JP4933322B2 - 光拡散板及び面光源装置並びに液晶表示装置 - Google Patents

光拡散板及び面光源装置並びに液晶表示装置 Download PDF

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Description

この発明は、光拡散板とランプボックスとの当接箇所からの不快音の発生を防止できる光拡散板及び面光源装置並びに液晶表示装置に関する。
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、「算術平均粗さRa」の語は、JIS B0601−2001に準拠して測定された算術平均粗さRaを意味し、また「凹凸の平均間隔Rsm」の語は、JIS B0601−2001に準拠して測定された凹凸の平均間隔Rsmを意味する。
液晶表示装置としては、例えば液晶セルの上下両面に一対の偏光板が配置された画像表示部の下面側(背面側)に面光源装置がバックライトとして配置された構成のものが公知である。前記バックライト用の面光源装置としては、ランプボックス内に複数の光源が配置されると共にこれら光源の前面側に光拡散板が配置された構成の面光源装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平7−141908号公報(段落0012、図1)
ところで、上記光拡散板は、ランプボックスの縁枠部の前面に当接した状態で配置固定されているので、この縁枠部前面と光拡散板との相互間の擦れ等により不快音を発生することがある。例えば、電源をONにすると面光源装置の内部の温度上昇により光拡散板が膨張し、この時に縁枠部前面と光拡散板との間の擦れ現象等により不快音を発生することがある。このような不快音の発生は、ランプボックスの縁枠部がポリカーボネート製である場合において顕著であった。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、光拡散板とランプボックスとの当接箇所からの不快音の発生を防止できる光拡散板及び面光源装置並びに液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]前面側が開放された樹脂製のランプボックス内に複数の光源が相互に離間して配置されると共に樹脂製の光拡散板が前記ランプボックスの縁枠部の前面に当接した状態で該ランプボックスの開放面を塞ぐように配置されてなる面光源装置であって、
前記光拡散板の背面における少なくとも前記縁枠部前面に当接する部分がマット面に形成され、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
前記光拡散板の前面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする面光源装置。
[2]前面側が開放された樹脂製のランプボックス内に複数の光源が相互に離間して配置されると共に樹脂製の光拡散板が前記ランプボックスの縁枠部の前面に当接した状態で該ランプボックスの開放面を塞ぐように配置されてなる面光源装置であって、
前記光拡散板の背面の全面がマット面に形成され、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
前記光拡散板の前面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする面光源装置。
[3]前記略半円凸部はシリンドリカルレンズ形状の凸条部からなり、前記光源は線状光源からなり、前記シリンドリカルレンズ形状の凸条部の長さ方向と前記線状光源の長さ方向とが略一致するように構成されている前項1または2に記載の面光源装置。
[4]前記光拡散板の全光線透過率が55〜85%である前項1〜3のいずれか1項に記載の面光源装置。
[5]前項1〜4のいずれか1項に記載の面光源装置と、該面光源装置の前面側に配置された液晶パネルとを備えることを特徴とする液晶表示装置。
[6]一方の面の少なくとも周縁部がマット面に形成されてなる樹脂製の光透過板からなり、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
前記光透過板の他方の面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする光拡散板。
[7]一方の面の全面がマット面に形成されてなる樹脂製の光透過板からなり、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
前記光透過板の他方の面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする光拡散板。
[1]の発明では、光拡散板の背面における少なくとも縁枠部前面に当接する部分がマット面に形成され、マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであるから、ランプボックスの縁枠部前面と光拡散板との相互間の擦れ等による不快音の発生を防止できる。従来構成ではランプボックスの縁枠部がポリカーボネート製である場合において特に不快音の発生が顕著であったが、本発明によれば、このようなランプボックスの縁枠部がポリカーボネート製である場合においても不快音の発生を十分に防止することができる。
また、光拡散板の前面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であるから、出射光の輝度を向上させることができる。
[2]の発明では、光拡散板の背面の全面がマット面に形成され、マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであるから、ランプボックスの縁枠部前面と光拡散板との相互間の擦れ等による不快音の発生を防止することができる。従来構成ではランプボックスの縁枠部がポリカーボネート製である場合において特に不快音の発生が顕著であったが、本発明によれば、このようなランプボックスの縁枠部がポリカーボネート製である場合においても不快音の発生を十分に防止することができる。また、光拡散板の背面の全面がマット面に形成された構成であるから、製造効率を向上できるし、異なるサイズのものを生産する際にも対応が容易である。
また、光拡散板の前面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であるから、出射光の輝度を向上させることができる。
