JP6403549B2 - 電子写真用トナー用結着樹脂組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕 結晶性ポリエステルCと非晶質樹脂Aを含有する電子写真用トナー用結着樹脂組成物であって、前記結晶性ポリエステルCが、炭素数9以上14以下の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物及び炭素数4以上6以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを重縮合させて得られる、酸価が20mgKOH/g以下の結晶性ポリエステルである、電子写真用トナー用結着樹脂組成物、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の結着樹脂組成物を含有する、電子写真用トナー
に関する。
特許文献1に記載の結晶性ポリエステルには、酸価の記載がなく、また、不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物により架橋することにより粉砕性を向上させるものであり、架橋により非晶質樹脂との相溶性は低下するため、本発明の効果は低いと考えられる。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有することが好ましい。
この方法では、重縮合反応に適した反応温度条件下で工程(A)を行い、反応温度を低下させ、付加重合反応に適した温度条件下で工程(B)を行う。付加重合系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーは、付加重合反応に適した温度で反応系内に添加にすることが好ましい。両反応性モノマーは付加重合反応と共に非晶質重縮合系樹脂成分とも反応する。
最初の工程(A)で非晶質重縮合系樹脂成分の原料モノマーの一部を用い、工程(B)の後に、残りの原料モノマーを反応系に添加し、再度反応温度を上昇させ、工程(A)の重縮合反応や両反応性モノマーとの反応をさらに進めることもできる。
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(B)を行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、工程(A)の重縮合反応を行う。両反応性モノマーは付加重合反応と共に重縮合反応にも関与する。
非晶質重縮合系樹脂成分の原料モノマーは、付加重合反応時に反応系内に存在してもよく、重縮合反応に適した温度条件下で反応系内に添加してもよい。前者の場合は、重縮合反応に適した温度でエステル化触媒を添加することで調節できる。
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)と工程(B)とを同時に行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、必要に応じて架橋剤となる3価以上の非晶質重縮合系樹脂成分の原料モノマーを重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応をさらに行うことが好ましい。その際、重縮合反応に適した温度条件下では、ラジカル重合禁止剤を添加して重縮合反応だけを進めることもできる。両反応性モノマーは付加重合反応と共に重縮合反応にも関与する。
なお、非晶質重縮合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分の質量比はそれぞれの合計量の比から算出する。非晶質重縮合系樹脂成分は、非晶質重縮合系樹脂成分の原料モノマーの合計量から、縮合反応時の脱水量を除去した値を用いる。また、付加重合系樹脂成分の質量は、付加重合系樹脂成分の原料モノマー及び重合開始剤の合計量を用いる。後述の両反応性モノマーの質量は、非晶質重縮合系樹脂成分の質量に含める。
ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物を含むアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを含む非晶質重縮合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー及び非晶質重縮合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を重合させることにより得られる、非晶質重縮合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分とを含む非晶質ハイブリッド樹脂A1、及び
ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物を含むアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを含む非晶質重縮合系樹脂の原料モノマー、該原料モノマー中、炭素数8以上22以下の1価の脂肪族アルコール及び炭素数8以上22以下の1価の脂肪族カルボン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の1価の長鎖モノマーを、0.1〜10モル%含有する原料モノマーを重縮合させて得られる非晶質ポリエステルA2
から選ばれた1種又は2種以上の非晶質樹脂を含むことが好ましい。
(A)水系媒体中で予め結着樹脂を含有する一次粒子を形成させた後、一次粒子を凝集・合一させる方法、
(B)水系媒体中で予め結着樹脂を含有する一次粒子を形成させた後、一次粒子を融着させる方法、
(C)結着樹脂を含む原料を水系媒体中で分散させて、粒子化する方法
等が挙げられる。
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q-20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、0℃にて1分間保持する。その後、昇温速度10℃/minで測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
