JP2002189316A - 電子写真用トナーバインダーおよび電子写真用トナー - Google Patents
電子写真用トナーバインダーおよび電子写真用トナーInfo
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Abstract
ット性、ブロッキング性、粉砕性、耐久現像性など優れ
る電子写真用トナーバインダーを提供する。 【解決手段】電子写真用トナーバインダーにおいて、そ
の粘弾性を温度範囲が50〜200℃、昇温速度が2℃
/minで測定したとき、縦軸が貯蔵弾性率G’の対数(P
a)、横軸が温度(℃)である貯蔵弾性率と温度の関係
を表した100〜200℃の温度範囲の粘弾性カーブに
おいて、140〜180℃の温度範囲においてその粘弾
性カーブが下に凹でありその底に貯蔵弾性率G’の極小
値G’0を有し、このG’0と200℃における貯蔵弾
性率G’200がG'0<G'200で、その差ΔG'(G'
200−G’0=ΔG')が300Pa以上であることを特
徴とする電子写真用トナーバインダー。
Description
録、静電印刷などに於ける、静電荷像を現像するための
電子写真用トナーバインダーに関する。さらに詳しくは
高速複写機に対応でき、しかも高解像度、高画質でかつ
粉砕性に優れた電子写真用トナーに関する。
を記録紙に転写するPPC(Plain Paper C
opy)複写機やプリンターに於ける電子写真法は、光
感光体上に静電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナ
ーを用いて現像し、紙等の被定着シート上にトナー画像
を転写した後、熱ロールで加熱定着する方法が行われて
いる。この方法は、加熱加圧下で定着を行うので迅速で
しかも熱効率が極めて良好であり、従って定着効率が非
常に良い。しかしながら、この熱ロール方式に於いては
熱効率が良い反面、熱ロール表面とトナーが溶融状態で
接触するため、トナーが熱ロール表面に付着転移し、次
の被定着シートにこれが再転移して汚す(オフセット現
象)という問題がある。たとえば、熱ロールの表面に布
や紙でシリコーンオイルを塗布してオフセットを防止し
ている。この場合、トナーのオフセットを防止する点で
は非常に有効であるが、オフセット防止用液体を供給す
るための装置が必要となり、機械の設備が複雑になるた
め、機械の補修、管理が煩雑になり、コストアップに繋
がり、好ましくない。またシリコーンオイルなどが熱に
より蒸発し機内を汚染する場合がある。したがって、上
記のシリコーンオイルなどの塗布を必要としない方式
(オイルレス定着方式)での高速機用トナーの開発が望
まれている。
おり、必然的に定着ロールのスピードも速くなり、短時
間の加熱で定着できるトナーが要求されている。出来る
だけ短時間で定着させるためには溶融時高流動性である
ことが必要である。一般的に定着性を向上させるために
は、トナーに用いられる樹脂のガラス転移温度(以下、
Tgと表す)を低下させることが有効であるが、そのこ
とにより保存中のトナーがブロッキングするという好ま
しくない現象がおきる。
に於けるオフセット防止方法としては架橋ポリマーを用
いたトナーも数多く提案されている。例えば特公昭60
−36582号公報等には、乳化重合法で製造された架
橋ポリマーを用いる方法が開示されている。この場合、
用いられる架橋ポリマーはゲル分が50〜99質量%含
有されており、このゲル分を多くすると、耐オフセット
性は良くなるが粉砕性は悪化し、他方ゲル分が少なくな
ると粉砕性は良くなるが耐オフセット性は悪化し、耐オ
フセット性と粉砕性の両者を満足することは極めて困難
であった。
乳化粒子を安定化させるために分散剤や分散助剤を併用
させる必要がある。これらの分散剤は吸湿し易いために
電気特性、特にチャージ安定性に悪影響を及ぼすので、
架橋ポリマー製造後、できるだけこれらを取り除く必要
がある。しかし、これらを取り除くには多大な労力が必
要であり、また、洗浄水の排水量も多くなりその処理も
大変である。また、USP 4,966,829号公報
には、ゲル分を0.1〜60質量%含みかつテトラヒド
ロフラン可溶分に於いてメインピークの分子量1,00
0〜25,000、かつ、分子量3,000〜150,
000に少なくとも1つのサブピークまたはショルダー
を有するビニル系重合体を含有するトナーが良いと開示
されている。しかし、これを製造する方法はサスペンシ
ョン法であり、この場合も乳化重合法と同様、製造時に
分散剤や分散助剤を併用させるので、上記乳化重合と全
く同じ問題があった。このため、本発明者等は定着性の
良いトナー用樹脂として、溶液重合法による樹脂(US
P 4,963,456号)を開発してきた。
除去するが、この時、未反応の残存モノマーや開始剤の
分解物等低揮発成分は全て留去できるので、非常に不純
物の少ない、電気的には安定な均質な樹脂が得られ、ト
ナー用には最適なものが得られるものと考えられる。し
かしながら、溶液重合法による架橋ポリマー製造は、ワ
イゼンベルク効果(撹拌棒に樹脂が巻きつく)が発生し
製造できなくなるという問題があった。従って、本発明
者等は、さらにバルク等でできるだけ高分子化する方法
(USP 5,084,368号)を開発した。しかし
製造できる高分子量のものは限界があり、オフセット性
を完全に克服するところまでいたっていなかった。ま
た、特公昭60−38700号公報には、グリシジル基
含有単量体を3〜40%有する共重合体(A)と架橋性
化合物(B)とを加熱混合して製造したトナーバインダ
ーが良いと開示されているが、このトナーにおいてはエ
ポキシ基が多量残っているため長期のテストで逆チャー