更に、光拡散板の背面の全面が特定のマット面に形成されていることと、光拡散板の前面に前記特定構成の略半円凸部が突設されていることとの相乗効果により、輝度ムラのない均一な光を出射できるものとなる。なお、前記相乗効果による輝度ムラ抑制効果は、光拡散板の全光線透過率が高い構成(例えば55〜85%)を採用した場合においてより大きくなる。また、この輝度ムラ抑制の相乗効果は、粒子径がサブミクロンサイズである光拡散剤(光拡散粒子)を含有せしめた光拡散板で特に顕著である。例えば、粒子径がサブミクロンサイズである光拡散剤(光拡散粒子)を含有せしめた光拡散板で光源のイメージを透過した場合、色みを帯びた光源の輪郭イメージが前方側に透過して外観され易いのであるが、この[2]の発明では、前記相乗効果によって、光源の輪郭イメージが外観されることを十分に抑制することができる。
[3]の発明では、シリンドリカルレンズ形状の凸条部の長さ方向と前記線状光源の長さ方向とが略一致するように構成されているから、光拡散板を透過した光源のイメージを線状光源の長さ方向と垂直な方向へ広げ、面内の明るさの均一度を向上させることができる利点がある。
[4]の発明では、光拡散板の全光線透過率が55〜85%であるから、十分な輝度が得られると共に、前記相乗効果による輝度ムラ抑制効果も十分に得られる。
[5]の発明では、光拡散板とランプボックスとの当接箇所からの不快音の発生を防止できる液晶表示装置が提供される。
[6]の発明(光拡散板)は、一方の面の少なくとも周縁部がマット面に形成されてなる樹脂製の光透過板からなり、マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであるから、ランプボックスの縁枠部前面と光拡散板との相互間の擦れ等による不快音の発生を防止できる。
また、光透過板の他方の面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であるから、出射光の輝度を向上させることができる。
[7]の発明は、一方の面の全面がマット面に形成されてなる樹脂製の光透過板からなり、マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであるから、ランプボックスの縁枠部前面と光拡散板との相互間の擦れ等による不快音の発生を防止できる。また、一方の面の全面がマット面に形成された構成であるから、製造効率を向上できるし、異なるサイズのものを生産する際の対応が非常に容易である。
また、光透過板の他方の面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であるから、出射光の輝度を向上させることができる。
更に、光拡散板の一方の面の全面が特定のマット面に形成されていることと、光拡散板の他方の面に前記特定構成の略半円凸部が突設されていることとの相乗効果により、輝度ムラのない均一な光を出射できると共に光拡散板の拡散率も十分に向上させることができる。
この発明に係る液晶表示装置の一実施形態を図1に示す。図1において、(1)は面光源装置(バックライト)、(10)は液晶パネル、(20)は液晶表示装置である。前記液晶パネル(10)は、液晶セル(11)と、該液晶セル(11)の上下両側に配置された偏光板(12)(13)とを備えている。
前記面光源装置(1)は、前記液晶パネル(10)の下側の偏光板(13)の下面側(背面側)に配置されている。この面光源装置(1)は、平面視略矩形状で前面側(上面側)が開放された薄箱型形状のランプボックス(5)と、該ランプボックス(5)内に相互に離間して配置された複数の線状光源(2)と、これら複数の線状光源(2)の前面側(上方側)に配置された樹脂製の光拡散板(3)とを備えている。前記ランプボックス(5)は、図1に示すように、平面視矩形状の背面板(32)の周縁から側面板からなる縁枠部(31)が前方側に向けて延設されたものからなり、前面側が開放されている。このランプボックス(5)に対してその前面側開放面を塞ぐように前記光拡散板(3)が配置されて固定されている。即ち、前記光拡散板(3)の背面(3a)の周縁部が、前記ランプボックス(5)の縁枠部(31)の前面(31a)に当接した態様で、前記光拡散板(3)が前記ランプボックス(5)に固定されている。なお、前記ランプボックス(5)の内面には光反射層(図示しない)が設けられている。
前記光拡散板(3)は、図3に示すように、背面(3a)の全面がマット面(6)に形成された樹脂製の光透過板からなる。即ち、前記光拡散板(3)におけるマット面(6)に形成された面(3a)が光源(2)側になるように配置されている(図1参照)。前記マット面(6)の算術平均粗さRaは0.8〜15μmに設定され、前記マット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmは100〜300μmに設定されている。なお、本実施形態では、光拡散板(3)の背面(3a)の全面がマット面(6)に形成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、光拡散板(3)の背面(3a)における少なくとも前記縁枠部前面(31a)に当接する部分がマット面(6)に形成されていれば良く、例えば図4に示すように光拡散板(3)の背面(3a)における前記縁枠部前面(31a)に当接する部分のみがマット面(6)に形成された構成を採用することもできる。
また、前記光拡散板(3)の前面(3b)に断面形状が略半円形状である略半円凸部(7)が複数個突設されてなる凹凸形状部(4)が形成されている。即ち、前記光拡散板(3)における略半円凸部(7)が形成された面(3b)が液晶パネル(10)側になるように配置されている(図1参照)。隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は10〜500μmに設定され、前記略半円凸部(7)の高さ(H)は3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔(P)に対する高さ(H)の比率(H/P)は0.2〜0.8に設定されている。
本実施形態では、前記略半円凸部(7)は、前記光拡散板(3)の表面に平行な一方向に沿って延ばされたシリンドリカルレンズ形状の凸条部(略半円柱形状の凸条部)(8)からなり、これら複数のシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)の長さ方向(軸線方向)が互いに略平行状になるように配置されている(図2参照)。前記シリンドリカルレンズ形状とは、略円柱体をその軸線方向(長さ方向)に平行な平面(軸線を含む平面であっても良いし、軸線を含まない平面であっても良い)で切ったうちのいずれか一方の部材に相当する形状を意味するものである。
本実施形態では、前記シリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)は、半円柱形状からなる凸条部である、即ち円柱体をその軸線を含む平面で2つに均等に切ったうちのいずれか一方の部材(半円柱体)に相当する形状を備えた凸条部である。
