JP3701691B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などに於ける、静電荷像を現像するための電子写真用トナーに関する。さらに詳しくは高速機に対応でき、しかも高解像度・高画質で且つ粉砕性に優れた電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PPC複写機やプリンターに於ける電子写真用法は、光感光体上に静電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーを用いて現像し、紙等の被定着シート上にトナー画像を転写した後、熱ロールで加熱圧着する方法が行われている。この方法は、加熱加圧下で定着を行うので迅速でしかも熱効率が極めて良好であり、従って定着効率が非常に良い。しかしながら、この熱ロール方式に於いては熱効率が良い反面、熱ロール表面とトナーが溶融状態で接触するため、トナーが熱ロール表面に付着転移し、次の被着シートにこれが再転移して汚す(オフセット現象)という問題がある。
【0003】
一方、複写機は、高速化の方向を指向しており、必然的に定着ロールのスピードも速くなり、短時間の加熱で定着出来るトナーが要求されている。出来るだけ短時間で定着させる為には溶融時高流動であることが必要で、そのためにはトナーに用いられる樹脂の分子量を小さくすれば良いと考えられているが、分子量低下による樹脂の凝集力が不足し、逆にオフセット現象が発生し易くなり、好ましくない。この為通常、流動性はある程度犠牲になるが、低分子量のものと高分子量のものと混合使用して、高分子量のものが有する凝集力と低分子量のものが有する流動性とでバランスを持たしている。このような例として、例えば、特公昭55- 6895号公報、特公昭63-32180号公報、USP 4,921,771 等に係る技術が提案されている。しかし、高速化に対しては、いまだ充分ではなく、機械の改良等で対応している場合が多々ある。即ち、熱ロールの表面に布や紙でシリコンオイルを塗布してオフセットを防止している。この場合、機械の設備が複雑になるため、機械の補修、管理が複雑になり、コストアップに繋がり、好ましくない。したがって高速機用トナーで、且つシリコンオイル等のオイルの使用を必要としない定着用トナー(オイルレス定着方式)の開発が望まれている。又、プリンター性能のアップと共に原稿が非常に綺麗になり、原稿を出来るだけ忠実に再現出来るような複写機の出現も強く要求されるようになって来た。太い薄い線は太く薄く、細い濃い線は細く濃く、非常に細い線も全く同じ太さ同じ形に、原稿を出来るだけ忠実に再現することが必要で、この為には、非常に細かい線でも再現出来るようトナーの粒径も小さくする必要があり小粒径化トナーが要求さるようになってきた。しかし、折角小粒径化トナーを用いても、定着時熱ロールでトナーが潰されて大きく拡がってしまっては、細線が太くなり好ましくない。紙に定着した時のトナーの拡がりは出来るだけ元のトナーの大きさを維持できるよう高解像度でしかも高画質のトナーが熱望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
定着時熱ロールでトナーが潰されて大きく拡がらなくするためには、高分子量を出来るだけ多くしトナーに弾性を持たせればよいが、その場合粉砕し難く生産性がダウンし問題となる。また、高解像度でしかも高画質のトナーにするには一般に7μ位に小粒径化するのであるが、粉砕し易くするため、低分子量を増やすと粉砕時微粉が多量発生し、生産効率が落ち生産コストが大幅に上昇し問題となる。
【0005】
一方、オイルレス定着方式用トナーの開発に於けるオフセット防止方法としては架橋ポリマーを用いたトナーも数多く提案されている。例えば特公昭60-36582号公報等には、乳化重合法で製造された架橋ポリマーを用いる方法が開示されている。この場合、用いられる架橋ポリマーはゲル分を50〜99%含有しており、このゲル分を多くすると、耐オフセット性は良くなるが粉砕性は悪化し、他方架橋ポリマー分が少なくなると粉砕性はよくなるが耐オフセット性は良くならず、耐オフセット性と粉砕性の両者を満足することは極めて困難であった。また、この方法では架橋ポリマー製造時に乳化粒子を安定化させるため分散剤や分散助剤を併用させる必要がある。これら分散剤は吸湿し易いため電気特性、特にチャージ安定性に悪影響を及ぼすので、架橋ポリマー製造後、できるだけこれらを取り除く必要がある。しかし、これらを洗浄して完全に取り除くには多大の労力が必要であり、また、洗浄水の排水量も多くなりその処理も大変である。また、USP 4,966,829 号公報には、ゲル成分が0.1 〜60重量パーセント含み且つテトラヒドロフラン可溶分に於いてメインピークの分子量が1,000 〜25,000、且つ,サブピーク又はショルダーの分子量が3,000 〜150,000 が少なくとも一つ有するビニル系重合体を含有するトナーが良い旨開示されている。しかし、これを製造する方法はサスペンション法であり、この場合も乳化重合法と同じように、製造時に分散剤や分散助剤を併用させるので、上記乳化重合と全く同じ問題があった。この為、本発明者等は定着性の良いトナー用樹脂として、溶液重合法による樹脂(USP 4,963,456) を開発してきた。
