JP3532033B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JP3532033B2
JP3532033B2 JP13164896A JP13164896A JP3532033B2 JP 3532033 B2 JP3532033 B2 JP 3532033B2 JP 13164896 A JP13164896 A JP 13164896A JP 13164896 A JP13164896 A JP 13164896A JP 3532033 B2 JP3532033 B2 JP 3532033B2
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toner
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康雄 岡田
一也 坂田
正昭 秦
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真、静電記録、静
電印刷などに於ける、静電荷像を現像するための電子写
真用トナーに関する。さらに詳しくは高速機に対応で
き、しかも高解像度で且つ画質に優れた電子写真用トナ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、PPC複写機やプリンターに於
ける電子写真用法は、光感光体上に静電気的潜像を形成
し、ついで該潜像をトナーを用いて現像し、紙等の被定
着シート上にトナー画像を転写した後、熱ロールで加熱
圧着する方法が行われている。この方法は、加熱加圧下
で定着を行うので迅速でしかも熱効率が極めて良好であ
り、従って定着効率が非常に良い。しかしながら、この
熱ロール方式に於いては熱効率が良い反面、熱ロール表
面とトナーが溶融状態で接触するため、トナーが熱ロー
ル表面に付着転移し、次の被着シートにこれが再転移し
て汚す(オフセット現象)という問題がある。
【0003】一方、複写機は、高速化の方向を指向して
おり、必然的に定着ロールのスピードも速くなり、短時
間の加熱で定着出来るトナーが要求されている。出来る
だけ短時間で定着させる為には溶融時高流動であること
が必要で、そのためにはトナーに用いられる樹脂の分子
量を小さくすれば良いと考えられているが、分子量低下
による樹脂の凝集力が不足し、逆にオフセット現象が発
生し易くなり、好ましくない。この為通常、流動性はあ
る程度犠牲になるが、低分子量のものと高分子量のもの
と混合使用して、高分子量のものが有する凝集力と低分
子量のものが有する流動性とでバランスを持たしてい
る。このような例として、例えば、特公昭55- 6895号公
報、特公昭63-32180号公報、USP 4,921,771 号等に係る
技術が提案されている。しかし、従来10〜30枚/分のコ
ピースピードの複写機が主流であったが、近年50〜100
枚/分の様な高速複写機も多数開発上市されている。こ
のような高速化に対しては、いまだ充分ではなく、機械
の改良等で対応している場合が多々ある。即ち、熱ロー
ルの表面に布や紙でシリコンオイルを塗布してオフセッ
トを防止している。この場合、機械の設備が複雑になる
ため、機械の補修、管理が複雑になり、コストアップに
繋がり、好ましくない。したがって高速機用トナーで、
且つシリコンオイル等のオイルの使用を必要としない定
着用トナー(オイルレス定着方式)の開発が望まれてい
る。又、プリンター性能のアップと共に原稿が非常に綺
麗になり、原稿を出来るだけ忠実に再現出来るような複
写機の出現も強く要求されるようになって来た。太い薄
い線は太く薄く、細い濃い線は細く濃く、非常に細い線
も全く同じ太さ同じ形に、原稿を出来るだけ忠実に再現
することが必要で、この為には、非常に細かい線でも再
現出来るようトナーの粒径も小さくする必要があり小粒
径化トナーが要求さるようになってきた。しかし、折角
小粒径化トナーを用いても、定着時熱ロールでトナーが
潰されて大きく拡がってしまっては、細線が太くなり好
ましくない。紙に定着した時のトナーの拡がりは出来る
だけ元のトナーの大きさを維持できるよう高解像度でし
かも高画質のトナーが熱望されている。
【0004】定着時熱ロールでトナーが潰されて大きく
拡がらなくするためには、高分子量を出来るだけ多くし
トナーに弾性を持たせればよいが、その場合粉砕し難く
生産性がダウンし問題となる。また、高解像度でしかも
高画質のトナーにするには一般に7μ位に小粒径化する
のであるが、粉砕し易くするため、低分子量を増やすと
粉砕時微粉が多量発生し、生産効率が落ち生産コストが
大幅に上昇し問題となる。
【0005】一方、オイルレス定着方式用トナーの開発
