JP5478288B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
電子写真方式の画像形成プロセスを利用する画像形成装置においては、一般的に、潜像担持体である感光体ドラム表面の感光層を均一に帯電させる帯電工程、帯電状態にある感光体ドラム表面に画像(原稿像)の信号光を投射して静電潜像を形成する露光工程、感光体ドラム表面の静電潜像に現像剤として電子写真用トナーを供給して顕像化する現像工程、感光体ドラム表面のトナー像を紙やOHPシートなどのメディアに転写する転写工程、トナー像を加熱、加圧などによりメディア上に定着させる定着工程およびトナー像転写後の感光体ドラム表面に残留するトナーなどをクリーニングブレードにより除去して清浄化するクリーニング工程を実行してメディア上に所望の画像を形成する。メディアへのトナー像の転写は、中間転写媒体を介して行われることもある。
トナーは、例えば懸濁重合法および乳化重合凝集法などに代表される重合法、混練粉砕法などにより製造される。混練粉砕法では、結着樹脂および着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤、帯電制御剤などを添加して混合したトナー原料を溶融混練し、冷却固化させた後、粉砕分級することによりトナーを製造する。
前述の「トナーの低融点化」とは、定着下限温度を低下させることであり、これにより低温定着化を達成することができる。
したがって、トナーの低融点化を達成しかつ高温における耐オフセット性を維持するためには、トナー用の結着樹脂の設計が特に重要になる。
バイオマスを燃焼させる際に発生する二酸化炭素は、もともと植物が光合成により取り込んだ大気中の二酸化炭素であるため、全体で見ると大気中の二酸化炭素の収支はゼロであり、その総量は変化しない。このように大気中の二酸化炭素を固定して、その増減に影響を与えない性質はカーボンニュートラルと呼ばれている。
また、このようなバイオマスから製造されるプラスチックは、バイオマスポリマー、バイオマスプラスティック、非石油系高分子材料などの名称で呼ばれており、これらの原料となるモノマーはバイオマスモノマーとも呼ばれている。
トナー用の結着樹脂として汎用されるポリエステル樹脂は、一般的にジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより製造されている。
そこで、例えば特開2009−98534号公報(特許文献1)では、ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分として、植物由来のロジンと不飽和カルボン酸とを反応させたジカルボン酸などのバイオマスモノマーを使用する技術を提案している。
しかしながら、得られた変性ロジンとジオールとを反応させたポリエステル樹脂を結着樹脂とするトナーは、保存安定性に優れているものの、2つのカルボキシル基の反応性の違いから重合度を大きくすることが難しいため、十分なホットオフセット性が得られないという課題を有している。
すなわち、原料として植物由来のロジン(松脂)を用いるので、石油資源の枯渇、二酸化炭素(CO2)排出量削減の観点から地球環境に配慮した電子写真用トナーを得ることができる。
本発明の実施の形態について以下に詳述するが、これらにより本発明が限定されるものではない。
ロジン由来のカルボン酸のグリシジル誘導体は、ロジン由来のカルボン酸とエピクロロヒドリンとから誘導された化合物であるのが好ましい。
反応条件は、適宜設定することができ、通常、窒素などの不活性気体の雰囲気下で行われる。
反応温度は、通常−20〜50℃、好ましくは0〜30℃である。
反応時間は、他の条件に左右されるが、通常0.5〜8時間、好ましくは1〜6時間である。反応時間が上記の範囲内であれば、反応コントロールが容易で、経済的に有利に反応させることができる。
反応時に溶剤を用いた場合には、反応後に脱溶剤を行う。
グラフト重合体は、上記で得られたロジン由来のカルボン酸のグリシジル誘導体にビニル系モノマーを、溶剤中、開始剤および触媒の存在下で付加および縮合反応によりグラフト重合させることにより得ることができる。
このグラフト重合は、グリシジル基を導入したビニル系モノマーをロジン由来のカルボン酸にグラフト重合させるよりも、立体障害が少ないために反応性が高く、より低い反応温度でも重合させることができる。
反応後のグリシジル基はフレキシブルであることから、高分子化しても、軟化点を下げることができ、このようにして得られた重合体を含有する電子写真用トナーは低温オフセットが抑止されると共に、グリシジル基の反応後に生じる水酸基により水酸基価が上昇し、擦り強度が向上する。
ここで「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
スチレン系モノマーとしては、スチレンおよびスチレン置換体が挙げられる。
具体的には、スチレン、アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン)などが挙げられ、これらの中でもスチレンが特に好ましい。
その他のモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、ブタジエンなどの脂肪族炭化水素系ビニルモノマーなどが挙げられる。
