JP4933334B2 - サドル付き分水栓 - Google Patents

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Description

本発明は、水道本管から給水管を分岐する際に用いる、サドル付き分水栓に関する。
サドル付き分水栓は、内部に止水機構を有し、通水状態の水道本管から給水管を分岐した後に止水機構で給水管への通水を行い得るようにしたものである。サドル付き分水栓を用いて水道本管を穿孔する際には、分岐継手部を水道本管に接続し、分水栓の上から穿孔機で穿孔することで分岐流路が設けられる。
この場合、水道本管を穿孔したときに、穿孔時の切粉が分水栓の止水機構の一次側分水路から穿孔穴に、いわゆる、橋渡しの状態で接触することがある。水道本管は、一般的に鋳鉄管であり、この橋渡し状態になったときには、例えば、青銅製により設けられている分水栓と水道本管が導通してこれらの間に電流が流れ、異種金属間の電位差によって卑な側の金属である鋳鉄管に腐食が発生するおそれがある。
更に、サドル付き分水栓の穿孔直後には、一次側分水路と穿孔穴が水道水を通じて電通しており、これにより腐食が発生し易くなっている。
このため、サドル付き分水栓には、穿孔穴に対して不導体部分を有する密着コアが取付けられる。密着コアは、穿孔穴に密着することでこの穿孔穴と一次側分水路の水道水を通じた電通を防いで赤水等の発生を防止でき、しかも、一次側分水路から穿孔穴に対して電流がジャンプする、いわゆる、ジャンピング電流を弱める機能も有している。このジャンピング電流は、異種金属間の距離が短い場合には、より多くの電流が流れ易くなるという特徴がある。
密着コアを装着すると、一次側分水路から密着コアの鍔状部位に電流が流れるときに、この密着コアの全長を経由した後にコアの先端側から鋳鉄管のライニング側に電流が流れる。このため、電流が流れる総経路(距離)を長くして絶縁抵抗が上がるようになっている。なお、水道本管は、このように通常はライニングが施され、このライニングは、内面の防錆のために施されているが、一般に利用されているモルタルライニングの場合、水が満たされるとこの水がモルタルに染み込んで、電気を通しやすくなっている。
この種のサドル付き分水栓としては、例えば、特許文献1のサドル付き分水栓がある。このサドル付き分水栓は、止水機構の環状保持体の下面に樹脂性の環状の絶縁カバーを装着し、水道用本管を穿孔具で穿孔する際の切粉による電気的導通を防止しようとしている。また、穿孔穴には、防食スリーブを取付けてジャンピング電流を抑えようとしている。
また、その他のサドル付き分水栓として、例えば、特許文献2のサドル付き分水栓がある。このサドル付き分水栓は、内壁部に金属筒を装着した絶縁ブッシュをボール押さえの内径側に装着し、絶縁ブッシュの上部にボールシートを配置した構造に設けており、これにより、分水栓内部と絶縁ブッシュ先端側を伝わる電流を流れ難くし、絶縁抵抗値を増加させようとしたものである。
一方、特許文献3のサドル付き分水栓は、分水栓本体のフランジ部とサドル本体の受け部に樹脂製の絶縁プレートを配置してこの絶縁プレートでフランジ部の下面を覆い、絶縁プレートと一体に成形した筒状絶縁体で分水栓本体の流入口とサドル本体の通水穴の内周面を被覆することで、ジャンピング電流を弱めて絶縁抵抗値を上げようとしたものである。
特許第3710625号公報 特開2006−342861号公報 特開2002−286186号公報
しかしながら、特許文献1のサドル付き分水栓は、切粉によるブッシュ部と穿孔穴の橋渡し状態による電通を防ぐ効果はあるものの、ブッシュ部先端と外周の一部のみを絶縁カバーで保護する構造であるため、ブッシュ部の先端側から水道水を通じて電流が流れ易くなるおそれがあった。