に於けるオフセット防止方法としては架橋ポリマーを用
いたトナーも数多く提案されている。例えば特公昭60-3
6582号公報等には、乳化重合法で製造された架橋ポリマ
ーを用いる方法が開示されている。この場合、用いられ
る架橋ポリマーはゲル分を50〜99%含有しており、この
ゲル分を多くすると、耐オフセット性は良くなるが粉砕
性は悪化し、他方架橋ポリマー分が少なくなると粉砕性
はよくなるが耐オフセット性は良くならず、耐オフセッ
ト性と粉砕性の両者を満足することは極めて困難であっ
た。また、この方法では架橋ポリマー製造時に乳化粒子
を安定化させるため分散剤や分散助剤を併用させる必要
がある。これら分散剤は吸湿し易いため電気特性、特に
チャージ安定性に悪影響を及ぼすので、架橋ポリマー製
造後、できるだけこれらを取り除く必要性がある。しか
し、これらを洗浄して完全に取り除くには多大の労力が
必要であり、また、洗浄水の排水量も多くなりその処理
も大変である。また、USP4,966,829 号公報には、ゲル
成分が0.1 〜60重量パーセント含み且つテトラヒドロフ
ラン可溶分に於いてメインピークの分子量が1,000 〜2
5,000、且つ,サブピーク又はショルダーの分子量が3,0
00 〜150,000 が少なくとも一つ有するビニル系重合体
を含有するトナーが良い旨開示されている。しかし、こ
れを製造する方法はサスペンション法であり、この場合
も乳化重合法と同じように、製造時に分散剤や分散助剤
を併用させるので、上記乳化重合と全く同じ問題があっ
た。この為、本発明者等は定着性の良いトナー用樹脂と
して、溶液重合法による樹脂(USP4,963,456号)を開発し
てきた。
【0006】溶液重合法による樹脂は、重合終了後溶剤
を除去するが、この時、未反応の残存モノマーや開始剤
の分解物等低揮発成分は全て留去出来るので、非常に不
純物の少ない電気的には安定な均質な樹脂が得られ、ト
ナー用には最適のものが得られるものと考えられる。し
かしながら、溶液重合法による架橋ポリマーの製造は、
ワイゼンベルグ効果( 攪拌棒に樹脂が巻きつく)が発生
し製造出来なくなるという問題があった。したがって、
本発明者等は、さらにバルク等で出来るだけ高分子化す
る方法(USP 5,084,368号) を開発した。しかし製造出来
る高分子量のものには限界があり、オフセット性を完全
に克服するところまでは至っていなかった。また、特公
昭60-38700号公報には、グリシジル基含有単量体を3 〜
40% 有する共重合体(A) と架橋性化合物(B) とを加熱混
合して製造したトナーバインダーが良い旨開示されてい
るが、このトナーに於いてはエポキシ基が多量残ってい
るため長期のテストで逆チャージのトナーが発生し耐久
性に問題を生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、溶液重
合法にて製造したCOOHを有する樹脂とグリシジル基
を有する化合物を用いて特定の比率で架橋させることに
より、高速機に対応でき、且つ定着性・オフセット性・
ブロッキング性のバランスが良く、粉砕性、生産効率、
電気特性、チャージ安定性にも優れたトナーを得る技術
を開発(特開平06-011890号公報, 特開平06-222612号公
報)した。しかし、トナー製造工程における混練時に架
橋成分に過剰なシェアーがかかりゲルが切断をうけるた
め、高温における弾性が不十分となり、定着後の画像の
悪化や十分な耐オフセット効果が得られないという問題
が生じた。本発明者らは、これらの要求を満足すべく鋭
意検討した結果、グリシジル基を含有する架橋剤の分子
量およびエポキシ価を改良することにより、トナー製造
工程の混練時におけるゲルの切断が低減され、画像再現
性、耐オフセット性に効果が表れ、定着性・オフセット
性・ブロッキング性のバランスが大幅に改善され、且つ
粉砕性、生産効率、電気特性、チャージ安定性にも優れ
たトナー用結着剤を見いだし、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、1) 少なくとも着色剤
と結着剤からなる電子写真用トナーに於いて、当該結着
剤が重量平均分子量が10,000より大きく100,
000以下であり、エポキシ価0.005〜0.1Eq
/100gであるグリシジル基含有ビニル樹脂(A)を
架橋剤とし、酸価1〜30mgKOH/g、Tgが40
〜70℃であるCOOH基含有ビニル樹脂(B)よりな
る樹脂組成物を主体として構成されていることを特徴と
する電子写真用トナー、 2) 該結着剤が、グリシジル基含有ビニル樹脂(A)
とCOOH基含有ビニル樹脂(B)とを加熱溶融するこ
とにより架橋反応せしめて得られたものの総量中に含ま