【0006】
溶液重合法による樹脂は、重合終了後溶剤を除去するが、この時、未反応の残存モノマーや開始剤の分解物等低揮発成分は全て留去出来るので、非常に不純物の少ない電気的には安定な均質な樹脂が得られ、トナー用には最適のものが得られるものと考えられる。しかしながら、溶液重合法による架橋ポリマーの製造は、ワイゼンベルグ効果( 攪拌棒に樹脂が巻きつく)が発生し製造出来なくなるという問題があった。したがって、本発明者等は、さらにバルク等で出来るだけ高分子化する方法(USP 5,084,368) を開発した。しかし製造出来る高分子量のものには限界があり、オフセット性を完全に克服するところまでは至っていなかった。また、特公昭60-38700には、グリシジル基含有単量体を3 〜40% 有する共重合体(A) と架橋性化合物(B) とを加熱混合して製造したトナーバインダーが良い旨開示されているが、このトナーに於いてはエポキシ基が多量残っているため長期のテストで逆チャージのトナーが発生し耐久性に問題を生じており、必ずしも満足するようなトナーは開発されていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの要求を満足すべく鋭意検討した結果、溶液重合法にて製造した特定の樹脂とグリシジル基を有する化合物を用いて特定の比率で架橋させることにより、高速機に対応でき、しかも高解像度・高画質で且つ粉砕性に優れたトナーを得る技術を開発したものである。即ち、本発明は、少なくとも着色剤と結着剤と荷電調整剤からなる電子写真用トナーにおいて、該結着剤が数平均分子量(Mn)1,000 〜20,000、酸価5.0 〜100 KOH mg/gであり、かつTg点が40〜75℃であるCOOH含有ビニル樹脂(A)と該COOH含有ビニル樹脂(A)中のCOOH基1当量当りグリシジル基として0.05〜1.0 当量を有し、重量平均分子量3,000 〜10,000で且つエポキシ価0.01〜0.3Eq/100gのグリシジルエステル含有樹脂であるグリシジル化合物(B)とを反応せしめた樹脂組成物であることを特徴とする電子写真用トナーである。さらには、少なくとも着色剤と結着剤と荷電調整剤とを溶融混練し、得られた混練物を微粉砕してその電子写真用トナーを製造する方法に於いて、該結着剤がCOOH含有ビニル樹脂(A)とグリシジル化合物(B)とを上記溶融混練時に架橋反応せしめたものである電子写真用トナーの製造法でもある。
【0008】
本発明に於いて使用されるCOOH含有ビニル樹脂(A)の製造に用いられるCOOH含有ビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、ケイヒ酸、フマール酸メチル、フマール酸エチル、フマール酸プロピル、フマール酸ブチル、フマール酸オクチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸オクチル等の不飽和二塩基酸のモノエステル類等のCOOH含有ビニル単量体から選ばれた少なくとも一種を下記ビニル単量体と共重合して得られた樹脂が用いられる。
COOH含有ビニル単量体と共重合するビニル単量体としては、例えば、スチレン、P-メチルスチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸オクチル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸フルフリル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシブチル、メタアクリル酸ジメチルアミノメチル、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタアクリル酸エステル類、フマール酸ジメチル、フマール酸ジブチル、フマール酸ジオクチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル等の不飽和二塩基酸のジエステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、、N置換アクリルアミド、N置換メタアクリルアミド、類のアミド等があり、これらのビニル単量体の少なくとも1種が用いられる。これらの中で特に好ましいビニル単量体としてはスチレン類、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸エステル類、フマール酸ジアルキルエステル類、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。