更に、このサドル付き分水栓に密着コアを装着すると、水道本管側における水道水との接触部分を塞いで直接電通するのを防ぐことはできるが、環状保持体(ブッシュ)の上部付近は通水路に対して剥き出しの状態であるため、この付近から穿孔穴に過大なジャンピング電流が流れ、絶縁抵抗値が下がることがあった。更には、仮に、施工時の穿孔不良や密着コアの施工不良により密着コアが穿孔穴に対してずれた場合には、この密着コアが穿孔穴壁面に確実に密着できずに電流が流れやすくなることがあった。また、穿孔穴のずれにより、ステンレス製の密着コアの鍔部分がブッシュ部の内径に直接接触することがあり、この場合ブッシュ部から密着コアに電流が流れやすくなっていた。
しかも、このサドル付き分水栓を不断水の状態で穿孔した場合に、密着コアを挿入するときにサドルガスケットの内径側に水道水が存在することになるため、絶縁抵抗値が低くなりこの領域内の水道水を通じてブッシュの先端側から穿孔穴の縁部分や管の外面に電気が流れやすくなる。
また、特許文献2のサドル付き分水栓は、樹脂製の絶縁ブッシュによってジャンピング電流を抑止しようとしてはいるものの、密着コアの鍔部分による密着力に耐え得るために、絶縁ブッシュ先端の内側に金属筒を装着して剛性を高めた構造としているため、止水部から水道水を介しこの金属筒へ電流が流れるのでジャンピング電流の距離が短くなり、絶縁抵抗値が下がることがあった。また、このように、絶縁ブッシュを樹脂と金属(ステンレス)の異種材料によって一体に構成しているためコストアップするというデメリットもあった。
また、このサドル付き分水栓は、絶縁ブッシュをボールシートの背面側に密着させ、ボールシートにボール側から加わる押圧力を受圧させるようにした構造であるため、ボールシートに力が加わって止水機構の弁座シール性を大きく損なうおそれがあり、これにより、水漏れを生じる危険性があった。
一方、特許文献3のサドル付き分水栓は、絶縁プレートと筒状絶縁体を一体に成形しているため、密着コアが挿入される筒状絶縁体部分の強度が弱くなり、この樹脂部分が割れて漏水が発生する危険性がある。このため、このサドル分水栓では、筒状絶縁体の内側にステンレス製のブッシュを取付けているが、この場合、特許文献の2と同様に水道水を介してブッシュに電流が流れて絶縁抵抗値が下がったり、コストアップするという問題があった。
本発明は、従来の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、水道本管への導通を抑えて腐食の発生を抑えることができ、かつ、分水栓として通水機能を確実に維持できる低コストのサドル付き分水栓を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、分水栓本体に止水機構を内蔵したサドル付き分水栓において、止水機構の一次側分水路の内壁に筒状絶縁体を装入すると共に、筒状絶縁体の上端を止水機構のボールシート装着部より上方まで延伸させ、ジャンピング電流を抑制して絶縁抵抗値を高めたサドル付き分水栓である。
請求項2に係る発明は、筒状絶縁体の上端は、止水機構のボール弁体により押圧されたボールシートと干渉しない位置に配設したサドル付き分水栓である。
請求項3に係る発明は、一次側分水路の下端部を筒状絶縁体の下方に形成した包囲部によって包囲し、この包囲部の一部で、一次側分水路の下方に装着したガスケットを仮止めしたサドル付き分水栓である。
請求項4に係る発明は、筒状絶縁体の内周に外周側を樹脂製で形成した密着コアを挿入し、この密着コアを拡径したときにこの密着コアの樹脂部分と筒状絶縁体の樹脂部位同士を当接させたサドル付き分水栓である。
請求項1に係る発明によると、一次側分水路の内壁に装入した筒状絶縁体により穿孔時の切粉による水道本管への導通を防ぐことができ、かつ、一次側分水路全体をこの筒状絶縁体で覆ってこの一次側分水路から水道本管にジャンピング電流が発生するのを防ぐことができるため、ジャンピング電流の距離を伸ばして水道本管への導通を抑えて腐食の発生を抑えることができ、また、ボールシートによるシール性を確保して分水栓としての通水機能を確実に発揮できる低コストのサドル付き分水栓を提供することができる。
