JP4643048B2 - サドル付き分水栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水道に使用するサドル付き分水栓に関し、特に腐食を確実に防止し、長年月に渡って使用可能なサドル付き分水栓に関する。さらに詳細に言えば、サドルと該サドルに取付けられる分水栓本体との間を完全に電気的に絶縁し、電食を確実に防止することができるサドル付き分水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、水道本管から給水管を分岐させる場合にサドル付き分水栓が使用されている。このサドル付き分水栓には大別して、分水栓本体とサドルとを直接ねじ結合するねじ式と、分水栓本体下部にフランジを形成し、このフランジをサドルに形成された受け面に載置し、ボルト等適宜な手段で結合するフランジ式とがある。いずれの形式にしても、従来の多くは分水栓本体には砲金が、サドルにはダクタイル鋳鉄が使用されている。このように異種金属を使用した場合、電食が問題となる。配管と共にサドル付き分水栓は長年月に渡って地中に埋められるので、電食を効果的に防止することが望まれる。
【0006】
本願発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、装置を大型化することなく、サドルと分水栓本体との間を電気的に絶縁して、電食を確実に防止できるサドル付き分水栓を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、分水栓本体に形成したフランジ部をサドルに形成された受け部に載置し、該フランジ部と受け部において締結部材を用いて締結することにより、分水栓本体をサドルに固定し、その際に、フランジ部と受け部との間に電気絶縁性材料からなる絶縁プレートを配置するとともに、締結部材は、少なくともサドルと分水栓本体のいずれか一方とは、電気絶縁性材料からなる絶縁部材を介して係合するようにして、分水栓本体とサドルとを電気的に絶縁した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本願発明の具体的実施の形態を説明するが、本願発明の範囲は以下に説明される実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本願発明の具体的な実施の形態に係るサドル付き分水栓1の縦断面図であり、図2は上半分のみを示す半平面図、図3は側面図である。
【0011】
サドル付き分水栓1は、分水栓本体3と、該分水栓本体3が取付けられるサドル41とから構成される。
【0012】
分水栓本体3は、内部流路6を備えた公知のボール弁体5を内部に収納するボールケース或はケーシング7を備えている。ケーシング7には、図1において左側には筒状の流出口9が設けられ、右側にはボール弁体5を操作するためのスピンドル12が挿入されるスピンドル穴11が形成されている。スピンドル12は図示のようにボール弁体に一体回転可能に結合されている。
【0013】
ケーシング7の下部には、流入口13が形成され、ケーシング7の内側においてその流入口13の周囲に沿って径の大きくなった段部14が形成されている。その段部14に、ボール弁体7を回動可能に受け止める、公知の第1すなわち下側ボールシート15が配置されている。そして、流入口13の外側は、平面形状が略方形のフランジ部17となっている。フランジ部17の底面は平らに形成されている。
【0014】
ケーシング7の上部には、雌ねじの刻設されたボール押さえ取付け穴21が形成され、ここに雄ねじをを有するボール押さえ23がねじ結合される。ボール押さえ23には貫通穴25が形成され、その貫通穴25の軸方向の途中に径の大きくなった段部27が設けられ、そこに公知の第2すなわち上側ボールシート29が配置されている。
【0015】
貫通穴25は少なくとも外端部(図1において上端部)から所定の長さに渡って、異形に、本実施の形態では8角形となり、所定の工具をここに挿入することによりボール押さえ23を回転させ、ケーシング7との結合或は取外しを行うことが出来る。したがって、わざわざボール押さえを回転させるために掴む首部を設ける必要がなく、分水栓全体の丈を低くすることが出来る。またそれにより、首部を設けたものに比して高い強度を得ることが出来る。符号31はボール押さえ23に螺合されて貫通穴25を塞ぐキャップである。
【0016】
サドル41は、図1において2点鎖線で示される水道本管81の上側に配置されるサドル本体42と、下側に配置され、ボルト、ナットでサドル本体42と結合されるサドルバンド51とからなる。
【0017】
サドル本体42は、前述の分水栓本体3を、そのフランジ部17において受け止める受け部43を備えている。受け部43の平面形状はフランジ部17と同じような方形であるが、フランジ部17より若干広く、上面は平らになっている。また、受け部43には、前述の分水栓本体のフランジ部17に形成された流入口13に対応した位置に、通水穴45が形成されている。本実施の形態では、流入口13と通水穴45の径は略同じとなっている。通水穴45の周囲には、サドル本体42の内周側において径の大きくなった段部47が形成され、そこに公知のパッキン48が配置されている。
【0018】
