JP4931988B2 - トナーおよびトナーの製造方法 - Google Patents

トナーおよびトナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に好適に使用できるトナーおよびトナーの製造方法に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、たとえば帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電および定着の各工程を経ることにより画像が形成される。帯電工程で、回転駆動される感光体の表面を帯電装置によって均一に帯電し、露光工程で、帯電した感光体表面に露光装置によってレーザ光が照射され、感光体表面に静電潜像が形成される。次に現像工程で、感光体表面の静電潜像が現像装置によって現像剤を用いて現像されて感光体表面にトナー像が形成され、転写工程で、感光体表面のトナー像が転写装置によって転写材上に転写される。その後、定着工程で、定着装置で加熱されることによって、トナー像が転写材上に定着される。また、画像形成動作後に感光体表面上に残留した転写残留トナーは、クリーニング工程で、クリーニング装置により除去されて所定の回収部に回収され、除電工程で、クリーニング後の感光体表面における残留電荷が、次の画像形成に備えるために、除電装置により除電される。
感光体表面の静電潜像を現像する現像剤としては、たとえばトナーのみからなる1成分現像剤と、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤とを挙げることができる。
このような画像形成装置において、省エネを達成することができる低温定着を実現するため、たとえば特許文献1には、エポキシ樹脂にロジンがグラフトされた樹脂と、結着樹脂とを含有するトナーが開示されている。
また、特許文献2には、精製ロジンを含有するポリエステル樹脂と、ポリオレフィン樹脂にスチレンやアクリルモノマーからなるビニル系樹脂をグラフトしたグラフト重合体とを含有するトナーが開示されている。
特開2006−292820号公報 特開2008−20631号公報
しかしながら、特許文献1に開示のトナーは、樹脂中にフレキシブルな成分を含まないために、離型剤の分散性が低下するという問題がある。離型剤の分散性が低下すると、離型剤がトナー粒子表面に露出し易くなり、高温下でトナー粒子同士が凝集しやすくなる。
また、特許文献2に示すトナーでは、樹脂中にグラフト重合体を含有することによって、顔料および離型剤の分散性を向上させることができるが、ポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂との反応性が低いため、充分な量のグラフト重合体をトナー中に含有させることができず、顔料および離型剤のトナー中での分散性が不充分となる。そのため、色再現性が低下し、高温化でトナー粒子同士が凝集しやすくなるという問題がある。
本発明の目的は、顔料および離型剤のトナー中での分散性が良好で、低温定着性に優れるトナーおよびトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、結着樹脂、顔料および離型剤を含むトナーにおいて、
結着樹脂は、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を含むことを特徴とするトナーである。
また本発明は、前記ビニル系樹脂は、グリシジル基を有するアクリルエステルモノマーからなるモノマー単位を含むことを特徴とする。
また本発明は、前記グラフト重合体が、分子間架橋されていることを特徴とする。
また本発明は、前記離型剤が、合成炭化水素系ワックスであることを特徴とする。
また本発明は、前記離型剤は、融点が80℃以上110℃以下であることを特徴とする。
また本発明は、結着樹脂、顔料および離型剤を含むトナーの製造方法において、
ビニル系樹脂と、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンと、不飽和脂肪酸とを混合して加熱することによって、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を得るグラフト重合体作製工程と、
前記グラフト重合体と顔料と離型剤との混合物を加熱しながら混練する混練工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、前記混練工程で、前記混合物に多塩基酸を添加して加熱しながら混練し、前記グラフト重合体を分子間架橋させることを特徴とする。
本発明によれば、トナーは、結着樹脂、顔料および離型剤を含み、結着樹脂は、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を含む。結着樹脂が、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を含むことによって、剛直な平面構造を有するアビエチン酸類によって顔料のトナー中での分散性が向上し、フレキシブルな不飽和脂肪酸によって離型剤のトナー中での分散性が向上するので、顔料および離型剤の分散性を良好にすることができ、色再現性およびトナー耐久性に優れるトナーとすることができる。また、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体は、適度な分子量を有するため、優れた低温定着性を有するトナーとすることができる。
また本発明によれば、ビニル系樹脂は、グリシジル基を有するアクリルエステルモノマーからなるモノマー単位を含む。ビニル系樹脂が、グリシジル基を有するアクリルエステルモノマーからなるモノマー単位を含むことによって、比較的低温でビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせることができ、得られるグラフト重合体の分子量を容易に調整することができる。
また本発明によれば、グラフト重合体が分子間架橋されている。これによって、定着時に、高温でトナーの粘度が低下することを抑制することができるので、より広い定着非オフセット域を確保することができ、耐オフセット性を向上させることができる。
また本発明によれば、離型剤は、合成炭化水素系ワックスである。合成炭化水素系ワックスは低分子量成分が少ないので、離型剤が合成炭化水素系ワックスであることによって、揮発性有機化合物の発生を抑制することができる。また、離型性が高く、定着ローラなどの部材への付着を抑制することができる。
また本発明によれば、離型剤は、融点が80℃以上110℃以下である。これによって、高温下におけるトナー粒子同士の凝集を抑制することができ、トナー耐久性を向上させることができるとともに、優れた低温定着性を有することができる。