請求項2に係る発明によると、筒状絶縁体にボールシートを介して弁体側から強い力が加わることがなく、止水機構の弁座シール性を維持して高シール性を維持できるサドル付き分水栓である。また、筒状絶縁体がボールシートと直接接触することがないため止水機構の動作に悪影響を与えることがなく、スムーズに止水機構を開閉動作できるサドル付き分水栓である。
請求項3に係る発明によると、包囲部の包囲による絶縁抵抗値の上昇によって一次側分水路の下端部からのジャンピング電流を弱めて水道本管の腐食を抑えることができ、また、密着コアの挿入後に、この密着コアとガスケット、水道本管の間の領域に切粉や水が残っている場合でも一次側分水路への水の接触を確実に防ぐと共に、保管時や運搬時、分岐作業時などのガスケットの脱落を防止することができ、このガスケットの脱落によるシール性の欠如を防ぐことができる。
請求項4に係る発明によると、筒状絶縁体と密着コアの当接部分を樹脂とすることで、密着コアの挿入・拡径時に摺動抵抗が上昇するのを抑制して密着コアを容易に装着できると共に、双方を同じ材質とすることで一方が破損するのを防いで高いシール性を維持できる。
以下に、本発明におけるサドル付き分水栓の好ましい実施形態並びに作用を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態以降のサドル付き分水栓は、一例であって、本発明がその形態に限定されるものではない。
図1は、本発明におけるサドル付き分水栓の第1実施形態を示したものである。図において、分水栓本体10は、サドル部2に連結され、このサドル部2と、水道本管1を介して対向配置されるバンド3とを、それぞれの両端に接続されたボルト・ナット4を締付けることにより固定して流路を分岐可能に設けている。この分水栓本体10により、水道本管1から分岐される給水支管の口径は、本実施形態では、例えば、図2(a)の分水栓本体10においては25Aの小口径タイプ、図2(b)の分水栓本体20においては50Aの大口径タイプとしている。分水栓本体10、20は、各ボデー11、21の下方に形成したフランジ部11a、21aを介してサドル部2上部の載置部2aに載置した状態で、図示しないボルトにより締付け固定することでこれらを一体化している。図1は、図2(a)のタイプのサドル付き分水栓を示している。
分水栓本体10のボデー11は、水道本管1の上部に穿孔される穿孔穴1aと連通する鉛直流路11bを有していると共に、この鉛直流路11bの直交方向には分岐流路11cを有している。そして、この鉛直流路11bと分岐流路11cとの交差位置には、三方口を有するボール弁体12と、このボール弁体12を回転するステム13と、ボール弁体12の上下側をシール状態で支持する二次側の上ボールシート14と一次側の下ボールシート15を収納し、ボデー11下側に形成しためねじ11dに対して、ボデー用キャップである環状保持体30のおねじ30aを螺着して、分水栓本体10内に止水機構16を内蔵している。この止水機構16により、鉛直流路11bと分岐流路11cを開閉可能に設け、止水機構16の一次側の環状保持体30は、一次側分水路33を有している。なお、実施形態においては、このような環状保持体(ブッシュ)30を介して分水栓本体10とサドル部2を接合し、前記のように環状保持体30の内壁33aを一次側分水路33としているが、一次側分水路は、この形態に拘ることはなく、例えば、図示しないが、分水栓本体とサドル部を螺合によって接合し、この分水栓本体の一次側内壁を一次側流路としたり、或は、サドル部側に一次側分水路を設けるようにしてもよい。
ボデー11の上部には、鉛直流路11bの延長線上に、図示しない穿孔機や防食スリーブ挿入機を着脱するための開口部11eを形成しており、この開口部11eは、蓋部材17の螺着により被蓋可能に設けている。また、ステム13は、分岐流路11cと同軸で、且つ、この分岐流路11cとボール弁体12を介した位置に設けており、分水栓本体10の外方に水平に突出配置している。
