JP2004165038A - 固体電解質材料及びその製造方法、並びにそれを用いた固体酸化物形燃料電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン伝導度に優れると共に、耐熱衝撃性の向上に必要な熱伝導特性を兼ね備えた固体電解質材料とその製造方法、及びこのような固体電解質材料を用いた固体酸化物形燃料電池セルを提供する。
【解決手段】所定粒度のランタンガレート単結晶粉末に、所定量のランタンガレート含有酸化物粉末を添加して所定粒度の造粒体とし、この造粒体に所定粒度のランタンガレート含有酸化物粉末をさらにを混合して上記単結晶粉末の割合を所定のものとした後、成形し、所定温度で焼成することにより、ランタンガレート含有酸化物からなる母相中に、ランタンガレート単結晶からなり、母相の平均粒子径(DMat)の20〜100倍の平均粒径(DMat)を有する粗大粒子群を分散させる。
【選択図】 図1
【解決手段】所定粒度のランタンガレート単結晶粉末に、所定量のランタンガレート含有酸化物粉末を添加して所定粒度の造粒体とし、この造粒体に所定粒度のランタンガレート含有酸化物粉末をさらにを混合して上記単結晶粉末の割合を所定のものとした後、成形し、所定温度で焼成することにより、ランタンガレート含有酸化物からなる母相中に、ランタンガレート単結晶からなり、母相の平均粒子径(DMat)の20〜100倍の平均粒径(DMat)を有する粗大粒子群を分散させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランタンガレートを含有する複合酸化物からなり、例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)あるいは酸素センサー用の固体電解質として用いられるセラミックス複合焼結体に係わり、さらに詳しくは、優れた耐熱性と高い熱伝導性、並びに高いイオン伝導性を有するランタンガレート系固体電解質材料と、その製造方法、さらには当該固体電解質材料を用いた固体酸化物形燃料電池セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1899年にNernstが酸化物から成る固体電解質を発見した後、1937年にBaurとPreisが、電解質としてこのような固体酸化物を利用した固体酸化物形燃料電池を1000℃で運転して以来、固体酸化物形燃料電池は進歩を続けており、出力が数kWのジルコニア質セラミックス燃料電池が数万時間の運転実績を積んでいる。
このような固体酸化物形燃料電池は、1000℃よりも高い高温で運転するために、炭化水素系燃料を電池内で改質(internal reforming)することができ、このため、固体酸化物形燃料電池では、60%を超えるような高い燃焼効率を得ることが可能であると考えられている。
【0003】
通常、固体酸化物形燃料電池は、大略、固体電解質、燃料極、空気極および中間層とから構成されている。これら全ての構成材料は酸化還元雰囲気に対して化学的に安定であり、且つ適度な導電性を有することが要求される。そして、構成材料間の熱膨張係数が近似していると共に、アノード及びカソードが多孔質体をなし、ガス透過性を有していることが必要である。さらに、当然のことであるが、安価であることが望まれる。
【0004】
そのため、セラミックス固体電解質を用いた所謂セラミックス電池では、セラミックス材料の選択が非常に難しくなっているうえ、燃焼器本体などの容器にはフェライト系ステンレスなどの金属部品の有効な利用が必要とされている。このため、低温で活性な固体電解質や電極材料の選定が必要とされている。今後はセラミックス固体電解質や電極材料の選択や新規材料の開発、さらには電極材料の積層構造の製造技術が重要な課題となっている。
【0005】
現在、固体電解質としては、安定化ZrO2が最も盛んに研究されている。安定化剤としては、2価のアルカリ土類元素の酸化物CaO、MgOや3価のアルカリ土類元素の酸化物Sc2O3等や、Y2O3等の希土類酸化物などが用いられる。例えば、安定化剤としてアルカリ土類元素の酸化物であるCaOをZrO2にドープして成る安定化ZrO2の特性値は、800℃で0.01(Ωcm)−1のイオン導電性を示す。
また、低温域で高い酸素イオン伝導性を示す材料としては、セリア系材料が知られている。例えばセリアの酸化物であるCeO2では、室温から融点に至る温度範囲で蛍石型の立方晶構造をとる。この酸化物(CeO2)に希土類酸化物やCaOを添加すると広範囲に固溶体を形成する。このような材料系は、KuboとH.Obayashi(J.Electrochem.Soc.,123[3],416−419(1976)等)により報告されている。
【0006】
最近では、CeO2−Gd2O3系化合物であるCe1−xGdxO(2−x)/2が研究の中心となっている。このCe1−xGdxO(2−x)/2には、酸素の空孔が形成されており、この材料系では、Ceの価数が変わるため、ビスマス系と同様に還元性雰囲気下ではCe金属に還元されて電子伝導性が生じ、このため固体酸化物形燃料電池に直接利用することは困難である。
【0007】
また、近年、ペロブスカイト型酸化物において高い酸化物イオン伝導性を示す材料が発見され、盛んに研究開発が行われている。ペロブスカイト型酸化物は、ABO3の一般式で表され、例えば、BaCe0.9Gd0.1O2 、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3、CaAl0.7TiO3と、SrZr0.9Sc0.1O3などがある。特に、La1−xSrxGa1−yMgyO3系(LSGM)では、T.Ishihara他、J.Am.Chem.Soc.,116,3801−03(1994)、T.Ishihara他、M.Feng and J.B.Goodenough、Eur.J.Solid State Inorg.Chem.,31,663−672(1994)により紹介されており、特に低温・酸化還元雰囲気下で高い酸化物イオン伝導度が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような酸化物イオン伝導体を用いた固体電解質(酸化物)形燃料電池を自動車などの移動体の電源や小型分散電源として使用するには、頻繁な始動停止に伴う温度変化に耐えることができると共に、酸素イオン伝導性が発揮される温度に昇温するまでの起動時間についても短時間であることが要求される。
また、固体酸化物形燃料電池においては、セラミックス材料で構成される部分が多く、セル構成材料の耐熱衝撃性の向上が重要な課題となっている。特に、酸化性ガスと燃料ガスを隔てている固体電解質膜が、万一熱衝撃によって破損するようなことがあると、燃料ガスに酸化性ガスが混合してしまう可能性がなくはないことから、固体電解質材料の耐熱衝撃性の向上が極めて重要な課題と言うことができる。
【0009】
そのため、これまで燃料電池セル構造を工夫することにより、セルにかかる熱衝撃を低減することが主に検討されている。例えば、J.Power Sources 71,268(1998)に示されているように、固体電解質を押し出し成形によって、直径2.4mm、厚さ200μm程度の小型で薄型のチューブとし、この上にマイクロセルを多数設置して、熱衝撃を緩和する方法が考えられている。
また、例えば、特開2000−58102号公報に開示されているように、セル内における燃料ガス排出の流量を平準化することにより、固体電解質などの構成材料へのヒートスポットに起因するクラックなどの発生を防止して、耐熱衝撃性を向上する試みもなされている。
【0010】
しかしながら、上記のいずれの場合においても、耐熱衝撃性は、燃料電池として実際に作動させるには、必ずしも十分とは言えず、さらなる耐熱衝撃性の向上、とりわけ固体電解質材料自体の耐熱衝撃性の向上が望まれている。
【0011】
一般に、材料の耐熱衝撃性を向上させるには、材料に熱衝撃が加わった場合に、熱のヒートスポットを発生させることなく、材料全体にいち早く熱を分散させ、温度分布を速やかに均一化できる材料、すなわち熱伝導率の高い材料を構成材料として使用することが望ましい。そこで、例えば、固体電解質として用いられるイットリア安定化ジルコニアやランタンガレート系酸化物に、高い熱伝導性を有する材料を複合化することなどが考えられ、これによる熱伝導度の向上が期待されている。
【0012】
一方、ランタンガレート系酸化物は、イットリア安定化ジルコニアに較べて酸素イオン伝導性に優れ、イットリア安定化ジルコニアの場合には燃料電池として使用可能な酸素イオン伝導度を得るために1000℃程度に昇温する必要があるのに対し、700〜800℃程度の昇温で済むことから、固体酸化物形燃料電池における低温作動化が期待できる電解質材料として注目されている。
ところが、ランタンガレートは様々な元素と高い反応性を示すことも知られており、SOFC作動条件のような高温下においても他の元素と反応しないだけの安定性を確保しながら、熱伝導性を向上する手法が望まれている。
【0013】