れるゲル分率が0.1〜40重量%である請求項1記載
の電子写真用トナー、 3) COOH基含有ビニル樹脂(B)中のCOOH基
1当量当り、グリシジル基として0.01〜0.5当量
を有するグリシジル基含有ビニル樹脂(A)となる混合
比率である請求項1記載の電子写真用トナーである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
要求を満足すべく鋭意検討した結果、グリシジル基を含
有する架橋剤の分子量およびエポキシ価を改良すること
により、トナー製造工程の混練時におけるゲルの切断が
低減され、画像再現性、耐オフセット性に効果が表れ、
定着性・オフセット性・ブロッキング性のバランスが大
幅に改善され、且つ粉砕性、生産効率、電気特性、チャ
ージ安定性にも優れたトナー用結着剤を見いだし、本発
明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、1)少なくとも着色
剤と結着剤からなる電子写真用トナーに於いて、当該結
着剤が重量平均分子量が10,000より大きく70,
000以下であり、エポキシ価0.005〜0.1Eq
/100gであるグリシジル基含有ビニル樹脂(A)を
架橋剤とし、酸価1〜30mgKOH/g、Tgが40〜
70℃であるCOOH基含有ビニル樹脂(B)よりなる
樹脂組成物を主体として構成されていることを特徴とす
る電子写真用トナー、 (2)該結着剤がグリシジル基含有ビニル樹脂(A)と
COOH基含有ビニル樹脂(B)とを加熱溶融すること
により架橋反応せしめて得られたものの総量中に含まれ
るゲル分率が0.1〜40重量%である請求項1記載の
電子写真用トナー (3)COOH基含有ビニル樹脂(B)の中のCOOH
基1当量当たり、グリシジル基として0.01〜0.5
当量を有するグリシジル基含有ビニル樹脂(A)となる
混合比率である請求項1記載の電子写真用トナー
【0011】
【発明実施の形態】本発明に於けるグリシジル基含有ビ
ニル樹脂(A)としては、重量平均分子量が10,000より
大きく70,000以下、好ましくは12,000〜30,000で且つエ
ポキシ価が0.005〜0.1Eq/100gであるものが好ましいグ
リシジル基含有ビニル樹脂とは、グリシジル基を含有す
るビニル単量体と他のビニル単量体とを共重合して得ら
れた樹脂である。重量平均分子量が10,000以下では、架
橋体を合成してもトナー製造工程の混練におけるゲルの
切断が激しく、定着後の画像再現性、耐オフセット性に
問題が生じる。逆に70,000より高いと定着性が悪化す
る。また、エポキシ価は0.005〜0.1Eq/100gの範囲のも
のが好ましい。0.005Eq/100g以下にあってはゲル生成量
が少なくオフセット性の改良は出来ない。0.1Eq/100g以
上では架橋体を合成してもトナー製造工程におけるゲル
の切断が激しく、画像再現性、耐オフセット性に問題が
生じる。
【0012】本発明に於いてはグリシジル基含有ビニル
樹脂(A)とCOOH基含有ビニル樹脂(B)を加熱溶
融することにより架橋反応せしめた樹脂中に0.1〜40%
のゲル分率を含有していることが好ましい。さらに好ま
しくは5〜20%である。ゲル分率0.1% 以下では十分な
架橋体が生成しておらず耐オフセット性の効果が発現し
ない。また40%以上では大部分がゲル化を起こし流動性
が悪化し定着性にも問題がでてくる。また、COOH基
含有ビニル樹脂(B)中のCOOH基1当量当りグリシ
ジル基として 0.01〜0.5当量を有するグリシジル基含有
ビニル樹脂(A)となる混合比率が好ましい。さらに好
ましくは0.03〜0.2当量である。
【0013】本発明に於いて使用されるグリシジル基含
有ビニル樹脂(A)の製造に用いられるグリシジル基含
有ビニル単量体は、アクリル酸グリシジル、アクリル酸
βメチルグリシジル、メタアクリル酸グリシジル、メタ
アクリル酸βメチルグリシジルなどが好ましい。
【0014】また本発明に於いて使用されるCOOH基
含有ビニル樹脂(B)の製造に用いられるCOOH基含
有ビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、ケイヒ酸、
フマール酸メチル、フマール酸エチル、フマール酸プロ
ピル、フマール酸ブチル、フマール酸オクチル、マレイ
ン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、
マレイン酸ブチル、マレイン酸オクチル等の不飽和二塩
基酸のモノエステル類等である。
【0015】グリシジル基含有ビニル単量体及びCOO
H基含有ビニル単量体と共重合するビニル単量体として
は、例えば、スチレン、P-メチルスチレン、αメチルス