また本発明によれば、トナーの製造方法は、グラフト重合体作製工程と混練工程とを含む。グラフト重合体作製工程では、ビニル系樹脂と、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンと、不飽和脂肪酸とを混合して加熱することによって、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を得る。混練工程では、グラフト重合体と顔料と離型剤との混合物を加熱しながら混練する。これによって、結着樹脂が、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を含むトナーを得ることができる。
また本発明によれば、混練工程で、前記混合物に多塩基酸を添加して加熱しながら混練し、前記グラフト重合体を分子間架橋させる。アビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせる前にビニル系樹脂の分子間架橋を行うと、ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とが充分にグラフトされず、顔料および離型剤の分散性が低下する。混練工程で、グラフト重合体を分子間架橋させることによって、顔料および離型剤の良好な分散性を維持しつつ、定着非オフセット域の広いトナーとすることができる。
1、トナー
本発明の実施の一形態であるトナーは、結着樹脂、顔料および離型剤を含み、結着樹脂は、ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせたグラフト重合体を含む。
<結着樹脂>
(グラフト重合体)
グラフト重合体を構成するビニル系樹脂としては、たとえばスチレン系単量体と、(メタ)アクリル酸エステル系単量体またはその他の単量体との重合体を挙げることができる。スチレン系単量体としては、スチレンおよびスチレン置換体が挙げられる。スチレンおよびスチレン置換体としては、スチレン、アルキルスチレン(たとえば、αーメチルスチレン、p-メチルスチレン)などが挙げられるが、スチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキルエステル類、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート、アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリル化合物、ならびに(メタ)アクリル酸グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有(メタ)アクリル化合物などが挙げられる。
これらのうち、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル基含有(メタ)アクリル化合物およびそれらの2種以上の混合物が好ましい。グリシジル基含有(メタ)アクリル化合物としては、グリシジルメタクリレートが挙げられ、グリシジルメタクリレートがより好ましい。
スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外のその他の単量体としては、ビニルエステル、芳香族ビニル単量体および脂肪族炭化水素系ビニル単量体などを挙げることができる。ビニルエステルとしては、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルが挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、ビニルベンゼンおよびジビニルベンゼンが挙げられる。脂肪族炭化水素系ビニル単量体としては、ノルマルブチルアクリレートおよびブタジエンなどが挙げられる。
本実施形態において、前記ビニル系樹脂に重合させるアビエチン酸類としては、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸などを挙げることができる。このアビエチン酸類は、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンに含まれるアビエチン酸類である。以下では、精製ロジン、水添ロジンおよび不均化ロジンを総称して「ロジン」という。
精製ロジンは、マツ科の植物の樹液である松脂を蒸留精製して得られる天然樹脂であり、主成分としてアビエチン酸を含み、その他、ピマル酸およびデヒドロアビエチン酸などの樹脂酸を含む混合物である。
水添ロジンとは、主成分としてアビエチン酸を含む精製ロジンに対して、触媒の存在化で水素を添加することによって得られるロジンであり、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸を含む。また不均化ロジンとは、主成分としてアビエチン酸を含む精製ロジンを中温で加熱する、または高温下に酸触媒の存在下で反応させ、反応物をけん化することによって得られるロジンであり、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸を含む。アビエチン酸類が、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンに含まれるアビエチン酸類であることによって、耐熱性や耐光性が向上するので、後述するトナーの製造方法におけるトナー原料の混練時に、樹脂の熱劣化などによる着色を抑制することができる。
ロジンの軟化点は、50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましく、65〜85℃がさらに好ましい。ロジンの軟化点とは、ロジンを一度溶融させ、温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させた際に測定される軟化点を意味する。
ロジンの酸価は、100〜200mgKOH/gが好ましく、130〜180mgKOH/gがより好ましく、150〜170mgKOH/gがさらに好ましい。
前記ビニル系樹脂に重合させる不飽和脂肪酸としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸およびリシノール酸などが挙げられる。また、亜麻仁油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、米糠油脂肪酸、胡麻油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、綿実油脂肪酸およびトール油脂肪酸などのような非共役二重結合をもつ乾性油または半乾性の油脂肪酸などを用いることもでき、これらの乾性油または半乾性油脂肪酸には、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸またはリシノール酸などの不飽和脂肪酸類が含まれる。脂肪酸基の平均炭素数は12〜22の高級脂肪酸が好ましい。
ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせたグラフト重合体の重量平均分子量(Mw)は、3000以上90000以下が好ましく、5000以上35000以下がより好ましく、7000以上25000以下がさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)が3000未満であると、グラフト重合体の立体構造の安定性が低下し、顔料の分散性が低下するとともに、定着後の画像の耐久性が低下する。さらに、グラフト重合体の重量平均分子量(Mw)が3000未満であると、広い定着非オフセット域を確保するために他の樹脂と併用して用いる必要がある。また、重量平均分子量(Mw)が90000を超えると、アビエチン酸類に吸着した顔料同士で凝集が起こり、トナー中での顔料の分散性が低下するおそれがある。
前記グラフト重合体の数平均分子量(Mn)は、2000以上20000以下が好ましい。
前記グラフト重合体の軟化点は、90〜150℃が好ましく、100〜120℃がより好ましい。また、ビニル系樹脂のガラス転移点(Tg)は、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。ガラス転移点(Tg)が40℃未満であると、トナーの保存性が低下し、ガラス転移点(Tg)が80℃を越えると、定着下限温度が高くなり、低温定着性が低下する。
また、前記グラフト重合体は、トナー中で分子間架橋されていることが好ましい。これによって、定着時に、高温でトナーの粘度が低下することを抑制することができるので、より広い定着非オフセット域を確保することができ、耐オフセット性を向上させることができる。
モノマー単位としてグリシジル基含有(メタ)アクリルモノマーを含むビニル系樹脂から合成されるグラフト重合体を分子間架橋させる場合、前記グラフト重合体のエポキシ当量は、500以上2000以下が好ましい。これによって、トナー中でグラフト重合体を充分に分子間架橋させることができる。
以上のように、本実施形態のトナーは、結着樹脂としてビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせたグラフト重合体を含む。
スチレンやアクリル酸エステルを共重合したビニル系樹脂は、極性基や架橋成分の導入などの設計の自由度が非常に広いために、トナー用の結着樹脂として広く用いられてきた樹脂である。しかしながら、ビニル系樹脂は主鎖がC−C結合の単結合であるため一般的に脆く、定着後の画像の耐久性が低いという問題がある。定着後の画像の耐久性は、ビニル系樹脂の分子量を大きくしたり、ビニル系樹脂に架橋成分を導入することで補うことができるが、分子量を大きくしたり、架橋成分を多くするほど、顔料および離型剤のトナー中での分散性が低下する。顔料のトナー中での分散性が低いと、色再現性が低下し、離型剤のトナー中での分散性が低いと、トナー粒子表面に離型剤が露出し易くなるので、高温下でトナー粒子同士が凝集し、トナー耐久性が低下する。
これに対して、ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせることによって、前述のような適度な分子量を有するグラフト重合体とすることができる。そのため、結着樹脂がこのようなグラフト重合体を含むことによって、定着後の画像の耐久性を良好にすることができる。またそれとともに、剛直な平面構造を有するアビエチン酸類によって離型剤および顔料のトナー中での分散性、特に顔料のトナー中での分散性が向上し、フレキシブルな不飽和脂肪酸によって離型剤のトナー中での分散性が向上するので、顔料および離型剤の分散性を良好にすることができ、色再現性およびトナー耐久性に優れるトナーとすることができる。なお、不飽和脂肪酸は、疎水性が高く、後述するトナーの製造の際の混練において、顔料の濡れ性を向上させることができるので、顔料の分散性も向上させることができるが、ビニル系樹脂に不飽和脂肪酸のみをグラフトさせるだけでは、顔料の分散性は不充分である。
また、仮にビニル系樹脂にアビエチン酸類のみをグラフトさせた重合体では分子量が不充分であるため、低温定着性は向上させることができるが、広い定着非オフセット域を確保することはできない。ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせたグラフト重合体を用いることによって、低温定着性に優れ、かつ定着非オフセット域の広いトナーとすることができる。
また、ロジンおよび不飽和脂肪酸は天然素材であるため、トナー原料としてロジンに含まれるアビエチン酸類および不飽和脂肪酸を用いることによって、石油由来の原料を用いる場合よりも二酸化炭素の排出量を削減できる。
前記グラフト重合体は、上記のように分子量が適度であるため、前記グラフト重合体のみを単独で結着樹脂として用いることができるが、他の樹脂と併用してもよい。他の結着樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に制限されず、たとえば、スチレン、パラクロロスチレンおよびα−メチルスチレンなどのスチレン類と、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルなどアクリル系単量体と、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリルおよびメタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル系単量体と、アクリル酸、メタクリル酸およびスチレンスルホン酸ナトリウムなどのエチレン性不飽和酸単量体と、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのビニルニトリル類と、ビニルメチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類と、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類との化合物、ポリエステル樹脂、ならびにポリウレタン樹脂が挙げられる。
<顔料>
顔料としては、有機系および無機系を問わず、様々な種類および様々な色の顔料を用いることが可能である。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCGおよびタートラジンレーキなどの着色剤が挙げられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジGおよびインダスレンブリリアントオレンジGKなどの着色剤が挙げられる。
赤色顔料としては、キナクリドン、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキおよびブリリアントカーミン3Bなどの着色剤が挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットBおよびメチルバイオレットレーキなどの着色剤が挙げられる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルーおよびインダスレンブルーBCなどの着色剤が挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキおよびファイナルイエローグリーンGなどの着色剤が挙げられる。