また、本実施形態では、前記光源(2)として線状光源が用いられており、この線状光源(2)の長さ方向と前記光拡散板(3)のシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)の長さ方向とが略一致するように配置されている。また、前記シリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)の長さ方向は、前記光拡散板(3)の長手方向(N)と略一致するように配置されている(図2参照)。
上記構成に係る面光源装置(1)では、光拡散板(3)の背面(3a)における少なくともランプボックス(5)の縁枠部前面(31a)に当接する部分がマット面(6)に形成されていて、マット面(6)の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、マット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであるから、ランプボックス(5)の縁枠部前面(31a)と光拡散板(3)との接触が点接触又は点接触に近い状態になり、両者間の摩擦が軽減され、これによりランプボックス(5)の縁枠部前面(31a)と光拡散板(3)との相互間の擦れ等による不快音の発生を防止できる。
また、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は10〜500μmに設定され、前記略半円凸部(7)の高さ(H)は3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔(P)に対する高さ(H)の比率(H/P)は0.2〜0.8に設定されているから、出射光の輝度を十分に高めることができる。
更に、本実施形態では、光拡散板(3)の背面(3a)の全面がRaが0.8〜15μmで、Rsmが100〜300μmであるマット面(6)に形成されていることと、光拡散板(3)の前面(3b)に略半円凸部(7)が突設されていることとの相乗効果により、輝度ムラのない均一な光を出射させることができる。即ち、輝度の面均一性に優れたものとなる。
また、本実施形態では、光拡散板(3)の背面(3a)の全面がマット面(6)に形成された構成であるから、製造効率を向上できるし、異なるサイズのものを生産する場合の対応も容易であるという利点を有する。
この発明において、前記マット面(6)は、前記光拡散板(3)の背面(3a)における少なくとも前記縁枠部前面(31a)に当接する部分に形成されるのであるが、このマット面(6)の算術平均粗さRaが0.8〜15μmの範囲に設定され、該マット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmの範囲に設定されている必要がある。Raが0.8μm未満又はRsmが300μmを超えると不快音発生防止効果が十分に得られなくなる。またRaが15μmを超えるマット面やRsmが100μm未満のマット面は、製造するのが難しく生産性が悪くなる。中でも、マット面(6)の算術平均粗さRaは1.0〜10μmの範囲に設定されるのが好ましく、またマット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmは130〜250μmの範囲に設定されるのが好ましい。
前記マット面(6)の断面形状としては、例えば略半円弧状、扁平曲線状等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。即ち、Ra:0.8〜15μm、Rsm:100〜300μmの条件を満たす限り、前記マット面(6)の断面形状はどのような形状であっても良い。
前記マット面(6)の形成手法は特に限定されない。例えば、表面にエンボスロールを用いて凹凸を転写することによりマット面を形成せしめても良いし、或いは構成樹脂への微粒子の添加含有によって表面に粒子隆起によるマット面を形成せしめても良いが、特にこれらの手法に限定されるものではない。
また、この発明では、前記光拡散板(3)の前面(3b)に断面形状が略半円形状である略半円凸部(7)が複数個突設された構成が採用されるが、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は10〜500μmに設定され、前記略半円凸部(7)の高さ(H)は3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔(P)に対する高さ(H)の比率(H/P)は0.2〜0.8に設定されている必要がある。このような範囲に設定することにより、出射光の輝度を十分に向上させることができる。ピッチ間隔(P)が10μm未満では精度良く形状加工するのが困難となり、ピッチ間隔(P)が500μmを超えると略半円凸部(7)の形状が筋のように視認されるので問題である。また、高さ(H)が3μm未満では光拡散板に略半円凸部(7)を形成せしめた際に該板自身の熱で該凸部(7)形状が溶融され易くて所望の形状を形成し難いし、高さ(H)が500μmを超えると例えば光拡散板に略半円凸部(7)の形状を転写する型の形状精度が悪くなる。また、前記比率(H/P)が0.2未満では輝度ムラ抑制効果が十分ではなく、前記比率(H/P)が0.8を超えるものでは精度良く形状加工するのが困難となる。中でも、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は50〜300μmに設定されるのが好ましい。また、前記略半円凸部(7)の高さ(H)は25〜250μmに設定されるのが好ましい。また、前記ピッチ間隔(P)に対する高さ(H)の比率(H/P)は0.2〜0.75に設定されるのが好ましい。
前記略半円凸部(7)の形成手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、金型による熱転写法、射出成形法、切削法、異形押出成形法、彫刻ロールによる溶融押出転写成形法等が挙げられる。
前記光拡散板(3)の厚さ(S)は、特に限定されるものではないが、1.0〜5.0mmの範囲に設定されるのが好ましい。
また、前記光拡散板(3)の全光線透過率は55〜85%の範囲に設定されているのが好ましい。このような範囲に設定すれば、十分な輝度が得られると共に、前述した相乗効果による輝度ムラ抑制効果も十分に得られるものとなる。このような全光線透過率は、特に限定されないが、例えば光拡散剤を添加することにより調整可能である。なお、前記全光線透過率は、JIS K7361−1(1997年)に準拠して測定される全光線透過率であるが、測定の際には、前記光拡散板(3)の略半円凸部(7)が形成された前面(3b)側を積分球に向けると共に、前記ピッチ間隔方向を左右側に向けて測定を行うものとする。
この発明において、前記光拡散板(3)としては、特に限定されるものではないが、透光性樹脂からなる単層板、透光性樹脂からなる基層の少なくとも片面に異種の透光性樹脂からなる1ないし複数の他層が積層された積層板等が用いられる。
