JP2007055877A - ペロブスカイト型酸化物緻密焼結体及びその製造方法 - Google Patents

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勝裕 野村
Hiroyuki Kageyama
博之 蔭山
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Abstract

【課題】還元され易い元素を含むことのある各種の酸化物焼結体について、簡単な方法によって耐久性に優れた緻密焼結体を得ることができる新規な製造方法を提供する。
【解決手段】式:(La1−xA)(B1-yC)HzO3−d(Aは周期表2族の元素、Bは周期表3族の元素及び周期表13族の元素から選ばれた元素、Cは周期表第4周期の元素、0<x<0.5、0≦y≦1、0<z<0.1、0<d<0.25である)のペロブスカイト型結晶構造酸
化物を原料として、メジアン径が1〜10μm、最大粒子径が50μmの粗粉末とメジアン径
が0.1〜0.7μm、最大粒子径が2μmの微粉末とを、粗粉末:微粉末(重量比)=5:95〜95:5の割合で混合し成形した後、1100〜1600℃で焼成することを特徴とする、(La1−xA)(B1−yC)HO3−dで表されるペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法
【選択図】図4

Description

本発明は、ペロブスカイト型酸化物焼結体及びその製造方法に関する。
高い信頼性を持つ高性能な電気化学デバイス(燃料電池、センサー、ガス分離膜など)を開発するためには、高いイオン導電率を示し、且つ高い安定性を持つ電解質材料の開発が必要不可欠である。また、電解質材料を電気化学デバイスへ適用する際には、ガス透過のない相対密度(X線密度に対する嵩密度の比率)が95%程度以上の緻密な材料が望まれる。
一般式:(La1−xSr)ScH3−d(式中、0<x<0.2、0<y<0.1、0
<d<0.1である)で表されるペロブスカイト型化合物は、600℃で10−3S/cm
オーダーのプロトン導電率を示し、且つ高い安定を有するため、燃料電池、水素センサーなどの電解質材料として注目されている。しかしながら、構成元素にScを含むこの化合物は難焼結性であり、通常の電気炉を用いて焼結体とする場合、相対密度80%程度の焼結体しか得られていない。
一方、組成式:(La0.8Sr0.2)ScO2.9で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物については、加圧下で直流パルス電流により通電焼結させることによって、相対密度の高い焼結体が得られることが報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、通電焼結法は、焼成工程において還元反応が生じ易く、Ce、Ga、In等の還元され易い元素を含む焼結体の製造方法として適用することはできない。
特開2004-155600号公報
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、還元され易い元素を含むことのある各種の酸化物焼結体について、簡単な方法によって耐久性に優れた緻密焼結体を得ることができる新規な製造方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の組成式で表される高いプロトン導電性を有する酸化物について、特定の粒度分布を有する粗粉末と微粉末とを特定の割合で混合して用いる場合には、通常の電気炉を用いて空気中などの酸素含有雰囲気中で焼成するだけで緻密な焼結体とすることができ、しかもこの方法は、通電焼結法では製造できなかった還元され易い元素を含む酸化物についても適用可能であることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法を提供するものである。
1. 組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−d(式中、Aは、元素周期
表2族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bは、元素周期表3族の元素及び元素周期表13族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Cは、元素周期表の第4周期の遷移金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0<x<0.5、0≦y≦1、0<z<0.1、0<d<0.25である)で表されるペ
ロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を原料として用い、メジアン径が1〜10μm、最大粒子径が50μmの酸化物粗粉末と、メジアン径が0.1〜0.7μm、最大粒子径