ジのトナーが発生し耐久性に問題を生じていた。
したカルボキシル基を有する樹脂とグリシジル基を有す
る化合物を用いて特定の比率で架橋させることにより、
高速機に対応でき、且つ定着性・耐オフセット性・ブロ
ッキング性のバランスが良く、粉砕性、生産効率、電気
特性、チャージ安定性にも優れたトナーを得る技術を開
発(特開平06−011890号公報、特開平06−2
22612号公報)した。しかし、トナー製造工程にお
ける混練時に架橋成分に過剰なシェアーがかかりゲルが
切断をうけるため、高温における弾性が不十分となり、
定着後の画像の悪化や十分な耐オフセット効果が得られ
ないという問題が生じた。本発明者らは、これらの要求
を満足すべく鋭意検討した結果、グリシジル基を含有す
る架橋剤の分子量およびエポキシ価を改良することによ
り、トナー製造工程の混練時におけるゲルの切断が低減
され、耐久現像性、耐オフセット性に効果が表れ、定着
性・耐オフセット性・ブロッキング性のバランスが大幅
に改善され、且つ、粉砕性、生産効率、電気特性、チャ
ージ安定性にも優れたトナー用結着剤を得る技術を開発
(特開平09−319140号公報)した。しかし、最
近、市場では、さらなる高速化と新たに省エネルギー化
を指向している。その結果、高速化による加熱時間の短
縮化に対応するための定着温度のさらなる低温化と、省
エネルギー化に対応するための定着温度の一層の低温化
が求められている。すなわち、より一層の低温定着性の
要求が強まり、該技術では、このより一層の低温定着性
と、それと同時に要求される耐オフセット性の双方の要
求に対して、十分な満足が得られなくなった。
一層の高速化と新たに求められた省エネルギー化にとも
なう、より一層の低温定着性の改良および定着性と耐オ
フセット性のバランスの改善を主たる課題として、本発
明は、定着性、耐オフセット性、ブロッキング性、粉砕
性、耐久現像性など電子写真用トナーとしてのすべての
諸性能に於いてその改良をはかることを目的とするもの
である。
要求を満足すべく鋭意検討した結果、架橋性化合物と共
重合体を架橋反応せしめて得られる電子写真用トナーバ
インダーの生成において、その架橋反応を中途で止める
ことにより架橋反応性を残した電子写真用トナーバイン
ダーとすることにより、より低粘度化による定着性の改
善を図ると同時に、この残された架橋反応性により定着
時に架橋反応を生じせしめることにより、オフセット性
のさらなる改善を図るとともに、粉砕性、ブロッキング
性、耐久現像性の改善を図ることができることを見出し
た。すなわち、粘弾性カーブにおいて140℃から18
0℃の範囲においてその曲線が下に凹でありその底に極
小値G’0を存在せしめ、かつ、当該極小値G’0と2
00℃における貯蔵弾性率G’200の差を特定するこ
とにより、高速機に対応ができ、しかも定着性、耐オフ
セット性、ブロッキング性、粉砕性、耐久現像性に優れ
た電子写真用トナーバインダーを得る技術を完成したも
のである。
特定することができる。 (1)電子写真用トナーバインダーにおいて、当該トナ
ーバインダーの粘弾性を温度範囲が50〜200℃、昇
温速度が2℃/minで測定したとき、縦軸が貯蔵弾性率
G’の対数(Pa)、横軸が温度(℃)である貯蔵弾性
率と温度の関係を表した100〜200℃の温度範囲の
粘弾性カーブにおいて、140〜180℃の温度範囲に
おいてその粘弾性カーブが下に凹でありその底に貯蔵弾
性率G’の極小値G’0を有し、このG’0と200℃
における貯蔵弾性率G’200がG'0<G'200で、そ
の差ΔG'(G'200−G’0=ΔG')が300Pa以上
であることを特徴とする電子写真用トナーバインダー。 (2)前記200℃における貯蔵弾性率G’200が
1,000Pa以上であることを特徴とする(1)記載の
電子写真用トナーバインダー。 (3)電子写真用トナーバインダーにおいて、当該トナ
ーバインダーのガラス転移温度が45〜75℃であり、
0.1〜20質量%のゲル分を含み、かつ、当該トナー
バインダーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
る分子量分布において、分子量4,000〜50,00
0の領域にピークを有することを特徴とする(1)また
は(2)記載の電子写真用トナーバインダー。 (4)架橋反応度が、1〜50%であることを特徴とす
る(1)ないし(3)の何れかに記載の電子写真用トナ
ーバインダー。 (5)電子写真用トナーバインダーにおいて、当該トナ
ーバインダーが、重量平均分子量が10,000〜10
0,000であり、エポキシ価が0.005〜0.1Eq/10
0gであるグリシジル基含有ビニル樹脂(A)を架橋剤と
し、該グリシジル基含有ビニル樹脂(A)と、酸価が1
〜30mgKOH/g、Tgが40〜70℃であるカルボキシ
ル基含有ビニル樹脂(B)とを加熱溶融することにより
架橋反応せしめて得られたものであることを特徴とする
(1)ないし(4)の何れかに記載の電子写真用トナー
バインダー。 (6)スチレンアクリル系樹脂を主成分とすることを特
徴とする(1)ないし(5)の何れかに記載の電子写真
用トナーバインダー。 (7)(1)ないし(6)の何れかに記載の電子写真用
トナーバインダーを使用することを特徴とする電子写真
用トナー。
ビニル樹脂(A)とは、グリシジル基を含有するビニル
単量体と他のビニル単量体を共重合して得られる樹脂で
ある。グリシジル基含有ビニル樹脂(A)としては、重
量平均分子量が10,000〜100,000、好まし
くは15,000〜85,000、さらに好ましくは2
5,000〜75,000で、且つ、JIS K 723
6に準じて測定されたエポキシ価が0.005〜0.1Eq