前記透光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、環状オレフィン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂)等が挙げられる。
前記光拡散板(3)には、必要に応じて光拡散剤(光拡散粒子)を含有せしめる。この光拡散剤としては、光拡散板(3)を構成する透光性樹脂と屈折率が相違する粒子であって透過光を拡散し得るものであれば特に限定されずどのようなものでも使用できる。無機系の光拡散剤としては、特に限定されないが、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられ、これらは脂肪酸等で表面処理が施されたものであっても良い。また、有機系の光拡散剤としては、特に限定されないが、例えばスチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子等が挙げられ、中でも、重量平均分子量が50万〜500万の高分子量重合体粒子や、アセトンに溶解させたときのゲル分率が10質量%以上である架橋重合体粒子が好適に用いられる。前記光拡散剤としては、上記例示したもの等の1種を用いても良いし、或いはこれらの2種以上を混合して用いても良い。
また、前記透光性樹脂の屈折率と前記光拡散剤の屈折率の差の絶対値は0.02以上であるのが光拡散性の観点から好ましく、前記絶対値は0.13以下であるのが光透過性の観点から好ましい。即ち、前記透光性樹脂の屈折率と前記光拡散剤の屈折率の差の絶対値は0.02〜0.13の範囲であるのが好ましい。
前記光拡散板(3)には、例えば紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、蛍光増白剤、加工安定剤等の各種添加剤を添加含有せしめても良い。なお、紫外線吸収剤を添加する場合には、前記透光性樹脂100質量部に対して紫外線吸収剤を0.1〜3質量部添加するのが好ましい。このような範囲に設定することで、紫外線吸収剤の表面へのブリードを抑制できて外観を良好に維持できる。さらに熱安定剤も添加する場合には、前記透光性樹脂中の紫外線吸収剤1質量部に対して熱安定剤2質量部以下とするのが好ましく、中でも前記透光性樹脂中の紫外線吸収剤1質量部に対して熱安定剤を0.01〜1質量部添加するのが特に好ましい。
前記光源(2)としては、特に限定されるものではないが、例えば蛍光管、ハロゲンランプ、タングステンランプ等の線状光源の他、発光ダイオード等の点状光源などが挙げられる。
また、隣り合う光源(2)(2)同士の間隔(L)は、省電力化の観点から、10mm以上に設定されるのが好ましく、また前記光拡散板(3)と前記光源(2)との距離(d)は、薄型化の観点から、50mm以下に設定されるのが好ましい。また、d:Lは1:5〜5:1であるのが好ましい。中でも、前記隣り合う光源(2)(2)同士の間隔(L)は、10〜100mmに設定されるのがより好ましい。また、前記光拡散板(3)と前記光源(2)との距離(d)は、10〜50mmに設定されるのが特に好ましい。
なお、上記実施形態では、光拡散板(3)の略半円凸部(7)は、その表面に平行な一方向に沿って延ばされたシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)で形成されている(1次元タイプ)(図2参照)が、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば光拡散板の略半円凸部(7)は、その表面に平行な異なる二方向(例えば互いに直交する二方向)に沿って延ばされたシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)で形成されていても良い(即ち2次元タイプであっても良い)。
また、上記実施形態では、略半円凸部(7)は、シリンドリカルレンズ形状の凸条部(略半円柱形状の凸条部)(8)からなる構成(図2参照)であるが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、長さ方向(N)に連続しない多数個の略半円凸部(7)が互いに離間した状態で長さ方向(N)に沿って配列された構成を採用することもできる。
また、上記実施形態では、略半円凸部(7)の表面は、断面半円弧状に形成されているが、特にこのような形状に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、円柱体をその軸線を含まない平面で切ったうちのいずれか一方の部材に相当する形状であっても良いし、或いは断面半楕円弧状、断面扁平湾曲線状等の形状に形成されていても良く、前記「略半円凸部」の語は、このような形状の凸部をも含む意味で用いている。
また、上記実施形態では、隣り合う略半円凸部(7)間には平坦面部(9)を有するように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば図6に示すように隣り合う略半円凸部(7)間に平坦面部が形成されていない連続した構成を採用しても良い。また、隣り合う略半円凸部(7)間に平坦面部が形成されていない連続した構成を採用する場合において、隣り合う略半円凸部(7)間の略V字状の溝の断面形状については、前記輝度ムラ抑制効果を阻害しない範囲であれば、例えば半径5μm程度のR形状(円弧形状)になっていても良い。なお、隣り合う略半円凸部(7)間に平坦面部(9)が形成された構成を採用する場合において、該平坦面部(9)の溝幅(E)は、E/Pの値が0.1未満になるように設定されるのが好ましい。
また、上記実施形態では、図3に示すように、略半円凸部(7)の断面形状は、該円の中心を通る法線(水平面に対する垂直線)に対して左右線対称の断面形状に構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、前記比率H/Pが0.1〜0.8の条件を満たしていれば、例えば左側の円弧が右側の円弧よりも前面側に膨らんだ非線対称の断面形状に形成されていても良いし、或いは右側の円弧が左側の円弧よりも前面側に膨らんだ非線対称の断面形状に形成されていても良い。
また、上記実施形態では、略半円凸部(7)は全てが同一形状及び同一大きさになるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)、略半円凸部(7)の高さ(H)、ピッチ間隔(P)に対する高さ(H)の比率(H/P)等のうちの少なくともいずれか1つの要素についてその数値がばらついて異なるように構成されていても良い。例えば、図5に示すような構成を採用しても良い。