本発明は、従来のランタンガレート系固体電解質におけるこのような課題に鑑みてなされたものであって、イオン伝導度に優れると共に、耐熱衝撃性の向上に必要な熱伝導特性を兼ね備えた固体電解質材料とその製造方法、及びこのような固体電解質材料を用いた固体酸化物形燃料電池セルを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体電解質材料は、ランタンガレート又はランタンガレート含有酸化物からなるマトリックス中に、ランタンガレート又はランタンガレート含有酸化物からなる粗大粒子群を分散させたものであって、マトリックスを構成する粒子の平均粒径(DMat)と、分散相を構成する粗大粒子群の平均粒径(DSC)との比(DSC/DMat)を20〜100の範囲としたことを特徴としている。また、当該固体電解質材料の好適形態としては、(La1−xAx)(Ga1−yBy)O3−δ (式中のAはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はカルシウム(Ca)であり、Bはマグネシウム(Mg)又は亜鉛(Zn)であり、x及びyは各々0<x<0.2、0<y≦0.2を満足し、δは酸素欠損量である)で表されるランタンガレート含有酸化物からなるマトリックス中に、分散相としてのランタンガレート単結晶の粗大粒子が所定の面積率で分散していることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の固体電解質材料製造方法においては、ランタンガレート単結晶粉末(平均粒径:10〜40μm)に、ランタンガレート含有酸化物粉末を10〜50mass%添加して平均粒径が20〜100μmの造粒体とし、この造粒体にランタンガレート含有酸化物粉末(平均粒径:0.2〜1.5μm)を混合して上記ランタンガレート単結晶粉末の割合が10〜40mass%となるようしたのち、成形し、1350〜1550℃の温度範囲で焼成するようになすことを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明の固体酸化物形燃料電池セルは、本発明の上記固体電解質材料と、この固体電解質材料を教示する1対の電極から成ることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の固体電解質材料及びその製造方法の詳細を実施の形態に基づいて説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0018】
本発明の固体電解質材料は、上記のように、ランタンガレート系酸化物からなる母相中に、ランタンガレート系酸化物からなり、母相粒子に比べて20〜100倍の平均粒径を有する粗大粒子群を分散させたものであるから、当該粗大粒子によって熱伝導度及び酸素イオン伝導度共に良好な伝導経路が形成されることから、当該固体電解質材料の熱伝導性が向上し、酸化物イオン伝導率の低下を招くことなく、耐熱衝撃性が向上し、固体酸化物形燃料電池に好適な固体電解質材料が得られることになる。
【0019】
図1は、本発明の固体電解質材料の断面組織の一例を模式的に示したものであって、この図において分散相2である粗大粒子群が略網目状の熱伝導経路を母相1中に形成している。なお、この図においては、粒径がほぼ等しい添加粒子(粒子群)を配合して焼結された状態を示している。
このとき、母相を構成する粒子の平均粒径(DMat)と、分散相を構成する粗大粒子群の平均粒径(DSC)との比(DSC/DMat)を20〜100の範囲とすることが必要であるが、これは、粒径比が100を超えた場合には、焼結性が劣化して焼結体密度が低下し、ために熱伝導度が低下する傾向がある一方、粒径比が20未満の場合には、分散相を構成する粗大粒子群による熱拡散経路が連続せずに分散してしまうことから熱伝導性の低下を招くことによる。
【0020】
本発明の固体電解質材料において母相を構成するランタンガレート系酸化物としては、ペロブスカイト構造を有しているLa−Ga系酸化物であれば特に限定されるものではないが、酸化物イオン伝導率などの各特性を考慮すると、(La1−xAx)(Ga1−yBy)O3−δ (式中のAはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はカルシウム(Ca)であり、Bはマグネシウム(Mg)又は亜鉛(Zn)であり、x及びyは各々0<x<0.2、0<y≦0.2を満足し、δは酸素欠損量である)で表されるランタンガレート系複合酸化物を用いることができ、とりわけ、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3−δ、あるいは(La0.9Sr0.1)0.9Ga0.8Mg0.2O3−δのような組成を有するものが好適に用いられる。
【0021】
一方、分散相を構成する粗大粒子群としては、結晶性が優れ、より熱伝導性に優れることから、ランタンガレート単結晶粒子とすることが望ましい。また、このようなランタンガレート単結晶粒子群は、母材であるランタンガレート系酸化物と相互反応することがなく、化学的に安定であるため、他の材料系粒子を添加した際に課題となる相互反応による耐熱特性の低下が生じず、高い酸化物イオン伝導率を保つことができる。
なお、ランタンガレート単結晶としては、例えば、溶融凝固法やチョコラルスキー法等により作製されたランタンガレート単結晶などを用いることができる。
【0022】
また、本発明の固体電解質材料の好適形態として、当該固体電解質材料の切断面における粗大粒子群の占める割合について、線インターセプト法で測定した面積率で、粒子径が10μm以上の粗大粒子の合計面積を10〜40%の範囲とすることが望ましい。すなわち、分散相を構成する粗大粒子群として10μm以上のものの占める面積割合が10%に満たないと十分な熱伝導性を付与することができない傾向がある反面、40%を超えると粗大粒子間に隙間ができて、焼結密度が低くなる傾向があるので好ましくない。
【0023】
本発明の固体電解質材料製造方法においては、
(1)10〜40μmの平均粒径を有するランタンガレート単結晶粉末に、ランタンガレート含有酸化物粉末を10〜50%添加することによって、平均粒径が20〜100μmとなるように調整した造粒体を作製し、
(2)得られた造粒体に、0.2〜1.5μmの平均粒径を有するランタンガレート含有酸化物粉末を、上記ランタンガレート単結晶粉末の含有量が10〜40%となるように添加して混合したのち、成形して、
(3)得られた成形体を1350〜1550℃の温度範囲で焼成して、当該成形体を焼結するようにしている。
【0024】
すなわち、本発明の製造方法においては、ランタンガレート単結晶を粒子群(造粒体/顆粒)として、所定の割合に添加すると共に、焼結させるようにしたことにより、ランタンガレート単結晶粒子の添加割合を最小量としながら、焼結体中に存在する熱伝導性の高いランタンガレート単結晶粒子群に熱を伝達する機能を与えることができ、固体電解質材料に熱伝導特性という機能を十分に発現させ、もって固体電解質材料の耐熱衝撃性が向上することになる。
そして、この製造方法で得られた焼結体は、例えば、室温における熱伝導率が1.6W/mK(レーザーフラッシュ法による)以上で、しかも、1000℃の大気中における通電熱耐久試験(1A/cm2−480時間)後の熱伝導率の低下率が試験前の5%以下であるような優れた熱伝導性を有し、良好な酸化物イオン伝導特性を保ちながらこのような高い熱伝導特性を有することから、耐熱衝撃性に優れた燃料電池用の固体電解質材料として用いることができる。
【0025】
上記のように、本発明の固体電解質材料は、図2に示すような固体酸化物形燃料電池の固体電解質として適用することができる。図に示す固体酸化物形燃料電池セル5は、本発明の上記固体電解質材料からなる固体電解質層6と、この固体電解質層6を挟持する1対の電極7、8とを備えて構成されている。
このような構成の固体酸化物形燃料電池セルを組み合わせることにより、高出力の燃料電池を実現することができる。なお、固体酸化物形燃料電池セル5には、500〜800℃に加熱した状態で空気と燃料を供給するようになっている。ここで、固体電解質層6においては、一方の電極である空気極より酸素イオンを他方の電極である燃料極側に運ぶ働きをすることにより起電力が生じる。
このような構成の固体電解質層2は、部位により温度が異なる固体酸化物形燃料電池に用いた場合にも安定した特性を出すことができるものである。
【0026】
すなわち、本発明の固体電解質材料は、高熱伝導特性を有するものであるから、速やかな起動特性を要求される自動車や分散電源などの燃料電池に十分活用できる。
【0027】
さらに、本発明の固体電解質材料は、図3に示すような自動車用酸素センサに適用することもできる。図に示す自動車酸素センサ10は、複数の通気孔11Aが形成された有底円筒状のケース11内に、導電性気密シール12を介して、標準電極(Pt)13と検出電極(Pt)14で挟まれた固体電解質層15が収納されている。なお、検出電極14の外側面は、保護膜16で覆われている。また、ケース11の上部には、排ガスダクト壁17が周回して設けられ、ケース11の外部からの排ガスを通気孔11Aに導くようになっている。さらに、標準電極13の内側空間には、標準ガスSGを導入するようになっている。