これらのうち、有機系のカラー顔料は着色力が高いために好ましく、さらにキナクリドン顔料は、耐熱性が高く色再現性も高いために好ましい。
有機顔料は、1次粒子が集まった2次粒子を形成しており、これを機械的シェアにより分散することで色再現性を発現させているが、2次粒子は強固に凝集しており、機械的シェアだけでトナー中への分散性を向上させるには限界がある。特にキナクリドン顔料は、トナー中への分散性が悪い。これに対して、本実施形態では、結着樹脂がビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせたグラフト重合体を含み、剛直な平面構造を有するアビエチン酸類と、芳香環の結晶構造をしている有機顔料とが互いに吸着しやすいので、有機顔料の分散性を向上させることができる。
顔料のトナー中における含有量は、トナーに対して3〜8重量%が好ましく、4〜6重量%がより好ましい。
顔料は、トナー中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いられてもよい。マスターバッチを作製する際に用いる樹脂には、前記グラフト重合体を用いることが好ましい。
<離型剤>
離型剤としては、公知の離型剤を用いることができるが、合成炭化水素系ワックスを用いることが好ましい。合成炭化水素系ワックスは、低分子量成分が少なく、揮発性有機化合物の発生が少ないので好ましい。また、離型性が高く、定着ローラなどの部材の汚れが少ないので、好適に用いられる。
合成炭化水素系ワックスは、極性が低いために樹脂中への分散性が低く、特に低温定着を実現するためにトナー中に多量に含有させた場合には、合成炭化水素系ワックスが表面に露出しやすく、トナー耐久性が低下していた。しかしながら、本実施形態では、結着樹脂がビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせたグラフト重合体を含み、不飽和脂肪酸は極性が低くフレキシブルで、合成炭化水素系ワックスと馴染みやすいので、合成炭化水素系ワックスの分散性を向上することができる。
合成炭化水素系ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックス、フィッシャートロプッシュワックスが挙げられる。
離型剤の融点は、80℃以上110℃以下が好ましく、85〜100℃がより好ましい。離型剤の融点が80℃未満であると、高温下でトナー粒子同士の凝集が発生し、トナー耐久性が低下するおそれがある。離型剤の融点が110℃を超えると、低温定着性が低下するおそれがある。
離型剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
本実施形態のトナーは、結着樹脂、顔料および離型剤以外にも、磁性粉および帯電制御剤を含んでもよい。
<磁性粉>
磁性粉としては、マグネタイト、γ−ヘマタイトおよび各種フェライトなどの磁性体が挙げられる。
<帯電制御剤>
帯電制御剤としては、負帯電トナー用の帯電制御剤および正帯電トナー用の帯電制御剤が挙げられる。
負帯電トナー用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料と、鉄アゾ錯体染料と、コバルトアゾ錯体染料と、サリチル酸と、サリチル酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体、及びホウ素錯体と、サリチル酸塩化合物と、ナフトール酸と、ナフトール酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウムおよびホウ素錯体と、ナフトール酸塩化合物と、ベンジル酸と、ベンジル酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウムおよびホウ素錯体と、ベンジル酸塩化合物と、長鎖アルキルカルボン酸塩と、長鎖アルキルスルホン酸塩などの界面活性剤が挙げられる。
正帯電トナー用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、ニグロシン染料誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩などの誘導体が挙げられる。
帯電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
<外添剤>
本実施形態のトナーの表面には、トナーの流動性を調整し、感光体上へのフィルミングを防止し、感光体ドラム上の残留トナーのクリーニング性を向上させるために各種の外添剤を外添させてもよい。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫および酸化亜鉛などの無機酸化物と、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびスチレンなどの化合物の単独または共重合体樹脂微粒子と、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、およびステアリン酸など高級脂肪酸ならびにその高級脂肪酸の金属塩と、カーボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素および窒化ホウ素などの薬剤が挙げられる。外添剤は、シランカップリング剤やシリコーンオイルなどで疎水化処理されていてもよい。
外添剤の添加量は、未外添のトナー100重量部に対して、それぞれ0.5〜5重量部が好ましい。
トナーの体積平均粒子径は、5.0μm以上8.0μm以下が好ましく、トナーの変動係数は、15以上25以下が好ましい。
2、トナーの製造方法
本実施形態のトナーの製造方法は、グラフト重合体作製工程と、混合工程と、混練工程と、粉砕工程と、外添工程とを含む。
グラフト重合体作製工程では、ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とがグラフトされたグラフト重合体を得る。
グラフト重合体作製工程では、まず、前述したビニル系樹脂のモノマー単位を重合させてビニル系樹脂を合成する。重合反応は通常、窒素等の不活性気体の雰囲気下で行われる。重合温度は通常50〜200℃、好ましくは100〜150℃である。反応時間は他の条件に左右されるが、通常1〜10時間、好ましくは2〜8時間である。反応時間が1時間より短いと反応のコントロールが難しく、8時間を越えると経済的に不利である。重合時に溶剤を使用した場合は、反応後に脱溶剤処理を行う。
重合溶剤としては、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルムおよびエチレンジクロライドなどのハロゲン化物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびにジメチルホルムアミドなどの不活性な溶剤が挙げられる。