示差走査熱量計「Q-20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により数平均分子量を求める。なお、溶媒及び溶離液には、結晶性ポリエステルの場合はクロロホルムを、非晶質樹脂の場合はテトラヒドロフランを、それぞれ用いる。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料を溶媒に、40℃で溶解させる。次いで、この溶液を孔径0.20μmのPTFEタイプメンブレンフィルター「DISMIC-25JP」(東洋濾紙株式会社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液を、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー株式会社製)
分析カラム:TSKgel GMHXL+TSKgel G3000HXL(東ソー株式会社製)
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機「LA-920」(堀場製作所社製)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径を測定する。
赤外線水分計「FD-230」(ケツト科学研究所社製)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5min/変動幅0.05%)にて、水分量を測定する。固形分濃度は下記の式に従って算出する。
固形分濃度(質量%)=100−M
M:水分量(質量%)
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の数平均値をいう。長径と短径がある場合は長径を指す。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター株式会社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター株式会社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター株式会社製)
分散液:エマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を5質量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1〔樹脂C1〜C5、C7〜C9、C11、C12〕
表1、2に示すアルコール成分及びフマル酸以外のカルボン酸成分と、エステル化触媒、及び助触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温し、5時間反応を行った後、210℃まで5℃/hの速度で段階的に昇温を行った。その後210℃にて反応率が80%以上に到達したのを確認し、フマル酸とt-ブチルカテコールを添加し、190℃にて1時間常圧で反応させた後、200℃まで昇温し、1時間常圧で反応させた後、8kPaにて所望の軟化点まで反応を行い、結晶性ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
表1に示すアルコール成分及びアジピン酸以外のカルボン酸成分と、エステル化触媒及び助触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温し、5時間反応を行った後、210℃まで5℃/hの速度で段階的に昇温を行った。その後210℃にて反応率が80%以上に到達したのを確認し、アジピン酸を添加し、190℃にて1時間常圧で反応させた後、200℃まで昇温し、1時間常圧で反応させた後、8kPaにて所望の軟化点まで反応を行い、結晶性ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
表2に示すアルコール成分及びカルボン酸成分と、エステル化触媒及び助触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、140℃まで昇温し、5時間反応を行った後、200℃まで10℃/hの速度で段階的に昇温を行った。その後200℃にて反応率が80%以上に到達したのを確認し、8kPaにて所望の軟化点まで反応を行い、結晶性ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
表2に示すアルコール成分及びカルボン酸成分と、エステル化触媒及び助触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温し、7時間反応を行った後、210℃まで10℃/hの速度で段階的に昇温を行った。その後210℃にて反応率が80%以上に到達したのを確認し、8kPaにて所望の軟化点まで反応を行い、結晶性ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
表3に示すアルコール成分及び無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分と、エステル化触媒及び助触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで昇温し、反応率が80%に到達するまで常圧で反応を行った後、8kPaにて1時間減圧反応を行った。
次に、160℃まで冷却した後、表3に示す付加重合系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温した後、無水トリメリット酸を投入し、210℃にて1時間反応を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、非晶質ハイブリッド樹脂を得た。
表3に示すアルコール成分及び無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分と、エステル化触媒及び助触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで昇温し、反応率が80%に到達するまで常圧で反応を行った後、8kPaにて1時間減圧反応を行った。