/100gであるものが好ましい。重量平均分子量が10,0
00未満であると、電子写真用トナー製造工程の混練に
おいてゲルの切断が起こりやすくなる傾向がみられ、定
着後の耐久現像性、耐オフセット性が低下する傾向が見
られる。重量平均分子量が100,000を超えると定
着性が低くなる傾向が見られる。また、エポキシ価は
0.01〜0.1Eq/100gの範囲のものがより好ましい。
エポキシ価が0.005Eq/100g未満であるとゲルの生成
量が少なくなり耐オフセット性が低下する傾向が見られ
る。0.1Eq/100gを超えると、電子写真用トナー製造工
程の混練においてゲルの切断が起こりやすくなる傾向が
みられ、耐久現像性、耐オフセット性が低くなる傾向が
見られる。
樹脂(B)とは、カルボキシル基を含有するビニル単量
体と他のビニル単量体を共重合して得られる樹脂であ
り、カルボキシル基含有ビニル樹脂(B)は、JIS
K 5407に準じて測定された酸価が1〜30mgKOH/
gであり、かつ、JIS K 7121により測定された
Tgが40〜70℃である樹脂が好ましい。さらに好ま
しくは酸価5〜25mgKOH/g、Tgが50〜60℃であ
る。Tgが40℃未満ではブロッキングが起こりやすく
なる傾向が見られ、Tgが70℃を超えると軟化点が上
昇し、定着性が低下する傾向が見られる。酸価が1未満
では一分子当たりの反応量が少なくなり分子量が高分子
量になりにくくなる傾向が見られ耐久現像性、耐オフセ
ット性も高くなりにくくなる傾向が見られる。また酸価
が30mgKOH/gを超えると、電子写真用トナー製造工程
の混練におけるゲルの切断が起こりやすくなる傾向が見
られ耐久現像性、耐オフセット性が低くなる傾向が見ら
れる。
はグリシジル基含有ビニル樹脂(A)とカルボキシル基
含有ビニル樹脂(B)を加熱溶融して架橋反応せしめる
ことにより製造され0.1〜20%のゲル分を含有して
いる、好ましくはゲル分は1〜20%、さらに好ましく
は1〜16%含有される。含有されるゲル分が0.1%
未満では耐オフセット性の効果が発現しにくくなる傾向
が見られ、また、20%を超えると流動性が低下する傾
向が見られ複写機の高速化に対応した低温定着性が得に
くくなる傾向が見られる。また、カルボキシル基含有ビ
ニル樹脂(B)中のカルボキシル基1当量当りグリシジ
ル基として0.01〜1.0当量を有するグリシジル基含
有ビニル樹脂(A)を用いて架橋反応を行うのが好まし
く、0.02〜0.8当量とするのがより好ましい。
有ビニル樹脂(A)の製造に用いられるグリシジル基含
有ビニル単量体は、アクリル酸グリシジル、アクリル酸
β−メチルグリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸β−メチルグリシジルなどが良く、好ましくは
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸β−メチルグリ
シジルである。これらのグリシジル基含有ビニル単量体
は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
ル基含有ビニル樹脂(B)の製造に用いられるカルボキ
シル基含有ビニル単量体としては、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマール酸、桂皮酸等の不飽和一
塩基酸もしくは不飽和多塩基酸;無水マレイン酸等の不
飽和多塩基酸無水物;フマール酸メチル、フマール酸エ
チル、フマール酸プロピル、フマール酸ブチル、フマー
ル酸オクチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、
マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸オ
クチル等の不飽和二塩基酸のモノエステル類等が良く、
好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、フ
マール酸メチル、フマール酸エチル、フマール酸プロピ
ル、フマール酸ブチル、フマール酸オクチルである。こ
れらのカルボキシル基含有ビニル単量体は単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
ボキシル基含有ビニル単量体と共重合するビニル単量体
としては、例えば、スチレン、P-メチルスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン(m−ビニルトルエン
60%とp−ビニルトルエン40%との混合物)等のス
チレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フルフリル、アク
リル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチ
ル、アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジメ
チルアミノエチル等のアクリル酸エステル類;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ベンジル、メタクリル酸フルフリル、メタク
リル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシブチ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;フ
マール酸ジメチル、フマール酸ジブチル、フマール酸ジ
オクチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、