また、環状保持体30の底部には、環状のガスケット18を取付け可能に設けており、このガスケット18は、分水栓本体10と水道本管1との間を液密にシールできるようにしている。
一次側分水路33の内壁33aには、筒状絶縁体35を装入可能に設け、更に、この筒状絶縁体35には、密着コア22を挿入可能に設けている。図4に示すように、筒状絶縁体35は、下方側に包囲部36を形成し、この包囲部36により環状保持体30の下端部に形成した鍔状部31の内径側、先端側、及び外径側を覆うことができるようにしている。これにより、この筒状絶縁体35とガスケット18で鍔状部31を囲み、金属部位である鍔状部31を水道水から絶縁可能に設けている。更に、不断水の状態で穿孔作業を行う際などのガスケット18内径側に水が存在する場合でも、この構造により環状保持体30が水と接触するのを防いで導通を防ぎ、また、鍔状部31先端側からの放電も防がれる。
包囲部36の先端側は、内径方向に曲折した環状の係止部36aを設けており、この係止部36aを鍔状部31の上方から被せるように包囲部36を嵌合して取付ける。包囲部36の取付け後には、係止部36aの上面側にガスケット18内周側に形成した挟着部18aが位置し、鍔状部31の上に設けた凹状部31aにこの挟着部18aと係止部36aが挟まれるように取付けられる。これにより、包囲部36の一部で、一次側分水路33の下方に装着したガスケット18を仮止めし、このガスケット18の脱落防止を図っている。
鍔状部31は、既存の環状保持体の当該位置に筒状絶縁体35の包囲部36を取付けできるように溝状の加工を施すようにすればよく、環状保持体30全体を新たな部品として製作する必要がない。また、この鍔状部31の外径は、分水栓本体10をサドル部2とバンド3により水道本管1に挟持したときに、圧縮されるガスケット18の当接位置と接触できるような径に設けるようにする。
筒状絶縁体35の包囲部36からは、円筒部位を延設して円筒部37を一体に形成し、この円筒部37の上端38は、止水機構16のボール弁体12により押圧された下ボールシート15と干渉しない位置に配設するようにし、この筒状絶縁体35を環状保持体30に装着したときに、下ボールシート15の装着部である座面32の上方まで延伸している。これにより、一次側分水路33や座面32などの止水機構部位より生ずるジャンピング電流を抑制して絶縁抵抗値を高めている。
ここで、ボールシート14、15は、流路側の内周縁部にテーパ面14a、15aを形成しており、このテーパ面14a、15aにより、ボール弁体12によって押圧されたときのボールシート14、15自体の流路内周側の弾性を確保する機能を有している。すなわち、ボールシート14、15の流路側縁部は、ボール弁体12により押圧されても、テーパ面14a、15aにより止水機構16のボールシート装着側に押圧されることが無く、これにより、ボール弁体12との弁座シール性を確保できるようにしている。
筒状絶縁体35の上端38は、下ボールシート15の流路径よりも小径に形成している。これにより、図2(a)における25Aの分水栓本体10の場合には、下ボールシート15がボール弁体12により流路方向と反対方向に押圧されても、このボールシート15が筒状絶縁体35と干渉しない配置になっている。
一方、図2(b)における50Aの分水栓本体20の場合には、図5に示すように、筒状絶縁体45の上端48がボールシート15のテーパ面15a近傍まで上方に延設している。この上端48は、ボールシート15がボール弁体12により押圧されても、ボールシート15に干渉しない位置に設定している。従って、弁座シール性を損なうことなく、絶縁抵抗値を高めることができる。
以上の形態によって、筒状絶縁体35、45をそれぞれ形成し、この筒状絶縁体35、45は、例えば、ポリエチレンなどの樹脂等の不導体で1部品により形成し、この1部品のみで分水栓本体10、20を形成している。なお、筒状絶縁体45は、包囲部46の先端側に係止部46aを設け、この係止部46aを環状保持体40に設けた係合部41に係合させて取付けている。