なお、この発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記凹凸形状部(4)は、ピッチ間隔(P)が10〜500μmに設定され、高さ(H)が3〜500μmに設定され、ピッチ間隔(P)に対する高さ(H)の比率(H/P)が0.2〜0.8に設定された略半円凸部(7)以外の他の略半円凸部を含んでなる構成であっても良い。
この発明に係る光拡散板(3)、面光源装置(1)及び液晶表示装置(20)は、上記実施形態のものに特に限定されるものではなく、請求の範囲内であれば、その精神を逸脱するものでない限りいかなる設計的変更をも許容するものである。
次に、この発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<原材料>
透光性樹脂A:スチレン樹脂(東洋スチレン製「HRM40」、屈折率1.59)
透光性樹脂B:MS樹脂(新日鐵化学製「MS200NT」、屈折率1.57、スチレン/メタクリル酸メチル=80質量部/20質量部)
光拡散剤A:PMMA架橋粒子(住友化学製「スミペックスXC1A」、屈折率1.49、重量平均粒子径35μm)
光拡散剤B:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「トスパール120」(屈折率1.49、重量平均粒子径2μm)。
光拡散剤マスターバッチA:透光性樹脂Bを75.8質量部、光拡散剤Aを23.0質量部、紫外線吸収剤であるLA−31(旭電化工業株式会社製)を1.0質量部、熱安定剤であるスミライザーGP(住友化学株式会社製)を0.2質量部ドライブレンドした後、このブレンド物を65mm2軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー内で溶融混合した後、ストランド状に押出してペレット化することにより得られたペレット状の光拡散剤マスターバッチA。なお、シリンダー内の温度は、ホッパーの下部:200℃から押出ダイ付近:250℃と下流に向けて徐々に高温になるように設定して押出しを行った。
光拡散剤マスターバッチB:透光性樹脂Bを86.0質量部、光拡散剤Bを10.0質量部、紫外線吸収剤であるスミソーブ200(住友化学株式会社製)を2.0質量部、熱安定剤であるスミライザーGP(住友化学株式会社製)を2.0質量部ドライブレンドした後、このブレンド物を65mm2軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー内で溶融混合した後、ストランド状に押出してペレット化することにより得られたペレット状の光拡散剤マスターバッチB。なお、シリンダー内の温度は、ホッパーの下部:200℃から押出ダイ付近:250℃と下流に向けて徐々に高温になるように設定して押出しを行った。
<実施例1>
透光性樹脂A97.5質量部、光拡散剤マスターバッチB2.5質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。一方、透光性樹脂B67.8質量部、光拡散剤マスターバッチAを32.2質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。
前記第1押出機からフィードブロックに供給される樹脂が基材層となり、前記第2押出機からフィードブロックに供給される樹脂が背面層(背面側の表面)となるように押出樹脂温度250℃でマルチマニホールドダイより共押出成形を行い、ポリシングロールで挟圧と冷却を行うことによって、幅23.5cm、厚さ1.5mmの2層の積層板(基材層1.43mm、背面層0.07mm)からなる光拡散板(3)を作製した。
なお、前記成形時にポリシングロール3本のうちの中間ロールと下ロールのギャップを積層板の厚さ1.5mmよりも大きく設定しているので、樹脂中に添加された光拡散剤粒子の隆起が許容されて(平滑化されることがなく)、前記背面層の全面がマット面(6)に形成されている、即ち光拡散板(3)の一方の面(背面)(3a)の全面がマット面(6)に形成されている。このマット面(6)の算術平均粗さRaは1.10μmであり、マット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmは202μmであった。
また、ポリシングロール3本のうちの中間ロールの外周面に断面形状が半円形状である溝が多数本筋状に形成されているから、前記基材層の全面に断面形状が半円形状である略半円凸部(7)が多数個突設形成されている、即ち光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)の全面にシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)が多数個突設形成されている(図2、3参照)。前記略半円凸部(7)の高さ(H)は35.2μmであり、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は102.4μmであり、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)は0.34であった。
<実施例2>
透光性樹脂A97.5質量部、光拡散剤マスターバッチB2.5質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。一方、透光性樹脂B67.8質量部、光拡散剤マスターバッチAを32.2質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。
前記第1押出機からフィードブロックに供給される樹脂が基材層となり、前記第2押出機からフィードブロックに供給される樹脂が背面層(背面側の表面)となるように押出樹脂温度250℃でマルチマニホールドダイより共押出成形を行い、ポリシングロールで挟圧と冷却を行うことによって、幅22.8cm、厚さ1.49mmの2層の積層板(基材層1.42mm、背面層0.07mm)からなる光拡散板(3)を作製した。
なお、前記成形時にポリシングロール3本のうちの中間ロールと下ロールのギャップを積層板の厚さ1.49mmよりも大きく設定しているので、樹脂中に添加された光拡散剤粒子の隆起が許容されて(平滑化されることがなく)、前記背面層の全面がマット面(6)に形成されている、即ち光拡散板(3)の一方の面(背面)(3a)の全面がマット面(6)に形成されている。このマット面(6)の算術平均粗さRaは1.21μmであり、マット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmは210μmであった。
