JP4934003B2 - 光学素子の製造方法と光学素子の成形型 - Google Patents
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Description
そこで、光学系に使用される光学素子の光学的に不要な外周部をカットして、D形状、小判形状等の形状をした光学素子を製作して対応しているが、加工工程が増えて工数が増加し、製造コストが増大するという弊害も生じている。
加熱軟化した成形素材を、一対の成形型間に配置して押圧し成形する非軸対称形状の光学素子の製造方法において、前記一対の成形型の少なくとも一方の成形面が有する中央の曲面およびその周囲の平面のうちの少なくとも前記曲面に溝を形成し、前記溝に、成形される光学素子の外周形状を規制する外周規制部材を挿入し、前記曲面のうち前記溝よりも中央側に配置された前記成形素材を軟化させ、軟化した前記成形素材を前記外周規制部材の該成形素材側の面に沿って流動させた後に冷却することにより、光学素子の外周の一部に平面を成形することを特徴とする。
加熱軟化した成形素材を、一対の成形型間に配置して押圧し成形する非軸対称形状の光学素子の成形用の型セットにおいて、前記一対の成形型と、成形される光学素子の外周形状を規制する外周規制部材と、を含み、前記一対の成形型の少なくとも一方の成形面は、中央の曲面と、その周囲の平面と、を有し、少なくとも前記曲面に、前記外周規制部材を挿入する溝を形成したことを特徴とする。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の光学素子の成形装置の成形前の概略構成を示す図であり、図2は、成形後の概略構成を示す図である。
図4は、図1のV−V線に沿う断面において、外周規制部材36を外した成形用下型28の成形面部の状態を示す図である。
図6は、2つの外周規制部材36を対向して配置した状態の外観図である。
図8(a)(b)は、外周部に2つの平面を有する光学素子を示している。
図1、2に示す成形装置10は、上下に対向する一対の上加熱板12及び下加熱板14と、これらを固定して支持する上プレート支持軸22及び下プレート支持軸24と、上加熱板12及び下加熱板14の夫々に内蔵されているカートリッジヒータ18、20と、上プレート支持軸22及び上加熱板12を上下(対向)方向に駆動する不図示のエアシリンダと、下プレート支持軸24が固定されている不図示の本体と、成形装置10の全体を覆い、酸化性雰囲気を非酸化性雰囲気に置換できる不図示の筐体から構成されている。
なお、上プレート支持軸22にエアシリンダを取付ける代わりに、下プレート支持軸24側にエアシリンダを取付けてもよく、さらに、上プレート支持軸22及び下プレート支持軸24の双方にエアシリンダを取付けてもよい。
この型セット16は、上型26、下型28、及びスリーブ30を有しており、上型26及び下型28は、スリーブ30の内部で、それぞれの成形面26’,成形面28’が対向するように配置され、スリーブ30の軸方向(O−O方向)に摺動可能な状態でスリーブ30の両端側から嵌挿されている。
ここで、上下型の溝27、29の深さは、成形面26’、28’の平面部26b、28bに外周規制部材36の支持部36bを載置した際に、外周規制部36aの端部が溝27、29の底に接触しない深さになっている。また、外周規制部材36の外周規制部36aの長さは、型セット16を組んで成形素材32を挟持した時に、外周規制部36aの両端が溝27、29に挿入された状態になるように設定されている。
次に、本実施の形態での成形時の作用を説明する。
上加熱板12を上プレート支持軸22を介して不図示のエアシリンダで降下させて、図1に示すように、上型26の成形面26’とは反対側の端面に接触させた後、上下加熱板12,14に内蔵のカートリッジヒータ18、20で成形素材32のガラス軟化点付近の温度まで加熱する。
ここで、外周規制部材36の外周規制部36aと軟化ガラスとの滑りが悪い場合、軟化ガラスが外周規制部36aの面に沿った方向には流動せず、所望の中心肉厚に達する前に成形が終了してしまう。
所望形状の成形が終了した後は、上型26及び下型28の加熱を停止し、型セット16の冷却を開始する。このとき、所望形状によっては、成形によって得られた光学素子34の光学機能面に非軸対称形状が原因で不均一な温度分布や収縮が生じ、形状の変化が発生するが、上型26より一定押圧を加えることにより変形を阻害する。また、外周規制部材36の材料に、ガラスの熱伝導率に等しい石英ガラスやセラミックス等を選択した場合は、レンズ34の外周面34aと平面部34bの熱伝導率による温度分布が補正でき、より、冷却時の歪が防止できる。
以上の一連の工程により、図8(a)(b)に示すような、2つの平面34b,34bを有する非軸対称の小判形の光学素子34が得られる。
なお、本実施形態では、小判形状の両凸レンズの成形について説明したが、これに限らない。例えば、小判形状の両凹レンズの成形についても同様である。
[第2の実施の形態]
図9は、第2の実施の形態の光学素子の成形装置の成形前の概略構成を示す図であり、図10は、成形後の概略構成を示す図である。
図12(a)(b)は、2つの平面を有する光学素子を示している。
なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
第1の実施の形態と同様に、成形装置10は、上下に対向する一対の上加熱板12及び下加熱板14等を有している。型セット16は下加熱板14上に載置される。この型セット16を除く部分の構成は第1の実施の形態と同様である。
成形に際しては、外周規制部材36は、その外周規制部36aが下型28の溝29に挿入され、支持部36bは下型28の成形面28’の平面28bに載置される。こうして、2つの外周規制部材36、36が、その外周規制部36a、36aが対向するように下型28上に配置される。
この光学素子34は、光学機能面341,342と、その外周側の2つの外周面34a,34aと、それらの端部同士を接続する2つの直線状の平面で、光軸Oに対して左右対称に平行に配置される平面34b,34bとを有している。
12 上加熱板
14 下加熱板
16 型セット
18 カートリッジヒータ
20 カートリッジヒータ
22 上プレート支持軸
24 下プレート支持軸
26 上型
26’ 成形面
26a 曲面
26b 平面
27 溝
28 下型
28’ 成形面
28a 曲面
28b 平面
29 溝
30 スリーブ
32 成形素材
34 光学素子
341 光学機能面
342 光学機能面
34a 外周面
34b 平面
36 外周規制部材
36a 外周規制部
36b 支持部
36c 上端縁
Claims (2)
- 加熱軟化した成形素材を、一対の成形型間に配置して押圧し成形する非軸対称形状の光学素子の製造方法において、
前記一対の成形型の少なくとも一方の成形面が有する中央の曲面およびその周囲の平面のうちの少なくとも前記曲面に溝を形成し、
前記溝に、成形される光学素子の外周形状を規制する外周規制部材を挿入し、
前記曲面のうち前記溝よりも中央側に配置された前記成形素材を軟化させ、
軟化した前記成形素材を前記外周規制部材の該成形素材側の面に沿って流動させた後に冷却することにより、光学素子の外周の一部に平面を成形する
ことを特徴とする非軸対称形状の光学素子の製造方法。 - 加熱軟化した成形素材を、一対の成形型間に配置して押圧し成形する非軸対称形状の光学素子の成形用の型セットにおいて、
前記一対の成形型と、
成形される光学素子の外周形状を規制する外周規制部材と、を含み、
前記一対の成形型の少なくとも一方の成形面は、中央の曲面と、その周囲の平面と、を有し、
少なくとも前記曲面に、前記外周規制部材を挿入する溝を形成した
ことを特徴とする非軸対称形状の光学素子の成形用の型セット。
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