マレイン酸ジオクチル等の不飽和二塩基酸のジエステル
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和
ニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N置
換アクリルアミド、N置換メタクリルアミド等の不飽和
アミド類等があり、これらのビニル単量体の少なくとも
1種が用いられる。これらの中で特に好ましいビニル単
量体としてはスチレン類、アクリル酸エステル類、メタ
クリル酸エステル類、フマール酸ジアルキルエステル
類、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルア
ミド等である。これらのビニル単量体は単独でまたは2
種以上を組み合わせて用いることができる。
子量はGPC法により求めたもので、単分散標準ポリス
チレンで検量線を作成した換算分子量である。測定条件
は下記の通りである。 GPC装置; JASCO TWINCLE HPLC DETECTOR ; SHODEX RI SE-31 COLUMN ; SHODEX GPCA-80M*2+KF-802 溶 媒 ; テトラヒドロフラン 流 速 ; 1.2ml /min. 本発明におけるゲル分は以下のように測定された値をも
って定義する。すなわち、樹脂2.5gと酢酸エチル4
7.5gを100mlサンプル管に投入、このサンプル管を
回転数50rpm、22℃、12時間攪拌後、22℃で1
2時間静置、静置後、サンプル管の上澄み液5gを15
0℃、1時間乾燥させた後の質量を秤量し(Xg)、次の
式に従って計算する。 ゲル分(%)= {(2.5/50−X/5)/(2.5/50)}×100
わち、カルボキシル基含有ビニル樹脂(A)およびグリ
シジル基含有ビニル樹脂(B)を用いて、電子写真用ト
ナーバインダーを製造する態様については次に示す方法
等をとることができる。すなわち、カルボキシル基含有
ビニル樹脂(A)にグリシジル基含有ビニル樹脂(B)
をヘンシェルミキサー等で混合し、2軸混練機を用い
て、溶融混練させ、カルボキシル基とグリシジル基との
架橋反応を行わせる。この時、樹脂(A)と樹脂(B)
の架橋反応において、その架橋反応を中途で止めて、架
橋反応性を残した電子写真用トナーバインダーとするこ
とにより、より低粘度化による定着性の改善を図り、さ
らに、この残された架橋反応性により定着時に架橋反応
を生じせしめるようにするために、ゲル分を、架橋反応
を完結せしめた場合のゲル分(これを完全反応ゲル分と
表す)の1〜50%、好ましくは1〜45%、さらに好
ましくは5〜45%となるようにする。(これを架橋反
応度と表す。すなわち、架橋反応度(%)=(ゲル分
(%)/完全反応ゲル分(%))×100、で定義され
る。)このためには、2軸混練機吐出部の樹脂温度が1
65〜190℃未満とする場合は滞留時間を90〜18
0秒で、また、2軸混練機吐出部の樹脂温度が190〜
200℃とする場合は滞留時間を90秒未満で溶融混練
させることが好ましい。なお、2軸混練機吐出部の樹脂
温度が220℃で混練時間180秒で反応させた場合の
ゲル分をもって、この架橋反応を完結せしめた場合のゲ
ル分、すなわち、完全反応ゲル分とする。このようにし
て得られた樹脂を冷却・粉砕して電子写真用トナーバイ
ンダーとする。冷却・粉砕する方法は従来公知のいかな
る方法も採用できるが、冷却方法としては、スチールベ
ルトクーラー等を使用して急冷することが好ましい。本
発明において、樹脂(A)と樹脂(B)を架橋反応せし
めるために溶融混練させる方法は、加熱溶融できる従来
公知のいかなる方法も採用できるが、好ましくは2軸混
練機を用いる方法である。
インダーは、その粘弾性を温度範囲が50〜200℃、
昇温速度が2℃/minで測定したとき、縦軸が貯蔵弾性率
G’の対数(Pa)、横軸が温度(℃)である貯蔵弾性
率と温度の関係を表した100〜200℃の温度範囲の
粘弾性カーブにおいて、140〜180℃の温度範囲に
おいてその粘弾性カーブが下に凹でありその底に貯蔵弾
性率G’の極小値G’0を有し、200℃における貯蔵
弾性率G’200が好ましくは1,000〜50,00
0Pa、より好ましくは2,000〜40,000P
a、さらに好ましくは3,000〜30,000Paで
あって、このG’0と200℃における貯蔵弾性率G’
200がG'0<G'200で、その差ΔG'(G'200−
G’0=ΔG')が好ましくは300〜50,000P
a、より好ましくは400〜40,000Pa、さらに
好ましくは500〜30,000Paである。貯蔵弾性
率G’200が1,000Pa未満では高温での粘度が
低くなり耐オフセット性を十分なものとし難くなる傾向
がみられる。また、ΔG'が300Pa未満では、定着
性と耐オフセット性のバランスを取り難くなる傾向が見
られ、より低温定着性に優れ、かつ、耐オフセット性の
双方をバランス良く達成するのが困難となる傾向が見ら
れる。また、本発明の電子写真用トナーバインダーのT
gは好ましくは45〜75℃で、より好ましくは45〜
70℃、更に好ましくは50〜65℃であり、かつ当該
電子写真用トナーバインダーのテトラヒドロフラン(T
HF)可溶分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)による分子量分布において、好ましくは
分子量4,000〜50,000の領域に、より好まし
くは分子量6,000〜40,000の領域に、さらに
好ましくは8,000〜30,000の領域にピークを
有する。Tgが45℃未満ではブロッキングが起こりや
すくなる傾向が見られ、Tgが75℃を超えると、また