このようなビニル系樹脂の合成には、ラジカル重合性の開始剤が必要である。開始剤としては、たとえば亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩類、商品名がV−60、V−65、VA−601、VA−501(和光純薬工業株式会社製)のアゾ系類、商品名がカヤエステルO、カヤブチルB、ラウロックス(化薬アクゾ株式会社製)の有機過酸化物などが挙げられる。これらの開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。
開始剤の添加量は、ビニル系樹脂原料100重量部に対して0.1重量部以上5重量部以下が好ましい。開始剤は、重合反応の途中に数回に分けて添加してもよい。
このようにして合成したビニル系樹脂にロジン(精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジン)および不飽和脂肪酸を混合し加熱することで、付加および縮合反応によってアビエチン酸類および不飽和脂肪酸をグラフトさせて、グラフト重合体を得ることができる。この際、ビニル系樹脂がモノマー単位としてはグリシジル基含有(メタ)アクリルモノマーを含むと、比較的低温でビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせることができるので、得られるグラフト重合体の分子量を容易に調整することができる。
ビニル系樹脂に対するアビエチン酸類および不飽和脂肪酸のグラフト化の程度は、ロジンおよび不飽和脂肪酸の酸価によって適宜調整することができる。前述した範囲の酸価を有するロジンおよび不飽和脂肪酸を用いることによって、適度にグラフト化されたグラフト重合体を得ることができる。
ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせる際の加熱温度は、樹脂の種類などを考慮して適宜調整する。グラフト反応の終点は、残存酸価によって管理し、たとえば残存酸価が5mgKOH/g以下となった時点で、反応を終了させる。
ロジンの添加量は、ビニル系樹脂100重量部に対して10重量部以上50重量部以下が好ましく、不飽和脂肪酸の添加量は、ビニル系樹脂100重量部に対して5重量部以上25重量部以下が好ましい。
ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせる際、反応条件をよりマイルドにするために触媒を用いることが出来る。触媒としては、ジメチルベンジルアミンなどの3級アミン化合物、およびジブチルスズオキサイドなどの金属化合物などが挙げられる。
触媒の添加量は、グラフト重合体原料100重量部に対して0.1重量部以上1.0重量部以下が好ましい。
混合工程では、結着樹脂、顔料、離型剤および帯電制御剤などの原料を、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル、Q型ミキサなどの気流混合機により混合し、トナー混合物を得る。
混練工程では、エクストルーダーなどの溶融混練機により前記トナー混合物を120℃以上160℃以下の温度にて溶融混練し、トナー混練物を得る。エクストルーダーにおいて、シリンダー設定温度は100℃以上150℃以下が好ましく、バレル回転数は100rpm以上350rpm以下が好ましく、原料供給速度は20kg/h以上150kg/h以下が好ましい。
混練工程では、トナー混合物とともに多塩基酸を混合し、加熱しながら混練してグラフト重合体を分子間架橋させることが好ましい。
結着樹脂中に架橋成分が多いと、顔料および離型剤が均一に混ざりにくくなり、分散性が低下する。また、アビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせる前にビニル系樹脂の分子間架橋を行うと、ビニル系樹脂にアビエチン酸類と不飽和脂肪酸とが充分にグラフトされず、顔料および離型剤の分散性が低下する。混練工程で、アビエチン酸類と不飽和脂肪酸とをグラフトさせたグラフト重合体を分子間架橋させることによって、顔料および離型剤の良好な分散性を維持しつつ、定着非オフセット域の広いトナーとすることができる。
多塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸およびナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸およびアジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
グラフト重合体を分子間架橋させる場合は、混練時の温度を130℃以上180℃以下とすることが好ましい。
粉砕工程では、トナー混練物を冷却固化し、固化物を機械式粉砕機や流動床式(カウンタージェット式)粉砕機により粉砕して樹脂組成物の粉砕物を得る。その後、樹脂組成物の粉砕物を分級することによって、未外添トナーを得ることができる。
外添工程では、未外添トナーと前記外添剤とを、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル、Q型ミキサなどの気流混合機で混合することによって、本実施形態のトナーを得ることができる。
このようにして作製された本実施形態のトナーは、コピー装置およびプリンタ装置等の画像形成装置にてコピー用紙等のシート上に画像を形成すべく用いられる。
本実施形態のトナーを使用した画像形成装置では、シート上に画像を形成する場合に、感光体ドラムを均一に帯電させ、帯電させた感光体ドラム上に形成すべき画像に基づく光像を走査して静電潜像を形成し、形成した静電潜像に、本発明のトナーを付着させることで可視画像化させる現像を行い、得られた可視画像をシート上に転写し、そして転写したトナーをシートに定着させることにより画像を形成する。
(トナーの体積平均粒径)
トナーの体積平均粒径は、コールターマルチタイザーII(コールター社製)を用い、100μmアパーチャを用いて測定した。
(ビニル系樹脂の重量平均分子量(Mw))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、試料のポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。使用装置および条件は次のとおりである。なお分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
装置:SYSTEM−11(商品名、昭和電工株式会社製)
カラム:TSKgelαMXL(商品名、東ソー株式会社製)3本
測定温度:40℃
試料溶液:試料の0.10%テトラヒドロフラン溶液
注入量:100mL
検出器:屈折率検出器
(ビニル系樹脂の軟化点)