が2μmの酸化物微粉末とを、粗粉末:微粉末(重量比)=5:95〜95:5の割合で混合し、成形した後、1100〜1600℃で焼成することを特徴とする、組成式:(La1−x)(B1−y)H3−d(式中、A、B、C、x、y、z及びdは上記に同じ)で表されるペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法。
2. 組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−dにおいて、Aが、Mg、
Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bが、Sc、Y、Lu、Al、Ga及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Cが、Cr、Mn、Fe、Co、Ni及びCuからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である、上記項1に記載のペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法。
3. 原料として用いる酸化物粉末の粒子径の頻度分布(体積基準)が、酸化物粗粉末については、2つの極大値を有し、それぞれが対数正規分布を有するものであり、酸化物微粉末については、対数正規分布を有するものである上記項1に記載のペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法。
4. 組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−d(式中、Aは、元素周期
表2族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bは、元素周期表3族の元素及び元素周期表13族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Cは、元素周期表の第4周期の遷移金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0<x<0.5、0≦y≦1、0<z<0.1、0<d<0.25である)で表され、相
対密度が90%以上であるペロブスカイト型酸化物焼結体。
5. 上記項1〜3のいずれかの方法で得られた請求項4に記載のペロブスカイト型酸化物焼結体。
本発明の製造方法の適用対象となる焼結体は、組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−dで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物の焼結体である。
上記組成式において、Aは、元素周期表2族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、その具体例としては、Mg、Ca、Sr、Ba等を挙げることができる。これらの元素は、一種のみが含まれても良く、或いは、二種以上が同時に含まれてもよい。これらの元素の内で、特に、Sr,Ba等を含む焼結体は、プロトン伝導性が良好である。
上記組成式において、Bは、元素周期表3族の元素及び元素周期表13族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である。これらの内で、周期表3族の元素の具体例としては、Sc、Y、Lu等を挙げることができ、周期表13族の元素の具体例としては、Al、Ga、In等を挙げることができる。これらの元素は、一種のみが含まれても良く、或いは、二種以上が同時に含まれてもよい。これらの元素の内で、特に、Sc、In等を含む焼結体は、プロトン伝導性が良好である。
上記組成式において、Cは、元素周期表の第4周期の遷移金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、その具体例としては、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等を挙げることができる。これらの元素は、一種のみが含まれても良く、或いは、二種以上が同時に含まれてもよい。これらの元素の内で、特に、Mn,Co等を含む焼結体は、プロトン伝導性が良好である。
上記組成式における各添字の表す範囲は次の通りである。
0<x<0.5、0≦y≦1、0<z<0.1、0<d<0.25。
本発明では、各添字が上記範囲内の場合に、目的とする高い相対密度を有する緻密な焼結体を得ることができるが、特に、プロトン伝導性に優れた焼結体とするためには、0≦
y<1であることが好ましい。
上記組成式で表される酸化物は、難焼結性の酸化物であるが、本発明の焼結体の製造方法によれば、特定の粒度分布を有する酸化物粗粉末と酸化物微粉末とを特定の割合で混合した原料を用いることによって、通常の電気炉などを用いて空気中などで焼成するだけで、高い相対密度を有する緻密な焼結体とすることができる。