は分子量ピークが50,000を超えると樹脂が硬くな
る傾向が見られ定着性が低下する傾向が見られる。ま
た、分子量ピークが4,000未満ではオフセットが発
生し易くなる傾向が見られる。
は、着色剤、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、顔料分
散剤と共に、公知の方法で電子写真用トナーとすること
が出来る。着色剤としては、例えばカーボンブラック、
アセチレンブラック、ランプブラック、マグネタイト等
の黒色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ハンザイエローG、キ
ノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、
モリブデンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレ
ン、ブリリアントオレンジGK、ベンガラ、ブリリアン
トカーミン6B、フリザリンレーキ、メチルバイオレッ
トレーキ、ファストバイオレットB、コバルトブルー、
アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファー
ストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイト
グリーンレーキ、酸化チタン、亜鉛華等の公知の有機お
よび無機顔料が挙げられる。その量は通常本発明の電子
写真用トナーバインダー100質量部に対して5〜25
0質量部である。また、必要に応じて本発明の効果を阻
害しない範囲に於いて、例えばポリ酢酸ビニル、ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリ
ウレタン、ポリアミド、ロジン、変性ロジン、テルペン
樹脂、フェノール樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族石
油樹脂、パラフィンワックス、ポリオレフィンワック
ス、脂肪酸アミドワックス、塩ビ樹脂、スチレン−ブタ
ジエン樹脂、クロマン−インデン樹脂、メラミン樹脂等
を一部添加使用してもよい。また、ニグロシン、4級ア
ンモニウム塩や含金属アゾ染料をはじめとする公知の荷
電調整剤を適宜選択して使用でき、使用量は本発明の電
子写真用トナーバインダー100質量部に対し、通常
0.1〜10質量部である。
ては、従来公知のいかなる方法も採用できる。例えば、
本発明の電子写真用トナーバインダー、着色剤、荷電調
整剤、ワックス等を予めプレミックスした後、2軸混練
機で加熱溶融状態で混練し、冷却後微粉砕機を用いて微
粉砕し、さらに空気式分級器により分級し、通常8〜2
0μmの範囲の粒子を集めて電子写真用トナーとする。
ただし、2軸混練機での加熱溶融条件は2軸混練機吐出
部の樹脂温度は165℃未満で、滞留時間180秒未満
であることが好ましい。また、冷却方法はスチールベル
トクーラー等を使用して急冷することが好ましい。上記
により得られた電子写真用トナー中には本発明の電子写
真用トナーバインダーが50質量%以上、好ましくは6
0質量%含まれ、その上限には特に制限はなく、目的に
応じて調整され、通常、90〜100質量%まで可能で
ある。
で行なった。 粘弾性装置 :STRESS TECH レオメータ(レオロジカ社
製) 測定モード :Oscillation strain control 測定温度範囲:50〜200℃ 昇温速度 :2℃/min 周波数 :1Hz ギャップ :1mm プレート :パラレルプレート 応力歪み :1%
が本発明はこれに限定されるものではない。なお、以降
「部」は、特にことわらない限り質量部を表わす。 [グリシジル基含有ビニル樹脂(A)の製造例] (製造例A−1)キシレン75部を窒素置換したフラス
コに仕込み昇温し、キシレン還流下において、予め混合
溶解しておいたスチレン65部、アクリル酸n-ブチル
30部、メタクリル酸グリシジル5部、ジ-t- ブチルパ
ーオキサイド1部を5時間かけて連続添加し、さらに1
時間還流を継続する。その後内温130℃に保ち、2時
間の残モノマー重合を2回行うことにより反応を完結し
て、重合液を得た。これを160℃、1.33kPaの
ベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去した。得られ
たビニル樹脂の物性値を表1に示した。
-t- ブチルパーオキサイド1部を0.4部、メタクリル
酸グリシジル5部を13部、スチレン65部を57部と
した以外は製造例A−1と全く同様にしてビニル樹脂を
得た。得られたものの物性値を表1に示した。
キシレン40部を仕込み、オイルバスにより加熱し還流
下(内温138℃)においてスチレン68部とアクリル
酸n−ブチル27部とメタクリル酸グリシジル5部とジ
−t−ブチルパーオキサイド4部からなる溶液を5時間
かけて連続滴下し、その後、1時間反応を継続して重合
後、内温を130℃に保ち、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド0.5部を添加し2時間反応させて重合を終了し
た。得られたものの物性値を表1に示した。
製造例] (製造例B−1)スチレン57.4部、アクリル酸n-ブ
チル11.9部、メタクリル酸0.7 部とキシレン溶媒
30部からなる溶液に、スチレン100部当たり0.6
部のジ-t-ブチルパーオキサイドを均一に溶解したもの
を、内温190℃、内圧0.59MPaに保持した5l
の反応器に750cc/hで連続的に供給して重合し低分子
量重合液を得た。
部、アクリル酸n-ブチル23.5部、メタクリル酸1.