これらの開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
触媒を用いることにより、反応条件をマイルドにすることができる。
重合温度は、通常50〜200℃、好ましくは100〜150℃である。
重合時間は、他の条件に左右されるが、通常1〜10時間、好ましくは2〜8時間である。反応時間が上記の範囲内であれば、反応コントロールが容易で、経済的に有利に反応させることができる。
重合時に溶剤を用いた場合には、重合後に脱溶剤を行う。
また、グラフト重合体は、100〜140℃、好ましくは110〜140℃の軟化温度を有するのが好ましい。
重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mn、軟化温度が上記の範囲であれば、低温定着性と耐久性(定着強度)を共に備えた電子写真用トナーを得ることができる。
グラフト重合体は、高分子量体と低分子量体とを組み合わせて用いるのが好ましい。
例えば、25000〜60000の重量平均分子量Mwおよび4500〜10000の数平均分子量Mnならびに110〜140℃の軟化温度を有する高分子量体と、9000〜35000の重量平均分子量Mwおよび4000〜6000の数平均分子量Mnならびに110〜140℃の軟化温度を有する低分子量体とを、重量比で3:7〜7:3、好ましくは4:6〜6:4の割合で組み合わせて用いることにより、低温定着性と耐久性(定着強度)をバランスよく備えた電子写真用トナーを得ることができる。
黒色の着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジGおよびインダスレンブリリアントオレンジGKなどが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットBおよびメチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキおよびファイナルイエローグリーンGなどが挙げられる。
また、着色剤の配合量は、カラーの着色剤を用いる場合には3〜8重量部の範囲が好ましく、4〜6重量部の範囲が特に好ましい。
合成炭化水素系ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックス、フィッシャートロプッシュワックスなどが挙げられる。これらの剥離剤を用いることにより、本発明の電子写真用トナーにおける定着性の向上を図ることができる。
本発明の電子写真用トナー100重量部における剥離剤の添加量は、1〜7重量部の範囲が好ましく、2〜6重量部の範囲が特に好ましい。
負帯電トナー用の帯電制御剤としては、クロム・アゾ錯体染料;鉄アゾ錯体染料;コバルト・アゾ錯体染料;サリチル酸、サリチル酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体およびホウ素錯体;サリチル酸塩化合物;ナフトール酸、ナフトール酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体およびホウ素錯体;ナフトール酸塩化合物;ベンジル酸、ベンジル酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体およびホウ素錯体;ベンジル酸塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スルホン酸塩などの界面活性剤が挙げられる。
本発明の電子写真用トナー100重量部における帯電制御剤の添加量は、0.5〜2.5重量部の範囲が好ましく、1〜2重量部の範囲が特に好ましい。
本発明の電子写真用トナー100重量部におけるこれらの各種添加剤の添加量は、0.1〜0.8重量部の範囲が好ましく、0.2〜0.5重量部の範囲が特に好ましい。
本発明の電子写真用トナーを用いた画像形成装置では、シート上に画像を形成する場合に、感光体ドラムを均一に帯電させ、帯電させた感光体ドラム上に形成すべき画像に基づく光像を走査して静電潜像を形成し、形成した静電潜像に本発明の電子写真用トナーを付着させることで可視画像化させる現像を行い、得られた可視画像をシート上に転写し、そして転写したトナーをシートに定着させることにより画像が形成される。
実施例および比較例において、各物性値を以下に示す方法により測定した。
示差走査熱量(DSC)測定装置(株式会社パーキンエルマージャパン製、型式:Diamond DSC)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じて、試料0.01gを昇温速度10℃/分で加熱して、そのDSC曲線を測定した。
得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と吸熱ピークの低温側の曲線に対して勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
流動特性評価装置(株式会社島津製作所製、型式:フローテスターCFT−500C)を用いて、試料1gをシリンダに挿入し、口径1mm、長さ1mmのダイから試料が押出されるように荷重10kgf/cm2(0.980665MPa)を付加しながら、昇温速度6℃/分で加熱し、ダイから試料の1/2が流出したときの温度を軟化温度(T1/2)とした。
