JP4931361B2 - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池セル及び燃料電池に関し、特に固体電解質と酸素極との間に、イオン伝導性及び電子伝導性の中間層を有する燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
従来より、固体電解質形燃料電池は発電効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されている。
一般に、固体電解質形燃料電池セルには、円筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、発電の単位体積当たりの出力密度は高いという特徴を有するが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるという特徴がある。両形状の固体電解質形燃料電池セルとも、それぞれの特徴を生かして積極的に研究開発が進められている。
円筒型燃料電池セルの構造は、支持管として多孔性の酸素極を形成し、その表面に固体電解質、燃料極がこの順に設けられ、表面にインターコネクターが形成されている。発電は、燃料電池セルを1000℃程度の温度に保持するとともに、支持管内部に空気(酸素)を、外部に燃料ガス、例えば、水素、メタン、プロパン、都市ガス等を供給することにより行なわれる。
一方、平板型燃料電池セルの構造は、固体電解質の一方に多孔性の酸素極を、他方に多孔性の燃料極を設けて構成されている。そして、セル同士を接合するため、セパレータが燃料電池セル間に配置されている。
このような円筒型及び平板型の固体電解質形燃料電池セルの酸素極は、一般に酸素空孔を含むペロブスカイト型酸化物粉末をスクリーン印刷法により固体電解質に塗布し、大気雰囲気中で1000〜1200℃でて焼き付けて形成されていた。特にLa−Sr−Co系酸化物は、材料表面および内部にて酸素を拡散する性質があり、低温での動作性に優れるため広く使用されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
また、製造や発電時における加熱により、酸素極と固体電解質の界面において拡散反応を生じ、絶縁層が形成されることが知られており、これを防止するために、固体電解質と酸素極の間に、例えばイオン伝導性や電子伝導性材料(例えばCe系酸化物)からなる反応防止層を設けることが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平08−130018号公報 特開2002−15754号公報
しかしながら、従来の燃料電池セルでは、Ce系酸化物を用いた反応防止層により、酸素極と固体電解質の界面における相互拡散による絶縁層形成を防止できるものの、未だ燃料電池セルの出力が低いという問題があった。
即ち、一般にCe系酸化物はイオン伝導性を有するものの、電子伝導性は低く、このため、酸素極と固体電解質との間には、電子伝導性の低いCe系酸化物が形成されており、これにより、燃料電池セルの出力が低くなるという問題があった。
本発明は、酸素極への電子伝導性を向上して出力を向上できる燃料電池セル及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池セルは、固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記固体電解質と前記酸素極との間に、イオン伝導性及び電子伝導性の中間層を有するとともに、該中間層は、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子と第2粒子とを有し、前記第1粒子が、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなり、前記第2粒子が、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなることを特徴とする。
このような燃料電池セルでは、中間層中に、イオン伝導性の良好な、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第2粒子とともに、電子伝導性の良好な、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第1粒子を有するため、電子伝導性の高い第1粒子とイオン伝導性の高い第2粒子が共存することにより、固体電解質と酸素極との三相界面の電極反応の場が大幅に広がり、酸素分子の吸着解離に対する触媒活性が向上し、酸素イオンを固体電解質内部へ効率よく導入できる。
即ち、4価より小さい価数のCe、例えばCe3+と希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物は、[Vo・・]→Oo+2hの反応の他に、Ce4+→Ce3++hの反応により、多くのホールが発生する為、電子伝導性が極めて高くなり、このような複合酸化物からなる第1粒子を有する中間層により燃料電池セルの出力を向上できる。
また、本発明の燃料電池セルは、固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記固体電解質と前記酸素極との間に、イオン伝導性及び電子伝導性の中間層を有するとともに、該中間層は、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子と第2粒子とを有するとともに、前記第1粒子が、制限視野電子線回折測定における(110)面において3倍周期の超格子構造を有し、前記第2粒子が、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなることを特徴とする。