5部を窒素置換したフラスコに仕込み、内温120℃に
昇温後同温度に保ち、バルク重合を10時間行った。こ
の時の重合率は51%であった。ついで、キシレン50
部を加え、予め混合溶解しておいたジブチルパーオキサ
イドの0.1部、キシレン50部を130℃に保ちなが
ら8時間かけて連続添加し、さらに2時間残モノマー重
合して、重合を完結し、高分子量重合液を得た。つい
で、上記低分子量重合液100部と高分子量重合液60
部とを混合した後、これを160℃、1.33kPaの
ベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去した。得られ
たビニル樹脂の物性値を表1に示した。
分子量重合液を製造する際に、スチレン57.4部を5
4.6部、メタクリル酸0.7部を3.5部とした以外は
製造例B−1と全く同様にしてビニル樹脂を得た。得ら
れたものの物性値を表1に示した。
分子量重合液を製造する際に、スチレン57.4部を5
0.4部、アクリル酸n-ブチル11.9部を18.9部と
した以外は製造例B−1と全く同様にしてビニル樹脂を
得た。得られたものの物性値を表1に示した。
キシレン100部を仕込み、オイルバスにより加熱し還
流下(内温138℃)においてスチレン82部とアクリ
ル酸n−ブチル17部とメタクリル酸1部とt−ブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート3部からなる溶液
を5時間かけて連続滴下し、その後、1時間反応を継続
して重合後、内温を98℃に保ち、t−ブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサノエート0.3部を添加し1時間反
応後、さらにt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート0.5部を添加し2時間反応させて重合し低分子
量重合液を得た。
てスチレン74部とアクリル酸n−ブチル23.5部を
仕込み、オイルバスにより加熱し、内温を120℃に保
ち、塊状重合により6時間重合させた。塊状重合の重合
率は40%であった。塊状重合についで、キシレン50
部とメタクリル酸2.5部を加え、1,1−ビス(t−
ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン0.34部とキシレン60部溶液を内温110℃に
保ちながら9時間かけて連続滴下し、その後、2時間反
応を継続して重合後、内温130℃に保ちながらジ−t
−ブチルパーオキサイド0.2部を添加し2時間反応
後、さらにジ−t−ブチルパーオキサイド0.5部を添
加し2時間反応させ後にキシレン123.33部で希釈
して重合を終了し、高分子重合液を得た。ついで、上記
低分子重合液100部と高分子重合液70.3部を混合
し、これを190℃、1.33kPaのベッセル中にフ
ラッシュして溶剤を除去した。得られたものの物性値を
表1に示した。
で得られたビニル樹脂97部をヘンシェルミキサーにて
混合後、2軸混練機(KEXN S-40型、栗本鉄工所製)にて
2軸混練機吐出部樹脂温度170℃、滞留時間90秒で
混練反応させた。その後、冷却・粉砕し、電子写真用ト
ナーバインダーとした。冷却方法としては、スチールベ
ルトクーラーを使用し、冷却水温10℃、冷却水量は樹
脂1kgあたり20L、熱伝導率0.335kJ/mhの
装置を用いて急冷した。諸条件および得られた樹脂の物
性値を表1に示した。この後、カーボンブラックREG
AL 330R(CABOT CORPORATION製)
6部、ポリプロピレンワックス NP-105(三井化学
製)2.5部、荷電調整剤としてボントロンS34(オリ
エント化学工業製)1部添加し、再度ヘンシェルミキサ
ーにて混合後、2軸混練機(PCM-30型、池貝機械製)にて
2軸混練機吐出部樹脂温度150℃、滞留時間30秒で
混練させた。ついで冷却・粉砕・分級して約7ミクロン
の電子写真用トナーを得た。この冷却も上記スチールベ
ルトクーラーを使用した冷却方法と同様の方法で急冷さ
せた。この電子写真用トナー3部とキャリヤ97部とを
混合して現像剤とし、市販の高速複写機を改造して、画
像を書かせて評価した結果を表1に示す。
にした以外は実施例1と全く同様にした。諸条件、樹脂
の物性値および、それらの結果を表1に示す。
7部、製造例B−1で得られたビニル樹脂93部とした
以外は実施例2と全く同様にした。諸条件、樹脂の物性
値および、それらの結果を表1に示す。
℃、滞留時間30秒にした以外は実施例1と全く同様に
した。諸条件、樹脂の物性値および、それらの結果を表
1に示す。
を製造例A−2で得られたビニル樹脂にした以外は実施
例2と全く同様にした。諸条件、樹脂の物性値および、
それらの結果を表1に示す。
を製造例B−2、3にした以外は実施例2と全く同様に
し、各々実施例6、7とした。諸条件、樹脂の物性値お
よび、それらの結果を表1に示す。
と製造例B−1で得られたビニル樹脂の混合比率を97
/3とした以外は実施例1と全く同様にした。諸条件、
樹脂の物性値および、それらの結果を表1に示す。
と製造例B−1で得られたビニル樹脂の混合比率を97
/3から94/6にした以外は実施例2と全く同様にし