符号53は、分水栓本体3のフランジ部17とサドル本体42の受け部43との間に配置された、電気絶縁性材料、本実施の形態では樹脂製の絶縁プレートである。絶縁プレート53は、フランジ部17の下面のほぼ全体を覆う形状をしており、この部分で分水栓本体3とサドル本体42との間を完全に絶縁している。
【0019】
図4は図2におけるA−A線での断面の拡大図である。図示の通り、ボルト57をフランジ部17の穴に通し、受け部のねじ穴にねじ込むことにより分水栓本体3をサドル本体42に固定しているが、フランジ部17の穴には、絶縁プレート53と一体に成形された筒状のボルト絶縁部55が配置されている。また、ボルト57を受けるスプリングワッシャ58の下には、これも絶縁性材料でつくられた絶縁ワッシャ59が配置されている。したがって、この部分においても分水栓本体3とサドル本体42とは電気的に絶縁されている。
【0020】
図1で符号61は、これも絶縁プレート53と一体に成形された、分水栓本体3の流入口13と、サドル本体42の通水穴45の内周面に密着して被覆する筒状絶縁体である。そしてその内側には、剛性のある、例えばステンレス製の筒状部材或はブッシュ63が、その上端で径方向外向きに広がる短いフランジが筒状絶縁部材体61の上端面に受け止められた状態で、取付けられている。フランジは幅が狭く、分水栓本体3には接触していない。
【0021】
図1において2点鎖線で示されている筒状の部材は、水道本管に穿孔された穿孔穴82の防食のために取付ける、公知の密着コア65である。この密着コア65は、上側の部分を逆末広がり状態に径を拡げてブッシュ63の内周に圧接し、下端部を外方へ拡げて水道本管の内壁に圧接する。これにより、本管に明けられた穿孔穴82に水が接するのを防止する。この技術は公知なので、詳細な説明は省略する。
【0022】
本実施の形態で、前述の筒状絶縁体61とブッシュ63とを設けたのは以下の理由による。すなわち、これらを設けずに従来と同じ方法で密着コア65を取付け、上端を分水栓本体の流入口の内壁に、下端側を水道本管の内壁に圧接した場合、このコア及び本管を介して分水栓本体とサドルとが電気的に導通状態となってしまう。密着コアには、銅等で作った本体の外周にゴム等の弾性材料を被覆したタイプのものもあるが、拡径して圧接したときにゴムが切れるなどして金属製の本体が接触する場合がある。
【0023】
そこで先ず筒状絶縁体61を配置し、その内側に密着コアを十分な力で圧接することが出来る剛性のあるブッシュ65を配置し、これにより密着コアによる確実なシーリングと、分水栓本体3とサドル41との間の絶縁を可能としたものである。
【0024】
なお、上記説明においては分水栓本体3のフランジ部は平らにしたものとして説明したが、本発明はこれに限らない。例えば図5に示されるものは、分水栓本体のフランジ部とサドル本体の受け部とが段付きの状態で形成されている場合である。図において、第1の実施の形態での各部材に対応する部材には同じ番号にダッシュをつけて示してある。これの詳細な説明は省略する。
【0025】
【発明の効果】
上記説明から明らかな通り、本発明によれば、分水栓本体とサドルとの間の電気的絶縁が完全に図られており、従来生じていた電食が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るサドル付き分水栓の縦断面図である。
【図2】上側半分の平面図である。
【図3】側面図である。
【図4】図2のA−A線での拡大断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係るサドル付き分水栓の縦断面図である。
【符号の説明】
1 サドル付き分水栓
3 分水栓本体
7 ケーシング
13 流入口
14 段部
15 下側ボールシート
17 フランジ部
23 ボール押さえ
27 段部
29 上側ボールシート
41 サドル
42 サドル本体
43 受け部
45 通水穴
53 絶縁プレート
55 ボルト絶縁部
57 ボルト
59 絶縁ワッシャ
61 筒状絶縁体
63 ブッシュ
65 密着コア
71 水道本管
73 穿孔穴

Claims (2)

  1. 水道本管に固定され、前記本管に形成される分岐穴に通じる通水穴を備えたサドルと、該サドルに固定され、前記通水穴に連通する流入口を備えたケーシングと前記流入口の周囲に広がるフランジ部を備えた分水栓本体とを備え、前記フランジ部を前記サドルに形成された受け部に載置し、該フランジ部と受け部において締結部材を用いて締結することにより、前記分水栓本体を前記サドルに固定してなる、サドル付き分水栓において、前記フランジ部と受け部との間に電気絶縁性材料からなる絶縁プレートを配置し、前記締結部材は、少なくとも前記サドルと分水栓のいずれか一方とは、電気絶縁性材料からなる絶縁部材を介して係合し、
    前記サドル付き分水栓はさらに、前記サドルの前記通水穴と前記分水栓本体の前記流入口とに嵌る、電気絶縁性材料からなる筒状絶縁体と、該筒状絶縁体の穴に嵌る、剛性を有する剛性筒部材と、筒状本体の外周上に弾性材料被膜を被覆され、上端側が前記剛性筒部材の穴内に挿入され、下端側が前記水道本管の分岐穴内へ挿入される密着コアを備えていることを特徴とする、サドル付き分水栓。
  2. 請求項1記載のサドル付き分水栓において、前記筒状絶縁体は前記絶縁プレートと一体に形成されていることを特徴とする、サドル付き分水栓。
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