【0009】
COOH含有ビニル樹脂(A)は、数平均分子量(Mn)1,000 〜20,000、かつTg点が40〜75℃である樹脂が好ましい。数平均分子量が1,000 以下では、Tg点が40℃以下になりブロッキングを起こし好ましくなく、数平均分子量が20,000以上では、流動性が悪くなり定着性が悪化する。また、粉砕性が非常に悪くなり特に7μにするには多大のエネルギーが必要で生産性が悪く実用性に耐えない。Tg点が75℃以上になると軟化点が上昇し、定着性が悪化して本目的のトナーが得られない。COOH含有ビニル樹脂(A)中のCOOH含有量は、酸価として5.0 〜100KOHmg/gがよく、特に、10〜80 KOHmg/gが好ましい。酸価がこの範囲を外れると粉砕性に問題がでてくる。特に酸価が100KOHmg/g以上では、大部分がゲル化を起こし流動性が悪化し定着性にも問題がでてくる。
【0010】
本発明に於けるグリシジル化合物(B)としては、重量平均分子量が3,000 〜10,000で且つエポキシ価が0.01〜0.2Eq/100gであるグリシジルエステル含有ビニル樹脂が好ましい。グリシジルエステル含有ビニル樹脂は、グリシジル基を含有するビニル単量体、例えばアクリル酸グリシジル、アクリル酸βメチルグリシジル、メタアクリル酸グリシジル、メタアクリル酸βメチルグリシジル等のビニル単量体の少なくとも一種と他のビニル単量体との共重合して得られた樹脂である。重量平均分子量が3,000 以下では、架橋しても殆ど増粘せず、耐オフセット性を改良する事はできない。逆に10,000以上でも、架橋途中で架橋体の相溶性が悪化し樹脂中にその架橋体が分離析出するので増粘せずオフセット性が良くならない。また、エポキシ価は0.01〜0.2Eq/100gの範囲のものが好ましい。0.01Eq/100g 以下にあっては増粘が殆ど起こらずオフセット性の改良は出来ない。0.2 Eq/100g 以上では、架橋体の相溶性が悪化し樹脂中にその架橋体が分離析出するのでゲルは生成するが増粘せずオフセット性も良くならない。
【0011】
本発明に於いてはCOOH含有ビニル樹脂(A)とグリシジル化合物(B)との使用割合は、COOH含有ビニル樹脂(A)中のCOOH基1当量に対して、グリシジル化合物中のグリシジル基が0.05〜1.0 当量になるように用いる。0.05量以下では本発明の目的とする効果が発現されず、1.0 量以上では長期耐久テスト時チャージが変動し、好ましくない。また、COOH含有ビニル樹脂(A)の製造方法としては、溶液重合が好ましく、また、上述の様な分子量の樹脂を造る方法を下記に一例をあげて説明する。ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、キュメン等の芳香族炭化水素、ソルベッソ#100,#150(エッソ化学製商品名) 等の中から一つ以上の溶剤とビニル単量体と重合開始剤とを均一に溶解混合せしめた溶液を、予め溶剤で満液に仕込んだ耐圧容器に、温度と内圧を一定に保ちつつ連続的に供給して重合を行う。定常状態になった時より連続的に約0 〜200 mmHgの真空系にフラッシュして溶剤等を留去してビニル樹脂と溶剤とを分離して、固形のビニル樹脂を得る。
【0012】
本発明の特徴とする結着剤、COOH含有ビニル樹脂(A)及びグリシジル化合物(B)を用いる態様については次に示す種々の方法をとりうる。
(1) COOH含有ビニル樹脂(A)にグリシジル化合物(B)をヘンシェルミキサーで混合後、2軸混練機等を用いて150〜220℃の温度で溶融混練させ、COOH基とグリシジル基との反応を充分に行わせた後に、着色剤や荷電調整剤等のトナーに必要な充填剤を添加してトナーにする方法。
(2) COOH含有ビニル樹脂(A)とグリシジル化合物(B)を未反応状態のまま、着色剤や荷電調整剤等のトナーに必要な充填剤と一緒に充分混合後、2軸混練機等を用いて150〜220℃の温度で溶融混練させるトナー化工程時に反応させる方法等があり、いずれの方法で行っても良い。
【0013】
