JP4934760B2 - ツールマガジンおよびマシニングセンタ - Google Patents

Description

本発明は、主軸に取り付けるためのツールを保持するツールマガジンおよびこのツールマガジンを備えるマシニングセンタに関する。

マシニングセンタには自動工具交換装置（ＡＴＣ）が備えられており、主軸に取り付けられたツールとツールマガジンが保持するツールとを自動的に交換しながら、ワークに種々の加工を連続して施す。ツールマガジンとしては、円盤形状のもの（特許文献１）や、チェーン状のもの（特許文献２）が知られており、ツール交換時には、ツールマガジンと主軸のいずれかまたは両方が移動して直接ツールの受け渡しを行うもの（特許文献１）や、ＡＴＣアームを介してツールの受け渡しを行うもの（特許文献２）がある。これらのツールマガジンにおいては、全ツールがツールマガジンの回転軸方向に対して平行する向きに保持されている。また、一般にこれらのツールマガジンはマガジンカバーで覆われている。

特開平７−２１４４４５号公報 特開２００８−１４９４１６号公報

しかしながら、図８（ａ）および図８（ｂ）（例として、ツールマガジンが円盤形状のマガジン本体１０１とその周縁部に設けられたツール保持部１０２からなる場合）に示すように、複数のツールＴの中に他のツールＴよりも長いツール（ロングツールＴＬ）があった場合、ロングツールＴＬとマガジンカバー１０３とが干渉しないようにマガジンカバー１０３を通常（鎖線で図示）より大きくするか（図８（ａ））、ロングツールＴＬのみを別の場所に格納する必要があるが（図８（ｂ））、マガジンカバー１０３を大きくすると、マシニングセンタ全体が大型化してしまうし、ロングツールＴＬのみを別の場所に格納するには、外部ツール保持部１１２を別に設ける必要があり、さらに主軸Ｓを通常のツール交換位置Ｐ１とは別の外部ツール交換位置Ｐ２に移動させるように制御しなくてはならず、ロングツールを他のツールと共存させる際の問題となっていた。また、マガジンカバーがない場合でも、ロングツールが他の構造物と干渉しないようにクリアランスを確保する必要があり、結果としてマシニングセンタ全体が大型化する原因となっていた。さらに、円盤形状のツールマガジンにおいては、重いロングツールが円盤の周囲に保持されることで、ツールマガジン全体のイナーシャが大きくなり、また重心が回転中心からずれるので、マガジン本体を回転させるモータや回転軸に負荷がかかることが問題であった。また、チェーン状のツールマガジンにおいては、とくにツールが水平方向に保持される場合、ロングツールを保持する駒は大きなモーメントを受けることになり、チェーンやこれを回転させるモータに負荷がかかることが問題であった。

本発明は、上記事情を鑑みたものであり、ロングツールを他のツールと無理なく共存させることができるツールマガジンおよびこのツールマガジンを備えるマシニングセンタを提供することを目的とする。

本発明のうち第１の発明のツールマガジンは、マシニングセンタの主軸に取り付けるツールを保持するものであって、回転するマガジン本体と、マガジン本体に設けられた複数個のツール保持部からなり、各ツール保持部が順次ツール交換位置へ移動するものであり、前記ツール保持部の一部または全部が、ツールをマガジン本体の回転軸方向に平行する向きに保持する交換姿勢と、ツールをマガジン本体の回転軸方向に直交する面に沿った向きに保持する移動姿勢とに切替可能であり、前記の姿勢切替可能なツール保持部がツール交換位置に位置する際には交換姿勢となり、ツール交換位置から離脱する際には移動姿勢となることを特徴とする。

本発明のうち第２の発明のツールマガジンは、前記マガジン本体が、略円盤形状で、円盤中心軸周りに回転するものであり、前記ツール保持部が、前記マガジン本体の周縁部に設けられており、前記マガジン本体の周縁部を含む一部が別体に形成されており、該別体部分が円盤面に対して起立可能であり、該別体部分に設けられた前記ツール保持部が、前記別体部分を円盤面に沿った向きにすることで交換姿勢となり、前記別体部分を円盤面に対して起立させることで移動姿勢となることを特徴とする。

本発明のうち第３の発明のツールマガジンは、前記マガジン本体が、環状のチェーンからなり、循環駆動するものであって、前記ツール保持部が、前記マガジン本体を構成するチェーンの各駒に設けられており、その一部または全部が、該駒に固定された固定部と、固定部に対して回動自在に支持されツールを保持する可動部からなるものであって、前記固定部に対して可動部を回動させることで交換姿勢と移動姿勢とに切替可能であることを特徴とする。