以下、本発明の焼結体の製造方法について、具体的に説明する。
焼結体の製造方法
本発明では、原料としては、組成式:(La1−x)(B1−y)H3−d(式中、A、B、C、x、y、z及びdは上記に同じ)で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を用いる。
これらの原料酸化物の製造方法は特に限定的ではなく、例えば、固相反応法、加水分解法、ゾル−ゲル法、水熱法、噴霧熱分解法等の公知の方法を採用して上記した組成を有する酸化物を合成すればよい。例えば、上記組成式に含まれる金属元素含む化合物、例えば、酸化物、炭酸塩、有機物などを出発原料として用い、目的とする酸化物と同様の金属元素比となるように混合し、焼成することによって得た酸化物を原料として使用することができる。
本発明方法では、上記した組成式で表される酸化物について、メジアン径(ふるい下50%粒子径)が1〜10μm、最大粒子径が50μmの粗粉末と、メジアン径が0.1〜0.7μm、最大粒子径が2μmの微粉末という2種類の粉末を原料として用いることが必要である。
これらの原料酸化物の内で、メジアン径が1〜10μm、最大粒子径が50μmの酸化物粗粉末については、その粒子径の頻度分布(体積基準)が、2つの極大値を有し、それぞれが対数正規分布であることが好ましい。尚、この場合、2つの極大値の間隔が広い場合には、頻度分布曲線の裾の部分で重なり合うものの、2つの極大値が分離して明りょうに観察され、2つの極大値が近い場合には、頻度分布曲線において、2つの極大値が不明瞭となり、分布曲線が重なり合った状態で観察される。
また、メジアン径が0.1〜0.7μm、最大粒子径が2μmの酸化物微粉末については、その粒子径の頻度分布(体積基準)が対数正規分布であることが好ましい。
尚、本発明においては、酸化物粉末の粒子径は、レーザー回折法によって求めた値である。
上記した原料酸化物の混合割合は、粗粉末:微粉末の重量比を5:95〜95:5程度とすることが必要であり、10:90〜90:10程度とすることが好ましく、10:90〜70:30程度とすることがより好ましい。
この様な混合割合で粒径の異なる2種類の酸化物粉末を混合して用いることによって、通常の電気炉などを用いて空気中で焼成するだけで、高密度で耐久性に優れた緻密焼結体を得ることができる。
原料酸化物の成形方法については特に限定はなく、プレス成形、シート成形、鋳込み成形、押し出し成形、射出成形、CIP成形等の公知の成形方法を適宜採用すればよい。
焼成手段についても特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を用いて加熱するだけで高密度の焼結体とすることができる。焼成雰囲気は、通常、空気中、酸素気流中等の酸化性雰囲気中とすればよい。
焼成温度は、1100〜1600℃程度とすることが好ましく、1300〜1550℃程度とすることがより好ましい。この様な焼結時間の範囲内から目的とする焼結体の密度などに応じて、適切な焼成温度を決めればよい。
焼成時間は、特に限定的ではないが、通常、5〜10時間程度とすればよい。
ペロブスカイト型焼結体
上記した方法によれば、組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−d(式
中、A、B、C、x、y、z及びdは上記に同じ)で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物の焼結体を得ることができる。
該焼結体は、上記した製造方法を採用することによって、従来の焼結法では得られなかった相対密度90%以上という高密度の緻密焼結体とすることができる。この様な高密度の焼結体とすることによって、高強度の焼結体となり、しかも、電解質部材として使用する場合に要求されるガス遮断性に優れたものとなる。特に、良好なガス遮断性を得るためには95%程度以上の相対密度であることが好ましい。
目的とする相対密度の焼結体を得るためには、上記した製造方法において、焼結温度などを適宜設定すれば良く、通常は、焼結温度を高くすることによって、相対密度の高い焼結体とすることができる。
上記した方法で得られる焼結体は、水蒸気、水素などが存在する雰囲気中において良好なプロトン導電性を有するものであり、具体的には、例えば、水蒸気を4.2%含有するアルゴンガス雰囲気中において、600℃におけるプロトン導電率が6×10―3S/cm以上となる焼結体を得ることができる。特に、焼結体の密度を高くすることによって、プロトン導電率を高くすることができる。
更に、該焼結体は、良好なプロトン導電性を有すると同時に、高温においても安定性が良好で優れた耐久性を有するものであり、種々の酸素分圧及び水素分圧を有するガス雰囲気下においても、クラックなどが生じることなく長期間安定に使用できる