た。諸条件、樹脂の物性値および、それらの結果を表1
に示す。
3で得られたビニル樹脂7部をヘンシェルミキサーにて
混合後、2軸混練機(KEXN S−40、栗本鉄工所
製) にて2軸混練機吐出部樹脂温度185℃、滞留時
間90秒で混練反応させた。得られた樹脂を冷却、粉砕
機(パワーミル型式P-3 三英製作所製、3mmスクリーン
使用)で粉砕し、電子写真用トナーバインダーを得た。
冷却方法は実施例1同様に急冷とした。この電子写真用
トナーバインダーにカーボンブラックREGAL 33
0R(CABOT CORPORATION製)6部、ポ
リプロピレンワックス NP-105(三井化学製)2.5
部、荷電調整剤としてボントロンS34(オリエント化
学工業製)1部を添加し、再度ヘンシェルミキサーにて
混合後、2軸混練機(PCM−30型、池貝機械製)
にて2軸混練機吐出部樹脂温度155℃、滞留時間60
秒で混練させた。ついで冷却、粉砕、分級して約7ミク
ロンの電子写真用トナーを得た。この冷却も実施例1同
様に急冷とした。この電子写真用トナー3部とキャリヤ
97部とを混合して現像剤とし、市販の高速複写を改造
して、画像を書かせて評価した。得られた電子写真用ト
ナーバインダーの粘弾性測定結果を図4に示した。諸条
件、樹脂の物性値および、それらの結果を表1に示す。
混練反応させた以外は全く実施例1と同様にしてトナー
バインダーを得た。また得られたトナーバインダーを使
用した以外全て実施例1と同様にしてトナーを得、実施
例1同様にして評価した。諸条件、得られた樹脂の物性
値および、それらの結果を表2に示した。
にした以外は比較例1と全く同様にした。諸条件、樹脂
の物性値および、それらの結果を表2に示す。
7部、製造例B−1で得られたビニル樹脂93部とした
以外は比較例1と全く同様にした。諸条件、樹脂の物性
値および、それらの結果を表2に示す。
例1と全く同様にした。諸条件、樹脂の物性値および、
それらの結果を表2に示す。
を製造例A−2で得られたビニル樹脂にした以外は比較
例1と全く同様にした。諸条件、樹脂の物性値および、
それらの結果を表2に示す。
を製造例B−2、3にした以外は比較例1と全く同様に
し、各々比較例6、7とした。諸条件、樹脂の物性値お
よび、それらの結果を表2に示す。
と製造例B−1で得られたビニル樹脂の混合比率を97
/3とした以外は比較例1と全く同様にした。諸条件、
樹脂の物性値および、それらの結果を表2に示す。
と製造例B−1で得られたビニル樹脂の混合比率を97
/3から94/6にした以外は比較例1と全く同様にし
た。諸条件、樹脂の物性値および、それらの結果を表2
に示す。
応させた以外は全く実施例10と同様にしてトナーバイ
ンダーを得た。また得られたトナーバインダーを使用し
た以外全く実施例10と同様にしてトナーを得た。得ら
れたトナーバインダーの粘弾性測定を図4に示した。諸
条件、樹脂の物性値および、それらの結果を表2に示
す。
ースピードでコピーし、このコピーしたベタ黒部分と白
地の間を砂消しゴム(トンボ鉛筆社製プラスチック砂消
しゴム”MONO”)により、一定の力で10回往復さ
せ、ベタ黒部分の黒度をインキ濃度計で測定し、トナー
の残存比率を濃度比で表し、60%以上残っている最低
温度(定着温度と表す)を示した。
温度と表す)をそのまま表示した。
置した後の粉体の凝集の程度を目視にて以下のように測
定した。 ◎;全く凝集していない ○;わずかに凝集しているが、容器を軽く振るとほぐれ
る △;容器をよく振ってもほぐれない凝集物がある ×;完全に団塊化している
砕し、10メッシュアンダー16メッシュオンの粒度に
揃えてジェットミルにて粉砕した。コールターカウンタ
ーにて粒度分布を測定、5〜20μの粒度の割合を求め
る。 ◎;85%以上 ○;70%〜85%未満 △;50%〜70%未満 ×;50%未満
0000枚連続コピー後パターンをコピーして再現性を
チェックした。線幅100μmの線が在る原紙につい
て、紙上にて、マイクロスコープにて観察し線幅を5点
測定した。さらにこの紙をコピーし、定着させた後のコ
ピー紙上での線幅5点を測定した。原紙とコピー紙の線
幅の平均をそれぞれ求め、原紙の線幅とコピー紙の線幅
の差により以下のように評価した。 線幅増加分δ=コ
ピー紙線幅−原紙線幅 ○;δ<5μm △;5≦δ<10μm ×;δ≧10μm
結果を示す。図1に実施例と比較例のゲル分と定着温度
の関係を示す。図2に実施例と比較例の完全反応ゲル分
とオフセット温度の関係を示す。図3には、実施例と比
較例の定着温度とオフセット温度の関係を示す。本発明
者らは、鋭意検討の結果、図1に示すようにゲル分と定
着温度に強い相関が、また、図2に示すように完全反応
ゲル分とオフセット温度に強い相関があることを見出し
た。さらに、本発明者らは、発明の実施の形態の中で詳
述したように、架橋反応を2軸混練工程で制御すること
により、ゲル分を制御し得ることを見出し、結果、所望
の定着性を得る方法を得た。一方、完全ゲル分は本発明
者が開発した公知技術(特開平09−319140)に
より制御することが可能であり、結果、図2の関係を用
いて、所望の耐オフセット性を得ることができた。以上
のように、本発明者らはゲル分と完全ゲル分の双方を制