本発明のうち第４の発明のマシニングセンタは、上記第１、第２または第３の発明のツールマガジンを備えることを特徴とする。

本発明のうち第1の発明によれば、ツール保持部の一部または全部において、ツールの交換時以外はツールがマガジン本体の回転軸方向に直交する面に沿った向きに保持されるので、ツールの中にロングツールが含まれていても、ツールを含むツールマガジンの回転軸方向の厚さを薄くすることができる。よって、ロングツールのためにマガジンカバーを大きくしたり、ロングツールのみを別の場所に格納したりする必要がなく、ロングツールと他のツールを同一のツールマガジンに無理なく共存させることができる。

本発明のうち第２の発明によれば、ツールの中に重いロングツールが含まれていても、このロングツールを別体部分のツール保持部に保持させれば、別体部分を起立させることでロングツールがマガジン本体の回転軸方向に直交する面に沿った（円盤面に平行な）姿勢となり、ロングツールの重心が円盤中心寄りへ移動する。よって、ツールを含むツールマガジンのイナーシャが大きくならず、また重心の回転中心からのずれも小さいので、ツールマガジンを回転させるモータや回転軸に負荷がかからない。

本発明のうち第３の発明によれば、とくにツールが水平方向に保持される場合に、ツールの中に重いロングツールが含まれていても、可動部を回動させてツール保持部が移動姿勢をとると、ロングツールがこれを保持する駒に接近してモーメントアームが短くなるから、駒が受けるモーメントは小さくなり、チェーンやこれを回転させるモータに負荷がかからない。

本発明のうち第４の発明によれば、上記のようなツールマガジンを備えることで、マガジンカバーを大きくしたり、ロングツールのみを別の場所に格納したりする必要がなく、さらにツールマガジンやこれを回転させるモータにかかる負荷が小さいから、モータや駆動機構も小型化できる。よって、ロングツールに対応するものでありながらマシニングセンタ全体を小型にすることができる。

本発明のツールマガジンの第一実施例（円盤形状・横形）の移動姿勢における斜視図。 本発明のツールマガジンの第一実施例（円盤形状・横形）の交換姿勢における斜視図。 第一実施例（円盤形状・横形）の移動姿勢の説明図。 第一実施例（円盤形状・横形）の交換姿勢の説明図。 本発明のツールマガジンの第二実施例（チェーン状）の移動姿勢における斜視図。 第二実施例（チェーン状）の移動姿勢の説明図。 第二実施例（チェーン状）の交換姿勢の説明図。 本発明のツールマガジンの第三実施例（円盤形状・縦形）の交換姿勢における斜視図。 第三実施例（円盤形状・縦形）の平面図。 第三実施例（円盤形状・縦形）の移動姿勢の説明図。 第三実施例（円盤形状・縦形）の交換姿勢の説明図。 従来のツールマガジンの説明図（マガジンカバーを大きくした場合）。 従来のツールマガジンの説明図（ロングツールを別の場所に格納した場合）。

本発明のツールマガジンの具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。このツールマガジンの第一実施例は、図１、図２、図３（ａ）および図３（ｂ）に示すように、マガジン本体１が円盤形状であって、主軸Ｓが水平方向に設けられた横形のマシニングセンタに用いられるものである。マガジン本体１は、垂直に立設されており、円盤中心には回転軸６が水平方向に設けられていて、回転自在である。マガジン本体１の周縁部には、全周にわたってツール保持部２が設けられている。ツール保持部２は、たとえば一対の把持アームによりツールＴを挟み込んで保持するもので、本実施例では４０個設けられている。そして、マガジン本体１において、連続する７個のツール保持部２を含む一部が別体部分４として構成されている。別体部分４はマガジン本体１にヒンジ５で取り付けられており、円盤面に対して起立可能である。なお、別体部分４を円盤面に沿った向きにすると（図２、図３（ｂ））、ツールＴはマガジン本体１の回転軸６方向に平行する向きに保持され、この場合のツール保持部２を交換姿勢とよぶ。一方、別体部分４を円盤面に対して起立させると（図１、図３（ａ））、ツールＴはマガジン本体１の回転軸６方向に直交する面に沿った向きに保持され、この場合のツール保持部２を移動姿勢とよぶ。また、マガジン本体１はその略上半分がマガジンカバー３により覆われている。さらに、マガジン本体１の下方には主軸Ｓと、テーブル１０が設けられており、テーブル１０上に加工対象であるワークＷが固定されている。主軸Ｓは垂直方向および水平方向に移動自在である。