このように、分水栓本体10、20は、金属製の環状保持体30、40を樹脂性の筒状絶縁体35、45で覆うように構成しているので、強度を上げる部材を別に付加することなく全体の剛性を保持することができ、例えば、環状保持体の本管への装着側を樹脂で形成した場合と比較しても高い剛性を維持できる。
また、筒状絶縁体35、45の上端内周面には、先端側が拡径したテーパ面部39、49を形成している。このテーパ面部39、49により、図示しない穿孔工具による穿孔時のかじり等を防ぎ、また、密着コア22を挿入したときにこの密着コア22の先端側を案内し、密着コア22を円滑に装着できるようにしている。
筒状絶縁体35、45は、前記のように1部品であるため、環状保持体30、40の下方から装着して簡単に取付けでき組立性が良い。しかも、装着後には、絶縁性能を向上させる以外にも、前述のようにガスケット18を仮止めして脱落防止を図り、筒状絶縁体35、45自体の抜け出しも防がれる。
図3においては、図2のサドル付き分水栓に密着コア22を挿入した状態を示している。密着コア22は、内周側が金属リング23で、この金属リング23の内周側を樹脂製の防食スリーブ22を装着したものであり、密着コア22を挿入する場合、水道本管1の穿孔穴1aに対して図示しない挿入工具を用いて挿入する。
これにより、筒状絶縁体35、45の内周に対して外周側が樹脂製の密着コア22が挿入し、この密着コア22を拡径したときに、密着コア22の樹脂部分である防食スリーブ22と筒状絶縁体35の樹脂部位同士が当接するようになっている。
次に、上述した分水栓本体10を電流が流れるときのメカニズムを述べる。
図2(a)のように、水道本管1を穿孔した直後の状態においては、電流は、貴な金属である止水機構16の環状保持体30の一次側分水路33から卑な金属である水道本管1に流れようとするが、前述したように、一次側分水路33の内壁33aに筒状絶縁体35を装入し、この筒状絶縁体35は、上端38を下ボールシート15の装着部である座面32の上方まで延伸させているので、一次側分水路33全体を筒状絶縁体35で覆うことができ、一次側分水路33からジャンピング電流が発生しようとするのを防止することができる。このため、電流は、図の矢印のようにボール弁体12から流れようとし、このとき、電流は、筒状絶縁体35の絶縁性によってこの筒状絶縁体35を跨ぐように流れようとする。従って、ジャンピング電流が流れようとする距離を長くすることができ、電流を弱めることができる。また、筒状絶縁体35によって、絶縁抵抗値が増加する。これらによって、水道本管1への電流の流れを抑えることができ、電気腐食を生じ難くすることができる。これは、図2(b)の分水栓本体の場合も同様である。
一方、図3(a)に示すように、分水栓本体10に密着コア22を挿入すると、密着コア22の金属リング23の鍔部23aを伝わって電流が流れようとし、このとき、金属リング23の外周側には、樹脂製の防食スリーブ24を設けているため、水道本管1に直接電流が伝わることがない。また、この防食スリーブ24と前述した筒状絶縁体35により、環状保持体30(一次側分水路33)への絶縁機能を一層高めている。
また、ガスケット18と密着コア22、水道本管1に挟まれた領域に切粉が残っている場合でも、前述のように包囲部36により鍔状部31を絶縁していることにより、一次側分水路33が切粉と直接接触することを防ぎ、環状保持体30を伝わって水道本管1に電流が流れるのを確実に防止することができる。また、同領域内に水道水が残っている場合も同様であり、水が一次側分水路33に接触するのを防いで電流が流れ易くなるのを防いでいる。
次に、本発明におけるサドル付き分水栓の第2実施形態を説明する。なお、この実施形態において前記実施形態と同一箇所は同一符号によって表し、その説明を省略する。この実施形態では、図6において、筒状絶縁体60は、上絶縁体61と下絶縁体65とからなり、この上絶縁体61と下絶縁体65を一体に組み合わせている。