本発明に於いて、使用される着色剤としては、一般に用いられている周知の染顔料が使用出来る。例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、マグネタイト等の黒色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ハイザイエローG、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、モリブデンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレン、ブリリアントオレンジGK、ベンガラ、ブリリアントカーミン6B、ブリザリンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ファストバイオレットB、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルーネピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、マグネタイトやソフトフェライト等の磁性粉等が挙げられる。使用量は通常用いられる0.1〜20重量部である。
【0014】
本発明に於いて、本発明の目的を阻害しない範囲に於いて、他の樹脂、例えばポリエステル樹脂・ポリアミド樹脂・塩ビ樹脂・ポリビニールブチラール樹脂・スチレンーブタジエン樹脂・クマロンーインデン樹脂・メラミン樹脂・ポリオレフィン樹脂等を一部混合使用出来る。また、ニグロシン、4級アンモニュウム塩や含金属アゾ染料を初めとする公知の荷電調整剤を適宜選択して使用出来、使用量は通常用いられる0.1〜10重量部である。
【0015】
本発明に於いて、トナーを作る方法としては、従来公知のいかなる方法も採用出来る。例えば、樹脂・着色剤・荷電調整剤・ワックス等を予めプレミックスし、ついで2軸混練機で加熱溶融混練後冷却粉砕し分級して約 7ミクロンの微粒子にする。
本発明における数平均分子量や重量平均分子量はGPC法により求めたもので、単分散標準ポリスチレンで検量線を作成した換算分子量である。測定条件は下記の通り。
GPC装置; JASCO TWINCLE HPLC
DETECTOR ; SHODEX RI SE-31
COLUMN ; SHODEX GPCA-80M*2+KF-802
溶 媒 ; TETRAHYDROFURAN
流 速 ; 1.2ml /min.
【0016】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明する。なお、以降「部」は、特にことわらない限り重量部を表わす。
[COOH含有ビニル樹脂(A)の製造例]
製造例1
スチレン60.3部、アクリル酸n-ブチル6.3 部、メタアクリル酸2.8 部とキシレン溶媒30部からなる溶液にスチレン100 部当たり0.6 部のジ-t- ブチルパーオキサイドを均一に溶解したものを、内温190 ℃内圧 6kg/cm2に保持した5lの反応器に750cc/hrで連続的に供給して重合し低分子量重合液を得た。これを190 ℃10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去した。得られたビニル樹脂の数平均分子量は5200であり、Tgは65℃であった、酸価は26 KOH mg/gであった。
【0017】
製造例2,3
製造例1に於いて低分子量重合液を製造する際に重合温度 190℃を 180℃および 220℃とした以外は全く製造例1と同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0018】
製造例4
製造例1に於いて低分子量重合液を製造する際に重合温度 190℃を 160℃とした以外は全く製造例1と同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0019】
製造例5
製造例1に於いてビニル単量体として、スチレン60.3部、アクリル酸n-ブチル6.3 部、メタアクリル酸2.8 部をスチレン46.2部、メタアクリル酸n-ブチル21部、メタアクリル酸 2.8部とした以外は全く製造例1と同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0020】
製造例6
製造例1に於いてビニル単量体として、スチレン60.3部、アクリル酸n-ブチル6.3 部、メタアクリル酸2.8 部をスチレン69.6部、メタアクリル酸 0.4部とした以外は全く製造例1と同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0021】
製造例7
製造例1に於いてビニル単量体として、スチレン60.3部、アクリル酸n-ブチル6.3 部、メタアクリル酸2.8 部をスチレン64.1部、アクリル酸n-ブチル4.2 部、メタアクリル酸 1.8部とした以外は全く製造例1と同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0022】
製造例8
製造例1に於いてビニル単量体として、スチレン60.3部、アクリル酸n-ブチル6.3 部、メタアクリル酸2.8 部をスチレン51.8部、アクリル酸n-ブチル12.6部、メタアクリル酸 5.6部とした以外は全く製造例1と同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0023】