また、ポリシングロール3本のうちの中間ロールの外周面に断面形状が半円形状である溝が多数本筋状に形成されているから、前記基材層の全面に断面形状が半円形状である略半円凸部(7)が多数個突設形成されている、即ち光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)の全面にシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)が多数個突設形成されている(図2、3参照)。前記略半円凸部(7)の高さ(H)は43.8μmであり、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は149.6μmであり、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)は0.29であった。
<実施例3>
透光性樹脂A97.5質量部、光拡散剤マスターバッチB2.5質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。一方、透光性樹脂B67.8質量部、光拡散剤マスターバッチAを32.2質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。
前記第1押出機からフィードブロックに供給される樹脂が基材層となり、前記第2押出機からフィードブロックに供給される樹脂が背面層(背面側の表面)となるように押出樹脂温度250℃でマルチマニホールドダイより共押出成形を行い、ポリシングロールで挟圧と冷却を行うことによって、幅23.6cm、厚さ1.5mmの2層の積層板(基材層1.45mm、背面層0.05mm)からなる光拡散板(3)を作製した。
なお、前記成形時にポリシングロール3本のうちの中間ロールと下ロールのギャップを積層板の厚さ1.5mmよりも大きく設定しているので、樹脂中に添加された光拡散剤粒子の隆起が許容されて(平滑化されることがなく)、前記背面層の全面がマット面(6)に形成されている、即ち光拡散板(3)の一方の面(背面)(3a)の全面がマット面(6)に形成されている。このマット面(6)の算術平均粗さRaは1.22μmであり、マット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmは205μmであった。
また、ポリシングロール3本のうちの中間ロールの外周面に断面形状が半円形状である溝が多数本筋状に形成されているから、前記基材層の全面に断面形状が半円形状である略半円凸部(7)が多数個突設形成されている、即ち光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)の全面にシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)が多数個突設形成されている(図6参照)。なお、図6に示すように、隣り合う略半円凸部(7)間に平坦面部が形成されていない連続した形状になっている。前記略半円凸部(7)の高さ(H)は68.5μmであり、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は279.6μmであり、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)は0.24であった。
<比較例1>
透光性樹脂A97.5質量部、光拡散剤マスターバッチB2.5質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。一方、透光性樹脂Bをシリンダー内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。
前記第1押出機からフィードブロックに供給される樹脂が基材層となり、前記第2押出機からフィードブロックに供給される樹脂が背面層(背面側の表面)となるように押出樹脂温度250℃でマルチマニホールドダイより共押出成形を行い、ポリシングロールで挟圧と冷却を行うことによって、幅23.0cm、厚さ1.5mmの2層の積層板(基材層1.43mm、背面層0.07mm)からなる光拡散板(3)を作製した。
なお、前記成形時にポリシングロール3本のうちの中間ロールと下ロールのギャップを積層板の厚さ1.5mmよりも大きく設定しているが、第2押出機に供給される透光性樹脂Bは光拡散剤を含有していないので、光拡散剤粒子の隆起が起こらず、前記背面層の全面は略平滑面になっている、即ち光拡散板(3)の一方の面(背面)(3a)の全面が略平滑面になっている。即ち、前記光拡散板の背面(3a)は、算術平均粗さRaは0.13μmであり、凹凸の平均間隔Rsmは測定不可(Rsmが測定下限0.04μmよりも小さい)であった。
また、ポリシングロール3本のうちの中間ロールの外周面に断面形状が半円形状である溝が多数本筋状に形成されているから、前記基材層の全面に断面形状が半円形状である略半円凸部(7)が多数個突設形成されている、即ち光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)の全面にシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)が多数個突設形成されている(図2、3参照)。前記略半円凸部(7)の高さ(H)は37.4μmであり、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は102.8μmであり、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)は0.36であった。
<比較例2>
透光性樹脂A99.8質量部、光拡散剤B0.2質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。一方、透光性樹脂Bをシリンダー内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。
前記第1押出機からフィードブロックに供給される樹脂が基材層となり、前記第2押出機からフィードブロックに供給される樹脂が背面層(背面側の表面)となるように押出樹脂温度250℃でマルチマニホールドダイより共押出成形を行い、ポリシングロールで挟圧と冷却を行うことによって、幅22.8cm、厚さ1.5mmの2層の積層板(基材層1.42mm、背面層0.08mm)からなる光拡散板(3)を作製した。
なお、前記成形時にポリシングロール3本のうちの中間ロールと下ロールのギャップを積層板の厚さ1.5mmよりも大きく設定しているが、第2押出機に供給される透光性樹脂Bは光拡散剤を含有していないので、光拡散剤粒子の隆起が起こらず、前記背面層の全面は略平滑面になっている、即ち光拡散板(3)の一方の面(背面)(3a)の全面が略平滑面になっている。即ち、前記光拡散板の背面(3a)は、算術平均粗さRaは0.11μmであり、凹凸の平均間隔Rsmは測定不可(Rsmが測定下限0.04μmよりも小さい)であった。