このような自動車酸素センサ10に本発明の固体電解質材料を適用することにより、耐久性および安定性に優れた自動車酸素センサを実現することができる。また、小型ながら自動車排気管の中で用いられる酸素センサとして、温度変化が激しく、性能が変わりやすい状況下でも安定して特性を出すことができるデバイスとなり得る。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0029】
(実施例1)
固体電解質材料の母相(マトリックス)を構成するランタンガレート系酸化物として、所定量(La2O3を61.08g、SrCO3を6.15g、Ga2O3を31.24g、MgOを3.36g)の各原料粉末を秤量し、ボールミルによりアルコール中で24時間混合した。この混合により得られたスラリーを乾燥した後、1150℃の温度で、6時間大気中で仮焼した。そして、ボールミルによりアルコール中で再度粉砕して平均粒径が0.8μmとなるようにした後、乾燥させて母材粉末とした。
【0030】
他方、添加相としては溶融凝固法によりランタンガレート単結晶粉末を作製した。前記で合成した母材粉末から50gを金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、MgO単結晶基板に乗せ、1570℃に昇温し、10時間かけて1500℃まで徐冷したのち、炉冷して室温まで冷却した。基板上に生成したランタンガレート単結晶を切り出した後、ボールミルによりアルコール中で1時間粉砕してランタンガレート単結晶粉末とした。
合成したランタンガレート単結晶粉末とランタンガレート系酸化物粉末を90:10の割合に配合し、エタノール中でボールミルにて48時間混合粉砕した後、スプレードライヤーを用いて造粒体とする。顆粒平均粒径2±1μmから100±5μmまで篩い分けした後、顆粒平均粒径40±5μmのものを用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合しV型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした。
【0031】
このランタンガレート系酸化物粒子群粉末を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結して、固体電解質を得た。次いで、各固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を作製した。
なお、焼結時には共生地のトチとアルミナ製のサヤを用いるとよいが、トチはアルミナ製あってもよい。因に、トチは圧粉体を焼成するときに載置するための板であり、焼成物と熱膨張率が近似し、反応性が少ないものであるのが好ましい。また、サヤは焼成時に温度条件を保持し、ほこりなどから試料を守るためのセラミックス製の囲いである。通常、トチ、サヤ、トチ、サヤのように多重に重ねて多数の試料の焼成に用いる。
【0032】
(実施例2)
前記造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が25%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0033】
(実施例3)
前記造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が35%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0034】
(実施例4)
前記造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が40%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0035】
(実施例5)
顆粒平均粒径60±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0036】
(実施例6)
顆粒平均粒径20±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0037】
(比較例1)
上記実施例1と同様に、所定量(La2O3を61.08g、SrCO3を6.15g、Ga2O3を31.24g、MgOを3.36g)の各原料粉末を秤量し、ボールミルを用いてアルコール中で24時間混合した。得られたスラリーを乾燥させた後、1150℃の温度で、6時間大気中で仮焼した。再度ボールミルで平均粒径が0.8μmとなるようにアルコール中で粉砕した後、乾燥させて、ランタンガレート系酸化物を得た。
このランタンガレート系酸化物粉末を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結して、ランタンガレート系酸化物の単相からなる固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を同様に作製した。
【0038】
(比較例2)
上記実施例1と同様に、所定量(La2O3を61.08g、SrCO3を6.15g、Ga2O3を31.24g、MgOを3.36g)の各原料粉末を秤量し、ボールミルを用いてアルコール中で24時間混合した。得られたスラリーを乾燥させた後、1150℃の温度で、6時間大気中で仮焼した。再度ボールミルで平均粒径が0.8μmとなるようにアルコール中で粉砕した後、乾燥させることにより、実施例1と同様のランタンガレート系酸化物の母材粉末を得た。ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が25%となるように配合した。
【0039】
この混合を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結させて、ランタンガレート単結晶が均一に分散した状態の固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を同様に作製した。
【0040】
(比較例3)
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、実施例1と同様のランタンガレート系酸化物の母材粉末を得た。
他方、添加相としては、市販の窒化アルミニウム粉末(平均粒径1.0μm)とランタンガレート系酸化物粉末(平均粒径0.8μm)を90:10の割合に配合し、エタノール中でボールミルにて48時間混合粉砕した後、スプレードライヤーを用いて造粒体とした。顆粒平均粒径2±1μmから100±5μmまで篩い分けした後、顆粒平均粒径25±5μmのものをこれらの造粒体を用いて、窒化アルミニウム粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合しV型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした。
【0041】
このランタンガレート系酸化物粉末を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結させ、ランタンガレート系酸化物中に窒化アルミニウム粒子を分散させた固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を同様に作製した。
【0042】
(比較例4)
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、実施例1と同様のランタンガレート系酸化物の母材粉末を得た。
他方、添加相としては、市販のアルミナ粉末(平均粒径1.0μm)とランタンガレート系酸化物粉末(平均粒径0.8μm)を90:10の割合に配合し、エタノール中でボールミルにて48時間混合粉砕した後、スプレードライヤーを用いて造粒体とした。顆粒平均粒径2±1μmから100±5μmまで篩い分けした後、顆粒平均粒径25±5μmのものをこれらの造粒体を用いて、窒化アルミニウム粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合しV型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした。
【0043】
このランタンガレート系酸化物粉末を金型で圧粉し、同様に静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結させ、ランタンガレート系酸化物中にアルミナ粒子を分散させた固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を作製した。
【0044】
(比較例5)
顆粒平均粒径5±1μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が25%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0045】
(比較例6)
顆粒平均粒径20±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が35%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0046】