ビニル系樹脂の軟化点は、高化式フローテスター(商品名:CFT−500D、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。試料1gに対し、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出されるようにプランジャーで1.96MPaの荷重を与えながら、昇温速度毎分6℃で試料を加熱し、フローテスターのプランジャー降下量(流れ量)−温度曲線を求めた。得られたS字曲線の高さをhとし、ノズルから試料が半分流出したときの温度として、hの2分の1(h/2)に対応する温度を求め、この温度を軟化点とした。
(ロジンおよび不飽和脂肪酸の酸価)
試料1gをテトラヒドロフランに溶解し、滴定液に0.1N(0.1モル/L)水酸化カリウム(化学式:KOH)エタノール溶液を用いて、自動滴定装置(商品名:AT−510、京都電子工業株式会社製)によって電位差滴定を行なった。この電位差滴定において、中和するために使用した水酸化カリウムのmg数を、酸価として固形分換算することで、試料の酸価を算出した。
(離型剤のガラス転移温度)
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K 7121−1987に準じて、試料(カルボキシル基含有樹脂または水溶性樹脂)1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
(離型剤の融点)
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で150℃まで昇温させ、次いで150℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を求めた。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度を試料の融点として求めた。
各種条件を変えて作製した本発明の実施例のトナーおよび比較例のトナーについて記載する。
まず、グラフト重合体1〜8を以下のように作製した。
[グラフト重合体1]
撹拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備える300ml容のセパラブルフラスコにキシレンを100重量部投入した。窒素雰囲気下で加熱し、セパラブルフラスコの内部空間の温度を110℃に保ちながら、下記に示す原料を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 48重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジルメタクリレート 40重量部
開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製) 3重量部
その後、反応液に開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製)を0.1重量部添加し、さらに5時間反応させた。引き続き、酸価160mgKOH/gの水添ロジン(商品名:ハイペール、荒川化学工業株式会社製)30.4gと、酸価202mgKOH/gのオレイン酸(商品名:エキストラオレイン、日油社製)12.8gと、ジメチルベンジルアミン(触媒)0.5gとを加え、3時間反応させて残存酸価が5mgKOH/g以下であることを確認してから、セパラブルフラスコの内部空間の温度を80℃まで低下させた。その後、真空ポンプにて150mmHgに減圧し、脱溶剤処理を2時間行うことによって、グラフト重合体1を得た。得られたグラフト重合体1の数平均分子量(Mn)は4900であり、重量平均分子量(Mw)は9900であり、ガラス転移点は61℃であり、軟化点は114℃である。
[グラフト重合体2]
撹拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備える300ml容のセパラブルフラスコにキシレンを100重量部投入した。窒素雰囲気下で加熱し、セパラブルフラスコの内部空間の温度を85℃に保ちながら、下記に示す原料を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 47.5重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジルメタクリレート 40重量部
ジビニルベンゼン 0.5重量部
開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製) 1.5重量部
その後、反応液に開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製)を0.1重量部添加し、さらに5時間反応させた。引き続き、酸価155mgKOH/gの不均化ロジン(商品名:ロンジスR、荒川化学工業株式会社製)29.5gと、酸価202mgKOH/gのオレイン酸(商品名:エキストラオレイン、日油社製)12.8gと、ジメチルベンジルアミン(触媒)0.5gとを加え、3時間反応させて残存酸価が5mgKOH/g以下であることを確認してから、セパラブルフラスコの内部空間の温度を80℃まで低下させた。その後、真空ポンプにて150mmHgに減圧し、脱溶剤処理を3時間行うことによって、グラフト重合体2を得た。得られたグラフト重合体2の数平均分子量(Mn)は10900であり、重量平均分子量(Mw)は78700であり、ガラス転移点は63℃であり、軟化点は137℃である。
[グラフト重合体3]
撹拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備える300ml容のセパラブルフラスコにキシレンを100重量部投入した。窒素雰囲気下で加熱し、セパラブルフラスコの内部空間の温度を85℃に保ちながら、下記に示す原料を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 44.5重量部
ノルマルブチルアクリレート 15重量部
2-ヒドロキシエチルメタクリレート 40重量部
ビニルベンゼン 0.5重量部
開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製) 1.5重量部
その後、反応液に開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製)を0.1重量部添加し、さらに5時間反応させた後、真空ポンプにて150mmHgに減圧し、脱溶剤処理を1時間行った。引き続き、酸価155mgKOH/gの不均化ロジン(商品名:ロンジスR、荒川化学工業株式会社製)32.2gと、酸価202mgKOH/gのオレイン酸(商品名:エキストラオレイン、日油社製)14.0gと、ジブチルスズオキシド(触媒)0.5gとを加え、165℃で5時間反応させて残存酸価が5mgKOH/g以下であることを確認してから、セパラブルフラスコの内部空間の温度を80℃まで低下させた。その後、真空ポンプにて150mmHgに減圧し、脱溶剤処理を3時間行うことによって、グラフト重合体3を得た。得られたグラフト重合体3の数平均分子量(Mn)は12800であり、重量平均分子量(Mw)は86700であり、ガラス転移点は60℃であり、軟化点は138℃である。