また、ポリシングロール3本のうちの中間ロールの外周面に断面形状が半円形状である溝が多数本筋状に形成されているから、前記基材層の全面に断面形状が半円形状である略半円凸部(7)が多数個突設形成されている、即ち光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)の全面にシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)が多数個突設形成されている(図2、3参照)。前記略半円凸部(7)の高さ(H)は46.2μmであり、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は149.6μmであり、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)は0.31であった。
<比較例3>
透光性樹脂A99.8質量部、光拡散剤B0.2質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。一方、透光性樹脂Bをシリンダー内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。
前記第1押出機からフィードブロックに供給される樹脂が基材層となり、前記第2押出機からフィードブロックに供給される樹脂が背面層(背面側の表面)となるように押出樹脂温度250℃でマルチマニホールドダイより共押出成形を行い、ポリシングロールで挟圧と冷却を行うことによって、幅23.0cm、厚さ1.5mmの2層の積層板(基材層1.43mm、背面層0.07mm)からなる光拡散板(3)を作製した。
なお、前記成形時にポリシングロール3本のうちの中間ロールと下ロールのギャップを積層板の厚さ1.5mmよりも大きく設定しているが、第2押出機に供給される透光性樹脂Bは光拡散剤を含有していないので、光拡散剤粒子の隆起が起こらず、前記背面層の全面は略平滑面になっている、即ち光拡散板(3)の一方の面(背面)(3a)の全面が略平滑面になっている。即ち、前記光拡散板の背面(3a)は、算術平均粗さRaは0.06μmであり、凹凸の平均間隔Rsmは測定不可(Rsmが測定下限0.04μmよりも小さい)であった。
また、ポリシングロール3本全てがその外周面の表面は鏡面化されているので、光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)の全面が平滑面である。即ち、光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)には略半円凸部(7)は形成されていない。
<比較例4>
透光性樹脂A97.5質量部、光拡散剤マスターバッチB2.5質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。一方、透光性樹脂B67.8質量部、光拡散剤マスターバッチAを32.2質量部をドライブレンドした後、シリンダー内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練して、フィードブロックに供給する。
前記第1押出機からフィードブロックに供給される樹脂が基材層となり、前記第2押出機からフィードブロックに供給される樹脂が背面層(背面側の表面)となるように押出樹脂温度250℃でマルチマニホールドダイより共押出成形を行い、ポリシングロールで挟圧と冷却を行うことによって、幅23.2cm、厚さ1.5mmの2層の積層板(基材層1.43mm、背面層0.07mm)からなる光拡散板(3)を作製した。
なお、前記成形時にポリシングロール3本のうちの中間ロールと下ロールのギャップを積層板の厚さ1.5mmよりも大きく設定しているので、樹脂中に添加された光拡散剤粒子の隆起が許容されて(平滑化されることがなく)、前記背面層の全面がマット面(6)に形成されている、即ち光拡散板(3)の一方の面(背面)(3a)の全面がマット面(6)に形成されている。このマット面(6)の算術平均粗さRaは1.23μmであり、マット面(6)の凹凸の平均間隔Rsmは201μmであった。
また、ポリシングロール3本のうちの中間ロールの外周面に断面形状が半円形状である溝が多数本筋状に形成されているから、前記基材層の全面に断面形状が半円形状である略半円凸部(7)が多数個突設形成されている、即ち光拡散板(3)の他方の面(前面)(3b)の全面にシリンドリカルレンズ形状の凸条部(8)が多数個突設形成されている(図2、3参照)。前記略半円凸部(7)の高さ(H)は10.0μmであり、隣り合う略半円凸部(7)同士のピッチ間隔(P)は62.8μmであり、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)は0.16であった。
上記のようにして作製された各光拡散板について下記評価法に従い評価を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004933322
<全光線透過率測定法>
JIS K7361−1(1997年)に準拠して、透過率計(村上色彩技術研究所製「HR−100」)を用いて、光拡散板の全光線透過率(%)を測定した。なお、測定時、光拡散板の略半円凸部が形成された前面側を積分球側に向けると共に、ピッチ間隔方向を左右側に向けて測定を行った。
<輝度均一度評価法>
市販の20インチ型の液晶テレビから液晶パネル、各種光学フィルム及び光拡散板を取り外した後、ポリカーボネート製ランプボックス(内部に複数本の蛍光管が相互に離間して配置されている)の縁枠部の前面に当接した状態に上記作製された光拡散板(実施例品・比較例品)を配置固定せしめてランプボックスの開放面を塞いだ。しかる後、この光拡散板をセットした状態でその輝度を輝度測定計(株式会社アイ・システム製「Eye Scale−3WS」)を用いて測定した。輝度最小値を「C1」とし輝度最大値を「C2」としたとき、
輝度均一度(%)=(C1/C2)×100
上記式で求められる値を輝度均一度(%)とした。
なお、前記輝度測定は、次のようにして行った。即ち、恒温恒湿(温度25.0℃、湿度50.0%)の暗室内の床面上に液晶テレビをその前面側を上面にして(背面が床面に当接するように)配置し、液晶テレビの前面の全面が写り込むように液晶テレビの上方位置にカメラを下向きに向けて配置した。この時、液晶テレビの前面からカメラまでの距離を65.0cmとし、輝度測定計の測定条件をSPEED:1/500、GAIN:1、絞り:16に設定して、液晶テレビの前面の中央部を中心とした60mm×60mmの範囲を測定スポットに指定して各測定スポットでの輝度を測定し、これら測定値のうちの輝度最小値と輝度最大値から輝度均一度(%)を求めた。
前記市販の20インチ型の液晶テレビは、光源数が12本、隣り合う光源同士の間隔(L)が26.0mm、光源の直径が4.0mm、光拡散板と光源との距離(d)が12.0mm、光源と反射板(ランプボックス底面)との距離(f)が1.0mmであった(図1参照)。