チレン、ビニルトルエン等のスチレン類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベンジル、
アクリル酸フルフリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、
アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチルアミ
ノメチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリ
ル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル
酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブ
チル、メタアクリル酸オクチル、メタアクリル酸シクロ
ヘキシル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸
ベンジル、メタアクリル酸フルフリル、メタアクリル酸
ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシブチル、
メタアクリル酸ジメチルアミノメチル、メタアクリル酸
ジメチルアミノエチル等のメタアクリル酸エステル類、
フマール酸ジメチル、フマール酸ジブチル、フマール酸
ジオクチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチ
ル、マレイン酸ジオクチル等の不飽和二塩基酸のジエス
テル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、ア
クリルアミド、メタアクリルアミド、N置換アクリルア
ミド、N置換メタアクリルアミド、類のアミド等があ
り、これらのビニル単量体の少なくとも1種が用いられ
る。これらの中で特に好ましいビニル単量体としてはス
チレン類、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸エス
テル類、フマール酸ジアルキルエステル類、アクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。
【0016】COOH基含有ビニル樹脂(B)は、酸価
1〜30KOHmg/g、かつTgが40〜70℃である樹脂が好まし
い。さらに好ましくは酸価5〜20KOHmg/g、Tgが50〜60
℃である。Tgが40℃以下ではブロッキングを起こし好
ましくなく、Tgが70℃以上になると軟化点が上昇し、
定着性が悪化して本目的のトナーが得られない。COO
H基含有ビニル樹脂(B)中のCOOH含有量は、酸価
として1〜30 KOHmg/gが好ましい。1以下では一分子当た
りの反応量が少なくなるため高分子量になり難く画像再
現性、オフセット性が不足する。また30KOHmg/g 以上で
は、トナー製造工程の混練におけるゲルの切断が激しく
画像再現性、オフセット性が悪化する。
【0017】本発明における数平均分子量や重量平均分
子量はGPC法により求めたもので、単分散標準ポリス
チレンで検量線を作成した換算分子量である。測定条件
は下記の通り。 GPC装置; JASCO TWINCLE HPLC DETECTOR ; SHODEX RI SE-31 COLUMN ; SHODEX GPCA-80M*2+KF-802 溶 媒 ; TETRAHYDROFURAN 流 速 ; 1.2ml /min. 本発明におけるゲル分率は、樹脂 5部を酢酸エチル95部
に十分溶解させた時の樹脂全量に対する酢酸エチル不溶
分を算出したものである。
【0018】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、以降「部」は、特にことわらない限り重量部
を表わす。 [グリシジル基含有ビニル樹脂(A)の製造例] 製造例A−1 キシレン75部を窒素置換したフラスコに仕込み昇温し、
キシレン還流下において、予め混合溶解しておいたスチ
レン65部、アクリル酸n-ブチル30部、メタアクリル酸グ
リシジル5部、ジ-t- ブチルパーオキサイド1部を5時間
かけて連続添加し、さらに1時間還流を継続する。その
後内温 130℃に保ち、2時間の残モノマー重合を2回行
うことにより反応を完結して、重合液を得た。これを16
0℃ 10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去
した。得られたビニル樹脂の重量平均分子量は40,000、
エポキシ価0.035Eq/100gであった。
【0019】製造例A−2 製造例A−1においてジ-t- ブチルパーオキサイド1部