GPC装置(東ソー株式会社製、型式:HLC−8220GPC)に、試料0.25重量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液からなる試料溶液200μLを注入し、温度40℃において分子量分布曲線を測定した。なお、校正には標準ポリスチレンを用いて作成した分子量校正曲線を用いた。
得られた分子量分布曲線におけるピークの頂点の分子量をピークトップ分子量とした。
また、得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを求め、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比である分子量分布指数(Mw/Mn)を求めた。
[ロジン由来グリシジル誘導体の作成工程]
容量10Lの株式会社草野科学製セパラブルフラスコにアビエチン酸(キシダ化学株式会社製)300gを投入し、さらに溶剤としてテトラヒドロフラン3000mLを加え、温度0℃において撹拌しながら、触媒としてトリエチルアミン(キシダ化学株式会社製)165mLを滴下速度100mL/分で加えた。次いで、温度0℃の混合液にグリシジル基を有するエピクロロヒドリン(キシダ化学株式会社製)86mLを滴下速度10mL/分で加え、滴下終了後、温度20℃で2時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で原料の消失を確認した後、温度0℃の反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液2000mLを滴下速度100mL/分で加えた。その後、酢酸エチルで反応生成物を抽出し、塩析を行った後、濃縮してグリシジル誘導体315gを得た。
攪拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備えた容量300mlのセパラブルフラスコに、溶剤としてキシレン150mLを投入した。窒素雰囲気下で加熱してセパラブルフラスコの内部空間を温度110℃に保持し、以下のモノマー成分および重合開始剤(キシレン100重量部に対する量を示す)を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 48重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジル誘導体 40重量部
アゾ系重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、V−601) 3重量部
次いで、反応液に酸価202のオレイン酸(日油株式会社製、商品名:エキストラオレイン)12.8gおよび触媒としてジメチルベンジルアミン0.5gを加え、さらに撹拌下で3時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認して、反応液の温度を80℃に降温した。
次いで、真空ポンプを用いてセパラブルフラスコの内を圧力150mmHgに減圧し、2時間かけて脱溶剤を行い、25℃に冷却して樹脂1−1を得た。
ガラス転移温度(Tg) 61℃
軟化温度(T1/2) 114℃
ピークトップ分子量 5000
数平均分子量(Mn) 4900
重量平均分子量(Mw) 9900
分子量分布指数(Mw/Mn) 2.02
スチレン 47.5重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジル誘導体 40重量部
ジビニルベンゼン 0.5重量部
アゾ系重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、V−601) 1.5重量部
次いで、反応液に酸価202のオレイン酸(日油株式会社製、商品名:エキストラオレイン)12.8gおよび触媒としてジメチルベンジルアミン0.5gを加え、さらに撹拌下で3時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認して、反応液の温度を80℃に降温した。
次いで、真空ポンプを用いてセパラブルフラスコの内を圧力150mmHgに減圧し、3時間かけて脱溶剤を行い、25℃に冷却して樹脂1−2を得た。
ガラス転移温度(Tg) 63℃
軟化温度(T1/2) 137℃
ピークトップ分子量 15000
数平均分子量(Mn) 10900
重量平均分子量(Mw) 78700
分子量分布指数(Mw/Mn) 7.22
ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製、型式:FM20C)を用いて、以下のトナー原料を10分間混合して、原材料混合物5kgを得た。
樹脂1−1 34重量部
樹脂1−2 51重量部
着色剤(予め非晶性ポリエステル樹脂中に濃度40重量%で予備混練分散させた銅フタロシアニン顔料の混練物(顔料濃度4重量%)) 10重量部
離型剤(ポリエチレンワックス(ベーカーペトロライト社製、商品名:PW−600、融点(Tm)87℃) 3重量部