このような燃料電池セルでは、中間層を構成する第1粒子が、制限視野電子線回折測定における(110)面において3倍周期の超格子構造を有するため、第1粒子は、電子伝導性の良好な、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第1粒子となり、上記したように、電子伝導性の高い第1粒子とイオン伝導性の高い第2粒子が共存することにより、固体電解質と酸素極との三相界面の電極反応の場が大幅に広がり、酸素分子の吸着解離に対する触媒活性が向上し、酸素イオンを固体電解質内部へ効率よく導入できる。セリア相の実格子がBCC構造である場合には、第1粒子が、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなることをより確実に確認できる。
さらに、本発明の燃料電池セルは、固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記固体電解質と前記酸素極との間に、イオン伝導性及び電子伝導性の中間層を有するとともに、該中間層は、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子と第2粒子とを有し、前記第1粒子が、エネルギー分散型X線分析計を用いたCeのピーク分離において、122eVでのスペクトル強度が6以上であり、前記第2粒子が、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなることを特徴とする。
このような燃料電池セルでは、中間層を構成する第1粒子が、エネルギー分散型X線分析計を用いたCeのピーク分離において、122eVでのスペクトル強度が6以上であるため、第1粒子は、電子伝導性の良好な、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第1粒子となり、上記したように、電極反応の場が大幅に広がり、酸素分子の吸着解離に対する触媒活性が向上し、酸素イオンを固体電解質内部へ効率よく導入できる。
本発明の燃料電池は、上記燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなるものである。このような燃料電池では、燃料電池セルの出力を向上できるため、燃料電池としても高出力を達成できる。
本発明で用いられるセリア系磁器は、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子と第2粒子とを有するとともに、前記第1粒子が、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなり、前記第2粒子が、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなることにより、イオン伝導性の良好な、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第2粒子とともに、電子伝導性の良好な、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第1粒子を有する。
本発明の燃料電池セルでは、中間層中に、イオン伝導性の良好な、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第2粒子とともに、電子伝導性の良好な、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第1粒子を有するため、電子伝導性の高い第1粒子とイオン伝導性の高い第2粒子が共存することにより、固体電解質と酸素極との三相界面の電極反応の場が大幅に広がり、酸素分子の吸着解離に対する触媒活性が向上し、酸素イオンを固体電解質内部へ効率よく導入できる。
また、第1粒子が、制限視野電子線回折測定における(110)面において3倍周期の超格子構造を有する場合や、エネルギー分散型X線分析計を用いたCeのピーク分離において、122eVでのスペクトル強度が6以上である場合にも、電子伝導性の良好な、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第1粒子を有することになるため、電極反応の場が大幅に広がり、酸素分子の吸着解離に対する触媒活性が向上し、酸素イオンを固体電解質内部へ効率よく導入できる。
本発明は、円筒型、平板型、中空平板型等の固体電解質形燃料電池に用いられる燃料電池セルに適用されるものであり、図1に示すように、多孔質の導電性支持体1上に多孔質の燃料極3、緻密な固体電解質5,緻密な中間層7,多孔質の酸素極9を積層して構成されている。尚、本発明は、固体電解質を燃料極及び酸素極で挟持してなる燃料電池セルであれば、例えば支持体が酸素極であってもよい。
そして、本発明では、固体電解質5上に形成された中間層7は、図2に示すように、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する複合酸化物からなる第1粒子7a、第2粒子7bを有しており、第1粒子7a(異相という場合もある)は、第1粒子7a全体が平均価数4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)とが反応しており、第2粒子7bは、全体が平均価数4価のCeと希土類元素との複合酸化物から構成されている。第1粒子7aは、表層部のみ4価より小さい価数のCeと希土類元素とが反応し、中央部は4価のCeと希土類元素が反応した部分となる場合もある。
第1粒子7a、第2粒子7bのような組織の相違は、粒径及び後述する熱処理条件(大気圧(酸素分圧2×10Pa)より高い酸素分圧でアニールする)により生じる。即ち、(CeO1−x(ReO3/2よりなる中間層表面や固体電解質表面を、後述する熱処理条件(大気圧(酸素分圧2×10Pa)より高い酸素分圧でアニールする)により希土類元素Re成分が拡散することにより生じる。本雰囲気下において熱処理することにより、[Vo・・]→Oo+2hの反応の他に、Ce4+→Ce3++hの反応に伴い、多くのホールが発生する為、希土類元素Re成分が拡散しRe成分濃度が高い第1粒子7aと、Re成分濃度が低い第2粒子7bを含む中間層が形成され、中間層全体では、電子伝導性が極めて高くなる。