(比較例7)
顆粒平均粒径100±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0047】
(比較例8)
顆粒平均粒径20±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が5%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0048】
(比較例9)
顆粒平均粒径100±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が45%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0049】
〔性能評価〕
上記実施例及び比較例によって得られたそれぞれの固体電解質について、下記の評価試験を実施し、各固体電解質の特性を評価した。その結果を表1に示す。
【0050】
(1)粒子群微構造評価
試料をダイヤモンド粒子(0.26μm)で研磨した後、光学顕微鏡にて観察し、顕微鏡写真の4×4mmの面積に含まれる粒子径の平均値を求めて、これを平均粒子径(DMat)とした。また、粒子群の直径は、研磨面上のランタンガレート粒子群を写真にとり、写真上でランダムに直線を引いてこの直線が横切る全てのランタンガレート粒子群の粒径を求め、この平均をランタンガレート粒子群の数平均として画像解析装置により、粒子群の面積および粒子群の直径(DSC)を求める線インターセプト法によった。
【0051】
(2)熱伝導率評価
レーザーフラッシュ法により熱拡散率及び比熱を測定すると共に、アルキメデス法によって密度を測定し、次式▲1▼に基づいて熱伝導率を算出した。
【数1】
【0052】
(3)耐熱性評価
各固体電解質焼結体からJIS―R1601曲げ試験片サイズ(4.0mm×3.0mm×36mm)に切り出し、耐熱性評価試料とした。これに白金線を等間隔に白金ペーストで固定した後、1100℃で焼成し試験片とした。この試験片に1A/cm2の電流密度で通電しながら、1000℃に保温した炉内に480時間保持することにより耐久試験を行った。
そして、熱耐久試験の前後において室温における熱伝導率を上記レーザーフラッシュ法により測定し、次式▲2▼により熱伝導低下率を算出することにより各固体電解質の耐熱性を評価した。
【数2】
【0053】
【表1】
【0054】
表1の結果から、次のことが明らかとなった。
(1)ランタンガレート単結晶粗大粒子について
ランタンガレート単結晶粒子群の添加(実施例1)により、無添加の場合(比較例1)に比べて熱伝導度が向上していることが確認された。これは、ランタンガレート単結晶粒子群が効率的に熱伝導パスとして機能しているものと考えられる。
また、ランタンガレート単結晶粒子が添加され、その面積比がほぼ同じであっても、粒子群とせず均一に添加した系(比較例2)に比べて、粗大粒子群として添加した系(実施例2)においては熱伝導性が向上しており、粒子群として添加することに意義があることを示している。これは、ランタンガレート単結晶粉末を粒子群(顆粒)として所定割合で添加し、同時に焼結させて多相系セラミックス材料を製造することにより、ランタンガレート単結晶の添加割合を最小量としながら熱伝導特性を付与するという機能を十分に発現させることが可能となる粒子群分散微構造とすることによる効果である。
【0055】
(2)粒径比DSC/DMatについて
実施例1,5,6と比較例5,6,7による固体電解質の熱伝導率の測定結果を比較すると、母相のランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径(DMat)とランタンガレート粗大粒子群の平均粒径(DSC)との比(DSC/DMat)を20〜100の範囲にすることにより、熱伝導性が向上することが確認された。粒径比DSC/DMatが100を超えると、焼結性が劣化して焼結体密度が低下するために熱伝導度が低下する傾向があり、一方、上記粒径比が20に満たない場合には、ランタンガレート単結晶粒子による熱拡散経路が連続せずに分散してしまうため、熱伝導性の低下を招く。
【0056】
(3)面積分率について
実施例1〜4と比較例8,9による固体電解質の熱伝導率の測定結果から、固体電解質の切断面を観察したとき、直径が10μm以上である粗大粒子群の面積の合計が、線インターセプト法で測定した面積分率で、10〜40面積%となるようにすることが望ましいことが判明した。すなわち、ランタンガレート単結晶粒子群の面積が小さいと十分な熱伝導性を付与することができない傾向となるので、10面積%以上とすることが望ましく、ランタンガレート粒子群の面積が大きいと結晶がぶつかりあってしまうため、焼結密度が低くなる傾向となるので、40面積%以下とすることがより望ましい。
【0057】
(4)粗大粒子材料について
粗大粒子群として添加する材料としては、ランタンガレート単結晶を用いることにより、熱伝導性が効果的に向上すると共に、SOFCとしての作動条件下における耐熱性も向上する(実施例1)。粗大粒子群材料として窒化アルミ粉末(比較例3)、アルミナ粉末(比較例4)を用いると熱伝導性の向上効果はあるものの、耐熱試験中に粗大粒子群材料と母相であるランタンガレートとの拡散・反応が進行してしまうため、熱伝導性の低下が顕著である。このことから母相材−分散相材との間に反応のないランタンガレート単結晶材料の利用が有用であることが確認された。
【0058】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、上記実施の形態における開示の一部をなす論述および図面は、本発明を限定するものではない。この開示から当業者には様々な実施形態、及び運用技術が明らかとなろう。
【0059】
また、上記実施例においては、ランタンガレート系酸化物(ランタンガレート含有酸化物として、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3−δを使用した例を示し、実施の形態の欄においては、上記複合酸化物に加えて、(La0.9Sr0.1)0.9Ga0.8Mg0.2O3−δのような組成を有するものを挙げたが、ペロブスカイト構造を有するLa−Ga系酸化物であれば特に限定されるものではない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の固体電解質材料は、ランタンガレート系酸化物からなる母相中に、分散相としてランタンガレート系酸化物からなり、母相粒子よりも20〜100倍の平均粒径を有する粗大粒子群を分散させたものであるから、酸素イオン伝導性を損なうことなく、熱伝導特性を大幅に向上させることができ、耐熱衝撃性を改善することができるという極めて優れた効果をもたらすものである。
また、本発明の製造方法によれば、ランタンガレート単結晶粒子を粒子群(顆粒)として、所定粒度のランタンガレート含有酸化物に所定の割合に添加し、焼結させるようにしたことにより、ランタンガレート単結晶の添加割合を最小限のものとしつつ、熱伝導特性という機能を十分に発現させることができ、さらに母材及び添加材として、同系組成物を用いるようにしたことにより、通常、熱伝導性を高める添加材料を添加する際に問題となる作動条件下での母材と添加剤との反応による特性の低下が生じないため、固体酸化物形燃料電池用の固体電解質として長時間の使用に耐える電解質材料を得ることができる。
さらに、本発明の固体酸化物形燃料電池においては、固体電解質として本発明の上記固体電解質材料を適用したものであるから、当該燃料電池が自動車などの移動体用電源として用いられた場合に、移動体の頻繁な始動停止に伴って激しい温度変化が生じたとしても、長時間の運転に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質材料における粒子構造を拡大して示す模式図である。
【図2】本発明の固体電解質材料を適用した固体酸化物形燃料電池セルの構造を示す概略図である。
【図3】本発明の固体電解質材料を適用した自動車用酸素センサの構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1 母相
2 分散相(粗大粒子)
5 固体酸化物形燃料電池セル
6 固体電解質相(固体電解質材料)
7,8 電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランタンガレートを含有する複合酸化物からなり、例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)あるいは酸素センサー用の固体電解質として用いられるセラミックス複合焼結体に係わり、さらに詳しくは、優れた耐熱性と高い熱伝導性、並びに高いイオン伝導性を有するランタンガレート系固体電解質材料と、その製造方法、さらには当該固体電解質材料を用いた固体酸化物形燃料電池セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1899年にNernstが酸化物から成る固体電解質を発見した後、1937年にBaurとPreisが、電解質としてこのような固体酸化物を利用した固体酸化物形燃料電池を1000℃で運転して以来、固体酸化物形燃料電池は進歩を続けており、出力が数kWのジルコニア質セラミックス燃料電池が数万時間の運転実績を積んでいる。