[グラフト重合体4]
撹拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備える300ml容のセパラブルフラスコにキシレンを100重量部投入した。窒素雰囲気下で加熱し、セパラブルフラスコの内部空間の温度を85℃に保ちながら、下記に示す原料を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 48重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジルメタクリレート 40重量部
開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製) 1.5重量部
その後、反応液に開始剤(商品名:V-601、和光純薬工業株式会社製)を0.1重量部添加し、さらに5時間反応させた。引き続き、酸価155mgKOH/gの不均化ロジン(商品名:ロンジスR、荒川化学工業株式会社製)26.2gと、酸価202mgKOH/gのオレイン酸(商品名:エキストラオレイン、日油社製)11.4gと、ジメチルベンジルアミン(触媒)0.5gとを加え、3時間反応させて残存酸価が5mgKOH/g以下であることを確認してから、セパラブルフラスコの内部空間の温度を80℃まで低下させた。その後、真空ポンプにて150mmHgに減圧し、脱溶剤処理を3時間行うことによって、グラフト重合体4を得た。得られたグラフト重合体4の数平均分子量(Mn)は8900であり、重量平均分子量(Mw)は35200であり、ガラス転移点は60℃であり、軟化点は125℃である。また、グラフト重合体4のエポキシ当量は1570であり、未反応のエポキシ基が残存していた。
[グラフト重合体5]
オレイン酸を添加しなかったこと以外はグラフト重合体1の作製方法と同様にして、グラフト重合体5を得た。得られたグラフト重合体5の数平均分子量(Mn)は4500であり、重量平均分子量(Mw)は9600であり、ガラス転移点は67℃であり、軟化点は121℃である。
[グラフト重合体6]
オレイン酸を添加しなかったこと以外はグラフト重合体2の作製方法と同様にして、グラフト重合体6を得た。得られたグラフト重合体6の数平均分子量(Mn)は9300であり、重量平均分子量(Mw)は69900であり、ガラス転移点は71℃であり、軟化点は142℃である。
[グラフト重合体7]
水添ロジンを添加しなかったこと以外はグラフト重合体1の作製方法と同様にして、グラフト重合体7を得た。得られたグラフト重合体7の数平均分子量(Mn)は4700であり、重量平均分子量(Mw)は9800であり、ガラス転移点は56℃であり、軟化点は103℃である。
[グラフト重合体8]
不均化ロジンを添加しなかったこと以外はグラフト重合体2の作製方法と同様にして、グラフト重合体8を得た。得られたグラフト重合体8の数平均分子量(Mn)は9200であり、重量平均分子量(Mw)は73500であり、ガラス転移点は57℃であり、軟化点は107℃である。
ビニル系樹脂のモノマー単位が有する官能基、ロジンおよび脂肪酸の種類を表1にまとめた。
Figure 0004931988
次に、マスターバッチを以下のようにして作製した。
[マスターバッチ1]
グラフト重合体1 70重量部
キナクリドン顔料(商品名;Pigment Red 3090、山陽色素株式会社製)
30重量部
ヘンシェルミキサにて、羽根回転数700rpm、処理時間3分間の条件で上記原料10kgを混合した。得られたマスターバッチ混合物を、テーブルフィーダーにて連続式2本ロール混練機(オープンロール混練機、三井鉱山株式会社製)に定量供給し、混練を行った。得られたマスターバッチ混練物を冷却後、ハンマータイプの粉砕機にて2m/mのスクリーンを使用して粗砕砕することでマスターバッチ1を得た。
[マスターバッチ2]
グラフト重合体1の代わりにグラフト重合体5を用いたこと以外はマスターバッチ1の作製方法と同様にして、マスターバッチ2を得た。
[マスターバッチ3]
グラフト重合体1の代わりにグラフト重合体7を用いたこと以外はマスターバッチ1の作製方法と同様にして、マスターバッチ3を得た。
(実施例1)
グラフト重合体2 73重量部
マスターバッチ1 15重量部
ポリエチレンワックス(商品名:PW−600、ベーカーペトロライト社製、融点:87℃) 10重量部
ホウ素系錯体(商品名:LR−147、クラリアント社製) 2重量部
上記割合の原料10kgを計量し、ヘンシェルミキサにて、羽根回転数850rpm、処理時間2minの条件にて混合してトナー混合物を得た。
得られたトナー混合物を、混練機としてエクストルーダー(商品名:PCM−30、株式会社池貝)を用いて、シリンダー設定温度120℃,バレル回転数300rpm、原料供給速度20kg/hで混練した。得られたトナー混練物を冷却ベルトにて冷却後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルにて粗粉砕した。次にこのトナー粗砕物をI型ジェットミルにて粉砕し、さらにエルボージェット分級機にて、微粉および粗粉を取り除くことによって、体積平均粒径が7.0μmであり、変動係数が約25のほぼ正規分布に調整された未外添トナーを得た。
得られた未外添トナー100重量部に、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルとで表面処理した疎水性シリカ粉体(BET比表面積:140m2/g)1.2重量部と、シランカップリング剤で表面処理した疎水性シリカ粉体(BET比表面積:30m2 /g)0.8重量部と、酸化チタン(BET比表面積:130m2/g)0.5重量部とを混合して、実施例1の負摩擦帯電性のトナーを得た。
(実施例2〜4)
実施例1で用いたポリエチレンワックスの代わりに、表2に示す融点を有するポリエチレンワックスを用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例2〜4の負摩擦帯電性のトナーを得た。
(実施例5)
グラフト重合体2の代わりにグラフト重合体3を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例5の負摩擦帯電性のトナーを得た。
(実施例6)
実施例1で用いられたトナー原料の代わりに、以下に示すトナー原料を用い、また混練時の温度を150℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例6の負摩擦帯電性のトナーを得た。なお、実施例6では、トナー混合物の混練時に、グラフト重合体の分子間架橋が行われる。
グラフト重合体4 74重量部
無水トリメリット酸 4重量部
マスターバッチ1 15重量部
ポリエチレンワックス(商品名:PW−600、ベーカーペトロライト社製、融点:87℃) 5重量部
ホウ素系錯体(商品名:LR−147、クラリアント社製) 2重量部
(実施例7)
無水トリメリット酸を添加しなかったこと以外は実施例6と同様にして実施例7の負摩擦帯電性のトナーを得た。