(CeO1−x(ReO3/2よりなる中間層7は、電子伝導性を高めるという点から、x=0.1〜0.4、特には、x=0.1〜0.2からなることが望ましい。希土類元素Re(Ceを除く)としては、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Y及びYbのうち少なくとも1種であることが望ましい。特には、高い電子伝導性よりGd、Smが望ましい。
4価より小さい価数のCeと希土類元素が反応した第1粒子(異相という場合もある)は、例えば、図3に示すように、制限視野電子線回折測定における(110)面において3倍周期の超格子構造を有し、セリア相の実格子がBCC構造を示す。図4(a)に、第2粒子7bの制限視野電子線回折像を、(b)に第1粒子7aの制限視野電子線回折像を示す。
また、4価より小さい価数のCeと希土類元素が反応した第1粒子7aは、図5に示すように、エネルギー分散型X線分析計を用いたCeのピーク分離において、122eVでのスペクトル強度が6以上である。強度が6以上、特には9.5以上の場合には、Ceの平均価数が4価より低く、より3価に近く高い電子伝導性(ホール伝導性)を示すことを意味する。
尚、導電性支持体1は、NiとYからなり、燃料極3はNiとYが固溶したZrO(YSZ)からなり、固体電解質5はYSZからなり、酸素極9は、(La,Sr)(Co,Fe)O又は(Sm、Sr)CoOから構成されている。導電性支持体1、燃料極3、固体電解質5,酸素極9の構成材料についてはこれに限定されるものではない。尚、固体電解質5として、Ce系酸化物材料を用いた場合には、中間層との接合強度を高めることができる。
中間層7は、一般式(CeO1−x(ReO3/2(xは、0.1≦x≦0.4、ReはCeを除く希土類元素)で表される複合酸化物から構成される。中間層7を構成する第1、第2粒子7a、7bの平均粒径は0.3μm以下であることが好ましい。特に、0.2μm以下であることが好ましい。このような粒径で構成することにより、第1粒子7aを多く含む中間層を容易に形成することができ、酸素の吸着解離能を高く保持することができるとともに、酸素極と固体電解質の接触を良好にすることができる。
また、中間層の厚みは固体電解質のイオン伝導性を維持する観点から2μm以下であることが好ましく、特に1μm以下、0.5μm以下であることが好ましい。また、ガスのリークを防ぐ観点から相対密度が95%以上の緻密質からなることが望ましい。
このような燃料電池セルの中間層7は、希土類元素Reの固溶したナノメートルサイズのセリア系粒子を用いて、ジルコニアおよびセリア系より構成される固体電解質5の酸素極側面にセリア層を形成し、表面部分を700〜1000℃において大気圧(酸素分圧2×10Pa)より高い酸素分圧でアニールすることにより、図2に示すような組織を示すことができる。
具体的には、NiOとYを含有する支持基板成形体に、NiOとYSZを含有するスラリーを塗布、乾燥し、燃料極層用のコーティング層を形成し、このコーティング層上に、YSZを含有するスラリーを用いて形成した固体電解質用シートを貼り付け、乾燥し、この固体電解質用シート上に、希土類元素Re及びCeを含有する複合酸化物粉末を含有するスラリーを用いて形成した中間層用シートを貼り付け、乾燥し、積層成形体を作製する。この後、積層成形体を大気中にて同時焼成し、この後、中間層表面を大気よりも高酸素分圧にて所定時間アニールすることにより、本発明の燃料電池セルを得ることができる。
中間層の熱処理条件としては、温度は700℃〜1000℃、酸素分圧は酸素分圧2×10Paより高く、熱処理時間は、1〜5時間であることが望ましい。特に、800℃〜1000℃、酸素分圧1×10Pa以上が望ましく、さらには、900℃〜1000℃、酸素分圧5×10Pa以上であることが望ましい。熱処理温度を700℃〜1000℃としたのは、700℃よりも低い場合には、希土類元素の拡散が抑制され第1粒子7aのCe平均価数が4価よりも低くならず、1000℃よりも高い場合には、Reの拡散が活性化され、中間層がホールの大量生成によりクラックが発生する傾向にある。また、酸素分圧を2×10Paより高くしたのは、これ以下では、Reの拡散が抑制され第1粒子7aのCe平均価数が4価よりも低くならないからである。
尚、希土類元素Reの固溶したセリア系固体電解質を形成し、この固体電解質表面を、上記したような高酸素分圧下で熱処理することにより、固体電解質表面に中間層を形成することもできる。
また、セリアの価数の分析に関しては、エネルギー分散型X線分析計を用いたCeのピーク分離において、122eVでのスペクトル強度でセリアのCeの3価の半定量が可能であり、通常の4価のCeとの区別が可能で、122eVでのスペクトル強度が6以上を示せば、異相が十分に存在することを意味する。
本発明の燃料電池セルは、作動温度が600℃以下、特に400〜600℃、更には400〜500℃であることが好ましい。このような低温で作動することにより、より安全な運転操作が可能となり、小型化や装置の信頼性向上にも寄与できる。
また、本発明の燃料電池は、上記した燃料電池セルを収納容器内に複数収納し、燃料電池セルに空気と水素を供給することにより発電することができる。
上記したように、燃料電池セルが低温で発電可能なため、低温作動により冷却機構が簡便になるため、一定の場所に設置して固定使用するのに加えて、移動体への搭載、例えば飛行機、電車や自動車等の移動車両への搭載も容易になる。
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を焼成−還元後における体積比率をNiが48体積%、Yが52体積%になるように混合し、有機バインダーと溶剤にて作製した杯土を押し出し成形法にて成形し、乾燥、脱脂して中空平板型の支持基板成形体を作製した。