このような固体酸化物形燃料電池は、1000℃よりも高い高温で運転するために、炭化水素系燃料を電池内で改質(internal reforming)することができ、このため、固体酸化物形燃料電池では、60%を超えるような高い燃焼効率を得ることが可能であると考えられている。
【0003】
通常、固体酸化物形燃料電池は、大略、固体電解質、燃料極、空気極および中間層とから構成されている。これら全ての構成材料は酸化還元雰囲気に対して化学的に安定であり、且つ適度な導電性を有することが要求される。そして、構成材料間の熱膨張係数が近似していると共に、アノード及びカソードが多孔質体をなし、ガス透過性を有していることが必要である。さらに、当然のことであるが、安価であることが望まれる。
【0004】
そのため、セラミックス固体電解質を用いた所謂セラミックス電池では、セラミックス材料の選択が非常に難しくなっているうえ、燃焼器本体などの容器にはフェライト系ステンレスなどの金属部品の有効な利用が必要とされている。このため、低温で活性な固体電解質や電極材料の選定が必要とされている。今後はセラミックス固体電解質や電極材料の選択や新規材料の開発、さらには電極材料の積層構造の製造技術が重要な課題となっている。
【0005】
現在、固体電解質としては、安定化ZrO2が最も盛んに研究されている。安定化剤としては、2価のアルカリ土類元素の酸化物CaO、MgOや3価のアルカリ土類元素の酸化物Sc2O3等や、Y2O3等の希土類酸化物などが用いられる。例えば、安定化剤としてアルカリ土類元素の酸化物であるCaOをZrO2にドープして成る安定化ZrO2の特性値は、800℃で0.01(Ωcm)−1のイオン導電性を示す。
また、低温域で高い酸素イオン伝導性を示す材料としては、セリア系材料が知られている。例えばセリアの酸化物であるCeO2では、室温から融点に至る温度範囲で蛍石型の立方晶構造をとる。この酸化物(CeO2)に希土類酸化物やCaOを添加すると広範囲に固溶体を形成する。このような材料系は、KuboとH.Obayashi(J.Electrochem.Soc.,123[3],416−419(1976)等)により報告されている。
【0006】
最近では、CeO2−Gd2O3系化合物であるCe1−xGdxO(2−x)/2が研究の中心となっている。このCe1−xGdxO(2−x)/2には、酸素の空孔が形成されており、この材料系では、Ceの価数が変わるため、ビスマス系と同様に還元性雰囲気下ではCe金属に還元されて電子伝導性が生じ、このため固体酸化物形燃料電池に直接利用することは困難である。
【0007】
また、近年、ペロブスカイト型酸化物において高い酸化物イオン伝導性を示す材料が発見され、盛んに研究開発が行われている。ペロブスカイト型酸化物は、ABO3の一般式で表され、例えば、BaCe0.9Gd0.1O2 、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3、CaAl0.7TiO3と、SrZr0.9Sc0.1O3などがある。特に、La1−xSrxGa1−yMgyO3系(LSGM)では、T.Ishihara他、J.Am.Chem.Soc.,116,3801−03(1994)、T.Ishihara他、M.Feng and J.B.Goodenough、Eur.J.Solid State Inorg.Chem.,31,663−672(1994)により紹介されており、特に低温・酸化還元雰囲気下で高い酸化物イオン伝導度が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような酸化物イオン伝導体を用いた固体電解質(酸化物)形燃料電池を自動車などの移動体の電源や小型分散電源として使用するには、頻繁な始動停止に伴う温度変化に耐えることができると共に、酸素イオン伝導性が発揮される温度に昇温するまでの起動時間についても短時間であることが要求される。
また、固体酸化物形燃料電池においては、セラミックス材料で構成される部分が多く、セル構成材料の耐熱衝撃性の向上が重要な課題となっている。特に、酸化性ガスと燃料ガスを隔てている固体電解質膜が、万一熱衝撃によって破損するようなことがあると、燃料ガスに酸化性ガスが混合してしまう可能性がなくはないことから、固体電解質材料の耐熱衝撃性の向上が極めて重要な課題と言うことができる。
【0009】
そのため、これまで燃料電池セル構造を工夫することにより、セルにかかる熱衝撃を低減することが主に検討されている。例えば、J.Power Sources 71,268(1998)に示されているように、固体電解質を押し出し成形によって、直径2.4mm、厚さ200μm程度の小型で薄型のチューブとし、この上にマイクロセルを多数設置して、熱衝撃を緩和する方法が考えられている。
また、例えば、特開2000−58102号公報に開示されているように、セル内における燃料ガス排出の流量を平準化することにより、固体電解質などの構成材料へのヒートスポットに起因するクラックなどの発生を防止して、耐熱衝撃性を向上する試みもなされている。
【0010】
しかしながら、上記のいずれの場合においても、耐熱衝撃性は、燃料電池として実際に作動させるには、必ずしも十分とは言えず、さらなる耐熱衝撃性の向上、とりわけ固体電解質材料自体の耐熱衝撃性の向上が望まれている。
【0011】
一般に、材料の耐熱衝撃性を向上させるには、材料に熱衝撃が加わった場合に、熱のヒートスポットを発生させることなく、材料全体にいち早く熱を分散させ、温度分布を速やかに均一化できる材料、すなわち熱伝導率の高い材料を構成材料として使用することが望ましい。そこで、例えば、固体電解質として用いられるイットリア安定化ジルコニアやランタンガレート系酸化物に、高い熱伝導性を有する材料を複合化することなどが考えられ、これによる熱伝導度の向上が期待されている。
【0012】
一方、ランタンガレート系酸化物は、イットリア安定化ジルコニアに較べて酸素イオン伝導性に優れ、イットリア安定化ジルコニアの場合には燃料電池として使用可能な酸素イオン伝導度を得るために1000℃程度に昇温する必要があるのに対し、700〜800℃程度の昇温で済むことから、固体酸化物形燃料電池における低温作動化が期待できる電解質材料として注目されている。
ところが、ランタンガレートは様々な元素と高い反応性を示すことも知られており、SOFC作動条件のような高温下においても他の元素と反応しないだけの安定性を確保しながら、熱伝導性を向上する手法が望まれている。
【0013】
本発明は、従来のランタンガレート系固体電解質におけるこのような課題に鑑みてなされたものであって、イオン伝導度に優れると共に、耐熱衝撃性の向上に必要な熱伝導特性を兼ね備えた固体電解質材料とその製造方法、及びこのような固体電解質材料を用いた固体酸化物形燃料電池セルを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体電解質材料は、ランタンガレート又はランタンガレート含有酸化物からなるマトリックス中に、ランタンガレート又はランタンガレート含有酸化物からなる粗大粒子群を分散させたものであって、マトリックスを構成する粒子の平均粒径(DMat)と、分散相を構成する粗大粒子群の平均粒径(DSC)との比(DSC/DMat)を20〜100の範囲としたことを特徴としている。また、当該固体電解質材料の好適形態としては、(La1−xAx)(Ga1−yBy)O3−δ (式中のAはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はカルシウム(Ca)であり、Bはマグネシウム(Mg)又は亜鉛(Zn)であり、x及びyは各々0<x<0.2、0<y≦0.2を満足し、δは酸素欠損量である)で表されるランタンガレート含有酸化物からなるマトリックス中に、分散相としてのランタンガレート単結晶の粗大粒子が所定の面積率で分散していることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の固体電解質材料製造方法においては、ランタンガレート単結晶粉末(平均粒径:10〜40μm)に、ランタンガレート含有酸化物粉末を10〜50mass%添加して平均粒径が20〜100μmの造粒体とし、この造粒体にランタンガレート含有酸化物粉末(平均粒径:0.2〜1.5μm)を混合して上記ランタンガレート単結晶粉末の割合が10〜40mass%となるようしたのち、成形し、1350〜1550℃の温度範囲で焼成するようになすことを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明の固体酸化物形燃料電池セルは、本発明の上記固体電解質材料と、この固体電解質材料を教示する1対の電極から成ることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の固体電解質材料及びその製造方法の詳細を実施の形態に基づいて説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0018】