(実施例8)
離型剤として、ポリエチレンワックスの代わりにエステルワックス(商品名:WEP−5、日本油脂社製、融点:83℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例8の負摩擦帯電性のトナーを得た。
(比較例1)
マスターバッチ1の代わりにマスターバッチ2を用い、グラフト重合体2の代わりにグラフト重合体6を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の負摩擦帯電性のトナーを得た。
(比較例2)
マスターバッチ1の代わりにマスターバッチ3を用い、グラフト重合体2の代わりにグラフト重合体8を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例2の負摩擦帯電性のトナーを得た。
実施例1〜8および比較例1,2におけるグラフト重合体の種類、マスターバッチの種類、離型剤の融点を表2に示す。
Figure 0004931988
実施例1〜8および比較例1,2のトナーを用いて以下の評価を行った。
(色再現性)
シャープ株式会社製の複写機(MX−450機)を用い、トナー付着量が0.45mg/cmとなるように調整してA4サイズのフルカラー専用紙(商品名:PP106A4C、シャープ株式会社製)上に未定着画像を形成し、形成された未定着画像をオイルレス定着方式の外部定着機にて165℃で定着を行った。なお、定着機のプロセススピードは220mm/secであった。
得られた画像について、分光測色計(商品名:X−Rite、日本平板印刷機材株式会社製)によってL*a*b*表色系(CIE1976)(CIE:Commission
Internationaledel' Eclairag e:国際照明委員会)におけるクロマチックネス指数a*、b*の値を求め、下記式(1)に基づいて彩度C*を算出した。彩度C*を色再現性の指標とし、彩度C*が80以上の場合を○、75以上80未満を△、75未満の場合を×と評価し、彩度C*が75以上を実使用上問題ないレベルとした。
C*=(a*×2+b*×2)×(1/2) …(1)
(低温定着性)
上記色再現性の評価方法と同様にして未定着画像を形成した後、オイルレス定着方式の外部定着器にて所定の温度で定着を行い、紙面へのオフセットの有無を目視で評価した。なお、A4サイズの試験紙には52g/mの紙を用いた。
定着下限温度が140℃以下の場合を○、140℃を超えて160未満の場合を△、160℃以上を×と評価し、定着下限温度が140℃を超える場合を実使用上問題ないレベルとした。
(耐オフセット性)
上記低温定着性の評価方法と同様の方法で定着上限温度を求め、定着下限温度との差を定着非オフセット域とした。定着非オフセット域が60℃以上の場合を○、40℃を超えて60℃未満の場合を△、40℃以下の場合を×と評価し、定着非オフセット域が40℃を超える場合を実使用上問題ないレベルとした。
(トナー耐久性)
実施例および比較例のトナーと、キャリアとの割合を10:90にした現像剤を、前記複写機の現像槽に入れ、現像槽からの現像剤の排出重量を測定した。また、温度53℃の環境下で前記現像剤を2時間空転させた後、一定時間経過後における現像槽からの排出重量を測定し、空転前の現像剤の排出重量と比較して現像剤の排出率を求めた。この排出率が高いほど、高温下でのトナーの凝集が抑制できており、トナー耐久性に優れることを示す。
排出率は、下記式(2)から求める。
排出率(%)={(空転後の現像剤の排出重量)
/(空転前の現像剤の排出重量)}×100 …(2)
排出率が70%以上の場合を○、50%を超えて70%未満の場合を△、50%以下の場合を×と評価し、排出率が50%を超える場合を実使用上問題ないレベルとした。
(総合評価)
上記評価結果を用いて総合評価を行った。
総合評価の評価基準は以下のとおりである。
◎:大変良好。上記評価結果がすべて○である。
○:良好。上記評価結果に△はあるが、×はない。
×:不良。上記評価結果に×がある。
評価結果および総合評価結果を表3に示す。
Figure 0004931988
表3に示すように、実施例1〜8では、色再現性、低温定着性、耐オフセット性およびトナー耐久性が良好であった。
しかしながら、実施例2は、離型剤の融点が他の実施例の離型剤の融点よりも低いので、トナー耐久性が少し低下した。
実施例4は、離型剤の融点が他の実施例の離型剤の融点よりも高いので、低温定着性が少し低下した。
実施例6は、グラフト重合体を分子間架橋させたので、実施例7よりも耐オフセット性が向上した。
実施例8は、離型剤として合成炭化水素系ワックス以外の離型剤を用いたので、耐オフセット性が少し低下した。
比較例1は、不飽和脂肪酸をグラフトさせないグラフト重合体を用いたため、離型剤の分散性が低下し、トナー耐久性が低下した。また、色再現性が低下した。
比較例2は、アビエチン酸類をグラフトさせないグラフト重合体を用いたため、顔料の分散性が低下し、色再現性が低下した。また、トナー耐久性が少し低下した。

Claims (7)

  1. 結着樹脂、顔料および離型剤を含むトナーにおいて、
    結着樹脂は、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を含むことを特徴とするトナー。
  2. 前記ビニル系樹脂は、グリシジル基を有するアクリルエステルモノマーからなるモノマー単位を含むことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記グラフト重合体が、分子間架橋されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記離型剤が、合成炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトナー。
  5. 前記離型剤は、融点が80℃以上110℃以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトナー。
  6. 結着樹脂、顔料および離型剤を含むトナーの製造方法において、
    ビニル系樹脂と、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンと、不飽和脂肪酸とを混合して加熱することによって、ビニル系樹脂に、精製ロジン、水添ロジンまたは不均化ロジンがグラフトされ、不飽和脂肪酸が重合されたグラフト重合体を得るグラフト重合体作製工程と、
    前記グラフト重合体と顔料と離型剤との混合物を加熱しながら混練する混練工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  7. 前記混練工程で、前記混合物に多塩基酸を添加して加熱しながら混練し、前記グラフト重合体を分子間架橋させることを特徴とする請求項に記載のトナーの製造方法。
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