<光拡散板の拡散率Dの測定法>
自動変角光度計(村上色彩技術研究所製「GP230」)を用いて光拡散板(実施例品・比較例品)に指定角度で光を入射させた場合に透過光の強度分布がどのように変化するのかを測定して拡散率D(%)を求めた。光拡散板の背面を光源(出射光)側に向け、光拡散板の前面を積分球側に向け、略円形凸部のピッチ(間隔)方向を左右側に配置して測定を行った。測定条件は、光束絞り:1.7mmφ、出射光の強度と受光の感度は一定の状態とし、光の入射角度を0度とした。
<不快音発生(音鳴り)防止性評価法>
前記輝度均一度評価法で用いたのと同一の市販の20インチ型の液晶テレビの液晶パネル及び光拡散板を取り外した後、ポリカーボネート製ランプボックス(内部に複数本の蛍光管が相互に離間して配置されている)の縁枠部の前面に当接した状態に上記作製された光拡散板(実施例品・比較例品)を配置固定せしめてランプボックスの開放面を塞いだ。しかる後、このランプボックスに液晶パネルを再セットして液晶テレビを再構成し、この液晶テレビを両手で把持して通常の垂直支持状態を維持しつつ1分間で180回程度前後方向に揺さぶり、不快音の発生の有無を調べた。不快音の発生のなかったものを「○」とし、不快音の発生が若干あったものを「△」とし、不快音の発生が顕著に多くあったものを「×」とした。
<算術平均粗さRa測定法>
JIS B0601−2001に準拠して算術平均粗さRaを測定した。即ち、表面粗さ計(Mitutoyo製「SJ−201P」)を用いて光拡散板のマット面の算術平均粗さRaを測定した。表面粗さ計の測定条件は、カットオフ値:2.5×5、測定レンジ:オートに設定した。
<凹凸の平均間隔Rsm測定法>
JIS B0601−2001に準拠して凹凸の平均間隔Rsmを測定した。即ち、表面粗さ計(Mitutoyo製「SJ−201P」)を用いて光拡散板のマット面の凹凸の平均間隔Rsmを測定した。表面粗さ計の測定条件は、カットオフ値:2.5×5、測定レンジ:オートに設定した。
表から明らかなように、この発明の実施例1〜3の光拡散板を用いて構成された面光源装置及び液晶表示装置は、不快音の発生を十分に抑制することができた。
これに対し、この発明の範囲を逸脱する比較例1〜3では、不快音の発生を防止することができなかった。また、H/Pがこの発明の規定範囲を下回る比較例4では、輝度ムラ抑制効果が十分ではなかった。
この発明の光拡散板は、面光源装置用の光拡散板として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。また、この発明の面光源装置は、液晶表示装置用のバックライトとして好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
この発明に係る液晶表示装置の一実施形態を示す模式図である。 この発明に係る光拡散板の一実施形態を示す模式的斜視図である。 図2の光拡散板の模式的断面図である。 この発明の光拡散板の他の実施形態を示す模式的断面図である。 この発明の光拡散板のさらに他の実施形態を示す模式的断面図である。 この発明の光拡散板のさらに他の実施形態を示す模式的断面図である。 この発明の光拡散板のさらに他の実施形態を示す模式的断面図である。
符号の説明
1…面光源装置
2…光源
3…光拡散板
3a…背面(一方の面)
3b…前面(他方の面)
5…ランプボックス
6…マット面
7…略半円凸部
8…シリンドリカルレンズ(凸条部)
10…液晶パネル
20…液晶表示装置
31…縁枠部(側面板)
31a…前面(側面板の前面側端面)
H…略半円凸部の高さ
P…隣り合う略半円凸部のピッチ間隔

Claims (7)

  1. 前面側が開放された樹脂製のランプボックス内に複数の光源が相互に離間して配置されると共に樹脂製の光拡散板が前記ランプボックスの縁枠部の前面に当接した状態で該ランプボックスの開放面を塞ぐように配置されてなる面光源装置であって、
    前記光拡散板の背面における少なくとも前記縁枠部前面に当接する部分がマット面に形成され、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
    前記光拡散板の前面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする面光源装置。
  2. 前面側が開放された樹脂製のランプボックス内に複数の光源が相互に離間して配置されると共に樹脂製の光拡散板が前記ランプボックスの縁枠部の前面に当接した状態で該ランプボックスの開放面を塞ぐように配置されてなる面光源装置であって、
    前記光拡散板の背面の全面がマット面に形成され、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
    前記光拡散板の前面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする面光源装置。
  3. 前記略半円凸部はシリンドリカルレンズ形状の凸条部からなり、前記光源は線状光源からなり、前記シリンドリカルレンズ形状の凸条部の長さ方向と前記線状光源の長さ方向とが略一致するように構成されている請求項1または2に記載の面光源装置。
  4. 前記光拡散板の全光線透過率が55〜85%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の面光源装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の面光源装置と、該面光源装置の前面側に配置された液晶パネルとを備えることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 一方の面の少なくとも周縁部がマット面に形成されてなる樹脂製の光透過板からなり、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
    前記光透過板の他方の面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする光拡散板。
  7. 一方の面の全面がマット面に形成されてなる樹脂製の光透過板からなり、前記マット面の算術平均粗さRaが0.8〜15μmであり、前記マット面の凹凸の平均間隔Rsmが100〜300μmであり、
    前記光透過板の他方の面に断面形状が略半円形状である略半円凸部が複数個突設され、隣り合う略半円凸部同士のピッチ間隔Pが10〜500μmに設定され、前記略半円凸部の高さHが3〜500μmに設定され、前記ピッチ間隔に対する高さの比率(H/P)が0.2〜0.8であることを特徴とする光拡散板。
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