本発明によれば、従来の焼結法では緻密な焼結体を得ることが困難であった難焼結性のペロブスカイト型酸化物について、特殊な焼結方法を採用することなく、電気炉などの通常の加熱炉を用いて空気中で焼成するだけで、相対密度の高い緻密な焼結体とすることができる。また、本発明方法では、還元されやすい元素が含まれる複合酸化物についても、容易に高密度の焼結体とすることができる。
本発明方法によって得られるペロブスカイト型複合酸化物焼結体は、良好なプロトン導電性を有し、且つ優れた耐久性を有する高密度焼結体であり、固体酸化物形燃料電池、水蒸気電解装置、水素分離装置、水素センサー等の各種の電解質部材として有効に利用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
原料粉末の作製
La、SrCO、BaCO及びScを原料として用い、これらの原料をLa:Sr:Ba:Scの元素比が0.7:0.2:0.1:1となるように混合し、空気中で焼成し、粉砕することによって、組成式:(La0.7Sr0.2Ba0.1)ScH0.052.875で表される原料酸化物を作製した。
原料酸化物としては、粒子径の頻度分布(体積基準)が、2つの極大値を有し、それぞれが対数正規分布であり、各頻度分布曲線の裾の部分が重なり合った状態となっている粗粉末(メジアン径3.68μm、最大粒子径約50μm、極大粒子径1.78μm(標準偏差1.55)及び17.77μm(標準偏差1.33))と、粒子径の頻度分布が対数正規分布である微粉末(メジアン径0.56μm、最大粒子径約1.7μm、標準偏差1.26)を用いた。
焼結体の製造
上記した酸化物粗粉末と酸化物微粉末を、粗粉末:微粉末(重量比)=10:90の割合で混合し、一軸プレス(0.1ton/cm2)の後、等方静水圧プレス(2ton/cm2)を実施することにより、大きさ5mm×5mm×25mmの直方体状の成形体とした。
次いで、電気炉を用いて、上記成形体を空気中で10時間焼成して焼結体を得た。図1は、得られた焼結体の相対密度と焼結温度との関係を示すグラフである。このグラフから1600℃で焼成することによって、相対密度98%の緻密焼結体が得られることが判る。図2は、得られた焼結体のX線回折図であり、結晶性の良好な組成式:(La0.7Sr0.2Ba0.1)ScH0.052.875で表される焼結体が得られたことが確認できた。
尚、粗粉末のみを原料として同様の方法で焼結させた場合には、焼結体にクラックが発生して緻密な焼結体を得ることが出来なかった。
また、1600℃で焼結して得られた焼結体について、水蒸気を4.2%含有するArガス雰囲気、重水蒸気を4.2%含有するArガス雰囲気、及び乾燥Arガス雰囲気中での全導電率の温度依存性を示すグラフを図3として示す。
図3から明らかなように、上記した焼結体は、700℃以下の温度で良好なプロトン導電性を示すものである。
更に、1600℃で焼結して得られた焼結体について、酸化及び還元雰囲気(1000℃での酸素分圧1atm〜約10-18atm)中、室温〜1000℃の温度範囲における昇降温を30回以上繰り返し、導電率測定を実施したところ、焼結体にクラックが生じることがなく、良好な耐久性を示した。
これに対して、通電焼結法で作製した同様の組成の焼結体は、同様な酸化及び還元雰囲気中で、昇降温を5回繰り返すと焼結体にクラックが生じ、導電率測定が不可能となった。
実施例2
原料粉末の作製
La、SrCO及びScを原料として用い、これらの原料をLa:Sr:Scの元素比が0.8:0.2:1となるように混合し、空気中で焼成し、粉砕することによって、組成式:(La0.8Sr0.2)ScH0.052.925で表される
原料酸化物を作製した。
原料酸化物としては、粒子径の頻度分布が、2つの極大値を有し、それぞれが対数正規分布であり、各頻度分布曲線が重なり合った状態となっている粗粉末(メジアン径1.07μm、最大粒子径約19.90μm、極大粒子径1.09μm(標準偏差1.33)及び5.96μm(標準偏差1.41))と、粒子径の頻度分布が対数正規分布である微粉末(メジアン径0.53μm、最大粒子径約1.5μm、標準偏差1.25)を用いた。
焼結体の製造
上記した酸化物粗粉末と酸化物微粉末を、粗粉末:微粉末(重量比)=50:50の割合で混合し、一軸プレス(0.1ton/cm2)の後、等方静水圧プレス(2ton/cm2)を実施することにより、大きさ5mm×5mm×25mmの直方体状の成形体とした。
次いで、この成形体を電気炉を用いて空気中で10時間焼成して焼結体を得た。図4は、得られた焼結体の相対密度と焼結温度との関係を示すグラフである。このグラフから1550℃又は1600℃で焼成することによって、相対密度95%以上の緻密焼結体が得られることが判る。図4には、酸化物粗粉末のみを用いて同様の方法で作製した焼結体の相対密度と焼結温度との関係も示す。この結果からは、粗粉末のみを原料とした場合には、相対密度が90%以上の緻密焼結体は得られないことが判る。