本発明の固体電解質材料は、上記のように、ランタンガレート系酸化物からなる母相中に、ランタンガレート系酸化物からなり、母相粒子に比べて20〜100倍の平均粒径を有する粗大粒子群を分散させたものであるから、当該粗大粒子によって熱伝導度及び酸素イオン伝導度共に良好な伝導経路が形成されることから、当該固体電解質材料の熱伝導性が向上し、酸化物イオン伝導率の低下を招くことなく、耐熱衝撃性が向上し、固体酸化物形燃料電池に好適な固体電解質材料が得られることになる。
【0019】
図1は、本発明の固体電解質材料の断面組織の一例を模式的に示したものであって、この図において分散相2である粗大粒子群が略網目状の熱伝導経路を母相1中に形成している。なお、この図においては、粒径がほぼ等しい添加粒子(粒子群)を配合して焼結された状態を示している。
このとき、母相を構成する粒子の平均粒径(DMat)と、分散相を構成する粗大粒子群の平均粒径(DSC)との比(DSC/DMat)を20〜100の範囲とすることが必要であるが、これは、粒径比が100を超えた場合には、焼結性が劣化して焼結体密度が低下し、ために熱伝導度が低下する傾向がある一方、粒径比が20未満の場合には、分散相を構成する粗大粒子群による熱拡散経路が連続せずに分散してしまうことから熱伝導性の低下を招くことによる。
【0020】
本発明の固体電解質材料において母相を構成するランタンガレート系酸化物としては、ペロブスカイト構造を有しているLa−Ga系酸化物であれば特に限定されるものではないが、酸化物イオン伝導率などの各特性を考慮すると、(La1−xAx)(Ga1−yBy)O3−δ (式中のAはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はカルシウム(Ca)であり、Bはマグネシウム(Mg)又は亜鉛(Zn)であり、x及びyは各々0<x<0.2、0<y≦0.2を満足し、δは酸素欠損量である)で表されるランタンガレート系複合酸化物を用いることができ、とりわけ、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3−δ、あるいは(La0.9Sr0.1)0.9Ga0.8Mg0.2O3−δのような組成を有するものが好適に用いられる。
【0021】
一方、分散相を構成する粗大粒子群としては、結晶性が優れ、より熱伝導性に優れることから、ランタンガレート単結晶粒子とすることが望ましい。また、このようなランタンガレート単結晶粒子群は、母材であるランタンガレート系酸化物と相互反応することがなく、化学的に安定であるため、他の材料系粒子を添加した際に課題となる相互反応による耐熱特性の低下が生じず、高い酸化物イオン伝導率を保つことができる。
なお、ランタンガレート単結晶としては、例えば、溶融凝固法やチョコラルスキー法等により作製されたランタンガレート単結晶などを用いることができる。
【0022】
また、本発明の固体電解質材料の好適形態として、当該固体電解質材料の切断面における粗大粒子群の占める割合について、線インターセプト法で測定した面積率で、粒子径が10μm以上の粗大粒子の合計面積を10〜40%の範囲とすることが望ましい。すなわち、分散相を構成する粗大粒子群として10μm以上のものの占める面積割合が10%に満たないと十分な熱伝導性を付与することができない傾向がある反面、40%を超えると粗大粒子間に隙間ができて、焼結密度が低くなる傾向があるので好ましくない。
【0023】
本発明の固体電解質材料製造方法においては、
(1)10〜40μmの平均粒径を有するランタンガレート単結晶粉末に、ランタンガレート含有酸化物粉末を10〜50%添加することによって、平均粒径が20〜100μmとなるように調整した造粒体を作製し、
(2)得られた造粒体に、0.2〜1.5μmの平均粒径を有するランタンガレート含有酸化物粉末を、上記ランタンガレート単結晶粉末の含有量が10〜40%となるように添加して混合したのち、成形して、
(3)得られた成形体を1350〜1550℃の温度範囲で焼成して、当該成形体を焼結するようにしている。
【0024】
すなわち、本発明の製造方法においては、ランタンガレート単結晶を粒子群(造粒体/顆粒)として、所定の割合に添加すると共に、焼結させるようにしたことにより、ランタンガレート単結晶粒子の添加割合を最小量としながら、焼結体中に存在する熱伝導性の高いランタンガレート単結晶粒子群に熱を伝達する機能を与えることができ、固体電解質材料に熱伝導特性という機能を十分に発現させ、もって固体電解質材料の耐熱衝撃性が向上することになる。
そして、この製造方法で得られた焼結体は、例えば、室温における熱伝導率が1.6W/mK(レーザーフラッシュ法による)以上で、しかも、1000℃の大気中における通電熱耐久試験(1A/cm2−480時間)後の熱伝導率の低下率が試験前の5%以下であるような優れた熱伝導性を有し、良好な酸化物イオン伝導特性を保ちながらこのような高い熱伝導特性を有することから、耐熱衝撃性に優れた燃料電池用の固体電解質材料として用いることができる。
【0025】
上記のように、本発明の固体電解質材料は、図2に示すような固体酸化物形燃料電池の固体電解質として適用することができる。図に示す固体酸化物形燃料電池セル5は、本発明の上記固体電解質材料からなる固体電解質層6と、この固体電解質層6を挟持する1対の電極7、8とを備えて構成されている。
このような構成の固体酸化物形燃料電池セルを組み合わせることにより、高出力の燃料電池を実現することができる。なお、固体酸化物形燃料電池セル5には、500〜800℃に加熱した状態で空気と燃料を供給するようになっている。ここで、固体電解質層6においては、一方の電極である空気極より酸素イオンを他方の電極である燃料極側に運ぶ働きをすることにより起電力が生じる。
このような構成の固体電解質層2は、部位により温度が異なる固体酸化物形燃料電池に用いた場合にも安定した特性を出すことができるものである。
【0026】
すなわち、本発明の固体電解質材料は、高熱伝導特性を有するものであるから、速やかな起動特性を要求される自動車や分散電源などの燃料電池に十分活用できる。
【0027】
さらに、本発明の固体電解質材料は、図3に示すような自動車用酸素センサに適用することもできる。図に示す自動車酸素センサ10は、複数の通気孔11Aが形成された有底円筒状のケース11内に、導電性気密シール12を介して、標準電極(Pt)13と検出電極(Pt)14で挟まれた固体電解質層15が収納されている。なお、検出電極14の外側面は、保護膜16で覆われている。また、ケース11の上部には、排ガスダクト壁17が周回して設けられ、ケース11の外部からの排ガスを通気孔11Aに導くようになっている。さらに、標準電極13の内側空間には、標準ガスSGを導入するようになっている。
このような自動車酸素センサ10に本発明の固体電解質材料を適用することにより、耐久性および安定性に優れた自動車酸素センサを実現することができる。また、小型ながら自動車排気管の中で用いられる酸素センサとして、温度変化が激しく、性能が変わりやすい状況下でも安定して特性を出すことができるデバイスとなり得る。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0029】
(実施例1)
固体電解質材料の母相(マトリックス)を構成するランタンガレート系酸化物として、所定量(La2O3を61.08g、SrCO3を6.15g、Ga2O3を31.24g、MgOを3.36g)の各原料粉末を秤量し、ボールミルによりアルコール中で24時間混合した。この混合により得られたスラリーを乾燥した後、1150℃の温度で、6時間大気中で仮焼した。そして、ボールミルによりアルコール中で再度粉砕して平均粒径が0.8μmとなるようにした後、乾燥させて母材粉末とした。
【0030】
他方、添加相としては溶融凝固法によりランタンガレート単結晶粉末を作製した。前記で合成した母材粉末から50gを金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、MgO単結晶基板に乗せ、1570℃に昇温し、10時間かけて1500℃まで徐冷したのち、炉冷して室温まで冷却した。基板上に生成したランタンガレート単結晶を切り出した後、ボールミルによりアルコール中で1時間粉砕してランタンガレート単結晶粉末とした。
合成したランタンガレート単結晶粉末とランタンガレート系酸化物粉末を90:10の割合に配合し、エタノール中でボールミルにて48時間混合粉砕した後、スプレードライヤーを用いて造粒体とする。顆粒平均粒径2±1μmから100±5μmまで篩い分けした後、顆粒平均粒径40±5μmのものを用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合しV型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした。
【0031】