帯電制御剤(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Copy Charge N4P VP 2481) 2重量部
二軸混練機(株式会社池貝製、型式:PCM−37)を用いて、得られた原材料混合物を、設定温度140℃、供給量5kg/時間で溶融混練して溶融混練物を得た。
得られた溶融混練物を室温まで冷却固化させた後、カッターミル(オリエント株式会社製、型式:VM−16)を用いて粗粉砕した。次いで、カウンタージェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、型式:AFG)を用いて、得られた粗粉砕物を微粉砕した後、ロータリー式分級機(ホソカワミクロン株式会社製、型式:TSPセパレータ)を用いて、得られた微粉砕物を分級して、未外添トナー4kgを得た。
次いで、得られた未外添トナー粒子100重量部に対して、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体(BET比表面積140m2/g)1.2重量部、シランカップリング剤で表面処理された疎水性シリカ微粉体(BET比表面積30m2/g)0.8重量部および酸化チタン(BET比表面積130m2/g)0.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製、型式:FM20C)を用いて混合することにより、実施例1のトナー3.5kgを得た。
[ロジン由来グリシジル誘導体の作成工程]
容量10Lの株式会社草野科学製セパラブルフラスコにピマール酸(キシダ化学株式会社製)300gを投入し、さらに溶剤としてテトラヒドロフラン3000mLを加え、温度0℃において撹拌しながら、触媒としてトリエチルアミン(キシダ化学株式会社製)165mLを滴下速度100mL/分で加えた。次いで、温度0℃の混合液にグリシジル基を有するエピクロロヒドリン(キシダ化学株式会社製)86mLを滴下速度10mL/分で加え、滴下終了後、温度20℃で2時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で原料の消失を確認した後、温度0℃の反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液2000mLを滴下速度100mL/分で加えた。その後、酢酸エチルで反応生成物を抽出し、塩析を行った後、濃縮してグリシジル誘導体310gを得た。
攪拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備えた容量300mlのセパラブルフラスコに、溶剤としてキシレン150mLを投入した。窒素雰囲気下で加熱してセパラブルフラスコの内部空間を温度110℃に保持し、以下のモノマー成分および重合開始剤(キシレン100重量部に対する量を示す)を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 48重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジル誘導体 40重量部
アゾ系重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、V−601) 3重量部
次いで、反応液に酸価202のオレイン酸(日油株式会社製、商品名:エキストラオレイン)12.8gおよび触媒としてジメチルベンジルアミン0.5gを加え、さらに撹拌下で3時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認して、反応液の温度を80℃に降温した。
次いで、真空ポンプを用いてセパラブルフラスコの内を圧力150mmHgに減圧し、2時間かけて脱溶剤を行い、25℃に冷却して樹脂2−1を得た。
ガラス転移温度(Tg) 60℃
軟化温度(T1/2) 112℃
ピークトップ分子量 5000
数平均分子量(Mn) 4800
重量平均分子量(Mw) 9700
分子量分布指数(Mw/Mn) 2.02
スチレン 47.5重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジル誘導体 40重量部
ジビニルベンゼン 0.5重量部
アゾ系重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、V−601) 1.5重量部
次いで、反応液に酸価202のオレイン酸(日油株式会社製、商品名:エキストラオレイン)12.8gおよび触媒としてジメチルベンジルアミン0.5gを加え、さらに撹拌下で3時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認して、反応液の温度を80℃に降温した。
次いで、真空ポンプを用いてセパラブルフラスコの内を圧力150mmHgに減圧し、3時間かけて脱溶剤を行い、25℃に冷却して樹脂2−2を得た。
ガラス転移温度(Tg) 61℃
軟化温度(T1/2) 136℃
ピークトップ分子量 10400
数平均分子量(Mn) 10700
重量平均分子量(Mw) 78600
分子量分布指数(Mw/Mn) 7.35