製造例9
製造例1に於いてビニル単量体として、スチレン60.3部、アクリル酸n-ブチル6.3 部、メタアクリル酸2.8 部をスチレン38.5部、アクリル酸n-ブチル17.5部、メタアクリル酸14部とした以外は全く製造例1と同様にしてビニル樹脂を得た。得られたものの物性値を表−1に示した。
【0024】
実施例1
製造例1で得られたビニル樹脂86部、PD6300(グリシジル基を含有したスチレンーアクリル系樹脂で、エポキシ価0.19q/100g,重量平均分子量=8,000,Tg=52℃,三井東圧化学製) 10部をヘンシェルミキサーにて混合後、2軸混練機(PCM-30型、池貝鉄工製) にて200 ℃で混練反応させた。冷却・粉砕後、カーボンブラックMA100(三菱化成製)8 部、ポリプロピレンワックス( ビスコール550P) 5 部、荷電調整剤としてアイゼンスピロンブラックTRH 1 部添加し、再度ヘンシェルミキサーにて混合後、2軸混練機(PCM-30 型、池貝鉄工製) にて170 ℃で混練させた。ついで冷却・粉砕・分級して約 7ミクロンのトナーを得た。このトナー3部とキャリヤ97部とを混合して現像剤とし、市販の高速複写機を改造して、画像を書かせてトナーとして評価し結果を表−1に示す。
【0025】
実施例2
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例2で得られたビニル樹脂に替えた他は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0026】
実施例3
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例3で得られたビニル樹脂に替えた他は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0027】
実施例4
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例5で得られたビニル樹脂に替えた他は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0028】
実施例5
実施例1に於いて、PD6300,10 部を5 部にした以外は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0029】
実施例6
実施例1に於いて、PD6300をPD6100(グリシジル基を含有したスチレン−アクリル系樹脂で、エポキシ価0.10q/100g,重量平均分子量=8,000,Tg=56℃, 三井東圧化学製) にした以外は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0030】
実施例7
製造例1で得られたビニル樹脂86部、PD6300,10 部、カーボンブラックMA100(三菱化成製)8 部、ポリプロピレンワックス( ビスコール550P) 5 部、荷電調整剤としてセチルトリメチルアンモニゥムブロマイド 2部をヘンシェルミキサーにて混合後、2軸混練機(PCM-30 型、池貝鉄工製) にて150 ℃で混練させた。ついで冷却・粉砕・分級して約 7ミクロンのトナーを得た。このトナー3 部とキャリヤ97部とを混合して現像剤とし、+チャージトナーを用いる市販の高速複写機を改造して、画像を書かせて実施例1と同様にして評価し結果を表−1に示す。
【0031】
実施例8
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例7で得られたビニル樹脂に、さらに PD6300,10 部を6.3部に替えた他は実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0032】
実施例9
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例8で得られたビニル樹脂に、さらに PD6300,10 部を20部に替えた他は実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0033】
比較例1
製造例1で得られたビニル樹脂を用い、グリシジル化合物を用いない他は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0034】
比較例2
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例4で得られたビニル樹脂に替えた他は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0035】