その後、210℃に冷却し、無水トリメリット酸を投入し、210℃にて1時間反応を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、非晶質ポリエステルを得た。
実施例1〜12及び比較例1〜6(実施例6は参考例である)
(樹脂分散液の調製)
撹拌装置、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた5リットル容の容器に、メチルエチルケトン600g、及び表4に示す非晶質樹脂 100gを50℃にて投入し、非晶質樹脂を溶解させた。
得られた溶液に、5%水酸化カリウム水溶液を添加して中和度80モル%相当となるように中和し、続いてイオン交換水900gを添加した後、250r/minの撹拌速度で、減圧下、50℃以下の温度でメチルエチルケトンを30ppm以下になるまで留去した。得られた樹脂分散液の固形分濃度を測定し、固形分濃度が10質量%になるようにイオン交換水を加えて、非晶質樹脂の水系分散液を得た。樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は150nmであった。
撹拌装置、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた5リットル容の容器に、メチルエチルケトン600g、及び表4に示す結晶性ポリエステル200gをそれぞれ70℃にて投入し、結晶性ポリエステルを溶解させた。
得られた溶液に、5%水酸化カリウム水溶液を添加して中和度80モル%相当となるように中和し、続いてイオン交換水1800gを添加した後、250r/minの撹拌速度で、減圧下、70℃でメチルエチルケトンを30ppm以下になるまで留去した。得られた樹脂分散液の固形分濃度を測定し、固形分濃度が10質量%になるようにイオン交換水を加えて、結晶性ポリエステルの水系分散液を得た。樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は180nmであった。
銅フタロシアニン(大日精化工業(株)製、型番:ECB-301)50g、ノニオン性界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマルゲン(登録商標)150)5g及びイオン交換水200gを混合し、ホモジナイザーを用いて10分間分散させて、着色剤粒子を含有する着色剤分散液を得た。着色剤粒子の体積中位粒径(D50)は120nmであった。
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:HNP9、融点:85℃)50g、カチオン性界面活性剤(花王(株)製、商品名:サニゾール(登録商標)B50)5g及びイオン交換水200gを95℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて、パラフィンワックスを分散させた後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子を含有する離型剤分散液を得た。離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は550nmであった。
荷電制御剤(オリエント化学工業(株)製、商品名:ボントロンE-84)50g、ノニオン性界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマルゲン(登録商標)150)5g及びイオン交換水200gを混合し、ガラスビーズを使用し、サンドグラインダーを用いて10分間分散させて、荷電制御剤粒子を含有する荷電制御剤分散液を得た。荷電制御剤粒子の体積中位粒径(D50)は500nmであった。
非晶質樹脂と結晶性ポリエステルの質量比が表4に記載の割合となるようにそれぞれの水系分散液を混合した樹脂分散液300g、着色剤分散液8g、離型剤分散液6g、荷電制御剤分散液2g及び脱イオン水52gを2リットル容の容器に入れた。
次に、カイ型の撹拌機で100r/minの撹拌下、室温で6.2質量%硫酸アンモニウム水溶液146gを30分かけて滴下した。その後、撹拌しながら昇熱し、50℃になった時点で50℃に固定し、3時間保持した。これにより凝集粒子を形成させた後、凝集停止剤としてポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム水溶液(固形分28質量%)4.2gを脱イオン水37gで希釈した希釈液を添加した。
次いで80℃まで0.16℃/minで昇温し、80℃になった時点から1時間80℃を保持した後、加熱を終了した。これにより合一粒子を形成させた後、室温まで徐冷し、吸引ろ過工程、洗浄工程及び乾燥工程を経て、体積中位粒径(D50)が6.2μmのトナー粒子を得た。
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、シャープ(株)製の紙[CopyBond SF-70NA(75g/m2)]上に、未定着の状態で印刷物を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で前記未定着状態の印刷物の定着試験を行った。定着した画像に「Scotch メンディングテープ」(住友スリーエム社、幅:18m)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前×100)が最初に90%を超える定着ローラーの温度を最低定着温度とした。結果を表4に示す。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れ、その温度は、160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましい。