得られた樹脂2−1および2−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナー3.5kgを得た。
[ロジン由来グリシジル誘導体の作成工程]
容量10Lの株式会社草野科学製セパラブルフラスコにジヒドロアビエチン酸(キシダ化学株式会社製)300gを投入し、さらに溶剤としてテトラヒドロフラン3000mLを加え、温度0℃において撹拌しながら、触媒としてトリエチルアミン(キシダ化学株式会社製)165mLを滴下速度100mL/分で加えた。次いで、温度0℃の混合液にグリシジル基を有するエピクロロヒドリン(キシダ化学株式会社製)86mLを滴下速度10mL/分で加え、滴下終了後、温度20℃で2時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で原料の消失を確認した後、温度0℃の反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液2000mLを滴下速度100mL/分で加えた。その後、酢酸エチルで反応生成物を抽出し、塩析を行った後、濃縮してグリシジル誘導体315gを得た。
攪拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備えた容量300mlのセパラブルフラスコに、溶剤としてキシレン150mLを投入した。窒素雰囲気下で加熱してセパラブルフラスコの内部空間を温度110℃に保持し、以下のモノマー成分および重合開始剤(キシレン100重量部に対する量を示す)を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 48重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジル誘導体 40重量部
アゾ系重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、V−601) 3重量部
次いで、反応液に酸価202のオレイン酸(日油株式会社製、商品名:エキストラオレイン)12.8gおよび触媒としてジメチルベンジルアミン0.5gを加え、さらに撹拌下で3時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認して、反応液の温度を80℃に降温した。
次いで、真空ポンプを用いてセパラブルフラスコの内を圧力150mmHgに減圧し、2時間かけて脱溶剤を行い、25℃に冷却して樹脂3−1を得た。
ガラス転移温度(Tg) 61℃
軟化温度(T1/2) 112℃
ピークトップ分子量 4500
数平均分子量(Mn) 4800
重量平均分子量(Mw) 9800
分子量分布指数(Mw/Mn) 2.04
スチレン 47.5重量部
ノルマルブチルアクリレート 12重量部
グリシジル誘導体 40重量部
ジビニルベンゼン 0.5重量部
アゾ系重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、V−601) 1.5重量部
次いで、反応液に酸価202のオレイン酸(日油株式会社製、商品名:エキストラオレイン)12.8gおよび触媒としてジメチルベンジルアミン0.5gを加え、さらに撹拌下で3時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認して、反応液の温度を80℃に降温した。
次いで、真空ポンプを用いてセパラブルフラスコの内を圧力150mmHgに減圧し、3時間かけて脱溶剤を行い、25℃に冷却して樹脂3−2を得た。
ガラス転移温度(Tg) 63℃
軟化温度(T1/2) 138℃
ピークトップ分子量 10600
数平均分子量(Mn) 10800
重量平均分子量(Mw) 78700
分子量分布指数(Mw/Mn) 7.29
得られた樹脂3−1および3−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナー3.4kgを得た。
[ロジングラフト工程]において、オレイン酸を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂4−1を得、実施例1と同様にして樹脂4−2を得た。
得られた樹脂4−1の物性値を以下に示す。
ガラス転移温度(Tg) 64℃
軟化温度(T1/2) 121℃
ピークトップ分子量 4000
数平均分子量(Mn) 4100
重量平均分子量(Mw) 9200
分子量分布指数(Mw/Mn) 2.24
得られた樹脂4−1および4−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナー3.6kgを得た。
[ロジングラフト工程]において、実施例1と同様にして樹脂5−2を得、下記の操作を行ったこと以外は、実施例1とにして樹脂5−2を得た。
攪拌装置、温度計、窒素導入口および冷却管を備えた容量300mlのセパラブルフラスコに、溶剤としてキシレン150mLを投入した。窒素雰囲気下で加熱しセパラブルフラスコの内部空間を温度85℃に保持し、以下のモノマー成分および重合開始剤(キシレン100重量部に対する量を示す)を含むモノマー溶液を3時間かけて滴下した。
スチレン 44.5重量部
ノルマルブチルアクリレート 15重量部
グリシジル誘導体 40重量部