このように構成したツールマガジンにおいて、通常のツールＴより長いロングツールＴＬを保持させる場合、別体部分４のツール保持部２に保持させる。それ以外の場所では、ロングツールＴＬがマガジンカバー３と干渉してしまうが、別体部分４に保持させれば、図１および図３（ａ）に示すように別体部分４を円盤面に対して起立させてツール保持部２を移動姿勢とすることで、干渉を回避できるからである。また、別体部分４を起立させることでロングツールＴＬが回転軸６方向に直交する面に沿った（円盤面に平行な）姿勢となりロングツールＴＬの重心が円盤中心寄りへ移動するので、ツールＴを含むツールマガジンのイナーシャが大きくならず、また重心の回転中心からのずれも小さいので、ツールマガジンを回転させるモータ（図示省略）や回転軸６に負荷がかからない。

また、この別体部分４に保持されたロングツールＴＬを加工に使用する場合、まず主軸Ｓはツール交換位置Ｐ１（回転軸６の直下のツール保持部２の位置）に移動して、空いたツール保持部２にツールＴを受け渡す。そしてマガジン本体１が回転し、必要なロングツールＴＬが保持されたツール保持部２をツール交換位置Ｐ１へ移動させる。この際、図２および図３（ｂ）に示すように、起立していた別体部分４が円盤面と平行になり、ツール保持部２が交換姿勢となって、主軸ＳがロングツールＴＬを受け取る。その後、主軸Ｓは制御装置（図示省略）の命令に従って、その先端に取り付けられたロングツールＴＬによってワークＷを加工し、所定の加工が終われば、またツールが交換される。すなわち、空いたツール保持部２にロングツールＴＬを受け渡し、マガジン本体１が回転する。次のツールＴが別体部分４以外に保持されているものであれば、別体部分４は再び起立し、ツール保持部２が移動姿勢となる。なお、交換姿勢と移動姿勢の切り替えに際して別体部分４を動作させるには、マガジン本体１にサーボモータや何らかのアクチュエータなど（図示省略）を設けてもよいし、マガジン本体１外に別体部分４と当接するガイドレールなど（図示省略）を設けて、別体部分４のツール保持部２がツール交換位置Ｐ１に近付くのに伴って別体部分４がガイドレールなどに沿って交換姿勢に切り替わり、離れるのに伴って別体部分４がガイドレールなどに沿って移動姿勢に戻るように構成してもよい。

次に、本発明のツールマガジンの第二実施例について説明する。第二実施例は、マガジン本体２１がチェーン状である。図４、図５（ａ）および図５（ｂ）に示すように、マガジン本体２１は複数の駒２７を環状に連結して構成されており、たとえば主軸Ｓの回転軸方向と平行な軸周りに循環駆動される（駆動機構は図示省略）。各駒２７には、ツール保持部２２が設けられており、このツール保持部２２は、駒２７に固定された固定部２８と、固定部２８に対して起立可能な可動部２４からなる。固定部２８は平板状であり、可動部２４はたとえばツールＴを挟み込んで保持する一対の把持アームを有しており、固定部２８と可動部２４とはヒンジ２５で連結されている。第一実施例と同様に、可動部２４を固定部２８と同じ向きにすると、ツールＴはマガジン本体２１の回転軸方向に平行する向きに保持され、交換姿勢となり、可動部２４を固定部２８に対して起立させると、ツールＴはマガジン本体２１の回転軸方向に直交する面に沿った向きに保持され、移動姿勢となる。

このように構成したツールマガジンにおいて、ロングツールＴＬを保持させる場合、図４および図５（ａ）に示すように可動部２４を固定部２８に対して起立させてツール保持部２２を移動姿勢とすることで、マガジンカバー２３との干渉を回避できる。また、とくに主軸Ｓが水平方向に設けられた横形のマシニングセンタである場合など、ツールマガジンにツールＴが水平方向に保持されて移動する場合に、ツールＴの中に重いロングツールＴＬが含まれていても、可動部２４を起立させてツール保持部２２が移動姿勢をとると、ロングツールＴＬがこれを保持する駒２７に接近してモーメントアームが短くなるから、駒２７が受けるモーメントは小さくなり、チェーンやこれを回転させるモータ（図示省略）に負荷がかからない。そして、ロングツールＴＬを加工に使用する場合、図５（ｂ）に示すように可動部２４が固定部２８と平行になり、ツール保持部２２が交換姿勢となる。なお、交換姿勢と移動姿勢の切り替えに際して可動部２４を動作させるには、第一実施例と同様に、マガジン本体２１にサーボモータなど（図示省略）を設けてもよいし、マガジン本体２１外に可動部２４と当接するガイドレールなど（図示省略）を設けてもよい。