このランタンガレート系酸化物粒子群粉末を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結して、固体電解質を得た。次いで、各固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を作製した。
なお、焼結時には共生地のトチとアルミナ製のサヤを用いるとよいが、トチはアルミナ製あってもよい。因に、トチは圧粉体を焼成するときに載置するための板であり、焼成物と熱膨張率が近似し、反応性が少ないものであるのが好ましい。また、サヤは焼成時に温度条件を保持し、ほこりなどから試料を守るためのセラミックス製の囲いである。通常、トチ、サヤ、トチ、サヤのように多重に重ねて多数の試料の焼成に用いる。
【0032】
(実施例2)
前記造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が25%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0033】
(実施例3)
前記造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が35%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0034】
(実施例4)
前記造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が40%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0035】
(実施例5)
顆粒平均粒径60±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0036】
(実施例6)
顆粒平均粒径20±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0037】
(比較例1)
上記実施例1と同様に、所定量(La2O3を61.08g、SrCO3を6.15g、Ga2O3を31.24g、MgOを3.36g)の各原料粉末を秤量し、ボールミルを用いてアルコール中で24時間混合した。得られたスラリーを乾燥させた後、1150℃の温度で、6時間大気中で仮焼した。再度ボールミルで平均粒径が0.8μmとなるようにアルコール中で粉砕した後、乾燥させて、ランタンガレート系酸化物を得た。
このランタンガレート系酸化物粉末を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結して、ランタンガレート系酸化物の単相からなる固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を同様に作製した。
【0038】
(比較例2)
上記実施例1と同様に、所定量(La2O3を61.08g、SrCO3を6.15g、Ga2O3を31.24g、MgOを3.36g)の各原料粉末を秤量し、ボールミルを用いてアルコール中で24時間混合した。得られたスラリーを乾燥させた後、1150℃の温度で、6時間大気中で仮焼した。再度ボールミルで平均粒径が0.8μmとなるようにアルコール中で粉砕した後、乾燥させることにより、実施例1と同様のランタンガレート系酸化物の母材粉末を得た。ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が25%となるように配合した。
【0039】
この混合を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結させて、ランタンガレート単結晶が均一に分散した状態の固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を同様に作製した。
【0040】
(比較例3)
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、実施例1と同様のランタンガレート系酸化物の母材粉末を得た。
他方、添加相としては、市販の窒化アルミニウム粉末(平均粒径1.0μm)とランタンガレート系酸化物粉末(平均粒径0.8μm)を90:10の割合に配合し、エタノール中でボールミルにて48時間混合粉砕した後、スプレードライヤーを用いて造粒体とした。顆粒平均粒径2±1μmから100±5μmまで篩い分けした後、顆粒平均粒径25±5μmのものをこれらの造粒体を用いて、窒化アルミニウム粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合しV型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした。
【0041】
このランタンガレート系酸化物粉末を金型で圧粉し、静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結させ、ランタンガレート系酸化物中に窒化アルミニウム粒子を分散させた固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を同様に作製した。
【0042】
(比較例4)
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、実施例1と同様のランタンガレート系酸化物の母材粉末を得た。
他方、添加相としては、市販のアルミナ粉末(平均粒径1.0μm)とランタンガレート系酸化物粉末(平均粒径0.8μm)を90:10の割合に配合し、エタノール中でボールミルにて48時間混合粉砕した後、スプレードライヤーを用いて造粒体とした。顆粒平均粒径2±1μmから100±5μmまで篩い分けした後、顆粒平均粒径25±5μmのものをこれらの造粒体を用いて、窒化アルミニウム粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合しV型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした。
【0043】
このランタンガレート系酸化物粉末を金型で圧粉し、同様に静水圧プレスで2ton/cm2の圧力で成形し、1450℃で6時間焼結させ、ランタンガレート系酸化物中にアルミナ粒子を分散させた固体電解質を得た。次いで、この固体電解質から10×10×0.5mmの試験片を作製した。
【0044】
(比較例5)
顆粒平均粒径5±1μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が25%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0045】
(比較例6)
顆粒平均粒径20±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が35%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0046】
(比較例7)
顆粒平均粒径100±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が15%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0047】
(比較例8)
顆粒平均粒径20±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が5%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0048】
(比較例9)
顆粒平均粒径100±5μmの造粒体を用いて、ランタンガレート粉末をランタンガレート単結晶粉末の体積比が45%となるように配合し、V型ブレンダーにより混合し粒子群粉末とした以外は実施例1と同様に作製した。
【0049】
〔性能評価〕
上記実施例及び比較例によって得られたそれぞれの固体電解質について、下記の評価試験を実施し、各固体電解質の特性を評価した。その結果を表1に示す。
【0050】
(1)粒子群微構造評価
試料をダイヤモンド粒子(0.26μm)で研磨した後、光学顕微鏡にて観察し、顕微鏡写真の4×4mmの面積に含まれる粒子径の平均値を求めて、これを平均粒子径(DMat)とした。また、粒子群の直径は、研磨面上のランタンガレート粒子群を写真にとり、写真上でランダムに直線を引いてこの直線が横切る全てのランタンガレート粒子群の粒径を求め、この平均をランタンガレート粒子群の数平均として画像解析装置により、粒子群の面積および粒子群の直径(DSC)を求める線インターセプト法によった。
【0051】
(2)熱伝導率評価
レーザーフラッシュ法により熱拡散率及び比熱を測定すると共に、アルキメデス法によって密度を測定し、次式▲1▼に基づいて熱伝導率を算出した。
【数1】
【0052】
(3)耐熱性評価
各固体電解質焼結体からJIS―R1601曲げ試験片サイズ(4.0mm×3.0mm×36mm)に切り出し、耐熱性評価試料とした。これに白金線を等間隔に白金ペーストで固定した後、1100℃で焼成し試験片とした。この試験片に1A/cm2の電流密度で通電しながら、1000℃に保温した炉内に480時間保持することにより耐久試験を行った。