御せしめることにより、より低温定着性に優れ、かつ、
耐オフセット性に優れたトナーバインダーを得る方法を
得た。図3に示すように、実施例は比較例に対して、同
定着温度ならばより高いオフセット温度を得るトナーバ
インダーが、また、同オフセット温度ならば、より低い
定着温度を得るトナーバインダーを得られることが判
る。このように、本発明のトナーバインダーは、省エネ
ルギー化された高速機によく対応した、低温定着性に優
れ、かつ、耐オフセット性にも優れた性能を有してい
る。また、本発明のトナーバインダーは、表1に示すよ
うに、ブロッキング性、粉砕性、耐久現像性にも優れ、
実用上優れた性能を有している。
関係を表す図である。
フセット温度の関係を表す図である。
ト温度の関係を表す図である。
ンダーの貯蔵弾性率G’と温度との関係を表す図であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】電子写真用トナーバインダーにおいて、当
該トナーバインダーの粘弾性を温度範囲が50〜200
℃、昇温速度が2℃/minで測定したとき、縦軸が貯蔵弾
性率G’の対数(Pa)、横軸が温度(℃)である貯蔵
弾性率と温度の関係を表した100〜200℃の温度範
囲の粘弾性カーブにおいて、140〜180℃の温度範
囲における当該粘弾性カーブが下に凹であり、その底に
貯蔵弾性率G’の極小値G’0を有し、このG’0と2
00℃における貯蔵弾性率G’200がG'0<G'200
で、その差ΔG'(G'200−G’0=ΔG')が300
Pa以上であることを特徴とする電子写真用トナーバイン
ダー。 - 【請求項2】前記200℃における貯蔵弾性率G’20
0が1,000Pa以上であることを特徴とする請求項1
記載の電子写真用トナーバインダー。 - 【請求項3】電子写真用トナーバインダーにおいて、当
該トナーバインダーのガラス転移温度が45〜75℃で
あり、0.1〜20質量%のゲル分を含み、かつ、当該
トナーバインダーのテトラヒドロフラン(THF)可溶
分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)による分子量分布において、分子量4,000〜5
0,000の領域にピークを有することを特徴とする請
求項1または2記載の電子写真用トナーバインダー。 - 【請求項4】架橋反応度が、1〜50%であることを特
徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の電子写真用
トナーバインダー。 - 【請求項5】電子写真用トナーバインダーにおいて、当
該トナーバインダーが、重量平均分子量が10,000
〜100,000であり、エポキシ価が0.005〜0.
1Eq/100gであるグリシジル基含有ビニル樹脂(A)を
架橋剤とし、該グリシジル基含有ビニル樹脂(A)と、
酸価が1〜30mgKOH/g、ガラス転移温度が40〜70
℃であるカルボキシル基含有ビニル樹脂(B)とを加熱
溶融することにより架橋反応せしめて得られたものであ
ることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の
電子写真用トナーバインダー。 - 【請求項6】スチレンアクリル系樹脂を主成分とするこ
とを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の電子
写真用トナーバインダー。 - 【請求項7】請求項1ないし6の何れかに記載の電子写
真用トナーバインダーを使用することを特徴とする電子
写真用トナー。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009028176A1 (ja) | 2007-08-30 | 2009-03-05 | Mitsui Chemicals, Inc. | カラートナー用バインダー樹脂およびこれを用いるカラートナー |
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-
2001
- 2001-10-10 JP JP2001312674A patent/JP3929272B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8450039B2 (en) | 2007-08-30 | 2013-05-28 | Mitsui Chemicals, Inc. | Binder resin for color toners and color toner using the same |
WO2013121981A1 (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-22 | シャープ株式会社 | 静電荷現像用トナー、及びそれを用いる画像形成装置、並びに画像形成方法 |
JP2013167702A (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-29 | Sharp Corp | 静電荷現像用トナー、及びそれを用いる画像形成装置、並びに画像形成方法 |
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