20mL容の容器(直径約3cm)にトナー4gを入れ、温度55℃、湿度60%の環境下で72時間放置した。12時間毎に72時間までトナー凝集の発生程度を目視にて観察した。凝集の発生が認められた時点の時間を表4に示す。凝集の発生が遅いほど高温高湿下での保存性に優れ、凝集の発生が認められた時点の時間は、48時間以上が好ましく、60時間以上がより好ましく、72時間以上がさらに好ましい。なお、表中の「>72」は72時間後も凝集は認められないことを示す。
「MICROLINE 3010」(沖データ社製、定着:接触定着方式、現像:非磁性一成分現像方式)にトナーを実装し、35℃、85%の高温高湿(HH)環境下で500枚の画像を得た。50枚目と500枚目の画像を透過型マクベス濃度計「TR-927」を用いて画像濃度を測定し、画像濃度の比の値(500枚目の画像濃度の値/50枚目の画像濃度)から、HH環境下での画像濃度の安定性を評価した。結果を表4に示す。比の値が大きいほど、HH環境下での画像濃度の安定性に優れ、比の値は、0.75以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.95以上がさらに好ましい。
実施例1〜3、比較例2の対比においては、結晶性ポリエステルのアルコール成分に炭素数10の脂肪族ジオールを用いた実施例1のトナーが、低温定着性、保存性、高温高湿下での画像濃度により優れることがわかる。
実施例1、4、比較例3の対比においては、結晶性ポリエステルのカルボン酸成分において芳香族ジカルボン酸化合物の含有量が79モル%の実施例1のトナーが、保存性、及び高温高湿下での画像濃度により優れることがわかる。
実施例1、5、比較例4の対比においては、結晶性ポリエステルのアルコール成分において炭素数9〜14の脂肪族ジオールの含有量が100モル%の実施例1のトナーが、低温定着性、保存性、及び高温高湿下での画像濃度により優れることがわかる。
実施例1、6の対比においては、結晶性ポリエステルのカルボン酸成分に炭素数4の脂肪族ジカルボン酸化合物を用いた実施例1のトナーが、保存性により優れることがわかる。
実施例1、7、比較例5の対比においては、結晶性ポリエステルの酸価が11mgKOH/gと最も低い実施例1のトナーが、低温定着性、保存性、及び高温高湿下での画像濃度により優れることがわかる。
実施例1、9、10の対比においては、結晶性ポリエステル/非晶質樹脂の質量比が10/90である実施例1のトナーが、低温定着性、保存性、及び高温高湿下での画像濃度のバランスにより優れることがわかる。
実施例1、11、12の対比から、低温定着性、保存性、高温高湿下での画像濃度の観点から、非晶質樹脂は非晶質ハイブリッド樹脂A1及び非晶質ポリエステルA2が好ましく、保存性、及び高温高湿下での画像濃度の観点から、非晶質ハイブリッド樹脂A1がより好ましいことがわかる。
実施例1と比較例6の対比から、結晶性ポリエステルの炭素数4〜6の脂肪族ジカルボン酸化合物をカルボン酸成分に用いない場合は、低温定着性、保存性、及び高温高湿下での画像濃度が低下することがわかる。
Claims (6)
- 結晶性ポリエステルCと非晶質樹脂Aを含有する電子写真用トナー用結着樹脂組成物であって、前記結晶性ポリエステルCが、炭素数9以上14以下の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物及び炭素数4又は5の脂肪族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを重縮合させて得られる、酸価が20mgKOH/g以下の結晶性ポリエステルであり、前記芳香族ジカルボン酸化合物と前記脂肪族ジカルボン酸化合物のモル比(芳香族ジカルボン酸化合物/脂肪族ジカルボン酸化合物)が1.0以上10以下である、電子写真用トナー用結着樹脂組成物。
- 炭素数4又は5の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が、結晶性ポリエステルCのカルボン酸成分中、10モル%以上30モル%以下である、請求項1記載の結着樹脂組成物。
- 芳香族ジカルボン酸化合物の含有量が、結晶性ポリエステルCのカルボン酸成分中、60モル%以上90モル%以下である、請求項1又は2記載の結着樹脂組成物。
- 非晶質樹脂Aが、
ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物を含むアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを含む非晶質重縮合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー及び非晶質重縮合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を重合させることにより得られる、非晶質重縮合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分とを含む非晶質ハイブリッド樹脂A1、及び
ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物を含むアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを含む非晶質重縮合系樹脂の原料モノマー、該原料モノマー中、炭素数8以上22以下の1価の脂肪族アルコール及び炭素数8以上22以下の1価の脂肪族カルボン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の1価の長鎖モノマーを、0.1モル%以上10モル%以下含有する原料モノマーを重縮合させて得られる非晶質ポリエステルA2
から選ばれた1種又は2種以上の非晶質樹脂を含む、請求項1〜3いずれか記載の結着樹脂組成物。 - 結晶性ポリエステルCと非晶質樹脂Aの質量比(結晶性ポリエステルC/非晶質樹脂A)が、3/97以上30/70以下である、請求項1〜4いずれか記載の結着樹脂組成物。
- 請求項1〜5いずれか記載の結着樹脂組成物を含有する、電子写真用トナー。
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