図5は、粗粉末:微粉末(重量比)=50:50の原料を用い、1600℃で焼成して得た焼結体のX線回折図である。このグラフから、結晶性の良好な組成式:(La0.8Sr0.2)ScH0.052.925で表される焼結体が得られたことが確認できた。
また、粗粉末:微粉末(重量比)=50:50の原料を用い、1600℃で焼結して得られた焼結体について、30℃の水中にArガスを通過させて得られるHO飽和Arガス雰囲気、及び乾燥Arガス雰囲気中での全導電率の温度依存性を示すグラフを図6として示す。
図6から明らかなように、上記した焼結体は、800℃以下の温度で良好なプロトン導電性を示すことが判る。
更に、この焼結体について、酸化及び還元雰囲気(1000℃での酸素分圧1atm〜約10-18atm)中、室温〜1000℃の温度範囲における昇降温を30回以上繰り返し、導電率測定を実施したところ、焼結体にクラックが生じることがなく、良好な耐久性を示した。
これに対して、通電焼結法で作製された同様の組成の焼結体は、同様な酸化及び還元雰囲気中で、昇降温を5回繰り返すと焼結体にクラックが生じ、導電率測定が不可能となった。
実施例1における焼結体の相対密度と焼結温度との関係を示すグラフ。 実施例1で得た焼結体のX線回折図。 実施例1で求めた全導電率の温度依存性を示すグラフ。 実施例2における焼結体の相対密度と焼結温度との関係を示すグラフ。 実施例2で得た焼結体のX線回折図。 実施例2で求めた全導電率の温度依存性を示すグラフ。

Claims (5)

  1. 組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−d(式中、Aは、元素周期表2
    族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bは、元素周期表3族の元素及び元素周期表13族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Cは、元素周期表の第4周期の遷移金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0<x<0.5、0≦y≦1、0<z<0.1、0<d<0.25である)で表されるペロブ
    スカイト型結晶構造を有する酸化物を原料として用い、メジアン径が1〜10μm、最大粒子径が50μmの酸化物粗粉末と、メジアン径が0.1〜0.7μm、最大粒子径が2μmの酸化物微粉末とを、粗粉末:微粉末(重量比)=5:95〜95:5の割合で混合し、成形した後、1100〜1600℃で焼成することを特徴とする、組成式:(La1−x)(B1−y)H3−d(式中、A、B、C、x、y、z及びdは上記に同じ)で表されるペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法。
  2. 組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−dにおいて、Aが、Mg、Ca
    、Sr及びBaからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bが、Sc、Y、Lu、Al、Ga及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Cが、Cr、Mn、Fe、Co、Ni及びCuからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である、請求項1に記載のペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法。
  3. 原料として用いる酸化物粉末の粒子径の頻度分布(体積基準)が、酸化物粗粉末については、2つの極大値を有し、それぞれが対数正規分布を有するものであり、酸化物微粉末については、対数正規分布を有するものである請求項1に記載のペロブスカイト型酸化物焼結体の製造方法。
  4. 組成式:(La1−x)(B1-y)Hz3−d(式中、Aは、元素周期表2
    族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bは、元素周期表3族の元素及び元素周期表13族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Cは、元素周期表の第4周期の遷移金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0<x<0.5、0≦y≦1、0<z<0.1、0<d<0.25である)で表され、相対密
    度が90%以上であるペロブスカイト型酸化物焼結体。
  5. 請求項1〜3のいずれかの方法で得られた請求項4に記載のペロブスカイト型酸化物焼結体。
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