次に、本発明のツールマガジンの第三実施例について説明する。第三実施例は、図６、図７（ａ）、図７（ｂ）および図７（ｃ）に示すように、マガジン本体３１が略円盤形状であって、主軸Ｓが垂直方向に設けられた縦形のマシニングセンタに用いられるものである。マガジン本体３１は、水平に設けられており、円盤中心には回転軸３６が垂直方向に貫通して設けられていて、回転自在である。マガジン本体３１の周縁部の一部分には、ツール保持部３２が設けられている。ツール保持部３２は、一対の把持アームによりツールＴを挟み込んで保持するもので、本実施例では１０個のツール保持部３２が並んで設けられている。そして、マガジン本体３１において、並列するツール保持部３２のうち端部の１個（このツール保持部３２には、通常のツールＴより長いロングツールＴＬが保持されている）を含む一部が別体部分３４として構成されている。別体部分３４はマガジン本体３１にヒンジ３５で取り付けられており、円盤面に対して下側に起立可能である。ここで、ヒンジ３５の回転軸方向（図７（ａ）のＲ線）は、マガジン本体３１の周方向（図７（ａ）のＣ線）に対して傾斜している。また、別体部分３４の下面からは下方に向けて支持アーム４１が延びており、支持アーム４１の先端にはロングツールＴＬの先端部分を支持する支持具４２が設けられている。そして、マガジン本体３１の上面には水平方向に駆動するエアシリンダ３９が取り付けられており、エアシリンダ３９のロッド４０が別体部分３４のヒンジ３５の上部に接続されていて、ロッド４０が後退すると交換姿勢（図７（ｃ）に示すように、別体部分３４が円盤面に沿った向きとなり、ロングツールＴＬが垂直方向を向いて保持される）となり、ロッド４０が前進すると移動姿勢（図７（ｂ）に示すように、別体部分３４が円盤面に対して起立し、ロングツールＴＬが水平方向を向いて保持される）となる。なお、主軸Ｓはマガジン本体３１の上方に設けられており、垂直方向および水平方向に移動自在である。

このように構成したツールマガジンにおいて、別体部分３４のツール保持部３２にのみロングツールＴＬが保持されており、他のツール保持部３２には通常のツールＴが保持されているとして、ツール交換の手順を説明する。主軸Ｓに保持された通常のツールＴをロングツールＴＬと交換する場合、まず、主軸Ｓが水平方向からツール交換位置Ｐ１に移動して、空いたツール保持部３２にツールＴを受け渡し、さらに垂直上方に移動してツールＴから離脱する。続いてマガジン本体３１が回転し、別体部分３４をツール交換位置Ｐ１に移動させる。そしてエアシリンダ３９が駆動して別体部分３４を交換姿勢とする（図７（ｃ））。最後に主軸Ｓが垂直下方に移動してロングツールＴＬを装着し、水平方向に移動してマガジン本体３１から離脱する。また、主軸Ｓに保持されたロングツールＴＬを通常のツールＴと交換する場合、まず、主軸Ｓが水平方向からツール交換位置Ｐ１に移動して、別体部分３４の空いたツール保持部２にロングツールＴＬを受け渡し、さらに垂直上方に移動してロングツールＴＬから離脱する。続いてエアシリンダ３９が駆動して別体部分３４を移動姿勢とする（図７（ｂ））。そしてマガジン本体３１が回転し、他のツール保持部３２をツール交換位置Ｐ１に移動させる。最後に主軸Ｓが垂直下方に移動してツールＴを装着し、水平方向に移動してマガジン本体３１から離脱する。なお、上述のとおり、エアシリンダ３９による別体部分３４の姿勢切替は、常に別体部分３４がツール交換位置Ｐ１にある状態で行われる。よって、マガジン本体３１の下方に筐体などがある場合には、ツール交換位置Ｐ１においてロングツールＴＬが姿勢を切り替える際に干渉しないよう、ロングツールＴＬの通過範囲に溝を形成するなどしてクリアランスを確保しておけばよい。また、別体部分３４のツール保持部３２に通常のツールＴを保持させてもよく、その場合は常時交換姿勢としておけばよい。