次に平均粒径0.5μmのNi粉末と希土類元素が固溶したZrO粉と有機バインダーと溶媒を混合したスラリーを作製し、前記電極支持基板成形体に、スクリーン印刷法にて塗布、乾燥して、燃料極層用のコーティング層を形成した。次に8mol%のイットリウムが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを、ドクターブレード法にて固体電解質用シートを作製し、燃料極層用のコーティング層に貼り付け、乾燥した。
更に希土類元素Re、Ceを含有する中間層として、CeOを85モル%、Gdを15モル%含む複合酸化物(以下15GDC)と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを、ドクターブレード法にて中間層用シートを作製し、固体電解質用シートの上に貼り付け、乾燥した。
次に、支持基板成形体、および燃料極層のコーティング層、固体電解質用シート、中間層シートを積層した積層成形体を1000℃にて仮焼処理した。この後、LaCrO系酸化物と、有機バインダーと溶媒を混合したスラリーを作製し、これを、露出した支持基板成形体に積層し、大気中1450℃において5時間で同時焼成した。この後、中間層の表面部分を酸素分圧1×10Paにおいて1000℃で2時間アニールした。
次に、平均粒径0.4μmのLa0.6Sr0.4Co0.8Fe0.2粉末を有機溶剤中に分散しスラリーを作製し、このスラリーを中間層表面に印刷塗布し、130℃にて乾燥し1050℃で焼付け、酸素極層を形成し、本発明の燃料電池セルを作製した。
なお、作製した燃料電池セルの寸法は25mm×200mmで、支持基板の厚さは3mm、開気孔率35%、燃料極層の厚さは10μm、固体電解質層の厚さは15μm、中間層の厚みは3μm、酸素極の厚みは10μmであった。
次に、この燃料電池セルの内部に、水素ガスを流し、850℃で、支持基板及び燃料極層の還元処理を施した。
得られた燃料電池セルのガス流路に燃料ガスを流通させ、セルの外側に空気を流通させ、燃料電池セルを、電気炉を用いて表1に示す温度まで加熱し、発電試験を行ない、出力密度を測定した。また、交流インピーダンス測定により反応抵抗を求めた。
また、エネルギー分散型X線分析計を測定条件、加圧電圧200kV、試料吸収電流10−9A、計測時間5sec、ビーム径1nmφにおいて中間層の第1粒子のCeピークのスペクトル強度を評価した。さらに、中間層について、制限視野電子線回折測定における(110)面において3倍周期の超格子構造を有し、セリア相の実格子がBCC構造である第1粒子が存在することを確認した。この結果を、表1の試料No.5に記載した。
酸素極を熱処理する酸素分圧、温度、時間、固体電解質材料、中間層材料を変更する以外は、上記実施例1と同様にして燃料電池セルを作製し、反応抵抗を測定し、その結果を表1に記載した。尚、本発明の燃料電池セルでは、中間層について、制限視野電子線回折測定における(110)面において3倍周期の超格子構造を有し、セリア相の実格子がBCC構造である第1粒子が存在することを確認した。
Figure 0004931361
この表1から、アニールしなかった試料No.1では、第1粒子が存在せず、セル全体抵抗が大きく、発電特性が低いが、発明の燃料電池セルでは、セル全体抵抗が小さく、発電特性が良好なことが判る。尚、試料No.10では、GDCからなる固体電解質をァニール処理して表面に中間層を形成した場合であるが、このような場合でも、特性が良好なことが判る。
燃料電池セルの断面図である。 中間層の概念断面図である。 本発明の中間層の高分解TEM像である。 異相のない場合(a)と、ある場合(b)の制限視野電子回折像である。 本発明の中間層のEELSスペクトル結果である。
符号の説明
3・・・燃料極
5・・・固体電解質
7・・・中間層
7a・・・第1粒子
7b・・・第2粒子
9・・・酸素極

Claims (4)

  1. 固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記固体電解質と前記酸素極との間に、イオン伝導性及び電子伝導性の中間層を有するとともに、該中間層は、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子と第2粒子とを有し、前記第1粒子が、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなり、前記第2粒子が、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記固体電解質と前記酸素極との間に、イオン伝導性及び電子伝導性の中間層を有するとともに、該中間層は、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子と第2粒子とを有し、前記第1粒子が、制限視野電子線回折測定における(110)面において3倍周期の超格子構造を有し、前記第2粒子が、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなることを特徴とする燃料電池セル。
  3. 固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記固体電解質と前記酸素極との間に、イオン伝導性及び電子伝導性の中間層を有するとともに、該中間層は、Ceと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子と第2粒子とを有し、前記第1粒子が、エネルギー分散型X線分析計を用いたCeのピーク分離において、122eVでのスペクトル強度が6以上であり、前記第2粒子が、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物粒子からなることを特徴とする燃料電池セル。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする燃料電池。
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