下絶縁体65は、下方側に包囲部66を形成し、この包囲部66により前記と同様に一次側分水路54を有する環状保持体50における下方側と鍔状部51の露出を防ぎ、水道水との絶縁を図るようにしたものである。また、包囲部66で鍔状部51の外径側までを覆って、圧縮時のガスケット18の挟着部18aを分水栓本体10との間に挟持しているので、ガスケット18の内径部に浸入した水との絶縁を図って絶縁抵抗値を向上させることができ、しかも、ガスケット18を仮止めすることでこのガスケット18の脱落も防止することができる。
また、包囲部66は、環状保持体50の鍔状部51の内径側も覆っているので、この鍔状部51内径側からのジャンピング電流を防いでおり、また、穿孔穴1aが芯ずれした場合であっても、金属リング23の鍔部23aが下絶縁体65に接触することで金属製の環状保持体50に直接接触することがないため、電流が直接流れることが防がれる。また、同様に、穿孔時の切粉がガスケット内部の領域に存在する場合でも、下絶縁体65により切粉が一次側分水路54と接触することがなく、導通が防がれる。
下絶縁体65は、包囲部66を一体に設けた略円筒形状であるためその形状がシンプルであり、容易に成形できる。更に、その材質が樹脂製等の不導体であるため、コストも安価である。また、組立て時には、環状保持体50の先端側(下側)から嵌め込むだけで簡単に組立てでき、組立て工数が増えることがない。このとき、図示しない液状のシール剤を塗布することもでき、この場合には、予め下絶縁体65の包囲部66の内部にこのシール剤を塗布しておき、これを環状保持体50に組み付けるようにすればよい。これにより、下絶縁体65を環状保持体50に対して強固に取付けることができ、自然に外れるのを防ぐことができる。また、下絶縁体65と環状保持体50の密着性が高まり、水の浸入を確実に防ぐことができる。
また、上絶縁体61は、上部にツバ部62を形成し、このツバ部62から下方に筒状部63を設けている。一方、環状保持体50における上絶縁体61の装着位置には、ツバ部62が係合可能な環状溝53を形成しており、この環状溝53に対してツバ部62を嵌め込むようにして上絶縁体61をボールシート15の座面52の上方から挿入する。その際、液状のシール剤を塗布する場合には、下絶縁体65と同様に、環状溝53に予めこのシール剤を塗布した上で上絶縁体61を挿入すればよい。上絶縁体61の挿入後には、更に、下ボールシート15を組み付け、次いで、ボール弁体12とステム13をボデー11内に組み込んで環状保持体50と締付けて止水機構16を構成する。
上絶縁体61の装着後には、この上絶縁体61が環状保持体50の一次側分水路54の上方側を覆うことで絶縁できる。また、穿孔穴1aが芯ずれした場合であっても、鍔部23aが上絶縁体61に接触することで環状保持体50に直接接触することがないため、絶縁抵抗値を上げることが可能になる。また、穿孔時に切粉が存在しても、上絶縁体61によりこの切粉による導通を防ぐことができる。
更には、上絶縁体15は、ツバ部62を下ボールシート15の座面52に配置し、下ボールシート15は、この上絶縁体61を介して金属製の環状保持体50に支持されているため、止水機構16のシール性に悪影響を及ぼすことなく環状保持体50上面側の絶縁体による包囲部分を多くでき、ジャンピング電流が環状保持体50の上方側から流れるのが防がれる。ジャンピング電流は、ボール弁体12もしくは座面52から流れるため、その距離を長くすることができ、絶縁性能を一層高めることができる。
上絶縁体61は、ツバ部62を有する略円筒状であるのでその形状がシンプルであり、容易に成形できる。更に、その材質も下絶縁体65と同様に不導体であるため、安価に製作できる。また、組立て時には、前記のように、環状保持体50の上方からこの上絶縁体61を挿入し、ボールシート14、15、ボール弁体12、ステム13をボデー11に組み付ければよいので工数が増えることなく簡単に組立てできる。