ジビニルベンゼン 0.5重量部
アゾ系重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、V−601) 1.5重量部
次いで、酸価155の不均化ロジン(荒川化学工業株式会社製、商品名:ロンジスR)32.2g、酸価202のオレイン酸(日油株式会社製、商品名:エキストラオレイン)14.0gおよび触媒としてジブチルスズオキシド0.5gを加え、温度165℃に加熱して、さらに撹拌下で3時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認して、反応液の温度を80℃に降温した。
次いで、真空ポンプを用いてセパラブルフラスコの内を圧力150mmHgに減圧し、3時間かけて脱溶剤を行い、25℃に冷却して樹脂5−2を得た。
ガラス転移温度(Tg) 60℃
軟化温度(T1/2) 138℃
ピークトップ分子量 11500
数平均分子量(Mn) 12800
重量平均分子量(Mw) 89700
分子量分布指数(Mw/Mn) 7.01
得られた樹脂5−1および5−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナー3.4kgを得た。
[ロジングラフト工程]において、グリシジル誘導体の代わりにアビエチン酸(キシダ化学株式会社製)を加えたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂6−1および6−2を得た。
得られた樹脂6−1の物性値を以下に示す。
ガラス転移温度(Tg) 52℃
軟化温度(T1/2) 111℃
ピークトップ分子量 2100
数平均分子量(Mn) 2300
重量平均分子量(Mw) 7500
分子量分布指数(Mw/Mn) 3.26
ガラス転移温度(Tg) 57℃
軟化温度(T1/2) 121℃
ピークトップ分子量 8000
数平均分子量(Mn) 9300
重量平均分子量(Mw) 67500
分子量分布指数(Mw/Mn) 7.26
得られた樹脂6−1および6−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナー3.5kgを得た。
得られた実施例1〜5および比較例1のトナーの特性を以下に示す方法により評価した。
キャリアに対するトナーの被覆率が60%となるように、V型混合機(株式会社特寿工作所製、型式:V−5)を用いて、体積平均粒径45μmのフェライトコアキャリアとトナーとを20分間混合して、二成分現像剤を得た。
カラー複合機の定着部を用いて作製した外部定着器を用いて、得られた未定着画像の非オフセット域を所定の温度で定着させ、紙面へのオフセットの有無を目視で評価した。
なお、定着器のプロセススピードを124mm/秒に設定し、低温オフセットもホットオフセットも起こらない温度域を非オフセット域として定着性の指標とした。
得られた定着幅から次の基準で定着域を3段階で評価した。
○:定着幅が温度60℃以上
△:定着幅が温度40℃を超え60℃未満(実使用上問題ないレベル)
×:定着幅が温度40℃以下
容量250mlのポリエチレン製容器にトナー100gを入れて密封した後、この容器を温度50℃に設定した恒温恒湿槽に48時間放置した。放置後、200メッシュ網を搭載した振動式ふるい機を用いて、このトナーを振動数60Hzで1分間振動させ、メッシュ上に残ったトナーの重量を秤量し、メッシュアップ率(残留率)を求めた。
得られたメッシュアップ率から次の基準で保存性を3段階で評価した。
○:メッシュアップ率が1.0%未満
△:メッシュアップ率が1.0%以上3.0%未満(実使用上問題ないレベル)
×:メッシュアップ率が3.0%以上。
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有し、前記結着樹脂がロジン由来のカルボン酸のグリシジル誘導体とビニル系モノマーを材料に用いたグラフト重合体であることを特徴とする電子写真用トナー。
- 前記グリシジル誘導体が、前記ロジン由来のカルボン酸とエピクロロヒドリンとから誘導された化合物である請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記ビニル系モノマーが、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸モノマーとの組み合わせである請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
- 前記グラフト重合体が、9000〜90000の重量平均分子量Mwおよび4000〜13000の数平均分子量Mnを有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
- 前記グラフト重合体が、110〜140℃の軟化温度を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
- 離形剤として合成炭化水素系ワックスをさらに含有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
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