そして、熱耐久試験の前後において室温における熱伝導率を上記レーザーフラッシュ法により測定し、次式▲2▼により熱伝導低下率を算出することにより各固体電解質の耐熱性を評価した。
【数2】
【0053】
【表1】
【0054】
表1の結果から、次のことが明らかとなった。
(1)ランタンガレート単結晶粗大粒子について
ランタンガレート単結晶粒子群の添加(実施例1)により、無添加の場合(比較例1)に比べて熱伝導度が向上していることが確認された。これは、ランタンガレート単結晶粒子群が効率的に熱伝導パスとして機能しているものと考えられる。
また、ランタンガレート単結晶粒子が添加され、その面積比がほぼ同じであっても、粒子群とせず均一に添加した系(比較例2)に比べて、粗大粒子群として添加した系(実施例2)においては熱伝導性が向上しており、粒子群として添加することに意義があることを示している。これは、ランタンガレート単結晶粉末を粒子群(顆粒)として所定割合で添加し、同時に焼結させて多相系セラミックス材料を製造することにより、ランタンガレート単結晶の添加割合を最小量としながら熱伝導特性を付与するという機能を十分に発現させることが可能となる粒子群分散微構造とすることによる効果である。
【0055】
(2)粒径比DSC/DMatについて
実施例1,5,6と比較例5,6,7による固体電解質の熱伝導率の測定結果を比較すると、母相のランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径(DMat)とランタンガレート粗大粒子群の平均粒径(DSC)との比(DSC/DMat)を20〜100の範囲にすることにより、熱伝導性が向上することが確認された。粒径比DSC/DMatが100を超えると、焼結性が劣化して焼結体密度が低下するために熱伝導度が低下する傾向があり、一方、上記粒径比が20に満たない場合には、ランタンガレート単結晶粒子による熱拡散経路が連続せずに分散してしまうため、熱伝導性の低下を招く。
【0056】
(3)面積分率について
実施例1〜4と比較例8,9による固体電解質の熱伝導率の測定結果から、固体電解質の切断面を観察したとき、直径が10μm以上である粗大粒子群の面積の合計が、線インターセプト法で測定した面積分率で、10〜40面積%となるようにすることが望ましいことが判明した。すなわち、ランタンガレート単結晶粒子群の面積が小さいと十分な熱伝導性を付与することができない傾向となるので、10面積%以上とすることが望ましく、ランタンガレート粒子群の面積が大きいと結晶がぶつかりあってしまうため、焼結密度が低くなる傾向となるので、40面積%以下とすることがより望ましい。
【0057】
(4)粗大粒子材料について
粗大粒子群として添加する材料としては、ランタンガレート単結晶を用いることにより、熱伝導性が効果的に向上すると共に、SOFCとしての作動条件下における耐熱性も向上する(実施例1)。粗大粒子群材料として窒化アルミ粉末(比較例3)、アルミナ粉末(比較例4)を用いると熱伝導性の向上効果はあるものの、耐熱試験中に粗大粒子群材料と母相であるランタンガレートとの拡散・反応が進行してしまうため、熱伝導性の低下が顕著である。このことから母相材−分散相材との間に反応のないランタンガレート単結晶材料の利用が有用であることが確認された。
【0058】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、上記実施の形態における開示の一部をなす論述および図面は、本発明を限定するものではない。この開示から当業者には様々な実施形態、及び運用技術が明らかとなろう。
【0059】
また、上記実施例においては、ランタンガレート系酸化物(ランタンガレート含有酸化物として、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3−δを使用した例を示し、実施の形態の欄においては、上記複合酸化物に加えて、(La0.9Sr0.1)0.9Ga0.8Mg0.2O3−δのような組成を有するものを挙げたが、ペロブスカイト構造を有するLa−Ga系酸化物であれば特に限定されるものではない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の固体電解質材料は、ランタンガレート系酸化物からなる母相中に、分散相としてランタンガレート系酸化物からなり、母相粒子よりも20〜100倍の平均粒径を有する粗大粒子群を分散させたものであるから、酸素イオン伝導性を損なうことなく、熱伝導特性を大幅に向上させることができ、耐熱衝撃性を改善することができるという極めて優れた効果をもたらすものである。
また、本発明の製造方法によれば、ランタンガレート単結晶粒子を粒子群(顆粒)として、所定粒度のランタンガレート含有酸化物に所定の割合に添加し、焼結させるようにしたことにより、ランタンガレート単結晶の添加割合を最小限のものとしつつ、熱伝導特性という機能を十分に発現させることができ、さらに母材及び添加材として、同系組成物を用いるようにしたことにより、通常、熱伝導性を高める添加材料を添加する際に問題となる作動条件下での母材と添加剤との反応による特性の低下が生じないため、固体酸化物形燃料電池用の固体電解質として長時間の使用に耐える電解質材料を得ることができる。
さらに、本発明の固体酸化物形燃料電池においては、固体電解質として本発明の上記固体電解質材料を適用したものであるから、当該燃料電池が自動車などの移動体用電源として用いられた場合に、移動体の頻繁な始動停止に伴って激しい温度変化が生じたとしても、長時間の運転に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質材料における粒子構造を拡大して示す模式図である。
【図2】本発明の固体電解質材料を適用した固体酸化物形燃料電池セルの構造を示す概略図である。
【図3】本発明の固体電解質材料を適用した自動車用酸素センサの構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1 母相
2 分散相(粗大粒子)
5 固体酸化物形燃料電池セル
6 固体電解質相(固体電解質材料)
7,8 電極
Claims (8)
- ランタンガレート又はランタンガレート含有酸化物からなる母相と、該母相中に分散するランタンガレート又はランタンガレート含有酸化物の粗大粒子群から成り、母相粒子の平均粒径(DMat)と、分散相を構成する粗大粒子群の平均粒径(DSC)との比(DSC/DMat)が20〜100の範囲内にあることを特徴とする固体電解質材料。
- 母相が、次の一般式(1)
(La1−xAx)(Ga1−yBy)O3−δ ・・・(1)
(式中のAはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はカルシウム(Ca)であり、Bはマグネシウム(Mg)又は亜鉛(Zn)であり、x及びyは各々0<x<0.2、0<y≦0.2を満足し、δは酸素欠損量である)で表されるランタンガレート含有酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質材料。 - 分散相を構成する粗大粒子群がランタンガレート単結晶粒子から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質材料。
- 任意の切断面において、粒子径が10μm以上の粗大粒子群の合計面積が線インターセプト法で測定した面積率で、10〜40%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体電解質材料。
- レーザーフラッシュ法により評価される室温における熱伝導率が1.6W/mK以上であり、大気中1000℃の雰囲気下において、1A/cm2−480時間の通電熱耐久試験を行った後の熱伝導率の低下率が熱耐久試験前の5%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体電解質材料。
- 平均粒径が10〜40μmのランタンガレート単結晶粉末に、質量比で10〜50%の平均粒径が0.2〜1.5μmのランタンガレート含有酸化物粉末を添加して平均粒径が20〜100μmの造粒体を調整し、さらに該造粒体に平均粒径が0.2〜1.5μmのランタンガレート含有酸化物粉末を上記ランタンガレート単結晶粉末の割合が質量比で10〜40%となるように混合したのち、成形し、1350〜1550℃の温度範囲で焼成することを特徴とする固体電解質材料の製造方法。
- 上記ランタンガレート単結晶粉末として、溶融凝固法により作製された単結晶を用いることを特徴とする請求項6記載の固体電解質材料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1つの項に記載された固体電解質材料を1対の電極により挟持して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル。
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