この第三実施例においても、別体部分３４にロングツールＴＬを保持させ、マガジン本体３１の回転時には移動姿勢とすることで、ロングツールＴＬと、マガジンカバーや筐体などの周囲の構造物との干渉を回避することができる。また、別体部分３４を起立させて移動姿勢とすることでロングツールＴＬが回転軸３６方向に直交する面に沿った（円盤面に平行な）姿勢となりロングツールＴＬの重心が円盤中心寄りへ移動するので、ツールＴを含むツールマガジンのイナーシャが大きくならず、また重心の回転中心からのずれも小さいので、ツールマガジンを回転させるモータ（図示省略）や回転軸３６に負荷がかからない。さらに、マガジン本体３１と別体部分３４とを連結しているヒンジ３５の回転軸方向（図７（ａ）のＲ線）が、マガジン本体３１の周方向（図７（ａ）のＣ線）に対して傾斜しているから、移動姿勢をとった際に、ロングツールＴＬがマガジン本体３１の中心（回転軸３６）からそれるので、ロングツールＴＬと回転軸３６とが干渉せず、マガジン本体３１の直径に近い長さの長大なロングツールＴＬを保持することが可能である。また、支持具４２を有することにより、マガジン本体３１の回転時においても水平方向を向いたロングツールＴＬを安定して支持できる。

さらに、本発明のマシニングセンタは、上記のツールマガジンを備え、その他、マガジン本体や主軸などの動作を制御する制御装置や、加工内容を入力する操作盤などから構成されるもので、ツールマガジン以外は従来のマシニングセンタと同等のものである。なお、本発明のツールマガジンは横形のマシニングセンタと縦形のマシニングセンタのいずれにも用いることができ、第一および第二実施例のツールマガジンを、そのマガジン本体１，２１を水平に設置して縦形のマシニングセンタに用いたり、第三実施例のツールマガジンを、そのマガジン本体３１を垂直に設置して横形のマシニングセンタに用いたりしてもよい。また、ＡＴＣアームを介してツールマガジンと主軸との間でツールを同時交換する方式のマシニングセンタにも用いることができる。

本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、円盤形状のツールマガジンにおいては、一つの別体部分に、一つのツール保持部が設けられていても、二つ以上のツール保持部が設けられていてもよく、また一つのツール保持部を有する別体部分を複数設けてもよいし、二つ以上のツール保持部を有する別体部分を複数設けてもよい。また、チェーン状のツールマガジンにおいては、一部の駒にのみ、交換姿勢と移動姿勢を切替可能なツール保持部を設け、その他の駒には交換姿勢で固定されたツール保持部を設けてもよい。さらに、ツール保持部において、固定部は駒に別部材として取り付けてもよいし、駒と一体に形成されていてもよい。また、移動姿勢と交換姿勢とを切り替える際のツールの軌道上に接触式センサや非接触式センサなどの検知手段を設けて、ツールの折損を検知できるようにしてもよい。

通常のツールとロングツールを併せて保持できるツールマガジンを備え、かつ小型のマシニングセンタを提供することができる。

１，２１，３１ マガジン本体
２，２２，３２ ツール保持部
４，３４ 別体部分
２４ 可動部
２７ 駒
２８ 固定部
Ｓ 主軸
Ｔ ツール

Claims (4)

1. マシニングセンタの主軸に取り付けるツールを保持するものであって、
   回転するマガジン本体と、マガジン本体に設けられた複数個のツール保持部からなり、各ツール保持部が順次ツール交換位置へ移動するものであり、
   前記ツール保持部の一部または全部が、ツールをマガジン本体の回転軸方向に平行する向きに保持する交換姿勢と、ツールをマガジン本体の回転軸方向に直交する面に沿った向きに保持する移動姿勢とに切替可能であり、
   前記の姿勢切替可能なツール保持部がツール交換位置に位置する際には交換姿勢となり、ツール交換位置から離脱する際には移動姿勢となることを特徴とするツールマガジン。
2. 前記マガジン本体が、略円盤形状で、円盤中心軸周りに回転するものであり、
   前記ツール保持部が、前記マガジン本体の周縁部に設けられており、
   前記マガジン本体の周縁部を含む一部が別体に形成されており、該別体部分が円盤面に対して起立可能であり、該別体部分に設けられた前記ツール保持部が、前記別体部分を円盤面に沿った向きにすることで交換姿勢となり、前記別体部分を円盤面に対して起立させることで移動姿勢となることを特徴とする請求項１記載のツールマガジン。
3. 前記マガジン本体が、環状のチェーンからなり、循環駆動するものであって、
   前記ツール保持部が、前記マガジン本体を構成するチェーンの各駒に設けられており、その一部または全部が、該駒に固定された固定部と、固定部に対して回動自在に支持されツールを保持する可動部からなるものであって、前記固定部に対して可動部を回動させることで交換姿勢と移動姿勢とに切替可能であることを特徴とする請求項１記載のツールマガジン。
4. 請求項１、２または３記載のツールマガジンを備えることを特徴とするマシニングセンタ。

Images