比較例3
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例6で得られたビニル樹脂に替えた他は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0036】
比較例4
製造例1で得られたビニル樹脂を製造例7で得られたビニル樹脂に替えた他は実施例1と全く同様にしてトナーを得、実施例1と全く同様にして画像評価し結果を表−1に示す。
【0037】
[トナーの評価方法]
1)定着性;
市販の高速複写機(72 枚/分のコピースピード)でコピーし、このコピーしたベタ黒部分と白地の間を消しゴム (トンボ鉛筆社製プラスチック消しゴム”MONO”) により、一定の力で100 回往復させ、ベタ黒部分の黒度をインキ濃度計で測定し、トナーの残存比率を濃度比で表した。
2)オフセット性;
市販の高速複写機(72 枚/分のコピースピード)で連続100 枚コピーし、その時のオフセット発生の有無を調べた。
【0038】
○;オフセット全く発生せず
△;オフセット僅かに発生
×;オフセット完全に発生
3)ブロッキング性;
重合トナーを温度50℃、相対湿度50%の環境下に1週間放置した後の粉体の凝集の程度を目視にて以下の様に測定した。
◎;全く凝集していない
○;わずかに凝集しているが、容器を軽く振るとほぐれる
△;容器を良く振ってもほぐれない凝集物がある
×;完全に団塊化している
4)画質再現性;
市販の高速複写機(72 枚/分のコピースピード)でトナーを定着、定着前後のトナーの大きさを顕微鏡で観察し、定着後の大きさが元のトナーの何倍に成ったかを求めた。
5)粉砕性;
トナー製造時、2軸混練後冷却したものを一部採取して粉砕し、16メッシュアンダー28メッシュオンの粒度に揃えてジェットミルにて粉砕した。コールターカウンターにて粒度分布を測定、5 〜10μの粒度の割合を求める。
◎;85% 以上
○;70〜85%
△;50〜70%
×;50% 以下
6)耐久性
市販の高速複写機(72 枚/分のコピースピード)で50,000枚連続複写テストを実施、パターンをコピーし再現性をチェック、連続テスト前後で画質の違いをチェックした。
○;前後で殆ど差がないもの
△;連続テスト後IDが大きくダウンしたもの
×;カブリが発生し、画質が大きく乱れた。
【0039】
【表1】
Figure 0003701691
【0040】
【発明の効果】
表−1に示した如く、本発明の方法により、高速機によく対応出来、しかも高解像度で且つ画質に優れており、粉砕性も良好で、実用上優れた性能を有している。

Claims (5)

  1. 少なくとも着色剤と結着剤と荷電調整剤からなる電子写真用トナーにおいて、該結着剤が数平均分子量(Mn)1,000 〜20,000、酸価5.0 〜100 KOH mg/gであり、かつTg点が40〜75℃であるCOOH含有ビニル樹脂(A)と該COOH含有ビニル樹脂(A)中のCOOH基1当量当りグリシジル基として0.05〜1.0 当量を有し、重量平均分子量3,000 〜10,000で且つエポキシ価0.01〜0.3Eq/100gのグリシジルエステル含有樹脂であるグリシジル化合物(B)とを反応せしめた樹脂組成物であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. COOH含有ビニル樹脂(A)が、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、ケイヒ酸、不飽和二塩基酸のモノエステル類から選ばれた少なくとも一種を共重合して得られたものである請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. COOH含有ビニル樹脂(A)が、スチレン類、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸エステル類、フマール酸ジアルキルエステル類、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドから選ばれた少なくとも一種のビニル単量体を共重合して得られたものである請求項1記載の電子写真用トナー。
  4. COOH含有ビニル樹脂(A)が、溶液重合法により製造されたものである請求項1記載の電子写真用トナー。
  5. 少なくとも着色剤と結着剤と荷電調整剤とを溶融混練し、得られた混練物を微粉砕して請求項1記載の電子写真用トナーを製造する方法に於いて、該結着剤がCOOH含有ビニル樹脂(A)とグリシジル化合物(B)とを上記溶融混練時に架橋反応せしめたものである電子写真用トナーの製造法。
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