を4部、メタアクリル酸グリシジル 5部を13部、スチレ
ン65部を57部とした以外は製造例A−1と全く同様にし
てビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に
示した。 製造例A−3 製造例A−2においてジ-t- ブチルパーオキサイド4部
を8部とした以外は製造例A−2と全く同様にしてビニ
ル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示し
た。
【0020】製造例A−4 製造例A−2においてメタアクリル酸グリシジル13部を
16部、スチレン57部を54部とした以外は製造例A−2と
全く同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性
値を表−1に示した。 製造例A−5 製造例A−1においてジ-t- ブチルパーオキサイド1部
を4部、メタアクリル酸グリシジル5部を1部、スチレン6
5部を69部とした以外は製造例A−1と全く同様にして
ビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示
した。
【0021】製造例A−6 製造例A−5においてジ-t- ブチルパーオキサイド4部
を8部とした以外は製造例A−5と全く同様にしてビニ
ル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示し
た。 製造例A−7 製造例A−5においてメタアクリル酸グリシジル1部を
0.5部、スチレン69部を69.5部とした以外は製造例A−
5と全く同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの
物性値を表−1に示した。
【0022】製造例A−8 製造例A−1においてジ-t- ブチルパーオキサイド1部
を0.4部、メタアクリル酸グリシジル5部を1部、スチレ
ン65部を69部とした以外は製造例A−1と全く同様にし
てビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に
示した。 製造例A−9 製造例A−8においてジ-t- ブチルパーオキサイド0.4
部を0.1部とした以外は製造例A−8と全く同様にして
ビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示
した。
【0023】製造例A−10 製造例A−8においてメタアクリル酸グリシジル1部を
0.5部、スチレン69部を69.5部とした以外は製造例A−
8と全く同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの
物性値を表−1に示した。 製造例A−11 製造例A−1においてジ-t- ブチルパーオキサイド1部
を0.4部、メタアクリル酸グリシジル5部を13部、スチレ
ン65部を57部とした以外は製造例A−1と全く同様にし
てビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に
示した。
【0024】製造例A−12 製造例A−11においてジ-t- ブチルパーオキサイド0.
4部を0.1部とした以外は製造例A−11と全く同様にし
てビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に
示した。 製造例A−13 製造例A−11においてメタアクリル酸グリシジル13部
を16部、スチレン57部を54部とした以外は製造例A−1
1と全く同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの
物性値を表−1に示した。
【0025】[COOH基含有ビニル樹脂(B)の製造
例] 製造例B−1 スチレン57.4部、アクリル酸n-ブチル11.9部、メタアク
リル酸0.7 部とキシレン溶媒30部からなる溶液にスチレ
ン100 部当たり0.6 部のジ-t- ブチルパーオキサイドを
均一に溶解したものを、内温190 ℃内圧 6kg/cm2に保持
した5l の反応器に750cc/hrで連続的に供給して重合し
低分子量重合液を得た。
【0026】別に、ビニル単量体として、スチレン75
部、アクリル酸n-ブチル23.5部、メタアクリル酸1.5部
を窒素置換したフラスコに仕込み、内温120℃に昇温後
同温度に保ち、バルク重合を10時間行った。この時の重
合率は51%であった。ついで、キシレン50部を加え、予
め混合溶解しておいたジブチルパーオキサイドの0.1部
キシレン 50部を130℃に保ちながら8時間かけて連続添
加し、更に2時間残モノマー重合して、重合を完結し、
