媒成
分の量を22.8mgに変更した以外は実施例1(3)
と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体8
2gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、
重合体はほとんど付着していなかった。触媒単位量当た
りの重合体の生成量(重合活性)は3600g重合体/
g固体触媒成分であった。この重合体について、SC
B:19.3、FR:0.50、FRR:23.6、C
XS:7.2wt%であった。
【0080】[実施例6] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをテトラ
ヒドロピラン0.57mmolに変更し、固体触媒成分
の量を12.2mgに変更した以外は実施例1(3)と
同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体17
5gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、
重合体はほとんど付着していなかった。触媒単位量当た
りの重合体の生成量(重合活性)は14300g重合体
/g固体触媒成分であった。この重合体について、SC
B:18.0、FR:0.92、FRR:24.4、C
XS:7.3wt%であった。
【0081】[実施例7] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンをヘキサ
メチレンオキシド0.57mmolに変更し、固体触媒
成分の量を9.6mgに変更した以外は実施例1(3)
と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体1
04gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機に
は、重合体はほとんど付着していなかった。触媒単位量
当たりの重合体の生成量(重合活性)は11000g重
合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、
SCB:20.0、FR:0.60、FRR:24.
3、CXS:8.1wt%であった。
【0082】[実施例8] (1)重合 実施例1(3)において、ブタンの量を450gに変更
し、1−ブテンの量を300gに変更し、1,3−ジオ
キサンを2,5−ジメチルフラン0.57mmolに変
更し、固体触媒成分の量を8.8mgに変更した以外は
実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の
良好な重合体110gを得た。オートクレーブの内壁お
よび撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかっ
た。触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は
13000g重合体/g固体触媒成分であった。この重
合体について、SCB:18.4、FR:0.78、F
RR:25.0、CXS:7.4wt%であった。
【0083】[実施例9] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを2,5
−ジメトキシテトラヒドロフラン0.57mmolに変
更し、固体触媒成分の量を11.1mgに変更した以外
は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状
の良好な重合体37.3gを得た。オートクレーブの内
壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなか
った。触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)
は3360g重合体/g固体触媒成分であった。この重
合体について、SCB:19.9、FR:0.46、F
RR:24.4、CXS:7.0wt%であった。
【0084】[実施例10] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを1,3
−ジオキセパン0.57mmolに変更し、固体触媒成
分の量を11.4mgに変更した以外は実施例1(3)
と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体1
63gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機に
は、重合体はほとんど付着していなかった。触媒単位量
当たりの重合体の生成量(重合活性)は14300g重
合体/g固体触媒成分であった。この重合体について、
SCB:19.8、FR:0.95、FRR:23.
5、CXS:7.9wt%であった。
【0085】[比較例1] (1)重合 実施例1(3)において、1,3−ジオキサンを使用せ
ず、固体触媒成分の量を9.8mgに変更した以外は実
施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良
好な重合体140gを得た。オートクレーブの内壁およ
び撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は14
000g重合体/g固体触媒成分であった。この重合体
について、SCB:20.9、FR:1.12、FR
R:23.0、CXS:11.1wt%であり、複素環
化合物を使用した場合と比べ、SCBに対するCXS量
が多かった。
【0086】[比較例2] (1)重合 実施例1(3)において、ブタンの量を450gに変更
し、1−ブテンの量を300gに変更し、1,3−ジオ
キサンを使用せず、固体触媒成分の量を14.3mgに
変更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、
パウダー性状の良好な重合体245gを得た。オートク
レーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着
していなかった。触媒単位量当たりの重合体の生成量
(重合活性)は17100g重合体/g固体触媒成分で
あった。この重合体について、SCB:19.1、F
R:1.34、FRR:24.5、CXS:9.1wt
%であり、複素環化合物を使用した場合と比べ、SCB
に対するCXS量が多かった。
【0087】[比較例3] (1)重合 実施例1(3)において、ブタンの量を480gに変更
し、1−ブテンの量を270gに変更し、1,3−ジオ
キサンを使用せず、固体触媒成分の量を7.1mgに変
更した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パ
ウダー性状の良好な重合体105gを得た。オートクレ
ーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着し
ていなかった。触媒単位量当たりの重合体の生成量(重
合活性)は15000g重合体/g固体触媒成分であっ
た。この重合体について、SCB:15.9、FR:
0.69、FRR:25.5、CXS:5.4wt%で
あり、複素環化合物を使用した場合と比べ、SCBに対
するCXS量が多かった。
【0088】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、低
分子量成分含有量の少ないエチレン重合体を製造するこ
とのできるエチレン重合用触媒、および低分子量成分含
有量の少ないエチレン重合体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、粒子性状の良好なエチレン重合体
を、重合反応槽への付着もほとんど無く製造する方法も
提供される。エチレン重合体の製造に際して重合反応槽
へのエチレン重合体等の付着が多いことは、エチレン重
合体の製造工程における操業上の種々の障害を引き起こ
して操業効率を低下させる原因となるので、該付着はで
きる限り少ないことが望ましいことである。そして、得
られるエチレン重合体粉末の粒子性状については、操業
の安定性や操業の効率の観点から、嵩密度が高く、粒度
分布が狭く、流動性が良好な重合体粉末が望ましい。さ
らに本発明によれば、活性の十分高いエチレン重合用触
媒および十分効率的なエチレン重合体の製造方法も提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の理解を助けるためのフローチ
ャート図である。本フローチャート図は、本発明の実施
態様の代表例であり、本発明は、何らこれに限定される
ものではない。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AA02A AB01A AB02A AC05A AC06A AC07A BA01A BA01B BA02A BB01A BB01B BC05A BC06A BC07A BC13A BC15B BC16A BC16B BC17A BC17B BC19A BC25B BC26A BC27A BC32A BC33A BC34A BC37A BC40A CA02C CA17A CA18A CA25A CA27A CA28A CA42A CB08A CB09A CB12A CB22A CB25A CB27A CB43A CB44A CB46C CB47C CB48C CB53A CB54A CB57A CB62A CB66A CB68A CB92A DB02A DB04A DB05A EA01 EB02 EB04 EB05 EB08 EB09 EB10 EC01 EC03 FA01 FA04 FA07 FA09 GA07 GB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともチタン原子、マグネシウム原子
    およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(I)、有
    機アルミニウム化合物(II)、ならびに複素環式化合物
    (III)を接触させて得られるエチレン重合用触媒。
  2. 【請求項2】複素環式化合物(III)が、環系を構成す
    る原子としてのヘテロ原子が窒素原子、リン原子、酸素
    原子および硫黄原子から選ばれ少なくともひとつは酸素
    原子である複素環式化合物である請求項1記載のエチレ
    ン重合用触媒。
  3. 【請求項3】少なくともチタン原子、マグネシウム原子
    およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(I)が、
    さらに電子供与体を含有する請求項1または2記載のエ
    チレン重合用触媒。
  4. 【請求項4】電子供与体が、有機酸のエステル類である
    請求項3記載のエチレン重合用触媒。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン
    重合用触媒を用いるエチレン重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】エチレン重合体が、エチレンとα−オレフ
    ィンとの共重合体である請求項5記載のエチレン重合体
    の製造方法。
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