以上のように、この実施形態における絶縁体60は、下絶縁体65と上絶縁体61によるセパレート構造であるので、その構造を簡略化でき、成形や組立てを容易に行える。また、環状保持体50側は、鍔状部51と環状溝53を加工形成するだけでよいため、製作が容易であり、環状保持体を別部品としてあらたに設ける必要がない。
この絶縁体61、65を組み合わせて筒状絶縁体60を設けることにより、穿孔直後の密着コア22の挿入前においては、ジャンピング電流は、前記のようにボール弁体12もしくは座面52から穿孔穴1aに流れて絶縁抵抗値を増大することが可能になっている。
また、図のように密着コア22の挿入後には、第1実施形態と同様に電流が流れて絶縁抵抗値を向上させることができる。
ところで、この実施形態では、下絶縁体65と上絶縁体61は、上下に組み合わせているだけであるので、この組み合わせ部分の継ぎ目から水が浸入するおそれがあり、この水を介して電流が流れやすくなるおそれがある。そのため、継ぎ目を塞ぐようにするのが望ましく、この継ぎ目を塞ぐためには、例えば、継ぎ目の高さを密着コア22の鍔部23aが位置する範囲内に設定すればよい。これにより、密着コア22の装着時には、鍔部23aが防食スリーブ24を介して筒状絶縁体60を圧接し、継ぎ目付近がシールされて隙間を塞ぐことができ、水との絶縁状態を確保することができる。
また、図示しないが、上下絶縁体の継ぎ目部分を段形状や斜め形状に形成することもできる。この場合、この継ぎ目先端を重ねあわせるようにして接合することによりシール性を向上させることができる。更には、継ぎ目部分と環状保持体の間にOリング等のシール部材を配設したり、絶縁体61、65の組立て時に当接部分に液状シール剤を塗布することでシール性を向上させることもできる。以上のような各種の手段によって絶縁抵抗値を向上させることができる。
なお、この実施形態においては、分水栓本体の給水支管の口径が小径(例えば、25A)である場合について説明したが、50Aのような大径タイプの分水栓本体についても同様にして環状絶縁体を設けることができ、その作用も同様である。
本発明のサドル付き分水栓の第1実施形態を示した縦断面図である。 本発明のサドル付き分水栓の第1実施形態の要部を示した断面図である。(a)は、小口径の分水栓の要部を示した断面図である。(b)は、大口径の分水栓の要部を示した断面図である。 図2のサドル付き分水栓に密着コアを装着した状態を示す断面図である。(a)は、小口径の分水栓に密着コアを装着した状態を示す断面図である。(b)は、大口径の分水栓に密着コアを装着した状態を示す断面図である。 図3(a)の要部拡大断面図である。 図3(b)の要部拡大断面図である。 本発明のサドル付き分水栓の第2実施形態を示した要部断面図である。
符号の説明
1 水道本管
2 サドル部
10 分水栓本体
12 弁体
14、15 ボールシート
16 止水機構
18 ガスケット
20 密着コア
22 防食スリーブ
32 座面
35 筒状絶縁体

Claims (4)

  1. 分水栓本体に止水機構を内蔵したサドル付き分水栓において、前記止水機構の一次側分水路の内壁に筒状絶縁体を装入すると共に、前記筒状絶縁体の上端を前記止水機構のボールシート装着部より上方まで延伸させ、ジャンピング電流を抑制して絶縁抵抗値を高めたことを特徴とするサドル付き分水栓。
  2. 前記筒状絶縁体の上端は、前記止水機構のボール弁体により押圧された前記ボールシートと干渉しない位置に配設した請求項1記載のサドル付き分水栓。
  3. 前記一次側分水路の下端部を前記筒状絶縁体の下方に形成した包囲部によって包囲し、この包囲部の一部で、前記一次側分水路の下方に装着したガスケットを仮止めした請求項1又は2に記載のサドル付き分水栓。
  4. 前記筒状絶縁体の内周に外周側を樹脂製で形成した密着コアを挿入し、この密着コアを拡径したときにこの密着コアの樹脂部分と前記筒状絶縁体の樹脂部位同士を当接させた請求項1乃至3の何れか1項に記載のサドル付き分水栓。
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