高分子量重合液を得た。ついで、上記低分子量重合液10
0部と高分子量重合液60部とを混合した後、これを160
℃10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去し
た。得られたビニル樹脂のTgは59℃、酸価は7.3であっ
た。
【0027】製造例B−2 製造例B−1において低分子量重合液を製造する際に、
スチレン57.4部を54.6部、メタアクリル酸0.7部を3.5部
とした以外は全く製造例B−1と同様にしてビニル樹脂
を得た。得られたものの物性値を表−2に示した。 製造例B−3 製造例B−1において低分子量重合液を製造する際に、
スチレン57.4部を53.2部、メタアクリル酸0.7部を4.9部
とした以外は全く製造例B−2と同様にしてビニル樹脂
を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0028】製造例B−4 製造例B−1において低分子量重合液を製造する際に、
スチレン57.4部を58.1部、メタアクリル酸0.7部を0.0部
とし、また高分子量重合液を製造する際にスチレン75部
を76.0部、メタアクリル酸1.5部を0.5部とした以外は全
く製造例B−2と同様にしてビニル樹脂を得た。得られ
たものの物性値を表−1に示した。 製造例B−5 製造例B−4において高分子量重合液を製造する際に、
スチレン75部を76.3部、メタアクリル酸1.5部を0.2部と
した以外は全く製造例B−4と同様にしてビニル樹脂を
得た。得られたものの物性値を表−2に示した。
【0029】製造例B−6 製造例B−1において低分子量重合液を製造する際に、
スチレン57.4部を50.4部、アクリル酸n-ブチル11.9部を
18.9部とした以外は全く製造例B−1と同様にしてビニ
ル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−2に示し
た。 製造例B−7 製造例B−1において低分子量重合液を製造する際に、
スチレン57.4部を46.9部、アクリル酸n-ブチル11.9部を
22.4部とした以外は全く製造例B−1と同様にしてビニ
ル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−2に示し
た。
【0030】製造例B−8 製造例B−1において低分子量重合液を製造する際に、
スチレン57.4部を61.6部、アクリル酸n-ブチル11.9部
を7.7部とした以外は全く製造例B−1と同様にしてビ
ニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−2に示し
た。 製造例B−9 製造例B−1において低分子量重合液を製造する際に、
スチレン57.4部を65.1部、アクリル酸n-ブチル11.9部
を4.2部とした以外は全く製造例B−1と同様にしてビ
ニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−2に示し
た。
【0031】実施例1 製造例A−1で得られたビニル樹脂3部、製造例B−1
で得られたビニル樹脂97部をヘンシェルミキサーにて混
合後、2軸混練機(KEXN S-40型、栗本鉄工所製)にて200
℃で混練反応させた。冷却・粉砕後、カーボンブラッ
クMA100(三菱化成製)8部、ポリプロピレンワックス
(ビスコール550P) 5部、荷電調整剤としてアイゼンス
ピロンブラックTRH1部添加し、再度ヘンシェルミキサ
ーにて混合後、2軸混練機(PCM-30型、池貝鉄鋼製)にて
150℃で混練させた。ついで冷却・粉砕・分級して約 7
ミクロンのトナーを得た。このトナー3 部とキャリヤ97
部とを混合して現像剤とし、市販の高速複写機を改造し
て、画像を書かせて評価した結果を表−3に示す。
【0032】実施例2、3、4、5 実施例1において、製造例A−1で得られたビニル樹脂
を製造例A−2、5、8、11で得られたビニル樹脂に
した以外は実施例1と全く同様にし、各々実施例2、
3、4、5とした。それらの結果を表−3に示す。
【0033】実施例6、7、8、9 実施例1において、製造例B−1で得られたビニル樹脂
を製造例B−2、4、6、8にした以外は実施例1と全
く同様にし、各々実施例6、7、8、9とした。それら
の結果を表−3に示す。
【0034】実施例10 実施例6において、製造例A−1で得られたビニル樹脂
と製造例B−1で得られたビニル樹脂の混合比率を97/3
から94/6にした以外は実施例1と全く同様にした。その
結果を表−3に示す。
【0035】比較例1、2、3、4、5、6、7、8 実施例1において、製造例A−1で得られたビニル樹脂
を製造例A−3、4、6、7、9、10、12、13で
得られたビニル樹脂にした以外は実施例1と全く同様に
し、各々比較例1、2、3、4、5、6、7、8とし
た。それらの結果を表−4に示す。
【0036】比較例9、10、11、12 実施例1において、製造例B−1で得られたビニル樹脂
を製造例B−3、5、7、9にした以外は実施例1と全
く同様にし、各々比較例9、10、11、12とした。
それらの結果を表−4に示す。
【0037】比較例13 実施例6において、製造例A−1で得られたビニル樹脂
と製造例B−1で得られたビニル樹脂の混合比率を97/3
から92/8にした以外は実施例1と全く同様にした。その
結果を表−4に示す。
【0038】比較例14 実施例1において、製造例A−1で得られたビニル樹脂
と製造例B−1で得られたビニル樹脂の混合比率を97/3
から 100/0にした以外は実施例1と全く同様にした。そ
の結果を表−4に示す。
【0039】[トナーの評価方法] 1)画像再現性 市販の高速複写機(72枚/分のコピースピード)で線幅
約100μmの線を紙上に転写まで行い、マイクロスコープ
にて観察し線幅を5点測定した。さらにこの紙を定着機
に通し、定着させた後の線幅5点を測定した。定着前後
の線幅の平均をそれぞれ求め、定着前の線幅と定着後の
線幅の差により以下のように評価した。 線幅増加分δ=定着後線幅−定着前線幅 ◎;δ<5μm ○;5≦δ<10μm ×;δ≧10μm
【0040】2)定着性 市販の高速複写機(72枚/分のコピースピード)でコピ
ーし、このコピーしたベタ黒部分と白地の間を消しゴム
(トンボ鉛筆社製プラスチック消しゴム”MONO”)
により、一定の力で10回往復させ、ベタ黒部分の黒度を
インキ濃度計で測定し、トナーの残存比率を濃度比で表
し、80%以上を良好とした。 3)オフセット性 コピーした場合のオフセット発生する温度をそのまま表
示し、200℃以上を良好とした。
【0041】4)ブロッキング性 トナーを温度50℃相対湿度50%の環境下に1週間放置し
た後の粉体の凝集の程度を目視にて以下のように測定し
た。 ◎;全く凝集していない ○;わずかに凝集しているが、容器を軽く振るとほぐれ
る △;容器をよく振ってもほぐれない凝集物がある ×;完全に団塊化している
【0042】5)粉砕性 トナー製造時、2軸混練冷却したものを一部採取して粉
砕し、10メッシュアンダー16メッシュオンの粒度に揃
えてジェットミルにて粉砕した。コールターカウンター
にて粒度分布を測定、5〜20μの粒度の割合を求める。 ◎;85%以上 ○;70〜85% △;50〜70% ×;50%以下
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】表−3に示した如く、本発明の方法によ
り製造されたトナーは画像再現性、耐オフセット性に優
れ、また定着ブロッキング性のバランスも良く、粉砕性
も良好で実用上優れた性能を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−63661(JP,A) 特開 平3−63662(JP,A) 特開 平3−63663(JP,A) 特開 平3−118552(JP,A) 特開 平3−197969(JP,A) 特開 平6−11890(JP,A) 特開 平6−222612(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも着色剤と結着剤からなる電子写
    真用トナーに於いて、当該結着剤が重量平均分子量が1
    0,000より大きく70,000以下であり、エポキシ価0.005〜
    0.1Eq/100gであるグリシジル基含有ビニル樹脂(A)を
    架橋剤とし、酸価1〜30mgKOH/g、Tgが40〜70℃であるCO
    OH基含有ビニル樹脂(B)よりなる樹脂組成物を主体と
    して構成されていることを特徴とする電子写真用トナ
    ー。
  2. 【請求項2】該結着剤がグリシジル基含有ビニル樹脂
    (A)とCOOH基含有ビニル樹脂(B)とを加熱溶融する
    ことにより架橋反応せしめて得られたものの総量中に含
    まれるゲル分率が0.1〜40重量%である請求項1記載の
    電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】COOH基含有ビニル樹脂(B)の中のCOOH基
    1当量当たり、グリシジル基として0.01〜0.5当量を有
    するグリシジル基含有ビニル樹脂(A)となる混合比率
    である請求項1記載の電子写真用トナー。
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